南丹市立殿田小学校
○はじめに
平成 25 年6月に制定された「いじめ対策推進法」の目的はいじめ防止のための対策を総 合的かつ効果的に推進していくことであり、その第 13 条には、「学校は、いじめ防止基本方 針または地方いじめ防止基本方針を参酌し、その学校の実情に応じ、当該学校におけるいじ め防止等のための対策に関する基本方針を定めるものとする」と規定している。 いじめは本校のどの児童にも起こり得ると考え、この卑劣な行為は絶対に許されないこ と、いじめ問題に関する児童の理解を深めることを共通認識し、いじめ防止に向け、日常の 体制や具体的な方策を決めるとともに、いじめの未然防止を図りながら、いじめの早期発 見・早期指導と対応に取り組み、適切にかつ速やかに解決するために『南丹市立殿田小学校 いじめ防止基本方針』を定める。○いじめ対策の基本的な考え方
1 いじめの防止等の対策に関する基本理念 いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、心身の健全な 成⻑及び⼈格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命または身体に重大 な危険を生じさせる恐れがある重大かつ深刻な⼈権問題である。 いじめ防止対策推進法第3条で示されている通り、いじめが全ての児童等に関係 する問題であることに鑑み、児童が安心して学習その他の活動に取り組むことがで きるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として、 いじめ防止等の対策が行われなければならない。また、全ての児童がいじめを行わず、 及び他の児童に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないよ うにするため、いじめが児童等の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する 児童等の理解を深めることを旨として、いじめ防止等の対策が行われなければなら ない。 2 いじめの定義 当該児童と一定の⼈間関係にある他の児童が行う心理的または物理的な影響を与 える行為(インターネットを通して行われるものを含む)であって、当該行為の対象 となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう。 3 いじめの認知、態様 それぞれの行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的、形式的に行うこと なく、いじめられた児童の立場に立ち、それぞれの感じ方や抱える背景を考慮して個 別的に行うことが重要である。 また、けんかやふざけ合いであっても、背景にある事情の調査を行い、児童の感じ る被害生に着目し、いじめに該当するか否かを判断するものとする。 具体的ないじめの態様としては、以下の通りである。南丹市立殿田小学校いじめ防止基本方針(案)
<改定版>冷やかしやからかい、悪口や脅し文句、嫌なことを言われる 仲間はずれ、集団による無視をされる 軽くぶつかられたり、遊ぶふりをして叩かれたり、蹴られたりする ひどくぶつかられたり、叩かれたり、蹴られたりする 金品をたかられる 金品を隠されたり、盗まれたり、壊されたり、捨てられたりする 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたり、させられたりする スマートフォン、タブレット等による、インターネットを介した誹謗中傷や 嫌なことをされる 等
○学校における施策
1 学校の取組 (1)「明日も来たくなる学校」づくり ①⼈権教育を基盤として、道徳教育等を通して、⼈としての倫理観を身につけ、も のごとを正しく判断できように指導するとともに、正義感や規範意識の向上、⼈ を思う心情を育んでいく。 ②「みんながわかる授業」づくりを通して、「自己有用感等」を醸成し粘り強く生 きていこうとする力を育んでいく。 ③一⼈一⼈の違いを認め合い、気軽に相談し合える温かい雰囲気のある学級集団 づくりに努め、児童同士や児童と担任との信頼関係を築いていく。 ④学級活動や委員会活動、異年齢班(かがやき班)活動等で、児童が主体的に活動 する場を設定し、互いに相手を尊敬し認め合い、共に力を合わせていこうとする 態度を育んでいく。 (2)いじめの未然防止と早期発見 ①いじめの未然防止 ・いじめ問題の理解を深める学習(教職員が全校集会等で、児童にいじめ防止の 取組を説明する等)を行う。 ・いじめ防止等に関する児童の主体的な活動を支援する。 ・年間計画に基づき校内研修を充実させ、教職員の資質能力の向上を図る。 ②いじめの早期発見 ・あいさつや声かけを積極的に行い、児童の些細な変化を見逃さないようにする。 また、小さないたずらに対しても敏感な対応をし、原因を明らかにする。 ・学期に1回以上児童へのアンケートと聞き取りを実施し、いじめをはじめとす る悩みや訴えを早期に把握し、的確な状況把握と効果的な分析に努める。 ・教育相談を定期的に行い、児童の心情に寄り添い、いじめをはじめとする悩み や課題の共感的理解に努める。 ・全教職員が児童の些細な変化や悩みについて情報を共有できるよう、定期的に 情報交換会(サポート会議、例会等)を行い、組織的に指導、支援を行う。(3)いじめ事案への対処 いじめが発生した場合、別紙Ⅰの方策に従って別紙Ⅱに示すように校⻑を中 心とした組織での対応に努める。 (4)いじめに対する措置(いじめ解消)について いじめは、単に謝罪をもって安易に解消とすることはできない。いじめが「解 消している」状態とは、少なくとも次の2つの要件が満たされている必要がある。 ただし、これらの要件が満たされている場合であっても、必要に応じ、他の事情 も勘案して判断するものとする。 ①いじめに係る行為が止んでいること(少なくとも3ヶ月を目安とする) ②いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において、被害児 童が心身の苦痛を感じていないこと(被害児童及び保護者との面談) 「解消している」状態に至った場合でも、いじめが再発する可能性が十分にあ り得ることを踏まえ、被害児童、加害児童について、日常的に注意深く観察する 必要がある。 (5)年間を通した具体的な活動(※年間計画) ・別紙Ⅲ参照 2 いじめの防止等の対策のための組織 いじめ防止対策推進法第 22 条で示されている通り、学校が組織的にいじめ問題に取 り組むにあたり中核となる「いじめ防止対策委員会」を設置する。具体的には以下の役 割を担うこととする。 (1)いじめ未然防止のため、いじめが起きにくい、いじめを許さない環境作りを行う 役割 (2)学校のいじめ防止基本方針に基づく取組の実施や具体的な年間計画の作成、実行、 検証、修正の中心的な役割 (3)いじめの相談、通報の窓口としての役割 (4)いじめの疑いに関する情報の収集と記録、共有を行う役割 (5)いじめの疑いに関する情報があった時には緊急会議を開き、いじめの情報の迅速 な共有、関係のある児童への事実関係の聴取、いじめであるか否かの判断、指導 や支援体制・対応方針の決定と保護者との連携等の対応を組織的に実施するため の中心的な役割 ※いじめ防止対策推進法第 28 条第1項に規定する重大事態の調査のための組織につ いて、学校がその調査を行う場合は、いじめ防止対策委員会を⺟体としつつ、当該 事案の性質に応じて適切な専門家を加えるなどの方法で対応する。
3 重大事態への対処 学校で次に揚げる重大な事態が発生した場合は、教職員の総力を挙げて被害を受け た児童の身の安全を確保するとともに、その事態が発生した原因の究明にあたる。 <重大事態について> (1)いじめにより児童の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認め られるとき (2)いじめにより児童が相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされていると認 められるとき <重大事態への対処について> (1)京都府教育委員会、南丹市教育委員会との速やかな連携を図り(事案により南丹 市子育て支援課、南丹警察署、児童相談所等)、事案に対処する。 (2)事案に対する事実関係を明らかにするため、全力を挙げて調査を実施する。 (3)いじめを受けた児童およびその保護者には、調査結果等必要な事項について適切 に情報を提供する。 重大な事態への対応後は、十分な検証と予防策の検討を行い、児童全体への指導を強 化し再発防止に全力を挙げる。 4 学校いじめ防止基本方針の評価と見直しの実施 いじめ防止基本方針が機能し、全教職員が児童の心理状態や健康状態、⼈間関係等を 適切に把握し、いじめを見過ごしていないか、いじめが起こらないよう未然防止の取組 が進められているか、また、その内容は児童の実態に合っているか等を PDCA サイク ルに則り随時点検、検証していく。 年度当初、児童の実態を把握した上 で、いじめ防止基本方針、指導内容、年 間計画等を全教職員で確認する。 検証結果や課題、児童の実態を基に、 いじめ防止基本方針、及び年間指導計 画の修正、見直しを行い、より実効性の あるものにする。 アンケート等による児童の実態から、 事前の様子と比べて評価し、計画、取組 内容、等の適否を点検し検証する。 いじめ防止基本方針に則った指導を行 う。また、年間指導計画に沿って、一連の 取組を着実に実施する。 い 会 Plan Do Action Check
