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オープンスパイラルモデルによる学び支援システム構築

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Academic year: 2021

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(1)86. 特集:イノベーションデザイン論. 小粥幹夫 Ogai Mikio 日本経済大学. Japan University of Economics. オープンスパイラルモデルによる学び支援 システム構築 ∼新しい教育システムのデザイン∼ Education System Design on Open Spiral Model for Learning Support. 〈プロローグ〉 2016年12月25日クリスマス、天皇誕生日に繋がる3連休、この年最後の日 曜の朝、この原稿に向かい始めた。電子情報通信学会誌を机の上に、この1 年と通信技術者としての過去を振り返り、次世代の創造への思いを書き始め た。 主夫で介護を本務とし、余った時間を教育問題の理解と解決に知恵を絞る 68歳。探究授業で改革に成功した堀川高校の「自立する18歳」にならって、 高校卒業50年を迎えて「68歳の自立」を掲げ、「できること、やりたいこと、 役立つこと」を「自の健康、家族のケア、学び続ける」に置き換え、フェイ スブックの“いいね!”に元気をもらう年金生活者である。 本テーマの教育問題に関心を持ったのは還暦を前に東北大学特任教授に転 じたとき。ロボットを掲げる機械系学科に奪われた高校生の人気を取り戻 し、名称変更した電気・情報系学科の入試倍率を元の3倍以上に回復するこ とがミッションであった。電子メールとホームページからの広報活動の限界 に気づき、学校訪問して対話する現場主義に切り替えるまでに1年余。その “学びの意欲”. 後、東日本大震災遭遇を経て獲得した500名を超える高校進路指導先生との 人繋がりが、現在の年金生活の基盤となっている。 このような書き出しのこの駄文、2年前の NHK のクローズアップ現代を. 見たことから始まる1)。「百文は一験に如かず」は私の置き換えであるが、 ハーバード大のガンツ教授の「物語の力」に共鳴して、自分の体験を語るこ とで気持ちを伝えよとのアドバイスに従い、Self、Us、Now の3要素を語り. コミュニケーションを図ろうとするものである。. そもそも、コミュニケーションとは心を通わすことであり、通信より通心 の方が適切な訳であることに賛同いただける読者も多いことと思う。 2)3) 4月の電子情報通信学会誌の小特集「文化創造学を目指す工学」 を読. み直してこの論考をまとめている。物を作り出すことで人を幸せにした生産 工学の時代は終わり、人の心を豊かにする工学が求められている。SNS は時. 間と空間を超えた人の繋がり、対話を可能としている。原人の中で唯一生き 残ったホモサピエンスの特徴である助け合いを支えたコミュニケーション、 言葉の力を思い出しながら、時間と空間に続いて人間から壁とも言いうべき 「間」を除くことへのシニア技術者の越境の挑戦でもある。「百聞は一見に如 かず」の基本を肝に銘じながら、目からの情報も活用して、共感からの共創 を誘うべく!.

(2) デザイン学研究特集号  Vol.25-1 No.97. 1.はじめに 研究と教育は学会の背負う基本的ミッション。健全なコミュニケーション 社会の形成、新しい教育システムのデザインについて一緒に考えようと働き かけることが本稿の目的。会社や学校への貢献、研究、論文以外の社会に目 を向けることへのお誘いでもある。光ファイバと半導体、メモリは、情報処 理のイノベーションをもたらし、SNS、人工知能は空間と時間を超えて人間. まで一変させようとしている。しかし「神ってる」の日本に対し、英国の流 行語大賞「ポスト真実」を見逃すわけにはいかない。情報化社会は民主主義 を危機に陥れているとの警告を考え直さねばならない。 これからの時代を、どのように生きればよいのか?どんな資質・能力が必 要となるのか?そのためには若者にどんな支援をすべきか?戦後70年を経た 教育システムの軌道修正が求められている。平成28年12月21日、文部科学省 の諮問機関である中央教育審議会は2年にわたる審議をまとめて平成32年以 降の教育課程、学校の在り方について答申を出した4)。 300ページを超える答申本文を読んで理解することは容易ではない。指導. 要領を読む先生は少数とも。新たな教育理念を伝え、啓発・実践・実現に 導くには?死の谷の克服モデルを思い出す!そんな中、私のできることと 図0 中央教育審議会の審議. して、昨年12月3日、文部科学省の後援も得て、研究イノベーション学会 主催で第4回「学びのイノベーション」フォーラムを企画、都内で開催し た5)。理念取りまとめに尽力された中央教育審議会の委員と、授業改善を実 践されている高校の先生との対話の場とした。フェイスブックを活用してこ のフォーラムの意図を説明、先生中心に一般市民を含めて80名を超える参加 者が、午前中のワークショップから夕方の懇親会まで、終日様々な形でアク ティブ・ラーニングを体験した。それは1月28日の日本創造学会のワーク ショップに引き継がれ、3月23日の電子情報通信学会の総合大会のシンポジ ウムに繋がった。 気づきや学びの基本は、伝わり感じることにある。送り手の一方的な話は 伝わらず、受け手との共通認識が必要なことは、ラジオの局部発振器や、通 信の符号・復号器から理解できる。大学の先生の易しい出前授業は生徒の理 解を保証するとは限らず、事前の教科書の内容把握が必要である。 そんな基本を胸に、デザインについて図1のような基本認識を持ち、教育 分野に越境して、学会の新たな役割を説き、教育と言う社会システムのデザ インを一緒に考えようと提案するものである。 図2はその際の基本となる立場や方向をまとめたものである。SNS などの. 新しいコミュニケーション手段を用いて、人の繋がりの基本に戻ったコミュ 図1 デザインと教育. ニティ形成、ボトムの力をスパイラルの回転力としてトップの政策に繋げる システムのデザインが教育の新たなイノベーションを可能とするとの信念に 基づく。それは工学部出身の技術者が描く、新たな文化創造への挑戦でもあ る。 以下、中央教育審議会の審議を傍聴、フォーラムやシンポジウムを通して 仲間と理解や思いを共有しながら辿り着いた教育理念の基本の理解を図で紹 介、ボトムからの積み上げとトップダウンの政策による啓発と社会実装への 挑戦、時空間に加えて人の壁を超えた対話や越境によるスパイラルを廻す力 の例を紹介、更には学びを支援するとの視点に立った新たな教育システムを 志向するデザイン学への期待を述べる。. 図2 教育改革のデザイン?. 87.

