【論 文
l
UDC :691.
32 :691.
53 ;691.
54 日本 建築学会構 造 系 論 文報告集 第 361号・
昭 和 61 年 3月乾
燥
を
受
け る セ
メ
ン
ト
硬 化 体
の
水 和
の
進
行
を
表
す
式
正 会 員 正 会 員 正 会 員永
竹佐
松
田
藤
静
吉
嘉
也
*紹
* *昭
* **1
.
ま え が き コ ン クリー
ト,
モ ル タルはセ メ ン トの水和反応に よっ てその 物 性 値を示す指 標の 大き さ が刻々 と変化し て い く。
そこで,
水 和 過程,
水和 度の測 定, 水和度と物 性 値 との関連などにつ い て古 くか ら多くの研 究が な さ れてき て い る。
最近で は大 井の研 究聖〕が発 表さ れて おり,
現 在 までの研 究につ い ても簡 潔に述べ られ てい る。 そこ で, 本論において,
従 来の研 究 を あら た めて総括す るの で は 屋 上 屋 を重ね ること に なりか ね ない の で省 略した いと思 う。
ただ,本研究の 方向,
目的は少し異なっ て いるの で,
そ の ことにつ いて若 干 説 明し て おき たい。
いま
,
コ ンクリー
ト, モル タル がいか なる条 件 下に置 か れて いよ う と もある定め ら れ た方 法で測 定された水 和 度と物 性 値と の間に一
対一
の対 応 関 係が一
義 的に成り立 っ とする な ら , 水 和 度 を媒介と し た,
いわゆる換 算材令 とい う概 念が成り立つ (いか な る条件下というの を ある 限 定さ れ た条 件 下と して も よい し,
その場 合は限 定さ れ た わ く組み で話 が 進め ら れ る)。 これに よっ て, 任 意の 条 件 下に さらされ た実 在す るコ ン クリー
ト部 材の物性 値 を刻々 の材 令に お い て推定す る問 題は,
水 和 度の進行を 推 定 する問題に還 元さ れ, 水和過程下で の,
例え ば,
力 学的挙 動 等の推 定につ いて解 析的な手法が可 能とな っ て く る。
ところで, 上記の 目的 を達 成 する に は次の よ う な点を 明らか に して お く必要が あ る
。
水 和 度の定義, 測定 方 法 水 和 度の進行過程の数 式 化 水 和 度 と物性値と の対応関 係 につ い て は
,
水 和反 応に よっ て生成する物質, その構 造の特 定, 生 成 過 程, さ ら に は,
生 成 物 質の量が厳 密に 測 定 されて い る かどう か な ど が中心的な課 題であろ う が, こ こ での 目 的に対し て は必 ずし も厳密な議 論は必 要 と されない。
こ こで の水和 度は,
実 用 的な範 囲で,
水 和 ・ 大分 大学 教 授・
工博 # 西日本工業 大 学 助 教授・
工修 * * *大 分 大 学 講 師・
工博 (昭 和 60 年3月8日 原稿 受理) の進行を全 体 的に表し得る もの で あ り,
しか も, 実 測 が 手 軽で あ る よ う なもの であれ ば, 間接 的な物 理 量で十 分 で あ る。
そこで,
こ こ で は簡単に測定し得る結 合 水 量 を 水和 度の指 標にすることにす る。 は実 在の コ ンクリー
トの物性の変 化 を取り扱う に は最 も重 要な事 項であ り,
本 論のテー
マ である。
従来か らも経 験 式, 反 応 速度理 論 を応用し た式 な ど が示さ れて いる。 にっ い て は,
対応 す る物性値に は各 種の ものが あり,
すべ てにつ い て対 応 関 係を 明 ら かに す る に は膨大な実 験 研 究 が必要と な る。 よ く知ら れて い るよ うに, 圧縮強 度につ いては水和 度と の関 連で と ら え る研 究ZL3 )が 古く から行わ れ て きて い る。
ま た,
ク リー
プにつ い ても水 和度との関連などで と ら え る研 究4)−
6) も多い。 その他に も, 精粗さま ざ ま だ が,
水 和 度 との対 応 関 係が求 められ てい る。さて
,
上 記の事項 につ い て はすで に多くの研 究が なさ れて い る ことを述べた が,
実 際に は ,水中,若し く は シー
ル養 生の場 合 がほと ん どであり,
し か も,
温度が水 和に いか に影 響す る か とい うこ と が興味の中心 と なっ て い る。 温 度と水和の関係は最 も重 要な テー
マ で あ ること は 言 うまで もないが,
実在の コ ン クリー
トは材令のか なり 早い時期か ら乾 燥を 受 けて い る場 合が 多く, この乾 燥に よ る水和の阻 害も主要な テー
マ とな り得る筈であ る。 つ ま り,
乾 燥の程 度に よっ て そ の後の水 和の進行が どの よ うに規制さ れ る か を 明 ら かに しておか ない と, 実在する コ ンク リー
トの物 性 値は推定し得ない ことにな る。 しか も, コ ンクリー
トの乾 燥は非常に遅い ため, 部 材寸法が 大き く な る と,
部 材の表層部と内 部とで は長い間乾燥の 度 合いが 異 なっ て お り, その こ と が水 和の進行に影響を 与え る た め,
物 性 値その もの も部材内 部の位 置によっ て 異なっ て く る。 こ の こと は,
早 期 材 令か ら乾燥を受け る コ ン クリー
トの物 性 値の推定は解析 的に行わざるを得な い し,
解 析 を行う 場合には,
上記 項の水和度の進 行 過 程の数 式 化におい て, 乾燥の影 響が適切に評 価 さ れて い な け ればな ら ない ことを意 味してい る。以 上よ り, 本 研 究で は, 水 和 現象その もの につ いての 検 討は行わ ないが
,
水和の進 行に乾 燥が どの ように影 響 す る か を実 測し,
ま た,
水 和の進 行 を 数学 的に表 現し,
一 21 一
そ の中に乾 燥の 影響 を適切に取 り込 むことを 目 的と し た。
2.
