岡 山 醫 學 會 雑 誌
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(2) 996. 上. 永. 家. な い.母. の 同 胞 は 男 子2名. で1名. 広. 系. が30才 頃 父. 済. 図. 訪 れ 右 側 のT‑tomieを. 受 け た.術 後3時. 間位. が 借 金 の 連 帯 責 任 を 負 い 財 産 を 減 ら した の を. か ら全 身 の痙 攣 発 作 を 来 し,以 来 震 顫 は 反 つ. 苦 に し て 精 神 に 異 常 を 来 し,約10年. て 増 強,加. の経 過を. 以 て 死 亡,末 弟 は 本 病 の 患 者(第4例)で. あ. 父 系 の 祖 父 は51才 喘 息 で,祖 母 は76才 老 衰 系 の 祖 父 は66才 喘 息,祖. な 疾 患 で70才 で 死 亡 した,本. 母 も同 様. 家 系 の最 高 令 生. 存 者 で あ る これ ら 同 胞 の 父 の言 に 依 れ ば 先 系 に 震 顫 者,精. 来 す る様 に な つ た.. 1昨 年 頃 か ら腰 痛 を 覚 え,. 気 分 が い ら い ら し て 些 細 な 事 に も立 腹 し易 い下. る.又 父 母 は 従 同 胞 婚 で あ る.. で 死 亡.母. え て 年 に 数 回 全 身 の痙 攣 発 作 を 招. 神 異 常 者,精 神 薄 弱 者 等 は な か. 震 顫 は 睡 眠 中に は 無 い が 安 静 時 に もあ り感 動 に 依 り増 強,午. 前 よ り午 後,天. 強 くな る.四 肢 の 運 動 障 碍 は 殆 ど な い の で 現 在 尚 佐 官 業,農 業 等 に 従 事 し て い る. 現 症:体. 格 栄 養 中等,細. つ た と云 う.本 家 系 を 概 観 す る と表 に 見 る如. 56cm,皮. く一 般 に 多 産 並 び に 長 命 が 見 られ る.. い.姿 勢 は 軽 度 前 屈 位,顔. 第1例. ○ 山○ 男. 現 病 歴:本 10名 中 の4男,生. 32才. ♂. 未婚. 病 家 系 の 発 端 者 で あ り,同 胞 来 健 康 で 著 患 な く高 等 小 学. 卒 業 後 佐 官 業 の 弟 子 とな る. 22才 頃 誘 因 もな. 候 の悪 い 時 に. 長 型,水. 平頭囲. 下 脂 肪 の 発 達 良,筋 萎 縮 を 認 め な. 面 左 右 略 々 均 整,膏 形 成 可 能,眼. 貌 軽 度 仮 面 状,顔. 顔 の 傾 向 は な い.前 頭 皺. 瞼 下 垂 な く,瞳 孔 左 右 同 円 同 大. 眼 球 震 盪 及 び 輻 輳 機 能 異 常 を 認 め な い. 四 肢 及 び 指 の 屈 伸 に 異 常 な く,被 動 的 に 上. く下 肢 末 梢 左 右 何 れ と も な く震 顫 あ るを 自 覚,. 下 肢 の強 剛 は 認 め難 く,連 続 転 換 運 動 不 全 は. 当 時 軽 い頭 痛 は あ つ た が 就 床 す る事 もな か つ. な い.手 指 及 び 手 の 震 顫 は 粗 大.. た.震. 回,右 側 が 稍 々 著 明,握. 顫 は 漸 次 全 身 に 及び,. 27才 の 時 医 師 を. 訪 ね た が 明 確 な 診 断 を 下 され ず,当. 時 新聞 誌. 上 で 脳 手 術 を す れ ば 治 る と云 う事 で 某 大 学 を. 1秒 間 に4. 力 は 左21,右13上. 肢 の 運 動 は 比 較 的 速 か で あ り,指 々,指. 下 鼻試. 験 正 常 で 誤 示 な し.書 字 は 軽 度 震 顫 を 認 め る.
(3) 所謂青年性家族性震顫麻痺の一家系について も特 に 小 書 症 は 認 め な い.歩. 行 は一 見 異常 を. 認 め な い が 立 位 よ り坐 位 に 移 る際 時 と し て 不. 第3例. 997. ○ 山○ 野. 現 病 歴:発. 43才. 端 者 の 姉,同. ♂. 既婚. 胞10名 中 の 長 女. 随 意 背 進 が あ る.膝 蓋 腱 反 射 は 左 が 右 よ り稍. で あ る.生 来 健 に し て 著 患 な く, 14才 初 潮,. 々亢 進,ア. 18才 で 結 婚, 19才 で 初 産, 30才 の 時6人. キ レ ス 腱 反 射 左 右 略 々等 し,足 間. 代 を 認 め ず.腹. 壁,提. 睾 反 射,. Babinski徴. 男 子 を 出 生 難 産 で あ つ た.尚. 候 等 に 異 常 な く,知 覚 異常,直. 腸膀 胱 障 碍 を. 部 に 痛 み が あ つ た が,夏. 認 め ず.血. 低75mmHg.. し て い た.産 後4日. 圧 最 高120mmHg最. 目の. 数 年 前 よ り腰 背. 期 は忘れ た 様 に消 失. 目頃 か ら気 分 勝 れ ず,不. 血 清梅 毒反応 陰 性 其他 一般 血 液 所 見並 び に尿. 眠 易 労 感 を 覚 え 食 慾 減 じ 神 経 衰 弱 様 と な つ た.. 所 見 に 異 常 な く精 神 的 に は 記憶,記. そ の 頃 か ら左 拇 趾 の 震 顫 に 気 が つ い た.そ. 力 等 略 々 正 常 で 幻 覚,関. 銘,注. 意. 係 念 慮 は な い.感 情. は 稍 々 刺 戟 性 で あ る. 第2例 現 病 歴:発. は 漸 次 全 身 に 拡 つ た 様 で 殊 に 左 側 に 強 い と思 わ れ た.発 病 後13年 経 過,そ. ○山○. 22才. 端 者 の 弟,同. の 男 子 で あ る.生 来 健,著. ♂. 未婚. れ. の間 医 療 を受け. た が 効 果 は な か つ た.