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鑑賞教育の方法論に関する比較研究 : ドイツとアメリカの方法論を中心に

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Academic year: 2021

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(1)比を. 関市. にの. 法 り. 柳. 論カ. 方メ. のア. 育と 教ツ 賞イ 鑑ド 典子 芝英. 堀. ( 横浜国立大学教育人間科学部美術教育講座. ). (東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科. ). A@Compare@Study@for@Methodologies@in@Art@Appreciation Education Og k n. J. The. aim. Germany. of hls study lS tく) consl(der me も. wlth. も. he. Unlted. も. ]hodologles of ar. Sttfates for art appreclation. 化. though. ln ar. appreciation must consider attitudes toward inquiring critically social cultural@approach ・. ・. も. も. o compare. educatlon.. into. art,. Art. through. The@methodologies@of@art@history@and@artistic@analysis@reflect. different『ays{f(nterpreting‖rtSince‖ll『orks{f‖rt‖re‘xpressions{f》heir[aker ・. and@their@culture@and@also@dependent@on@their@medium,@each@work@is@complex@and@may have[ultiples〕evels{f[eaning And》hat(s‖lso(n‖rt‖ppreciation , ・. The@ methodologies@ iconology and. of@art@ in@ today@ is@used@ in@ artistic@ analysiS@ formal@ analysis,. icongraphy, Marxism,. semiotics,@and@psychoanalysis studies{f゛. ・. Feminism, biography and. autobiography,. , Hori@and@Ryu@have@analysed@the@methodologies@of@art@of. Kirschenmann,: , Schuiz‖nd´ ・. S. ・. A4ams,’or‖rt‖ppreciation. 目次 1. はじめに. (柳 ). 2. 目 ハネス・キルシェンマンとフランツ・シュル ツ の p 視覚造形作品を 体験し理解 する - 芸術受容への 導入 刊 における方法論. (堀 ). 3. ローリ・シュウナイダー・アダムスの『美術史方法論』における. 方法論. (柳 ). 4. 考察 (柳 ) 5. 終わりに 1 .. 柳. Ⅰ. はじめに. 今日の学校教育において 美術科は、 技能的な教科として 軽視される風潮はなくなりっ っ も、 教科 の時間数が端的に 示すよ. 教育、. う. に、 時間数が減りつつあ る厳しい状況の 中におかれている。 そして人間. 特に子ども中心主義による. た 美術教育は. 創造性や人間形成、 そして自己表出における 意義を取り上げてき. 、 改めてその教科の ,性格を問われている。このように今日の 美術教育は、 人間形成の. 面だけではなく、 体系的で理解を 中心とする「学習活動の 過程」という. 問題点を抱えている。. 美術教育の意義が 人間形成や技術訓練だけではなく、 美術する方法を 習. う. ことによって、 さらに.

(2) 102. 堀. は 生涯にわたって. 典子. 美術を楽しむことや、 人類の偉大なる 遺産として美術文化を 子どもに伝達するこ. とにあ るとしたら、 それに基づいた. 賞 教育の再評価が 行われなければならない。 また視覚芸術に. 重要な基盤をなしているとすれば、 美術教育において「見ることを 主に 行 活動」であ る 賞 教育の意義と 重要性は根本から 見直さなれなければならない。 見ることと 理 解することはどの 美術授業、 表現活動でも 自然にできる 活動とする見解もあ るが、 表現活動だけで おいて「見ること」がその う. は子どもに視覚的情報や 芸術的経験が 多様で豊富になるとは 言えないためであ る。 賞 教育は、 カリキュラムでは 重視されるべきと 唱えられながらも、 実際はあ まり. 行われないという 問題点を抱えている。 特に自国文化の 重要性が唱えられてきた 比較的最近に 至る. まで、 教える内容はあ. るが方法論の 不在という現実的問題を 抱えていると 言われている。 またカリ. キュラム開発における 単発性と非連続性の 間 題 、 実践における 目標の不在または 暖昧さ 、 もって作品を 破壊する. 賞 教育の弊害なども 指摘されている. 「言語」を. ,。. このような方法論不在の 問題の認識の 中、 美術教育の先進国であ る欧米で使われている 方法論を 知ること、 特に最近美術史の 分野で新しく 開発されている 美術の方法論を 理解することによって、 「学習活動の 過程」としての. 賞 教育を、 体系として把握できること、 それを通して 我々が美術に. 接近する態度を 学ぶことができると 思われる。 そのため本研究は 美術教育のあ り方を考えるための 手がかりとして、 ドイツの美術教育研究であ る 、 ヨハネス・キルシェンマンとフランツ・シュル ツ の共著、 『視覚造形作品を 体験し理解する 一芸 術受容への導入 刊 (Johannes. Kirschenmann,. Franz Schulz, Bi灯花?r Erieめ㎝ 皿ゴ毛驚舌助 ㎝. E 加地 er ⅡⅡ牽 血切・eKunstrezeption,ErnstKlettSchulbuchverlagLeipzig,1995. 、 堀 典子 訳 ) 、 そし. てアメリカの 美術史研究であ るローリ・シュウナイダー。アダムスの正美術史方法論』 SchneiderAdams. (Laurie. 、 ℡ eMた訪 odo0Ao ゆ汰 ofAL4rt,Thewest ㎡ ew Pressin U.S.A., 1996 、 柳芝 英訳 ). を 中心に考察を 行い、. 賞 教育の方法論を 考察することを 目的とする。. 2. ヨハネス。キ ルシェンマンとフランツ。 シュル ツ の F 視覚造形作品を 体験し理解 する一一芸術受容への 導入一一刀における 方法論. (1) 形体的、 分析的観点からの 芸術作品へのアプローチ どの時代の芸術作品も、 フォルム、 すなわち形体と 深い関係を持っている。 芸術家は作品を 制作 するときに、 色彩、 線と面、 明暗やその他の 様々な要素に 依存している。 このような芸術的手段は、 その作品のフォルムを 形成しているのであ る。 これらの手段を 使うことによって、 あ る特定の内容 や 、 あ る特定の意味を 表現することが 可能になるのであ る。 それであ るからここにおいては、 芸術 作品の内容は 形体に結び付けられているということができる。 形体を分析することによって、 者は徐々にその 作品を理解することができるのであ る。. 形体の分析においては、 造形要素とその 要素の組み合わせが 調査の対象となる。 とは、 点、 線、 平面、 フォルム及び 色彩などのことをさしているのであ る。. 基本的造形要素. フォルム、 す な れ ち 形体の分析とは 様々に異なった 造形要素を探し 出し、 それがどのように 整理 され、 組み合わされているかということ、 すな む ちそのシステムを 読み取るということを 意味して いるのであ る。 1. 賞 」、 『美術教育の 方法』、 玉川学園大学出版部、 1986 、 P156-169.

