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投稿論簗 麟隠鍵 懸選る騰難 難灘 灘懸 鋤 嵜 ネ醤メンrの 探 究 欝 難 嚢聾 霧 叢獺 難 懸灘 In Search of Risk Avoidable Management around Product/Service Usage Kyu-Doug CHO Abstract Expecte

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投稿論簗

麟隠鍵 懸選る騰難 難灘 灘懸 鋤

難 嚢

   聾    叢 獺 難

懸 灘

嵜 ネ醤メンrの 探 究 欝

In Search 

of Risk  Avoidable 

Management 

around 

Product/Service 

Usage

Kyu-Doug  CHO

Abstract

  Expected  on  the  use  of technology  that  we  have  accumulated  over  the  years  is an  important  issue  for  firms.  Then,  it deter-mines  the  success  or  failure  seems  to be  compatible  with  shorter  life-cycle  support  for  the  uncertainty  of technical  applications

(usage).  The  progress  of  digital  technology  and  market  diversification  in  recent  years,  under  the  environment  where  the shortened  life cycle  of business  services  and  products,  for  technology  firms  use  the  expected  value  for  the  sum(for  technol-ogy),inevitably  relatively  undervalued.  In  this  study,  featured  in  Fujifilm  Case  and  analyzed  for  new  entrants  and  new  busi-ness  shrinking  film  business  as  a response  to  the  changing  needs  of  the  film  with  the  advent  of  digital  cameras . Thus, considering  firm's  management  on  its assessment  of value  for  use  in technology .

Keyword

Uncertainty  of technology,  Uncertainty  of business,  FUJIFILM  Holdings  Corporation,  Technology  usages  diffusion , business  diffusion,  usage

キ ー ワ ー ド 技 術 の 不 確 実 性,事 業 の不 確 実 性, 富 士 フ イ ル ム,事 業 拡 張,用 途 拡 張,用 途 1.は じ め に   新 興 国経 済 の勃 興 に よ る市場 の 多様 化 と、技 術 的 に はデ ジ タル化 の 進展 に伴 い 、 製 品 ライ フ サ イ ク ル 及 び事 業 の ライ フ サ イ ク ル は短 く な っ て き て い る11。 ま た、 不 況 か ら生 じ る 悪 循 環(Harrigan& Porter,2009:p.113)L)、 生 産 活 動 に お け る 変 化(北 爪2010: p.12)も あ り、企 業 は 、選 択 と集 中に 目を向 け て い る(鷺 森&広 岡, 2010:p.53;河 合,2010:p.116)。 この 選 択 と集 中 に よ り、 廃 棄 ・ 売却 され る 事業 や技 術 が 生 ず る。 しか し、 こ れ らの廃 棄 ・売 却 され る 事業 や 技術 が、 後 に な って他 社 に利用 されへ 自社 の 事業 の競 争 優位牲 に負 の効 果 と して跳 ね返 っ て くる こ ともあ る。 こ う した問題 は、 企業 が保 有 す る技術 の使 途(こ れ を 「用  'Jと 呼 ぶ)の 選択 に関 わ る不 確 実 性 に由 来す る と考 え られ る。 企業 を取 り巻 く環境 を考慮 した こ と で 、用 途 の価 値 が比 較 的低 く評 価 され、 あ る いは よ り有力 な他 の技 術 が 開発 され、 長 年 の研 究 開発 投 資 の成 果 が実 る時期 となっ て い るに も 関 わ らず 、投 資 削減 対象 とな る事 業や 技術 が 、 後 に大 きな価 値 を生 み 出す 事 態 が生 じて い る ので あ る。 用途 の価 値 評 価 につ い て 、不 確実 性 が大 き くな っ て い るの で あ る。 した が っ て、 企 業 の研 究 開 発 活 動 に よ って 蓄積 され る技術 の活 用 に 関す る見通 しの判 断 は、企 業 に とっ て 重 要 な意 味 を持 ち4,、この よ う な用途 の不 確 実性 へ の 企 業 の対 応 が、 事 業 お よ び技術 の ライ フサ イ ク ル短 縮化 へ の対 応 の 成否 を決定 付 け る と思 わ れ る㌔

2.新

製 品 ・サ ー ビ ス 開 発 の 不 確 実 性

  とこ ろで 、製 品 ライ フサ イ ク ルの短 期 化 は、 企 業 の研 究 開発 活動 を 行 う必 要 性 を高 め る。 製 品 ラ イ フサ イ クル に よれ ば、 製 品が い ず れ衰 退 期 を迎 え、企 業 の製 品 によ る収 益 もいず れ は減 少す る時期 が 来 る。 さ らに、 製 品 ラ イフサ イ クルの 短 期化 は、製 品 ・サ ー ビス の開発 ・生 産 の ため に、投 入 され た コス トの 回収 の 期 間 を短 縮 させ る。 この よ う な環 境 で 、 企業 は、 新 製 品 ・サ ー ビス の開 発 や 性 能 ・品 質 の 向 上 な ど、製 品 ・サー ビス に関 わ る研 究 開発 を行 う こ とで、 経営 の持 続 性 を 確保 しよ う とす る。 これ は既 存 市場 にお け る企 業 の競 争力 を高 め る こ とで シ ェア を拡 大 し、 コス トの 回収 を早期 化 す る ため の行 為 で あ る。 しか し、既 存 製 品 ・サ ー ビス の 改 良 に よる新 製 品 開発 は、 企業 が す で に対 応 して い る顧 客 ニ ー ズ を満 たす こ と は で き るが 、 長期 的 な顧 客 ニ ーズ の変 化 に対 応 で きな くな る可 能 性 もあ る。 した が って、企業に 82 AIBSジ ャ ー ナ ル   No.5

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は、既 存 製 品 ・サ ー ビス と区別 され る新 製 品 ・サ ー ビス を開発 す るこ と も同時 に求 め られ る。顧 客 の満 た され て い な いニ ー ズ を考慮 し、 充 足 させ るた め の新 しい製 品 ・サ ー ビス を開発 す る こ とが 求 め られ るの で あ る(楠 木2010:p.38)。 しか し、既 存 の製 品 ・サ ー ビス と区別 され る新 製 品 ・サ ー ビス の 開発 に伴 う不 確 実 性 は、 既存 製 品のh't.能向 上 の ため の研 究 開発 よ りも大 きな不 確 実 性 に 直面 す る。 なぜ な らば 、 企 業 の保 有 してい る技 術 的基 盤 、 あ るい は顧 客 に関 す る知 識 の 蓄積 が 少 な い ため 、不 確 実性 が 高 い の で あ る 。企 業 が顧 客 のニ ー ズ を把 握 し、 充分 な技 術 基 盤 を構 築 し、 ニ ー ズ を満 た す と同 時 に技 術 的 な 可能 性 を引 き出 す用 途 を開発 す る こ とで 、用 途 を巡 る不 確 実 性 を回 避 し、 事 業 の ラ イ フサ イ クルの 短 縮化 に対 応 で き る と考 え られ る。