昨 年 頃 迄 は ど うに か 縫. 胞10名 中7番. 目. 患 な し.高 小2年. 物 が 出 来 た が,最. 近 は 全 く出 来 ず,起. 居入浴. 等 も極 め て 困 難 と な り,又 昨 年 頃 か ら時 に 体. 修 了 後 鍛 冶 職 徒 弟 奉 公 に 行 き, 17才 頃 左 右 何. が 灼 け る様 に 感 じ い らい らす る.時 に 眼 球 が. れ と も な く下 肢 未 梢 の震 顫 に 気 付 き,次 第 に. 痛 い 時 や,頭. 両 手 全 身 に 及 ん だ.当 時 易 労,頭. も増 強 す る.又 時 に 尿 意 頻 数 と な り1に. た.以 来 自 宅 で 農 業,材 和28年21才. 重感 が あつ. 木 運 搬 等 に 従 事.昭. で 本 病 の 診 断 を 受 け た.発. 病 後略. 々6年 に な る.震 顫 は 睡 眠 中 は な い が,精 感 動 に 依 り又,午. 神. 前 よ り午 後 に 増 強 す る.寒. 冷 に 依 り影 響 は 受 け な い.入. 浴 中に変 化 は な. い が 入 浴 直 後 は 悪 い と云 う.. 農 業 に 従 事 可 能 で あ る.. 達 良,姿 勢 軽 度 前 屈 位,顔 水 平 頭 囲57,5cm,前 右 均 整,瞳. 下脂 肪筋 肉 の発. 貌 は 稍 々仮 面 状,. 頭 皺 形 成 可 能,顔. 孔 左 右 同 円 同 大,対. 面左. 光 反 応,輻. 機 能 及 び 舌 に 異 常 な く,流 涎,言. 輳. 語 障 碍 な し.. 四肢 の強 剛 並 び に連 続 転換 運 動不 全 は証 明 し 難 い.自 覚 的 に 肩 凝 を 訴 え る.震 顫 は 四 肢 及 び 頸 部 に も認 め られ,右 動 的 で1秒. 間4回,握. 鼻 試 験 正 常.書. 側 に 稍 々 強 く粗 大,律 力 は 左22,右27,指. 々,指. 字 に 軽 度 震 顫 あ る も特 に 小 書. 日10. れ ぬ 寂 し い 気 分 を 覚 え た. 震 顫 は 精 神 感 動,午 前 よ り午 後,疲 増 強,睡. 現 症:体. 55cm,顔. 労時に. 眠 中 は な い が 安 静 時 に も存 す る. 格 中 等,皮. 下 脂 肪筋 肉 の発 達 中 勢 前 屈 位,水. 平頭 囲. 貌 悲 哀 を 帯 び た 仮 面 状,前. 成 可 能 顔 面 左 右 均 整,眼. 格 栄 養 中等,皮. ゝ る時 に は 震 顫. 数 回 排 尿 す る事 が あ る.発 病 当時 云 うに 云 わ. 等 な る も 稍 々 削 痩.姿. 歩 行 及 び 四 肢 の 運 動 障 碍 は 殆 ど な く現 在 尚. 現 症:体. 痛 な どあ り,か. 頭 皺形. 瞼 下 垂 な く眼 窩 稍 々. 陥 凹,瞳 孔 左 右 同 円 同 大,対 光 反 応 正常,眼 球 震 盪 な く輻 輳 機 能 正常,口. 半 開,挺. 舌運 動に. 支 障 な く流 涎 な し.肘 及 び 膝 関 節 の 屈 伸 稍 々 困 難,上. 下 肢 に筋 強 剛並 び に連 続 転換 運 動不. 全 を 認 め る.指 々‑指 鼻 試 験 拙 な る も可 能, 書 字 に 震 顫 を 認 め 小 書 症 の傾 向 が あ る. 震 顫 は 粗 大 律 動 的 で1秒3〜4回,左 々 強.握. 力 左11,右16,歩. 爪 先 を 地 に つ け,足. に稍. 行 困 難 で踵 を 挙 げ. 関節 は 明 らか に震 顫 を起. し履 物 を 履 く事 も脱 ぐ事 も 困 難 で 立 位 で 不 随. 症 は 認 め な い.歩 行 は 一 見 異 常 を 認 め な い が,. 意 背 進 ・前 進 ・側 進 が 認 め られ,物. 立 位 よ り坐 位 に 移 る際 不 随 位 背 進 が あ る.諸. る様 に 歩 く.自 覚 的 に 殊 に 左 大 腿 は 固 ま つ た. 腱 反 射 に 異 常 な く病 的 反 射 を 認 め ず,知. 様 な 感 じが す る と云 う.膝 蓋 腱 反 射,ア. 覚,. に突 き当. 直 腸 膀 胱 障 碍 等 もな い.血 圧 最 高120mmHg. ス 腱 反 射 軽 度 に亢 進,仮. 最 低75mmHg.血. 液,尿 所 見 に 異 常 を 認 め ず,. 腹 壁 反 射 異 常 な く, Babinski徴 候 陰 性,其. 精 神 的 に も第1例. 同 様 最 近 稍 々 短 気 で あ る外. 他 覚 的 知 覚 異 常,異. 特 異 な 点 は 見 られ な い.. 高110mmHg,最. キレ. 性 足 間 代 を 認 め る. 他. 常 発 汗 等 な し.血 圧 は 最 低72mmHg.血. 液 並 びに.
(4) 998. 上. 尿 所 見 略 々 正 常,精 注 意 力 略 正 常.幻 々 気 分 抑 鬱,刺. 神 的 に 見 当識,記. 覚,関. 永. 銘 力,. 係 念慮等 は ないが 時. 戟 性 とな り体 が 灼 け る様 な 気. が す る と云 う. 第4例. ○ 田○ 男. 現 病 歴:前. 52才. ♂. 未婚. 広. 済. る.物. に す が れ ば 辛 うじ て 立 つ 事 が 出 来 るが. 歩 行 は 出 来 ず 不 随 意 前 進,側 膝 蓋 腱 反 射,ア. キ レ ス 腱 反 射 殆 ど 消 失,仮. 足 間 代 を 認 め,. Babinski徴. 射,提. 記 同 胞 の 母 の 弟,生 来 健,高. 等 小 学 を 卒 業 当時 坂 道 を 登 る 際 に 疲 れ 易 くな. 進 が 認 め ら れ る.. 睾 筋 反 射 正 常.知. 汗 等 な く,血. 