(3) 鑑賞教育の方法論に 関する比較研究. 103. 述べると、 絵画を分析する 時には、 様々な方向から 分析を試みることが 可能で あ る。 画面の前景からはじめて 中 景の部分に進み、 最後に背景のほうに 視線を うつ してゆくことも 適用方法について. できる。 あ るいは表現されている 中心的内容から 始め、周辺的内容へと 言及してゆくこともできる。 絵の中の造形要素を 整理する方法はいくつかあ る。 「並列すること」「双面から 奥の方へ段階付けを. すること」「ばらまくこと 一分散すること」「集中すること・. 固まること」「リズミカルであ ること」. 「対照的であ ること」などの 修飾はいくつかの 要素を組み合わせてゆくときに 用いられる。 この 他 に 「方向」や「画面の. 中の相互の距離」など、. 他の要素の助けも 借りるとシステムを 整理してゆく. ことができ、 形体の分析はより 簡単になる。 造形要素全体のシステムを 展望することによって、. あ. るひとっの模範や 図式や構造というものが 見えてくる。 賞の方法についてここでは、 カスパー・ダヴィッド・フリードリッヒの 作品を例に とって説明されている。 1821 年に描かれた「氷海」の 画面には厚い 水の板が氷塊を 形成する過程で 船を押し倒しているところが 描かれている。 この画面の上に 著者は半透明のパラフィン 紙をおき、 その上にこの 絵の構図が明確に 示されるための 線を描いている。 ここで目立つのはいくつかの 三角 形によってさえぎられる 二本の平行に 引かれた水平線であ る。 鋭角の姉角形は 画面の上方に 積み重 ねられ、 そそり立っている。 画面の下の方の 構図について 見てみるとそれは、 画面の外部で 交差し ている。. この構図は画面にあ る特定の秩序をもたらしている。 この秩序というのは 画面の構成や 線、色彩、 面、 マッスおよび 構造などの造形要素の 配分によって 見られるものであ る。 絵を記述する 時にはい くつかのあ る決まったポイントについて 述べることが 重要であ る。 まずこの絵の 中心を探さなけれ ばならない。 この中心から 整理されたものが、 すなむち秩序が 出発点となってゆくのであ る。 次に画面を支配している 垂直、 水平、 および斜の線を 見つけてゆくべきであ ろう。 この線の方向 も重要な要素であ る。 最後にフォルム、 色彩、 プロポーション、 明暗などの相互のコントラストに ついて言及することが 必要となる。 このようにフォルムについて 主に考える形体的分析方法というのは、 この絵を解釈し、 絵の内容 に近 ずいてゆく最初の 一歩であ るということができる。 しかし、 このような分析のみで 解釈を完結さ せることは不可能であ る。 これはあ くまでも. 賞の最初の一歩であ るということを 知っておくべき. であ る。 カスパー・ダヴィッド・フリードリッヒの 絵には明るい 部分と暗い部分が 画面上に分散されてお. り それがこの絵の 構図と秩序を 補助する役割を 担っている。 画面に明るい 部分と暗い部分を 強く対比させることでコンポジションに 動きがもたらせられてい. る。線と 矢の様な方向は 画面を支配する 異なった方向を 明確にする。 氷塊は上方に 向かっているが、 次の瞬間には 下方にくずれて 落ちてゆく。 すべてのものが 絵からはみだし、 下方に深く落下してゆ. くのであ る。. (2) 解釈学的視点からの 芸術作品へのアプローチ 第二の鑑賞のメソッドは 解釈学的な観点からのアプローチであ. る。 この方法の概念について 述べ. てみたい。 ヘルメ / イティックという 言葉は古代ギリシャ 語のへ ルメ / ノ アという言葉から 来てお.

(4) 104. 堀 典子. り 言及する、 表現する、 解釈する、 訳する、 などという意味があ る。 つまりテキストを 解釈し、 その意味を理解するのであ る。 次にこのメソッドについて 述べてみたい。 循環的にアプローチしてゆく 方法があ る。 この方法を 解釈学的循環 法 という。. この際、 全てをよりよく 理解するために、 作品の内容や 主張していること. を全体的に、 そしてかっ部分的なことも 考慮に入れて 考察してゆくのであ る。 それではこの 解釈学的方法というのを 実際にどのように 適用してゆくのかということをみてゆき たい。 この解釈学的観点からのアプローチを 造形芸術の作品にあ てはめてみてゆくと、 重要なのは 作品の成立における 内面的関連なのであ って、 外面的にみた 影響などということには、 重点がおか れないということに 気がつくであ ろう。 作品の全体を 理解するためにはまず 部分を考察することか ら始められる。 次に個々の部分の 細かいことから 離れて全体を 眺望する 一 このことに よ りまた個々 の 部分がよく見えてくるのであ る。. このようにして 螺旋 状 にゆっくりと に 到達するのではない。. 賞 の深 い 層に近づいてゆくのであ る。 しかし最終的な 結果. ここで得た解釈はさらなる 洞察に対して 開かれた立場をとるのであ る。 人. によって異なった 適用をすることで、 他の解決にたどりつくのであ る。 このメソッドを 説明するためには、マックス・ イム ダールが行った 絵の解釈が良い 例であ ると言え る. だろう。 イム ダールはヨセフ・アルヴェル ス の「構造的な 状況」という 題名の版画を 細かく分析. した。 マックス。 イム ダールはアルベルスのバラフィック 的構成において 均整の取れた 平面の中に 逆転が見られるということを 発見した。 どの線もどの 角もそれぞれ 二度画面に現れる。 全てが鏡に映ったように 反対になっていたり、 逆 になっていたりするのであ 名. る。. アルベルスはこの 平面的な線による 骨組みを「事実による 事実」と. づけている。 マックス・イムダールはこの 概念を再に深めてこの 作品に「視覚的感覚」という 題名を与えてい. る。. もしも目がこの 線による構成を. 空間として見ようとすると、. それは不可能であ. り、 平面として. る。 この平面においてで のみ空間的に 見えるということは、 賞 者の目を混乱させるのであ る。 ここに表現されたものは、 上の部分か一番下の 部分のみを熟視した 時のみ正しく 見えるということになる。 このあ りえない空間構成を 空間的に眺めるということは 不可能であ る。 もしも 傭倣図 的に上の方 から上部のみを 見るとか、 下部のみを見るとかするのであ ればそれは可能であ るが、 全体を同時に 理解するということは 不可能なのであ る。 この絵を 賞していると 相互に出現してくる 空間経験が 明確化してくる。 一方を眺めたり、 また他方を眺めたりすることによって 理解不可能であ るという ことが現実味を 帯びてくる。 このアルベルスの 作品は、 理性というものがいかに 不合理なものであ 見る時のみに 限ってこの三次元の 表現を理解することが 可能となるのであ. るかということを 考えるよいきっかけになるのであ る。 点からの芸術作品へのアプローチ このセミオティックという. 言葉の概俳は、 古代ギリシャ 語から来たものであ り、 記号学という 意.

