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Gn-Rhaによる骨量減少に対するビスフォスフォネート系薬剤の年齢差による予防効果の検討-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)

日本産科婦人科学会香川地方部会雑誌 vol. 7

No. 1

pp.41 - 45

2005(平17

9月 41 著 原

Gn-RHa

による骨量減少に対する

ピスブオスフォネート系薬剤の年齢差による予防効果の検討

香川県立中央病院産婦人科

斎 藤 央 , 堀 口 育 代 , 西 口 園 恵 , 林 良 宣 , 米 津 優 , 川 田 清 繭

概 要 81-冊ねによる子宮筋腫の治療における骨量減少 の副作用の軽減のためビスフォスフォネートを併 用し、その効果を検討した。 81- 時~a を 6 ヶ月間投 与し、ビスフォスフォネートを併用した投与群と 併用しない対照群とに分け、治療前後に血清

¥

r

r

x

と CXD法による骨塩量を測定し検討した。その結 果、対照群では骨吸収が先進し骨密度が減少する 副作用を認めた。副作用の予防を目的とした投与 群でも骨吸収の先進がみられたため、投与群を年 齢により区分し検討した。

4

5

歳未満では骨代謝に 影響はなくビスフォスフォネート併用による骨吸 収抑制効果が認められた。

4

5

歳以上ではビスフオ スフォネートを併用しているにもかかわらず、骨 吸収が冗進し骨密度が減少する副作用を認めた。こ れまでの報告ではビスフォスフォネート併用によ る骨吸収抑制効果が、年齢の区別無く認められて いるが、今回の結果より閉経年齢に近い症例では Gト時~a 投与による骨代謝への副作用の予防に更な る配慮が必要であると恩われた。 緒 己 Gn-RHaは子宮筋腫の治療法として幅広く臨床応 用されているが、優れた治療効果をもっ反面、エ ストロゲン分泌を抑制することから、骨密度に対 する好ましくない影響1) 2)が懸念される。その副 作用を軽減するためのAdd-Back療法も有用性が認 められているが、今回われわれは、 Gn-RHaによる 子宮筋腫の治療にピスフォスフォネートを併用し、 骨量減少に対する予防効果を検討した。 対 象 お よ び 方 法 対象は、平成15年4月より当科で初めて子宮筋 腫と診断されGn-RHaで治療した22例であり、Gn RHaとピスフォスフォネートを併用した症例を治 療群、 Gn-RHaのみ投与した症例を対照群とした。 投与法はGn-RHa(酢酸リュ}フ。ロレリン1.88mg) を4週ごとに6回、ピスフォスフォネート(リセ ドロネート 2.5mg)をGn-RHa開始と同時に、 Gn RHa終了後4週間まで投与した(図1)。治療群は 15例で年齢32~ 48歳(平均40.2士5.62歳)、対 酢 恥 プ ー

j

2

3

4

5

6

1.88mgl4weeks

初診

Ow 4w 8w 12w 16w 20w 24w

軍国

a

-中

リセドロネート 2.5mg/day

骨密度および、血清NTx;~IJ 定 図1 プロトコーノレ

(2)

42 (%)

20 40 60 80 100 Gn-RHaによる骨量減少に対する 産婦香川会誌7巻1号 ピスフォスフォネート系薬剤の年齢差による予防効果の検討 対源群 ビスホスホネート 投与群

o

4 8 12 16 20 24 (weeks) 図2 Gn-RHa治療による子宮筋腫の縮小率

NTx

YAM

9.8土1.74 12.8士2.73 97.0土11.21 94.0土9.52 前 後 前 後 pく0.01 pく0.05 図3 ピスフォスフォネート製剤非投与群 (n

=

7) (年齢:28~ 48歳 平 均 :38. 5:!: 6.89)

NTx

YAM

9.1土1.82 12.4土3.08 98.1土5.54 96.8土6.04 前 後 前 後 p<O.Ol 図4 ピスフォスフォネート製剤投与群 (n

=

15) (年齢:32~ 48歳 平 均 :40.2土5.62) 照群は7例で年齢 28~48 歳(平均 38.5土6.98歳) で、あった。子宮筋腫に対する治療効果は体積の縮 小率で比較した。体積計測は超音波断層法により 3方向の径を測定し、近似楕円体の式にて算出し た。骨代謝の評価として骨代謝マーカー(血清 NTX: I型コラーゲン架橋 Nーテロペプチド)およ び骨塩量