候 陰 性.腹. 性 壁反. 覚 異常 並 びに 異常 発. 圧 は 最 高90mmHg,最. 低 不 詳,. 尿 所 見 に 異 常 な く血 液 所 見 も 略 々 正 常.精. 神. り心 臓 が 悪 い と云 わ れ た 事 が あ る他 著 患 を し. 的 に は 見 当 識,記. 意 力 普 通,幻. 覚及 び. ら ず,鍛. 関 係 念 慮 等 は な い が 感 情 稍 々 抑 鬱,短. 気であ. 冶 職 に 従 事 し て い た が, 30才 頃 よ り. 腰 背 部 に ロ イ マ様 疼 痛 を 覚 え, 35才 の 時 右 拇. 憶,注. る.. 趾 に 木 片 を 落 し た 時 ふ と該 部 の震 顫 に 気 が つ い た.震. 考. 顫 は 次 第 に 全 身 に 及 び 当時 某 病 院 で. 脳 脊 髄 が 悪 い だ ろ う と云 わ れ,梅 査 の 結 果 否 定 され た.そ. 毒は 血液 検. の 後10年 位 の 経 過 と. 1). 按. 発 病 年 令 に つ い て:. 麻 痺 を40〜60才. Charcotは. に お こ る初 老 期 疾 患 で あ る と. 共 に 次 第 に 震 顫 と運 動 困 難 が 増 強 し,最 近7‑. 云 い,. 8年 は 仕 事 が 出 来 ず 殆 ん ど 自 宅 に い る.初 徴 自. 発 病 す る 事 は 極 め て 稀 と 云 う. Hart,. 覚 後17年 を 経 過,現. Patrick,. 在 尚 腰 背 痛 が あ り,仰 臥. Oppenheimは. Lewy,. 震顫. 本 病 が40才. 以前 に於 て. Churschmann等. Krabbe,. は30才. 以前. す る と 起 坐 出 来 な い の で 側 臥 位 で い る事 が 多. の 発 病 は 稀 で あ る と統 計 的 に 示 し て い る.. い.震. 顫 は 睡 眠 中 に は な い が 精 神 感 動,寒. Willigeは1911年. 時,天. 候 の 悪 い 時,午. 冷. 前 よ り も午 後 に 強 く又. 諸 文 献 か ら30才. 年 性 に 来 た 発 病 例47例. 以前 の青. を 蒐 集 し, 12例. を異. こ の様 な 時 に は 屡 々 尿 意 頻 数 とな る.食 事 は. 論 の な い 震 顫 麻 痺 とし て撰 び 他 は 誤 診 又 は 確. 起 し て 貰 え ば 辛 う じ て 出 来 る が そ れ も朝 食 の. 信 を 置 くに 足 らず とし て,本. み で,午. 令 を20才. 後 に な る と震 顫 の た め 全 く困 難 と な. 病 の最 低発 病 年. と し これ ら を 青 年 性 震 顫 麻 痺 と し. り食 器 中 の 米 飯 は 四 散 す る.病 初 は 入 浴 す る. た.又. と楽 で あ つ た が 現 在 は 全 く入 浴 出 来 な い.歩. も の で あ つ た. 1916年Hunt11)は20才. 行,書. 字 も殆 ど 不 能 で あ る.病 気 自覚 当時 云. この内 約半数 が家 族的 に 出現 して い る. 病 例 を 挙 げ て い る.但. しこれ らの報告 は 流行. い 難 い 寂 し さ を 覚 え た と云 う.起 居 が 全 く不. 性 脳 炎 後 のParkinsonismusが. 自 由 で あ る の で 近 来 益 々 気 が 短 くな つ た.. 載 で あ る.. 現 症:体. 格 栄 養 中等,細. 長 型 で筋 に萎縮. を 認 め な い.体 位 は 前 屈 位,上. 下 肢 は 夫 々肘. の発. 未 知 の 時 代 の記. 然 し て 家 族 例 が 青 年 期 に 屡 々 発 病 す る事 は 本 邦 に 於 て も入 沢,大 鹿,岡. 部,宮 尾 も之 を. 関 節 及 び 膝 関 節 に て 中 等 度 に 屈 曲 し 本 症 の定. 指 摘 し て い る.吾 々 の 例 で は 発 端 者 の 初 徴 自. 型 的 肢 位 を 形 成.水. 覚 年 令 は22才 で 本 病 の 診 断 を 受 け た の は26才. 平 頭 囲57cm,顔. 状 稍 々 蒼 白,前 頭 皺 形 成 困 難,顔 均 整,眼. 貌仮 面. 面 左右 略 々. 瞼 下 垂 な し,瞳 孔 左 右 同 円 同 大,対. 光 反 応,眼. 球 震 盪,輻. 輳 機 能 に 著 変 を 認 め ず,. 口 半 開,挺. 舌 異 常 な く,垂 涎,言. 語 障 碍 な し,. で あ る. 第2例. は17才 で 初 徴 を 自覚,本. れ た の が21才,第3例. 病 と診 断 さ. は30才,第4例. 才 で 何 れ も初 徴 を 自覚 し て い る の で 発 病 は 後. 運 動 緩 徐 不 確 実 な る も指 々,指 鼻 試 験 辛 う じ. の2例. て 可,上. の 発 病 年 令 か ら こ の 症 例 はWilligeの. 下 肢 及 び頸 部 肩 に 筋 強 剛,連. 運 動 不 全 を 証 明,握. 力 は 左11,右10.5.四. 殊 に 上 肢 の 震 顫 は 著 し く粗 大,律 4〜5回,右 関 節,膝. 続 転換 肢. 動的 で毎 秒. に 稍 々 強 く,歩 行 は 殆 ど不 能,肢 関 節 の伸 展 は困 難 で半 ば強 直 位 にあ. は35. に 於 て は30才 代 と推 定 され る.こ れ ら 所 謂青. 年 性 家 族 性 震 顫 麻 痺 に 属 す る と思 わ れ る も の で あ る. 斯 くの 如 く本 病 が 家 族 的 に 出 現 す る場 合 は 寧 ろ 若 年 で あ る事 が 観 察 され る..