水和度の定義水 和 度は
,一
般に は, 完 全 結 合 水 量に対する 「ある材 令に お ける使 用セメ ン ト量当た り の結 合 水量」の比 と し て表さ れ ること が多い。
完 全 結 合 水 量 とは,
水 和 し た セ メ ン ト量当た りの結合水 量であり,
理論 的,
実 験的に求 め られて き てい る。 関ら 3 )は こ れ を W /C =
37% と して いる。 ところ が, 図一1
か らもわか るよ うに,
現実的に は こ の値よりも か な り低い 結 合 水 量で増 加が ほ ぼ停止し ている。 し かも,
最 大の結合水 量の値は, 水セ メ ン ト比, 養 生 条 件,
.
セ メン トの種類などに よっ て大き く異な るこ とがわ か る。 これ は, 完 全 結 合 水 量が条 件に よっ て異な るとい う よりも,
従 来か らいわれ て い るように,
「セメ ン トの水 和 反応に おいて, 水和が 進 むにつ れて,
セメン ト粒 子と水との接触が妨 げら れ,
つ い には,
未水 和粒子 が 残 存し た ま ま, 見掛け上, 水 和が終 了し た と み な さ れ る状 態に至 る」こ と に よ るもの と考えられ る。 図一
1の 縦 軸は使用 し た セメ ン ト量 当たり の 結 合水量 で あ る か ら, 未 水 和セメ ン ト粒子が残 存す る限り,
完 全結合 水量 より小さ な値と な る。
残 存 する未 水 和 粒 子の量 は, 水セ メ ン ト比,
養生 条 件,
セメ ン トの種 類な ど条件に よっ て 異 なる だ ろう。 ところで,
完 全 結 合 水量 は水和し たセ メン トに消 費さ れた水 量で あ る か ら,
これ は各条件に よっ てさほど 差が ある とは思わ れ ない の で,
水和度に お よ ぼ す各 条 件の影 響 を 完 全 結 合 水 量を共 通 基 盤と して統一
的に評 価す る に は都 合が良いだ ろ う。 し か し, 本論の場 合のよ うに,
あ る条 件 下で刻々 の水 和 度の 進展状況 を数 式 表 示する場 合 に は,
完 全 結 合水量と見掛け上終 局的に達 成す る結 合 水 量と が余り に か け離れ ている た め, 適 切な方 法と はいえ な い。 む しろ,
対 象と する現実 的な期 間 内に お い て,
終 局 的な結 合 水量 を設 定 し, こ れ を基 準に し て水 和 度を表 す方が よ り合理的である。
河 角 らS)も,
密 封 養 生の場合03
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O’
1 櫃 崇 0 100 200300
材 令 (日〕 図一
1 結 合 水 量の測 定 例 400 は完 全 結 合 水 量 をW /C 軍
25% と見る の が妥 当で あ る と して, こ れ を基 準に し て水 和 度を表している 〔し か し, これ は完 全 結 合 水 量という より,
上述し た よ うな意味で の, 見 掛 け上 水 和が終 局し た時点で の結合水 量と見る方 が妥 当で ある と思う)。
そこで,
本 論 は,
水 和がほ ぼ終 了し たと見 な され る時点で の結 合水量を終 局結合水 量と 名付 け,
次 式で水 和 度を表すこと に す る。
m
一
箭
…・
………一 ……・
………一 ・
……・
(1) m :水 和 度 an :材 令 T に お け る使 用し た セ メン ト量当た りの結 合 水 量 (g/g )肱 :使用し たセ メ ン ト量 当りの終 局結合水量 (g/g ) 上 式の 肱 は使 用 し た セ メ ン ト量 (未水和粒 子も含む) 当た りの値である か ら, もはや
,
理論 的に は決め ら れ な い で, 各 種 条 件ご とに実 験に よっ て求め な け ればな ら な い。
その上,
Wn を測定し た の と同じ条件下で の水和 度 につ い て し か相互比 較は意 味を持た ない。
しか し,
あ ら ゆ る条 件 下ご と に 肱 を 設定す る とい う の で は逆に (1 )式の利用価値を 失い,
本 論の 目的 を達 成する こと はで き ない。
例えば,
乾 燥履歴に よっ て iVn は異な る が,
この乾 燥 履 歴は無数の場合が考え ら れ, そ の都 度 肱 を設定して いたの では (1 )式は利 用できな い。
そ こ で,
本 論で はWn
を水セ メン ト比 ごとに設 定す ることにする。これ は,空隙や セ メン ト粒子の分 散に よっ て決 まる組 織の骨 格構造が水セ メン ト比によっ て決 まる とする もの で,
その 骨格構 造の枠内で, 例えば,
温 度が 上が れ ば水 和が早め ら れ,
乾燥に よっ て水 分 を失えば,
そ の骨格 構 造の わ く内で水分 を失わ ない時の終 局 結 合 水 量 まで達 成し得ない と考え る ことに な る。
な お,
温 度に つ い て,
常 温の範囲内と す れば水 和の遅 速に は影 響を お よ ぼす が,
終局結合 水 量に は影 響 を お よぼ さ ないと考え る。
上の よ うに水 和 度を定 義す れ ば, 同一
水セメ ン ト比 内 で基 準と な る水 和曲線 (例えば, シー
ル養生, 温 度 20°
C
の場 合の材 令一
結 合水量曲線 )を設 定し,
これを 比 較 するこ とに よっ て,
(1 )式の m は, い わ ゆる, 換 算 材 令と まっ た く同じ意味を持っ てい ることになる。
こ れ は,
本論の 目的と一
致す る。
3.
試片の乾燥 度の定義 試 片の乾 燥 度は試 片の含 有 水 分量 (蒸 発 可 能水 )また は,
含 有 水 分量 と熱 力学的に平衡す る相 対 湿 度に よっ て 表さ れ るのが一
般 的で あ ろ う。
しか し, こ の表し方は本 論の場 合に は必ずし も適切な方 法と は い え な い。 なぜ な ら,
含 有 水 分 量は水 和に よっ て刻々と変化して いる (こ の よ う な状態 を本論は取り扱っ てい る )た め.