(

M

D

法・

CXD

装置)を治療開始前とピ スフォスフォネート終了時に測定した。なお骨塩

(3)

2005年9月 斎藤他 43

NTx

YAM

96.8土4.74 96.6土6.23 9.3士1.27 11.0士1.88 回F 45歳未満 36.6土4.10 11=9 前 後 前 後 8.9土2.57 14.5士3.44 100.0土6.51 97.2土6.31 45歳上 45.7土1.37 11=6 前 図5 ピスフォスフォネート製剤の年齢による効果の差 量の評価はYAM (young adult mean)値で比較した。 なお、統計学的検定はpairedt一testを用い、 pく0.06 をもって有意差ありとした。 結 果 Gn-RHaによる子宮筋腫の治療効果は、両群とも 縮小率でみると約40%であった(図2)。骨代謝 への影響をみると、ピスフォスフォネート非投与 群では、血清NTX(nmoIBCE/I)は9.8土1.74から 12. 8土2.73に有意に上昇し、 YAM値(%)は 97. 0土11.21から94.0土9.62に有意に低下し、骨 吸収が克進し骨密度が減少する副作用を認めた(図 3)。ピスフォスフォネート併用群では、血清NTX は 9.1土1.82から 12.4土3.08に有意に上昇し、 YAM 値は98.1土6.64から96.8土6.04に有意では ないが低下傾向を示した(図4)。このことは、こ れまでのどスフォスフォネート併用による骨吸収 抑制効果の報告3) とは異なる結果で、あった。そこ でどスフォスフォネート併用群を 46歳未満と 46 歳以上の 2群に分けて検討した。 46歳未満では血 清NTXは9.3土1.27から 11.0土1.88にわずかに 上昇したが、YAM値は96.8士4.74から96.6土6.23 に変化を示さず、骨代謝に影響はなくピスフォス フォネート併用による骨吸収抑制効果が認められ た。 46歳以上では血清 NTXは 8.9土2.67から 14. 6士3.44に有意に上昇し、YAM値は100.0士6.61 から97.2土6.31に有意な減少を示し、骨吸収が允 進し骨密度が減少する副作用を認めた(図5)。因 みに、ピスフォスフォネート非投与群では、年齢 差による副作用の差は認められなかった。

考 察

骨代謝動態の指標として骨代謝マーカーは普及 して来た。骨粗諮症に保険適用のある骨代謝マー カ_4)には、 DPD(デオキシピリジノリン)、 CTX (I型コラーゲン架橋Cーテロペプチド)、 NTXがあ る。 DPDは架橋成分で、骨吸収マーカーのスタン ダードとされてきたが、ピスフオスフォネート治 療の指標としては、変化が乏しく効果を判定しに くいといわれている。 CTXはピスブオスフォネー ト治療による変化率は NTXより大きいが、変動 (SD)5)や食事の影響日)はNTXの方が少ない。そ のため今回は骨代謝マーカーとして血清NTXを測 定した。血清NTXは14nmolBCE/1をcutoff値と して臨床応用7)されている。 骨塩量の測定はDXA法(dual-energyXray absor ptiometry)が一般的であるが、今回はMD法(micro d巴nsitometry)のCXD装置 (computedX-ray densi tometry)により中指骨を測定した。 CXD法と DXA 法の相関性的を図6に示すが、信頼性は高いと思 われる。 Gn-RHaは子宮筋腫の保存的治療法として普及し

(4)

産婦香川│会誌7巻 l号 Gn-RHaによる骨量減少に対する ピスフォスブオネート系薬剤の年齢差による予防効果の検討 44

r

=

0.958

l

:

GS

/D値

y=0.226x-0.033

p

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O

.

O

O

l

4.000 2.000 0.000 BMD(g/cm2) 0.800 0.600 0.400 0.200 0.000 とDXA法の相関性 MD 法 (CXD法) 図6 Add-Back療法群 (%)

-

5

骨密度低下率 対照群 pく0.05 牢 ハ

υ

4 E E A GnRHa投与期間(月) より引用)

6

Add-Back療法による骨密度の低下防止効果(文献 (9)

3

図7 SERM投与群 (%)

-

5

骨密度低下率 対照群 pく0.05 申

-

1

0

Gn

a投与期間(月) より引用)

6

SERMによる骨密度低下防止効果(文献 (10)

