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現代の中国における女性と職業 : 自己実現とストレスをめぐって

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Academic year: 2021

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(1)57. 現代 の 中国 にお ける女 性 と職業 一― 自己実現 と ス トレ ス をめ ぐっ て一一. 余. 珠 爾. 序. 若. 梅. 本論 文 は主 に ,パ ー トタイ ム の 職 業 女性 が 仕 事 の た め に被 っ た ス ト レス ,お よび 家 庭 面 の 問 題 を論 述 す る。. 人類 の長 い歴 史 にお い て ,中 国女性 は社 会生活 の 面 での地 位 をほ とん ど失 い ,男 性 に隷属す る立 場 に陥 っ. 第一章. 中 国 に お け る女 性 の 歴 史 的 変 遷. て しまった。 しか し,現 代 の 中国 で は ,女 1生 は い ろ い ろな束縛 か ら解放 され ,そ の 地位 は次 第 に回復 し,社 会 の 中 で一 定 の地位 を占め る よ うになった。. 第 一節. 女性 の職業. 中国 で は,家 事 を主 とす る数千年 の伝統 的家庭生活. ところで ,現 代 文 明 の 中で は ,女 性 の社 会的地位 が. にお い て ,女 性 に 自由 と権 利 は なか っ た。 1949年 以. 絶 えず高 まって い る一 方 で ,そ の社会 か ら受 け るス ト ー トタ イ ム日の 女 ′ レス も増 えて い る。特 に 性に と. 後 の 中国社 会 で は,女 性 は尊敬 されて い るが ,現 実 の. ,パ. 社会 は職業女性 に様 々 な要求 を出 し,女 性 は色 々 な社. っては ,そ の ス トレスが大 きい 。彼女 たちは仕事 の た. 会 的矛 盾 に直面 して ,各 種 の 社 会 問題 を起 こ して い. め に社 会 の様 々 な ス トレス に耐 える と同時 に,家 庭 に. る。 そ こで ,パ ー トタイムの職業女性 の職業 と生 活 の. お け るス トレスに も耐 えなけれ ばな らない 。. 矛 盾 を研 究 し,そ の 原 因 と女 性 へ の 影 響 を分 析 した. 中国 は まだ伝統 的農業 国 か ら商業 国へ の発展途上 に. い 。 それ に基 づ い て ,こ れ らの矛盾 を解決す る道 を見. あ る国家 で あ る。社 会 の発展 に伴 って ,女 性 が家庭 と. 出 し,職 業女性 が 健 全 な人生 を送 る ため の 条件 を探. 職業 との 間 で葛藤 を体験 す るの は必然 的 で あ る とい え. る。. ヽ る。現代 中国 の職業女性 には,普 遍 的 に緊張 したノ 亡 理. 「 中国 の 数千年 に渡 る伝統 の 中 で は,社 会 は女性 の. 状態が存在 す るこ とになった。 この よ うな心理 は主 に. 身 に対 して一 つ また一 つ と,戒 律 と圧迫 と東縛 とい う. 環境 の変化 に よる もので あ り,こ の よ うな焦燥感 は女. 重 い 手 かせ ,足 かせ を加 えて きた。 1949年 以 前 の 中. 性 に ス トレス を もた ら した ので あ る。. 国社 会 で は,女 性 には本 当 の 人身 の 自由が な く,ず つ. 職業女性 に とって ,仕 事 と家庭 の狭 間 で悩 み ,葛 藤. と付 属 品 と して社 会 の 中 で 生 活 して きた。 自由 が な. に耐 えなければな らな い年齢 はお よそ 25歳 か ら 40歳 の 間 で ,出 産年齢 にあた る。 この 時期 ,職 業女性 は仕. Jと く,た だ生殖 の道具 で しかなか った」 中国の政治家 の宋慶齢 (孫 文 の妻)は 1953年 に述べ てい る。. 事 に関 しては黄金期 なのであ り,家 庭 にお い て も最 も. 1949年 以前 の 中国社会 では,男 性 が 自分 の社会的. 重要 な時期 で あ る。両面 ともに重 要 な年齢 で あ る と同. 地位 と財産を恒久的 に保持す るため,嫡 出の後継者が. 時 に,最 大 の悩 みの 時期 で もあ る。 そ して ,職 業女性. 要求 され,封 建制度"が それに応 じて現れた。 この よ. は 身体面 で ス トレス を受 けるだけで はな く,心 理面 で. うな制度 で嫡出の相続人 を確保す る前提 として,男 性 に対 してはその人格 と尊厳へ の尊敬 を,女 性 に対 して. も大 きいス トレス を受 け て い る。 女性 が 受 け るス トレスは男性 よ りも大 きいの は 明 ら. は閉鎖的態度 をとるようになった。封建制度 の確立 に. かで ,そ の重要 な原 因 は地位 が 高 まる こ とに伴 って社. よって,女 性 は家庭内労働 だけに携 わ り,社 会か ら離. 会か ら受 ける ス トレス と,こ の よ うな ス トレスの解消. れ,社 会 とのつ なが りが途絶 えた。統治者 の男尊女卑. が う ま くい か ない こ とに よる と思 われ る。職業女性 が 受 ける ス トレスは主 に社会 と家庭 か らであ り,そ の二. の宣伝 により,「 男性 は外 ,女 性 は内」 の両性分業 が 中 形成 され,周 時代 には初めて規則 で定 め られた。家. 者 の ス トレスは互 い に関連 した もので あ る。. 庭内外 の仕事 においては,男 性 が外 ,女 性 が内で,女.

