訟削
1 遺跡 の保 存 と地上表示
今回の調査 はデパー ト建設が前提 であ り、発掘調査 と並行 して建設工事が進 む とい う状況で あった。であるか ら、 もとよ り遺跡 の全面保存 は望 むべ くもない情勢ではあったが、当初 の計 画では、建物基礎 は遺構 のない所 にパ イル を打 ち込み、建物本体 を支 える設計 であった。つ ま り、建物 の下 にはなるが、か ろうじて遺構 の破壊 はまぬがれ るとい う計画であった。 それが、
発掘現場 の脇 で工事が進 む うちに、パ イルのみでは不安定 という理 由で建物下 に入 る遺構 を全 面的 に壊 し、箱型 のコンク リー ト基礎 を作 ることに変更 されてしまった。 その結果、地下遺構 を保存す るために地階を作 らない設計で あったのが、結局、地階 を作 るの と同 じ工事 になって しまった。
この開発 の計画段階では、地下遺構 の保存 問題 とともに、建物の高 さが問題 となった。敷地 の北西隣接地 は特別史跡
平城宮跡であ り、 この一帯 は古都保存法 による強い規制 をうけ、そ の外側 は風致地 区による景観保全がなされていた。 このため建設計画 にあたっては、風致地区 の指定解除 を行 い、建物 の高度制限 をゆるめ、地上高25mという建物 を計画 したので あった。
しか るに工事段階 にいたって遺構 の破壊 に及 んだ ことは、建物の高 さ規則 を解除 して地下遺構 の保存 を図った当初の基本精神 に反 し、悔 や まれ る。
以下 に記す
3種
の整備事業 は、lkl奈良 そごうとの協力でなん とかなし得た保存措置で ある。長屋王邸工殿跡の保存 と遺構表示
(Ph.280‑1)長
屋王邸正殿跡 は調査 中頃 の1989年 、敷 地中央西寄 りで発見 された。当初計画では この場所 は機械棟 を建 てる予定地であった。 しか し なが ら、 この遺構 は遺跡の中心 となる建物であ り、それが長屋王邸の時期 の もの と判 明 した段 階で、奈良県教育委員会 と奈良国立文化財研究所およびい奈良そごうと協議 し、機械棟 は西 に 場所 を移 し、遺構 は地上 に平面表示す ることで話が まとまった。保存 された正殿跡 については、商品搬入用ヤー ドとして使用す ることとし、正殿 の柱位置 をアスファル ト舗装 された表面 に径 45cmの円盤状 の花聞岩 を埋 め込 み表示 した。現状 で は草道 を区画す る縁石や柵 な どが あるこ
と、 そして車が駐車 していることによ り、建物跡 として とらえるには苦労 を要す る。
長屋王家木簡の説明板設置 (Ph。
280‑2)敷
地東部 の溝状土坑で見 つか つた35,000点 の木 簡 は、奈良時代の歴史研究 に計 り知れない貢献 をす るとともに、 この遺跡の学術 的価値 を飛躍 的に高 めた記念すべ き史料群で ある。木簡 の発見場所 に近 いデパー ト北東隅 に、記念碑 的意味 をこめた長屋王家木簡 の説明板 を設置 した。説明板 は陶板 タイル を用い、 これ に出上 した木簡 のカラー写真 を焼 き付 けた。全体 の大 きさは高 さ1.lm、 幅0。9m、 奥行0.7mで
ある。屋上の遺跡解説 コーナー (Ph。
280‑3)屋
上 には子供 の遊 び場 な どが あ るが、 その北西隅 を長屋王邸跡 の解説広場 とし、長屋王邸 の平城京 における位置や屋敷内の建物配置 を理解 しや すい ように、 タイルを用いて平面表示 した。縮尺 は約1/25で
あ り、全体 で東西15m、 南北13mの
大 きさが ある。説明板 を南北 2カ 所 に設置 した。 また、 この北西隅 は平城宮跡 を展望 す る 好地で もあ り、広場の西側 に望遠鏡 を設置す るとともに、平城宮の説明板 を設置 した。2 1990年 度製作「長屋王邸宅模型」について
現在、平城宮跡資料館 に展示 されている長屋王邸宅模型 は、1991年
2〜
5月 に開催 された 長資 料 館 の 模
型 屋王「光 と影」展
"の
ために製作 した もので ある(Ph.281)。 建物配置 は、Fig.116に 示 す ように、
F平
城京長屋王邸宅 と木簡』(吉川弘文館、1991年
)段
階の遺構変遷解釈 にお けるA2期
の配置 にほぼ準 じている。 なお、模型 の製作 にあたっては、長屋王邸宅の敷地 と推定 され る左 京三条二坊― 。二・ 七・ 八坪全域 の復原 を試みたため、未発掘地域 をも包含す ることにな り、
そ こにい くつかの建造物 (建物・塀・門
)を
推定配置す ることに した。Fig.116で は、発掘 で 出上 した建造物 をSB4500。 SA4288な どの遺構番号で示 し、未発掘地域 の推定建造物 を建物01・ 塀02・ 門03な どと表示 して区別 している。
邸宅全体 の空間構成 と建築構造 に関す る考 え方 は、以下の とお りである。
南面大垣 の中央 に門
01(三
間一戸)を
設 ける。邸宅 の中心的位置 を占めるブロ ックは、SB SB4500の
復
原 4500(いわゆる「長屋王邸正殿」)をぶ くむ一画で、一間一戸 の南門 をやや西 よ りにお き、門前
に建 つSB4235は守衛施設 と解釈 した。SB4500は間面記法 にい う
7間 2面
の東西棟 だが、身舎 の規模が梁間3間
と大 き く、桁行柱間寸法が中央5間
を10尺等間 として両端間を15尺となが く す る ところに特徴がある。一般的に、南北2面
庇付 きの東西棟 な らば、その上部構造 は切妻造 に復原すべ きであろう。本報告の遺構解釈で も、切妻造が妥当 との見解 を示 してい る(第V章 5D参
照)。 しか し、長 い両端間の寸法 をいかす ことによって、入母屋造 に復原す る ことも不 可能ではない。妻の側柱か ら1間
内側の柱 に繋梁 をわた し、 その繋梁の上 に束 をたてて、妻庇 屋根の小屋組 をつ くれ ばよいか らである (Fig.118・ 119)。また、長屋王邸正殿 としての格式 をも考慮 にいれ、模型製作段階では入母屋造 (檜皮葺
)に
復原 してみた。西側 のブロックは、い くつかの木簡 にみえる「西宮」に相当す る区画 とも考 えられ、長屋王
の夫人たちの居住区 と推定 して、
3棟
の建物 をいずれ も切妻造 。檜皮葺 に復原 した。 この地区SB4680の
の正殿 にあた るSB4680(Fig 120)は
、桁行9間
×梁間4間
の南北2面
庇付 き東西棟である。復
原
ところが、背面の北庇 は、柱穴相互 の間隔が不規則 で、身合 の柱穴 と筋 をそろえていない。 そ こで、背面北庇 の平面 と構造 に工夫 をこらしてみた。北庇 の柱穴すべてを縁束用の掘形 と判断 し、縁束上 に床桁 をとお して縁板 をは り、 さらに縁板 の上 に角柱 をたちあげることにしたので ある。当然の ことなが ら、 この角柱 の位置 は縁束の位置 とは一致 しない。身舎の柱 と筋 をそろ えている。屋根 は板葺 とし、角柱上 の桁 と側柱上面の長押 に葺 き板 を直接のせ ることにした。