3.不 確 実 性 の 回避 可 能性 と回避 行 動

  Hugh等(1997)は 、不 確 実 性 を削 減 可 能 な事 柄 で あ る と認識 し、 自 ら不 確 実 性 を回 避 す る必 要が あ る と述 べ て い る。Hugh等(2000: p.49)は 、 未 来 に起 こる事 象 は予 測 可 能 な事 象 と予 測不 可 能 な事 象 だ け に、分 け られ る訳 で はな い こ と を指 摘 し、 次 の よ うな対 応 が可 能 で あ る こ とを主張 す る。彼 らは 、未 来 に起 こ る事 象 を、 十分 に明 らか な 事 象 、複 数 の 選択 肢 に分 か れ てい る事 象 、 一 定 の範 囲 内 に収 まっ て い る事 象、 予 測 が本 来 的 に全 く不 可 能 な事 象 、 に分 け た と き、そ れ ぞれ に対 応 した戦 略行 動 が存在 す る と主張 して い る ので あ る 。 この不 確 実 性 の 回 避 の た め の 戦 略 的 な行 動 は 、 「形 成 」 「適 応 」 「プ レー権 の 留 保 」 であ る(Hugh等2000:p.32)。  Hugh等(2000:p.32)に よ れ ば、 「形成 」 の 行動 は 自 ら市場 競 争 にお い て 、 先発 者 と して市 場 競 争 の 基準 を形 成す る行 動 で あ る。 自 ら自社 に有 利 な競争 の基 準 を形 成 す る こ とで 、不 確 実 性 を 回避 す るの で あ る。 「適応 」 の行 動 は先 発 者 が形 成 した市 場競 争 の基 準 に素 早 く適 応 す る行 動 で ある 。 その た め に は、 素早 く適応 す る こ とが 可 能 な基盤 、 即座 に対 抗 製 品 ・サ ー ビス を 市 場 に投 入 す る備 えが必 要 で あ る。 つ ま り、 素早 く応用 で きる よ うな 代 替 可 能 な技 術 的基 盤 を備 え る こ とが 適 応 の 行 動 に は必 要 と な る。 「プ レー 権 の 留保 」 は、多 数 の 先発 者 が存 在 す る環 境 の 下 で 、多 数 の 先発 者 が形 成 す る市 場競 争 の 基準 にあ わせ るた め に、 多 数 の基 盤 に先 行投 資 を してお き、 市場 競 争 の基 準 が特 定 の 先 発者 の基 準 に決 まっ た 時 点 で、 そ こへ の投 資額 を増 や し、 市場 の拡 大 に よ る収益 の獲 得 を狙 お う とす る行 動 で あ る。   こ れ を参考 にす れ ば、用 途 に対 す る不 確 実 性回避 には まず、新 た な 用 途 を 自 ら 「形 成 」す る行 動 が考 え られ る。 技術 あ るい は市 場 にお け る主 導 権 を 自社 が 形成 した新 用 途 で 握 る行 動 と もい え よ う。 第 二 に は、技 術 変化 や 市場 変 化 に敏 感 に 「適応 」 して い くこ とで あ る。他 社 が 「形成 」 した技術 ・市場 に逸早 く 「適 応」 して い く行 動 とい える。 第三 には 、 「適 応 」 しつ つ 当 該 の用 途 に漸 進 的 な投 資 を し なが ら、 機 が 熟 す の を待 ち、不 確 実 性が 削 減 され た時 点 で一 期 に対 応 を決 す る 「プ レー 権 の留 保 」 で あ る。技 術 や 市 場 の 評価 が確 定 され た後 に 、積 極 的 に参 入 しよ うとす る行 動 で あ る。 た だ し、 こ の 「プ レー権 の留 保 」 につ い ては、 用 途 を巡 る不確 実 性の 回避 とい う視 点か らは、技 術 や市 場 の評 価 が確 定 され た 後で の参 入 を 目指 す もの で あ り、 それ まで は複 数 の 選択 肢 につ い て 「適応 」行 動 を して い く とい う こ とに お い て、 「適 応 」 の一 種 と見 る こ と もで きる。 した が っ て、 不 確 実性 の 回 避行 動 と して は 、 「形 成」 と 「適応 」 の二 つ に分 け て考 え る こ とが で きる。

4.研

究 開発 活 動 に お け る 不確 実性 とそ の 回避

  研 究 開発 活 動 にお い て は、 用 途 の実 現 可 能 性、 使用 可 能 性を巡 り不 確 実 性 を被 る(宮 崎2007:p.256)。 用 途 の 実 現 可 能 性 は、 用 途 を 具体 化 す る ため の技術 そ の もの が 、 開発 時 点 の科 学水 準 に影響 され る こ とで生 じる不 確 実 性 で あ り、 使用 可能 性 を巡 る不確 実 性 は、 技術 で 対応 し よ う とす る ニ ー ズ の 範 囲61に 関 係 して生 ず る不 確 実 性 であ る (小山,1989:pp.162-164)。   まず 、用 途 の 実現 可 能 陸 を巡 る不 確 実 性につ い て考 えて み よ う。 企 業 は、 すで に存 在 して い る有 望 な用 途 、 したが って 、競 合他 社 も研 究 開発 の対 象 と してい る用 途 、 を他 社 と差 別化 可 能 な レベ ル で実 現す る た め に、技術 を 開発 しよ う とす る。 企 業 の研 究 開発 活 動 に お いて は、 一定 の 開発 期 間 の後 に、 目標 とす る レベ ル で用 途 を実 現 す る技 術が 必 ず開 発 され る とい う保 証 は無 い 。 そ こで企 業 は、特 定 な顧 客 のニ ーズ を充 足 す るた め に求 め られ る一 つ の用 途 に対 して 、技 術 を開発 しよ う とす る。 しか し、上 の よ うに 企業 が 手 掛 け た技 術 が用 途 の 実現 に必 要 な レベ ル に なる可 能 性が 必 ず し も高 い とは 言 えな い。 した が って、 企 業 は複 数の 技術 の開発 に着 手 し、 その 中 で用 途 の 実現 可 能 性 の高 い と 思 われ る技 術 を選 別 す る と考 え られ る。 そ うす る こ とで、企 業 は、 技 術 の 開発 可 能 性 に関 わ る不確 実性 を 回避 し よう とす る ので あ る。 これ は、 上 の回 避行 動 の 「適 応 」 に相 当す る もの と考 え る こ とがで きる。   一 方 で、 用途 それ 自体 は、 製 品 ・サ ー ビ ス に用 い られ て こ そ価値 を 生み 出 す。 したが って、 用 途 が実 際 に製 品 ・サ ー ビス に盛 り込 まれ る か否 か につ い て の不 確 実 性 、 言 い換 えれ ば 、用 途 の使 用可 能 陸 を巡 る 不 確 実 性 が 存在 す る。 こ れ に対 して、 企 業 は、 「形 成 」 行 動 に よ って 不 確 実 性 を回避 す るこ とが で きる。 企 業 は 、開 発 す る個 々 の技 術 にお いて 、用 途 を広 く想 定 し、 そ の技 術 の 使 用可 能 性を広 げ る こ とで、 用 途 に関す る不 確 実 性 を 回避 し よう とす るの で ある 。   つ ま り、 企業 が 研 究 開発 活 動 に 関わ る用 途 の 実現 可 能 性は技 術拡 散 型の 回避 行 動 で あ り、使 用 可 能 性 を巡 る不 確 実 性 を回避 す る行 動 は、 用 途拡 散 型 の 回避 行動 とす る こ とが で きる ので あ る。   す る と、多 数 の 技術 の 開発 に着 手 し(技 術 拡 散)、 幅 広 い 用 途 に応 用 す る こと を考 え る(用 途 拡 散)こ とで 、用 途 の 実現 可 能 性 と用途 の 使 用 可 能 性 に関 わ る不 確 実性 を同時 に回避 す る行 動(こ れ を 「技術 拡 散 ・用 途拡 散型 」回 避行 動 と呼 ぶ)を 考 え る こ とが で きる 。 しか し、 こ の行 動 と引 き換 え に、 企 業 は大 き な コ ス トを払 わ な け れ ば な らな い。 企業 が 経 済合理 性 を研 究 開発 に求 め る な ら、技 術 的 に拡 散 して用 途 を集約 す る行 動 か 、技 術 的 に集約 して用 途 を拡 散す るか 、 のいず れ か を選択 す るの であ ろ う。 した が って 、企 業 の現 実 的 な不 確 実 性 回避 は、 「技 術 拡 散 ・用 途集 約 型 」 回避 行 動(特 定 の用 途 の実 現 可 能性 を 複数 の技 術 に拡 散 して模 索 す る行 動)と 「技 術 集 約 ・用 途 拡 散型 」 回 避行 動(特 定 の技 術 の使 用 可 能 性 を複 数 の用 途 に拡散 して 模索 す る行 動)に 分 けて 考 え る こ とが で きる 。

5.事

業 活動 にお け る不 確 実 性 とそ の 回避

 企 業 は、 研 究 開発 活動 にお ける不 確 実性 を回避 す る と同 時 に事 業 に お け る不 確 実 性を も回避 しな けれ ば な らな い(伊 藤,2000:p.67)v!。 事業 活 動 は、技 術 に直接 は依 存 しな い、 市場 での 顧客 ニー ズ や さ らに これ を取 り巻 く社 会 環境 の影 響 を受 け て決 定 され る部分 も大 きい ㌦ こ う した顧 客 ニ ーズ や社 会 環 境 を 巡 る不 確 実 性 は、 そ れ らの 流動 性 に 用 途 を巡 る不 確 実 性 回 避の マ ネ ジ メ ン トの探 究 83