(2) 人間科学研究編 (2006年 3月. ). 性 は外 へ 出 る ことは許 され なか った。 この 分業 制度 で. 運命 の 主 人 とな り,社 会 に出て も,男 性 と同 じように. は男性 は政 治 ,軍 事 ,外 交 ,社 会生 産 な どの公事 ,外. 独立 した人格 を持 つ 人間なので あ る。 この社会 も男性. 事 を し,女 性 は私事 ,内 事 だけに限 られ ,政 治 な どに. だけが 治 め る天 下 だけで な く,男 女 ともに天下の主 人. 携 わ る こ とはで きなか っ た。「男 性 は 外 ,女 性 は 内」. とな り,社 会 を共 同 で 治 め る こ とになった。. とい う制度 の もとで ,女 性 は政治参加権 だけで な く ,. 1949年 の 《中国 政 治協 商 会議 共 同綱 領》 で ,女 性. 財 産 の所有権 ,支 配権 , さらに自由 も奪 われ ,家 庭 に. を束縛 す る封 建 制 度 の 終結 を宣 告 し,1950年 第 一 部. 東縛 され ,男 性 の 家族 に奉仕 し,男 性 に依存す るこ と. 《婚姻 法》 で 女性 は婚姻 自主 の 権 利 を勝 ち取 り,さ ら. となった。. に,1954年 に発 布 され た 第 一 部 《中華 人民 共 和 国憲. 封建制度 の専制秩序 と分業様式 を強め るため に,統. 法》 に よって ,法 律 上の男女平等 の権利 と政 治権 を確. 治者 は女 性 道徳標準 ,即 ち貞専従順 を作 り,女 性 の義. 立 し,各 法規 は詳細 に女性 の 権益 を規 定 ,保 障 し,十. 務 を定 めた。 これは男性 が女性 を支配す るための一 方. 分 に政 治権 を享受 して もらうと同時 に,女 性 に平等 な. 的 ,か つ 封建制度 を維 持 す る表面 的 な道徳であ る。 し. 就職権 と同職 同給 を保 障 した ので あ る。 これ らの措 置. か し,こ の 道徳 に よ り,従 順 は女性 の 精神 内部 に まで. は女性 の 発展 を促進 したが ,封 建制度 とは鮮 明 に対照. も浸透 し,穏 やか に男性 の利益 を守 る こ ととな り,女. 的 であ る。法律 の_Lで ,男 女平等 の法律 が制 定 され る. 性 に とつては 貞専従順 を保証す る根本 的 な道徳 となっ. こ とに よ り,女 性 は あ らゆる職 種 へ の就業 の権利 を得. た。. て ,経 済的独 立 が可 能 とな り,教 育 の普 及 に よ りさら. 封 建 制 度 の 元 で生 活 す る女 性 が ,男 性 の 苗 字 ,血. に 多 くの 人に教育 を受 ける機 会 を獲得 させ た。. 縁 ,財 産 ,生 命 な どを継承す る道 具 で あ り,長 い 歴 史. 中国 の女性 は社 会的労働 に参加 し,政 府 の 政策決定. で形成 された 「女性 は 内」 の伝統 も女性 を東縛 す る分. には大 きな役割 を果 た した。 そ して ,女 性 の社 会的地. 業様式 に過 ぎない こ とは 明 らかであ る。 この 分業様式. 位 と伝統 的役割 は改善 された。 中国 の 歴 史上初 めて. の状況下 で は,女 性 は権益 と機 会 を失 い ,自 由が奪 わ. 法律 上女 性 が社 会生活 に参加 す る こ と,教 育 を受 け. れ , もっぱ ら家事 に従事 す るだけで ,各 分野 で 男性 と. 労働 に参加 す る こ と,選 挙権 ,平 等 に財 産 を所有す る. 同様 に労働 す るこ とがで きな くな った。 そ して 自分 自. こ との 権利 を承認 した。 この 法律制定 自体が男尊女卑. 身 の 社 会 的価値 を直接 的 に 体現 で きず ,男 性 に依 存. に対 して ,挑 戦す る もので あ る。. し,「 妻 は夫 で 尊 くな り,母. 5こ は虐、 子 で 尊 くな る」 と. を期 待 す る しか な くな った。 自由 と権利 を喪失 して. ,. ,. ,. しか し,積 極 的 な面 を肯定す る と同時 に激 変す る事 象 に隠れて い る問題 も認識 しなけれ ばな らない 。 1980. 男性 の望 む とお りの 人格 を受動 的 に養成 す る しか仕方. 年代 か ら,女 性 は男性 と同 じように激 しい労働 を し. なか った。. 男性 以上 の精力 と代価 を費 や して きた。 しか し,女 性. ,. い うまで もな く,「 男性 は外 ,女 性 は 内」 の 分業様. は 一種 の新 たな窮境 に陥 った ことに気 づ き,ま た ,男. 式 で は男性 の最大 限 の 社 会的価値 は女性 の社 会的価値. 性 中心 の 文化や価値体系 に対 して ,女 性 の側 か ら問題. の剥奪 に よつて実現 され る。 これ は単 なる家庭 の 分業. を提 起 した。女性 は 自由 と平 等 を追 求 す る にあ た つ. だけで な く,女 性 の 人間 と して の 権益 ,女 性 の 発展. て ,女 性 の 立場 に立 ち,女 性 の心 身 の健康 と進歩発展. ,. に役立 つ 女性 の 文化や価値体系 を確 立 しなけれ ばな ら. 女性 の社 会的地位 にかか わる大 きな問題 であ る。. 1949年 に中華 人民 共和 国 が成 立 し,政 治 革 命 の 成 功 に伴 い ,女 性解放運動 の幕が 開 い た。国 は法律 や行. な い 。 これ が激変 の過程 に起 こった問題 ,広 汎 な女性 が探 求 しなけれ ばな らない 問題 で もあ る。. 政 な どの一連 の手段 を打 ち出 し,封 建制度 な どの 不平 等 的 な規範 を徹底 的 に廃止 して ,社 会主義 の男女平等. 第 二節. 学歴 と教育. が実現 す る こ とにな った。 1949年 以 後 ,中 国女 性 は. 社 会 の経 済 の 進歩 と教育事業 の急速 な発展 に よ り. 権益 の 享有 と平等 な法律 的地位 の 獲得 に よつて ,国 家. 中国 の女性 の教 育 の 権利 を受 ける機会 と教育水準 は. の主 人公 となった。 中国女性 は一 瞬 の うち自由 と権利. 極 めて大 き く向 上 した。 表 1の 男女 の学歴 に関す る調. を獲得 した とい われて い る。彼女 たちの政治的 権利. 査結果 を見て い きた い。. ,. ,. ,. 社 会的待遇 ,家 庭 での 地位 ,就 職状 況 な どは大 多数 の. 1982年 には,大 学 以 上 の 学 歴 を有 す る女 性 の 対 人. 欧米 国家 の 女性 が なか なかか なえ られ な い もので あ っ. 口比 率 は 0.32%,高 校程度 の学 歴 を持 つ女性 の対 人口. た。 父 に従 わな くて も,夫 に従 わ な くて も,虐 、 子 に従. 比 率 は 5。 22%で あ つた。初級 中学 程 度 の 学 歴 を持 つ. わな くて も,自 分 の こ とを 自分 の 意志 で 決 め ,自 分 が. 女性 の対 人口比率 は 13.53%で ,小 学校程 度 の 学 歴 を.