(3) 88. 特集:イノベーションデザイン論. 2.教育改革の基本理念を図で伝える! 図や画像などの目からの情報は、話し言葉や書かれた文よりも理解を助け る。法の世界では、説明や解釈をすべて文章で行い、行政の説明資料の図に は長い説明文が加わり、基本を見出すことは容易でない。非専門家が越境し て基本に立ち戻り可視化した図が素人の理解を助けるとの仮説に基づいて、 教育改革の理念の説明を試みた。既存の政策や専門用語に新しい概念を加 え、関係や構造を示した。作成を通して理解が深まることを実感もした。. 2.1 新たな視点と“資質・能力”3つの柱. 今回の答申では、2030年頃の社会の在り方を見据え、「何ができるように. なるか?」の視点から育成すべき資質・能力を分析、「何を学ぶ?」以上 に「どのように学ぶ?」の重要性を指摘、「何を知っているか?何ができる か?」、「知っていることを・できることをどう使うか?」に加えて、「どの ように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか?」を追及している。図 3は文科省の公表資料に補足説明を加えたものである。 知識より活用、知るよりできることを重視し、社会・世界と関わり、「主 体が多様な客体と協働」するなど、「学びに向かう力・人間性」の育成を通 図3 新しい教育の理念. して、「学びの意欲を意志に高め」 、社会の中での「自立」を図り、「協働」、 「創造」して課題解決する人材の育成を目指している。 この背景には、第4次産業革命とも呼ばれる人工知能を中心とする ICT. の進歩が社会や生活を大きく変え、予測が困難となった時代に、一人一人が 感性を働かせて、よりよい社会と幸福な人生の創り手として生涯学び続ける ためには、子どもの学びを支え後押しすることから始めることが重要である との認識がある。. 教育基本法30条第2項は、 「自立・協働・創造に向けた一人ひとりの主体的な 学び」 (教育振興基本計画)を通して、 「生涯にわたり学習する基盤が培われる よう、基礎的な知識 及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を 解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体 的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」と述べ ている。この中の「知識・技能、思考力・判断力・表現力、意欲・態度」の学 力の三要素の強化、高度化を図り、意欲・態度を「学びに向かう力、人間性等」 に拡大して「資質・能力の三つの柱」とし、 「課題解決」に向かって社会の中で 「21世紀を生きる」強い意志、即ち社会での「自立」を強化することを教育の役 図4 理念の構成を図で表すと?. 割とした。新たな理念を従来の審議との関係を意識しながら図4にまとめた。. 2.2 アクティブ・ラーニング(AL). 資質・能力の三つの柱が相互に連動して高め合う学びの過程を促すのが. 「アクティブ・ラーニング」である。対話や体験を通した豊かな心を伸ばす これまでの小学校や中学校での授業改善の着実な取り組みと、大学の質的改 革の中で始まったものを高校にも導入して繋げようとするものである。この 言葉は学習の立場から「一方的な知識伝達型講義を聴くという(受動的)学 習を乗り越える意味での、あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習に は、書く・話す・発表するなどの活動への関与と、そこで生じる認知プロ セスの外化を伴う。」と定義され6)、先生の立場からは、「学習者にアクティ ブ・ラーニングが起きることを含む全ての授業形式」として、講義も含む 100%ワンウェイでない授業として実践されてきた7)。.