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基 づ く不 確実 性 で あ る。 ニ ー ズが 急 に 出現 した り、 消滅 した り、 社 会 環 境 が大 き く変 化 す る こ とで 生ず る不 確 実 性で あ る。 この よ うな環 境 の 下 で、 企業 は、事 業 活 動 にお け る不 確 実性 を 回避 しよ う とす る。 と こ ろで 、顧 客 ニ ー ズ の 複 雑 化 ・多 様 化 ・流 動化 に 伴 い、 その 顧 客 ニ ー ズ を満 たす た め の用 途 を探 索 す る こ と力灘 し くな って い る。企 業 は 、特 定 の顧 客 ニ ーズ を充 足 す るた めの 用 途 を探 索 的 に開発 し よ う と す る 「適応 」 の 回避 行 動 を とるか 、特 定 な用 途 を複 数 の顧 客 のニ ーズ に対 応 させ よ う とす る か、 「形 成 」 の 回避 行 動 の行 動 と る こ とに よ っ て不 確 実性 を回避 しよ う とす る。   まず 、特 定 な顧 客 の ニ ー ズ を充足 す る た め の用 途 を探索 的 に開発 す る、 「適 応 」の 回避 行 動 につ い て考 えて み よ う。市 場 にお い て認 識 さ れ てい る、 あ る重 要 なニ ーズ に直面 した企 業 は、 それ を充 足 す る用 途 を見 出 す ため に探 索 活 動 を行 う。探 索 の結 果 、 一つ の 用途 が 見 出 され た と して も、 それ が 必 ず しも実現 可 能 とは限 らな い。 事業 活 動 にお け る用 途 の実 現可 能 性 を巡 る不 確実 性 が 存在 す る。 こ う した不 確実 性 を 回避 す るた め 、特 定 な ニー ズ に対 して ニ ーズ を満 たす こ とが可 能 で あ ろ う と想 定 され る用 途 を、 幅広 く備 える こ とで 「適応 」 し、不 確 実性 を回避 す るこ とが 可 能 であ る。   一方 で、企 業 が 開発 した 用 途 に よっ て充 足 す る顧客 のニ ー ズ を探 索 す る 「形 成 」の 回避 行 動 で は 、顧 客 の ニー ズ が流 動化 して い るた め、 想 定 した顧 客 ニ ー ズが 消 滅 してい るか も しれ ない とい う不 確 実 性 が 存 在 す る。事 業 活 動 にお ける用 途 の 使用 可 能 性 を巡 る不 確 実性 であ る。 これ に対 して は、特 定 な用 途 の対 応 が可 能 で あ る と想 定 され る、 幅広 い顧 客 の ニ ーズ を探 索 す る こ とで 様 々 な市場 を 「形成 」 し、不 確実 性 を 回避 す る こ とが可 能 で あ る と考 え られ る。   とこ ろで、 多 数 のニ ー ズ(ニ ー ズ拡 散)を 満 た す た めに 、広 く想 定 した用 途 を 同時 に備 え る不 確 実 性 の 回避 行動(こ れ を 「ニ ーズ 拡散 ・ 用 途 拡 散型 」 回避 行 動 と呼 ぶ)を 考 え る こ と もで きる。 しか し、 この 行動 を採 用 す る場 合 には 、 それ と引 き換 え に大 きな コス トを払 わ な け れ ば な らない 。技 術 的 な不 確 実 性 回避 を論 じた際 と同様 に、 企 業が 経 済合 理性 を求 め る な ら、企 業 はニ ー ズ拡散 或 い は用 途 拡散 のい ずれ か を選 択 す る こ と にな る9;。 した が って 、事 業 活 動 に お け る不 確 実 性 を 回避 す るた め に、 企 業 は、 「ニ ー ズ集 約 ・用 途拡 散 型 」 か 「ニ ーズ拡 散 ・用 途集 約型 」の い ずれ か の 行動 を とる と考 え られ る。

6.不 確 実 性 回 避 行 動 の整 合

  と ころで 、研 究 開発 活 動 と経 営活 動 の 問 に は、一 つ の企 業 におい て は 当然 なが ら、 密 接 な 関係 が あ り(伊 藤,2000:p.51)、 そ の戦 略 的 な方 向性 が整 合 しなけ れ ば な らな い。 企業 の研 究開 発 部活 動 は 、将 来 の事 業 で使 用す るた め の製 品 ・サ ー ビス を開 発 す るた め に企 業 内で 実 行 され る。事 業 活 動 は 、企 業 を長期 的 に維 持 ・発 展 させ るた め に営 ま れ る。 それ ぞ れ の将 来 的 な活 動 方 向 を規 定 す る、研 究 開発 戦 略 と経営 戦 略 が整 合 され なけ れ ば な らな い とす る な ら、用 途 を巡 る、研 究 開発 活動 での 不確 実 性 回避 行 動 と事 業活動 での 不 確実 性 回 避行 動 に おい て も、 その 整 合 性 を保 つ 必 要 が あ る。   す で に指 摘 した とお り、研 究 開 発 活 動 で の 不 確 実 性 回 避 行 動 が、 「技 術 拡 散 ・用 途 集約 型 」 回避 行 動 と 「技 術 集 約 ・用 途拡 散 型 」 回避 行動 に分 け られ 、事 業活 動 で の不 確 実性 回避 行 動 が 、 「ニー ズ 拡散 ・ 用途 集 約 型 」回 避行 動 と 「ニ ーズ 集 約 ・用 途拡 散 型 」回 避行 動 に分 け ら れ る時 、 そ れぞ れ の 回避 行動 の組合 せ は、 次 の 図表 で表 現 され る1°〕。 84 AIBSジ ャー ナ ル   No.5 図表1:技 術 と事業 の回 避 行動 の 整合 関 係

事 業

技 術

ニ ー ズ 拡 散 ・ 用 途 集 約 型 ニ ー ズ 集 約 ・ 用 途 拡 散 型 技 術 拡 散 ・用 途 集 約 型 @用 途 の 整 合 は確 保   (た だ し、 事 業 展 開 ・  技 術 展 開 は 限 定 的)