(3) 若梅 :現 代 の 中国における女性 と職業 表. 1. 大学 年代. 1982年. 高校. 初中. lヽ. 学. Jヽ. 学以 下. t 年十. 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性 男性 女性. 女性受 賞者数. 受賞者 総数. (総 数に対する比率 %). (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%) (%). 1978年. H6人. 0.86. 30.85 30.30 50.08. 1985年. 832. 6.40 27.28 18.92 37.66 36.44 23.82 37.37. 1992年. (970人. 5.22 21.57. 1990年 1995年. 表 2 技術発明賞受賞者 の男女比率. 女性 の学歴 と男性 の学歴 の対 人口比率. 9。. 2.85. 36. 10.63. 34。. 74. 13.53. 25。. 39。 38. 49 42.57 42.32. 9。. 21 22.99. 1993年 1995年. 人 ). ). 93。. 1%. 8人. (753人. ). 90.59る. 79人. 9.5%. (838人. ). 86。. 4%. 132人. 13.6%. 人). 86。. 3%. 97人. 13.7%. 86.4%. 30人. 13.6%. 708ノ 、. (220人. ). 9%. 人. (190人. ). 6。. ( )内 は筆者 の計算 により加 える. ∽鮒肝. 易 学 ヽ ︲ ′. ∽難学 ′ ∽難︲ ∽難中 ∽難初 ∽雑校 ∽難高 ∽難学. 図 1 女性の学歴 と男性の学歴の対人口比率 :在 鳳垣,張 瑛,『 婦女社会地位評倫指標体系研 究』 より作成,中 国婦女出版社,2003年 ,104頁 (参 考資料. ♂♂ござご. 図 2 技術発明賞受賞者の男女比率. ). (参 考資料. 持 つ 女性 の対 人口比 率 は 30。 85%だ った。 199o年 に実. :桂 鳳垣,張 瑛,『 婦女社会地位評倫指標体系研. 究 より作成,中 国婦女出版社,2003年. ,H2頁. ). 施 された調査結果 に よる と,大 学以 上 の学歴 を有す る 女 性 の 対 人 口比 率 は 0.87%で 1982年 よ り 0.55%増. 女性 は経 済 ,政 治 ,外 交 ,科 学技術 ,文 化 ,体 育 な. え,高 校程度 の学歴 を持 つ 女性 の対 人 口比 率 は 6.40%. どの 各分野 で ,こ の 30年 ほ どの 間 に水準 も向上 し. とや は り 1.18%増 えた。初級 中学 程 度 の 学 歴 を持 つ. 多 くの優秀 な人材 を輩 出 し,日 覚 しい 貢献 を した とい. 女性 の対 人口比 率 は 18.92%で 5.39%増 え,小 学校程. える。 しか し,ス テ レオ タイプ と して ,女 性 は感情 的. 度 の学歴 を持 つ 女性 の 対 人 口比 率 は 36.44%と 5.59%. で ,男 性 ほ ど挑戦 的 で はな く,創 造力 に乏 しく,決 断. 増 え て い る。 1995年 に 実 施 され た 調 査 結 果 に よ る. 力 が ない と思 われが ちであ る。 これ らの偏 見 とそれ に. と,大 学 以上 の学歴 を有す る女性 の対 人 口比率 は. %と 5年 間 で 74%増 0。. ,. 1.61. 基 づ く差別 に よ り,女 性 が様 々 な職業 に適 して い ない. え,高 校 程 度 の 学 歴 を持 つ 女. こ との理 由 とされ ,た とえ採 用 されて も,評 価 の低 い. 19%増 えて い る。 この. レベ ルの職種 に限定 され る傾 向 が あ る。 この偏 見 に よ. 性 の 対 人 口比 率 は 7.59%と. 1。. 数年 の 変化 を通 じて ,各 水準 の学歴 にお ける女性 の対. って ,女 性 が不公 平 な待 遇 を受 け ,発 展 を妨 げ られ. ・ 。 つ ま り,1982年 か 人口比率 は増加 した のが わか る. 各分野 での女性 高位 管理職 の 出現 の低 下が生 じて い る. ら 1995年 にか けて ,女 性 の教 育程 度 が 高 くな ってい. 現状 につ い て次節 で考察 してみ た い 。. ,. るこ とは確 かであ る。 さらに,表 2の 技術発 明賞 を例 に とって ,女 性 の 科. 第 二節. 女性 と就業. 学技 術 者 の 貢献 につ い て 考 えてみ よ う。 1978年 の 技. 1949年 中華 人民 共和 国 が建 国 され たが ,政 府 は 労. H6人 の うち,女 性 はわず か 8. 働 力不足 の 問題 を解決す るため ,そ して また女性解放. 人であ り,受 賞者 の 6.9%に す ぎなか った。 1985年 は. とい う政治 目標 を実現す るため に,都 市 と農村 の女性. 受賞者 832人 中,女 性 は 79人 ,受 賞者総数 の 9.5%,. を幅広 く社会的労働 に動 員 した。 それ以降 ,女 性 の就. 1992年 女性 受 賞者 は 13.6%に ふ え,1993年 には,女. 業率 は 高 く,世 界 的 に見 て も高水 準 で あ る。 た とえ. 7%で あ つた。 1995年. も女性 受 賞 者 はお よそ 13.6%強 で あ り,こ れ は 解 放. ば ,「 82年 の女性就業者 は全 就業者 の 43.7%を 占 め 90年 は 45%で あ つた」舒と指摘 され てお り,解 放前 の. 前 の 中国 の 女性 の 非識 字率 が 98%で あ つた こ とを考. 1940年 の 10才 以上 の女性 が正式 に職業 を もってい た. ・。 慮 すれ ば,本 質的 な飛躍 で あ る とい える. 率 (お よそ 1∼ 9%)と 比 べ て ,驚 異 的 な高 さで あ る. 術発 明賞 を得 た総 人数. 性 は 97人 で ,受 賞者総数 の. 13。. ,.

(4) 人間科学研究編 (2006年 3月. ). 女性 が占める状況 にな りつつ あ るが,「 職業階層 の ラ. に は 328.6万 人 とな り,就 業 者 の 総 数 の 25.00%ま で 日 増力日した 。. 9が い せ ることは重要であ ンクが低 い とい う特徴」 見 出. 次 に女性 の労働者 の働 い て い る場所 につい て考 える. ことがわかるであ ろう。 しか し,労 働力の半数近 くを. た め に,表 3-2の 統 計 結 果 を見 て み よ う。第 1次 産. る。 まず ,表 3-1に お い て 都 市 の 就 業 者 の 男 女 比 率 を. 業 に限 るが ,1952年 か ら 1958年 にか け て ,農 村 の 方 が都市 よ りはるか に女性 が働 い て い る場 で あ る こ とが. 見 てみ た い 。. 1949年 の都市 女性 就 業 者 の 総 数 は 60.0万 人 で ,都. 顕著 であ る。. Ю 市 就 業 者 総 数 の 7.50%と 1割 以 下 で あ つ た。 1952. 表 3-1と 3-2を 合 わせ て 考 えて み る と,1949年 か. 年 には都市女性 就 業者 の 総 数 は 184.8万 人 とな り,都. ら 1957年 まで ,都 市 での女性 労働 者 の 増 加 す る ス ピ. 市就業者 の総数 の. H.69%を 占め た。 そ して ,1957年. ー ドが とて も速 い こ とが 見 い 出せ る。 しか し,第 1次 産業 にお ける女性労働者 の割 合 は ,農 村 の 方 が 多 くな. 表. 3-1. 都市 にお ける男性 と女性 の就業者比率. ってい る。 つ ま り,1949年 か ら 1958年 にか け て ,女. 就業者総数 男性 就業 者 女性 就業者 女性 就業者 の比率 (%) (万 人 (万 人 (万 人. 年代. 1949年. 800.00. 1952年. 1580.09. 1957年. 1314.10. ). ). ). 740.00. 60.00. 7.50. 29. 184.80. 11.69. 985.50. 328。 60. 25.00. 1395。. 性 の就業率 は高 くな ったが ,主 と して農村 で 第 1次 産 業 に従 事 して い る割合 が 高 く, したが って職業 レベ ル を考 えれば,低 い と言 わ ざる を得 ない。. 1995年 の 人口統 計 調 査 に よれ ば,産 業 に従 事 して い る女 性 経 済 活 動 人 口に総 数 は 32,017.5万 人 で あ る。表 4で 3つ の 産業 の領域 にお ける男女 の比率 を見. 1800.00. てお きた い。 そ の うち,女 性 の経 済活動 人 口 の比率が. 1600.00. 最 も多 いの は第 1次 産業で ,65%を 占めてお り,第 2. 1400.00. 次 産業 内 で は 30%,第 3次 産業 内 で は 39%の 割 合 を い 占 め て い る 。 (第 1次 産 業 と は 農 業 ,林 業 ,牧 畜. 1200.00 1000.00 800.00. 業 ,水 産業 な ど直接 自然 に働 きか ける もの をい う。第. 600.00 400.00. 2次 産業 は製造業 ,建 設業 ,鉱 業 ,電 気 ,ガ ス,水 道. 200.00. 供給事 業 な どが 含 まれ る。第 3次 産業 は,第 1次 産業. 0.00. 19491F19521「 1957年 図 3-1 都市 にお け る 男性 と女性 の就業 者比率 (参 考 資料 :杜 芳 琴 ,王 向賢 ,『 婦 女 与社 会性 別研 究 在 中国 1987-2003』 よ り作 成 ,天 津 人民 出版社 ,2003年 ,345頁 ). 表 3-2 第一次産業 女性就業者におけ る農村 と都 lll の 比率. と第 2次 産業以外 の 産業 で ,金 融業 ,運 輸 ,通 信業. ,. 商業 ,文 化 ,教 育 ,社 会保 障 ,社 会福祉 ,飲 食業 ,ホ テ ル業 ,保 険 な どが 含 まれ る‖)。 (資 料 :中 国国家統 計 局 2003年 5月 20日 新華 円 の発表 ) 表 4か ら見 る と,1995年. ,女 性 労 働 者 の 比 率 が 多 いの は 第 1次 産業 であ る。 つ ま り,女 性 の労働 は主 に. Fttft. 農村比率 (%). 都寸けヒ率 (%). 1952年. 60.00. 40.00. 職業構造 か ら見 る と,中 国 の女性 は,最 初 は多 くが. 1958年. 90.00. 10.00. 第 1次 産業 に就 業 し,そ の 後第 3次 産業 に移 行 す る。. 1952年. (参 考資料 三杜芳琴. 農業 ・畜 産業 だ と考 え られ る。. 1958年. 図 3-2 第 一次 産業女性 就業 者 にお ける農村 と都 市の 比率 :チ 社 会性 別研 究 在 中国 1987-2003』 よ り作成 ,天 津 人民 出版社 ,2003年. ,I向 賢 ,『 婦 女. ,345頁. ).

