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IRUCAA@TDC : 詳細な歯科診療を契機に診断に至った全身型重症筋無力症の2例を経験して

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Academic year: 2021

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全文

(1)

Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

詳細な歯科診療を契機に診断に至った全身型重症筋無力

症の2例を経験して

Author(s)

仁科, 牧子

Journal

歯科学報, 119(2): 127-128

URL

http://doi.org/10.15041/tdcgakuho.119.127

Right

Description

(2)

重 症 筋 無 力 症(Myasthenia Gravis;MG)は,神 経筋接合部のシナプス後膜上の分子に対する臓器特 異的自己免疫疾患である。日内変動,日差変動を有 する筋力低下を主症状とするが,その初発症状は眼 瞼下垂,複視などの眼症状が71.9%と大多数を占 め,咀嚼障害は14.9%と比較的少数で,球症状のみ が他の症状に先行した場合は診断に苦慮することも ある。ここでは嚥下困難,発語障害をきたし,耳鼻 咽喉科,脳神経外科,歯科などを受診するも診断に 至らず,本学歯科受診を契機に診断された MG2例 を経験したので紹介する。 症例1は23歳,女性。1年前より夕方になると食 事が食べにくくなり,また長く会話すると口が回ら なくなった。耳鼻咽喉科,脳神経外科,さらに歯科 を3か所受診したが,明らかな異常所見なく原因は 不明であった。嚥下困難を主訴に東京歯科大学水道 橋病院予診,その後摂食嚥下リハビリテーション科 受診となり,診察にて嚥下機能障害が疑われ原因検 索のため内科を紹介された。摂食不良のため,体重 減少を認めていた。 内科初診時には脳神経系異常なく,筋力は正常で あるが握力は反復運動にて漸減傾向を認めた。経過 および診察所見より,重症筋無力症などの神経筋疾 患が疑われた。抗アセチルコリン受容体抗体は35 nmol/L と上昇しており重症筋無力症と診断し,精 査および加療目的にて他院脳神経内科紹介となっ た。 症例2は初診時24歳,女性。受診2年前より歯科 治療後に呂律が回らなくなることに気づき,嚥下も 困難になった。内科,耳鼻咽喉科,歯科を受診する も異常なく心療内科受診を勧められた。東京歯科大 学市川総合病院歯科・口腔外科を紹介受診したとこ ろ,局所麻酔を施行すると舌の挙上,口唇の閉鎖が 困難となることより,神経筋疾患が疑われ神経内科 を紹介された。 神経内科初診時は脳神経系異常なし。顔面筋や四 肢の筋力低下は認めなかったが,握力は反復にて低 下した。症状が反復運動にて悪化し変動があること より重症筋無力症を疑い検査を施行した。その結果 抗アセチルコリン受容体抗体は38.6nmol/L と高値 を呈していた。正中神経刺激による拇指球筋の反復 刺激誘発試験でも20%程度の M 波の漸減現象を認

コラム

詳細な歯科診療を契機に診断に至った

全身型重症筋無力症の2例を経験して

Experience of two cases of myasthenia gravis diagnosed during careful dental practice

仁科 牧子 東京歯科大学市川総合病院内科学講座 准教授 略歴 1982年東邦大学医学部医学科卒業,1982年東邦大学医学部内科学第四講座 入局,1990年医学博士(東邦大学)取得,1995年東京歯科大学市川総合病院内科学 講座入局,2005年東京歯科大学水道橋病院内科へ転籍,2015年東京歯科大学市川 総合病院内科へ異動,現在に至る。 Makiko Nishina キーワード:嚥下障害,重症筋無力症,医療連携

Key words:dysphagia, myasthenia gravis, medical cooperation

(2019年1月30日受付,2019年2月20日受理,歯科学報 119:127−128,2019.) http : //doi.org/10.15041/tdcgakuho.119.127

127

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めた。以上より重症筋無力症Ⅱb 型と診断。加療の 結果,現在は症状もなく経過している。 このように,重症筋無力症は診察時には有意な異 常所見が得られず,さらに画像診断を行っても異常 なく診断には至らないことがある。しかし特徴的症 状,経過より専門科である神経内科医が問診,診察 で本疾患を疑うことは難しくない。今回提示した2 例も発症後診断に至るまで,内科,耳鼻咽喉科,脳 神経外科,歯科を複数か所受診し,最終的に神経内 科を受診するまでに約1∼2年を要している。 今回の2症例は,本学の歯科・口腔外科,予診 科,摂食嚥下科を受診し,詳細で適切な診察を契機 に神経内科へコンサルテーションされ診断から治療 に結び付いた。昨今,口腔機能と全身との関わりに 対する重要性が認識されており,口腔症状と全身疾 患との関わりにおいても全人的医療実践のため歯 科・医科の相互のスムーズな連携を図っていかなけ ればとの思いを新たにしている。 連絡先:〒272‐8513 千葉県市川市菅野5−11−13 東京歯科大学市川総合病院内科学講座 仁科牧子 128 仁科:全身型重症筋無力症の2例を経験して ― 46 ―

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