◎必要 な用途 の拡張 が

 実現困難 なため、不

 整

合は固定的

技 術 集 約 ・用 途 拡 散 型 ⑤ 不 用 な用 途 拡 張 の た   め 、 不 整 合 は 固定 的

④用 途の不 整合が発生

  する危険

まず 、 図表1で 、 ⑤ と◎ の組 み合 わせ は 、研 究 開発 活動 と事 業活 動 の 問で 、不 整 合 が 固 定 的 で あ る と考 え られ る。⑤ の 回 避 行 動 の 組 合 せ は、技 術 側 で は用 途 を拡 張 し よう とす るが 、事 業 側 で は、 用 途 が集約 され てい る 。 これ は 、事 業 で必 要 と しない用 途 に、技 術 側 で用 途 拡散 す る こ とを意 味 す る の で、不 用 な用 途 拡張 の状 況 に 陥 る。 これ では 、 事 業 で 使 用す るた め に必 要 な用 途 と技 術 の応 用 可 能 な用 途 の 問で不 整 合 が 生 じる。 す なわ ち、 事業 で使用 しない用 途 を技 術 側 で 開発 す る状 況で あ る。組 み 合 わせ◎ の 回避 行動 は、 事業 側 で は多 くの用 途 を要求 して い る が技術 側 で は用 途 を集 約 した状 況 であ る。 これ で は、 用途 を 拡 張 し よう とす る事 業 を、技 術 が支 え ない とい う不 整 合が生 じ る。 す なわ ち 、事 業 で必 要 な用 途の 拡 張が 実 現 困難 な状 況 に陥 る。 この組 み 合 わせ ⑤,◎ は 、技術 の実 現 可 能 な用 途 と事 業 で使用 す るた め に要 求 され る用 途 の 間で の不 整 合 関 係 が 固定 的 で あ る と考 え られ る。 した が っ て 、企 業 の不 確 実性 回避 の行 動 と して、⑤ 、◎ は不 適 切 で あ る と 言 え る%   図表1の 組 み合 わせ の うち 、④ で は 回避行 動 間の 整 合 性が一 定 程 度 保 た れ てい る と考 え られ る。④ の 状況 を、 図表2を 用 いて 説 明す る。 ④ は、 特 定 な用 途 を実 現 す る ため に 、技 術 を拡 散 し、 また そ の特 定 な 用 途 を使 用 して顧 客 のニ ー ズ に対 応 しよ う とす る。つ ま り、④ は、技 術 側 の 用 途 と事 業 側 の用 途が 、 明確 に集 約 されへ 整 合 して い る と考 え られ る 。 た だ し、④ に お い て は、 用 途 が 集 約 され てい る こ と に よ っ て 、そ の 後 の用 途 の拡 張 は 限定 され る。 また、研 究開 発部 門か らの用 途拡 張 の提 案 や他 の顧 客 ニー ズ を満 た す ため の用 途拡 張 の要 求 が無 け れ ば、 そ の後 の事業 展 開 や技術 展 開 は不 可能 に な る。 また、④ の よ う な用 途 が集 約 され てい る状 況 で は 、そ れ と大 き く異 なる用 途へ の展 開 が簡 単 で は ない(伊 藤,2000:p.61)!21。 した が っ て、 成 長 を指 向 す る企 業 で あれ ば 、④ は選択 しづ らい もの と考 え られ る。   一 方 、組 み合 わせ ④ は 、技術 にお い て も、事 業 にお いて も用 途 を拡

ぐ 轡 塑 整 燃 む

      ド      ア       \                     /

用途

篇 一 ズ

繊 欝

製品

整合

      /       \              へ

(ミ

域・

企勲

外を含む))

        図 表2;@の 整 合関 係13)

(4)

整 合

/▽

灘 ニー綴

求騰

  不 整 合 ニ ー ズの 変{ヒ等   /  \ 〆 / ㍉ 、\ \

技 衛の異 現可

械 衛 図 表3:⑥ の整 合 関係 と不整 合 関係

整合

散 しよ う と し、一定 の整 含があ る もの と考 え られ る(図 表3の 整 合)。 しか し、 技術 の実 現 可能 な用途 と事業 で使 用す るた め に要 求 され る用 途 の 間 にズ レが生 ず る こ と も考 え られ る。例 えば 、顧 客 ニ ーズ の 変 化 に よ りニ ー ズ を満 た す ため の用 途 が変 わ り、顧 客 ニ ーズ の用 途 に、 技 術 の実 現 可能 な用 途 が対 応 しな くな る状 態 で ある(図 表3の 不 整e)。   上 に述 べ た よう に、企 業 が不 確 実性 を回避 す るた め には 、技 術 側 と 事 業側 の 回避行 動 にお け る不整 合 を解 消 す る必 要 が あ るが 、⑥ の 行 動 で不 整 合 を解消 す る こ とが で きな けれ ば、企 業 は不 確 実 性の 回避 が で き ない状 態 に留 ま る。 こ こで 、④ の 回避 行動 の 組合 せ を採用 す る企 業 で の 、不 整 合 を解 消 して い くた めの現 実 の マ ネ ジメ ン トを分析 す る こ とで 、企 業 の研 究 開 発 を巡 る不 確 実性 の回避 行 動 に 関 して示 唆 を得 た いto>o

7.事

例 研 究

  こ こで は、④ の 回避行 動 の結果 、不 整 合が生 じ、 そ の不 整 合 を整 合 化 す るマ ネ ジ メ ン トを、事 例 を用 いて分 析 す る こ とにす る。本 研 究 で は、 事 例 と して 、 デ ジ タル カメ ラ の登 場 に よ り、 そ れ まで カメ ラで 使 用 され.てきた フ ィル ムの 需要 が減 少す る こ とに対 し、 フ ィル ム技 術 の 用 途 を拡 張 す る こ とに成 功 した 富士 フイ ル ムホ ー ルデ ィ ン グス社(以 下 、富 士 フイ ル ム)を 分析 対 象 とす る 。   7-1.富 士 フ イ ル ム の 事 業 縮 小   富 士 フ イ ル ム は 、写 真 フ ィ ル ムの 開 発 ・製 造 にお い て は、 業 界 の トップ の規 模 を持 ち、 長 年 の 間、 写真 フ ィル ム に集 中 して きた(永 井,2010:p.196)。 しか し、1990年 代 か ら写 真 フ ィ ル ム の市 場 環 境 が大 き く変 わ った ので あ る。 この 市場 環 境 の 変化 は、 デ ジ タル カ メ ラ の登 場 に よ って もた らされ た もの で あ る。 デ ジ タ ル カメ ラ は、撮 像 素 子(光 学 セ ンサ ー)で 画像 を認識 し、 デ ジ タルの 形 式 で画 像 を保 存 す る カメ ラ であ る。 この デ ジ タル カメ ラは、 写真 フ ィル ム で映 像 を保 存 す る一 般 カ メ ラ と違 い、 撮 影 した 画像 をす ぐ確 認 す る こ とが で き、 そ れ に加 え て、 デ ジ タル画像 を編 集 す る こ とな どが 可 能 で あ るた め、 使 用 者 へ 与 え る利便 性 が高 く、 フ ィル ム カメ ラの市 場 を縮 小 に追 い込 ん だ。 結 果 と して 、 フ ィルム カメ ラの市 場 の 縮小 に伴 い 、 フ ィル ム カ メ ラ の画像 の保 存素 材 で あ る フ ィル ム市 場 も縮小 し た。 こ の変 化 に対 し て、 富 士 フイ ル ム は、1988年 にDSC(デ ジ タル ス チ ル カ メ ラ)を 開 発 し、1993年 に発 売 す るな ど、 デ ジ タ ル カ メ ラ の開 発 を行 い、 自 ら デ ジ タル カ メ ラ市 場 に参 入 した。 しか し、 この新 たな 領域 へ の参 入 と 引 き換 え に富 士 フ イル ムの柱 事 業 で あ る写真 フ ィル ム事 業 は さ らに縮 小 す る こ とに な っ た。写 真 フ ィ ル ム事 業 は、2000年 か ら売 上 高 が 年 率20%で 落 ち込 んだ 。   7-2,化 粧 品 事 業 の 育成   フ ィル ム事 業 が縮 小 す る中 、 富 士 フ イ ル ム は 中期 経 営 計 画 の 策 定 (2004年2月)に 伴 い、 ヘ ル ス ケ ア ・医 薬 品 事 業(化 粧 品事 業 を含 む)へ 参入 す る こ とを決 定 した15)。この参 入 に呼応 して、 富士 フ イ ル ムの 研 究所 で あ る朝 霞研 究所 の名称 を ライ フサ イエ ンス研 究 所 に改 称 (2004年6月)し 、 ヘ ル スケ ア ・医薬 品 事業 を立 ち上 げ る た め の研 究 開発 を開始 。 同分 野 へ の研 究 開発投 資 を積 極 化 す る(図 表4)半 面 、 大 規 模 の リス トラ を実行 した 。 また 、富 士 フイ ル ムは 「富 士 フイ ル ム 事 業 開発 フ ァン ド」 を設iし(2004年9月)、 化 粧 品 事 業 を育成 す る た め の他社 との合 弁事 業 に必 要 な資 源 を補 った16)。さ らに、 富士 フ イ ル ム は、 当時 まで蓄 積 して きた技 術 を融 合 させ る ため に、 異 なる事 業 図表4:富 士 フ イル ムの 事業 ゼグ メ ン ト別 売 上 高研 究 開発 費比 率 と各 事 業売 上 高構 成 比率(単 位:%)

事 業

年 度

イ メ ー ジ ン グ ソ リ ュ ー シ ョ ン イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ソ リ ュ ー シ ョ ン ド キ ュ メ ン トソ リ ュ ー シ ョ ン

