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[依頼総説]ヒトは なぜ 太ってしまうのか? -脂肪細胞科学の進歩が拓く 肥満の病態解明と治療の展望-: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Rights. [依頼総説]ヒトは なぜ 太ってしまうのか? −脂 肪細胞科学の進歩が拓く 肥満の病態解明と治療の展望 − 益崎, 裕章. 琉球医学会誌 = Ryukyu Medical Journal, 29(1・2): 15-22. 2010. http://hdl.handle.net/20.500.12001/4683. 琉球医学会.

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(57) . ヒトは なぜ 太ってしまうのか?.  脂肪組織が担う臓器間ネットワークは肥満症の病態解 明・創薬の鍵を握る. 肥満を伴う2型糖尿病に対する過 剰なインスリン療法, 過剰なインスリン分泌刺激剤の投 与の問題点として, 肥満の助長や脂肪肝の増悪に代表さ れる非脂肪組織に対する脂肪蓄積の問題点がクローズアッ プされており, 肥満外科手術による強制的減量が予想以 上に優れた糖尿病改善効果をもたらすことと合わせ, 肥 満症克服の根本は食欲の制御にある1). 肥満に伴う高イ ンスリン血症は 減量困難性をもたらし, 消化管からの 脂質吸収や肝臓における脂質合成を促進し, 腎臓からの ナトリウム再吸収を高め, 血圧上昇をもたらすなど, 組 織特異的, 作用特異的にインスリン抵抗性とインスリン 作用過剰がまだら模様のように混在する複雑な病態を形 成する (図1)2)..  肥満における組織特異的・作用特異的なインスリン 抵抗性とインスリン作用過剰. エネルギーの出納バランスが成立する適正な摂取カロ リーから僅かに1%オーバーする過食を年間続ける と平均 kgの体重増加をもたらす3). 野生動物の場合, 消化管, 膵臓, 肝臓, 脂肪組織で感知された末梢組織の 栄養情報はホルモン (アデイポカイン) や自律神経系を 介して視床下部に到達し, 体重・食欲を精妙に調節して いる. 一方, 大脳皮質から視床下部への投射が大きいヒ トの場合は視覚情報, 雰囲気, 過去の体験記憶が食行動 に大きく影響し, 人工的に作り出された高脂肪食の旨味 は食欲感知機構を破綻させる. 本総説では肥満症の分子メカニズムに関する最近の進 歩を私達の研究成果を交えて御紹介する.. 

(58)   ! "#$%&'(% ) *+,#-./"01231 レプチンはアデイポカインと総称される脂肪細胞由来 分泌因子のプロトタイプであり, 脂肪細胞の肥大化に伴っ て分泌量が増加し, 血中レプチン濃度は体脂肪量を鋭敏 に反映する. レプチンの主な作用点は視床下部に発現す る受容体であり, 食欲の制御, 交感神経活動性の上昇を 介する熱産生, 褐色脂肪組織や骨格筋における糖利用, 脂肪酸燃焼の促進をもたらす4). 肥満状態ではレプチン の作用不全が生じており, 血中レプチン濃度が上昇する にもかかわらず濃度に見合ったレプチン作用が発揮され ない (レプチン抵抗性). レプチンが受容体に結合した のち, STAT3,PI3キナーゼ, AMPキナーゼな どを介した複雑な食欲調節シグナルが伝達されるが, 高 脂肪食は受容体以降のレプチンシグナル伝達経路を可逆 的に障害する34). レプチンは間脳・下垂体機能の調節にも深く関与して おり, 血中レプチン濃度が極度に低下する絶食・飢餓状 態では甲状腺ホルモン, 成長ホルモン, 性ホルモンの分 泌が抑制され,“ストレスホルモン”である副腎皮質ホ ルモンの分泌が著しく増加する. 飢餓との戦いであった 進化過程におけるレプチンの本来の役割は このような 神経内分泌調節であったと考えられている. 食物が欠乏 し, 生き残りを賭けた危機的状態では余計なエネルギー 消費を抑え (甲状腺機能の抑制), 成長を止め(成長ホル モン,   の抑制), 種族保存も切り捨て(性ホルモン の抑制), ストレス軸として機能するCRF,ACTH, コルチゾル系を活性化する必要がある. 痩せすぎた女性 に観察される無月経に対して欠乏したレプチンを補充す ると月経サイクルが回復する. 海外では視床下部性無月 経に対する治療薬としてレプチンを応用する試みが進ん でいる5).. 456789:#(%3;<# => ?@ABCD レプチンの持つ糖・脂質代謝活性化作用は体重減少効 果とは独立したものであり, マウス(遺伝的レプ チン欠損マウス)や