(5) 若梅 三現代 の 中国におけ る女性 と職業 表 4 各産業別男女性経済活動人口比率. 表. 35. 65. 第 二 次 産業. 70. 30. 中央責任者. 省責任者. 90. 地方責任者. 89. 県責任者 区. ,. 鎮 ,郷 責任者. J. 〆. 図 4 各産業別男女性経済活動 人 口比率 (参 考 資 料 :労 動 社 会保 障部 労 動 科 学 研 究 所 ,『 2002年 中国就業報告』よ り作成 ,中 国労動社 会保 障 出版社 ,2002 年 ,103頁. 11. 94. │. 〆. ` ◇. 図 5 女性の責任者数の比率 (1990) 三在風垣,張 瑛,『 婦女社会地位評価指標体系 研究』 より作成,中 国婦人出版社,2003年 ,208頁 ) (参 考資料. ). 5. 男性 (%). 39. 第 二次 産業. 表. 女性 の責任者数 の比率 (1990) 女性 (%). 男性経済活動人口の 女性経 済活動 人 口の 比率 (%) 比率 (%) 第 一 次 産業. 6. 第 三 次 産 業 に お け る女 性 の 経 済 活 動 人 口 比 率 (2000). 次 に社会 的 に高 い 地位 を女性 が得 て い るか ど うか を. 業種 の種類. 女性経 済活動 女性経 済活動 人 口 (万 人 口比率 (%). み るため に,責 任者 の比率 を見 てみ よう。. ). 金融 ,保 険業. 141.2. 48.00. サ ー ビス業. 210.4. 46.00. 衛生 ,ス ポ ー ツ,社 会福祉. 278。 2. 58。. 不動 産業 文化 ,芸 術 ,映 画 ・ テ レビ 人口総数 。人口比率平均. ,中 国政 府 の 職 務 担 当 者 は,中 央 レベ ル の 責 任 者 の う ち女 性 は 19%を 占 め ,省 レベ ルの 責任 者 で は 10%を 占 め て い る と発 表 表 6に あ る よ うに,1990年. 40. した。 さ らに地 方 レベ ルで は. H%,県. の指 導 者 の 中. 34。 2. 36.80. で は 7%を 占めてお り,区 ,鎮 ,郷. 3. 46.00. あ る。 中国政府 は強力 に「男女平等」 を提 唱 し,法 律. 1353.3. 47.04. の上 で女性 にた くさん就 業す る機会 を与 える と宣 言す. 689。. 参考資料 !労 動社会保障部労動科学研究所,『 2002年 中 国就業報告』 より作成,中 国労動社会保障出 版社,2002年 ,103頁. レベ ルで は 6%で. るが ,や は り政府 で 責任者 を担 当す る女性 の数 は まだ 少 ないの で あ る。女性 が政 治 に参加す る状 況 を改善す るため には ,政 策 だけで は解決 で きな い。 それ は ,女. この過程 で ,中 国女性 の就業 の領域 は広 が って きて. ,. 最近 は特 に新 しい 産業へ の就 業 の割合 が明 らか に上 昇 して い る。表 5に よれ ば ,2000年 の 10業 種 の 女性 の 経 済活動 人 口は比較 的高 い割合 を占めて い る。金融. ,. 性 自身 の 能力 の 向上 や女性が参加 す る政 治 の環境 ,あ る い はマス コ ミの宣伝 にかか つてい る 。 1・. す で に述 べ た よ う に,女 性 の就業率 は高 いが ,中 国 の 女性 の 社 会 的 な地位 につ い て は 問題 が 存 在 して い. 保 険業 の女性経 済活動 人 口は 141.2万 人で ,こ の 業種. る。即 ち,女 性 が就業 で きる職業 の レベ ルは男性 に比. の 48.0%を 占めて い る。サ ー ビス業 の女性 は 210.4万. べ て低 く,「 中国の女性 は文化や教育 の分野 と政 府機 口 )に 関ではたった 30%を 占める」 過 ぎない。. 人 で ,こ の 業 種 の 46.0%を 占 め る。衛 生 ,ス ポ ー ツ,社 会福祉 事業 に従 事 す る女性 は 278.2万 人で ,こ の 業 種 の 58.4%を 占 め て い る。不 動 産 業 の 女 性 は. 以上の各種 のデー タか ら見ると,中 国の女性 は 1949 2000 年以降,主 に第 1次 産業 を中核 として働 いて きた。. め る。文化 ,芸 術 ,映 画 ・ テ レビ等 の業種 に就 業す る. 年 の時点では,女 性 は第 3次 産業 に徒事す る人数が増 加 してい る。経済発展 のために,女 性 は社会での労働. 女性 の 数 は 689。 3万 人 とか な り多 く,こ の 業種 の 46.0 %を 占めて い るい. に参加す る人数 を増加 したが,高 い地位につ く人たち はまだまだ少ないので,現 実 には,実 質的 に「男女平. 34.2万 人で ,こ の 業 種 の 経 済活 動 人 口 の 36.8%を 占. )。.