売上 高研 究開発 費比率

2001 瓜 )   β 33 只 り く 0   7 29 E J く

6.12 2002 劔 謝 = ﹂ く 劔 鋤 5 く 忽 謝 7 く 6.35 2003 7 ■   3 2 5 6 03 ㊧ ・ 9 倉 戻 U く

6.77 2004 4   β 29 5 く Q O   ゆ 30 7 く

6.65 2005 74 ㊦ 4 ② 怨 謝 7 く -  M 傾 .: 2006 56 助 3 ② 罰 鈎 7 く 2   68 傾 6.36 2007 10 の ・ 1 3 く 潟 鋤 8 く 弼 吻 疏 ) く 6.59 2008 Q ゾ   4 7 ・ 1 3 く

10.18

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7.85 2009 93 ⑤ ・ -つ ﹂ く 4   併 ㈲ 9   8 43 7 く 8.03 ※作 成:富 士 フイ ルム ホ ール デ ィ ングス の有 価 証券 報 告書 よ り著 者 加筆 ※事 業 セ グ メ ン ト別 売上 高 研究 開 発費 比 率=事 業 セ グメ ン ト別研 究 開発 費 ÷事業 セ グメ ン ト別売 上 高 ×100 ※ 事 業 売 上 高 構 成 比 率=事 業 セ グ メ ン ト別 売 上 高 ÷全 売 上 高 ×100 ※ 売 上 高 研 究 開 発 費 比 率=研 究 開 発 費 ÷ 売 上 高 ×100 ※ イ ノ ベ ー シ ョ ン ソ リ ュ ー シ ョ ン 、 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ソ リ ュ ー シ ョ ン 、   メ ン トで あ る 。 各 事 業 の 製 品 は 、 下 記 の 通 りで あ る 。 ドキ ュ メ ン ト ソ リ ュ ー シ ョ ン は 、2001年 以 降 の 富 士 フ イ ル ム の 事 業 セ グ イ メ ー ジ ン グ ソ リ ュ ー シ ョ ン イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン ソ リ ュ ー シ ョ ン ドキ ュ メ ン ト ソ リ ュ ー シ ョ ン カ ラ ー フ ィ ル ム,デ ジ タ ル カ メ ラ, 薬 品 ・サ ー ビ ス 等 フ ォ トフ ィ ニ ッ シ ン グ 機 器,写 真 プ リ ン ト用 の カ ラ ー ペ ー パ ー ・ メ デ ィ カ ル シ ス テ ム ・ ラ イ フ サ イ エ ン ス 機 材,グ ラ フ ィ ッ ク シ ス テ ム 機 材,フ ラ ッ トパ ネ ル デ ィ ス プ レ イ 材 料,記 録 メ デ ィ ア,光 学 デ バ イ ス,電 子 材 料,イ ン ク ジ ェ ッ ト用 材 料 等 オ フ ィ ス用 複 写 機 ・複 合 機, スサ ー ビ ス等 プ リ ン タ ー,プ ロ ダ ク シ ョ ン サ ー ビ ス 関 連 商 品,用 紙 消 耗 品,オ フ ィ 用途 を巡 る不 確実1生回避 の マ ネ ジメ ン トの探 究 85

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部 研 究所 のか ら600人 の研 究 者 を集 め 、先 進研 究 所 を2006年4月 に設 置 した(安 倍,2007:p.43)。 これ は、企 業 の内 部 に 蓄積 され て い た 技術 シ ーズ の棚 卸 しをす る ため で あっ た。   そ の結 果 、2006年9月 に機 能 性化 粧 品 であ る 「エ フス クエ ア ア イ」 シ リーズ や機 能 性体 内 ケ ア食 品 で ある 「エ フキ ュー ブ アイ 」 を発 売 し た 。 ただ し、 これ らの製 品 は、市 場 ニ ーズ には適 合 せず 、 失敗 に終 わ る(飯 山,2009:p.66)。 そ の経 験 を土 台 に、2007年6月 に、機 能性 化 粧 品で あ る 「アス タ リフ ト」 シ リーズ を発 表 し、現 在 に至 る まで 、 市 場 で販 売 を続 けて い る。   な お、 富 士 フ イ ル ム の2006年 の化 粧 品発 売 時 には 、通 信 販 売 に 限 定 して い た17)が、2008年 か らはバ ラエ テ ィー シ ョ ップ王8〕等 の店 舗 で の販 売 を強 化 し、2011年7月 に は、6000店 舗 を越 え、2010年 度 の売 上 高 は 約100億 円(対 売 上 高 比 率 約0.45%)を 超 え てお り(島 津 2011:p.67)、 化 粧 品事 業 が 順 調 に成 長 して い る も の と評 価 で き る (延岡&青 島,2010:p.94)。

8.写

真 フ ィル ム技 術 と化粧 品 技術 の類 似 性

  この よ う な参入 に は、技 術 的 な類 似性 が 背 景 に はあ っ た。 こ の類 似 性 ゆ え に、 比 較 的 短 期 間 で新 た な事 業 の 育 成 を成功 した と考 え られ る。2004年 に発 表 され た中 期 経 営 計 画 の 策定 に伴 い 、研 究 開発 部 門 で は 、写 真 フ ィル ム事 業 で蓄 積 して きた化 学 の技 術 を、 化 粧 品事 業 へ の 進 出 のた め に 、応 用 す る ため の研 究 に着 手 した。 この化 粧 品事 業へ の 進 出 にお い て重 要 な技 術 の類似 性 は三 つ あ るが 、 こ れ らの技 術 は カ ラー フ ィル ム事 業 の た め に開 発 され た もの で化 粧 品事 業 との接 点 は 持 っ てい なか っ た。 一つ は、 コラー ゲ ンの 活用 技術 で ある 。一 般 的 に は 、写 真 フ ィル ムの 主原 料 で あ る コラー ゲ ンは、肌 の成分 と同種 で あ る こ とが 知 られて い る。 コ ラー ゲ ンは、 写真 用 フ ィル ムの感 光 層 や写 真 の表 面 を コー テ ィ ング剤 と して使 われ て い た。 この コラ ー ゲ ン技 術 は 、化 粧 品事 業 で は 、肌 の バ リを構 成 す る成 分 と して使 わ れ てい る。 二 つ は、抗 酸 化 技術 で あ る。抗 酸 化技 術 は、 写真 フ ィル ムや 印刷 さ れ た写 真 の 変色 を防 止 す るた め に、 富士 フイ ル ムが研 究 開発 を行 っ て き た技 術 で あ る。 そ の抗 酸 化 物 質 の 中 の一 つ で あ る アス タキ サ ンチ ン は、 富 士 フ イ ル ム の長 年 の研 究 開発 活 動 で 企 業 の研 究 開発 の デ ー タ ベ ー ス に蓄 積 され て いた 。化 粧 品 にお い て抗 酸化 物 質 は主 成 分 の一 つ と して使 われ て お り、 肌 の老 化 防止 の た めの 成分 となる。 三 つ は、 微 粒 子 の制 御 技 術 で あ る。微 粒 子 の制 御技 術 は、 医薬 や 電子 製 品 の業 界 な ど多様 な分 野 で使 用 され て い る。富 士 フ イル ムで は 写真 用 の粒 子 の 安 定 性 を高 め る た めの 用 途 で 研 究 し てい た 。 この微 粒 子 の 制御 技術 は 、富 士 フイ ル ムの化 粧 品 の抗 酸 化 物質 で あ る アス タキサ ンチ ンを、 ナ ノ メー トル レベ ル で安 定性 を高 め るため に使 われ て い るL9)。   こ の よ うに写真 フ ィル ム と化 粧品 の 間 には 、技 術 的 に一 定 の類 似 性 が あ る。 この類 似 性 は、 一般 的 に も認識 され てお り、富 士 フイ ル ムの 社 内で も認識 を して いた 。 しか し、 この類 似 性 を基 に、新 しい事 業 を 立 ち上 げ る 際 に、⑥ の よ うな不 整 合 が生 じ、 さ らに、 不 整 合 が解 消 さ れ たの で あ る。

9.不

整 合 の解 消(図 表5を 参 照)