(5) 105. 鑑賞教育の方法論に 関する比較研究. 適用されている。 芸術学においては 造形作品の中に 記号の意味 を調べるのであ る。 記号は常に対象 物 との関係を保っている。 ここにおいて 記号は対象と 意味を直 接 的、 あ るいは間接的に 結びつけるのであ る。 記号によって 絵画は鑑賞者と 対話をし、 メッセージ を伝える。 記号論的絵画鑑賞は 伝統的、 歴史的、 社会的な絵のバックバランドを 取り入れるという ことをしない。 記号を理解するということは 一般的な教養に 基づいており、 文化と歴史の 教養の初 味 であ りこの概念はいたるところで. 歩の部分であ るということができる。 次にこのメソッドの 適用について 考えたい。 記号がメッセージを 伝える際には「イコンとして」、 「インデックスとして」そして「シンボルとして」という 3 つの方法があ る。. 1. イコンはものを 表現し、 その意味を明確にする。 1470年に描かれたヒュー. ホ. ・ファン・デル・. ブースの「原罪とキリスト 教への哀悼」が 良い例であ る。 二人の人間、 すなわちアダム. とエ. バ. は イコンとしての 意味を持っている。 この二人の人間は、 アダムとエバであ るという概念の 上 で 画面上に立像として 表現されているのであ る。. 2. インデックスというのは、 場所と時間に 規定されているのであ る。 それは細かく 規定され、. のし. 肉て. 復 し. 女木. は指 ゴを ン罪 リた. め れ こわ一丁. あし. のェ. 上口バ 砥. ッン. スは クゴ. ン. デリ. 0%. イり. こて. 6 分. ン描 リに. ねね. の性. にを 手性. 定義された対象を 直接的に指示するのであ る。 ヒュー ホ ・ファン・デル・ブースの 絵において. いるのであ る。. 3. シンボルはその 意味と間接的に 関係を持っ。 このシンボルというのは、 一つの文化あ るいは 一つの特別のグループの 内容的な約束事に 基づいているのであ る。 リンゴは西洋においては バ. うの花と同じように「 愛 」の象徴であ る。 しかし中国においてリンゴは 平和の象徴なのであ る。 このような記号の 意味の伝達方法には 3 つの共通点があ る。 1. 記号はあ るひとつの定まった 目的のために 決められている。 それであ るからプラバマティッ ク すなわち実用的であ. るとも言われている。. 2. 記号は情報を 内合している。 それであ るからセマンティック す なむち意味的であ るといわれ ている。. 3.. この情報は象徴を 組織化することによって 読み取ることができるようになる。 それであ るか ら. シンタク スす なむち構文論的であ ると言われている。. 記号論的観点からの 芸術作品へのアプローチとして、 この本の著者はまずその 概念について 説明 賞の方法を例として 挙げている。. あ. る写真家が 1980 年代にイタリアの 洋服会社の. ために、 すでに皆が知っている へびと リンゴというモチーフを 組み合わせ、 二人の若いモデルを ア ダムとイブとして 表現した。 シンタクティックな 文章論的分析によってまず 造形要素の記述がなさ れ、 内的関係とのコンポジションの 組み合わせが 解明される。 記号論的分析によって 象徴が解釈さ ,, 。. れるのであ る。 この広告では 我々にとって 親しみやすいという 理由で、 アダムとイブのモチーフが 使われている。 広告が何を目指し、 何を目的としているかということは 自明なことであ る。 消費者がこの 使われて いるモチーフを 、 常にその制約と 結びつけるよ. う. であ ろうということは、 たやすく想像されること.

(6) 106. 堀 典子. であ ろう。 実際的、 実用的分析によって 我々はリンゴ. と 洋服、. からだとへびが 関連づけられているというこ. とがわかる。 若い人が対象にされており、 長い髪は エ ロティックな 雰囲気を漂わせている。 リンゴ とへ びを使ってはいるが、 そのモチーフの 歴史的意味は 失われてしまっている。 この洋服会社の 洋 服 に誘惑される 人間は自らも 人を誘惑する 人間なのであ る。. (4) 図像解釈学的観点からの 芸術作品へのアプローチ このメソッドは 1930 年代・ 40 年代に エ ルヴィン・パノフスキ 一によって発展させられた。 これは、. 造形芸術の表現の 内容をイコノバラフィーとの 関連において 調査するという 方法なのであ る。 イコ / グラフィーは 同じモチーフの 絵を記述してゆき、 そ. することによって 個々の絵画のエレメント. う. の 意味と変遷を 研究してゆくのであ る。. 適用方法について 述べると、 イコノロジーは 次の 3 つの段階を経て 行われる。 最初の段階は 前 イ コ / グラフィー 的 記述 と 名づけられる。 ここではいく っ かの絵のモチーフに 焦点があ てられ、 例え. ぱ 愛し合っているカップルをモチーフにした 絵などの類似した 作品ロと 比較される。 第二の段階にお いて、イコ / グラフィ一の 分析が行われる。 ここではその 時代に書かれた 文献的資料が 参考にされ、. その内容がコンポジションとの 関係において 理解される。 例えば 1480 年に描かれた 男女の像はその 画面のリボンの 描かれている 字幕によって 象徴的に表現されているということが 分かる。 第. 段階においては、. 3. 幕の. イコノロジー 的分析が行われる。 ここでは絵の 全ての意味と 内容を把握するため. にこの絵が描かれた 時代の精神的哲学的背景や. 社会的、. 文化的規則について. 考察される。. エ ルヴィン。 パノフスキーは 彼が主張するこの 方法を次のような 簡単な物語を 通して説明してい. る。 あ る人が道で知人に. 会うと、. その男は帽子を. 取って挨拶をする。. であ る記述がなされる。 この男の人を 見てみよう。 我々 を 認識するのであ 一. ほ、. まず 前 イコノバラフィー 的段階. 帽子を取るという 行為によって「変化」. る。 これによって 状況が イコ / グラフィ一の 段階で解釈される。. あ の男は知り合いであ る一. 一彼は頭から 帽子を取る一 一人は挨拶する 特にそのような 行為をするのであ. る. 一. 最後の段階であ るイコノロジー 的な分析によってこの 第 4 の方法はより 詳しく調査されるのであ る。. ジェスチヤ一や 顔の表情を細かく 観察することによって 精神的なニュアンスが 認識され、. さら. なる意味へと 深められてゆくのであ る。. (5) 伝記 的 心理学的. 点からの芸術作品へのアプローチ. この方法というのは、 芸術家の人生や 精神や考え方に 焦点をあ てる方法なのであ る。 芸術家が子 どもの時代に 経験したことや、 人生の転機に 経験したことは 作品において 大きな影響を 与える。 こ れ るの体験は芸術家がどのような 題材を選ぶかということを 左右するのであ る。 賞 者が、 芸術家 の 人生や考え方を 考慮に入れることによって、 作品の題材や 造形エレメントを 意味付けすることが でき、 より深く理解できるのであ る。 しかしこの分析においては、 伝記的、 精神的部分に 焦点をあ.

