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CarcinologicalSociety0
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Japan幼生放出中のオオナキオカヤドカリ周辺に出現した
スナホリガ‘ニ
Emergence of the mole crab
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releasing larvae丹 尾 岳 斗
1*.村主暁重
2・水谷晃
3・土井
航
2・河野裕美
3 Taketo Nio,Ak
ishige Suguri,A
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a Mizutani, Wataru Doi, and Hiroyoshi Kohno. は じ め に 沖縄県西表島の網取湾西側に位置する網取 (240 19'N, 123041'E)には,かつて集落で生活していた人 が投棄した腹足類の員殻に寄居することで大型化し たオオナキオカヤドカリCoenobitabrevimanus Dana, 1852が生息する(水谷・河野, 2012).著者らは本 集落跡地に面する砂浜海岸で、本種の幼生放出につい て調査しており, 2010
年
7月
13日の夜間,波打ち帯 で の 幼 生 放 出 時 に 砂 中 か ら ス ナ ホ リ ガ ニ 類H伊>pa sp.が出現する行動を観察した.解化直後のオカヤド カ リ 類 の 捕 食 者 と し て は , ス ジ エ ビ 類Palaemon sp.や ボ ラ 類Lizamacrolepis (Smith,
1846) (lma釦ku,
2002),スズメダイ類(諸喜田, 2003)が知られるが, l東海大学大学院海洋学研究科 干424-8610静岡県静岡市清水区折戸3-20-1 Graduate Schoo1 ofMarine Scienceand Technology, Tokai University, 3-20-1 Orido, Shimizu, Shizuoka 424-8610, Japan 2東海大学海洋学部 干424-8610静岡県静岡市清水区折戸3-20ーl School of MarineScienceand Technology,
TokaiUniver -sity,3-20ー1Orido, Shimizu, Shizuoka424-8610, Japan E-rnail: [email protected] 3東海大学沖縄地域研究センター 干907-1541 沖縄県八重山郡竹富町上原 870ー
277 Okinawa Regiona1 Research Center, TokaiUniversity, 870-277 Uehara, Taketorni, Yaeyarna, Okinawa 907-1541,
Japan *現所属 (Presentaddress) :石川県中学校教諭 干920-0226 石川県金沢市粟崎町3丁目 211番 地 筆者らの知る限り,スナホリガニ類による捕食はこ れまで知られていないため,観察記録を報告する. . 材 料 と 方 法 2010年 7月
13日 18時-24時の間, 西表島網取の 砂浜海岸で,幼生放出したオオナキオカヤドカリの 周囲に出現したスナホ リカゃニ類の個体数を記録し た.種を査定するため,出現したスナホリガニ類を 3個 体採 集 し た . さ ら に,2013年 7月 5日 の 夜 間, 同海岸約 300rnの範囲において鋤簾(幅50crn,高 さ20cm,目合い5rnm)を用いて採集を行った.海 岸に対し5m間隔で合計60回,鋤簾を汀線に対し 垂直に約1m曳いた.種の査定はOsawaetal. (2010) に従った.国 語 果
1. スナホリガニ類の出現 2010年 7月
13日の西表島網取の砂浜海岸におい て 13個体のオオナキオカヤドカリの放幼生が観察 された.抱卵雌は宿貝が水にかかる程度の波打ち帯 から体全体が完全に水没する水深約50cmまでの範 囲で幼生を放出した.13個体中 3個体の幼生放出行 動を写真撮影したところ,少なくとも 8個体, 18個 体, 28個体のスナホリガニ類の出現が確認された(
図
1
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.スナホリガニ類が出現したのは放幼生が波 打ち帯で行われたときのみで,引き波に合わせて砂[ W
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r~ C~ 図1. 幼生放出するオオナキオカヤドカリ CoenobitabrevimanusDana, 1852とその周囲に出現したスナホリガニ 類Hippamarmorata (Hombron& Jacquinot, 1846).矢印はスナホリガ、ニを指す. 図2. オオナキオカヤドカリ Coenobitabreνlmanus Dana, 1852とスナホリガ、ニHippamarmorata (Hombron& Jacquinot,
1846). (2010年8月10 日撮影).A. 引き波に合わせて遊泳・旬旬 して幼生に群がるスナホリガニ.矢印はス ナホリガニを指す.B
波が号│いて底質が完 全に露出するとスナホリガニは潜砂する. 中から出現した.スナホリガニ類は遊泳または後ず さりしながら放出された幼生群に群がり(図2A), 波が完全に号│いて砂が露出すると再び潜砂した(図 28). また, Y;JJ生周辺では,砂中から眼と第l触角, 第l胸 脚 を 出 し た ま ま 静 止 し た prefeedingposture (Wenner, 1972)(図3) と,閉じ姿勢で第l触角と第 1胸脚を口器周辺に定期的に寄せる行動も観察され た.オオナキオカヤドカリが水中で幼生を放出した 場合では,スナホ リガニ類は出現しなかった.な お,prefeeding posωreはオオナキオカヤドカ リがい ない場所でも観察された.40
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.