  ① 富士 フ イル ム は、 本 来の フ ィル ム事業 にお い て、 フ ィ ル ムの本 来 の 用 途 だ け に留 ま らず 、用 途 を拡 張 して きた 企 業 で あ る。②2000年 以 前 に 、デ ジ タル カ メラ に よ るフ ィル ムの 需 要 の減 少 が予 想 され る中 で 、研 究 開 発部 門 は、 フ ィル ム事 業 を運 営 す る ため に 、蓄積 して きた 技 術 を利 用 し、 化 粧 品 事 業 へ の 参 入 の 必 要 性 を提 案 した 。 しか し、 2000年 以 前 は、 フ ィル ム事 業 が健 全 で あ る こ とか ら、 そ の提 案 が 受 け 入 れ られ な か っ た(永 井2010:p.199)。 ③ そ の後 、2004年 以前 に 、 フ ィル ム の需 要 が減 り、 フ ィル ム事業 の業 績 が減 少 した際 に、企 業 内 に危 機 感 が 生 じた ので あ る(島 津2011:p.68)。 ④ 危 機 感 の解 消 す る た め に 、2004年2月 に富 士 フ イル ム は 、新 規 事 業 へ の参 入 を 決 め、社 内 に発 信 した。⑤ 当年 の6月 には、 中期 経 営 計画 を外 部 に発 表 し、 ⑦2006年9月 に化 粧 品 事 業 と して 製 品 を発 売 す る よ う に な っ た(図 表5)。   2000年 以 前 の富 士 フ イル ム の研 究 開発 部 門が 類 似性 を基 盤 に提 案 し、 またそ の提 案 が 棄却 さ礼 その 後 に、 本格 的に提 案 を受 け入 れ る よ うに な った こと は、 次の よ うに分析 す るこ とが で きる。② の研 究 開 発 部 門 の化 粧 品事 業 へ の参入 へ の提 案 は、 フ ィル ム技 術 の用 途 にお い ての不 確 実 性 の増 大 に対 して 回避行 動 を とろ う と した と考 え られ る。 また 、 この行 動 は、 フィル ム技 術 の用 途 を拡 散 させ よ う とす る 「技 術 集 約 ・用 途拡 散 型 」 の行 動 で あ る と考 え られ る。 この 技術 の提 案 に対 して、 事 業 で は、健 全 な既存 事 業 の遂 行 す る こ とを選 択 し、 既存 事 業 の運 営 を続 け た。 これ は、事 業 で用 途 を集 約 した行 動 で あ る と考 え ら れ る。③ よ うに、 こ の事 業 の用 途 の 集 約 は、不 整 合 関 係 を発 生 させ た。 ④ の よ う にそ の後 、2004年2月 の新 た な事 業 の 育 成 をす る意 思 決定 は、事 業 の 業績 の落 ち込 み に よ る事 業の不 確 実 性の増 大 に対 して の、 回 避行 動 を とろ う と した と考 え られ る。 こ の行動 は、 化 粧 品事 業 に参 入 を決 め 、 それ を構 成 す る用 途 を開発 した 「ニ ー ズ集約 ・用 途 拡

製贔 群

事業

用途

##術

① 本 来の フイルム事 業

フイル ム ②R&Dの 薩 避 行 勤 〈峯土内 での認識,200隼 以前 〉 イヒ粧 品   :フイノレム ③ フイル ム の 需 要 減 少     (2004年以前〉   化 鞍 品 フイル ム   ④ 事 業 の 醸 避 ヂ働     ⑥ イと雛 贔 登 売 醐 規箪業参入淡定,2GO4無2月〉   (2◎06年9月〉   牝 織 贔 フィル ム       化 粧 編 フィル ム     .ダ   !   ノ   ∫ ' ∫ f APS. 写るん です 纒 療 購(x線) フィルム 尋欝 声

⇒1泌

    蔑

          r   フイル ムぶ 来 の   羅 灘 こ鰐 郷 し   た 綱簸

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⑤ 中 期 綬 営 讃・画 の     外 部 舞 猶   (2QO4奪乙6簿) 図表5:富 士 フイル ム の不 確 実性 の 対応 86 A【BSジ ャ ー ナ ル   No.5

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散 型 」 の行 動 で あ る と考 え られ る 。富 士 フ イル ム は、技 術 の 回避 行 動 に対 し、事 業 で そ の整oの 取 れ る 回避 行 動 を と った結 果 、⑥ の よ う に、 企 業 全 体 の不 確 実 性 の 回避 に成 功 した と考 え られ る。 した が っ て、 富士 フ イル ム にお い て、 技術 の不 確 実性 に対 す る対 処(化 粧 品 へ の進 出の提 案=用 ・途拡張)と 事 業 の不 確 実性 に対 す る対 処(安 定 して い る事業 の遂 行=用 途集 約)の 間 で不 整合 が生 じ、 その 不 整合 を解 消 した と判 断す る。