(4) デザイン学研究特集号  Vol.25-1 No.97. 今回の指導要領改定の審議の当初、アクティブ・ラーニングを「課題の発 見・解決に向けた主体的、協働的学び」と定義したが、先行する実践から多 くの書籍も発刊され、審議に先行して言葉が一人歩きして世間が混乱状態と なったことから、図5に占めすように「対話的・主体的で深い学び」と言い 直された。この指導の3つの視点において、対話的とは言語活動の充実、主 体的とは体験活動の充実による自立、深いとは課題を発見して協働で解決に 向けて調査・分析して知識を拡大、工夫・活用して解決策を創造することに 相当する。解の見えない課題を追及することが、深い学び、すなわち探究で 図5 アクティブ・ラーニング. あり、社会での自立に繋がる道である。探求を通して18歳の自立を目指した 堀川高校の実践はこの例である。今回の最も重要なポイントは、学力の三要 素の1つである意欲態度を課題解決に向かわせることにあると言える。この 意味で、詰め込み、ゆとりに続くキャッチフレーズ「アクティブ・ラーニン グ」は、「探究による自立」とも言える。. 2.3「深い学び」と「見方・考え方」. 資質・能力を育むにあたり、教科等を学ぶ本質の中核をなす「見方・考え. 方」は、教科等の教育と社会をつなぐものであり、長期の狙いである「資 質・能力」に対して、中期の目標、評価指標ともいえ、通常授業、単元での 狙いをつなげるものでもある。習得・活用・探究という学びの過程の中で、 各教科等の特質に応じた「見方・考え方」を働かせることで、知識を相互に 関連付けて構造化、情報を精査して考えを形成、問題を見いだして解決策を 考え、思いや考えを基に創造に向かう「深い学び」につなげる。教科の学び を通して知識と思考力を統合する際の道具であり、手段とも言える。 「見方・考え方」を学びの「深まり」の鍵として、新しい知識・技能を既 に持っている知識・技能と結びつけながら深く理解、社会の中で生きて働く ものとして習得、思考力・判断力・表現力を豊かなものとし、社会や世界に どのように関わるかの視座や軸とし活用することで、幅広い授業改善の基盤 ができあがる。図6は各教科の代表からなるワーキンググループがまとめた 視点と思考の枠組みに、筆者の理解に基づき単純化、基本に戻った見方・考 図6 教科特有の「見方・考え方」. え方を加えたものである。 助け合いの中から生まれた言語、自然を理解し表現するための理科や数 学、人の営みで構成される社会、人を中心に原点に戻り進化や発達の視点か ら技術を見直すことを提案したい。. 2.4 カリキュラム・マネージメント(CM). 教科の特有の「見方・考え方」を、横断的に結びつけて資質・能力育成. に繋げるのが「カリキュラム・マネージメント」である。図7のように校 長を中心に各学校で、“よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る”と の「社会に開かれた教育課程」の理念の下、家庭・地域と連携・協働して創 意工夫、個別の学校目標を踏まえて教科横断的な視点から、子供たちが身に 付けるべき資質・能力や学ぶべき内容や過程の全体像を「学びの地図」とし て可視化、その実現に向けて PDCA サイクルを確立することが重要である。 子供たちが、学習内容を人生や社会の在り方と結びつけて深く理解し、これ からの時代に求められる資質・能力を身に付け、生涯にわたって能動的に学 び続けることができるよう、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて、 図7 カリキュラム・マネージメント. 授業改善の取組を活性化していくことが求められている。. 89.

(5) 90. 特集:イノベーションデザイン論. 3.理念の社会実装! 改革推進? アクティブ・ラーニング(AL)とカリキュラムマネージメント(CM). を両輪とする改革理念の実現、即ち新しい教育の社会システム構築は、研修 や予算配分などのトップダウンの施策だけでは不可能あり、学校を中心に家 庭や地域、企業も含めたコミュニティの力の結集が不可欠である。社会の急 速な変化を生徒に実感させることは、学校の先生の限られた経験では難し く、学びを生かして活躍する社会人の生の姿を学校に持ち込み、対話を通し て生徒の共感を喚起し、自立を促すキャリア教育が求められている。. 教育改革の審議状況は文部科学省のホームページから公開、図8のような 解説書も刊行、パブリックコメントが募集され、メディアも取り上げ、SNS. でも話題となっている。学校での実際の授業が改善されるまでには多くの工. 夫と努力が必要になる。その理念については基本的な賛同が得られているが、 図8 解説書と実践報告. ICT もフル活用、社会からの支援を受けた現場の先生の実践を中心としたボ. トムの努力をトップダウンの政策に繋げることで加速できないだろうか。. 3.1 トップダウンの政策. ⑴ 啓発活動と研修! “教員の AL 実践から”. 理念推進の原動力となる CM には、校長のリーダーシップに加えて、教員. の主体的、協働的な活動が不可欠である。研修の場は AL の場としてデザイ. ンされ、経験に基づいた主体的で協働的な対話、可視化図の協働作成、発表 等からの主体変容を促し、質を上げるものでなければならない。 文部科学省は、図9で紹介するように You-tube を通して改革理念や方向. 性などについて解説8)、関連団体とも連携して対話を取り入れた説明会を行 うなどの工夫がみられるが、地方の教育委員会との連携に更なる期待をした い。メディアも市民の関心に合わせた多くの報道を行っているが、基本理念 図9 対話を通して変容促す!. を深く理解した上での啓発を望みたい。 ⑵ PDCA ! “持続的改善”. 「教育内容の質の向上に向けて、子供たちの姿や地域の現状等に関する調査. や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る 一連の PDCA サイクルを確立すること」と答申は述べている。行政は、企業. の「カイゼン」に代表される小集団活動のノウハウを活用して、各学校にお ける持続的改善活動をフォロー、コミュニティ活動を支援すべきである。 学校内においては、教科特有の「見方・考え方」を教科担当者間で話し合 い、授業前に再確認、授業後には生徒の反応を振り返りまとめ、次年度計画 に繋げるなどの持続的な努力が大切である。 先導的な教員による“もっと学びたい”との生まれながらの意欲に着眼し た AL を促す授業実践を分析、活用することも重要である。学びを身近な実. 生活と結びつけるため、地域や学会などの周囲の力の積極的活用が必要であ る。先生仲間が持続的に話し合うことが PDCA サイクルを回す基本となる。. ⑶ 成果拡大! “教育情報インフラの力”. 競争的資金の思想を取り入れ、AL の実践、「学びの地図」作成を支援す. るプログラムを公募する他、実績のコンクールや表彰を行うことで現場教員 のモチベーションを上げ、授業改善の成果の共有することが大切である。著 作権や特許実施権、論文の引用などの学術情報運用を参考にして、出前授業 やキャリア教育支援教材やオンライン授業データなどを蓄積、 「見方・考え 方」をパラメータに検索できれば、CM の推進の大きな力となるであろう。.