乾 燥 度を パ ラメー
ター
と し て実 験を行う 場合,
パ ラメー
ター
その ものが刻々 と変 化して しまうか ら, ま た,
試 片の水分 が乾 燥 また は水和に よっ て刻々 と変 化し て い る場 合に
,
試 片と平 衡す る相 対 湿 度その も のを測 定す るの は不 可 能に 近いからで あ る。
平 衡状態の問題 を取り扱う場合に は,
相対 湿 度で表すのが最も有 利と な ろ う。本 論の問 題 設定が, 「試 片が水 分 を 失うこと によっ て 以後の水 和の進 行がどう影 響を受けるか」に
毒
る ことを 考え れ ば,
試 片が失っ た水 分 量によっ て乾燥 度 を表 すの が 適 切 と考え ら れ る。
し かも,
水 和の進行へ の影 響は,
失っ た水 分 量とい う よ り も現 在 含 有し てい る水分 量に対 して,
乾燥によっ て ど れ だ け失っ た か がむ し ろ問 題で あ ろ う。
そこで, 乾 燥度は以下の よ うに表す。
い ま, 含有 水 分 量 (蒸発可 能 水 )が w。の時に
,
微小 時 間 内に失っ た水 分 量をdwa
と する時, 乾 燥 度P
の変 化 を次 式で表す。dw
.dP
= 「nt
”… ’
”… ”一 ・
…・
・
一 一 ・
…・
・
(2 ) 材令 K よ り乾 燥を開 始した時の材令T
にお け る乾 燥度P
は次式で表せ る。P
−
∬
響
一
∬
畿
・・一 ……・
・
……一 ・
(・) (2 ), (3 )式は乾 燥 度の増 加は失っ た水 分 量の増 加の み によっ て生じ るもの であり, 水和の 進行に伴う含 有 水 分 量の変 化によっ て は影 響 を受け ない よ うに くふ う され て い る。
4
.
結合水量の増 加 速 度 を表 す式水 和 反 応の速度を表す理 論 式につ い ては友 沢S)が すで に発 表し てい る。 これはゲル生成物中の水の拡 散など を 考 慮し て お り
,
水和の開始 直 後か ら水和の終了 ま で を 表 し得る理論式と して の条 件 を備えて い る と考え られ る。 本 論に お い て もこ の式 を用いること は当然 可 能 だ が,
た だ, 本 論は水和が あ る程 度 進 行し た時点で の ことを 対 象 としており,
この場 合に は,
水 和の進行 状態は比 較的単 純な曲 線で表さ れてお り,
こ の曲線は た か だ か2個 程 度 の実 験 定 数 を 含ん だ経 験 式で十 分に表せ ること が予 想さ れ る た め,
以 下の よ うに,
敢え て単純 な 式 を用い る こ と に し た。4−1
乾 燥 を受け ない場 合乾燥を受 けない場 合の結合 水 量の進 行につ い て の実 測 は 過去に多く行わ れて いる。 し か し, その進 行 過 程 を
一
般的に数 式 表 示し, 実用的な形で利 用でき る よ うにする 研究は意 外と少ない。
さて
,
簡 単な反 応 速度式を用いれ ば, 水和反 応の速 度 は未反応 物 質の量によっ て次式の よ うに表せ る。
d
ωn誦 「
=
αo(既一
ω昂)°
(C − CH
)・
…………・
・
……
(4)C
:使 用し た セメ ン ト量 (g) 隅 :使用し た セ メ ン ト量当た り の水量 (g/g) CH:材 令T
まで に水 和したセ メン ト量 (g)=C
×ωn/完全 結 合 水 量α。 :水和の進 行しや す さを表す係 数 こ こ で
,
(隅一
ω陀)は未水 和の全 残 存 水 量, (C − CH
) は全未 水 和セ メ ン ト量で あ る。一
般に は, 加水量 は水 和 に必要な量 よりも 多い か ら,
こ の式は, 未 水和のセメ ン ト粒 子が残 存す る限り水和の進 行 速 度は零に は な ら な い。 ところ が,
セ メ ン トの反応は水 和が進む につ れて生 成し たゲル粒 子の構 造によっ て水の拡 散が困難と なり,
未 水 和の セメ ン ト粒子 と水の接触が阻 害さ れ ること に な る。
この た め,
後の実 験結果か らもわ か るように,
未水 和セメ ン ト粒 子が残 存す るに も か か わらず見掛け上 水 和 が終了 し た かの ような現象が見ら れ る。こ れらの こと は,
水 和 反 応の起こ りや すさを表す (4
)の式の a。は定数 で はな く,
水和が進むにつれて小さ く なっ て行く ような ωn の関 数である ことを意味し ている。 そこで, 河角ら S) は (4
)式の α。が時 間, ま た は換 算 材 令の関数と して い るQこ こ で は
,
実 用性と簡便さを考 慮に入 れ て,
(4)式 を次の ように修正 し たい と思う。
dWn
π
广
α1儡一
ω∂(c
ザc
・)=
α(Wn −
Wn)2・
・
………・
……
……・
……・
・
(5 }Wn :使 用し た セメ ン ト量当た りの終局 結 合 水 量 (g/g )
Cn
:終 局 的に反 応 し たセ メ ン ト量 (g)=
CX
既/完 全結合 水 量α:水 和の進行し や す さを表す係数
=
=
aiXC /完全結 合 水 量 上の式は, 終局 的に水 和する で あ ろ う水の量 をあ ら か じ め実 測し てお き,
水 和の速 度はこの残 存 量に依存す る と す るもの である。 この式は実 験 定 数と して 縣 を導入 す る た め,
理 論 式と して洗 練さは欠け る が,
終 局 値 を押さ えて い る ため実測 デー
タに比 較的よ く合わ せやすい こと と,
何 よりもま し て, αが定 数で あ る た め,
(5)式 を 解く と双 曲線 式 嫣・
T
Wn
‘
=1
’
”一
一
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
’
”・
・
・
・
…
(6 )
函
+T
となっ て.