北庇 の平面 は、両側 の
3間
を内部空間、中央の3間
を外部空間 として凹凸 をつ けてみた。両妻 壁か らの3間
は庇柱の筋 に蔀戸 を設 けるのに対 し、中央の3間
は側柱筋 に間仕切装置 をお き、中央1間を開 き戸、両側
2間
を連子窓 とした。なお、正面側 は中央3間
を開 き戸、その左右2 間づつを運子窓、両端間 を上壁 とす る。一 方、東側 のSB4300を 中心 とす る区画 は、貴 賓 を接待 す るた めの施 設群 と考 えた。
SB4300
(Fig.117)は
5間 4面
の東西棟 で、邸宅 内で 出上 した唯― の4面
庇付 き建物 で あ り、規模 はSB
4500を下 まわ るが、平面の格式 はむ しろSB4500に優 っている。また、遺構周辺の遺物包含層か ら 瓦が少 なか らず出上 しているので、瓦葺 きの入母屋造 に復原 した。おな じブロック内の
SB4270
SB4300の 復
原
軽矧
^SA4780 sB5200︺﹈﹈
S B 4 3 0 0 観S B 4 2 7 0
東西方向の 奥 行 指 向
復原模 型 の 不 確 定 性
Fig.116 長屋王邸宅模型復原配置図
1:200
・4255は切妻造だが、やは り瓦葺 きに復原 した。瓦 は原則 として築地塀 の周辺 に集 中 して出土す る傾向があ り、築地塀 およびそれに近い位置 にある倉庫以外で瓦葺 きとみなしたのは、このプロ ックの
3棟
のみである。要す るに、復原のイメージ としては、SB4300が平城宮の大極殿、SB4500
が内裏正殿、SB4680を中心 とす る西側 ブロ ックが後宮 として意識 しているのである。平城宮内 における南北方向の奥行指向が、長屋王邸宅では東西方向に転 じているわけである。このほか、北門SB5090か ら真南 にのび る道路 によって
2分
されている北半の領域 について は、サー ビス・ ヤー ドとい う理解 を前提 に復原 を進 めた。 とくに北門左右のブロックを内裏か ら派遣 された家政機関の施設群、西北方面の南北 にながいブロックを厩やそれを管理す る下級 使用人の居住領域 と考 えた。家政機関の建物 は檜皮葺 もし くは板葺、下級使用人 の建物 は板葺もしくは草葺、厩 は杉皮葺 に復原 した。
い うまで もな く、発掘遺構 の建築復原 は、「 こうであった に違 いない」 という確信のあるも のにはな りえない。 ここに示 した長屋王邸宅の復原模型 も、い くつかの可能性 の うちの一つを 示唆す るもの と考 えていただければさいわいである。
1平
面 図2正
面図(左)および背面図(右)3梁
行 断 面 図Fig。
117
長屋王邸SB4300復原 図1:200
4側
面 図1平
面 図2正
面 図Fig。
118
長 屋王邸SB4500復原 図1 1:200
1側
面 図2梁
行 断 面 図3桁
行 断 面 図Fig。
119
長 屋王邸SB4500復原図2 1:200
1平
面 図2正
面 図3梁
行 断 面 図Fig.120 長屋王邸SB4680復原図
1:200
3 SD4750・ 5100・ 5300・ 5310出 土 の
大型植物遺体
A は じ め に
遺跡か ら出土す る植物遺体 か らは、当時の植生や食生活が分 か る。古代都城で は粉川(1969)
が藤原宮 (694‑710年)か ら出上 した多様 な栽培植 物 を含 む53種 を報告 してい る。 また、粉川 (1979)は平城 宮東 院東南隅 の園池 を埋積 す る堆積物 か ら34種 類 を報告 してい る。金原・ 粉川 (1989)は上 の宮遺跡(6世紀後半末〜 7世 紀前半)の石組遺構 や石清 を埋積す る堆積物か ら37種類 を報告 している。
試料 の採集方法 な らびに出土状況 は、第IV章の「植物・ 動物遺存体
Jの
頂 に述べ られ てい る。水洗 は5mmの
ふ るいによるので、それ よ りも小型 の種実 はほ とん ど採集で きていない。調査 した遺構 の基本的な性質 はゴ ミ投棄用の溝 の ようなので、大型植物遺体 は人間が投棄 した ものを中心 とし、 これに周囲か ら流入 した ものがわずかに混 ざるものであ る。試料 はグ リッド ごと、層位 ごとに取 り上 げ られている。 グ リッ ドごとな らびに層位 による出上の差異 は後述す る。水洗 な らびに拾 い上 げ と種類分 けに作業員 の方の ご助力 を得た。
B 同 定 結 果
Tab.77・ 78に同定で きた植物遺体 の一覧表 を示す。63種類 が出上 した。種類、量 ともに多 く、保存 もよい。古代 の都城 の試料 としてはこれ までにない まとまった ものである。
一覧表 は「栽培 ない し食用植物」 と「その他 の植物」 に分 けて示 した。「栽培 ない し食用植 物
Jと
した もの は、出土状況な どか ら人間が食用 にしたか、また は他の方法で利用 していた と推 定で きるもので ある。 これには、チ ョウセ ンゴヨウのように遠方か ら運搬納入 された と推定で きるもの と、ナシ属 の ように近辺 に栽培・ 生育 していた と考 え られ る物が含 まれている。「 その 他の植物」とした ものには、コナラ属やアカマツの ように庭 園木や街路樹 とされていた と考 えら れ るものや、オナモ ミの ように雑草 として生育 していた と考 え られ る物が含 まれている。出上 した遺体 の学名 は次の とうりである。
Tab.77の
もの :カヤ,Torrya nucifera(Linn)
Sieb.et Zucc.イ ヌガヤ,Cephalotaxus harringtonia(Knight)K Koch チ ョウセンゴヨウ,Pinus koraiensis Sieb.et Zucc. ヤマモモ, A/1yrica rubura Sieb.et Zucc. オこニグル ミ,
」uglans ailanthifoha Carr. ヒメグル ミ, Juglans ailandュ ifolia var,cordifornlis lakino ハ シバ ミ,Corylus heterophyHa Fisher クリ,Castanea crenata Sieb et Zucc シイノキ層3, Castanopsis ツブラジイ,C.cuspidata(Thunb ex Murray)Schottky var.cuspidata スダジ イ,C,cuspidata var sieboldiana(MakinO)NakaI ア ンズ,Prunus arrneniaca Linn.ウ メ,
Prunus rnume Sieb.et Zucc. モモ, Prunus persica Batsch スモモ, Prunus salicina Lindl.
