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中田信哉先生退職記念号に寄せて

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中田信哉先生退職記念号に寄せて

経済学部長

齊 藤 実

中田信哉先生は,平成24年3月31日付けをもって定年となり神奈川大学を退職されました。

先生の退職を記念して,商経論叢は中田信哉先生退職記念号を発刊することになりました。

中田信哉先生は,昭和58年に神奈川大学経済学部に着任されて以来,定年退職に至るまで長 年にわたって経済学部で流通論さらに物流論の講義をされてきました。そして,この間に流通と 物流の2つの専門分野で積極的な研究活動を繰り広げ,両方の分野で数多く著書と論文を発表さ れてきました。

流通の分野では,代表的な著作として『基本流通論』(平成18年),『小売業態の誕生と革新』

(平成20年)があります。後者は小売業態の出現と発展に環境理論および進化論の考え方を導入 しており,わが国の小売業態の理論的な分析を行っています。また,この分野の初心者向けにや さしく解説したものとして『三つの流通革命』(平成14年)があり,入門書として広く読まれて います。

物流の分野では,さらに多くの著書を出版し大きな研究成果を達成されました。そのなかで も,比較的初期に出された『運輸業のマーケティング』(昭和59年)は,わが国の物流を支える 運輸業をマーケティングの視点から分析した画期的な研究成果であり,この研究分野で新たな分 析視点を提示した名著であります。これに続くものとして,最近では『運輸業の市場開拓と革 新―トラック業のサービスマーケティング―』(平成21年)を出され,サービスマーケティング の視点から分析をさらに深化させています。

中田信哉先生は大学の中での研究にとどまることなく,民間企業や政府に関連する分野でも広 く社会的に活動されてきました。特に,国土交通省(旧運輸省)や経済産業省(旧通産省)にお いて審議会など政府の委員会の委員を長年にわたって務められ,わが国の流通政策や物流政策の 形成に深く関与し,積極的に政策提案を行ってきました。そして,こうした政府の政策形成に関 わってこられた貴重な経験を踏まえたうえで,『物流政策と物流拠点』(平成10年)をまとめあ げられました。この研究は運輸省と通産省を中心とした物流政策の変遷を分析したものであり,

この分野において貴重な研究成果であります。また最近では,『流通政策 シリーズ流通体系第 5巻』で戦後の物流政策の展開を総括されています。

このように中田先生は,流通および物流の分野で体系的な分析を行い,さらに政策の分析を含 めた包括的な研究を行ってきました。こうした研究は,それぞれの分野での研究を深化させるだ けでなく,流通業界や物流業界のビジネスの世界において事業展開の新たな方向性を提示する重 要な役割を担ってきました。その意味で,実業の世界にも先生の研究は大きな貢献を果たしてき

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ました。

中田信哉先生は退職された後も以前と変わらず研究意欲に満ちあふれており,次々と新たな著 作の発行を予定されています。改めて先生の研究に対する真摯な取り組みとその情熱に対して敬 意を表するものであります。今後とも健康にくれぐれも留意されて,ますますの研究の発展と いっそうの社会的な活躍を心より祈念しております。

平成25年3月

ii 商 経 論 叢 第48巻第4号(2013.6)

参照

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