(6) 人間科学研究編 (2006イ「i3月. 62. ). 外 ,女 は 内」 とい う分業 の樺組が残存 した まま,社 会. 等」 が ,実 現 して い る とは言 い難 い。. 的労働 を行 うには 「『家』 は大忙 しの主 戦場」"│で ,そ 第二章. 職 場 0家 庭 が 与 え る ス ト レ ス. こで休虐、 で きるの は男性 だけであ る。 そ の よ うな女性 の 高負担 は,女 性 の社 会進 出 にブ レー キ をかけ る事態. 第 一節. 1. をひ きお こ して い るが ,そ れ につい ては,後 述す る こ. 職場 とス トレス. とに して ,ま ず は,就 職機 会 の不平等 につ い て考察 し. 就業環境. まず ,中 国女性 の就業環境 と就業 の特徴 を歴 史的 に. た い。. 2. 分析す る。 中国 で は,女 性 の 就業 は 中国 の 歴 史的 ,社 会的現実 と不 可 分 で あ る。 1949年 以 前 ,中 国 の 女性 の 社 会 的 地位 は低 く,社 会 は女性 の就業 に対 しては否定 的態度. 就業 の機会. 改革 開放 以来 ,女 性 の就業問題 は男性 の それ よ り際 立 って い る。. 2003年 に北 京 の 大 学 生 が 求職 す る に際 して ,調 査 され た企 業 の 中 で ,56%の 企 業 が 男子 大 学 生 の み を. を持 ってお り,女 性 の 就業環境 は劣悪 であ った。 第 1章 で も述 べ た よ うに,1949年 以 後 ,中 華 人民. 募集す る と して い るの に対 して ,女 子大学 生 のみ を募. 共和 国社 会主義制度 の確立 に よ り,女 性 には男性 と平. 集す るの はわずか 4%で あ つた。男女大学 生の い ず れ. 等 な就業 の権利 が付与 されただけで な く,男 性 と同等. も募集す る とい う企業 の 34%と 合 わせ て女 子 大 学 生. の就業環境 が提 供 され る ことが ,法 律 で保障 された。 現在 中国 の 女性 の 間 で は就業環境 の 改善 に伴 って ,自. を募集 の 枠 に入れて い るの は 38%の 企業 しか な く Ю 男 子 大 学 生 の 90%と の 差 は とて も大 きい 。表 7か. 己実現 を目指す傾 向 があ る。 しか し,政 治及 び経 済活. ら,企 業 は女子 の採 用 に積極 的 で な い こ とが 明 らかで. 動 は,改 革 開放 の波 が到来 して以 降 ,女 性 の就業環境. あ る と考 え られ る。. に多大 の影響 を及ぼ した。 まず改 革 開放 を境 と して. ,. ,. また同 じ年 に行 われた大 学 生 の就業状況 に関す る調. 経 済 は 1980年 代 の 初 めか ら発 展 した。改 革 開放 の 出. 査 か ら,次 の ような こ とが 分か った。女子大学 生 は就. H期. 職 しに くい と思 うか とい う設 間 につい て,そ う思 う と. 発点 は,1978年 12月 に 開 か れ た 中 国 共 産党 第. 中央委 員会 第 3回 総 会 (三 中全会 )で あ る。 そ こで. ,. い う回答 の比率 が 高 か ったので あ る。. これ まで の 「伝統 的 ,閉 鎖 的 ,高 度集 中的 な計 画経 済. 表 8か ら見 る と,女 子大学 生 は就職す るのが 困難 だ. 体制 を改 革 し,全 面 的 な開放 をすす め る 中で社 会主義. とみ なす 人 々が 多 い 。女子大学 生が就職 しに くい こ と. 市場経 済体制 を建設 し,経 済効率優先 の 原則 に よつて. に 同意 した女性 は「全 くそ う思 う」と回答 した のが 569. 生 産力 を発 展 させ る・ 」 こ とが 決定 され た。経 済 発 展 は女性 に一 層 多 くの 就 業 の 機 会 を創 出す る こ と とな. 表. 7 2003年 北京大学生求職調査. り,就 業 の 領域 を広 げ ,女 性 の 社 会経 済的地位 の 向 上. 調 査 された企業 (%). のため に多 くの機 会 を提 供す る こ ととなった。 そ の結. jJ′ ^大 り 学 生のみ を募集す る. 果 ,社 会生 産労働 に参加 す る こ とは,男 女 の社 会的地. 女 F^大 学生 のみ を募 集す る. 位 の平等 を実現す る上 で 法律的 な基盤 を提供 し,女 性. 男 女大学生 のい ず れ も募集す る. には広大 な 自己実 現 へ の 重 要 な道 を準 備 した の で あ. イく 明 回答. る。 しか し,就 業 にお ける性差 別 は 見落 とす こ とので き. 調査された企業 (%). ない重要 な問題 であ る。経 済体制 の 改革が進行す るに 伴 い ,就 業 に も計 画分配 か ら市場競争原理 が 導 入 され. \. た。 さらに政経分離 に よ り,企 業 は 自己責任 を もつ 独. □男子大学 生のみ を募集する □女 子大学生のみ を募集する 圏男女大学生 のい ずれも募集する ■不 明回答. 立経営体 と して利潤 追求が最大 の 目標 となったの も必 然的 な こ とであ る。 市場経 済 は女性 に,男 性 とまった く平等 に市場競争 に さらされ るこ とを要求す る。 と くにあ る程度 の 社会 的地 位 に つ い て い る女 性 た ち は,成 果 をあ げ る た め に, しば しば男性 よ りももっ と犠牲 を払 って仕事 を し なけれ ば な らな い。伝 統 的 な社 会 が期 待 す る 「男 は. 図6 (参 考資料. 2003年 北京 大学生求職調査. :孟 憲池 ,『 転型社 会 中国的婦女』 よ り作 成. 国社 会科学 出版社 ,2004年. ,75頁. ). ,.

(7) 若梅 :現 代 の 中国 にお け る女性 と職業 表. 8. 機 を減退 させ て しまう結果 にな った。 た とえば ,社 会. 女子大学生 の就職 の難易度 につ い ての意識 男女 総数 (人 ). にお い て ,男 性 の社会的地位 は往 々に して女性 よ り高. 男性 回答者数 女性 回答者数 不明 (男 性 の 中 で (女 性 の 中 で 回答 の比率 の比率 (人 ). (人 ). ). ). い が ,こ れ は男性 の職業 の社会的評価 が女性 よ り高 い とい う伝統 を反映 した もので あ る。 中国 の 関連部 門 の. 全くそうは思わない. 129. 99(8.2%). 29(3.0%). そうは思わなし. 185. 134(H。 6%). 51(5。 2%). どち らで もなし. 470. 375(30。 9%). 93(9.6%). 畜業 ,商 業 ,サ ー ビス業 ,各 種 の専 門技術労働 に従事 して い る。 い くつ かの部 門で は女性 を担 当部署 へ 配置. そう思 う. 566. 334(27.6%). 225(23.3%). す る場 合 ,職 務 能力 や専 門的 な学識等 に対 して明 らか. 269(22.3%). 569(58.9%). に保 守 的態度 を と り,彼 女 た ちには往 々 に して男性 と. 1211(100%). 967(100%). 同等 の成功 の機 会や条件 を与 えず ,社 会 で競 争す る上. 全 くそ う思 う 合. 2190. 計. 1. 統計 に よれ ば,中 国 の女性 の 多 くは,農 林漁業 及 び牧. で劣勢 に立 たせ て い る。 