サクラ属サクラ節,Prunus sect,Pseudocerasus サ クラ属 の一種
,Prunus sp
ナシ属,Py―rus sp.セ
ンダン,Melia azedarch L.ム
クロジ,Sapindus mukorossi Gaertn.ム
ベ属 ま たはアケ ビ属,Stauntonia or Akebia
ナツメ,Zizyphus,tliuba Mill グ ミ,Elaeagnus
カキノキ属,Diospyros
ハ トムギまたはジュズダマ,Coix
オオムギ,Hordeum Linn,イ
遺構名
SD5100 SD5300 sD4750 SD4699 SK5074
その他種類 名
0.0 0.0 0.0 0.0 0,0
6。5 1.5 0.0 0.0 0.0 0,0 0.0 0,0 0.0
0。2 0.0 0,0 0.0 0.0 0.0 5,0 168.0 4.0 0.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0,0
0。0 0.0
0。0 1.0 0,0 0.0 0.0 0.0
0.0 0.0 0.0 0.0 0,0 0.0 0.0 0.0 0.0 0,0 0.0 0.0
4.5 0.0
0。0 0.5 0.0
35。5 28.0
0。5 0.0 0.0 0.0 0,0 1.0
0。0
3。3 0.0
0。0
0,0
0。0
0。0
10。0 465.0 16.0 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0 0,0 0.0 0.0 0,0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0
0.0 0.0
0。0 0.0 0.0 0,0 0.0 0,0 0.0 0,0 0.0 0.0
0。0
出土総個数
609.0 4.0 1.0 292.0 1111.5 7169.0 837.0 1369.5 16.0 1.0 8,0 19,0 1214.5 1059.0 5377.6 105.0 174.0 14.0 1.0 33.0 2742.5 12123.5 860,0 63.0 130.0 421.0 73,0 55.5 1.0 35.0 1.0 4.0 2385。5 6.0 1.0 13,0 881.5
2.0 3.0 2,0 1.0 5,0
118。5 6.0 641.0 367.5 2.0 49667.0 1.0
1.0 木本
カヤ種子 イヌガヤ種 子 チョウセンゴヨウ球果 チョウセンゴヨウ種子 ヤマモモ核 オニ グル ミ核
ヒメグル ミ核 ハ シバ ミ果実 ク リ炭化子葉 ク リ未炭化殻 斗 ク リ炭化殻斗 ク リ炭化子葉 果実 ク リ六角皮 (枚)
ク リ六角残 り(枚) ク リ皮 (g)
シイ ノキ属果実 ツブラジイ果 実 スダジイ果 実 シイノキ属炭化果実 ア ンズ核 ウメ核 モモ核 スモモ類核 サ クラ節核 サ クラ属 の一種核 ナ シ属果実 ナ シ属種子 セ ンダ ン核 セ ンダ ン果 実 ム クロジ種子 ムクロジ果実の一部 ムベ属またはアケビ属 ナ ツメ核
グ 笙属核 カキノキ属果 実 カキノキ属が く カキノキ属子 車本
ハ トムギ また は ジュズダマ輪 オオムギ炭化胚 乳 イネ未炭化穎 イネ炭化穎 ハ ス果実
ヒシ果実 ヒシ属種子 ナス近似種
トウガ ン種子 スイカ種子 メロン仲 間種子 ヒョウタン仲間種子 その他
昆虫入 り炭化物
355.0 2.0 1.0
225。5
1109.5 2380.5 385.0 1197.0 15.0 1.0 8.0 10.0 663.5 577.0 3374.5 85.0 111.0 10.0 1.0 30,0 2637.5 4868.5 733.0 63.0 112.5 221.0 67.0 54.5 1.0 34.0 1.0 4.0 2234.0 6.0 1.0 11.0 651.0
2.0 3,0 1.0
0。0 5.0 104.5 6.0 0.0 316.5 2.0 48652.0 1.0
1.0
0.0 0.0
(栽培 ない し食 用植物)
230.5 19.0 2.0 0.0 0.0 0。 0
19.0 47.0 2.0 0.0
1310。5 3413.0 39.5 382.5 161.5 2.5 1.0 0.0 0.0 0,0 0.0 0.0 9.0 0。 0
536.0 14.0 373.0 109.0 1820.6 166.0 20.0 0.0 62.0 1.0 4.0 0.0 0,0 0.0 2.0 1.0
83。5 5.5 3526.0 3032.5 81.0 25.0 0.0 0.0 15.0 2.5
199。0 0。 0
6,0 0,0 0.0 0.0 0,0 0.0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 123.5 26.0 0.0 0.0 0.0 0.0 2.0 0.0 229.0 1.5 0.0 0.0 0.0 0.0 1.0 0.0 1.0 0.0 0.0 0。 0 3.0 11.0 0,0 0.0 641.0 0,0 37.0 14.0 0.0 0.0 904.0 11.0 0.0 0.0
0.0
0。0 0.0
0。0
0.0 23.0
0。5 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0
0。0 0,0 4.0 0.0 0.0 0,0 0.0 0.0 1.0 83.5 1.0 0,0 0.0 0.0 0.0 0.0
0。0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0,0
0。0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
ゼ ∫ 斜 穂
:炎:!;:姿 無 :"歌 ∬ 絆冊 缶
Tab.77
大型植物遺体一覧表1SD5100 S:七
む士∫
SD4750 SD4699 SK5074
そ のTt3000. 0 100. 5
93. 0
77. 0 12. 0 7. 0 5. 5 0. 0 4. 0 2. 0 2. 0 72. 0 4. 0 0. 0 8. 0 3. 0 71. 5 3. 0 4. 0 7. 0 13. 0 5. 0
0。 0 1. 0 13. 0 27. 0 1. 0 1. 0 1. 0 4. 0 22. 0 1. 0 1. 0 70. 0 2. 0 4. 0 126. 0 0. 0 26. 0 0, 0 2. 0 14. 0 21. 0 34. 0 78. 0 0. 0
0. 0
115. 0
76. 0
135. 0
0. 0 2. 0
2. 0
0. 0 0. 0 0. 0 1. 0
10. 0
0. 0 0. 0 0. 0
12. 0 542. 5
0. 0
0. 0
1. 0
0. 0 0. 0 15. 0 0. 0
1. 0 2. 0
0。 0 0. 0
0. 0 0. 0
0。 0
0. 0
0。 0
9. 0 0. 0 0. 0 0. 0
11. 0
0. 0 2, 0 0. 0 0. 0 1. 0 0. 0
0. 0
1. 0
0。 0 0. 0 0. 0 0, 0 0. 0 0. 0 7. 0
1. 0
0. 0 0. 0 0. 0 3. 0
0. 0 2. 0 0, 0 2. 0
4, 0 0. 0
0。 0 0. 0 0. 0 0. 0
0。 0 0. 0
0。 0 0. 0 0, 0 0. 0
0, 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 1. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0. 0
0. 0 1. 0 0. 0 0, 0 0. 0
0。 0 0. 0
0。 0 0, 0 0. 0 0, 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0。 0 0. 0 0. 0 0. 0 0, 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0。 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0, 0