図8 よる効果の差をみたものはない。 今回の結果では、年齢差を考慮しないビスフオ スフォネート併用群全例では、明確な予防効果は 認められず、むしろ副作用の発症する傾向がみら れた。そこで一般的に更年期の開始年齢とされる ているが、骨密度低下の副作用は重大な問題であ る。そのため副作用抑制のためAdd-Back療法的な ども応用され良好な効果が認められている。また 骨粗菜室症治療剤であるピスフォスフォネート製剤 による副作用抑制の報告もされているが、年齢に

(5)

2005年 9月 斎藤他 45歳を女性の老化のturningpointと捉え、 45歳 未 満と 45歳以上の2群に分けて検討した。その結果 45歳未満ではピスフォスフォネートの副作用予防 効果が認められたが、更年期に近い45歳以上では 骨密度減少の副作用が認められ、ピスフォスフオ ネートの副作用予防効果は期待できない結果であっ た。 骨粗繋症の治療斉りとして新たに採用されたもの にSERM (selective巴strog巴nr巴ceptormodulator)が ある。 SERM併用による Gn-RHaの副作用予防効 果も報告10) 11)されており、 Add-Back療法(図7) と同様の有用性(図8)が示されている。 Gn-RHaによる子宮筋腫の治療では、骨量減少な どの副作用を常に念頭に置く必要がある。これま 45 rinol Metab 2000; 85 : 3537-3540.

6) Clowes JA,Hannon RA均 TS,HoyleNR,Blumsohn A, Eastell R. E宜ectoffeeding on bone turnover mar-kers and its impact on biological variability of measu-rements. Bone2002 ; 30 : 886-890 7) 吉村典子、中塚喜義、斉藤真一、西沢良記、内 山真由美、三浦雅一. 一般住民における血清 I 型コラ}ゲン架橋Nテロペプチド (NTX)お よび血清 I型プロコラーゲン N 末端ペプチド (P悶P)の性・年齢別基準値設定の試み.Oste -oporosisJpn2002; 10: 171-176. 8) 松本千鶴夫、串田一博、井上哲郎、妹背和男、 吉田誠.各種骨量測定法の実際、改良型M D法 (CXD法).THE BONE 1991 ; 5 : 53-58. 9) 合阪幸三.アド、パック療法. 日本臨床2001;59: で副作用に対する様々な併用療法が報告されてき 129-132. たが、年齢による効果の差は検討されていない。 Gn-RHa療法による副作用を軽減するための併用療 法は、更年期医療における tailormade医療と同様 に、年齢因子による個別化が必要であると思われる。 文 献 1) 佐藤広造、渋谷守重、早川正明、佐々木英明、 古尾敬徳、高橋真.Gn-RHアゴニスト療法の 骨代謝動態に及ぼす影響. 日本産科婦人科学会 秋田地方部会誌2002;8: 3-7. 2) 阿高 紫、江上りか、小金丸泰子、野崎雅裕、 中野仁雄.Gn-町Tアナログ、ダ、ナゾール使用症 例における骨密度の検討.Osteoporosis Jpn 2003; 11 : 33-36. 3) 合阪幸三、土居美佐、佐々木弓子、秋山純子、 尻高史啓、小畑清一郎.子宮内膜症に対するbis -phosphonateを併用したGn-陪Iagonist療法.エ ンドメトリオーシス研究会会誌2003;24:136-141. 4) 日本骨粗懸症学会,骨粗懇症診療における骨代 謝マーカーの適正使用に関する指針検討委員会. 骨粗懸症診療における骨代謝マーカーの適正使 用 ガ イ ド ラ イ ン .Osteoporosis Jpn 2004 ; 12 : 191-207. 5) Greenspan SL, Rosen HN, RA Parker. Ear1y changes in serum N-Telopeptide and C-Telopeptide cross-lin -ked collagen type 1 predict long-term response to Al回 endronate therapy in elder1y women. J Clin Endoc-10) Palomba S, Orio F, Morelli M, Russo T, Pellikano M, Nappi C, Mastrantonio P, Rombardi G, Colao A, ZulloF.Raloxifene administration in women treat -ed with Gonadotropin-Releasing Hormone Agonist for uterine leiomyomas : Effects on bone metabo1ism. J Clin Endocrinol Metab 2002 ; 87 : 4476-4481. 11) Palomba S, Orio F, Russo T, Falbo A, Cascel1a T,

Doldo P, Nappi C, Rombardi G, Mastrantonio P, Zul10 F.Long-term effectiveness and safety ofGnRH

agonist plus raloxifene administration in women with uterine leiomyomas. Hum Reprod 2004; 19 : 1308-1314.

参照

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