(6) デザイン学研究特集号  Vol.25-1 No.97. 3.2 ボトムアップの力. ⑴ 先生のコミュニティ! “自立と協働” 通過する多様な生徒への対応は、現場の定点に留まる個々の先生の持続的 な改善活動に頼る以外ない。 現場の先生が AL、すなわち仲間の先生と対話して主体的に授業改善に努. めることを起点とし、他のグループとも繋がりコミュニティを拡大すること でより多くの経験を共有、協働して資質・能力を高めることが重要である。 協調学習や反転授業などの授業改善、21世紀に必要なスキル育成、図10のよ うな地域との連携を通してキャリア教育を追及するプログラムやグループな どが形成され、SNS を活用して情報交換、シンポジウムなどのイベントを通. して交流を深めている9)。これらには、教育関連企業人、教育に関心を持つ. 市民も加わっている他、指導要領改訂審議を取りまとめた主査が、フェイス 図10 学校と地域の連携!. ブックを活用して解説を加え、多くの先生がフォローしている状況は新たな 可能性として注目したい10)。SNS を活用した情報や意見の交換は、柔軟な施. 策追及には不可欠である。更には学校教育、教科教育、キャリア教育、生涯 教育、イノベーション教育などの専門性に支えられたコミュニティの活動と の繋がりを持つことが大切である。 ⑵ 縦の連携! “大学入試以外の高大接続” 学校内における教科間の横の連携に加えて、小中高校から大学への一貫し た学び支援の仕組を支える縦の連携が、学び続ける長期目標である資質・能 力の育成には重要である。発達、各学校の段階における中期的な目標とし て「見方・考え方」の育成を図ることが大切である。高大接続システム改革 が叫ばれ、大学入試が大きく変わろうとしているが、入試だけでなく、スー パーサイエンスハイスクール(SSH)事業支援や、図11のような科研費のア. ウトリーチ活動などに当たって、大学は高校と連携して中期目標である「見 方・考え方」の育成を念頭に置いたプログラム開発ができないであろうか? 図11 アウトリーチで高大接続?. ⑶ 学会の寄与! “特有の「見方・考え方」” 専門家の集団である学会にも将来のイノベーションを支える人材育成や確 保も含めた教育は重要な課題である。これまで学会は大学と連携、出前授業 や模擬授業などを通して科学や学問の面白さを生徒に伝えてきた。 長期目標である資質・能力育成に対して、図5に示した教科特有の「見 方・考え方」について、ぞれぞれの学会がその特有な視点を示すことは可能 であろう。急激な社会変化をもたらした ICT とは何か?これからの変化と新. たな役割?電子情報通信学会の場合にはその概要に謳っている「健全なコ. ミュニケーション社会の形成と豊かな地球環境の維持向上に貢献」の実現に 向けての視点育成のプロセスを示せないだろうか。教科とも連携した「見方・ 考え方」の育成ロードマップを学校と連携して作成して共有、キャリア教育 や出前授業に活用できれば、社会に開かれた教育課程の中での CM の支援と. なるだけでなく、人材の早期確保にも繋がるとの認識が必要である。図12は 図12 学会で高大連携の対話!. これらを念頭においたシンポジウムの例である。 ⑷ 学会の連携! “基本に戻り越境”. SNS を活用したコミュニティ活動からの膨大な IoT データの有効活用に. は、教育情報センターなどを設置して、現場の先生の CM 支援が必要であ. る。細分化された多様な学会も多数設立されているが、教育のような広範な 社会課題には連携して、基本へ回帰した「見方・考え方」を示し、個人やコ ミュニティの越境を助け、連携や融合を促進することが大切である。. 91.