0. 0
0. 0 0, 0 0. 0
0。 0 0. 0
0. 0 0. 0
0。 0
0. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0, 0
0. 0
0. 0 0, 0 0. 0 0. 0
0。 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0, 0 0. 0 0. 0 0. 0
0。 0 0. 0
0。 0 0. 0 0. 0
0. 0 0. 0
0. 0 0. 0 0, 0
0。 0 0. 0 0. 0
0. 0
0. 0
0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0。 0 0. 0
0。 0 0. 0 0. 0 0, 0 0. 0 0. 0
0. 0
0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0。 0 0. 0 0, 0
0. 0 0, 0 0. 0
0. 0 0. 0
0。 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0 0. 0
0. 0 0. 0 0. 0
0. 0 0. 0 0, 0 0. 0 0. 0
0. 0 0. 0
0。 0
出土総個数
3000. 0 216. 5
169. 0
212. 0 12, 0 9. 0 14. 5 1. 0 4. 0 2. 0 3. 0 85. 0 4. 0 2. 0 8. 0 17. 0 618. 0 3, 0 4. 0 8. 0 13. 0 5, 0 15. 0
1. 0
14. 0 29, 0
1. 0 1, 0 1. 0
4. 0 22. 0 1. 0 1. 0 80. 0 2. 0 4. 0 126. 0 11. 0 26. 0 2. 0 2. 0 14, 0 22. 0 34. 0 78. 0 1, 0 種類名
木本
アカマ ツ葉 マ ツ属
複維管束亜属球果 マ ツ属
複 維管束亜属種子 マ ツ属
複 維管東亜属種鱗 ヒノキ球果 イチ イガ シ果実 ア ラカシ果実 シラカシ果実 シラカシ葉 ア カガ シ亜属果実 アカガシ亜属幼果 ア カガ シ亜属殻 斗 クタギ また は
アベ マ キキ殻斗 コナ ラ亜属幼果 コナ ラ亜属殻斗
十果実 コナ ラ亜属殻斗 コナ ラ属果実 コナ ラ属炭化種子 エ ノキ核
ム クノキ核 コブ シ属種子 クス ノキ種子 イヌガ シ葉 クス ノキ科種子 フジ属果実 サ ンシ ョウ種子 アカメガ シワ種子 ウル シ属核 ウル シ属核 ブ ドウ属種子 ヤ ブ ツバ キ種子 ヤ ブ ツバ キ幼果
ミズ キ核 エ ゴノキ種子 クサ ギ種子 ガマズ ミ属核 車本
ミク リ属核 ヤマ ノイモ属種子 ヤナギタデ果実 サ ナエ タデ果実 ハ コベ属種子 ナデシヨ科種子 オニバ ス種子 カ ラスウ リ属種子 タカサブロウ果実 オ ナモ ミ果実
ザ :斜 褐
:悛:褐
:悛館 :"歌 鞘冊 缶
Tab.78
大型植物遺体一覧表2(その他の植物)ネ
,Oryza sativa Linn
ハス,Nelumbo nucifera Gaertn
ヒシ,Trapa
ナス近似種,So‐lanum cf.melongena Linn. トウカドン, Benincasa hispida(Thunb)Cogn. スイカ, CitruHus lanatus(Thunb.)Matsum et Nakai メロンイ中間
,Cucumis melo Linn.ヒ
ョウタン仲間,La‐genaria siceraria(h/1olna)Standl
Tab.78の
もの :ア カマツ,Pinus densiflora Sieb et Zucc.マ ツ属複維管束亜属,Pinus sub―gen.Diploxylon ヒノキ, Chamaecypatts obutusa(Sieb.et Zucc.)Endl. イテイガシ, Quer―
cus gilva Blume アラカシ
,Q.glauca Thunb.シ
ラカシ,Q.myrsinaefolia Blume
コナ ラ属アカガシ亜属,QuerCus subcen Cyclobalanopsis クヌギ またはアベマキ,Q.acutissima Carruth.or Q,variabilis Blume ヨナラ属 ヨナラ亜属,QuerCus subgen.Lepidobalanus
コ ナラ属,QuerCus
エ ノキ,Celtis sinensis Pers.ム クノキ,Aphananthe aspera(Thunb) Makinoコ
ブシ,Magnolia kobus DC.ク
スノキ,CinnamOmum camphora(L.)Presl
イヌ ガ シ,Neolitsea aciculata(Bl.)Koidz
クスノキ科,Lauraceaeフ
ジ属,ヽVisteria サ ンシ ョウ,Zanthoxylum piperiturn(Linn)DC.ア カメガシワ,Mallotus,apOnicus(Thunb.)Muell.Arg
ウル シ属,Rhus
ブ ドウ属,Vitis
ヤブツバ キ,Camellia japonica Linn.ミ
ズキ, Cornus controversa Hemsley ‐ゴノキ,Styrax japonica Sieb.et Zucc. クサギ,Cleroden―dron trichotomum Thunb.ガ
マズ ミ属,Viburunum
ミク リ属,Sparganium
ヤマノイモ属
,Dioscorea
ヤナギタデ,Polygonum hydrOpiper Linn.サ
ナエタデ,Polygonum scabrum Moenぬ
ハ コベ属,Stellaria ナデ シヨ科,Caryophyllaceae
オニバ ス,Euryale ferox
Salisb.カ ラスウ リ属,Trichosanthes
タカサブロウ,Eclipta prostrata(Linn.)Linn.オ ナモ ミ, Xanthium strumarluHI LinnC 地点 と層位 による出土状況の差
Tab.77・ 78で は遺構 ごとの出土個体 の総個数 を示 した。 しか し、出土す る種類 と多 さは地 点 と層位 によって異 なる。SD5100(二条大路南濠状遺構)、 SD5300な らびに5310(二条大路北濠状 遺構)、 SD4750(長屋邸東外郭南北溝)│こついて検討 した。 なお、SD5100・ 5300・ 5310は 740年に 都 を平城宮か ら恭仁宮 に移す前の比較的短期間 に大量 の本器や土器 を投棄 した もの とされ、
SD
4750は720年頃 に長屋王邸宅が改築 され る直前 までの短期間 に大量 の木簡 な どが投棄 された も の とされている。
いずれの遺構 で も、木片等の遺物 を大量 に合む層位が「木層層」と呼 ばれ、その下位の「黒灰色 粘土層」な どと区別 されている。平城京の調査 には
3m× 3mの
グ リッ ドが設定 されてい る。試料 はグ リッド・ 層位別 に取 り上げられているので、SD5100で は42グリッドから10備緋拗ゞ、SD53CXlと
SD5310で
は22グリッ ドか ら27試料が、SD4750では10グリッ ドか ら12試料が対象 となっている。Fig。121に、グ リッ ドによる出土量の差異 を示す。地点 に よ り多 く出土す る種類 は全 く異 な る。 ある種類 は、特定の地点か らのみ多 く出土 して、他 の地点か らは少 ししか出土 しないか全 く出上 しない。例 えばメロン仲間は、ほ とん どの試料か ら数粒か ら数十粒 出土す るが、特定 の 地点か らは10000粒 ほ ど出土す る。番号32(U042)と 34(U044)付近 は多種類 が大量 に出土 して いるが、 それで も、 ウメ とカヤは32から、メロン仲間、 カキ、ナツメは34から多 く出土す るな
ど差がある。
12000 10000 8000 6000 4000 2000 0
800 700 600 500 400 300 200 100 0