取 り扱い が簡 単な こと が特 徴である。
締
余 w
。辻
終 局 結 合 氷 量ト
材
令
T
図一
2 乾燥を受 け ない場 合の結 合 水量の進 行 模式 図 お よ び 用 語,
記 号等の定義一
23
一
な お
,
結 合水量 (ωn)の 進 行につ い て の模 式 図を 図一
2に示 す。
図中 , 打 設 時 総 水 分 量 (W。)か らWn を 差 し引いたもの が蒸 発可能 水 (We)と な る。 4−
2 乾燥を受ける場 合水 和の進 行途 中に乾 燥 を受け た場合
,
そ れ が水 和の進 行に対し て負の要因 とな ることは当 然 予 想さ れ る た め, 乾燥がどの よ う なメ カニ ズム で水 和を阻害す る かを解 明 す るこ と は重 要な問 題であろ う。 し か し,
こ こ で は,
乾 燥の程度と水 和の進 行 過 程 を 簡 便に利 用し や すい形で数 式化す るこ とを 目的 と して い る た め, 乾 燥を受け ない場 合の (5
)式 を基 準に し て,
乾 燥を受け る場 合の水和の 進 行を表す式を経験 的に, しか も,
実 測 可 能な デー
タを 基に数 式 化が可能で ある よ うな式を導いて み たい と思 う。さ て, (
5
)式 を基 準に して, 経 験 式とし て乾燥の影 響を含んだ 式 を導く に は2
つ の方 法が考え ら れ る。 1つ は,
基 準の式に乾 燥度を含んだ 項 を単に掛 け合わ せ る方 法で, も う 1つ は,
(5
)式の係数 αは一
定と し,
終 局 結合水量 嬬 が乾 燥 度に応じ て減 少 する とする方法で あ る。
前者は一
般に よ く用い ら れる手 法で あ り,BaZant9
〕 の式もこ の範 ちゅうにはいる。 こ の方 法だ と,
終 局結合 水量 が乾 燥の影 響 を 受 けない ことにな る。前 述の ように, 乾 燥を受け る と, 水 和の進行速 度 が低 下 する だ けでは な く終 局結合水量 も明 確に減 少し ている ことを考え れ ば,
こ の方法は本論の場 合 不 向きであ ることがわかる。 そこ で,
本 論で は後 者の方 法によっ た。
す なわち,
乾 燥を受 けること に よっ てその後の終 局結合 水量 Wn が低 下す る と す る もの で ある。
とこ ろで, 乾 燥 度と終 局結合 水 量 との 関 係が必要と なって くる が
,
乾燥履歴は無 数のケー
スが考え ら れ る た め,
すべ ての ケー
スに対 応 して両 者の関 係を実測デー
タ とし て そろ えて お くの は不 可 能であ る。
そこで,
こ こで は, まず,
基本と な る乾 燥 状 態を設 定し,
その状態での 乾 燥 度と終局結合水量 との関係 を実 測し て お き, その結 果を任意の乾燥履歴の場 合に拡 張でき る よ う に理 論 化し てお く必 要が あ る。
こ こ で は, 基 本と な る乾燥状 態と し て,
次 項に述べ るが , 「材 令K
において一
定の水分 を失締
讐
町
K
材 令T
図一
3 材 令 K に お い て矩 形状の乾 燥 を受ける場 合の結 合水量 の進 行 模式 図および用 語,
記 号等の定 義 ω。,
w、は そ れ ぞれ脱 水 量,
蒸 発 可 能水 量 を表わ す変 数 い, その後 試 片からの水 分の出入 りが ない状態」を採 用 した。
この状 態は実験 的に容 易に実 現 可 能で,
水 和 度の 進 行 状態 も実測 し や すいか らである。
4−
2−
1 矩 形 状の脱水を受ける場 合 図一3
に材令K
に おい て一
定の脱 水 ω dr を・
受 け,
以 後 水 分の出入 り が ない場 合 (矩 形 状の脱 水と呼んで いる) の結 合 水量の進 行につ い て の模 式 図,
な らびに関連 す る 記 号の定 義を示し てある。Wk
は材 令K
におい て一
定 の乾 燥を与え た時の終 局 結 合 水 量6Wk は乾燥にょっ て阻害され た結 合水 量, δW. は乾 燥を受け ない と し た 時の材 令K
か ら終 局 時 まで の結 合 水 量の増加分 (Wn
一
ω 。K)で あ る。
こ こでの問 題は,
「材 令 K におい て一
定の水分を失っ た場合, 以 後, いかに水 和が進 行し,
終 局 結 合水量 は水分を失わ ない場 合に較べ て ど れ だ け減少 するか」で あ る。
まず
,
乾燥度t「) を求めて お こ う。
図一
3の よ うに,
瞬 間的に矩形状の tVdκを与え る時,
〔3)式は次の よ う に な る。
P
−∫
紙
tVeK・
・
……・
……・
・
…………・
・
…
(7)=ln
tVeκ一
Wex い う ま でもなく,
乾 燥 度P
は材 令K
に おいて失った水 分 WdK の み に依 存し,
そ の後の水 和の進 行に は無 関 係 で あ る。 したがっ て,P
は初 期条件の 役 割 を果た し,
本論で設 定され た問 題に有 効で あ る。
次に,
P
と W 撫との関係を実測デー
タ よ り求 めるこ と に なる。
とこ ろで,
Wk は同じ乾 燥 度 を 与え た場 合 でも,
乾 燥 時 材 令K
に よっ て著し く影 響 を 受ける。 そ こ で,次の よ うに規 準 化した値 を用い て み る ことにす る。 い ま, 乾 燥 度の増 分dP
が生 じ,
その結 果とし て終 局結 合 水 量 がd
−ve
:だけ減 少し た と す る。
こ のdW
:を,
δW
n (それ以 後 乾 燥を生じ
ない と し た時の終 局 結 合 水量 の 増分)で次 式の よ うに無 次 元 化 する。
dQ
一
嬲
一 ……・
…・
一 …・
…………・
…・
・
(8 ) こ こ で,
Q
を終 局 結 合 水 量 低 減 比m と名付ける。