(5) 所 謂 青 年 性 家 族 性 震 顫 麻 痺 の一 家 系 に つ い て 2). 症 候 学:前. 駆 症)一. 般 に前 駆 症を 欠 き. 明 で 第4例. 999. は 全 く書 字 不 能 で あ つ た.其 他 本. 始 め よ り運 動 緩 徐 に 気 付 く事 が 多 い が 屡 々 長. 病 に 特 有 と され る諸 症 状 は 略 々 経 過 年 数 と年. 期 に 亙 つ て ロ イ マ様 の 訴 え 又 は 筋 の 痙 〓 に 悩. 令 に 比 例 し漸 次 高 度 と な つ て い る.然. む 事 が あ る. Mendelは. 例 共 に 筋 萎 縮 は 認 め られ ず,胃. 感 覚性 前 駆 症状 及 び. 腸 障 碍 も不 定. 神 経 衰 弱 様 症 状 を 前 駆 す る と云 う.吾 人 の 例. で 時 に 第3例. で は 第2例. に 産後 に. 意 頻 数等 が あ つ たが 尿 所 見に は何 れ に も異常. に ロ イ マ様. は な か つ た.又 知 覚 障 碍 もな く,腱 反 射 は 第. に 易 労 感,頭. 引 続 き不 眠,易. 労,腰. 重,第3例. 痛,第4例. に 尿 意 頻 数,下. して各. に尿. 4例 に於 て 筋 硬 縮 が 高 度 で あ るた め 殆 ど 消 失. 腰 背 痛 を発 現 し た. 本 病 の 主 徴 候 は 震 顫,筋. 硬 縮 及 び運動 寡 少. し て お り,他 は 略 々 正 常 或 は 稍 々亢 進 を 示 し,. で あ り,震 顫 は 通 例 緩 慢 律 動 的 で 安 静 時 に も. 第3,. 存 す る が,睡. 軽 度 に 見 られ た.. 眠 中 に は 見 られ ず,精. 神興 奮 に. 依 り増 強 す る.震 顫 は 四 肢 殊 に 手 で,多 右 に 初 発 し漸 次 同 側 の 下 肢,次 下 肢 に 及 び,亢. 痢,第4例. くは. いで 他 側 の上. 進 す れ ば 頭 ・唇 ・舌 ・咽 喉,. 及 び 胸 腹 筋 に も現 わ れ,上. 下 肢 の震顫 は 同時. 4例. に は 震 顫 に 移 行 す る仮 性 足 間 代 が. 眼 症 状). 凝 視 痙 攣 乃至 胆視 発作 は脳 炎後. Parkinsonismusに れ な い が,吾. 特 有 で あ り本 症 で は 認 め ら. 々 の 例 で も又 異 常 を 認 め な か つ. た.其 他 植 物 神 経 症 状 は 本 症 に 於 て は 稀 で,. 期 的 で あ る と云 わ れ る.本 例 で は 下 肢 末 梢 か. 脳 炎 後Parkinsonismusに. ら始 つ た 場 合 が 多 く,第1・2例. 上 記 の 眼 症 状 の 他 に 強 烈 な 流 涎,発 汗,失. と も な く,第3例 指 か ら 始 り,次. は左 右何 れ. は 左 拇 趾,第4例. は 右 の拇. い で上肢 か ら全 身に及 んで い. る.震 顫 及 び筋 強 剛 は 第1,. 2例 に 較 べ 第3,. 2例 に 於 て は 被 動. 的 に筋 強 剛 が 認 め 難 い 時 が あ り.こ Formes. れ は. fruetesと 考 え るべ き で あ ろ う.. な お 初 め 外 来 を 訪 れ た の は 第1,. 2例 で あ つ. 命 の 傾 向 を 聞 知 す る に 及 びMinor. の 所 謂 特 発 性 震 顫 を 考 え た.私. 度 な精 神障 碍等 認 め. 一般 に本病 に於 て青年 性 の ものは. 吾 人 の 例 に 於 て も発 音 障 碍,嚥. 下 困難等 は見. られ な か つ た. 血 液 所 見,血 毒 は1,. た た め 当初 吾 人 は こ の 点 及 び 本 家 系 に 於 け る 多 産,長. られ ず,又. 第3,. 圧 等 も略 々 正 常 で あ り.又 梅. 2例 に 於 て は 血 清 学 的 に 之 を 否 定, 4例 も全 く否 定 し て 居 た.. 精 神 症 状). 一 般 に 脳 炎 後Parkinsonismus. の 患 者 に 較 べ 高 度 な 精 神 障 碍 を 示 す 事 な く,. の症 例全 てに. 軽 度 の 精 神 遅 鈍 は あ るが 精 神 生 活 に 於 て 日常. 於 て 強 剛 よ り震 顫 が 先 に 自 覚 さ れ た の は. 支 障 を 来 す 如 き 事 は な か つ た が,各. Charcot,. に 見 ら れ た 事 は 短 気,刺. Willigeの,青. 年 型 に於 ては 震顫 が. 強 剛 よ り優 位 に あ る と云 うに 一 致 す る. 歩 行 障 碍). 例 に 共通. 戟 性 或は 抑 鬱感 情等. で あ り,こ れ は 本 病 の 経 過 と略 々並 行 し て 増. 歩 行 障 碍 も又 本 病 に 特 有 な 症. 状 で あ り,平 衡 調 整 特 にPropriozeptive. 声,. 老 年 性 に 較 べ 延 髄 症 状 が 少 い と云 わ れ るが,. 4例 が 稍 々 高 度 で これ ら は 本 病 に特 有 な 顔 貌 及 び 姿 勢 を 示 し た.第1,. 高 度 な 皮 膚 感 覚 異 常,高. 多 い と云 わ れ る が,. Ref. 強 す る も の と思 わ れ た.第3,. 4例 に 於 て は. 発 病 時 か ら何 と も云 わ れ ぬ 物 寂 し さ を 覚 え た. lexの 障 碍 即 ち, Sto̲??̲‑Phonomenと し て 前 方. と述 べ て い る.こ. 突 進,後. 厳 密 な意 味 では 一 種 の精 神病 質 者 の範 籌 に入. 方 突 進 更 に 側 方 突 進 が 起 る.私 の 例. れ らは 他 の 著 者 の 云 う様 に. で は1・2例 に 於 て は 著 明 な 歩 行 障 碍 は 見 られ. る か も しれ な い. Kehrerは. な か つ た が 立 位 よ り坐 位 に 移 る 際 後 方 突 進 が. に 於 け る気 質 及 び 素 質 の 一 定 傾 向 に 着 目 し,. 見 られ,第3例. あ る程 度 の 原 則 的 な 精 神 運 動 性 気 質 性 格 の 変. は 明 らか に 後 方,前. 方 突 進 が 見 られ,第4例. 方 或 は側. は 筋 硬 縮 が 極 め て高. 本病 の 遺伝素因. 異 が 既 に 本 病 に 先 立 つ て 存 在 す る と述 べ,岡. 度 で 自力 に 依 る歩 行 は 全 く不 可 能 とな り本 病. 部 は 下 田教 授 の 執着 性格 を もつ て これに 該 当. に 特 有 な 姿 勢 で 殆 ど 終 日横 臥 し て い た.書. す る も の と し,宮 尾 は 本 病 に 偏 執 性 ヒ ス テ リ ー 性 の 異 常 性 格 者 を 見 ,そ の 発 展 の 跡 を 辿 れ. は 各 例 共 に 障 碍 を 認 め た が 殊 に3・4例. 字. に著.