・いじめの原因や背景の詳細な分析 (事実の整理、指導方針・未然防止の取組等のPDCAサイクルによる再確認、外部専門機関等による助言) ・学校体制の見直し、改善、充実 (生徒指導や教育相談の体制の点検及び改善、事例研究等実践的な校内研修の実施) ・教育内容及び指導方法の改善・充実 (児童の居場所づくりなど学級経営の見直し、「豊かな心」「自己有用感・存在感」を育む指導等の授業改善) ・保護者・PTAとの連携・啓発 (HP等による教育方針や教育活動の積極的な公開、学校アンケート等に基づく学校評価の実施、緊密な家庭連携) ・学校運営協議会との連携・啓発 (学校運営協議会への積極的な相談や取組の推進等、「地域で子どもを守る」意識の共有) <事実確認・方針決定> いじめ対策委員会における協議 <いじめへの対処> いじめ対策委員会における対処 ・役関係機関との連携 ・役割分担 ・情報の記録と共有 ・いじめを受けた児童の保護者への支援 ・いじめ認知の判断 ・指導方針の確認 ・個別指導の検討 ・全教職員による共通理解 ・いじめを行った児童の保護者への助言 ・事実関係の把握 ・その他 <再発防止に向けた取組> ・周囲の児童に対する指導、働きかけ ・関係機関への相談 「いじめ防止・いじめ対応等のための組織表内 児童、保護者への支援・指導」参照 ・教育委員会への報告 ・いじめの解消の判断 ・教育委員会のいじめ対応スタッフやスクールカウンセラー等の派遣要請 ★いじめを受けた児童、いじめを知らせてきた児童の安全確保 ・いじめを受けた児童への支援 ・いじめを行った児童への指導 ★いじめた児童、傍観者・周囲の児童に対する適切な指導、各保護者への対応等 別紙Ⅰ
早期発見・いじめ事案 対処方策
・担任、担任外の教職員による発見 ・学校以外の関係機関からの情報 ・児童(本人を除く) ・児童(本人)の保護者からの情報 ・養護教諭による発見 ・スクールカウンセラー等の相談員による発見 ・本人からの訴え ・地域住⺠からの情報 ・アンケート調査による発見 南丹市立殿田小学校 <いじめの把握> <いじめの報告> いじめ対策委員会の開催 ・把握者 →(学級担任) → 生徒指導主任 → 教頭 → 校⻑教 頭 生徒指導主任 人権教育主任 養護教諭 関係諸機関 南丹市教育委員会 該 当 児 童
い
じ
め
の
情
報
サ ポー ト 会 議 例 会 教 育 相 談 あ い あ い 会 議 ( 校 内 委 員 会) 保護者・PTA 対策について協議 教務主任 別紙Ⅱいじめ防止・いじめ対応等のための組織
いじめ対策委員会
校 ⻑ 南丹市立殿田小学校 学校運営協議会 ○傍観者・観衆(周囲の児童)に対して ・「傍観することは、いじめに加担していることと同じである」 ことを指導し、被害者の心情を理解させるとともに自分の問題 として理解させる。。 ・自分の意思で行動することの大切さを指導する。 ○加害児童に対して ・客観的な情報を収集し、責任転嫁を許さない。 ・いじめを「絶対に許さない」という毅然とした態度で指導に 臨み、正当化させない。 ・反省を促し、深化させ謝罪を行わせる。 ・いじめの理由、背景を突き止め、根本的な解決を図る。 ・スクールカウンセラー、教育相談、児童相談所、警察、関係 諸機関との連携をとる。 ○被害児童の保護者に対して ・保護者の不安や怒り、要望や批判を受け止め、信頼 関係の構築に努める。 ・「いじめられた子を全職員で守る」対応をしていく ことを伝える。 ・事実や指導経過、今後の方針等について報告し、 理解と協力を求める。 ・書き込み内容を確認する。 ・プロバイダーや掲示板の管理者に対して削除依頼を 行う。 ・警察等に相談し連携を図る。 ・ネット上のいじめは重大な人権侵害に当たり、 被害者等に深刻な傷を与えかねない行為である ことを理解させる。 ・情報に関するモラル教育の指導を充実させる。 ・「全職員でいじめから守ること」を約束し、安心感を与える。 ・本人や周辺からの聞き取りを行う。 ・身体的精神的被害を的確に把握し、敏速に初期対応を行う。 ・休み時間、登下校の見回りを行い、被害の継続をなくす。 ・いじめの理由、背景を調査し、根本的な解決を図る。 ・3ヶ月を目安としたいじめ解消に向け、組織的に注視するとと もに、継続して自尊感情を高める等、心のケアと支援に努める。 ○加害児童の保護者に対して ・状況の丁寧な説明と同じスタンスで解決に向かう 姿勢を求める。 ・「いじめは絶対に許されない」という毅然とした 姿勢で、保護者への対応をしていく。 ○SNS等によるネットいじめの対応について ○被害児童に対して<保護者への対応>
特別支援教育コーディネーター まなび・生活アドバイザー<児童への支援・指導>
南丹市子育て支援課 京都府教育委員会 南丹警察署 児童相談所 等 当該学級担任 事実確認 必要に応じて、スクールカウンセラー スクールソーシャルワーカーとの連携年間の基本方針 年間計画 例会 例会 例会 例会 個別懇談(夏季休業中) 例会 2学期の方針 例会 例会 例会 例会 3学期の方針 例会 今年度の総括 次年度の構想 例会 例会