600 500 400 300 200 100 0
350 300 250 200 150 100 50 0
140 120 100 80 60 40 20 0
1 3 5 7 9 11 1315171921232527293133353739414345474951535557596163656769717375
1 3 5 7 9 11 1315 171921232527293133353739414345474951 535557596163656769717375
1 3 5 7 9 11 1315 171921232527293133353739414345474951535557596163656769717375 全試料か ら10種類以上の遺体が出土 している75試料 を選びだし、比較的大量 に出上 している15種類の大 型植物遺体が どの地点か らどの くらい出上 しているか を示 した。横軸 は地 点 を示 し、番号1(U010グ リ
ッド)から40(U048グリッ ド)がSD5100、 番号41(JFo8)か ら48(」F14)な らびとこ49(JD17)か ら64(JD35)が SD5300ならびに5310、 番号65(TB■)から75(TJll)がSD4750にあた る。縦軸 は出土量 を示 し、 ク リ果皮 以外 は個数である。
1 3 5 7 9 11 1315171921232527293133353739414345474951535557596168656769717375
︱︱ ︱︲ 〒刊 椰 酬 卿
仲 ド 卜 ば ︲ ︲々
︲ ︲︲イ 珈 け 出
1 3 5 7 9 111315 171921232527293133353739414345474951535557596163656769717375
― ← ― カ キ 種 子
― 辟― スモモ坂核
―x―ヒメグル ミ核
― ▲――コナ ラ属果実
― ← ― カ ヤ 種 子
― ト ーナシ果実
―x― トウガ ン種子
― ▲― 力
"ン コ`ヨウ種子
●1
=
=
︱ ︱
= 脚
︐
Fig。
121
地点による大型植物遺体 の出土状況これ らの大型植物遺体 は、基本的 には溝 にゴ ミとして人 間が投棄 した ものが 中心 であ るか ら、群集 の差異 は、時 と場所 に応 じてゴ ミの内容物が多様 であつた事 を示 している。台所 で調 理 した さいの ゴ ミ、食事後 のゴ ミ、掃除の塵埃 な ど、 ゴ ミの出所が違 うので内容が異なってい るのであろう。現在 のゴ ミ収拾所のゴ ミ袋 の中身が様々であるの と同様である。 どのような場 所が ゴ ミの出処か は、同 じ場所か ら出土す る土器や木簡 な どと総合 して検討すれば明 らか にで
きるか もしれ ない。
D 特徴的な分類群
チ ョウセ ンゴ ヨウ球果、種 子(Ph。282‑12〜
16)
球 果 はSD5100のU035グ
リッ ド(Fig.121番 号23)から出上 してお り、ここか らは種子 も93.5個 と多 く出土 してい る。チ ョウセ ンゴヨウは、亜高山帯 の針葉樹 で、 日本で は中部 山岳 に分布 してお り、朝鮮か ら中国東北部や シベ リア東部 に分布 してい る。藤原宮跡か ら
3個
(粉川1969)報告 されてい る。 また、上 の宮遺跡(金原・粉川 1989)からは種 まで同定 していないマ ツ属単維管東亜属種子が1個出上 しているが、写真 か ら 判断す る とチ ョウセ ンゴヨウ と思われ る。粉川(1969)は遠方か ら運 ばれ、貴重 な もの として扱 われたであろうと推定 しているが、今回の調査で は多 く出土 してお り案外普通の ものであつた ようだ。アカマツは球果 と葉が出土す るのにたい して、チ ョウセンゴ ヨウは球果が産出 したが 葉 は出上 していない。 したがって、 この球果の出土 は、チ ョウセンゴヨウが遺跡周辺で生育 していた ことを示すのではない。当時の人々が種子 を食用や薬用のために利用す るだ けでな く、
球果 その もの も珍重 した もの と推定で きる。
オニグル ミ、 ヒメグル ミ(Ph。282‑26〜
29)上
端 や下端 が破損 してい る物が多 く、上下方 向 に 打撃 を力日えて核 を割 り、残 りかす を投棄 した もの と考 え られ る。SD4750か ら普通 に出土す る が、他 の遺構 では少なかった。たいていはオニグル ミが多 く、 ヒメグル ミが少ないが、TH■
グ リッ ド(Fig。121番号71)では同 じ くらい産 出 した。 ヒメグル ミは人里近 くに多 く深 山で は見 られないので、人間が関与 して成立 した亜種である と考 えられてい る。当時 も区別 して用い ら れたのであろう。
ハ ンバ ミ(Ph。282‑24・
25)堅
果 は広卵形 で長 さ1lmm程
度幅15mm程
度 の ものが大部分 を占 める。 日本 にはハ シバ ミとツノハ シバ ミ(Corylus sieboldiana Bl.)とい う2種
のハ シバ ミ属が分 布す る。 ツノハ シバ ミの堅果 は卵形でやや小型であるので区別できる。近畿地方では現在 はツ ノハ シバ ミが普通であるので、ハ シバ ミが多 く出土す る事か ら考 える と、 これ らは遠方か ら運 んで きた物 であろう。藤原宮で もハ シバ ミが出上 している。ク リ
(Ph.282‑1〜 11)最
も普通 に産出 したのは象1き捨 てた果皮で、他 の部位 はわずか しか出 土 しなか った。 ク リ六角度 とした ものは刀子状 の もので きれいに六角形 にした ものである。 ま た、 このク リ六角皮 を取 り出 した後の残 りも出上 してお り、 クリ六角残 りとした。すべてのク リで はな く、一部分のみを六角度 を取 る手法で象」いている。 したが つて、六角皮 は意識的 に作 り出された ものであ り、飾 り付 けに使 うな ど、なん らかの方法で利用 された可能性がある と考 えられ る。シイ ノキ属(Ph。282‑18。
19
殻斗や幼果が出土せず、果実 のみが出土 したので、食用 に利用 していた可能性が高い と思われる。長 さ10mm程
度の球形か ら広卵形 の試料 をツブラジイ とし、長 さ
15mm程
度 の狭卵形 の試料 をスダジイ とした。 また、破片 はシイノキ属 とした。大部分が ツプラジイで、スダジイは少 な い。スダジイは どち らか とい う と沿海部 に多 く、 ツブラジイ は 内陸部 に多い。奈良盆地 の周囲 で はツブラジイが普通 である。遠方か ら運 んだのではな く、近 辺の産物 であったのか もしれな セゝ。
ア ンズ核(Ph。
283‑20)長
さ18 mm、 幅16mm、 厚 さ8.5mm程
度で、大型 で偏平で、表面 に押 し型鍋 の ような模様が ある試料 をア ンズ とした。出土量 は多 く はない。
ウメ核
(Ph.283‑7〜
16,Fig.122) いずれ も、核 の表面 に特有 の 小穴が密布 す るので、同定 は容 易である。長 さ14mm、 幅10mm、厚 さ
8mm程
度 の も の が 多 い が、長 さ10mm程
か ら20mmま
で 大 きさは様 々で あ る。SD5100のU045グ
リ ッ ド(Fig。121番号36)か ら出上 した核47点を計測 した
(Fig。 122)。 Fig.122か らJ記るF艮
りで は、大 きさの分布 は一 山で あ り、複数 の品種 があった とは 必ず しも言 えない。 さらに多 く の地点 の資料 も検討 した うえで 結論 を出 したい。
モモ核(Ph。283‑21〜30,Fig。123)
核表面 の深 い溝 と散在す る小 穴 の特徴 か ら種 の同定 は容易で あ る。長 さ20mm、 幅15mm、 厚 さ
14mm程
度 の広精 円形 で厚 い物 が 多 い が、長 さ30mmを
超 え て8 10
幅(mm)
63 88 113 138 163 188 213 238 263 288 313 338
幅(nt l)×長さ(pnl
上段 はウメ核 の長 さ一幅分布図 下段 は長 さ×幅の度数分布図 Fig。
122
ウメ核 の変異幅(ml)