(7) 92. 特集:イノベーションデザイン論. 3.3 私の挑戦! “共感から共創へ”. この度の答申の基本は、急速に変化する社会を生き抜くための資質・能力. を、社会全体の力で育てることにある。学校で育て、社会で活躍するリニア モデルに代わって、最初から社会も巻き込み学びを支援するオープンスパイ ラルモデル2)が必要となる。以下は私の挑戦である。 ⑴ “フォーラムで場を創り価値を生む” 人繋がりによってネット上でコミュニティを形成、直接の出会いを通し て、共感から共創するボトムアップの仕組みを模索して、筆者は2013年から 毎年12月に「学びのイノベーション」フォーラムを開催してきた。授業改善 を実践する現場先生と、幸福感に裏付けされた“楽しい学び”をゴールとす る社会システムデザインについて慶応大学の前野隆司先生、教育委員会と連 携した学習科学研究成果の社会還元することからの改革を中教審部会で唱え た東大の三宅なほみ先生など、学びの意欲を研究されている大学の先生の講 演の後、参加者も含めた対話の場を設けてきた。第4回の昨年は、図13の ように教育課程改訂の審議理解に焦点を当て、部会長を務められた無藤隆10) 図13 社会に開かれた対話の場!. 先生の講演と先生との対談を行った。 ⑵ “ひとつながり”から“ひとつなぎ”へ この数年、グローバルに活躍するリーダー育成を目的とした博士教育リー ディングプログラム11)の情報分野のプログラムオフィサー(PO)として東. 大、京大、阪大のプログラムを訪問してきた。ヒューマンウエア、デザイン 学、ソーシャル ICT をテーマとするこれらのプログラムが連携して、情報 と認知が融合した新たな教育システムを ICT の力により社会実装されるこ. とを願ってきた。. また、一昨年から始めた科研費のアウトリーチ活動12)の評価のお手伝い では、大学が高校時代までに身に付けてほしい「見方・考え方」を組込んだ メッセージを発信することを願っている。高校の教員との対話を進めること で、大学入試に留まらない高大接続システムに繋がることを期待している。 こうしたプログラムを通して大学との繋がりを深めて仲間を増やし、大学 が教育を重視し、学会が社会問題に真剣に取り組み、異なる領域の連携に よって社会システムとしての教育への関心が高まることを願っている。 人工知能にも期待している。学びの意欲と体験や言語との関係、学びの構 造や拡大のメカニズムが解明され活用できるようになることを願っている。 図14は、東大入試を目指したロボットの変身に触れ、情報処理の基本に戻っ 図14 人工知能による学び支援?. て越境して辿りついた私の理解である。 ⑶ “集合知を求めて” 通過する生徒より定点で学びを支援する先生との協働は、持続的システム とする必要条件である。その上で、ボトムのコミュニティ活動をトップの行 政に伝える改善のスパイラル力が必要となる。知識の構造化や創造を学会間 の連携で分かりやすいモデルを提供、学びを身近なコミュニケーションの延 長で訴えたい。イノベーションは融合から始まることを念頭に、基本を求め て他分野に積極的に越境、既知の基盤に未知の構造化を図る発想、人の立場 からの情報処理技術を駆使したシステム構築を目指したい。 集合知結集に向けて仲間が増えすべくワークショップを開催、教育改革の 成功例として米国イリノイ州の地域ネットワーク「Strive Together」13)を分析. 図15 集合知求めて!. しながら、集合知(Collective Impact)について議論した。図15はこのプロ. グラムである。.