上の式 を時 刻K
に おいて矩 形 状の乾 燥を与え た場 合に当て は め る とQ
一ズ
、轟
賑
母Wnk
・
・
−t・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(9 )=ln
δ既 尾一w
注) 既 報10 }に お い て,
P を Wa /w。
t で,
Q を W撫/δiV. で 定 義したが,
これ は,
矩 形 状の乾 燥の み に限定すれ ば 分 か り や す く,
実 験 デー
タの整理 に便利だが,
こ れを連 続的な 乾燥の場 合に拡 張 する時,
整合性 を 失い,
適切な定 義では ない こと が判 明し た の で,
本論のよ うに訂 正す ること に し た。
煢
下
余
w
。⊥
dW
農
紘
T
F
K
て
材
令
T
図一
4 材 令τに おい て微 小の乾燥増分 が生じ た 場合の結 合 水 量の進 行 模 式 図およ び用 語,
記 号 等の定 義 ただし,W
#は終 局 結合水 低 減 量 を表す変数であ る。 こ こ で は,P
と W蘇との 関 係の か わ り にP
とQ
と の関係で実 測デー
タを整理 しQ
=
ノ(P
)………・
・
…7…………・
…・
……・
(10) を求める ことにする。
こ の よ うに規準化す ることに よっ て,K
が大き い 場合W
撫も小さ く な る が,
同 時に,
δvr
. も小さ く な るので,
K
の影 響が消去さ れる の で は ないか と予 想さ れる。
P
に対す るJV
餐κが求ま れ ば,
(5
) 式に お け る 肱 を (Wn− W
缶)に置き換え た黔
一
・儡一
賄一
砺 尸…一 ・
………・
…・
(1
・) が材 令K
以 降の結 合 水 量の進行を表すことにな る。 こ の式 を解く と (Wk −
Wnt)(T−
K )・
一 ……
(12) Wn=
Wnx十α(隔z鳧
き
:Wnx}+(T 一
κ) と な る。 4−
2−
2 連 続 的な乾 燥を受け る場 合 図一
4の よ うに,
乾 燥 履歴の途中に材 令 τ に お い て乾 燥度の増 分dP
が生じ た と す る と,
こ のdP
に よっ て終 局結 合水量 はdW
#。 だ け減 少する。
いま,
(10)式 をP で微 分 す る とdQ 一
部
・
dP ……・
・
・
・
・
・
……一 …………・
…
(13) であ り, (8 >式か らd
曜 τは次の よ うにな る。dW
:.
一
(・・A
.
−
w。.
}’
9fp
・
d
・一…・
一 ……・
(14) 乾 燥の増 分が連 続 的に材令K
か らT
まで に生じ る場 合 の結 合 水 量の 減少量W
缶は,
重ね合わ せ の法則が成り 立つ と仮 定すればw :T
−
∬
(w 毎一
翻嘉
・P ・
・
…・
・
…・
……・
(15
) より得ら れ る。
こ れ よ り,
材 令T
まで に任 意の乾 燥 履 歴 を 受け た場 合の材 令T
に お け る結合 水量 の進 行 速 度は次 式で表さ れる。
dWn三:
a(Wn 一
回厂; 7−
wni・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(16)dT
(16) 式はもはや,
双 曲 線 式で は表せず, 通 常は刻々に 数値 積 分 することにな る だろ う。5.
実 験5−1
実験 計画 実験は次の 4点 を 目 的 として行っ た。
乾 燥を受け な い場 合, (5)式, (6)式 が妥 当か ど う か を検 討す る。
乾燥を受け る場 合, (11
)式, (12
)式が妥 当かどう か を 検 討す る。
妥 当 だと す る と,
乾 燥 度P
と結 合 水 量 低 減比Q
との関係 を実 測する。
以 上の結果 を も とに, 連続 的な乾 燥 を受け る場 合の (14), (15 )式が妥 当か ど うかを検 討 する。
そ の た め,
実 験は次の 4つ の シ リー
ズで行っ た。
シリー
ズ1 :打 設 直後か ら シー
ル養 生 を継 続し, 結 合 水 量の進 行 過 程を測 定 する。 実 験 要 因は,
水セ メン ト比 (1
〃C =65,50,40
%)と す る。 図一2
に相 当。
シ リー
ズ2 :所 定の材 令におい て所 定の乾 燥 度を与 え, その後シー
ル養 生 下で の結 合 水 量の測 定。 実 験 要 因 は,
乾 燥 時の材 令 (K =1,3,
7,
14,
28日),
乾 燥の 程度 (P
= 温度22
±1°
C,
湿 度40±5%で 1,
6 , 24時 間乾燥 )の2
要 因とする。 水セ メ ン ト比一
定。
図一
3に 相 当。
.
シ リー
ズ3
:各 種 条 件 下で の終 局 結 合 水 量の み の測 定。 実験 要因は,
水セメン ト比 (W
/C =
65,
50,
40 % },
乾 燥 時の 材令 (K =1,3,
7,
14,
28日 ),
乾 燥 度 (P = 温度22±1℃,
湿度40士5% で 1,
6 , 24時 間 乾 燥} O l 日 3 日 4v’
材 令 (日 ) 終 局 時 0 1 日 3日 2h−
Oh2h−
2h2h−
4h2h−
7h 終 局 時 0 1 日 6h−
Oh6h−
2h6h−
4h6h−
7h 終 局 時 祠 24h 24h−
Oh 註} 数 字 は 乾 煥 炉 での乾燥 時 間 を示す 図一
5 階 段 状の乾 燥を受け る 場合 (シ リー
ズ4)の実 験 プロ グ ラ ムおよび記 号 (例えば,
最上図記号2h−
4 hは,
材令1日におい て 2 時 間 乾 燥 後 直 ちにシー
ル し,
その後 材 令3日 に おいて 4 時間 乾 燥さ せ,
以後,
試験 時までシー
ルし たことを表 す。
}一
25
一
表
一
1 調 合 表 セ メ ン ト 水 砂a
1
0
・
65
2
.