(59)  . マウス (脂肪萎縮症モデ ルマウス)などの“レプチン欠乏動物”やレプチンを欠 損するヒトに対するレプチン補充によって糖・脂質代謝 異常, インスリン抵抗性, 脂肪肝が速やかに改善する. この知見はヒト脂肪萎縮症の代謝改善治療に応用されて おり, 安全で優れた治療成績が蓄積されている6). レプチンは視床下部の受容体に結合したのち, 交感神 経を経由して骨格筋  キナーゼを活性化させ, 脂 肪酸 酸化を促進し,“異所性脂肪蓄積”である骨格筋内 の脂質を燃焼させ,“脂肪毒性”を軽減する. 近年, 肥.

(60) 益崎. 裕章. . 満症悪化の要因として, 皮下脂肪組織を充分に蓄えられ ない体質 (遺伝的背景)が内臓脂肪や骨格筋, 肝臓, 膵 臓, 心臓, 血管壁などの“非脂肪組織”に過剰な脂質蓄 積 (        .  

(61) )をもたらし,“異所性脂肪 蓄積”が個々の臓器の機能障害を招来するという概念 (    .       ) が注目されている7). メラノコ ルチン4型受容体() は視床下部 室傍核 (PV N)に高発現し, 受容体に結合したレプチンによって誘 導されるαMSHをリガンドとすることにより, レプチ ンによる摂食抑制作用の情報伝達における中心的役割を 果たす24). レプチン過剰発現トランスジェニックマウ ス( )の解析から, 骨格筋 活性が視床下部 におけるレプチン感受性を鋭敏に反映することが明らか になっている8) . 通常食で飼育する限り,  は脂 肪組織量の著しい減少, 交感神経活動性の亢進, 正常マ ウス以上の優れた耐糖能とインスリン感受性を示すが, ひとたび高脂肪食で飼育すると急速にレプチン抵抗性が 誘導され, 野生型同胞以上に肥満する. 一方, 高脂肪食 で肥満させた  を通常食に戻して飼育すると野生 型同胞よりも速やかに肥満や糖脂質代謝異常が改善され る8) (図2). 高脂肪食によって誘導されるレプチン抵抗性のメカニ ズムにアプローチするため, 高脂肪食負荷  や

(62)  マウス (メラノコルチン受容体アンタゴニスト として作用する

(63)  蛋白が全身性に過剰発現する遺 伝性肥満マウスで の阻害効果によって黄色体 毛を呈する)に対する アゴニスト(   ), アンタゴニスト( )の脳室内投与を行 い, 骨格筋 活性の変化を解析した. まず, 野生 型マウスに アゴニスト(   )を脳室内投与 し, 骨格筋における 活性を検討した結果,   はレプチンに匹敵する 活性の上昇をもたらし,. その上昇度は通常食で飼育された  骨格筋で観察 される 活性と同等であった. 一方, ア ンタゴニスト()の脳室内投与では レプチン によって誘導されるはずの骨格筋 や標的酵素で ある アセチル カルボキシラーゼ ()の活性化 が遮断され, 交感神経を介する骨格筋 活性化作 用が視床下部メラノコルチン系に依存することがわかっ た. この仮説を遺伝的モデルマウスで検証するため, 6 週齢