そ して ,彼 女 たちが 才能 と知 男女総数 (人. 恵 を発揮 す るの を妨 げ て い るのであ る。. ). 改革 開放後 ,社 会 は仕事 にお い て特技 を身 につ けた 才能 の豊 か な女性 を重視 し始 め ,そ れ以前 と比 較 すれ ば 幅広 く仕 事 の 機 会 を提 供 す る よ う に な っ た。 しか し,女 性 が一旦採用 され ,職 場 で い くら活躍 して い て も, リス トラの波が押 し寄せ れば ,多 くの企業 で は ま ず女性 ,特 に中年女性 と妊娠 の可能性 の高 い年齢層 の 女性 を解 雇 な どの対 象 とす る。 図 7 女子大学生 の就職 の難易度 につい ての意 識 (参 考資料 :孟 憲疱 ,『 転型社 会 中国的婦女』 よ り作 成 中国社会科学 出版社 ,2004年 ,69頁. ここで ,女 性 に対 して ,社 会的労働 か ら締 め出 し. ,. ,. ). 家庭 に回帰 させ る動 きが生 じた こ とを と りあげ てお こ う。 これ は「婦女 回家」論争 とよばれ る もので ,権 威 あ る女性 誌 「 中国婦 女」 に 1988年 の 1年 間 にわ た つ. 人 (女 性 の 中の 58%)で ,「 そ う思 う」 の 回答 の 225. て議論 された問題 で あ った。 そ の 中で 黎静 の 「私 の 出. 人 も合わせ ると女性 の 中の 82%ま でがその よ うな意. 路 は どこに」 とい う投稿 を見 てみ る. 識 をもってい る。男性 は「どちらで もない」 とい う回. 学卒 の優 れた既婚 の有職女性 であ るが ,工 場 に改 革 の. 性 の 中の 30%)と 一番多 く,「 そ う思. 波 がお しよせ た とき,経 済効率 を高 め るため に,余 剰. 答 が 375人. (男. う」 の 334人. (男. 性 の 中の 27%)と 「全 くそ う思 う」. 2)。. 37才 の黎 は大. 人員 と して ,自 宅 待 機 者 の 1人 に させ られ て しまっ. の 269人 と合 わせ てほぼ 50%近 い。女性 ほ ど多 くは. た。 これ を命 じられ た労働 者 の 約 90%は 子 ど もの い. ない として も,や は り女子大学生 の就職が困難 である. る女性 で あ る とい う。. ]。. ことを認識 してい る. 企業が経 済効率 を高 め る とい う目標 を達成す るにあ. す で に述べ た よ うに,1949年 以 後 ,社 会主義 国 で ある中国では,女 性 の解放 は社会的労働へ の参加 によ. たって ,自 宅待機 や解雇 の対象 になるのが 女性 で あ っ. る経済的平等 の達成 を基盤 とする とい う理念 の もとに. 者労働保護規定」 が公布 された こ とが 大 きい 。 どの程. 女性 の就業が進 め られて きた。現代 の 中国の女性 は多. 度 そ の規定が守 られ て い るか は今 問 わ な い が ,「 9o日 間 の 産体 ,生 後 1年 までの哺乳時 間 ,妊 娠 ・ 出産 ,哺. くの才能 を持 ち,仕 事 を興す意欲 も抱 き,自 己実現 の 強 い欲求 をもつ 人が増加 してい る。 しか し,社 会 はい. た の は,な ぜ だ ろ うか。 まず ,1988年 に 「女 性 労 働. 2〕 乳期 の 賃 金 カ ッ トや解 雇 の 禁止 な ど」 が保 護 規 定 と. ろんなことを理 由 に して,女 性 を男性 と対等 の労働力. してあげ られてお り,企 業 か らす れば ,女 性労働 者 は. とはみなさないのである。では次 に,女 性労働者 にど. 効率 が悪 い こ とになる。 また ,男 性 が失業す る と,女. んな境遇が待 ち受けてい るかを述べ たい。. 性 の失業 よ りも多 くの社 会不安 を招 きかね ない 。. 3. 職業女性 の境遇――「婦女回家」論争. ここでは職業女性 の基本的な考 え方 と境遇 か ら,職 業女性 の 困惑 を分析 す る。 まず ,社 会が両性 に対 して異 な った成功 の条件 と機 会 を与 える こ とで ,女 性 が社 会 で 成功 しようとす る動. 女性 の 出産 ・育児 につ い ての社 会的価値 が まだ全体 と して肯定 されて い な い ことか ら,出 産や育児 に伴 う 費用 も社 会 の負担 だ と考 え られては い ない 。 そ のため 企業 に女性差別 とい う現象 が現 れ るのであ る。女 性 に 特有 な生理機能 は出産 ・育児 とい う重責 を引 き受 け. ,.

(8) 人間科学研究編 (2006年 3月. ). 女性労働 者 の 出産 ・育児 の 行為 は企 業 の 合理化 には不. 目ざ し,自 分 の 才気 と能力 が 社 会か ら認 め られ る こ と. 利益 だ とみ な され ,そ の ため ,女 性労働 者 が出 産体暇. を渇望 す る。. 終 了後 に会社 に行 って も,す で に担 当 の職務が な くな. 中国 は今 日,一 部 の 家庭 で は夫 が 家事 の一 部 を担 っ. って い る場 合 も少 なか らず あ り,解 雇 され る こ と も. て い るが ,大 部 分 の 家庭 で 家事 はや は り妻 がす る。 と. 往 々 に してあ る。. はい え,「 家事 へ の 参加度 か ら見 る と,中 国男性 は他. 各企業が独 自の 人事権 を有 し,女 性 へ の偏 見 に よる. の 多 くの 国 の 男性 よ りず っ と高 い」2い と言 われ て い る. 性差別が まだ存在す るので ,仕 事 の達 成 へ の期待 と現. こ とをつ け加 えてお きた い。市場経 済 で は い か なる仕. 実 の 間 には大 きな差 があ るのであ るが ,こ れは女性 な. 事 も競 争 が激 しく,専 門的 な知識 が必 要 とされ ,そ の. ら正 視 しなければな らな い現実 であ る。経 済改革 の流. 上 ,社 会 の 発展 の ス ピー ドが 早 く,ま た知 識 の 進歩 の. れ の 中 で ,1980年 代 に焦 点 とな った の が 「労 働 力 過. ス ピー ドも早 いの で ,常 に社 会が進歩す る歩調 に注意. 剰」 問題 で あ ったが ,そ れ に よって ,「 女性 は 家庭 に. を払 ってい な い と時代遅 れ になる。 これは誰 に とって. 戻 り,失 業 (農 村 か ら都 会へ 戻 った)青 年 に場所 をゆ. も一種 の大 きな ス トレスで あ り,家 事 に追 われてい る. ず ろ う」 とい う主張が国家 の指導者 に よってな された. 職業女性 に とってはなお さらそ うで あ る。社 会的責任. り,ま た「女 性 が 家 庭 に戻 って 家事 に専 念 す る こ と. を果 たす ため に,限 りあ る時 間 と精力 をよ り多 く仕事. は,社 会 での 就業 と同 じ く光栄 で 偉 大 な こ とで あ る」. に配分 した ら,家 庭 に配分す る力 が 少 な くな り,そ れ. と建国 の ときの理念 と逆 の 主張が な され る よ うにな っ. に よって女1生 自身 も後 ろめた く感 じる よ うになる。 と. た。 そ の よ うな主張 に対 す る議論 の 展 開 が先 に述 べ た. い うの は,現 在 の実情 で は,女 性 は社 会 よ り家庭 の側. 「婦女 回家」論争 で あ る。女性 の 中 に も,た とえば. ,. か ら期待 されて い るか らであ る。