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膵移植における血管閉塞の発生機序に関する研究 第1報 : 膵移植における血管閉塞の発生機序に関する研究(第2報)

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Academic year: 2021

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(1)

184 (68) 氏名(生年月日) 本 籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

カ ワイ タツ ロウ

河合達郎(昭和31

医学博士 乙第1146号

平成3年1月18日

学位規則第5条第2項該当(博士の学位論文提出者)

膵移植における血管閉塞の発生機序に関する研究(第1報) 膵移植における血管閉塞の発生機序に関する研究(第2報) (主査)教授 太田 和夫 (副査)教授 平田 幸正,武田 佳彦

論 文 内 容 の 要 旨

研究目的 膵移植では血栓症の発生頻度が高いが,その原因と して,吻合に用いられる脾動・静脈の容量に対して膵 それ自体の慮流量が不相応に少なくな:ることが推測さ れている. 本研究では,膵自家移植modelおよび部分膵移植と 同様の血行動態をもつin situ modelを使用して膵移 植後における血栓症の発生機序につき主として術後の prostaglandinの変化から検討した. 方法 実験(1) 10-20kgの雑種成犬22頭を用い,部分膵自家移植を 施行した.手術前後に末梢血における血小板凝集能を 検査するとともにthromboxane A2(TXA2)ならびに prostacyclin(PGI2)それぞれの安定代謝物である thromboxane B2(TXB2)および6-keto-prostaglandin Flα(6KPGF1α)を測定した. 実験(2) 10-20kgの雑種成犬10頭を全身麻酔下に開腹し,ま ず暴動・静脈を本門部で結紮切離して脾摘を行い,次 に脾・動静脈の膵への分枝だけを残し他の分枝は結紮 切離して膵左葉を遊離した.さらに右葉との境界で膵 を切断することにより部分膵移植と同様の血行動態を

持つin situ modelを作製した.この手術前後に末梢血 および脾動・静脈血を採取して実験(1)と同様の検査を 施行した. 結果 (1)自家移植modelでは,22頭のうち9頭に血栓形 成がみられた.その内訳は,静脈血栓が3頭に,動脈 血栓が6頭に認められ,前者はすべて術後48時間以内 に,また後者は術後3日から7日(平均4.6±1.0日) に発生した. 末梢血のTXB2は,術後6日において794.0±510.7 pg/mlと術前の182.7±112.2pg/mlと比較して有意 (p<0.01)に上昇した.一方,6KPGF、αは手術前後で 変化なく,TXB2/6KPGF、αは術後6日において有意 (p<0.05)に高値をとった.また血小板最大凝集率で は,術後6日が71.0±27.2%と術前の15.2±9.4%と比 較して有意(p<0.01)な上昇が認められた.

(2)in situ mode1において,末梢血のTXB2は術後 3日で1,032士1,340pg/ml,術後6日が578±465pg/ m1と高く,術前の229±98pg/mlと比較して術後6日 において有意差(p〈0.05)がみられた.これに対して 6KPGF、αは,手術前後で変化なく,TXB2/6KPGF1慶 は術後3日と6日において有意(p<0.01)に高値で あった.また血小板最大凝集率は,術後3日が62±28% と術前の16±8%と比較して有意(p〈0.01)な上昇が 認められた.

また流入血管である脾動脈血のTXB2は術前が

295±118,術後2時間が610±513pg/m1と著明な変化 がみられた.また流出血管である脾静脈のTXB2も術 前が745±217,術後2時間が2,283±1,385pg/mlと有 意(p〈0.01)に上昇した. 一794一

(2)

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考察

膵自家移植modelにおいてみられた術後のTXB2/

6KPGF、αの不均衡はin situ modelにおいても認めら れることより,これらのprostaglandinの変化は膵移

植における特異な血行動態に基づくものと考えられ

る.さらにin situ mode1における膵動・静脈のTXB2

が術後著明に上昇していることを考慮すると,TXB2 は盲端となった脾動静脈の中で産生されているものと 考えられた. 結論 膵移植後の血栓症の原因として,特異な血行動態に

よりひきおこされたTXA2とPGI2の不均衡が深く関

与しているものと考えられた.

論 文 審 査 の 要 旨

本研究は膵移植に多発する血栓症の成因を解明するため,イヌについて同種膵移植,ならびにこれと同様の 循環動態を持つ実験モデルを作製して吻合された脾動・静脈血中のthromboxane B,(TXB2)およびprostag-

1andin FIα(PGF、α)を測定し, TXB2/PGFIα比の上昇が血栓形成の主要な原因であることを証明したもので,

臨床上,学術上,価値あるものと認める. 主論文公表誌 膵移植における血管閉塞の発生機序に関する研究 (第1報) 移植 第24巻 第3号 270-283頁(平成元年6月10日発行) 膵移植における血管閉塞の発生機序に関する研究 (第2報) 移植 第25巻 第3号 265-270頁(平成2年6月10日発行) 副論文公表誌

1)The study of thrombosis after canine pan・ ceatic transplantation(イヌ膵移植における 血栓症に関する研究) Transplantation Proceedings 20(ユ): 908-909, 1988 2)透析患者と胆 臨床透析 14(13):37-42,1988 3)腎移植 現代医療 20:2773-2779,1988 4)外科における抗菌抗生物質の使い方;腎不全 外科 51(11):12004205,1989 5)シャントならびに末梢血管の手術 臨床透析 5(8):289-293,1989

6)Modulation of prostaglandin metabolism by K-MAP and prevention of toxic ef〔ect of cyclosporin on pancreatic islet cells(K-

MAPによるProstaglandin代謝の調節と

Cyclosporinの膵ラ島細胞毒性に対する予防

効果)

Diabetes 38(Suppl 1):120-125,1989

参照

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