(7) 107. 鑑賞教育の方法論に 関する比較研究. てなければならない。. 画面で使われている 形と色はあ る心理的原因があ. るかもしれない。 精神的、. 性的解釈を固着させることは 非常に困難なことであ る。. 例を挙げるとすれば、. 超現実派の作家であ. るルネ・マバリットの.「人生の発見」という 絵のタイ. トルはこの芸術家のトラウマ 的経験を知ることによって 理解することができる。 マグリットは べル ギ 一で生まれ、. 幼い頃 に母を失った。 彼の母は橋から 川に身を投げ 自殺したのであ った。 遺体が水. の中で見つかった 時、 彼女の顔は寝巻きで 覆われていた。 この画面においてマグリットはこの 残酷 な 経験から多くのモチーフを. 取り入れている。. 一 遺体を覆 う布 、 若い婦人、 覆われたからだ、 ベルギ一に特徴的な 暗い平坦な風景一. マグリットは 皮肉をこめてこの 絵を「人生の 発見」と名づけているが、 実際には「 死 」をテーマ とした絵なのであ る。. (6) 社会的、 歴史的視点からの 芸術作品へのアプローチ 芸術作品は制作された 時代について 物語る。. この社会的、. 歴史的観点からの 芸術作品へのアプロ. 一チ というのは、 社会や歴史が、 芸術作品にどのような 影響を与えたかということを 研究するので あ. る。 それではこの 方法を、 実際にどのように 適用するのかということについて 考えてみたい。 芸. 術 家は意識的であ ろうと無意識的であ ろうとその生きた 時代の影響を. 強く受けている。 彼がこの時. 代から受けた 印象はモチーフの 選択と絵のエレメントの 表現を決定する。 その社会や歴史が 直接 画 面 に描かれることもあ るが、 アレゴリーとして 描かれることもあ る。 作品を. 賞する時には、 この. 作品が注文された 情況や、 芸術家のその 時の生活等も 調査されなければならない。 それらのことも 歴史的に関連があ るのであ る。 社会的、 歴史的観点からの 芸術作品へのアプローチの 例としてこの 著者はスペインの 画家、 フラ ンシスコ・ゴヤの 1812 年∼ 14 年に制作された「鰯の 埋葬」という 絵の. 賞は ついて述べている。 こ. 0 作品では奇妙なマスクを 身につけ、 狂った振る舞 い なしている役者たちが 描かれている。 お祭は. この時代の断食期間の 始まり、 すなわち カヰ ニバルを告げているのであ る。 この絵にレントゲンを かけると上の 層のすぐ下に 僧の衣服をまとった 人物が描かれており、 道化役者の代りに 旗の上に大 きく「モルトス、 すなわち 死 」と書かれていたということがわかった。 ゴヤは最初この 絵を、 僧侶 達を風刺するために 描いたのであ った。 しかし当時ナポレオンの 軍隊がスペインで 残酷な行為を 繰 り. 返すのを経験し、 ゴヤはエレメントを 少し変えることによって、 この絵の意味を 変化させたので. あ った。. 農民がナポレオンの 軍隊が身につけているような 毛皮の帽子を 身につけているのも、 そのような. 例のひとつであ るということができる。 1808 年にナポレオンの 軍隊がスペインに 入国してきて 以来、 死 と恐怖が世を 襲った。 この国の経済は 急速に悪化し、 恐ろしい飢餓が 人民を苦しめた。 ゴヤは 彼 の時代の社会的状況の 鋭い批評家であ り、 鋭いユーモアにより 自分の意見を 画面に表現した。. (7) 実検的視点からの 芸術作品へのアプローチ このメソッドでは 絵のメッセージを、 普通行われない 実 賞すること自体が 芸術的行為であ るよ. う. 的 方法によってみつけ 出そうとするの. に感じられることもあ る。 このアプローチには. アクションや 芝居をするとかお 話を書く等の 様々な形があ る。 実験的観点からの 接近方法を、 実際.

(8) 108. 堀. 典子. にどのように 適用するのかということについて 考えてみたい。 この一風変わった 方法はしかし 単独 で 行われるのではない。 すでに述べられた 6 つの美術史に 基づいて精密に. 賞する方法を 守った 上. で 行われるアプローチと 平行して行われるのであ る。 鑑賞者は直観と 連想の助けによって 芸術作品. の意味に近づいていくのであ る。 グコンター・オット 一 と カーリン・ロットマンは 1998 年にこの実験的観点からの 芸術作品への ア. プローチをメソッドとして 整理した。 いくつかの例を 挙げてこの. 賞の方法について 述べてみたい。. この籠には様々なものが 「支那の純」. 中に入っているが、 布で覆われている。 籠がまわされてくる. と. はその中からひとっ 何かを取り出し、 それを作品と 結び付けその 理由を述べなければならない。. 「記述」. 作品の双に立ち、 思いついたことを 全て書く。 何も思い浮かべることができなくなった 時は 、 次. の思いが浮かぶまで、 前に書いた最後の 考えや言葉を 繰り返して書く。. 「妖精の詩」. nlの言葉で最初の 印象が書き留められる。 て 思いついたことなどが. 接した制作の. 次にこの絵の 特徴、 展示されている. 場所、. この絵を見. 指示された語数によって 書きとめられる。 ここに書かれたことは. 出発点にもなるし、. また綿密な. 賞の始まりともなることもあ. る。. 賞 者はグループに 分かれ、 それぞれのグループが 大きな模造紙に 思いっいた作品の 概念を書き 込む。 次に作品の特徴が 書き込まれる。 このようにして 模造紙の上には 葡萄の房のように 次々と 書 き 込みが増えてゆくのであ る。. 「五感のチェック」. 視覚や聴覚や 嗅覚や触覚などの 五感を鋭敏にさせることによって 作品を. 賞する方法であ. る。. 「文車の細道」. 二つの作品の 間に細長い紙が 床に敷かれ、 その上にこの 作品について 文章が書かれてゆく。. しり. とりゲームのように 次の文章は前の 文章の最後の 言葉で始められる。 Ⅰスト一リーボード」 絵を見てお話が 創り出される。 このお話を文章で 書いても良いが、 漫画のように 絵で表現するこ. ともできる。 しかしここに 述べられた方法の 中で、 作品に接近できるというのは 実際には非常に 限られた場合 だけであ る。 芸術家であ. り、 自らも美術教育者であ るドイツ人リリィ・フィッシャーは、 子供達に 普段なじみの 薄い美術館や 芸術作品に近づくもう 一つの道をめっけた。 彼女は子供達にねずみの 格.