0
b
1
O
・
50
1
・
5
C
1
0
・
4Q
1
・
32
(重 量 比 ) の3
要 因 と する。
図一3
に相 当。
シ リー
ズ4:図一
5に示すプログ ラムでの矩形状お よ び 階段 状の乾 燥 を 与え た場 合の終 局 結 合 水 量の測 定。
水 セ メン ト比は65
%の一
種 類。
な お,
脱 型 直後よ り シー
ル養 生 を継 続し た場 合の結 合 水 量の経 時 変化につ い て も 測定し て おいた。
5−
2 使用 材料, 調 合 セメ ン トは普通ボル トラン ドセメ ン ト, 骨材は 豊浦産 標準砂 を使 用し た。
調 合 を表一
1に示す。
5−
3 試 片, 養 生 試 片は で きる だけ短 時間内に所 定の乾 燥を得るた めに 厚さ6mm
で面 積4
×6cm
の薄 板 を用いた。
試 片は打 設 後, 水 分の蒸 発 を防ぐ た め打 設 面 をシー
ル養生 し,
24 時間後 脱 型 し, 直ちに ビニー
ル の薄 膜とパ ラフ ィ ンで シー
ル し, 温 度20
℃ 湿潤中で保 管した。
シ リー
ズ2
,3
,4
に おいて は,
所 定の材 令におい て所 定の乾 燥 度 を与え る が,
これは,
温 度 22±1℃,
湿 度40±5%の乾 燥 炉 で所 定の時 間乾 燥し,
それぞれ異な る乾 燥の試 片 を得た。 所 定の乾 燥を与え た後は再び シー
ル養 生を行い,
20℃ の湿 潤 中で保 管し た。
5−
4 結 合 水 量の測 定 結 合 水 量の測 定に は各種の方 法 が 用い られてい る が,
こ こ で は下 記の方 法を用い た。
ま た一
般に は,
微 粉 末 試 料によっ て行っているが,
こ こで は,
モ ル タル供 試 体 を 粉 砕せず,
そ のま まの状 態で行 うことに した。
こ れ らの 理由は,
手 軽に行え る こと,
し か も,
測 定 条 件さ え一
定 に して おけば その範 囲 内で は正 確な値が得られ や すい こ と,
本論の目 的が結 合 水 量の絶 対 値その もの よりも水 和 反応の進行を間 接 的に表 現し得れ ば十 分な ことな どによ る。 まず,105
℃ の乾 燥 炉で24
時 間 乾 燥 を行い,重 量WI
。5 を測 定 し た。
次い で,
そ の供 試 体を 1000℃ の電 気 炉で 6時 間 強 熱 減量 し その 重 量 Wi。。。を測 定し た。 こ れ よ り,
Wn!
隅・・¶一
(
温 度 105℃〜
1000℃ 間に 骨 材 中に含ま れ る水 分 量)
使用セ メ ン ト量 か ら 結 合 水 量 を 求 め た。
骨材中に含ま れ る水分 量 は,
別 に,
骨 材の み につ い て 105−
1000℃ 間に おける水 分を測 定 し た もの で あ る。
一
26
一
碁
垣
)
仁
叩5
(
2
M15
く
010
SEALED
w/c=50
°んw’c=
6
臥沸
二
・
嘱
。『
裾o
一
噌
寸
木オ 令 (冒 ) 図一
6 シー
ル養 生 を 継続し た場 合 (加 水 直 後か ら一
度 も乾 燥 を 受け ない)の結 合 水 量の進 行6.
実 験の結 果 6−
1 乾 燥 を 受け ない場合 (シ リー
ズ1) シリー
ズ1の実 験 結 果が 図一6
に示さ れて い る。 縦 軸 は使 用し たセ メ ン ト重 量 当た りの結 合水量で・
ある。
こ れ による と,
材 令の ご く初 期に おいて は各 水セ メ ン ト比 と もほ ぼ同じ結 合 水 量であるが, 材 令 が経つ と, 水 セメ ン ト比によっ て結 合 水 量の進 行に差が大 き くで て く るよ うに な る。
明ら か に,
水セ メ ン ト比が小さ い ほど終 局 結 合 水 量は小さ く なっ て い る。
本 実 験の結 果は図一
1 に示し たものとほぼ同じ傾 向 を 示して いる。
終 局 的 な結 合 水 量 も,
密 封 養 生の場 合お お よそ 0.
25程 度と見 ら れ てい る か ら, 本 実 験 結 果 も妥 当な値 と思わ れ る。 い ま,
こ の実 測 デー
タを双曲線式 (6 )に あて は め て み る と,
図一
6の実 線の よ うにな る。
これに よ る と,
材 令の ご く初 期におい て実 線の方 が若干下 回っ てい る。 こ れ は,
む ろ ん,
単 純な双 曲線 式で は水 和の進行を 正確に は表 し き れ ない こと を示し てい る。
式を も う少し くふ うa
4
3
2
1
’,
D ●一
一
一
・
− a
O−・
・
一
一
Wn
(
°ノ
。)
]
251
1201Wnl
イ5i
「9101
’ ↓o
トW
h
4
−65
(
1
。)
WlC
図一
7 Wn,
αの推 定 値匚 を
調
(
° ’。)
25
20
X
.15
〈
91
K
=1DAY
1
尊
儲
,一一
一一一
,
P
=O
.
↑58
77
D
,__一
一一
D9 广1F5
≡
6Psil
「
一一■
τ 「曽
ノ 刀
’”
’ り一
9
− 一一一
一’
【t一一
P
;
減
δ
『一『
v一
撰
一
〇
137
14
(
°1
。)
25
28
56
ネオ 令 (B) (a〕 乾燥開始材令K=
1日 → トー
市
一
F き瑳
z
.1
↑佃
K
=3DAYS
厚
コ
ト ー一
_
_
A−
1戦
す
羅
’一一
ム圏一
,’
込一
ロ D− _ 一一一
ユ イトー一 一
ロー
1卜卩一一
r−
P
=1
.