(64)  ( ) マウス(この段階では未だ肥満は 発症しておらず, 血糖値も対照 マウスと変わらな い)に対してレプチンを脳室内投与して骨格筋  活性を解析したところ, 投与の場合と同様, 活性の上昇は観察されなかった. 高脂肪食負荷  に対して同様の実験を行ったところ, レプチン の脳室内投与では観察されなかった骨格筋 の活 性化は  の投与によって通常食飼育  で観察 されるレベルにまで回復し, 急速な体重減少や糖脂質代 謝の改善が認められた (図3)9). 以上の結果から シグナルの活性化は高脂肪食によるレプチン抵抗性 を解除して摂食量を抑制するとともに, 減弱した骨格筋 活性を回復させることが明らかとなった. 高脂 肪食によるレプチン抵抗性や脂肪毒性の原因が  シグナルより上位のシグナル伝達障害である可能性を示 すものであり, 肥満症治療のターゲットとしての視床下 部メラノコルチンシグナルの重要性が注目された (図4). 高脂肪食飼育でレプチン抵抗性が誘導されたマウスの 視床下部では  の発現が著明に増加しているこ とが報告されており, 肥満個体は  アゴニスト が効きやすい状態にある!). 一方, "蛋白共役型受容体 である のシグナルはリガンドによる脱感作を 受けるため), 間欠的投与など 投与モードの最適化を 含めた安全で有効な低分子 アゴニストの創薬.  高脂肪食は可逆的なレプチン作用不全 (レプチン抵 抗性)を惹起する.   レプチン受容体シグナルの下流に位置する 型メラノ コルチン受容体シグナルを薬剤で活性化することにより レプチン抵抗性が解除できる.

(65) . ヒトは なぜ 太ってしまうのか?.  レプチン・メラノコルチン系を標的とする肥満制御 のコンセプト. が期待される. 最近の研究では肥満における視床下部小 胞体ストレスの亢進とレプチン抵抗性の関連性が報告さ れている). 世界的規模で深刻化している肥満症の増加 に対して, ライフスタイルの改善対策はもとより, レプ チン抵抗性の分子機構の全体像が明らかになり, レプチ ンセンシタイザーやレプチン受容体作動薬など, 視床下 部メラノコルチン系を標的とする新しい範疇の肥満症治 療薬の創薬・臨床応用が期待される.. 

(66)   肥満症の種々の病態における“組織特異的な細胞内グ ルココルチコイド活性化”の意義が注目されている. 細 胞内グルココルチコイド活性化を担う酵素,     の活性や発現レベルは肥満の脂肪組織において“組織特 異的に”上昇し, インスリン抵抗性指標を含む種々の代 謝パラメーターと強い相関を示す. 脂肪細胞(脂肪組織) の  発現は脂肪細胞分化・脂肪細胞機能のマス ター遺伝子 (転写因子),  によって強力に抑制 され,   はチアゾリジン誘導体がもたらす糖脂 質代謝改善効果や脂肪組織機能異常の改善効果の一翼を 担う分子である ).    は過栄養やストレスによっ  て誘導され, ストレス依存性肥満や肥満脂肪組織の炎症・ 酸化ストレスにも関与している. 海外の複数の臨床試験 から インスリン抵抗性や糖脂質代謝異常を改善する  阻害剤の候補化合物が報告されており, 肥満症  治療の次世代の創薬標的として期待を集めている. 私達 のグループは肥満脂肪組織における  活性化に 起因する脂肪組織機能異常を“アディポステロイド”と して概念化し, その臨床的意義を検討した. 血中コルチゾル濃度は視床下部 下垂体 副腎軸によっ て制御されるが, 個々の細胞における局所のコルチゾル. の作用強度は細胞内グルココルチコイド活性化酵素,   と不活性化酵素,   のバランスによっ  て精妙にコントロールされている ). 多くの細胞では  と  が共存するが,   は特に  肝臓や脂肪組織, 海馬をはじめとする中枢神経系, 骨 格筋などに高発現し,   はミネラロコルチコイ ド標的細胞である腎尿細管上皮, 大腸, 汗腺, 胎盤など に高発現する.   ,   はグルココルチ コイド受容体 (GR)の

(67)  .   

(68)     として 機能し, 細胞レベルのグルココルチコイド作用強度を微 調節している.   の遺伝的欠損あるいは薬剤に よる  抑制の結果, 不活性化されなかったグル ココルチコイドが腎集合管におけるミネラロコルチコイ ド受容体 (MR)を占拠し, アルドステロン症と類似の 症候を引き起こす. この病態は  

(69)

(70)     .            ( ) として知られ ている.. 