(6) 1000. 上. 永. 広. 済. ば 病 前 に 既 に 胞 芽 を 証 明 す る と云 う も私 は こ. が 困 難 で あ り,本 病 の 遺 伝 圏 を 考 察 す る 場 合. の 点 明 確 な 把 握 を す る 事 は 出 来 な か つ た.併. この 点 考 慮 を 要 す る と云 つ て い る. Willige. し本 病 の 発 展 と共 に 性 格 気 質 の 変 化 が 随 伴 し. の報 告 し た 家 族 的 青 年 性 震 顫 麻 痺 に 於 て 「同. 増 強 す る も の と認 め た.其. 胞 性 」 に 出 現 す る と云 う意 味 を 「劣 性 遺 伝 を. 他 幻 覚,或. は 被害. 的 念 慮 等 は 全 く認 め ら れ な か つ た. 3). 遺 伝 に つ い て:. 伝 研 究 はKehrerに る.そ. と る」 と解 釈 す れ ば,. Parkinsonismusの. 遺. 依 つ て緒 に 就 い た と云 え. も そ も本 病 の 遺 伝 性 の 根 拠 は 発 端 者 の. Kehrerは. 之 に 対 して. 「彼 の 中 核 群(KehrerはParkinsonismusの 全 ゆ る原 因の 中で遺 伝 的 原 因群即 ち慢 性進 行 性 の 発 病 年 令50〜60才. を 中 核 群 と し て い る). 近 親 に 震 顫 麻 痺 或 は 類 似 疾 患 が 屡 々 発 見 され. に 於 て は 同 一 又 は 類 似 疾 患 が 同 胞 に 多 く近 親. る 事 実 か ら,そ. れ を根本 的 に調 査 すれ ばす る. に 少 い と云 う事 実 が 語 られ る の は 発 端 者 の 陳. 程 遺 伝 負 因 が 決 定 的 な 意 義 を 有 す る との 見 解. 述 に 依 存 す る人 工 的 所 産 で あ り,類 似 的 誘 因. に 基 き,彼 は 文 献 よ り15の 同 胞 例 及 び22の. に依 る も の で な く し て遺 伝 素 因 の 影 響 に 依 つ. 世 代 に 於 け る本 病 を 比 較 し,後 者 が 遙 か に 多. て 説 明 され るべ き も の で あ る 」 と述 べ,彼. 数 で あ る所 か ら優 性 遺 伝 で あ ろ う とす る結 論. 更 に本 病が 正確 な調査例 で世代 か ら世代 に顕. を 得 た.同. 現 す る 場 合 が あ る か ら,同 胞 の み に 出 現 し た. 胞 罹 患 群 は 劣 性 遺 伝 形 式 を と る が,. この場 合 には 優性 の原則 が外 見 上例 外 を来 す 事 情,例. え ば 従 来 確 実 な 優 性 遺 伝 と云 わ れ て. い るHuntington病. に 於 て も,病 気 の始 らぬ. 内 に 死 亡 しAntepositionを. 生 じて同胞 に のみ. は. 場 合 は 発 端 者 の 陳 述 の み に 依 存 した 場 合 で あ りこれ に 対 し て 或 は 優 性 或 は 劣 性 と決 め る事 は 出 来 な い と述 べ て い る.尤. も これ ら の 報 告. は 脳 炎 後ParkinsonismusがEconomoに. 依つ. 見ら. て 報 告 され る 以 前 の も の で あ る か ら脳 炎 に 対. れ る場 合 が あ る 如 く,本 病 の 如 き が 高 令 で. す る対 立 的 批 判 の 論 拠 或 は 遺 伝 的 負 荷 の大 い. 発 病 す る 場 合 に 於 て 所 謂Scheinbare. さを 示 す と云 う事 も 出 来 な い が,少. 現 わ れ て く るScheinbare. chungも. Abweichungが. Abwei. 考 え ら れ る.又 本 病 が 遺 伝 関 係 陰 性. 家 族 的 或 い は 世 代 に 亙 つ て 本 疾 患 が 「脳 炎 後. に 出 現 す る 場 合 は 屡 々他 の 疾 患 と し て 見 透 す. Parkinsonismus」. 場 合 が あ る.例. れ な い.然. Kehrerの. えば本 病 の 未 熟 型 の 場 合 又. 所 謂 系 統 的 症 状 の 増 加 及 び減 少 な. くと も,. と し て 出 現 す る とは 考 え ら. し て私 の例 に於 て Ⅲ 代 に 於 て 顕 れ. た 震 顫 麻 痺 と,Ⅳ 代 に 於 て 現 わ れ た 同 胞 例 を. ど も あ る の で あ る. Minor18)の 所 謂 遺 伝 性 震. 別 々 に 考 え る と後 者 は 即 ちWilligeの. 報告 し. 顫 症 と本 病 と の 関 係 が 屡 々 問 題 と な る が. た 家 族 的 青 年 性 震 顫 麻 痺 で あ るが,両. 者は異. KehrerはBenedik‑Csorzの. 質 の もの とは 考 え られ な い.更. 症 例(Minorの. 特 発 性 震 顫 が 系 統 樹 の 初 め に あ り, 2代 で は. の 父 は67才. Parkinsonismusにalternierenし. 病 と云 わ れ て 死 亡 し,既 に 発 病 危 険 域(50〜. て い る)を 挙. で 健 在 で あ るが,母. に これ と同胞 は63才. 心臓. げ 更 に 彼 自 身 も 同 様 な 家 系 図 を追 加 しMinor. 60才)を. の 特 発 性 震 顫 に 鋭 い批 判 を 向 け て い る が,岡. Abweichungを. 部 も又 第2代. 得 な い の で 本 病 を 否 定 し 去 る 事 は 出 来 な い.. に 遺 伝 性 震 顫 を 示 し,第3代. 青 年 性 震 顫 麻 痺 へ のAlternanzを. に. 示 した一 家. 越 え て い る が 前 記 のScheinbare 来 す場合 が なか つた とは 云 い. そ の 弟 で あ る 第4例. の 患 者 は52才 で あ る が 未. 系 を 報 告 し両 疾 患 の 興 味 あ る 関 係 を 示 唆 し て. 婚 で あ り,第 Ⅲ 代 と直 接 関 係 を 持 た な い が,. い る.. 同 胞 例 の 長 姉 で あ る 第3例. 本 疾 患 の不 全 型 に 関 し て は 「震 顫 な き 震 顫 麻 痺 」 と し て震 顫 を 欠 く場 合 の 他 に 二,三 症 状 を 欠 く事 はMendel7) で あ り,又Lewyは が 見 られ,そ. の. 19)等 の 唱 導 し た 所. 老年 に本 病 の個 々 の症状. れ が 本 病 の不 全 型 か 否 か の 決 定. は 挙 子 数7人. であ. る の で 今 後 本 病 患 者 の 出 現 は 注 目に 値 す る. 一 般 に 家 族 的 累 集 の 場 合 は 比 較 的 早 く発 病 し. ,. 遺 伝 例 に 於 て も家 族 的 疾 患 に 移 行 す る 場 合 Antepositionを. 生 ず る と云 わ れ る が 吾 々 の例. に 依 つ て も こ れ が 証 明 され る訳 で あ る..