(9) 109. 賞 教育の方法論に 関する比較研究. 好 きさせる。 この変身は子供達に、 今までと異なった 認識を与える。 子供達は解放され、 空間で 普 段 とは違. う. 動きをし、 注意深く作品を 見つめるのであ る。 今まで慣れ親しんだ 環境を突然新しく 認. 試 し、 異なった視点から 作品を見るようになるのであ る。. 3.. ローリ・シュウナイダー・アダムスの. (1) 美術とは何か. 美術とは何か、. 丁. 美術史方法論 山 における方法論. : 模倣論と表現主義的接近. という質問に 対して、. であ る。 美術は日常の 生活や経験の. 最も歴史が長く、 広範囲にわたり 通用される答えは 模倣論 コピ 一であ り、世界の再現として、 「本物らしさ」や「似ている」. ことが評価の 価値基準となる。. 美術とは何か、. という最初の. 体系的理論として、. プラトンが 美 とは事物の真実を 表現する本質的. イデアであ るとした一方、 アリストテレスは 、 一つの事物を 知るためには、 その形態はもちろん 材. 料と制作者、 つくった目的などを 知らなければならないと、 美術が自然をより 向上させられると 考 えた。 これらを通して 違 3 種の「本質」をとらえ、 美術作品を美術家の 知覚の中のあ るものと一体 化した。 このような模倣論は、 「美術とは何か」だけでなく、 「美術とは何でなければならないのか」 という規定的ものであ り、 美術作品が単なる 模倣ではなく、 一種の創造であ ることを示している。 美術作品において. 何が模倣されたのかについて、. 模倣論的接近は 美術の本質とともに 美術の根元に. ついての一つの 答えになるものであ る。. 美術における「感動的」、 鑑賞者はそれらを. 共有し、. 「表現的」属性を. 強調し、 美術は感情や 情調などの主観を 表現しており. 共感するというのが 表現主義的接近であ る。. 美術について 確実なことの 一 つは 、 美術が人間の 潜在的衝動から 表出されるということであ る。. 子どもの美術衝動は、. 偉大な芸術家の 伝記によく見られるものでもあ り、 その幼児時代の 創造本能. はその社会・ 家族・性向と 個人的経験の 複雑な総合作用によって 変化していく。 美術家に対する 判断は「美術」の 概念が特定時代の 特定社会に表現されたのを 我々が認識したこ とによって部分的には 違ってくる。 時代や社会によっては 美術史学として 帰属の役割が 大きくなっ てくる。 19 世紀からは多様な 方法論的研究が 発展し、 それによって 絵 と美術家、 批評家に対してに まで新しい思考が 生まれてきた。 全ての分野において 美術分析の「方法」は、 相互を補いながら 視 覚芸術の多面性を 表出する。. (2) 形式主義と様式. : 作品に内在する 方法. 形式主義は作品そのものが 主観的に訴える 力の根元であ り、 内容より形式の 重要性を強調する 美 術研究方法であ る。. 視覚芸術が模倣にすぎないとされながらも、 実際に対して 想像力が作用するた. め、 単なる模倣ではない。 想像には違. う. 価値が存在し、 違 う 認識が発生する。 観客として我々は 経. 験と観察を同時に 行 う ため、 美術作品に対する 反応にも感情的部分が 大きく関連する。 ただ見る (to. see) ことと違い、 注視する. (tolook) ことほ芸術的・ 美的機能により 形態の関係を 認識する。 美. 術家に よ る「創造的視覚」は 主題に代わる 要素の調和を 通して具体化される。 フライは美術を 実際 の生の違いを 強調することによって 作品を「 脈 略から分離して」時間と 空間の表現でない、 純粋な る 形態とみなして. 分析する。 形式主義方法論は、 まず作品全体から 各部分が作り 出す美的効果に 関. 心を持っ。 そして美術作品が 創造する印象は、 その部分の総合であ ると同時にそれ 以上でもあ る。 線 と何という要素に 対する我々の. 反応は、. 世界に対する 我々の感覚的体験を. 表す。 また色彩は視覚.

(10) 110. 堀. 典子. 的に強烈な印象を 与える形式要素で、 色により場面を 統一しながら 作品の特,性を強調することがで きる。 美術作品が形式要素の 選択と構成によって 決められる限り、 作品問の美的相違は 様式 ( スタイル ) によって整理されてきた。 様式としての 美術史はヴィンケルマンの 著述に初めて 登場する。 1950 年代のシャピ は " 個人または集団の. ロ. は、 様式と. 美術作品に現れる 持続的形態 - 時々持続的要素・ 特質。 表現 " と定義した。. ヴ. エルフリンは 美術の発展に 関する問題提議を 行い、 一つの様式が 形式的一貫性を 持っていること、 様式の範囲を 規定できること、 分類された範囲を 歴史的・文化的枠の 中で位置づけられることを 証. 明した。. 様式の傾向、 周期、. 起伏などの概念は 既に数世紀も 存在してきた。 形式主義は様式の 存在を認め. てもその歴史と 美的効果に主な 関心があ 史 には無関心であ. る。 美術をそれ自体の. 術を体験する。 形式主義的接近は. り、. 文化つまり文化的思想や. 形式的語彙によって. 扱い、. 政治、 経済、 文学、. 科学の歴. 個人的・審美的見解によって 美. 印象主義と後期印象主義の 発展と同時に 始まった。 20 世紀に形式. 主義批評が広がったことほ、 イリュージョンを 拒否した平面的絵画であ る抽象美術の 発展と関係が あ る。. 美術作品に対する 主観的経験の 深さや意味は、 内容ではなく 形式に対する 反応であ る。. (3) 図像学 図像学的に美術を 研究する方法は、 主題の意味を 優先することであ る。 図像学という 用語は 、. 2. つめ ギリシャ 語 、 イメージを意味する エ イコンと記録を 意味するグラフ ヱ から由来しており、 美術. 家がイメージを 記録する方法またはイメージ 自体が「記録する」こと、 イメージの物語という 意味. る。 図像学的分析は 形式よりは内容を 中心とする。 パノフスキーはヴァールブルク 研究所を主導し、 図像学的研究方法を 創始しており、 図像学的に 美術を分析する 方法を次の 3 段階に分類した。 第 1 段階は「 前 図像学」段階、 つまり「一次的・ 自 然のままの主題」の 段階であ り、 例えば十字架にかけられた 男を見て、 十字架にかけられた 男と記 であ. 述 する。 次に、 慣習と前例の 次元であ る第. 2. 段階では、 この人物を十字架にかけられたキリスト. 描写するため、 新約聖書のキリストの 死の話と認識する。 る。. 第. 3. の様式、. と. ここではテキストがイメージの 基礎とな. 段階ではイメージの 内在的意味に 到達する。 イメージが作られた 時間や場所、 支配的文化. 様式、 パトロンの要望などを 考慮する総合的な 解釈の段階であ り、 様々な 資料から収集した ヂ 一夕、 つまり文化的テーマ、 文献、 過去から受け 継がれるテキスト、 芸術的双 例などを含める。 この方法は「図像解釈学 (イコ ノロジ ) 」すなわちイメージの 科学と言って、 作品 特定の美術家の. が 属するより広範囲の. 研究を意味する。. ゴンブリッチによると、. 図像解釈学とは 全体的文化の 地平を再構築することであ. り、 そのため 単. 一のテキストょり 多くのことを 含める。 それは芸術的背景のみならず 文化的背景、 つまり一つの 文 脈になるため 一つのイメージやテキストだけてなく、 それ以上を含める。. 適用できる。 しかし字で書かれたテキスト を基準にして 絵に翻訳することは 近似値にすぎないため、 テキストを基準にした 解釈は完全なもの とは言えない。 そのためより 多くの方法論的研究が 求められる。 図像学的研究方法は 神話を表した 絵画やテキストにも.