10.ま

と め と 考 察

  富 士 フ イ ルム の事 例 を ま とめ る と、 富士 フ イル ム の技術 お よび 事業 に お ける不 確 実 性 回避 の整 合 化 の マ ネ ジメ ン トが 成功 した背 景 には 、 次 の よ うな こ とが 条 件 と して存在 して い た と考 え られ る。 まず 、 一 つ は、 社員 にお い て フ ィル ム事 業 の衰 退 や リス トラに よ り危機 感 が 生 じ て い た こ とで あ る。 この危 機 感 は 、事 業活 動 で の不 確 実性 の 回避 の必 要 性 を増 大 させ、 経 営戦 略 にお い て新 た な事 業 を育成 す る こ と を決定 す る動機 付 け を与 え る要 因 とな っ た。 上 で述 べ た よう に、研 究 開発 部 門か ら、技 術 的 な用 途拡 張 の た め の提 案 が あ って も、 既存 事業 が健 全 で あ る と認 識 す る場 合 に は、新 しい事 業 を立 ち上 げ る よ うな用 途拡 張 の動 機 付 けが 形成 され に くい 。 したが っ て、 既存 事 業 に お け る危 機 感 が生 じた こ とが、 新 しい事 業 を育 成 す る動 機 付 け に なっ た と考 え られ る。 二 つ は、 富 士 フイ ル ム に技 術 的 な基 盤 が 存 在 してい た こ とで あ る。 富士 フ イル ム は、長 年 、 フ ィル ムの技 術 や そ の周 辺技 術 にお いて 先 行 し、様 々な 関連 技術 を蓄積 してい た。 例 えば 、 フ ィル ム カメ ラ向 け の製 品 の提 供 に と どま らず 、 医療 用 フ ィルム を生 産 す る こ とや 「写 る ん です 」 の レンズ付 きフ ィル ム(西 村,1990:p.50)を 市場 に提 供 して きた ので あ る。 この点 を考 え る と フ ィルム に 関す る技 術 分野 にお い て先行 してお り、 フィ ル ム用途 の 拡散 にお い て も積極 性 が あ っ た と 考 え られ る。 三つ に は、 フ ィル ム と化粧 品 の技術 は技術 的 に類似 して い た こ とで ある。 フ ィル ム と化粧 品 は、 コ ラー ゲ ンを主原 料 とす る化 学領 域 で あ り、抗 酸 化物 質 も両 製 品 に使 用 され て い る。富 士 フイ ルム の フ ィル ム事 業 が健 全 で あ った た め、応 用 の可 能 性 は認識 され て いた が 、実 際 の応 用 は され て こ なか っ たの で あ るが 、新 たな事 業 の育 成 を 考慮 す る際 には 、技 術 的 な類 似 性が 、技 術 的 な シナ ジー効 果 を生 み 、 事 業 に関 す リス ク を削減 し、 事 業 の成 功 に影 響 した と考 え られ る。   この三 つ の条件 は、 富十 フ イル ム の事例 にお い て、 用途 を巡 る不 確 実性 を回 避 す る行動 のた め の、 必要 条 件 で あ った と考 え られ る。 これ らの 三つ の 条件 は 、富士 フ イル ム の行 った 、研 究 開発 部 門、 事業 部 門 に対 す る以 下の よ うなマ ネ ジメ ン ト通 じて確 保 され た。   研 究開 発 部 門に対 して は 、事 業 部 門別研 究 所体 制 か ら、 その一 部 を 統 合 した 先 進研 究 所 を 設 置す る 中央 研 究所 体 制 に変 更 し た こ とで あ る。 これ に よって 、蓄積 して きた技 術 の棚 お ろ しを し、 そ の技術 を新 し く結合 させ た。 先進研 究所 に は、異 質 な分 野 の研 究 者 を集 め た 。分 散 した知 識 を新 事 業 開発 に 向 けて統 合 す るマ ネ ジメ ン トと言 える だ ろ う。   事業 部 門 に対 して は、 同社 の 根 幹 事業 で あ る フ ィルム事 業の将 来 的 な危 機 を認 識 し、新 た な事 業の 育 成 の必 要性 を社 内外 に発 信 した。 不 足 す る経 営 資 源 につ い て は、他 社 と合 弁 して 補 っ た。 市 場 にお い て は、 通信 販 売単 独 の販 売 チ ャン ネル か ら、バ ラエ テ ィー シ ョップ等 の 店 舗 に まで 販売 チ ャ ンネ ル を拡 大 し、 「エ フス ク エ ア アイ 」 シ リ ーズ の市 場 での 評価 に迅速 に対応 した。新 事 業 開発 の た めに 、合 弁事 業 立 ち上 げ、販 売 チ ャネ ル拡大 と いっ た拡 張 の マ ネジ メ ン トを採 用 した。   これ らの富 士 フ イ ルム の用 途 を巡 る不確 実 性 回避 の 行動 は、 危機 を 挺 子 に した戦 略転 換 の た めの 、統 合(研 究 開発)と 拡 張(事 業)の マ ネ ジ メ ン トを起動 した もの と言 え る。 11.お わ り に   本研 究で は 、用 途 巡 る不確 実性 を回避 す るた め の行 動 を調 査 ・分 析 し、不 確 実性 回避 の た めの マ ネ ジ メ ン トの あ り方 を探 究 した。 そ の結 果 、 「危 機 を挺 子 に した戦 略 転 換 の た め の、 統 合 と拡 張 の マ ネ ジ メ ン ト」 が 、事例 として 分析 した 富士 フイ ル ム には見 出 され た。 しか し、 本研 究 は、 富士 フイ ル ム1社 の特 殊 な分 析粘 果 で あ り、一 般 的 な仮 説 を提 示 す る には 至 って はい な い。 また 、 危機 を 挺子 に す る こ とで し か 、 こ う したマ ネ ジメ ン トを起 動 で きない とす れ ば、通 常 時 に は実 践 で きな いマ ネ ジメ ン トで あ る とも言 え る。 製 品の ライ フサ イ クルの 短 縮化 や コモ デ ィテ ィ化 が 進 み 、企業 の研 究 開発 投 資 に対 す る コス ト回 収 が難 し くな って い る環 境 に おい て は、 用 途 を巡 る不 確 実 性へ の対 処 は 、益 々重 要 に な って くる(Hugh等,1997:p.15-16)。 今 後 もそ の 重 要性 は 高 まる もの で あ り、通 常 時 に お い て も必 要 とな る行 動 で あ る 。通 常 時 にお け る用 途 を巡 る不確 実 性 回避 を可 能 にす るマ ネ ジ メ ン トのあ り方 につ い て、 今後 、 仮 説 の構 築 とその 仮 説 を実 証 す る ため の 検討 を行 い、 稿 を改 めて報 告 した い。 ※ 本稿 は、 研 究 ・技 術 計 画 学 会 の 第26回 年 次学 術 大 会 で発 表 した 内 容 に、 加筆 した もので あ る。 註 1)顧 客 の ニ ー ズ は時 間 と共 に 変 わ って い く特 性 を持 って お り、 そ の   変 化 の時 間問 隔 は情 報化 社 会 の進 展 に伴 い短 期化 して い る ため 、製   品の ライ フサ イ クル が短 くなっ て い る(八 井 田,2005:p.343)。 2)不 況 に よ り、企 業 は生 産拠 点の 運営 を見 直 し、 撤 退 を決 定 す る こ   とが しば しば あ る。 しか し、 撤退 はそ の地 域 の経 済 を悪1ヒさせ 、 さ   らな る不 況 を招 く可 能 性が あ り、 不 況 が悪 循 環す る こ とは容 易 に起   こ り得 る。 3)用 途 は、 技 術 シ ー ズ と顧 客 ニ ー ズ を結 ぶ もの で あ る(伊 藤   2000:pp.59-60)。 技 術 シー ズ に おい て 、技 術 的 な用 途 は考 慮 され   るが 、 そ の技 術 を どの顧 客 ニ ー ズ に対応 させ る か は決 定 され ない 。   一 方 、顧 客 ニ ー ズ にお い て は、 ニ ーズ を満 た す た めの 用 途 は特 定 さ   れ るが、 どの技 術 に よっ て満 たす か は考 慮 され な い。 つ ま り、 あ る   技 術 シーズ が あ る顧 客 ニ ーズ を満 たす た め には 、技 術 の応 用 対象 と   ニ ー ズ の要 求 対 象 を一 致 させ る 必要 性 が あ る と考 え られ る。 した   が って、 用 途 に は、技 術 の応 用対 象 とい う側 面 と、 ニ ー ズ の要 求対   象 と して の側 面 があ る。 4)企 業 の研 究 開発投 資 は、 そ れ に よっ て開発 さ れ た技術 が 使用 され   る まで収 益 を生 み 出せ な い。 ま た、 開発 途 中 で あ る技術 が 使用 で き   ない 状態 に陥 る こ とは、 研 究 開発 投 資 の 回収 が 不可 能 な状 態 に な る   こ と を意 味 す る 。 したが って 、研 究 開発 を決 定す る際 の技 術 の 使 途   に関 す る見 通 しは、研 究 開発投 資 の回収 に とっ て 、重 要 な 意味 を持   つ0 5)製 品 ・技術 ラ イ フサ イ クル の短 期化 が 、技 術用 途 の不 確 実 性 を増   大 させ る。 これ に対応 して、 企業 は、比 較 的 短 い期 間 に、新 た な収   益 源 と して の事 業 や技 術 を準備 しなけ れ ば な らな いが 、 これ は企 業 用 途 を巡 る不 確 実1生回避 の マ ネジ メ ン トの 探 究1  87