(71) !  "#$%&'() メタボリックシンドロームに代表されるような 内臓脂 肪型肥満と関連する代謝異常は 蓄積した内臓脂肪量そ のものよりも 内臓脂肪組織の機能異常の程度が鍵を握 る). 非肥満時の内臓脂肪組織の脂肪細胞サイズは皮下 脂肪組織に比べて小さく, 脂肪組織容積あたりの細胞数 も少ないが, 過栄養下には内臓脂肪組織の脂肪細胞のほ うが肥大しやすく, 機能異常を起こしやすい !) .  の発現レベルは皮下脂肪組織よりも内臓脂肪組 織で高く, 肥満状態では その差が顕著になる.  は内臓脂肪組織と皮下脂肪組織における生物学 的特性の違いを読み解くヒントを与える分子であり, 同 時に, 脂肪細胞の分化・脂肪細胞の機能に決定的役割を 果たすグルココルチコイドと  作用の交差点に 位置する分子としても重要である!) (図5). 脂肪組織で   を過剰発現するトランスジェニッ  クマウスは内臓脂肪蓄積の感受性が高く, インスリン抵 抗性, 脂質代謝異常, 高血圧, 脂肪肝を伴う"#). 全身 の脂肪組織で  が同程度に過剰発現する際, 内 臓脂肪が優先的に蓄積する理由の一つには, グルココル チコイド受容体 (GR)発現レベルが元来, 皮下脂肪組 織よりも内臓脂肪組織において優位であることが挙げら れる. 一方,   ノックアウトマウスはストレス や高脂肪食に対する肝糖新生関連酵素 ($%や &"   , これらはグルココルチコイド標的遺伝子でもあ る)の誘導が見られず, 糖尿病発症に対して明らかな抵 抗性を示し, 高脂肪食負荷あるいは マウスとの 交配において内臓脂肪の蓄積が優先的に抑制される'). さらに, 脂肪組織特異的  トランスジェニック マウス(=擬似的な脂肪組織特異的 ノックア.

(72) 益崎.  脂肪細胞における酵素、 .

(73) は グルココルチ コイド作用と転写因子 作用の交差点に位置する ユニークな分子である. ウトマウス) においても高脂肪食による糖脂質代謝の悪 化を完全に免れることから 脂肪組織で を抑 制することが肥満症治療に有効であることがわかった). また, 京都大学において行った多数例のヒト脂肪組織の 解析から, 脂肪組織  発現レベルが肥満マウス のみならず肥満者においても上昇していることが確かめ られ, ウエスト周囲長, 臍高レベル内臓脂肪面積, 主要 な脂質代謝指標やインスリン抵抗性指標と正の相関を示 すことが明らかとなった ) (図6).  の活性化には補因子としての

(74)  の 供給が重要であり,

(75)  を供給する酵素群として             ( ) ペン ト ー ス リ ン 酸 経 路 ( ) 構 成 酵 素 の              ,           (),  !  "  などが知ら れている. 実際,   ノックアウトマウスは.  .

(76) 活性はマウス、 ラットのみならず、 肥満 のヒト脂肪組織においても組織特異的に上昇している. . 裕章. の活性が著明に減弱し, 体脂肪量が低下する). 過栄養によるグルコースの細胞内過剰流入は  を 活性化し, ペントースリン酸経路から供給される

(77)   と相俟って肥満脂肪組織における  活性化の主要な要因となっている. 臨床的に ストレスが減量困難性を招来することが知 られているが その分子機構には不明点が多い. 最近, ストレスに応答して交感神経終末から分泌されるNPY (神経ペプチドY)が脂肪組織に発現するNPY2型受容 体 (NPY2R)の発現を増強し, NPY2Rを介して グルココルチコイド依存性に脂肪組織の蓄積を促進する ことが報告された. 寒冷曝露や系統の異なるマウスとの 雑居など, ストレスを与える飼育環境は高脂肪食による 体重増加を増悪させ, 脂肪組織  活性や脂肪組 織グルココルチコイド濃度を上昇させる#). グルココル チコイドは視床下部のみならず脂肪組織においてもNP Y・NPY受容体発現を誘導し, 脂肪蓄積や血管新生を 促進する一方, 脂肪分解を抑制し, ストレスによる肥満 感受性を高める. このように, 脂肪組織  は生活習慣病の要因 である“過栄養”と“ストレス”によって暴走する. 抗 炎症を目指してステロイド薬を用いる場合, 低用量から 肥満や耐糖能異常が起こる例もあれば高用量を用いても まったく代謝異常が起こらない症例もある. クッシン グ徴候の重症度も 血中コルチゾル濃度や尿中コルチゾ ル排泄量と必ずしも並行せず, グルココルチコイド過剰 が全身にもたらすインパクトには大きな個体差が存在す る.   はグルココルチコイド作用の感受性・多 様性に関わる分子と考えられ, 過栄養・ストレス過剰・ 運動不足の環境下で 肥満症の増悪因子 となる..  