スナホリガニ類の同定 2010年 7月
13日にオオナキオカヤドカリの幼生 放出時に出現 し た ス ナ ホ リ ガ ニ 類3個体を採集し 種を査定した.日本国内から報告されているスナホ リガニ属は,ハマスナホリガニHippaIrunca1tか
vns (Miers, 1878),スナホリガニH.marmorata (Hombron & Jacquinot, 1846), ミナミスナホリガニH.adactyla Fabricius, 1787の 3種 で あ る (三宅, 1982). これら 3種は,額角の数と甲側縁の剛毛束のくぼみの数, 後2種 は 第2・第3胸脚指節の縁の角度によって判 別される.額角が l葉で甲側縁の剛毛束のくぼみが ないのがハマスナホリガニ,額角が2葉で甲側縁の 剛毛東のくほみが約 40条並び,第2・第 3胸脚指節 の縁が鈍角なのがスナホリガニ,額角が3葉で甲側 縁の剛毛東のくぼみが約50条並び,第2・第3胸脚 指節の縁が直角なのがミナミスナホリガニである (三宅, 1982; Osawa et al., 2010). 採集した 3個体の 甲長はそれぞれ, 8.5mm, 9.6 mm, 10.1mmでいずれ も額角が2葉であったことから,スナホ リガニH marmorataであると査定された.20日年 7月
5日に は甲長5.6-19.6mm計
95個体が採集されすべてス ナホリガニであったことから,オオナキオカヤドカ リの幼生放出時に出現した個体はスナホリガニで あったと考えられる.図3.スナホリガニHippamarmorala (Hombron & Jacquinot, 1846)のprefeedingpost町eCWenner, 1972).
国
有 事
本研究ではオオナキオカヤドカリの放幼生個体の 周辺にスナホリガニが出現する行動が観察された. エニウェトク環礁のスナホリヵーニで、は,第l胸脚を 盛んに口器に寄せる行動が観察されており,これに よりアミ類や同サイズの動物プランク卜ンを摂餌す ると考えられている CWenner,1977). また,止水 条件での飼育下では,実際に胸脚の剛毛によってア ミを口器まで運ぶことが観察されている CWenner, 1977).本研究では胃内容物の分析など直接的な観 察は行っていないものの,西表島で観察されたスナ ホリガニの出現は,オカヤドカリのゾエアを捕食す るための行動の可能性が高い. スナホリガニ属は海岸に打ち上げられた動物を摂 餌する腐肉食性としても知られる.例えば,オアフ 島のスナホリヵーニはカツオノエボシPhysaliasp.,エ ニウェトク環礁ではヒメジMulloidichlhyssp.の打ち 上げ個体を摂餌することが観察されている CMat -thews, 1955; Wenner, 1977). また,野外実験におい ては波打ち帯に静置された軟骨魚類,頭足類,十脚 類など動物性の餌にスナホリガニが誘引され,これ らを摂餌することも知られている CWenner,1977; Fusaro, 1978).腐肉食においては,第l胸脚を用い て 動 物 遺 骸 を 捉 え る 行 動 が 観 察 さ れ て い る CWenner, 1977).一方,相模湾のハマスナホリガニ は第3顎脚を用いて生きている端脚類・多毛類を捕 食することが観察されている(加藤・鈴木, 1992). 小型のハマスナホリガニは飼育下においてアルテミ アのノープリウス幼生を捕食すると記載されている が(加藤・鈴木, 1992),その摂餌方法の詳細は不 明である.以上のように,スナホリガニ属には付属 肢剛毛を用いたプランクトン食,第l胸脚を用いた 腐肉食,第3顎脚を用いた肉食といった異なる摂餌 生態がみられることから,餌生物の利用可能性に応 じて摂餌方法を選択する可能性もある. しかし,幼生摂餌に関与する器官の形態と機能について詳細は 不 明 で あ り , 第1触 角 お よ び 第l胸 脚 の 剛 毛 の 微 細 構 造 を は じ め , 今 後 の 研 究 で 明 ら か に し て い き た
•
、
し 本研究では,オオナキオカヤドカリ幼生の捕食者 として,新たにスナホリガ、ニに着目した.オオナキ オカヤドカリは個体によっては水深 50cmほどまで 潜って幼生を放出した.このようなオカヤドカリ類 の幼生放出水深の変異は,同一種内でも観察される ことから幼生放出場所の地形と関係があると考えら れているが CNakasone,2001),スナホリガ、ニのよう な 補 食 者 と の 関 係 に つ い て も 興 味 が も た れ る.ま た,本調査地ではミナミオカガニ Cardisomacarnifex (Herbst1796)をはじめ,様々な陸生甲殻類の幼生放 出が観察されていることから(津本ら, 1988;村主, 私信),スナホリガニはこれらの幼生を餌生物とす る可能性もある. こ れらの疑問は非常に興味深く, 今後も調査を継続する予定である.. 謝 辞
東海大学沖縄地域研究センター技術員の崎原 健 氏には,鋤簾の製作・改修をはじめ, 研究の様々な 面でご協力いただいた.東海大学大学院海洋学研究 科修士課程の井上太之氏にはスナホリガニの採集・ 写真撮影にご協力いただいた.本研究は学校法人東 海 大 学 総 合 研 究 機 構 「 東 海 大 学 沖 縄 地 域 研 究 セ ン ター研究教育助成」の援助を受けた.. 支
了
一
蔽
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