家庭 の 方 を軽 ん じ ,. 文化大革命 (1966∼ 76)中 に,過 酷 な労働 にか り出 さ. 仕事 の 方 を重 ん じて ,家 庭が破壊 され るか もしれ ない. れ ,疲 れ切 った とい う女 性 か ら「解 放 は も うた くさ. ヽ と″ と 配 して い る女性 は多 い。. 24と. ん,少 し休 ませ て」. ぃ ぅ意見 も出 され たが ,大 半. 競争が激化 した近 代 的 な社 会 で は,人 が成功 を遂 げ. の女性 の 意見 を見 る と,社 会的労働 は ,金 のため だけ. るの は容 易 で はな く,ま して女 性 が成功 を遂 げ るの は. で な く,人 間 と して の 自立 ,社 会 との つ なが りとい う. さらに容 易 な こ とで はな い。女性 は仕事 の ため には ど. 観 点 か ら必 要 で あ り,価 値 が あ る とい う もの で あ っ. う して も男性 よ り多 くの 努 力 を払 わ な け れ ば な らな. た。. い。 この ため に必 ず家庭矛盾 を引 き起 こす ので あ る。. 90年 代 に入 って ,女 性 をめ ぐる状 況 は好転 した わ. 婚姻 と家庭 は 多 くの 人 に とって重 要 で あ る。 しか. けで はな く,女 性 の経 済分野 へ の 進 出 は さらに難 しく. し,人 々は家庭 にお い ては女性 の側 の義務 と責任 をよ. な ってい る。女性 は ひ き続 い て ,就 業難 ,昇 進難 ,給. り強調す る。伝統 的 な社会通念 の 影響 を受 け ,そ れ を. 料や待遇 の悪 さに苦 しめ られてお り,職 業 を もつ 女性. 踏襲す るため ,女 性 は婚姻生活 にお い ては従属的 な地. は,家 庭役割 と職業役割 の二 重 の 責任 のゆ えに,疲 れ. 位 に置 かれて い る。家事労働 の 主要 な部分 を引 き受 け. 切 ってい る。 それ を表現 す る決 ま り文 句 に以下の よう. る者 で あ る と同時 に,職 場 での責任 を負担 しなが ら. な ものが あ る。「妻 で あ るの は疲 れ る,母 で あ るの も. 子 ど もを出産 して 養 育 す る こ とは女性 の 就 業 に対 し. 疲 れ る,社 会的地位 を持 った女 で あ る こ とは もっ と疲. て ,否 定 的 な影響 を生 む こ とになった。. 25。. ,. 人か ら敬服 され る ような完璧 な女性 とは ,仕 事 に成. れ る」. 功 した職業女性 であ り,ま た母 と して妻 と しての 責任 第二節. 1. 仕 事 と生活 の 矛盾. 仕 事 と生活の矛盾 の原 因. を果 た した家庭 婦 人で もある。 彼女 た ちに とって家庭 は 自らの 人生 の半分 で あ り,仕 事 も自らの 人生 の 半分. 職業女性 に とっては,職 場 にお い ては仕事 上 の悩 み. で あ って ,両 者 を合 わせ て一 つ の 人生 とす るこ とが理. があ り,家 庭 にお い ては家庭 の 問題 が あ る。職場 で は. 想 で あ る。仕 事 と家庭 の 両 方 に,自 分 の 居 場 所 が あ. 女性 は激 しい競争 に さらされ ,家 庭 の 中 で は,妻 と し. り, どち らか一 つ が欠 けれ ば ,女 性 と して の 精彩 が な. ての役割 を果 たす こ とを要求 され る。 この種 の二 重 の. くなる。 この 点 は職業女性 の 共通 の認識 で あ る。 した. ス トレスが 代 わる代 わる女 性 を襲 って くるので ,女 性. が って ,職 業女性 は「仕事 で成功 した女性 と家庭 での. の疲労 困億 は深刻 であ る。 一 部 の 知識女性 は伝統 的役. 良妻賢母 との結合」 を目標 とし,理 想像 として人格形. 割 を演 じた くな くて ,子 どもの教 育 は夫 に委 ねて しま. 成 を追求 してい る。 この 目標 は,人 間 としての価値 と. う。職業女性 と して ,彼 女 たちは熱心 に仕事 の 成功 を. 女性 としての価値 をともに表現 で きる。 このような仕.

(9) 若梅 :現 代 の 中国における女性 と職業. 事 と家庭 の 両立 を こ なす女性 の 人格 は疑 い もな く魅力. 表. 9. 65. 上海家庭 にお ける家事労働 時 間 の男女比率. 的 な もので あ る。 ところが ,現 実 生 活 の 中 で両方が バ. 妻. ラ ンス よ くで きる女性 は どれ ぐらい い るの で あ ろ う. 炊飯. か。. 飯後洗 い物. 時代 の進歩 と考 え方 の 変化 に よって ,才 能 の あ る女. (%). 夫 (%). 25. 75. 洗濯. 性 が次 第 に認 め られ る よ うになったが ,で は ,自 分 よ. 子 どもの世 話. り才能が あ り,成 功 して い る女性 と結婚 し,そ の威光. 掃除. の 下 で生 活 した い と思 う男性 は どれ ぐらいい るので あ ろ うか 。男性 が 自分 自身仕事 で成 功 したければ した い ほ ど,仕 事 で成 功 した ,あ るいは ,成 功 しそ うな女性 を選択 した くは な い の で あ る。 た とえ ば ,胡 発 雲 は 「独 身女性 の生 活 と意識」 とい う論 文 で ,次 の よ う に 述 べ て い る。「数 百 年 数 千 年 来 ,数 々 の 戯 曲 や 小 説 に,一 つ の 古 い 物 語 が 語 られ て い る。女 が 危 険 を犯 し,穀 難辛苦 に耐 えて ,男 が 都 へ 出て試験 を受 け るの. ♂. を助 け る。男 は優秀 な成績 で科挙 に合格 し, もとの妻 や愛 人 を捨 て去 って しまう。 /現 在 の新 しい物語 は こ んなふ うだ。女が博士号 や修士 号 を取 った り,外 国 に 留学 した り・・・・・・幸 い に も第 一 線 に出た りす る. 図 8 _L海 家庭 における家事労働時間の男女比率 (参 考資料 ,孟 憲疱,『 転型社会中国的婦女』 より作成. 中国社会科学出版社 ,2004年 ,236頁. ,. ). と,男 は彼 女 た ち を捨 て 去 る」2つ と。仕 事 に成 功 した 男性 に とっては仕事 と家庭 は う ま くい くが ,女 性 に と っては仕事 の 成功 は家庭 を犠牲 に して しまう こ とが 多 い。. た29)。 長 い 間 に形 成 され た 観 念 は ,ま だ 大 き く変 容 は して い な い 。 女性 は 夫 と子 ど もに尽 くす とい う責 任 を担 わ. 以上 の よ うに,仕 事 と家庭 は女性 に とっては両立 が. な けれ ば な らな い と され て い る 。 そ して ,現 代 の 女 1生. 困難 で ,重 い二 重負担 は既婚 の職業女性 に緊張 に満 ち. の側 の社会的負担 は どん どん重 くな り,多 くの職業女. た 日常生活 を送 らせ て い る。仕事 の成功 と家庭 の幸福. 性 が 男性 よ りも長時 間 ,家 庭 で働 い て い る状態 は改 善. を,本 当 に享受 で きる人 は,精 力 と才能 を ともに持 っ. されて い ない 。. て い るわず か な職業女性 しか な く,他 の 多 くの女性 は. 3. や は りそ の 矛盾 に苦 しんで い るのであ る。. これ らの仕事 と家庭 との矛盾 は直接次 の結果 を引 き. 2. 仕 事 と家庭 の 矛盾 の結果. 