(7) 所 謂 青年 性 家族 性 震 顫麻 痺 の一 家 系 につ い て. 次 に 系 図 学 的 調 査 に 於 て 本 病 と老 年 痴 呆 と. 検 所 見 を 持 た ず,局. 1001. 在 に 関す る吾 人 の意 見は. の 関 係 は 常 に 問 題 とな る点 で あ り,両 疾 患 の. な い が,こ. 家 族 的 集 積 と組 織 検 索 に 就 て, Lewy等. 記 し て 考 察 の 資 と し た い.. は両. 疾 患 は 同 じ く老 年 機 転 で あ る と し 両 疾 患 の 近 親 関 係 を 設 定 し て い るが,私. の 調 査 し得 た 家. 系 の 中 に 老 年 痴 呆 は 見 出 し得 な か つ た.一 Benda,. 方. Cobb20)等 は 実 際 問 題 と し て 震 頭 麻 痺. 患 者 の 脳 に 於 け る 老 人 性 変 化 は 稀 で あ る とい う.又Kehrerは. 神 経 系 の遺 伝 退 行 素 質 に 於. れ迄 の諸 家 の述 べ てい る ところ を. 震 顫 麻 痺 は 官 能 性 神 経 症 で あ る とす る 古 い 考 え は 既 に 埒 外 に 去 り,中. 枢 神経 系 の変化 の. み な ら ず 他 の 器 管 の 変 化 例 え ば,副 変 化,背. 甲状 腺 の. が,現. 髄 前 角 及 び 筋 の 変 化 等 が 述 べ られ た 今 で は 中脳及 び レ ンズ核域 の一定 位 の. 洞 疾 患 と 見 做 す 意 見 を 以 て 占 め ら れ て い る.. け る時 と し て の 形 態 移 動 の 現 象 即 ち,震 顫 麻. そ の 概 要 を 辿 れ ば 次 の 如 く で あ る.先. 痺 の 同 胞 又 は 両 親 に 於 てHomoiophonieを. gersmaは. 起. づJer. 本病 の 両 側 糸状体 視 床 繊維 及 び レ. し て 舞 踏 病 様 運 動 を 持 つ た 老 年 痴 呆,多. 発性. ン ズ 状 核 綰 に 変 化 を 見,. 硬 化 症,延 髄 麻 痺,筋. 髄洞. 麻 痺 の 青 年 型 に 淡 蒼 球 の 進 行 性 萎 縮 を 証 明 し,. 症,進. 萎 縮 側 索 硬 化,背. 行 麻 痺 等 を 見 出 す と云 うが 私 の 調 査 で. は か ゝる 症 例 を 見 出 し 得 な か つ た. SoLE21) は 各4例. のHuntington舞. 踏 病 と震顫 麻 痺 に. Huntは. 原 発 性 震顫. 略 々 同 様 な 変 化 をZingerle17),. Bogeart22)32). も 追 証 し た. Lewy23),. Lhermitte24),. Stief25)等 は 老 年 性. つ いて 病理 学 的 に比 較考 察 を行 い両 疾 患 は遺. 退 行 性 神 経 変 化 殊 に 脂 肪 変 性 と関 聯 して 老 年. 伝 変 性 的 に 系 統 づ け られ た 萎 縮 で あ る と報 告. 痴 呆 は 大 脳 皮 質 変 化 に 依 つ て 樹 立 さ れ るに 反. し て い る の は 興 味 深 い.其. し,震. 他遺 伝 負 因 として. 顫 麻 痺 は被 殼及 び 淡 蒼球 に病 変 の主座. 考 慮 され ね ば な らぬ 事 は これ 等 同 胞 例 の 父 母. を 置 く,即. は 従 同 胞 婚 で あ り,又 母 の 弟 に 精 神 異 常 者 が. 耄 性 機 転 と 断 じ,. Jakob26),武. あ つ た 事 が 目立 つ.更. Bielschowski28)等. も 之 に 傾 い て い る.. にKehrerは. 関 節炎 性. ち 本 病 を 脳 幹 神 経 節 に 占居 す る 老 野27),大. 熊27), Funf. 遺 伝性 な る名 の下 に慢 性 ロ イマ を 重 視 し て. geld29)及. い る.. つ ゝ も 尚 レ ン ズ 核 域 の 変 化 を 主 と しBrissaud,. 私 の 第3,. 4例 に於 て 各 々 腰 背 部 に ロ イ マ. びPuschkin30)は. Block‑Marineskoは1例. 黒質 の 変化 を認 め. のParkinson症. 候 に他. 様 疼 痛 を 伴 つ て い る.又 前 記 発 端 者 の 母 の 弟. 側 の 黒 質 に 腫 瘍 を 見 て い る.. Tretiakoff31)32). で あ る精 神 病 者 も詳 細 は わ か ら な い が 神 経 痛. は 黒 質 の 病 変 を 提 唱, Vogtは. 本 病 の 根 底 を線. を 有 して い た と云 わ れ る.. 状 体 の 変 化 に 限 ら ん と し た.こ. 扨 既 に 記 し た 如 く最 早 本 病 の遺 伝 負 因 は 否 定 し 得 ぬ 所 で あ り. KehrerのSog中. 核群は. の 間Economo. は1917年. 流 行 性 脳 炎 を 記 載,. Sicard7)等. 仏 学 派 は 震 顫 麻 痺 は 全 く緩 慢 な る. Sovques7),. 震 顫 麻 痺 の 全 て を 決 定 的 な遺 伝 性 原 因 群 と し. 流 行 性 脳 炎 の 結 果 で あ ろ う と し た. Hassler31). て 満 足 させ る 事 は 困 難 で あ り寧 ろ, 50〜60才. はTretiakoffの. 以 前 に も発 病 し得 る遺 伝 退 行 変 化 と解 す る 考. 脳 炎 後Parkinsonismusの. 黒 核 に 於 け る 細 胞.. え に 傾 く の が 至 当 と 思 わ れ る. Souques7),. 構 築 学 的 な 差 異 を 論 じ,黒. 核 の障 碍 を以 て震. Sicard7), Petrien7)等 は 震 顫 麻 痺 は 全 て 流 行. 顫 麻 痺 の 病 理 解 剖 学 的 基 質 を な す と い う意 見. 性 脳 炎 の 結 果 で あ る と 云 い,又Klaueの. に 同 意 し た.. 病. 理 学 的 研 究 か らは 定 型 的 震 顫 麻 痺 と 「定 型 的 脳 炎 後Parkinsonismus」 れ な い,こ. の 点Kehrerの. は対 立 させ て考 え ら 中 核 群 に 於 け る決. Klaueは sonismus. 見 解 を 追 証 し更 に 震 顫 麻 痺 と. 震 顫 麻 痺32例,脳 28例. し た 結 果,両. 炎 後Parkin. に 就 い て 病 理学 的 所 見 を 比 較 疾 患 は 本 質 的 に 一 致 し黒 質 変 化. 定 的 な遺 伝 性 を 示 す も の に つ い て は 疑 問 が 持. を 主 とす る も の で 唯 量 的 に 前 者 は 後 者 に 比 し. た れ る.. 軽 微 に 留 る と 云 う結 論 に 達 しSpatzも. 4). 局 在 並 び に 病 因 に 関 し て:吾. 人 は剖. 持 す る に 到 つ た.. Timmer33)も. 之 を支. 同様 な所見 を.