(11) Ill. 鑑賞教育の方法論に 関する比較研究. (4) 社会派 略 研究 1. : マルクス主義. 美術を社会経済的脈 絡で 扱 う 方法論としてマルクス 主義とフェミニズムの. 影響を受け形成された。. これらはあ る程度形式主義に 対する反動であ り、 文化的 脈略 の諸様相を含める、 図像学の拡張とも. 言える。 マルクス主義の 影響を受けた. 美術史家たちは、 美術作品を、 社会に対する 作品の社会経済的役割. と結びつけて 解釈する。 例えば『近代の 画家たち』においてロスキンが 描写した、 ターナ一の「 奴 隷船 」は、 奴隷貿易反対運動からアイディアを. 得て制作された。. マルクス主義はターナ 一の作品を. 解釈するとき、 経済的利益のため、 人間を虐待し 、 死なせる現実など、 奴隷制度の裏 に潜在した政 治経済的要因及びそれの 画家への影響を. マルクスは、. 重視する。 るとした。 過去の文化 当代の脈 略 に依存するしかないので、 例. 芸術はそれを 生産した文化と 結びつけて解釈されるべきであ. 条件は繰り返さないという. 前提の上、 芸術生産は必然的に. えば ギリシャ美術はギリシャ 神話が双提になるため、 19世紀の産業社会では 出現できないものであ る。. 「芸術のための 芸術」美学に 反対し、 さらに純粋に 形式研究も、作品生産と販売における 道徳的・. 社会的・経済的要素を 明交いできないという 理由で反対した。 美術とは美学者のいる 枠ではなく、 より広範囲の 社会的脈絡と 経済の歴史的発展過程に 属する。 美術品の生産、 作品と労働階級との 関. 係、 支配階層に よ る美術の利用などを 重視する。. 美術家はあ る意味では自分の 一部と離され、 自分. の時代と地域からも 隔離される。 この ょう にマルクス主義的解釈は、 個人の能力・ 創意性や天才の. 概念より、 社会の集団的要求を 重視した。 (5) 社会派 略 研究 2. : フェミニズム. 美術史に対するフェミニズム 研究方法とは. 美術の創作、 内容及び価値評価の. 理解において 社会的. 性 が本質的要素という 観点によるものであ る。 フェミニズム 美術史家も、 マルクス主義美術史と 同 じく、 美術作品が美術家とともに 当時の文化環境を 反映するとして、 形式主義に反対する。 ベルの 「意味あ. る形態」に疑問を 提起し、 「形態が芸術として 認められるためには、 誰に意味があ るのべき. なのか」を問う。 美術の本質、 そして今まで 美術を評価してきた 基準について 伝統的美術史が 持っ ていた仮説に 挑戦している。 フェミニズムの 挑戦は二重であ り、 美術家として、 そして美術の 主題として女性が 差別された方. 式を考察する。 一方では女性が 美術家やパトロン 両方で行った 功績を明らかにしてきた。 伝統的に 美術教育に接する 機会がなかったこと、 ヌードを描けなかったこと、 アカデミ一に 入れなかったこ と、 出産や家事など、 女性が美術家として 活動できなかった 障害を指摘する。 フェミニズムは 芸術が特定の 文学的・図像的テーマを 選択し、 女性が受動的で 否定的視覚で 描写 されたとする 一方、 パトロンとしての 女性を提示し、 その結果が評価されている。 また美術家と 観客がすべて 男性という仮定からの 図像学的結果を 分析する。 その結果、 作品に表. 現された女性は 男性. (能動的主体 ). の注視の対象となる。. フェミニストは 性の間 題 に焦点をおき、 西欧美術の伝統的カノンと 仮定に疑問を 提示する。 伝統 的 カノンとは天才の 概念に価値をおき、 それを男性だけに 与える価値体系であ る。 1970 年以前には. 女性美術家たちが 主要美術史から 除外されたこと、 女性の作品が 慣習的に男性の 作品より劣等だと. 考えられ、 それによって 価値が評価されること、 工芸が女性と 結びつくため 価値が評価されなかっ たことを指摘する。 そして歴史を 表現し、 解釈において、 性別が. (生物学的でなく. 社会文化的理由.

(12) 112. 堀. から ). 影響を及ぼしたとする。. 典子. また美術家としての 成就は、 一次的には教育の 結果であ るとして、. マルクス主義と 同じく「天才」概俳を 否定する。 男性的構造の 専門職において 女性美術家は、 男性 によって判断され、 男性の観俳によって 抑圧されてきた。 より高尚な規範によって 制約されている. 女性は、. (6). 政治・社会・ サ. ・芸術と戦わなければならない。. 伝記と自叙伝. 美術史を研究する 伝記的方法とは 美術作品を作家の 生涯及び個性と 結びつけて研究することであ る。. この方法は美術家とその 芸術が直接的な 関連があ ると仮定し、 著者性という 概念を重視する。. 作品の意味、 つまり作品のアイディアと は二次的なものであ. 作家が決定することで、 社会経済的要素 る。 形式要素も図像と 別に存在できるものではなく、 図像も慣例によるものと 制作は究極的には. は言え・あ る程度美術家の 個人的選択を 反映する。 伝記的方法は 美術家の生涯を 扱ったテキストを 基盤としていて、 どの美術家がどの 作品をつくったのかもわからなければならない。 そのような デ 一 ターがなくては、. 伝統的な伝記的方法は 適用できない。 まず美術家についての 伝記的慣例を 論じ. た後、 特定作品を扱いながら 作品に内在した 美術家の存在を 考察する。 存在の本質は 美術家が作品 と. 自分を同一視した 姿を明らかにすることによって 分析できる。 美術家の姿を 現すテキストとしてのイメージは、 画家が自らのイメージを 意識的に描写した 自画. 象 において最もよく 現れる。 美術家の顔から、 我々がその人に 対して知っているあ る印象を受ける ようになる。 また美術家は 作品に署名をすることにより、 作品が自分のものであ ると主張する。 前 、 結合文字、 印. 名. 、 彫刻などで署名する。 あ る時は署名の 性格や位置、 回数などが、 解読しにく. い、 独特な自叙伝的意味を 読み起こす。. (7) 記号学. 1. :. 構造 主俺と 後期構造立. 語から由来し、 記号の科学を 適用する学問であ る。 記号学は 言語、 美術、 音楽、 映画のような 文化・文化的表現が 記号に構成されていて、 記号には文字以上の 意味があ るとする。 記号理論を視覚芸術に 体系的に適用したのは 19世紀末と 20世紀初 め パース とソ シルで、 構造主義と後期構造主義、 解体理論などを 含める。 マルクス主義と 実存主義からの 懐疑 と して現れた構造主義は「精神の 普遍的構造をより 大きい社会構造の 中で、 無意識の心理的類型の 中 で現れるままに 定義しょうとする 努力」であ り、 あ るテキストやイメージに 意味を与えるとき、 著 者の概念を最小化した。 1968年以降、 後期構造主義は 著者を「 死 」のように最低限化し、 作家とい う身分を男性中心制度やエリート 主義に感染した 9 世紀の燗 漫的 神話として扱 傾向を広めた。 構造主義は ソ シル一の「構造言語学」に 起源があ る。 言語とは意思伝達を 目的とする閉ざされた 体系であ り、 言語は記号や 信号、 体系の一つになると 予言した。 パースは記号が 図像 (イコン ) 、 指 標 (インデックス ) 、 象徴 ( シンボル ) の 3 つで構成されるとする。 例えば オキフ の「ブラックアイ 記号学とは記号を 意味するギリシャ. う. リス」とキャンバスの 花の形相は 、 ア一イーリースという 図像的関連があ. 4. 文字より自然に 関連づけられるような. る。 指標的様相の 範囲は広く、 様式の要素、 制作の技法、 作品の社会・. 政治・経済. 約文脈、 観客の反応、 作品についての 記録、 署名などを含める。 象徴は因習的もので ソ シル一の記 号と関連するが、 オキ フ の例のように、 慣習的解釈だけで 作品の意味が 決定されることではない。 メルロ・ポンティによると、 絵画の要素は 記号であ り、 個々が創造的に 作用する記号は、 全体の効 果 に影響を及ぼすほど 大きい意味があ る。 「様式理論」として、 あ る絵が べ ルメルの言語で 話すとき.