291
壤
ok137va
2s
−s61
−
「
悸
材 令 (日 ) (b) 乾 燥 開始 材 令 K=
3日辮
匚
き 踟15
、
環
乂 N 湘 Ψ 梅 崇K
=7DAVS
o
輪
(
° ノ。)
(c >28
材 令 (日1 乾 燥 開始 材 令 K=
7日 一56
←一
「枕
25F
el
2
煮
く
江15
摯
K
=14
,28DAYS
P
=0
・
796
P
=0
− 一
一一一一
a− −
ll− 一
一皿
△『一
’…
噂
丁下
箔
粥
+−
i”− m .一
゜一一
よ
†
−
t8
「 引字
トー
材 令 (日) (d)乾 燥 開 始 材 令K
=
14,
28 日 図一
8 材 令K におい て矩 形 状の乾 燥 を 受け た場 合の結 合 水 量 の進行 す ればよ り よ く合わ せ られ るようにする ことは可 能であ ろ う。
し か し,
全 体 的に み ると, ほぼ よ く一
致し てい る と み な し得ることから, 水 和の進行速度を表す (5
>式 が実 用 的に妥 当であると み な し て よい であ ろう。 さて,
こ の デー
タ の範囲内か ら (5) 式の終 局 値 嗾 と係 数 α を推 定 して みると図一7
の よ う に な る。 a は水 セ メ ン ト比が大き い ほど 直 線 的に減少して い る。 監 は 逆に水セ メ ン ト比が大き い ほ ど直線 的に増 大す る。 い う までもな く, こ のよ う な実 験か らα,
臥 につ いて一
般 的な結 論 を 得ることはで き ない。 こ こ で の a,
監 は本 実 験 範 囲 内で の一
実測 デー
タに過 ぎ ない。
ただ, 鴎 は,一
般 的に い っ て, 水セ メン ト比が大 きい ほど 大き く な る と考えられ,
α は そ れ に応 じて決まる実 験 定 数とい うこ とになる であろ う。
6−
2 材 令K
において一
定の乾燥を受 け,
以 後シー
ル 養 生が継 続され た場合 (シ リー
ズ2,
シ リー
ズ3)図
一
8 (a),
(b
),
(c), (d
)に,K
= 1,
3,
7,
14,
28 日に おい て各 種の乾燥 度P
を与え た時の結 合 水 量の進 行が示さ れて い る。P
は (7 )式か ら計 算さ れ る値で ある。
こ れ ら の図によると, 明 ら かに P が大き く な る ほ ど その後の結 合 水 量の進 行は低下して い る し,
終 局 結 合水量も小さ く な る。 な お, この測定結果から乾燥 度に 応じて終局結合 水 量は大き く影響 を 受 け る た め,
実 験 定 数 と して両 者の関 係 を 実 測し て お き, そ れ を基に して水 和の進行を表示 する手 法は十 分に妥当なこと が わか る。
K
が1, 3日で は,P
が大きい場 合 (電 気 炉で の乾 燥 時 間が 24 時間), 炉での乾 燥 時 間 中に水 和が進む た め初 期 に大き な結 合 水量 の増加が見ら れ る。 所 定の乾 燥 度 を与 えるた めに必 要な乾 燥時間中の 水和の進 行は実 験 上や む を得な い が, 理論上は誤差で あ る。 そこで,
本 来,
こ の 値は補 正されな け ればな ら ない が, た だ,
誤 差を正 し く 定 量で きない し,
値その もの も小さい の で,
こ こ で は無 視し, そ の ま まの デー
タを用い た。 各 乾 燥の程 度ご との実 測 デー
タを (12 )式に あ て は め てみ る と,
図一
8の点 線の よ うになる。
こ れに よ る と,
ほ ぼ よ く当て はまっ て い ると見てさ しつか え ない 。 しか も,
こ の場 合,
双 曲 線 式の係 数 a は乾 燥 を受け ない場 合 (シー
ル養 生 )の値を そのま ま用いたもの であ る。
こ の こと か ら,
矩形 状の乾 燥を受けた時のそれ以後の結合 水量の進行は終 局 結 合 水 量の値 をかえるだけ で, シー
)V・
養生さ れ た も の と同 様な傾 向を示 すと考え られ る。
も ち ろ ん, 乾 燥 が極端に大 き くな ると水 和そ のもの が進ま な く な る か ら, その場 合は除 外し な け れ ば なら な い。
次に,
乾 燥 度に よっ て終局結 合水量 が ど う変 化す る か を見て み よ う (シ リー
ズ3)。
図一
9(a), (b
), (c)に 各 水セメ ン ト比 ご とに,
P−
Q
関 係の実 測 値 を示 してい る。
こ こで,Q
は (9
)式で与え ら れる。P
は (7) 式で与え られ る。
一
27
一
図
一
9 (a),
(b
),
(c)に よると,
P−Q
関 係は乾 燥を与 えた材令に か か わ らずほぼ同一
線上に乗る と み な して よa
變
暈
嘱
乂N
Φ
槻2
.
5
2
.
O
1
.
5
1
.
0
霞
0
.
5
鏤
0
2
.
5
a
2
.
0
5
。
0
5
1
ー ( U變
畢
鋼
曇
如
抛 帯曖
誰
0
0
,
5
1
・
0
車乞 燥 度 (a) 水セ メン ト比 WIC=
65%1
,
5P
0
・
5
1
.
0
車乞 燥 度 P 〔bl 水セ メ ン ト比W /C;
50 %1
,
5
いと思わ れ る。
こ の こと は,
同じ乾 燥 度を与え た場 合,
終 局 結 合 水量の低 減量 は乾 燥 材 令K
が大きいほ ど小さ く な る が,
これ を,
若 し乾 燥が与え ら れ な かっ た場 合に 終 局的に増加す るであ ろ う結合 水量 (凧一
Wnt)で無 次 元化 し た 場 合,
乾 燥 材 令 κ に無 関 係にP
の みで一
義 的 に与え られ ること を示してい る。
こ れ は, 本論で定義し たP −
Q
関係がこ の種の問 題の基 本 的な関 係 式と し て極 めて有 利で ある こと を示し てい る。
各図か ら もわ か るよ うに,P −
Q
関係は ほぼ直 線で表せ る ことが わ か る。
さ ら に,P −
Q
関係を水セメ ン ト比ごとに見ると,
水セメ ン ト比 が小さ く な る と直 線は左 側に よっ てお り, ま た, こ う配も大き く なっ て い る。 これ は, 同じ乾燥度で も水 セ メン ト比 が小さい ほど終局結合 水 量 低 減 比は大き く な る,
つ ま り,
水セメン ト比 が小さい ほ ど乾燥に よ る影 響 が大きい こと を示 してい る。 し か し, 水セ メ ン ト比 50 % と65
%で はP −
Q
関係は ほ ぼ 同一
で あ る と み な さ れ る と 思 わ れ る。
し た がっ て,
水セメン ト比 がこの程度の 範囲内で あ れ ば, 水セ メ ン ト比に無関係に 同一
の P−
Q
関 係 を設 定し ても実 用 上は十 分と考え られ る。 6−
3 階段 状の乾 燥を受ける場 合 (シリー
ズ4) 本 実験の よ うに 2段 階の乾 燥 を 受ける場 合の乾 燥 度P
お よび終 局 結 合 水 量 低 減 比Q
は, (3),
(8)式の定 義 よ り, 次 式で表され る。
G
2
.