(8) 1002. 上. 報 告 し て い る,然. 永. し黒 質 変 化 の 組 織 学 的 所 見. 広. 済. 節 炎 を,. Kehrerは. 慢 性 ロ イ マを 関 節 炎性 遺. につ いて は諸 学 者 の間 に一 致 した意 見は 見 ら. 伝 性 な る 名 の 下 に 重 視 し て い る がLewy,. れ な い.又. Bing等. こ れ ら症 状 の 発 生 機 序 に 就 い て は. Papez36), Bucy34)35)等 の 提 唱 す る 所 謂sup pressor system及. び, pyramidal. systemな. は 視 床 或 は 皮質 痛 道 の 病 変 関 与 に 依. る 局 在 症 状 と解 釈 す る の が 適 当 で は な か ろ う る. か と述 べ て い る.外. 傷 性Parkinsonismusに. 考 え 方 が 為 さ れ て い る が,こ れ に 対 して は 尚. 関 し て はKehrerは. 身 体 外 傷 を 否 定,発. 多 くの 疑 義 が あ る.最 近 楢 林,大. 恐 ら く潜 伏 性 の 脳 炎 後 の も の で あ ろ う と云 い,. 熊37)38)39)等. は 手 術 及 び 電 気 刺 戟 実 験 に 基 き,淡 蒼 球 は 震. Vandierは. 顫 に 対 し て よ りも筋 強 剛 の 発 生 病 理 に 重 要 な. 誘 因 と し て意 味 を 持 つ と云 う.. る 役 割 を 果 す と報 告 し て い る.即 ち 震 顫 麻 痺. Lewyは. 外 傷 に 依 る発 病 は 素 因 あ る もの に. 感 染 と外 傷 が 特 殊 な 位 置 を 演 ず る. の 硬 縮 及 び 震 顫 の 局 在 に 関 して は 今 日尚 定 説. と云 い, Mendelは. が な く淡 蒼 球 説 と黒 質 説 が 対 立 し て い る.. を 考 え た. Wilson,. 次 に本 病 の病 因 に関 して 問 題 と な る の は Lewyの. 謂 う老 年 性 変 化 で あ り,こ. の問 題 の. 病は. か ゝる 際 のPradisposition Ha̲??̲ler等 に 依 れ ば 直 接. の外 傷 例 え ば 銃 創,即 Parkinson‑syndromに. ち基 底 核 の 射 創 は 導 くが 脳 震 盪 或 は 脳 挫. 解 決 に青 年性 震顫 麻 痺 の演 ず る位 置は 極 め て. 傷 で は 起 り得 な い と云 う.吾 々 の 例 は 外 傷 に. 大 き い が 症 例 に 乏 し く剖 検 に 恵 ま れ な い.前. 関 係 を持 た な か つ た が 一 般 に か ゝ る場 合 の 症. 述 の 如 くHunt等. に 依れ ば進 行 性淡 蒼 球萎 縮. 状 は 不 純 且 非 定 型 的 的 で あ る.勿 論 末 梢 外 傷,. を 主 とす る もの で,遣 伝 退 行 変 化 に 基 く と云. 精 神 外 傷 の 如 き は 病 因 と し て は 無 意 味 で あ る.. う説 はWilson40)も. 中 毒 型 と し て 一 酸 化 炭 素,マ. 之 を 支 持, Ha̲??̲ler40)も. 老 人 性 の そ れ と同 一 の もの で は な い だ ろ う と. 素,酒. 云 う.私 の例 で は 老 年 性 痴 呆,動 脈 硬 化 等 の. 酒 客 で は な く又 これ ら の 例 は 特 殊 な 場 合 で あ. 徴 候 は 全 く認 め られ ず 老 年 現 象 とは 考 え られ. り症 状 も不 純 で あ る.. な い.一. 般 にParkinsonismusの. は 伝 染 性,外 傷 性,中. 毒性,特. 原 因 と して 殊 な例 として. 精 等 が 考 え られ るが,私. ン ガ ン,硫 化 水 の例 は何 れ も. 其 他真 正 震 顫麻 痺 として報 告 され て い る も の ゝ 中 に 既 に 述 べ た 如 く脳 炎 後Parkinsonis. 腫 瘍 に 依 る も の 等 が 主 に 挙 げ られ る が,先 づ. musの. 伝 染 性Parkinsonismusの. 入 され て い る事 は 事 実 で あ る が,脳. 脳 炎,梅 ス,赤. 原 因 と して 流行 性. 毒,マ ラ リア,腸. 痢,風. チ フ ス,発 疹 チ フ. 疹 等 が 考 え ら れ る.私 の 例 で は. 外 にWilson病,多. の 存 す る事 は 既 に 岡 部,宮 で あ る.そ. が,脳. 剖 学 的 検 索 が 望 ま し い.. 関 しては 脳 炎. 炎或 は 老. 年 現 象 に 依 ら な い 遺 伝 退 行 変 化 に 基 く真 正 型. 各 例 共 に認 むべ き熱性 疾 患 を経 過 してい ない 炎 後Parkinsonismusに. 発 性 硬化 症 等 が混. 尾 等 も支 持 す る 所. の 意 味 に 於 て か ゝ る症 例 の 病 理 解. の 既 往 歴 を 欠 く故 に 真 正 震 顫 麻 痺 で あ る とす る 事 は 最 早 困 難 で あ る.而. 要. して 従 来 真 正 震 顫. 麻 痺 と して 報 告 され て い る もの ゝ中 に 脳 炎 後. 1). 私 は 母 系 二 代 に 亙 つ て4名(同. の そ れ を 多 く含 む で あ ろ う事 は 疑 い を 容 れ ず,. と母 の弟)の. Souques,. 経 験 した.. Netter, Klaue,. は 風 邪 と し て 又 は,無. Spatz等. は 感 冒或 い. 症 状 に 脳 炎 を 経 過 し本. 2). 約 胞3名. 震 顫 麻 痺 患 者 を 出 し た 一家 系 を. これ ら の例 は20才 代 に 発 病 せ る も の2. 病 を 後 遺 症 と し て 享 受 す る 事 あ り と 云 い,. 例, 30才 代 に 発 病 した と推 定 され る も の2例. Benda,. で 所 謂Willigeの. Cobb等. も特 発 性 と云 わ れ た も の ゝ大. 多 数 に 炎 症 性 病 的 機 転 を 見 る と云 う.こ の 点 私 の 例 で は 臨 床 症 状 が 比 較 的 純 粋 で あ る事 並. 青 年 性 家 族 性 震 顫 麻 痺 と考. え られ る も の で あ つ た. 3). これ ら症 例 の2例. に定 型的 震顫 麻 痺症. び に 遺 伝 的 家 族 的 出 現 とに 依 つ て脳 炎 を 除 外. 状 を 認 め た が,他. 出 来 る と思 わ れ る.次. わ れ る も の で あ つ た,且 本 病 の 発 生 機 序 に於. にCharcotは. 本 病 と関. の2例 は 本 病 の 不 全 型 と思.
