• 検索結果がありません。

松井宏興教授・西尾幸夫教授退任記念論集によせて

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "松井宏興教授・西尾幸夫教授退任記念論集によせて"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

松井宏興教授・西尾幸夫教授退任記念論集によせて

著者

永田 秀樹

雑誌名

法と政治

68

2

ページ

1(147)-3(149)

発行年

2017-08-30

URL

http://hdl.handle.net/10236/00026016

(2)

2016年 3 月末日をもって, 私たちが深く敬愛してきた松井宏興先生と 西尾幸夫先生が本学を定年でご退職されました。先生のご在任中のご活躍 と, 法学部, 司法研究科に対する多大なご貢献に感謝し, ここに『法と政 治』のご退任記念号を編集いたしました。 松井宏興先生は, 1970年に大阪市立大学法学部を卒業された後, 大阪 市立大学大学院法学研究科修士課程, 同博士課程を経て, 1975年に甲南 大学法学部に専任講師として就任され, 1977年同助教授, 1983年に同教 授となられました。本学へは西尾先生と同じく2001年に法学部教授とし て就任されました。司法研究科への移籍も西尾先生と同じく2004年 4 月 の司法研究科発足と同時でした。以後2016年 3 月まで波乱に満ちた司法 研究科の発展とともに歩まれ, 司法研究科に多大のご貢献をなさいました。 松井宏興先生の主な研究対象は, 広く財産法と呼ばれている分野ですが, 財産法の中でもとくに, 債権担保法を中心に研究してこられました。当初 は, 所有者が自己の不動産上に有することのできる抵当権である所有者抵 当という, わが国にはないドイツの抵当制度を研究されました。その後プ ロイセンを中心とするドイツ抵当制度の歴史研究に関心が移り, さらには, 単なる債権担保手段にとどまらず不動産への投資の媒介手段を果たす近代 的抵当権論の本質や特質に関する抵当制度の基礎的な研究にも対象を広げ

松井宏興教授・西尾幸夫教授

退任記念論集によせて

法政学会副会長・司法研究科長

法と政治 68 巻 2 号 ( 2017 年 8 月) 1( 147 )

(3)

られました。 それらの成果は,『抵当制度の基礎理論―近代的抵当権論批判』(法律文 化社, 1997年)にまとめられています。このほか, わが国の抵当制度の 研究として, 抵当不動産の賃料債権などへの抵当権の効力を認める抵当権 の物上代位や, 土地と地上建物の一方または双方に設定された抵当権の実 行によって土地と建物の所有者が異なるに至った場合に法律上当然に認め られる土地利用権である法定地上権に関するものなどがあります。さらに, 譲渡担保や所有権留保についての判例研究があります。 法科大学院に移られると同時に, 研究と並行して講義用の教科書の執筆 に取り組まれ,『民法Ⅲ(債権担保法)上』(関西学院大学出版会, 2005 年),『担保物権法[民法講義3]』(成文堂, 2007年),『債権総論[民法 講義4]』(成文堂, 2013年),『物権法[民法講義2] (成文堂, 2017年) という民法の講義シリーズを公刊なさいました。 授業, 演習は, 明快でわかりやすい反面, 厳格な指導で知られ学生に畏 敬される存在でもありました。定年後も非常勤講師として講義を担当され るかたわら, 講義シリーズの執筆も継続しておられます。先生の末永きご 健康とご活躍を祈念いたします。 西尾幸夫先生は, 1971年に立命館大学法学部を卒業された後, 大阪大 学大学院法学研究科修士課程, 同博士課程を経て, 1977年に滋賀大学経 済学部に就職され, その後, 1983年に龍谷大学法学部に移られ, 2001年 に本学の法学部教授として就任されました。2004年の司法研究科発足に 際して, 司法研究科で教えられることになり, 法曹の輩出を学修面から支 えるとともに, 司法研究科の教務主任を4年にわたって務められるなど, 本学に多大なご貢献をされました。 先生のご研究は会社法ですが, その領域は広く, いわゆるコンツェルン 2( 148 ) 法と政治 68 巻 2 号 ( 2017 年 8 月)

(4)

規制に関わる問題を基軸として, 会社支配権に関わる問題や会社組織をシ ステムとして捉える考え方に関心をもち, その延長として, 営利企業法人 の本質論にも深い洞察を加えてこられました。 いわゆる団塊の世代の一つの特徴だと思われますが, 先生は, マルクス 主義の感化も受け, 企業の従業員, 下請け企業あるいは少数株主(一般株 主)など, 経済的・社会的に弱い立場にある者をいかに保護するかをつね に考えてこられました。ただ, 1980年代末の社会主義国の崩壊の後, そ の立ち位置に揺らぎが生じたことから, より根源的に法人の本質に迫るこ とを研究の中心に据えて, ドイツの最新の理論や判例の紹介にも取り組ん でこられました。 教育の面においては, 法制度のあり方を含めた基本的な問題をも提示し つつ, 学生・院生にわかりやすい授業を常に心がけてこられました。先生 の下から優秀な研究者が育ってきたのも, 先生のこのような研究姿勢が影 響しているものと考えられます。また, 司法研究科では, より実践的な紛 争解決のための授業が求められますが, 緻密な解釈をわかりやすく教える 姿勢を一貫して貫き, 多くの院生を法曹界に送りだす上で多大な努力を払 われてきました。 定年後は, 研究を続けられる一方で, 司法研究科の非常勤講師として引 き続き講義・演習を担当されています。また, 還暦を過ぎて始められたサ イクリングはヒルクライムに挑戦するほど本格的なものです。今後とも健 康に十分留意されて末永く研究を継続され後進を導いてくださるように祈 念いたします。 法と政治 68 巻 2 号 ( 2017 年 8 月) 3( 149 )

参照

関連したドキュメント

社会,国家の秩序もそれに較べれば二錠的な問題となって来る。その破綻は

を,松田教授開講20周年記念論文集1)に.発表してある

現実感のもてる問題場面からスタートし,問題 場面を自らの考えや表現を用いて表し,教師の

このように、このWの姿を捉えることを通して、「子どもが生き、自ら願いを形成し実現しよう

えて リア 会を設 したのです そして、 リア で 会を開 して、そこに 者を 込 ような仕 けをしました そして 会を必 開 して、オブザーバーにも必 の けをし ます

2/18 部会後 指摘 3/24 部会に て回答. いちょう並木の高さと熱源施設

市民社会セクターの可能性 110年ぶりの大改革の成果と課題 岡本仁宏法学部教授共編著 関西学院大学出版会

⇒規制の必要性と方向性について激しい議論 を引き起こすことによって壁を崩壊した ( 関心