2
.
コ
コ
ー
1
0
變
題
噌
穀
Φ
壊
嗔
鏨
0
0
.
5
1
.
0
1
・
5
乾 燥 度 P (c ) 水セ メント比 WIC=
40% 図一
9 矩形 状の乾 燥 を 受 け た 場 合の P−Q
の関 係Wel We3 P
=ln
十ln ωθ1−
△Wdl ωε3−
△Was ・一 ・・轟
・
1
・畿
≡
讒
≡
黷
た だ し,
添字の 1,
3は材令 1,
3日に お けるそれぞれ の 値 を示 す。
次に,実測 よ り得ら れ たP −
Q
関係を図一
10に示した。 図 中の 印お よび実線は矩 形状の単発の乾燥を受けた時 のP −
Q
関係を示す もの であ る (乾燥 時の 材 令は κ己
1 日)。
本 実 験の 目的は, 前 述し た よ う に, 矩形 状の単 発 の乾 燥 を受けた場 合のP −
Q
関 係 を 連 続 的な乾燥を受け る場 合の P−
Q
関 係へ 適 用で きるか ど う か を確め ること に ある。 い い かえれば,Q
につ いて, (15
)式の よ う な 重ね合わせ の法 則が な り たつかどう か, よ り具体 的にい え ば,
本 実 験の よ うに,
材 令 1日 と 3日 に おいて任意の 組み合わ せの乾 燥の程 度 を 与え て も,P
とQ
と の関係 は,一
義 的に同一
の線 上に乗るこ と を確か め ることであ る。
図一
10に よれ ば,
実 験誤差は当然含ま れて い る と 思わ れ るが,そ れ でも,実 用 的にほ ぼ 同一
の直線上に乗っ て いると思 われる。 また,
水セメ ン ト比が65% と同じ で ある図一
9(a)と図一
10で は,P −
Q
関係は若 干 後 者 の方がこう配が小さいが, ほぼ同じ直 線関係を示 し てい る と見て よい と思 う (両 者は実 験 時 期 が 異なっ て お り, セ メ ン トの種 類,
手 順 等の違い による誤 差に よって多少 異なっ た実 験 結 果が得 られ るの はむし ろ当然 と 思わ れo
2
,
5
2
.
O
獎
暈
1
・
5
縣
z
,〈
叮1
・
o
禦
嘩
簍
o
・
5
0
0
・
5
1
・
0
1
・
5
車乞 燥 度 P 図一
10 矩形 状お よ び階段 状の乾 燥 を受け た場合の P−Q
関 係 る}。以上の実 験 結 果よ り, 矩 形状の単発の乾 燥を受 けた場 合の P
−
Q
関 係 を用い て任意の乾燥 を受 け る 場 合のQ
が 推 定できることが わ か る。 7.
あ と がき本 論におい て, 以 下に要約するよ うな仮 定, もし く は 概 念の導 入が行われ, かつ そ れ ら の妥 当 性につ い て実 験 的な検討が行わ れ た
。
完 全 結 合 水 量の か わ りに終局結合 水 量 を用いた
。
結 合 水 量の進 行 速 度 を表す式と し て
,
終 局 結 合 水量 を終 局値と す る 2次の反 応 速 度 式を ア ナロジー
的に用い た。
あ る時刻における乾 燥の程 度の増分
AP
を,
(脱 水 量の増分/その時 点で の蒸 発 可 能 水)と して表し た。
乾燥による影 響は乾 燥の程 度に対 応して終 局 結 合 水 量 が低 減さ れ る とし た
。
ある時 刻 τ に お け る乾燥の程度の増 分 AP に よ る 結 合 水 量の低 減量 △W 毎をそれ以降の結 合 水 量の終 局 増加 分で無 次 元 化して
,
こ れ を終 局結合水量低 減 比 増 分AQ
と名付けた。
任意の乾 燥 履 歴に よる終 局結 合水量の低 減量は
,
刻 刻に お け る乾燥ア タッ クによる結 合 水 量低減増分 量の総 和で ある一
重ね合わ せ の法 則一
と し た。
以上 を用い,
乾 燥 を 受け ない 場合の結 合 水量の進 行 を表 す (5 )式, 乾燥に よ る終局 結 合水量の低 減 を 表 す P−
Q
関 係 (10 )式 を決 定す るこ と に よ り,
乾燥 過 程 下にある水 和の進 行が定 量 的に推 定で きること を示 し た。
また, , と もその決 定 手 順は比較的単純で あり, 十 分 実 用 性に耐え得るもの と考え ら れ ること か ら も本論の 目的に適っ て い る。
参 考 文献 1) 大井 孝和 :コ ン ク リー
ト供 試体に お け る セ メン トの水和 の進 行とコ ン ク リー
ト強 度 発 現の関 係,
日本 建 築 学 会論 文報告集,
第343号,
昭 和59年9月2) Powers
,
T,
C.
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,
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、
to Compressive Strength,
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Vel.
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No.
7,
March,
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,
笠原 清,
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河 角 誠: セ メ ン トの水和進行率か ら求ま るコ ン ク リ
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トの有効セ メン ト水比と 圧縮 強 度との関 係につ い て
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土木 学 会論 文集 第 工46号,
昭和42年10月
4) Batant
,
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UDC 691.
32 :691.
53 :691,
54
MATHEMATICAL
EXPRESSION
FOR
HYDRATION
PROCESS
OF
CEMENT
−
MORTAR
ALLOWED
TO
DRY
by Dr
.
SE■Kl NAGAMATSU,
Professor of Oita U血v.
,
YOSHFTSUGU TAKEDA , Assoc
,
Prefessor qf Nishi皿ippon Insti−
tute of Technology
,
and Dr.
YOSHIILKI S躍TO,
Lecturerof Oita Univ
.
,
Members of A.
1.
J.
In this paper