(9) 所 謂 青 年 性 家 族 性 震 顫 麻 痺 の一 家 系 に つ い て. て 可 成 の 類 似 点 を 見 た.即. 6). ち 各例 共 に 震顫 は. 本 病 の病 因 を流 行 性脳 炎 或 は老 年 現象. 下 肢 に 始 り,震 顫 は 筋 強 剛 よ り も優 位 に あ り,. とす る説,即. 経 過 は 慢 性 進 行 性 で あ つ た.. sonismusと. 4). 精 神症 状 に顕 著 な 障碍 は 認 め られ なか. 1003. ち 本 病 を 全 て 症 候 性Parkin す る 説 に 左 袒 す る事 は 出 来 な い,. 寧 ろ 遺 伝 退 行 性 変 化 に 基 く もの で あ る と考 え,. つ た が 病 機 の 進 行 と共 に 性 格 気 質 の 変 化 を 証. 且 この 意 味 に 於 て優 性 遺 伝 形 式 を と る もの と. 明 し た.. 思 わ れ た.. 5). 本 家 系 に 於 け る同 胞 罹 患 例 の 父 母 は 従. 同 胞 婚 で あ り,母 の 弟 に1名. の精 神 病 者 を見. 故 藤 原高 司敎授 の御 指導,高 坂 睦年助敎 授の 御指 導 御校閲 に深 謝 し併せ て種 々御援助 を賜つ た精 華 園 々長下 司孝麿博 士に厚 く御礼 申上 る.. 出 し た が 老 年 痴 呆 患 者 は 認 め な か つ た.. 文 1). Economo, 2.. 2). V.:. Aufl.. E.. Die. Berlin. Forster,. Bd.. Encephalitis. lethalgica. H.. Hab.. d.. Neurol.. 24). 3.. 大 熊:神. 経 誌,. 5). 下 田:大. 阪 医 事 新 誌,. 6). Kehrer,. R... Arch. 27. F... f. Psychiatr.. 70. (1924). (大15). Kehrer,. Dtsch,. F:. Arch.. F.. Stief,. 26). Jakob,. Z.. Nervenheilk.. 114. f. Psychiatr.. Erbliche. F.,. et.. Z.. A:. Cornil. 武 野:岡. 28). Bielschowsky,. 29). Funfgeld,. u Nervenk.. Nervenkrankheiten. Neur.. Die. Rev.. Neur.. 91. 28. (1924). extrapyramidalen. Berlin. 27). Erkran. (1923). 山 医 誌,. 44(昭7) M.. J.. Psychol.. u. Neurl,. 27. (1922). 30). (1936). E.. Z.. Puschkin,. B:. Neur.. Arb.. 81. (1923). Neur.. Inst.. Wien. 34. (1932). Willige,. H.. 10). Hunt,. 11). Tromner,. 12). Korbusch:. 13). Osterreicher,. J.. Z. R.,:. Neur.. Zbl. f.. Psychiatr.. 大 鹿:京. 都 医 誌,. 16). 岡 部:福. 岡 医 誌,(昭17). 17). 宮 尾:新. 潟 医 誌,. 18). Minor,. 19). Mendel,. 20). Benda,. L.,. 22). van. Bogaert,. 12. 6. 48 (1926). f. d.. 32). 70. (1924). g.. Neurol.. (1920). Bucy,. d.. Neurol.. 36). 48. Cobb,. agitans. S. Arch.. of. M.. Exserpt Revue.. Neur.. 4. Psychol.. of. P... Zbl, 94. C.. and. &. Psychiat.. gesamt.. Neurol.. Buchanan,. D.. N... Brain. (1932). Bucy,. P. &. Papez.. J. C.. and. Caw,. Psychiat.. 44. W,. Arch.. Neurl.. &. 熊:脳. と 神 経,. 楢 林,大. 熊:神. 経 誌,. 39). 楢 林:神. 経 誌,. 56. 40). Hartmann,. K.. Arch.. and. of. Rundles,. Psychiat. 6. 54. J.. (1940) J.. 楢 林,大. (1955). T.. Herzman,. 38). 129. Neurol.. (1939). 37). (1923). u.. Neurol.. f. d.. Neurol.. (1951) 18. f.. (1911). (1942) J.. L.. P.. W... Paralysis. Arch.. A.. Neurol. Hab.. W... Psychiatr.. 55. E.:. J.. (1947). 34). (1936). E.,. J.. Timmer,. 61(昭22). Die. Heath,. 33). 35). R... (1937). 58. (1912). Gamper, 16. Hassler,. u.. ・医.. K. Psychiat.. 43. (1937). 15). C.. (1917). Zbl.. 野:実. (Bumke),. 31). Psychiatr.. Walter.. 入 沢,椰. SoLE‑SAGARRA. 40. (1911). Neur.. Arch.. 21). 4. Brain. E... 14). &. J,. kungen.. (1930). Kehrer,. u.. Lhermitte,. 25). 10(昭10). (1930). 9). Deutsche Ztschr. f. Nervenk.. (1921). 4). 91. F. H.. 50 (1913). Lewy.. Klaue,. 8). 23) Lewy,. (1929). F.. 3). 7). 献. 40. R. (1938). (1954) (1953). (1954) Mschr.. Psychiatr.. Neurol..
(10) 1004. 上. Department. 永. 広. of Nenro‑psychiatry OKAYAMA. 済. University Medical School. (Director: Assist. Prof. M.. A. Kosaka). Pedigree of So‑called Familiar Juvenil Paralysis Agitans By K. The. The. author. submits. here. a report. Uenaga. Author's on. four. Abstract cases of paralysis. agitans. that. occurred. exten. ding over two generations in the mother's lineage (two brothers, their sister,and their ma ternal uncle. Two brothers fell ill in their twenties, and the other two in their thirties. Therefore,. it may be said that this diseasebelongs to what is called familiarjuvenilparalysisagitans by Willige. Two casesgave the typicalsymptoms of paralysisagitanswhile the restpresen ted atypicalsymptoms, that is "formes frustes". In the observationof startingmechanism of theirdisease,the followingsymptoms were revealed: Tremor began from the lower part of legsearlierthan muscle rigidity. Moreover, the processof this diseasewas progressive‑chronic. No remarkaple changes in mental state could be recognized,but the changes in temperaments and characterswere noticedas this disease proceeded. The family historyshows that their fatherwas married to his cousin,and their mother'syoungest brother died of psychose. The other members of their family, however, were free from psychiatricdiseaseespeciallysenilepsychose. Today, in regard to the cause of paralysisagitans,various theorieshave been advanced, for instance, symptomatic disordertheory according which thisdiseaseis caused by senile processor encephalitis, and heredodegenerative theory,etc. The author is inclinedto consider that paralysisagitansis due to the heredodegenerativediseaseand that it may be dominant heredity..
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