(78)    阻害剤が種々の肥満症モデルマウスの高血 糖, インスリン抵抗性, 脂質代謝異常を改善することが 報告されており, 第二相臨床試験が海外で進行している $) . 近年 報告された 阻害剤はインスリン抵 抗性や糖代謝の改善のみならず %ノックアウトマウ スの動脈硬化病変に対する著明な改善効果を示している &) . 肥満の脂肪組織にはマクロファージが浸潤し, 脂肪 組織の慢性炎症に関与している. 私達の研究から が活性化マクロファージからの炎症性サイトカ イン, ケモカインの分泌を促進すること),    が“脂肪毒性”の分子基盤のひとつであるセラミドシグ ナルと相互作用すること')が明らかとなり, 特定の細胞 においては  が酸化ストレスや炎症シグナルの 増強に関与することがわかってきた. 炎症を抑制するグルココルチコイドを再活性化する役 割を持つ  の阻害剤が“抗炎症的”に働き, 動 脈硬化病変の改善 (プラークの退縮) をもたらすという.

(79) . ヒトは なぜ 太ってしまうのか?. 結果は一見, 矛盾のようにも感じられるが, クッシング 症候群やステロイド剤内服患者では むしろ動脈硬化が 進展し, 心血管イベントの頻度が有意に高い. 脂肪細胞 や血管構成細胞などの“非免疫, 非上皮細胞”における グルココルチコイドの作用過剰はむしろ“炎症惹起的” に働いており,    シグナルは一種の組織ストレ ス応答として 炎症・免疫担当細胞を呼び集める役割を 担っていると考えられる). 細胞内グルココルチコイド 活性化を反映する尿代謝マーカーの代謝病における新し い診断的意義 

(80) ) や女性ホルモンによる脂肪細胞 抑制の新規メカニズム ), 分化初期の脂肪細胞の 炎症シグナルにおける   の役割 )も明らかとなっ  てきた. 肥満病態における組織特異的な細胞内グルココ ルチコイド活性化の意義がさらに解明され, 組織特異性 に優れた低分子 阻害剤が次世代の 肥満症治 療薬として臨床応用されることが期待される ) (図7)..   .

(81) を標的とする創薬:適応疾患の候補.  沖縄県は現在, 日本の中で最も肥満が進行している地 域であり, 

(82)

(83) 年の段階でBMI以上の肥満男性の 割合は %にも達しており, 第二位の北海道 ( %) と比較しても著しく突出している. 人類が誕生してから 今日までの歴史を一年に置き換えたカレンダーの中で “飽食の時代”は最近の僅か3分間の出来事と言われる. 人類の祖先は繰り返す寒冷と飢餓という過酷な環境をサ バイブするため“食べ物が得られたときに出来る限りエ ネルギーを蓄え, 逃さない仕組み”が何重にも張り巡ら されてきたと考えられる. 生命の知恵の結晶でもあるこ のような“省エネ体質”が皮肉なことに 今日の 飽食・ 運動不足・ストレス過剰社会では肥満症発症の基盤となっ. ている. 脂肪細胞科学, 脳科学の目覚ましい進歩によっ て食やライフスタイル, 気候変動が体重調節や糖代謝調 節に与えるインパクトが分子病態として詳しく解き明か され, その成果が健康長寿の復興に結実することを確信 している..  1)                 ! "#    .    $ . %!     # &'('     

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参照

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