(13) 113. 鑑賞教育の方法論に 関する比較研究. その絵はべルメルの. 作品となる。. シ ャピ 一ロ は 、 テキスト・ 註 ・象徴的意味・ 再現様式の相互作用. を調査し、 あ るイメージの 隠楡的 内容と連想が 原本では把握できない 可能性を指摘する。 腕を上げ た イメージは、 文化の変化とともに 祈る人、 王の権 威、 神聖 さ 、 十字架の記号であ り、 そこから由 来して、 祈り・教会の 支え・祭壇・ 祝福・啓示の 記号にまで解釈できる。 そしてイメージとその 描 かれた場の関係を、 視覚芸術の記号学における 問題と指摘する。 場の位置基準が 与える効果や 左右 配置なども記号学に 関連されているが、 環境や位置によって 価値基準は反転できる。 (8) 記号学 2. : 脱構築. 用語は、 ドイツのハイデ ガ一 がはじめで使用し、 フランスの ヂリダ が積極的に導入 した。 デリダは記号の 本質を研究し、 重要な構造体系を「脱構築」した 後期構造主義者であ り、 文 化的表現の普遍的秩序を 調べるため、体系を構築しょうとした 構造主義者に 比べ、それを解体する。 脱構築という. 記号を 、 閉ざされた体系内に 固定されたとする. ソ. シル一酌観点にも、 本質的意味らがあ ると信じる. ロゴス中心的見解も 拒否する。 記号の指標的・ 隠楡的 ・含蓄的性格を. 認めながらも、. より流動的 可. 変性を記 表 と記 煮 に与えており、意味とは固定的ものではないとする。 意味とは文脈によって. 文脈自体も常に 変化する。. 1. つの文脈の中で. 1. つの言葉の意味は 他の言葉と違. う. 違い、. 。 そして我々は 言. 葉を、 他の言葉で定義するため、 意味は常に「猶予」されるという。 他の構造・後期構造主義者と 同じく、 模倣的・「本質の 複製」の芸術観を 拒否し、 テキストに決定的意味を 与える存在としての「 著 者 」を否定する。 根本的・究極的意味とは. 存在しないため、. テキストの慣例的構造とコードを 分析することができ. る。 例えばファン・アイクの「アルノルピニの 結婚」において、 画家は自分の 記録通り実際そこに. いたのか、 実際結婚式に 参加したのか、 結婚がアトリエで 行われたのか、 絵の要素は実際はど だ ったのかなど、 現存と不在に 関連する時間的問題は 残っている。 鏡の中で画家が 映されていること う. が 画家のその場での. 実在に関する 証明ではない。. 品完成の 3 年後に服に十字架を. 「. ラ. ・メニーナス」において、 画家 べ ラスケスは作. 描き加えたが、まるで初めからそうだったかのように 描かれている。. 現存と不在は 幅広く論争を 起こした。. 王と. 王妃は鏡に映されているのか、 または姫が彼らを 見てい. るのか、 壁に掛かれたのは 鏡ではなく肖像画ではないのか、 全体の配置は 全て づ くられたもので、 人物の実在や 位置関係、 同時に実在したのかなどの 様々な可能性があ る。. (9) 精神分析. 1. : フロイド. 美術史の精神分析的方法は 美術作品の無意識的意味を 優先的に扱. 美術家、 観客の美的反応、. う. ことで、美術自体だけでなく、. 文化的 脈 略を包括する 複雑な方法であ る。 この方法には 図像学やフェミ. ニズム、 マルクス主義、 記号学などが 結びついており、 美術家の精神的成長を 作品と関連づけて 調 査する心理分析的伝記も 精神分析的方法論の 一つの形態であ る。 美術史と精神分析は 別の分野であ りながらも、 イメージの カ とそのイメージの 象徴的意味及び 創造の過程とその 産物への関心、 歴史 と関連があ るなどの共通点が 多い。 美術作品と同じく、 夢 ・幻想、 ・冗談・神経症などもイメージを 持っており、 それを解釈することは 精神分析と美術史両方に 重要な概俳であ る。 精神分析学の 発展に当たり、 フロイドはそれが 文化に適用できることを 十分認識していた。 そし て 精神に対する 考古学的 隠楡は 、 過去と現在の 間における 力 動的関係を前提とするものであ る。 フ. ロイドによると 創造性は目的と 対象を持った 本能から触発されるもので、 本能はより価値があ る 文.

(14) 114. 堀. 典子. 昇華するが、 元来の本能は 過去の倉庫であ る大人の無意識の 中で埋没されてい る。 芸術を創造する 過程は本能により 触発されるが、 自我の総合的作用によって 調節され、 形成さ れる。 意識的思考は 精神活動の一部分であ り、 ほとんどは無意識に 属するが、 断片的・ 隠楡 的形態 として近づけることができない。 芸術作品の創造は 幼児期の本能を 現在視点において 有機的に再構. 化 的方向に向かって. 成するものであ り、 美術家の伝記における 慣例の解釈及びイメージの 解釈に役立つものであ る。 例えばダビド. と. ゴーリアスのイメージにおいてオイディプス 的解釈を試みる。 ダビド. と. ゴーリア. スの物語は聖書の 有名な一話であ り、 様々なオイディプス 的解釈を生み 出した。 牧童ダビド イセ 及びサウル 王 、 ダビド 的父親 像. ( ゴーリアス ). 識の中ではこれら. 3. と 巨人ゴーリアスの. と 父親. 話においてオイディプス 的要素を解釈すると、 否定. を分離し、 肯定的父親 像 (イセ とサ クル 王 ) を得ることで、 ダビドの無意. 人が同じ人物であ る。 またサウルはダビドに 対して息子を 競争対象とする 父親. の二重性を見せる。 美術家の伝記と 同じく、 聖書においても 家系を重視する 慣例はオイ ヂィ プス 的. 動因を作用させる。. ルネサンスとバロックの 美術作品においてオイディプス 的動因は作品の 文化的. 環境、 作家の個性、 作品の図像などが 関連して作用する。 15世紀 ピ レンチェにおいて、 ゴーリアス に対するダビドの 勝利は、 宗教的にはキリスト、 政治的には 題 となる。 ドナーテロ 、. ミケランジェロ、 ベルニ一二. ピ. レンチェを象徴する 様々な作品の 主. カ ラバッチオなど、 画家の個人的オイディ. プス・コンプレックスは 作品に複雑に 反映されている。 (10) 精神分析 2. : ウィニコット と ラカン. フロイトが精神分析学の 基礎を確立した 以来、 今まで様々な 再 解釈が行われてきた。 美術は ヒュ 一 マニズム 的 性格があ り、 その源泉が人間の 創造力の中にあ るため、 自然に精神分析学の 研究対象. となってきた。 後期フロイト 派の観点において 創意性と美術について 論じた重要な 精神分析学者と して、 英国のウイニコット. と. フランスのラカンがあ げられる。. ウィニコットは 創意性の根元を 、 前 オイディプスコンプレックス 時期の母子関係にまで 遡る。 子. どもの発達において、 特定の対象に 執着する発達過程を 観察し、 その対象を「転移対象」とした。 また遊び、 歌 、 一人言、 夢を見るなども「転移現象」と 規定し、 象徴化の目的に 役立っとした。 つ まり転移対象と 転移現象は後での 創造的作業における 文化的基礎となるため 重要であ る。 転移対象 は 、 転移的様相を 見せる全ての 芸術のパラダイムになる。 宗教美術は人間と 神の間で転移を 形成し、. 全ての文化はこのような 転移を固有の あ ると同時に墓であ ると. 言語で表現しており、. 例えば聖母マリアはキリストの 子宮で. 地 楡される。. 形態をつくることによって 何かを成すという 概念は美術の 転移的性格の 一側面であ. 土からつくられており、 美術家の考えと 完成された作品の たす転移的性格があ る。 20世紀に発見されたオブジェーが 流行したことも、. 美術作品の材料は. る。 伝統的に. 間を仲裁する 役割を果 既存のものから 選択さ. ね 、 意味を与えられたことで、 幼児の転移対象と 類似する。 美術家は「発見されたオブジェー」を 選択し、 意図した美術作品を 選択することで 創意的に転移を 行 ラカンは人間が 象徴的・文化的構造の. 中に生まれるとした。. う. 。. そして「欲望」はあ る空白または 不. 在の認識によって、 つまり見えないあ るものによって 生まれた本能であ り、 現存と不在の 差を認識 することによって、 象徴化 (転移 ) が成り立つ。 見えるものと 見えないもの 及び現存と不在につい て理論づけながら、 凝視の概念について、 現存するあ るものに主体を 固定させる行為であ ると説明 する。.