(8) デザイン学研究特集号  Vol.25-1 No.97. 4.“集合知”へのスパイラル 理念の実現に向けた同じ志の仲間のコミュニティ活動を推進するには、対 話を促進する場のデザイン、コミュニティの拡大深化やコミュニティ間の 連携推進のための ICT 活用、得られた授業改善の事例を蓄積、共有、改善. する仕組み等が更に必要である。この原稿の執筆中にも、リアルとネット. を結んだハイブリッドワークショップ、オンライン講座にリアルセッショ ン追加、授業改善デザインの開発実践などにおいて将来の日本版 Collective. Impact の芽が育っていることを、筆者がこの半年に参加したイベントで実感. した。以下、発散に代わり収束を先行したワークショップ、バーチャルとリ アルのハイブリッド対話、ネットを活用した公開講座メンバーが集合するリ アルセッション、授業デザインの事例蓄積活動を、集合知に向けてスパイラ ルを廻す力として紹介する。. 4.1 交流制約法ワークショップ 14). 日本創造学会は、2017年1月28日に「アクティブ・ラーニングが日本の教. 育システムに根付くには何をなすべきか」をテーマに、交流制約法 TCoM. (Transactional Constraint Method)の考案者である明治大学阪井和男氏がファ シリテートしてワークショップを開催した。課題提起者の任務を担った筆者 に集中質問する収束思考セッション、ついでワールド・カフェ方式による発 散収束セッションというのが、このワークショップの特徴である。本気で課 題解決を望む課題提起者をグループで支援する中で、新しい気づきと解決策 の共創を図みた。図16は学会ホームページからの紹介である。 図16 新しい創造技法での対話!. グランドルールの説明の後、自己紹介と課題発見と解決への努力を数分で 説明。質問のみが許され、回答者は簡潔に答える。1時間この繰り返しで、 20から30の多様な質問がランダムに出るが、その整理も方向づけはない。こ の2年間に調査、検討をまとめた50枚以上の PPT 図を集約して12枚の図を. 準備したが、質疑応答を通して理解を深める本ワークショップの基本を考え るに及んで、配布資料なしとした。多くは想定内の質問で、回答者は2章や 3章で述べたような図や説明を思い出し、思考の過程を振り返り、質問者の 表情を伺いながらソフトムードで回答を楽しむ。全体としてはランダムでま とまりを欠くように見えるが、質問する個人は他の質問に惑わされることな く自分の中での思考が進み、構造化、再構築が行われている。講演会での説 明は一方通行になり易いが、自分に身近な質問を軸に、双方向でインタラク ティブな対話に繋がる。課題提起者は時分割で聴衆と対話しているともいえ る。また同じ回答でも受け止め方が異なり、異なる考えとのインタラクショ ンも同時に起きている。 後半は、24名の参加者を4名からなる6グループに分け、2段のワール ド・カフェを実施。参加者は質疑を思い出しながら、気づきや意見を語りな がら、テーブル中央の模造紙に書き込む。15分の自由討論の後、組み合わせ を変えて自由討論を続ける。これに続いてグループ毎に3から4のキーワー ドを選び、その関係性について討論して発表に備えた。これらの発表内容 は、質問と応答の中で取り上げられた、教員の理解を深める研修、教員や地. 域など各種コミュニティの活動、評価の工夫、成功例の共有などに加えて、 面白さ含めて子供の学ぶ道筋の理解、生徒が自主的に学びの内容を決めるな どの視点も紹介された。 個別の意見や提案は、3章で述べた新たな教育理念の啓発や普及策につい. 93.

(9) 94. 特集:イノベーションデザイン論. ての私の思いと共通することが多い。特に社会との繋がりの中で主体的に学 ぶ子供の支援、コミュニティとの連携について共感を得たことは心強い。面 白さを含めた学ぶ道筋の解明と活用、生徒の計画立案への参画、総合学習の 政策展開の失敗回避などの視点を補足いただいたことも有意義であった。 今回の参加者は創造性に関心を持つ一般市民が中心であったが、学校の先 生を対象にして同じような場をデザインすることで、AL についての理解を. 深め、行うべきことを考えることを促し、グループ討論を通して具体的推進 策を創造することに有効であろう。具体的行動の決定に至らなくても、思い を共有する仲間拡大には有効な方法であろう。. 4.2 ハイブリッドワークショップ15). フェイスブック上のグループで、4,000名を超える参加がある「反転授業. の研究」は、テクノロジーを利用した対話を通してアイデアや理解を深め、 多様なメンバーが自己組織化的に集合知を得ることを目標として、田原に よって2012年12月に立ち上げられた。オンライン勉強会やオフ会では、メン バーが協力して集合知を得ることを体験、21世紀型スキルを磨く自己研鑽の 場となっている。 このグループに参画した筒井は、萩で企業とも連携した教育を推進する松 島、花巻でカリキュラム・マネージメントを実践する下町と連携、運営ボラ ンティアの協力を得て、2016年11月花巻でオンラインとリアルを結ぶハイブ リッドのワークショップを開催した。岩手県の高校教員中心の60名のリアル に対し、ニューヨーク、ニュージーランドなどの海外と、福岡県、奈良県な どの国内からネットを通して25名が対話に参加した。図17はこの様子を伝え るものである。松嶋によるインスピレーショントーク「自分のありのままを 見つめること」を反映、続くトークで「教員自身が好きなことをすべき」が 図17 ワークショップへネット参加. 訴えられ、主体となる教員自身のあり方を変えることの必要性に気付きが得 られた。続いて京都での高大連携教育フォーラム表現技法分科会参加35名と ネットからの参加者15名で、地域や海外での「越境する学び」をテーマに対 話が行われ、自身の中からの内発的なかかわりが強調された。 2016年1月に Zoom が一気にバージョンアップされ、100名が小グループ. に分かれて対話するブレイクアウトルーム機能も追加され、本格的な Web. 会議が可能となったことが起点となり、ファシリテーションの専門家や田原 と筒井の思いが繋がって実現されたものである。. 4.3 オンライン講座とリアルセッション16). 大学での「教育者」としての知識やスキルの習得支援のため、東大は、. 「ともに学ぶ」ことに重点をおき、2014年から大規模公開オンライン講座 「インタラクティブ・ティーチング」を無償で公開している。受講者には各 週約9本(1本あたり約10分)配信され、記入式のワークブックを利用して 学習を進める。講座修了者から20名を対象とした3日間の「リアル・セッ ション(対面授業)」では、担当教員指導の下、他のメンバーと様々なワー クに取り組む。他大学の FD 担当教員、初等・中等教育に携わる先生方、民 間企業の人材育成担当なども参加している。. 図18に紹介する2017年2月4日に開催されたリアルセッション「インタラ クティブ・ティーチングのその先へ」には、受講者に一般を加えて希望が殺 図18 ネットで学びリアルで対話. 到、200名の定員は3週間で満杯になるほど。当日は「学びをサポートする.