175 225 275 325 375 425 475 525 575 625 675 725 幅(mln)×長さ(mm)
上段 はモモ核 の長 さ―幅分布図 下段 は長 さ×幅の度数分布図 Fig。123モモ 核 の変 異
20 18 16 14 12 10 長さ 8
6 4 2 0
14 12 10
個数 : 4 2 0
20
15 個数
10
5
0 長 さ
。
:浄肯
,静ざ 争 ロ ロ Ъ °
ウメ核計測機
ウメ核サイズの度数分布
柳
aるご
。口∞ 。諌
Cモモ核サイズの度数分布
やや偏平 な物 か ら、長 さ13mm、 厚 さ12mm、 幅
10mm程
度 の非常 に小型 の もの まで あ り、多様 で ある。SD5100のUOグ
リッド(Fig。121番号36)か ら出土 した核106点を計測 した(Fig。 123)。度数分 布図か ら見 る限 り、大 きさはきれいな正規分布 をしてお り、複数の品種が合 った とは言い切れ ないようである。モモ核 は非常 に多 くの遺跡か ら出土 してお り、小清水(1963)や南木(1991)に より詳 しく検討 されている。しか し、私の経験ではこれほ ど変異 に富むモモ核群集 に出会 ったのは 初 めてである。従来のモモの古代品種 についての考 え方が くつが えされ る可能性が ある試料 な ので、さらに多 くの地点の資料 も検討 した うえで結論 を出 したい。
スモモ類核(Ph。283‑17・
18)核
表面 に深 い しわがな く、表面 に明瞭 な彫紋が な くあ ま り厚 く ない ものをすべて これ にあてた。長 さ12mm、 幅10mm、 厚 さ6mm程
度の ものが多い。サ クラ属の一種核
(Ph.283‑19)核
表面 には縦方向の明瞭な小穴が散在す る。長 さ6〜
10mm、幅
6〜
10mm、 厚 さ4〜 7mmで
球形 に近 い。モモ核 の小型 の ものに似 るが深 い溝 に欠 ける。ウメやモモな どと近縁 なサクラ属の果樹 と思われ るが同定で きなかった。
ナシ属果実(Ph。282‑20〜
23)非
常 に若 い果実や ほぼ成熟 した果実が出土 した。 また、種子 も 出土 した。果実 は楕円形 で表面 に顕著 な皮 目が あ り、径5mmか
ら15mm、 頂部 は円環状 で突 出 し、花柱 は5本
である。 また、果肉内に石細胞が確認で きる。果実の上部 には、 ほ とん どの 個体 に小穴があるので、虫害 により未熟 な うちに落果 した もの と思われ る。成熟果 は径20mm
程度以上 はあったのではないだ ろうか。未熟果が出土す るので、平城京内で栽培 されていた と 推定 で きる。ナ シ属果実 は静 岡
長さ
18
県 登 呂遺 跡(弥生後期)、大 分 県
16
安 国寺 遺 跡(古墳 前期)、藤 原 宮
14
か ら出土 して い る。今 回 出土 し
12
た もの は、藤原宮 の試料 の形態
10
(粉川、1969)と 一 致 し、現 在 の
8
6
栽培 品種 とは相 当異 な り、野生
4
種であるヤマナシやアオナシに
2
似 てい る。アオナ シは、奈 良平
o
安時代 か ら鎌倉室町時代 さらに 徳川時代 にか けて、関東東海近 畿地 方 な どで広 く栽 培 され た事 力法日られてお り(菊池1948、 小林
1990)、 当 時 は普 通 に利 用 す る 果樹 で あ った と思 われ る。
ナ ツメ核(Ph器
331〜
40,Fig。124) 両端 の尖 る楕 円形 で側 面 に幅 の広 い平滑 な帯 が取 り巻 き、残 余 の部 分 には深 いやや縦長 の彫 紋 が密布 す る。大 きさは様 々 で あ る。SD5100のU045グ
リッ ドナツメ核サイズ度数分布
10 11 長さ(mm)
幅25‑34m13}44吻
4554国
5卜64国6574□
85上段はナツメ核の長さ―幅分布図、下段は長さの度数分布図。幅の分布 も読み 取れるようにした。いずれの長さでも多様な幅のものを含んでいる事が分かる。
4 5
幅(mm) 数
個 35 30
% 幼 15
︲0 5 0
Fig。
124
ナ ツメ核 の変異(Fig.121の資料番号36)から出土 した核167点を計測 した(Fig。 124)。 モモ核 や ウメ核 の分布図 と 比べてみて も、分布がば らついてい ることが分かる。長 さと太 さは明瞭 な比例関係 にはな く、
太 くて短 い ものや細 くて長 い ものが あ る。 中国で は300もの品種が栽培 されてい るので、当時 も多様 な品種があつた とも考 えられ るが、一方単なる変異 とも考 えられ る。 さらに多 くの地点 の資料 も検討 したい。
カキ ノキ属果実、種子(Ph。283‑44〜
48)種
子 は細長 い ミカ ンの房型で偏平、暗褐色 か ら黒色 で表面 に微細 な筋状紋 が ある。長 さ18mm、 幅1lmmほ
どの大 きな もの と、長 さ1lmm、 幅5mm程
の河ヽさな ものの両者が ある。SD5100の U043グ
リッ ドか らは果実が出上 した。 これ は、径
15mm程
の小型の ものであ り、内部 に成熟 した種子があるので成熟果 と判 断で きる。柿渋 を 取 るマメガキDiospyros lotus Linn.に 似 てい る。種子の小型の ものはこれ に対応す る。種子の 大型 の ものは果実 を食べた と考 えられ、が くも出上 している。 カキノキDiospyros kaki L.fil であろう。ハ ス果実
(Ph.284‑1)ハ
スは地下茎や種子が食用 とされ る。 しか し、出上 した もの は、未熟 の果実であ り、む しろまだ花 の時期 の子房 といったほうが よいか もしれない。供物 な どに利用 した花 を後 にゴ ミとして投棄 した と考 えられ るが、単 に庭か ら出たゴ ミである可能性 も否定で きない。ヒシ果突
破損 しているものが多いので庭 園 ゴ ミではな く、食用 にした ものの残津 と考 えられ る。現生 のメビシやオニ ビシ といった
4本
角の ものに似ているものが多 い。ナス種子(Ph。
284‑2〜 7)
円形で偏平、径3mm。
網 目は非常 に小 さ く、畝状 の隆起 で構 成 され る。畝 の上 には微細 な横方向の しわがある。以上の特徴 はナス属の中で も栽培 ナスに似 てい る。SD5300・ 5310の二つのグ リッ ドか ら多 く出上 してお り、他の場所か らは全 く出土 し ていない。現在 の品種 は一代雑種 なので種子 は発達 しないが、当時 は種子が成熟す る時期 まで 育 てて食用 にしたのであろう。トウガ ン種子
(Ph.284‑8)種
子頂部 の様子か ら種 の同定がで きる。弥生後期以降 に出上 して いる。スイカ種子
(Ph.284‑9)種
子頂部 の様子か らはスイカ と思われ る。 これが確実であ る とす る と、最 も古い時期か らの出土 とい う事 になる。 しか し、たった2粒
しか出土 していないので、なにかの誤 りとい う事 も否定で きないので はないだろうか。類例 の増加が待たれ る。
メロン仲間種子 (Ph.284‑10〜
19)種
子頂部、概形、表皮細胞 によって種が同定 で きる。 まだ 計測 はしていないが、長 さ12mm、 幅6.2mm程
度の非常 に大 きい もの もあ り、10mm程
度 の も のが多いようである。藤下(1984)は、余良・ 平安時代 にはこの ような大型 の種子が多い とし、現 在東南アジアや西アジアで広 く栽培 され るモモルディカメロンに対応す るとしている。ヒョウタン仲 間種子(Ph。284‑20〜
27)ヒ
ョウタン仲間の果実 は出上 してお らず、種子 も非常 に少 ない。昆虫入 り炭化物
団子状の炭化物 に、多数 の ゾウムシのような昆虫が付着 して炭化 している も のが出上 した。当時の害虫の一端が うかが える。
アカマツ球果、葉(Ph.284‑28・
29)葉
の東がSD5100の4箇
所のグ リッ ドか ら多 く出上 した。葉 の断面 を見 る と、棄肉内で はな く、表皮 に接 して樹脂道があるので、 クロマツではな くアカ