(15) 研. 究. 較. 比 る. 関す プし. 論。. 方法. の. 育 教 賞. 115. 察 考. 4 ヨハネス・キルシェンマンとフランツ・シュル ツ の共著、 『視覚造形作品を 体験し理解する 一芸術 受容への導入. 一. J (Johannes Kirschenmann,. -E IOfuerunglndleK. Franz Schulz, Bllder Erleben und. はnstrezeptlon,.Ernst ⅢettSchulbuchverlagLelpzlg,1999). Ⅰ. Verstehen. [ま 、 現代ドイツ. の 美術教育に用いられている 7 つの方法論、つまり形式的分析的方法、 解釈的方法、 意味論的方法、. 図像解釈的方法、 伝記的・心理的観点、 社会・歴史的観点及び 実験的観点からの 芸術作品への アプ ローチを主な 内容としている。 『視覚造形作品を. 理解し体験する』は、 ドイツ作家による 図版を提示. しながら、 古典的かっ実験的観点による 方法の導入、 そして意味論的方法の 重視に特徴があ る。 特 に、 試みとして実験的観点からの 方法を導入することは、 既に定着している 古典的美術史解釈方法 だけでなく、 新しい「発見」を 通して美術教育に 新たなっながりをもたせることができる。 そのた め、 ょり学校教育からの 視点を重視していると 思われる。 また作品の成立における 内面的関連性を 説明している 解釈学・意味論・ 図像解釈学の 3 つの観点 を 別々に提示しており、. 一方、. 時代の精神的背景及び 社会・文化的法則を 重視している。. ローリ・シュナイダー・アダムスは. 丁. 美術の方法論. 団. (Laurie SchneiderAdams. 、 ℡e. Meet力o 而Moo回㏄㎡Ⅸ lrt,Thewest ㎡ ew Pressin U,S.A., 1996) において、 形式主義と図像学、 社会 脈略 としてのマルクス 主義とフェミニズム、 伝記と自叙伝、 記号学として 構造主義と脱構築主義、 精神分析など、 9 つの方法論を 提示している。彼の研究の特徴は 次の 3 点に集約することができる。. つまり、. ①美術における 精神分析・心理的側面の 重視②伝記と 自叙伝的側面の 研究③作品の 内在的. 特徴による分類と 解釈であ る。. 美術史的分析、 特に精神分析と 心理学を適用した 美術分析において、 アダムスは新たな 解釈の可 能性を示している。美術はヒューマニズム 的性格があ り、その源泉が人間の 創造力の中にあ るため、 自然に精神分析学の 研究対象となってきた。 フロイトが精神分析学の 基礎を確立した 以来、 今まで. 様々な 再 解釈が行われてきたが、 アダムスは創意性と 美術について、 ウィニコット. と. ラカンなどの. 後期フロイト 派の観点も論じながら、 一方形式主義・ 後期構造主義などの 美学における 精神分析的 側面についても 論じている。 今まで見てきたよ. う. に、. 『視覚造形作品。 を体験し理解する - 芸術受容への 導入ロと『美術の. に 共通している 方法論は、 形式的分析方法及びマルクス. 方法論』. 主義とフェミニズムなどの 社会的 脈 略から. のアプローチ、 図像学的方法、 伝記的方法であ り、 ドイツとアメリカという 国の相違にもかかわら ず 、 ほとんどの方法論が 共通している。 教育の場においては. T 視覚造形作品を. 体験し理解する - 芸術. 受容への導入口が 手がかりとなっており、 そして人間の 内面と美術の 世界を結びつける. 試みは. T美. 術 空方法論団を 通して深めることができると 考えられる。. 各研究の方法論はそれぞれ 一長一短があ り、 美術教育において 何を目的にするかによってどのよ う. な方法論を主に 用いるのかが 違ってくる。 例えば伝記・ 自叙伝的接近方法は 主に思春期以降の 生. 徒 のための授業に 適しており、 美術に見られる 心理的側面と 自分の内面との 関わりを発見すること. ができる。 社会的・歴史的観点を 重視した社会派 略 研究は今後の、 美術を通した 批判能力及び 洞察 力の養成にっながるものであ るだろう。 また構造主義や 後期構造主義、 脱構築主義などの 記号論を.

(16) 116. 学校教育として 扱. 堀. う. こと、 解釈学と意味論・. 典子. 図像解釈学の 3 つ む 別々に分離して 扱. う. ことは非常に. 難しく、 専門的ものになりかれないので、 概念と作品だけをまとめ、 必要と年齢に 応じてより深め ることも考えられる。 どの方法も完全なるものとは 言えなく、 視覚芸術としての 美術を受容するた めの部分的な 、 限られた接近方法にすぎない。 そのため今後さらなる 方法論の研究が 成されるべき であ る。. 5. 終わりに り、 一般的に考えられるような、 美術の様式 史 として「年表」的な 時代分類以外にも 様々な方向が 考えられる。 作品の歴史的事実を 実証したり、 美術の様式としての 方法論や意味論、 伝記的要素、 さらには造形要素など 美学や美術理論、 批評。 評価などが各時代と 社会によってどのような 変遷をたどってきたのかは、 全て「歴史」の 問題にか かわるためであ る。 また教育という 枠組の中で、 個々の文化に 別文化を結びつけてより 幅広く美術 を 把握しようとするとき、 「方法論」という 構造によって、文化的深層をもって 美術を眺めることは、 美術の解釈にも「方法」が 可能であ ることであ る。 視覚芸術の受容としての 美術教育、 その方法論の 研究に当たって、 R. アダムスの研究における 精 美術教育としての 美術史とは「美術の 歴史」であ. 神的。心理学的側面、 そして J. キルシヤンマン 及び F. シュル ツ 、 アダムスにおける 教育的結びつき を前提にした 実践的アプローチなどは、 今日の美術史研究が 単なる歴史研究に 学校教育との 結びつきにおいて 新たな可能性を 示唆するものであ 美術科の教育的場における. 討 することにしたい。. 終わるのではなく、 る。今後の研究ではこれらを 含め、. 賞 教育のための 方法論の、 より具体的適用及びその 問題点 は ついて 検.

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