(10) デザイン学研究特集号  Vol.25-1 No.97. 人をサポート」して「教育を変える新しい力」の結集が呼びかけられ、情報 交換会、2次会、さらには翌日の勉強会と続いた。これらの多くは東大 TV で公開されるが、サイボーズを活用した参加者間の繋がりも深まった。. 4.4 高大連携での授業開発17). 平成18年10月に設立された教育再生会議のメッセージを受けて「社会総が. かりで教育の質を高める」との理念の下で大学発教育支援コンソーシアムが 設立された。この活動と小中高等学校への独自支援を推進する東大の推進機 構 CoREF は全国の市町・県の教育委員会や学校等とともに、「学ぶとは、人. とかかわり合いながら賢さを育て続けること」との学習理論から得られる知 見を質の高い授業実践につなげることを目的に、知識構成型ジグソー法を ベースとした協調学習の授業実践の研究を行ってきた。図19はこのプロジェ クトのホームページである。 図19 協働で学び蓄積. 「協調学習」は自分の言葉で説明、他人の説明に耳を傾け、自分の考えを 変えることの繰り返しからなる。知識構成型ジグソー法は、グループで資料 を読み理解、違う資料を読んだ人が一人ずつ集まったグループで内容を説明 しあい、問いへの答えを発表することを基本とする1つの型である。この活 動は、アクティブ・ラーニングの先進例として注目され、コーディネータ教 員の養成、教材開発と共有のサイクルが着実に進んでいる。 学習指導要領などを見据えながらも、学習者の状況に応じた短いスパンで ゴールを設定、実践、結果を振り返って、再設定する「前向き授業」が、普 通の学校の普通の教室でこのサイクルを回していくことが可能となりつつあ る。さらには、対話の分析から思考の変化の分析を行い授業改善につなげた 成果も含まれている。5年間の活動成果はハンドブックにまとめられ、ホー ムページからも公開されている。. 5.デザイン学への期待 この寄稿を推敲して仕上げしようとしている折、デザイン学の教育プログ ラム開発を開発している先生から、最新の投稿記事の紹介をいただいた18)。 デザインを問題解決として捉えることは、1960年ころから始まり、2011年の 東日本大震災を経て、自然の力の前に人の作る科学技術や社会システムの限 界に気付き、都市やコミュニティの再設計の必要性が叫ばれ、異分野の専門 家が協働して社会システムをデザインすることの重要性が認識された。多様 な制約の下で利用可能な要素を組み合わせて、要求を満足する事物を生み出 す新しい理論や手法を与えるデザイン学の必要性も増した。 情報分野で最適化問題とも定義されたデザインは、「情報発信のメディア であった Web1.0の時代から、人々の集合知とともに進む Web2.0の時代へ移 行」 、Google や Facebook などによって「育てるデザイン」へと変貌した。デ. ザインの対象は、人と道具の接点から、社会と技術の接点へと広がったので ある。 デザイン学は、多くの深い専門的課題を含む複雑な社会の課題解決に向け て理論や道具を提供、こうした私の挑戦も応援してくれるものと期待してい る。教授から学習にパラダイムシフト、進化や発達の延長で認知や心理を理 解、有効な学びの場やコンテンツのデザイン、ICT の力も活用して学びを支. 援する方策や評価方法を科学的に体系化することに期待したい。図20は京都 図20 デザイン・スクール. 大学のデザイン学プログラムの概要の紹介である。. 95.