マツであることがわか る。球果ではクロマツ とアカマ ツの区別 は案外難 しいが、小型の ものが 多 く葉 も出上 しているのでおそ らくアカマツであろう。庭 園あるいは街路 に植 えていた ものの 落葉が ゴ ミとして投棄 された ものであろう。
コナ ラ属果実殻斗 な ど(Ph。284‑30・
31)ヨ
ナラ属 は、殻斗上 の鱗片が覆瓦状 の ものが コナラ 亜属、輪紋状 の ものがアカガシ亜属である。 ヨナラ亜属 は殻斗や幼果の鱗片 に注 目す ると、種 まで同定で きる場合があるが、今回はクヌギ また はアベマキ とす るに とどまった。 アカガ シ亜 属 は幼果や果実の花柱 の形態で種 まで同定で きる場合がある。今回はイチイガシ、アラカシ、シラカシが あつた。 また、 この他 にシラカシの葉が出土 した。保存が悪いな どの理 由で亜属や 属 までの同定 に止 まることもあった。 コナラ属 は縄文時代 には主要 な食料である。 この時期 に も食料 にしていた可能性 もあるが、幼果や殻斗 も出土す るので、庭園や衝路 に生育 していた も の と推定 した。
イヌガシ葉(Ph。
284‑32)鳥
獣散布型の種子 は、鳥が運搬す る。エ ノキ、ム クノキ、 コブ シ、クスノキ、サ ンシ ョウ、アカメガシワ、 ウル シ属、 ブ ドウ属、 ミズキ、 クサギ、ガマズ ミ属 は 出土量 も少 ないので平城京の外か ら鳥が運 んで きたのか もしれない。 しか し、イヌガシは葉が 出上 しているので、庭園か街路 に生育 していたのであろう。
ミク リ核属
ミク リ属 は水湿地 に生育す る。SD5100の
U045グ
リッ ドか ら106粒が ま とまっ て出上 してい る。当時側溝 のわ きに生育 していたか、 あるいは庭園等のゴ ミとして捨て られたものであろう。
E お わ り に
長屋王邸 な どにすんでいた当時の人々 は、Tab.77・ 78に示 した多様 な植物 を食用 にした り 利用 していた。庭園や街路 にはアカマツや コナラ属 な どを生育 させていた。今回の試料 の量 は 実 に厖大であ り、保存 もよい。今後 はさらに品種 レベルの検討 を行 な うとともに、 ブロ ックご
との差異 について もよ り詳細 に検討 してみたい。
引用・ 参考文献
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版E一 N
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,1990
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,1963
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藤下典之「出土遺体 よりみた ウ リ科食物 の種類 と変遷 とその利用法」『古文化材 の自然科学的研 究』同朋舎
,1984,pp.628〜
644南木睦彦「栽培植物」『古墳時代 の研究4』 雄 山閣
,1991,pp.165〜
1744 二条大路・東二坊々間路側溝および
SD5100・ 5300に おける花粉分析と寄生虫卵分析
A分 析 の 経 緯
調査現場 で
2回
の試料採取 を行 った。当初、東二坊々間路西側清SD4699と南濠状遺構SD5100
の東 の断面 の2地
点で、花粉分析用試料 の採取 を行 った。分析 の結果、南濠状遺構SD5100か ら、季節の反映 と推定 され る花粉遺体 の組成変化 と定量的変化がみ とめ られたため、検討の機 会をもち、 その後概要 を報告 した。2度
目は、 その結果 を考慮 して、南濠状遺構SD5100の 中 と西 の断面、北濠状遺構SD5300と 二条大路北側清SD5240の断面 の4地
点 において採取 した。寄生虫卵分析 については、当初検 討課題 で はなか ったが、花粉分析用 プレパ ラー トの中の東二坊々聞路西側清SD4699でやや多 く含 まれていたので、多い試料 について定量分析 を行 った。 これ について は補論6Aに
まとめ た。SD5100の 中 と西 の断面、SD5300と 二条大路北側溝SD5240に ついて は、相対比率 と定量 の花粉分析お よび定量の寄生虫卵分析 を行 った。 これ らの地点 について も、分析結果 と出土木 簡 との年代幅 との対比等の検討 の機会 をもった。以上、ここで はSD4699と SD5100の東の断面 の花粉分析、SD5100の中 と西、SD5300、
SD5240
の断面での花粉分析 と寄生虫卵分析 について まとめ検討す る。B採 取 地 点 と試 料
試料採取 は
4遺
構 の6地
点で行 い、計84点であった。以下、地点 ごとの試料採取状況 と層序 を記載す るが、基本的には砂、 シル ト、粘土 とい う粒度区分 による表記 を用いた。 しか し、木 屑や炭 の堆積 や土壌化 の進 んだ淘汰 の悪い堆積 について は、調査現場 で の表記 を用 い、木暦 層、炭層、砂質土、粘質土 と表 した。なお、層序 は柱状図 として、結果のダイアグラムに示 した。i
南 濠 状 遺 構SD5100
SD5100で
は東、中、西の計3地
点の断面 を対象 とした。東地点ではほば10cmおきに採取 し、中 と西 の地点で は
5側
ごとか薄層単位で行 った。東地点で は下位 か ら、粘土層、木層層、炭層、砂質土層 とつづ く。中地点 において も東地点 と同様 に、下位 か ら、粘土層、木層層、炭層、砂 質土層が堆積す る。西地点で は下位か ら、粘土層、植物遺体層、木暦層、炭層、粘土層、砂質 土層 とつづ く。各地点 とも層序 は類似す るが、西地点のみ木暦層が少な く、 また炭層の上位 に 粘土層が挟 まれ る。
各地点 とも粘土層 と木居層 は、水域 あるいは水湿地状の環境 で堆積 した とみなされるが、砂 質土層 は土壌化 をうけブロック状 の塊 も含 まれてお り、やや乾燥 した環境 で土壌生成作用 を受 けつつ堆積 したか、土壌化 した堆積物が再堆積 した もの とみなされる。炭層 は一時期的な堆積 である可能性が高い。
言式米斗と言己載
序 層
分 析 方 法
分 析 結 果
北 濠 状 遺 構
SD5300
SD5300で
は下部 を主にほぼ5 cmごとに試料採取 した。下位 より、シル ト層、木層層、炭 。砂混 じり粘質土層、粘質土、砂質土 とつづ く。シル ト層 や木屑層は水域あるいは水湿地状の環境で堆積 した とみなされるが、炭・砂混 じり粘質土層、
粘質土、砂質土 は土壌化をうけブロック状の塊 も含 まれてお り、やや乾燥 した環境で、土壌生 成作用を受けつつ堆積 したか土壌化 した堆積物が再堆積 した もの とみなされる。
二 条大路 北 側 溝
SD5240
下位、中位、上位の
3時
期の濤が重複 している。それぞれに粘土ないしシル トが堆積す る。試料採取は
3時
期の堆積が重複するところで、ほぼ5硼
間隔で行つた。東 二 坊 々 間路 西側 溝
SD4699
下位 より、砂層、粘土層、砂質土層が堆積する。砂層の時期は流水域であ り、粘土層の時期 は比較的よどんでいた と考えられる。砂質土層はやや乾燥 した環境で土壌生成作用を受 けつつ 堆積 あるいは再堆積 した と推定 される。試料 は10cmご とに採取 した。
C花 粉 分 析
(Color ph。9010)
分析 は、試料 に水酸化 カ リウム処理、 フッ化水素酸処理、アセ トリシス処理の各処理 を施 し 行 った。花粉 出現量 (定量
)に
ついては、 その計数比か ら試料1面
の出現数 を算定 した。結果 はすべてダイアグラムに示 した。相対比率 については、周囲の車本 を含む植生 と環境 をみ るた めに、花粉総数 を基本数 とす る百分率で示 した。i
南 濠 状 遺 構SD5100(Fig。
125。 126)東地点
各試料 とも草本花粉の占める割合が樹木花粉 よ り高 く、試料 4と 試料
8で
は草本 花粉 が極 めて優 占す る。層位 における変化 として、下位粘土層試料8で
樹木花粉 の占める割合 が著 し く低 く、本暦層試料7・ 6・5で
は樹木花粉 の割合がやや高 くな り、試料4で
は著 し く低 く なる。試料1∬