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  に とって 困難 な もの と考 え られ る。 6)あ る技 術 が 実現 可 能 な用 途 の数 は限 界 が あ り、 そ の用 途 で対 応 す   るこ とが可 能 なニ ーズ の 数 に限界 が あ る。 したが っ て、 技 術 の対 応   し ようす る ニー ズ に は限界 が あ る と考 え られヘ ニ ー ズの 範 囲 とい う   単語 を使 用 す る。 7)技 術 にお け る不 確 実性 を 回避す るた め に行 動 を した と して も、事   業 に おい て不 確実 性 を回避 す るた め に行動 しない場 合 には 、用 途 に   お い て不 整 合 が生 じる と考 え られ る。 8)た だ し、技 術 に よっ てニ ー ズや 環 境 変化 が 引 き起 こ され る こ と も   あ る。例 え ば、 町 中で イ ン タ ー ネ ッ トが した い とい う顧 客 ニ ー ズ   は 、 イ ン ター ネ ッ トそ の ものが存 在 し なけ れ ば、 生 じない もの で あ   る 。 そ して、 イ ンター ネ ッ トが 開発 され、 無 線接 続 機 器 及 び技術 が   開発 され て いて も、 す ぐそ のニ ーズ が 発生 した とは 言い 難 い。 した   が って 、技 術 開発 に よる ニー ズ の発 生 及 び変 化 は、技 術 が 開発 され   て か ら時 間が 必要 であ る。 そ して、 そ の ニ ーズ を満 たす こ とが 可 能   な技 術 が備 えて あ った と して も、直 ちに ニ ーズ の発 生 及 び 変化 は 生   じない 。 9)企 業 に とっ て は、多 数 の 用 途 を持 っ て多 数 の ニ ーズ に対 応 して い   く行 動 を と り、 コス トを上 回る収 益 を発 生 して い くこ とが見 込 め れ   ば、 事 業 を運 営 して い くこ とが 可能 で あ る。 しか し、用 途 とニ ー ズ   の拡 散 は直 接 収益 に なる と は限 らない 。 10)二 つ の行動 の組 み合 わ せ を 、④,⑤,◎ ④ とい う記 号 で 表す 。 11)本 稿 は、用 途 の不 確 実性 の 回避 行動 を整 理 した上 で提 示 した不 整   合 関係 を解 消 す るた め のマ ネ ジ メ ン トを分 析 す る こ と を 目的 と して   い る。 したが っ て、 今 回の研 究 で は、⑤ と◎ の不 整 合関係 が 固 定 的   で あ る関係 につい て は、 分 析対象 外 とす る。 しか し、⑤ と◎ の不 整   合 関係 が 固定 的で あ る企 業 の 分析 にお い て は、今 後 の課題 とす る。 12)用 途 が 集約 され て い る状 況 で、用 途 を拡 張 し、 新 た な展 開 を して   い く可 能 性は あ るQ 13)製 品 は、顧 客 の ニ ーズ と技 術 、 そ して顧 客 ニ ーズ を構 成 す る用 途   と技術 で実 現 して い る用 途 の組 み 合 わせ に よ り構 成 され て い る と考   え る。 14)今 回の研 究 では 、④ の 整 合 関係 に あ る企 業 が、 どの よう に成長 を 目指 した事 業 展開 す るか につ い て1ま、研 敷 橡 外 であ る が、 この整 合 関係 につ い て も研 究す る必 要が あ る ので 、 今後 の課題 とす る。 15)中 期 経 営 計 画 「VISON75」(2004年2月 に 策 定、2004年6月 に   ス ター ト、2007年3月 ま で実 施)(富 士 フ イ ル ム ホ ー ル デ ィ ン グ   ス,有 価 証 券報 告 書)。 16)2006年6月 に電 通 と合 弁 を し、エ フ ツー エ ム社 を 設立 。2005年   に シ ミ ック社 と合 弁 を し、 富士 フイ ル ム シ ミ ックヘ ル ス ケ ア社 を設   立(各 社H,P.)。 17)富 士 フイ ル ムが66%を,電 通が34%を 出資 して設 立 したエ フッー   エ ム社 は、 富士 フ イ ル ム の化 粧 品事 業 にお け るeマ ーケ テ ィ ン グ   に特 化 した 会社 で あ り、化 粧 品事 業 の販 売 に利 用 され て い る。 18)バ ラエ テ ィー シ ョ ップ(variety  shop、 あ る い はバ ラエ テ イー   ス トアvariety  store)は 、 生鮮 食 品 以外 の、 多 品 目の商 品 を、安 価 で販 売 す る雑 貨店 であ る 。 19)ア ス タキ サ ンチ ン を肌 に浸 透 させ る に は、 粒 子 をnm(ナ ノメ ー   トル)レ ベ ル に まで小 さ くす る必要 が あ るが 、 アス タキ サ ンチ ン   は 、凝 集 しやす く、 す ぐに肌 に浸 透 しに くい 大 き さ にな る傾 向 を 88 .一   ジ ャ ー ナ ル   No .5 持 っ て い る。 富士 フ イル ム は 、nmレ ベ ル で の ア ス タキ サ ンチ ンを 安 定化 させ る こ とに よっ て凝 集 を 防止 す る こ と に成功 した 。 参 考 文 献 1.安 倍 俊 廣(2007)「 ■ 第2特 集"中 央 研 究 所"新 時 代 」,日 経   ビ ジ ネ ス,2007年11月12日 号,pp.42-49.

2,Ansoff,  H,1.(1965)Corporate  Strategy,  McGraw-Hill,.(広

  田 寿 敦 亮 訳(1969)『 企 業 戦 略 論 』 産 業 能 率 大 学 出 版 部)

3,富 士 フ イ ル ム ホ ー ル デ ィ ン グ ス(1999∼2009)有 価 証 券 報 告 書,

4.Harrigan,  K  R., Porter,  M.  E.(2009)"End-game  Strategy

  for  Declining  Industries",  Harvard  Business  Review,  Jan,

  pp.112-128.(キ ャ サ リ ン ・ル デ ィ ・ハ リ ガ ン,マ イ ケ ル ・E・ ポ ー

  タ ー(2009)い か に 衰 退 産 業 で 利 益 を確 保 す る か エ ン ドゲ ー ム 戦

  略,(訳)ハ ー バ ー ドビ ジ ネ ス レ ビ ュ ー 編 集 部,ダ イ ア モ ン ド社,

  2009年1月 号,p.112-128。)

5.Hugh,  C., Jane,  K.,  Patrick,  V.(1997)"Strategy  under

  Uncertainty,Harvard  Business  Review,  VoL  Nov-Dec,

  pp.67-79.(ヒ ュ ー ・コ ー トニ ー 、 ジ ェ ー ン ・カ ー ク ラ ン ド ・バ ト   リ ッ ク ・ビ ゲ リ ー(2000)「 不 確 実 時 代 の 戦 略 と行 動 」(訳)ハ ー   バ ー ド ビ ジ ネ ス レ ビ ュ ー 編 集 部,ダ イ ア モ ン ド社,pp.15-49). 6.飯 山   辰 之 介(2009)「 売 れ 筋 探 偵 団 」,日 経 ビ ジ ネ ス,2009年   1月26号,p.66. 7,伊 藤   善 夫(2000)『 経 営 戦 略 と研 究 開 発 戦 略 』 白 桃 書 房. 8.河 合 基 伸(2010)「 イ ン タ ビ ュ ー ア ル バ ッ ク 代 表 取 締 役 会 長   中 村 久 三 氏 」,日 経 エ レ ク トロ ニ ク ス,2010年04月05口 号,pp.99-  101. 9.北 爪   匡(2010)「 ホ ン ダ に 牙 む く中 国 労 務 問 題 」,日 経 ビ ジ ネ   ス,2010年06月07日 号,p.12. 10,小1-11和 伸(1989)「 技 術 革 新 戦 略(中)」,研 究 技 術 計 画,   Vo1.4(2),  pp.161-170. 11,楠 木 建(2010)「 イ ノベ ー シ ョ ン の 「見 え 過 ぎ化 」」,一 橋 ビ ジ   ネ ス レ ビ ュ ー,2010年SPR号,  pp.34-51, 12.宮 崎   正 也(2006)「 価 値 転 換 の イ ノ ベ ー シ ョ ン ・プ ロ セ ス:イ   ノ ベ ー タ ー ズ ・プ ロ パ ガ ン ダ 研 究 序 説 」 研 究 技 術 計 画 学 会Vol,21   (3/4),pp.252-268. 13.永 井   隆(2010)「 ■ 新 産 業 で 跳 ぶ 」,日 経 も の づ く り,2010年   11月 号,pp.196-201. 14.西 村   勝 彦(1990)「 日本 コ ダ ッ ク 米 国 本 社 を 説 得 、 使 い 捨 て カ   メ ラ市 場 で 躍 進 」,日 経 ビ ジ ネ ス,1990年08月13号pp.50∼53. 15.延 岡   健 太 郎 、 青 島   矢 一(2011)「 技 術 経 営 の リー ダ ー た ち 第   10回Jr一 橋 ビ ジ ネ ス レ ビ ュ ー,2011年SPR号,  pp.86-95. 16,鷺 森 弘 広 岡   延 隆(2010)「 ■ 特 集 ソ ニ ー の ジ レ ン マ ア ッ プ   ル ・サ ム ス ン包 囲 」,日 経 ビ ジ ネ ス,2010年03月01日 号,pp.50-53. 17.柴 田   友 厚(2008)「 技 術 選 択 の ジ レ ン マ の マ ネ ジ メ ン ト、 並 行 開 発 体 制 の 構 築 」,一 橋 ビ ジ ネ ス レ ビ ュ ー,2008年WIN号,   pp.180-191. 18.島 津 忠 承(2011)「 改 革 の 軌 跡 あ の プ ロ ジ ェ ク トの 舞 台 裏 一   富 士 フ イ ル ム 」,日 経 晴 報 ス ト ラ テ ジ ー,2011年10月 号,pp.66-71. 19.八 井 田  牧(2005)「 中 規 模 半 導 体 企 業 の グv一 バ ル 競 争 戦 略 」,   国 際 ビ ジ ネ ス 研 究 学 会 年 報,Vol.ll,  p.343-359.

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