(11) 96. 特集:イノベーションデザイン論. 6.これから! 新たな教育理念が審議提案された。その啓発、浸透、社会実装はこれから の10年で実現すべき課題である。新しいシステムデザインの手法を導入、専 門分野の見方・考え方に学んで基本を把握、関係者の主体的対話を通して新 しい学校や教育システムが創造されることに期待したい。この際、幼稚園や 保育園、小学校から中学を経て高校、更には大学、社会を通して一貫しつつ も重点化、 「学び続ける」ことを可能として欲しい。図21はこうした観点か ら個人の「学びのイノベーション」への道をまとめてみた。 図21 学び続ける. 学びの科学の基本を深め、高校や中学の授業支援や共同研究を通して、ア クティブ・ラーニングを促す授業への改善に向けて、大学が推進と支援の母 体となり、授業実践の成果を蓄積、持続的発展を支える教育情報基盤を構築 することを願う。最近の改組で新設された東大の高大接続研究開発センター には、日本版 Collective Impact 実現の中心となることを期待したい。また専. 門家の集まりである学会は、深さに加えて積極的に越境、他の分野との連携 融合を推進して社会の基本的課題である教育改革、新たなシステム構築に寄 与することを望む。これらの願いも込めて、図22に改革推進へのアイデアを まとめた。. 図22 教育イノベーション?. 〈謝辞〉 本稿をまとめるにあたって論考を引用させていただいた原島博東大名誉教 授には、37年の企業人生後の東北大在職中から、学会の活動を通してご指導 いただき、近年では個人塾において、多くの学びをいただいていることを、 ここに深く感謝します。 また國藤進 JAIST 名誉教授には、社会人博士課程に在学中に加えて、教育. 改革についての多くの意見交換をさせていただき、日本創造学会の活動をお 手伝いさせていただくことを感謝します。 加えて、中央教育審議会の委員であり、部会長として今回の改訂審議を取 りまとめられた白梅学園大学の無藤隆先生は、大学入学時に同じ教室で講義 を受けた仲間。50年ぶりに再会して以来、数々のご教示いただいてきたこと を深く感謝します。. 〈エピローグ〉 インターネット、SNS は新たなコミュニティを生み出している。基本に回. 帰して学び、通心を新たなゴールとして越境して他分野に越境して飛び込む ことを勧めたい。ICT はリアルの機能をネットで拡大、時空間を超え、スパ. イラルの回転力を高めている。30年前光ファイバの実用化に取り組んだ一技 術者は、15年前に知識科学とイノベーションを学び、今、未来に向けて新た な文化の創造に向けた夢を膨らませている。 本稿執筆のお誘いを受けて7か月。一旦寄稿を断念したが、編集発行スケ ジュールの変更で猶予が。この間に指導要領改訂審議案は答申に、それに続 いて2週間前には指導要領案として公開され、パブリックコメントが募集さ れるに至った。また教科書への反映、ICT の活用、さらには教育情報システ. ムの在り方についての検討会や有識者会議が始まっている。今までにないス ピードを感じる。この2年間、いや前々回の答申以降20年近くにわたって構 想を温め、審議案の取りまとめに奔走された無藤隆主査は、フェイスブック を通して補足解説、具体的なイメージを発信されている。これらと連動して.

(12) デザイン学研究特集号  Vol.25-1 No.97. カリキュラム・マネージメントの実践を報告する校長先生の数が増えてい る。学校現場を知り尽くして60歳で定年となる校長こそ改革の原動力である と信じている。 これらシニアの活躍の場のデザインの挑戦目標が、Collective Impact 実現. のための仲間拡大への意欲を掻き立てている。1月、日本創造学会「アク. ティブ・ラーニング」特集号への寄稿、4月末には電子情報通信学会100周 年記念懸賞論文への投稿、5月の本稿最終校正では、左側の空きスペースに 追加した10枚以上の図面を活用したデザインと進化させてきた。次は12月の 研究イノベーション学会主催のフォーラム開催に向けて PDCA のスパイラ ルを廻したい。. 【参考文献】 1)NHK クローズアップ現代, “シリーズ未来をひらく2 物語の力が社会を変える”2014. 1. 7放送. http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/3448/1.html. 2)原島 博,“文化創造学としての工学”電子情報通信学誌 vol. 99,no. 4,pp 282-286,April 2016.. 3)原島 博 “工学の新たなパラダイムを求めて ─ オープンスパイラルモデルの提案 ─ ”同上. vol. 99,no. 4,pp 282-286,April 2016.. 4)文部科学省“幼稚園,小学校,中学校,高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善 及び必要な方策等について(答申)(中教審第197号)”. http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo0/toushin/1380731.htm. 5)教育イノベーションサブ分科会,“第4回「学びのイノベーション」フォーラム”政策研究大 学院大学 Dec. 3,2016. https://sites.google.com/site/lifjssprm/home/evens/forum4. 6)溝上慎一著:“アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換”,東信堂 7)小林昭文:“アクティブラーニング型授業の拡大 高校から大学へ”電子情報通信学会総合大 会2015年3月,TK5-1. 8)文部科学省:“学習指導要領改訂の方向性について”You-Tube. https://www.youtube.com/watch?v=1F4vye6XSTw&t=58s. 9)フェイスブックグループ「反転授業の研究」. https://www.facebook.com/groups/hanten/. 10)無藤 隆:“次期学習指導要領に向けて”フェイスブックノート. https://www.facebook.com/takashi.muto.39/notes?. 11)博士教育リーディングプログラムホームページ. https://www.jsps.go.jp/j-hakasekatei/saitaku.html. 12)ひらめき☆ときめきサイエンスホームページ. https://www.jsps.go.jp/hirameki/. 13)田中弥生:“コレクティブ・インパクトとは何か”. http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo14/shiryo/__icsFiles/afieldfile/2016/07/27/ 1374934_4.pdf. 14)日本創造学会 ホームページ. http://www.japancreativity.jp/creative_saloon_047.html. 15)筒井洋一  “ハイブリッドワークショップの創造と展開 ─ オンラインとリアルの越境 ─ ”  デザ イン学研究特集号 Vol. 25-1,No. 97,pp 98-108.. 16)東京大学ファカルティディベロップメント(東大 FD)ホームページ. http://todaifd.com/interactive/program.html. 17)東大大学発教育支援コンソーシアム推進機構 CoREF ホームページ. http://coref.u-tokyo.ac.jp/. 18)デザイン学とデザインスクールホームページ. http://www.design.kyoto-u.ac.jp/about/our-design. 97.

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参照

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