あた りの出現数では試料 8と 試料4において樹木花粉が極 めて少ない。樹 木花 粉 内で は、 ヨナラ属アカガシ亜属の出現率が高 く、マツ属複維管束亜属、スギ、 ツガ属、 モ ミ 属 とつづ く。 ツツジ科 な ども出現す る。草本花粉ではイネ科が著 しく優 占し、 ヨモギ属、 アカ ザ科 ―ヒユ科・ カヤツ リグサ科 な どが出現す る。他 にオモダカ属 な どの水湿地植物 も出現 する。各分類群 の変化 は、樹木花粉 と草本花粉 の割合の変化 と同様である。
中地点
樹木花粉 と草本花粉の占める割合 は層位 によって変化 す る。粘土層 か ら炭層 にか け て、樹木花粉 と草本花粉 の割合 は小刻 みに
7回
の増減がある。試料l cmaぁた りの出現量 につい て も樹木花粉 と草本花粉の出現傾向にほば7回
の増減が認 め られ る。ただ し、その傾向 は部分 的 にはズレがあるが、一致す る層準 もある。試料 8と 試料4で
は樹木花粉が極 めて少ない。砂 質土層では草本花粉の占める割合が高 いが上位 に向かつて草本花粉の割合が より高 くな る。樹木花粉で はヨナラ属アカガ シ亜属が優 占し、スギ、マツ属複維管束亜属、 ク リーシイ属、 コナ ラ属 コナラ亜属 な どが伴われ る。 コナラ属 コナラ亜属 は木屑層の中位 の試料13から上位 は低率 になる。 また、試料22ではモ ミ属がやや高率である。他 にツツジ科 な どが出現す る。車本花粉 で はイネ科が優 占し、 ヨモギ属、アカザ科 ―ヒユ科の出現率 も高 い。他 にカヤツ リグサ科、オ オバ コ属、ナデシヨ科な どが出現す る。水湿地植物ではガマ属 ― ミク リ属、サジオモダカ属、
オモダカ属、 ミズアオイ属 な どが出現 す る。
西地点
樹木花粉 と草本花粉 の占める割合 は、層位的 に大 きく変化 しないが、小 さ く4回ほ ど 変化す る。試料l cn3ぁた りの出現数 については、樹木花粉 と草本花粉 の出現傾 向が ほぼ一致 し、
3回
の ピークを示す。樹木花粉で はヨナラ属アカガシ亜属が優 占 し、スギ、マツ属複維管束亜 属、 ク リーシイ属、 コナラ属 ヨナラ亜属 な どが伴われ る。他 にツツジ科 な どが出現す る。草本 花粉ではイネ科が優 占し、 ヨモギ属が伴われ る。他 にアカザ科 ―ヒユ科、カヤツ リグサ科、オ オバ コ属・ ナデシヨ科 な どが出現す る。水湿地植物ではガマ属 ― ミク リ属、サ ジオモダカ属、オモダカ属、ミズアオイ属 な どが出現す る。アカザ科 ―ヒユ科 は試料4・ 5・
6で
高率 にな り、イネ科 は試料2・
3で
極 めて高率 になる。北 濠 状 遺 構
SD5300(Fig。
127・120
樹木花粉 と草本花粉の占める割合 は、下位 より、 シル ト層の試料12では樹木花粉の割合が高 く、木居層の試料11・ 10・
9で
草本花粉 の割合が高 くな り、試料8で
樹木花粉 の割合が高 くな り、試料7で
低 くな り、試料6で
再 び樹木花粉の割合が高 くなる。炭層・ 砂混 じり粘質土層、粘質土層、砂質土層である試料
5〜 1で
は、樹木花粉 と草本花粉が ほぼ同 じ割合 を占め、大 き く変化 しない。試料l cn3ぁた りの出現量では、 シル ト層 と木屑層で樹木花粉 はあ まり大 きく増 減 しないが、草本花粉 は試料10。 7において多産 しピークを示す。炭層 。砂混 じ り粘質土層、粘質土層、砂質土層 にか けての試料
5〜 1で
は、樹木花粉 と草本花粉 とも上位 に向かった連続 した減少傾向を示す。樹木花粉ではヨナラ属 アカガシ亜属が優 占 し、マツ属複維管東亜属、 ス ギ、モ ミ属、 ツガ属、 コナラ属 コナラ亜属な どが伴われる。試料7・ 9・ 10。 11では、樹木花 粉 の非優 占に合わせ、樹木花粉 の各分類群が低率 となる。最上位 の砂質土層の試料1で
はマ ツ 属複維管束亜属の出現率が高 くな る。草本花粉ではイネ科が優 占し、アカザ科 ― ヒユ科が伴 わ れ る。他 にカヤツ リグサ科 な どが出現す る。水湿地植物では ミズアオイ属 な どが出現す る。 ヨ モギ属 は試料9。 10・ 11で特 に高率 になる。二 条 大 路 北 側 溝
SD5240(Fig。
129・130
下位の試料10から中位 の試料5にか けては、樹木花粉の占める割合が低 くな り、草本花粉 は 高 くなる。上位では樹木花粉 の占める割合が高 くな り、草本花粉 は低 くなる。試料lc∬あた り の出現量では、樹木花粉 と草本花粉 の増減傾 向は大 き く異な らない。樹木花粉 で は、下位か ら 中位 にかけて、 コナラ属 アカガシ亜属が優 占し、スギな どが伴われ るが、上位 に向かって減少 傾向を示す。草本花粉で はイネ科 とヨモギ属が優 占し、アカザ科 一ヒユ科 な どが伴われ上位 に 向かって増力日す る。他 にガマ属 ― ミク リ属、サジオモダカ属、オモダカ属、 ミズアオイ属な ど の水湿地植物が出現す る。上位 になる と、 ヨナラ属アカガシ亜属、スギ、マ ツ属複維管束亜属
を主 とす る樹木花粉 が増加傾 向 を示 し、 イネ科 や ア カザ科 ― ヒユ科 な どの草本花粉 は減 少傾 向 を示 す。 ガマ属 ― ミク リ属、 オモ ダカ属 、 ミズ アオ イ属 は下部 で出現 す るが、上部 で は出現 し な い。
東 二 坊 々 間 路 西 側 溝
SD4699(Fig。
131・ 13劾樹木花粉 と草本花粉 の割合では草本花粉 の占める割合がやや高い。試料
1∬
あた りの出現数 で は、砂層か ら粘土層 にか けて上位 に向か ってほぼ増力日し、最上位では少 ない。樹木花粉 と車 本花粉 は増減の傾向 は一致す る。花粉組成 は下位か ら上位 にかけてあまり大 き く変化 しない。樹木花粉で はヨナラ属アカガ シ亜属、スギ、マ ツ属複維管束亜属、 ヨナラ属 ヨナラ亜属 の順 に 出現率が高い。草本花粉ではイネ科が優 占し、 ヨモギ属やアカザ科 一ヒユ科 な どが伴われ る。
他 にオモダカ属 を主 に水湿地植物 も出現 している。ベニバナ花粉 は、各地点で出現す るが、本 地点が最 も高率である。
D 寄生虫卵分析
(CЛ Or ph.10)分 析 方 法
分析 は、基本的 には試料
1師
にフッ化水素酸処理 を施 し、プレパ ラー トを作製 して行 った。l cn3ぁた りの出現数 は計数比か ら算定 した。 なお、南濠状遺構SD5100東地点で は、花 粉 分析 用 プレパ ラー トで観察 したのみであ り、定量分析 は行わなかった。観察の結果 は、出現 す るも のの、あ ま り含 まれていなかった。東二坊 々間路西側濤SD4699では、花粉分析用 プレパ ラー トにおいて寄生虫卵 の多い試料 のみ、定量分析 の再処理 を行 つた(Fig。 132)。 これ につ いて は 別項 に記 した。結果 はダイアグラムに示 した。検 出された寄生虫卵 には回虫類、鞭虫類 が ほ と ん どで、 まれに肝吸虫、異形吸虫類、有・ 無釣条虫、マ ンソン裂頭条虫、肝蛭類が出現 した。
以下、出現数 について主 に記す。
i
南 濠 状 遺 構SD5100(F進
。120
分 析 結 果
中地点
木暦層 と粘土層か ら寄生虫卵が検 出 された。粘土層の試料21は最 も多 く、約200個 で あ る。本居層で は試料17から6にか けて出現 し、試料10から8にか けて100個前後 で ピー クを 示す。上位 の炭層 と砂質土層では検 出 されなかった。
西地点
下部 の粘土層、炭層、上位 の粘土層 と出現 し、多い試料で も100イ固未満で ほ とん どは 50個未満である。最上位 の砂質土層では出現 しなかった。
北 濠 状 遺 構
SD5300(Fig。
12働下位か らシル ト層、本屑層、炭・ 砂混 じり粘質土層 より出現 した。いずれ も50個前後未満で あるが、炭・砂混 じり粘質土層 はやや多い。上位 の粘質土層 と砂質土層か らは出現 しなか った。
二 条 大 路 北 側 溝
SD5240(Fig.130)
下位、中位、上位 の下部 まで50個前後 の出現数で連続的 に出現 した。上位 の溝 の上部 か らは 検 出されなかった。