起 こ して い る。. 両性 の役割分業. ここで ,上 海 の家庭 にお ける両性 の役割分業 を見 て. 一 般 的 に,女 性 は 25歳 か ら 40歳 の 間が生理面 で 出 産 に最 も適 した時期 で あ るこ とはすで に述 べ て い る。. み よ う。 表 9を 見 る と,男 性 が 炊飯 ,飯 後洗 い物 ,洗 濯 ,子. この 時期 に職業女性 が 受 け る出産 育児 ス トレスは主 に. 19%,25. 夫婦両方 の親 か ら来 る もので あ り,親 たちは家族 を継. か な り少 な く,様 々 な家 事 の領域 の主 要 な責任者 は,ま だ まだ女性 で あ る加。. 承す る とい う伝統 的思想 によ り,孫 を抱 きた い との 要. 中国社会科学 院 にお け る研究 に よれば ,(1)家 事労. 産時期 の繰 り下 げ を選択 す る。 これ に よつて ,親 と若. 働 時 間 に対 して最 も重要 な変数 に影響 を与 えるのは勤. い夫婦 の 間 に対 立が生 じる。特 に,女 性 の 方 が ,親 た. 務時 間 で あ るが ,性 別 に分 け て分析 す る と,女 性 の勤. ちか らの ス トレス を大 き く受 ける こ とが 多 い。. どもの世話 ,掃 除 に費 やす時 間 は ,そ れぞれ. %,13%,12%,13%と. 望 が 非常 に強 い が ,若 い夫婦 は仕事 を理 由 と して ,出. 務時 間が長 くなれ ばなるほ ど,家 事労働 時 間 は ます ま. この 時期 に,職 業女性 は選択 に迫 られて ,出 産育児. す少 な くなる。 しか し,男 性 はた とえ勤務 時 間が よ り. を選 べ ば,母 親 と しての楽 しみ を味 わ うこ とがで きる. 短 くな って も,依 然 と して家 事労働 時 間がふ えるわけ. が ,仕 事 に影響 が 出 て ,何 年 間 もの努力 が無 に帰 して. で はな い ,(2)上 海市 区 と近郊 につい て既婚男女 にお. しまう可能性 が あ る。逆 に仕事 を選択 すれ ば ,家 庭 で. け る家事労働 時 間 の あ り方 に違 い はない ,(3)女 性 の. の ス トレスが 一 層厳 しく,か つ て親 か らの圧力 に共 に. 家事労働 時 間 は夫 の 3倍 ほ どで あ る とい う結論 で あ っ. 抵抗 して くれ て い た夫 の 方 も立場 を変 えて しまう。 こ.

(10) の段 階 の 職業女性 は人生 の重大 な苦境 に立 た され る こ. 第三章. 結. 論. とになる。 《女性 労働 者労働 保護規定》 に公 然 と違 反す る企 業. 1949年 の 後 ,中 国 の 女性 は法律 の上 で 権 利 と 自由. は少 な い が ,法 律 や法規 へ の違 反 を回避 す る措 置 を取. を獲得 し,社 会活動 に参加 し,地 位 が改 善 された。 し. って ,職 業女性 の権利 を侵す こ とは多 い 。 た とえば労. か し,「 男女平等」 を実現 の 社 会 で どの よ う に達 成 す. 働契約 を 1年 契約 に した り,い ろ い ろな理 由 をつ け て. るか は 難 しい こ とで あ る。 1980年 代 の 後 半 か ら,都. 女性 を辞職 に追 い込 んだ りす る。女性 が訴訟 を起 こ し. 市 の 経 済 の 規 模 は 巨大 化 した。 1978年 ,中 国 共 産 党. るい は,仲 裁 を 申請 して も証拠 の提 出が で き. が改 革 開放 ,経 済活性 化 の路線 を決 定 した こ とはす で. ず ,法 律 の保護 を受 ける こ とが 難 しい。 これは職業女. に述 べ たが ,都 市 での経 済発展 の前 に,ま ず農村 での. 性 に とっては さらなる ス トレスで , と りわけ私企業 で. 大 きな変化が あ った。 70年 代 末 か ら 80年 代 初 め にか. は女性 の保護 はない に等 しい。農村 に乱立 しだ した個 人経営 の私企業 が ほ とん どであ る郷鎮企業 で は ,女 性. けて農民がや り始 め ,後 に政 府 に認 め られて広 ま った 「家庭請 負責任制度」‖が 農村 の生 産経営 方式 を集 団経. 労働者 の 問題 は非常 に深刻 で ,「 五 期」 (月 経期 ,妊 娠. 営 か ら家族 経営 へ 転換 させ ,農 村 の利益構造 に変化 を. 期 ,出 産期 ,授 乳期 ,更 年期 )の 労働保護 を全 く受 け られ な いЮ。女性労働 者 の 出産問題 につ い て は ,雇 い. もた ら した。 努 力 す ればそれ だ け農家 の利益 がふ える こ とに よって ,農 民 の生 産意欲が刺激 され ,生 産効率. 主 は それ を当然 の ように私的事柄 と し,引 き続 き就労. が大 幅 に上が る こ とになった。 ここで ,結 果 した のが. で きな い 以 上 ,給 与 は 支 給 で きな い と した。 この た. 大量 の 余剰労働 力 であ る。. て も,あ. め ,女 性労働 者 が 出産す る こ とは失業 を意味 したので あ る。. 建 国後 30年 間 ,土 地 に しば りつ け られ て きた農 民 は ,市 場経 済 の 導 入後 ,建 設 やサ ー ビス業 な どの急激. 現在 30歳 前後 で ,外 資 系 企 業 に勤 め て い る女 性 た. な労働力需要 もあ って ,都 市 に流 入す る。戸籍制度 に. ちは ,部 門 の責任者や主管 を勤 めてい るが ,子 どもを. よ り農民 の 身分 か ら都市住民 の 身分 に変 わる こ とは 困. 出産 した人は非常 に少 な い。 い ったん子 どもを出産す. 難 であ るので ,都 市住民 と して生涯 を終 える こ とは少. る と,必 ず将来 の仕事 に影響 し, また忙 しい生活 で は. な い が ,大 量 の 農村 人口が都市 に流 入 した こ とは事実. 子 どもを育 て る精力 が充分 にない 。 この ように出産計. で あ る。. 画 に影響 を受 けるの は外 資系企業 に限 らず ,す べ ての. 都市 で は利潤 を最大化す る こ とを 目ざ して経営 の合. 職業女性 が 直面 して い る共通 した問題 で あ る とい え よ. 理 化 が 始 ま り,「 婦 女 回家」論 争 で 見 た よ う に,男 性. う。. に職 をゆず るため に女 性 が失 業 に至 る光景 が あ ち こ ち. 大学 を卒業 して就職 しようとす れば ,す で に述 べ た. で 見 られた。女性 た ちは 自宅待機や解雇 を され ない よ. ように多 くの 企業 は男性 しか採 用 せ ず ,女 性 は全 く相. うに,男 性 以上 に職場 で一生 懸命 になって働 く。 中国. 手 に され な い し,女 性 が採 用 されて も,五 年 以 内 に出. 経 済 の 発展 に大 きな貢献 を しなが ら,実 を結 んだ果実. 産 しては い けない な どの不平等 な条件が付 い て い る。. の 分 け前 を与 え られ ない女性 の現実。 か つ て ,資 本 主. 出産体暇が終 わ り,会 社 に出勤 しようと して も,解 雇. 義 国 に先駆 けて男女 同一 労働 同一 賃金 の原 則 が 打 ち立. や 自宅待機 を命 じられて しまう こ とが 多 い。. て られ ,女 性労働 者 の保護規定が制定 され ,女 性 の社. 以上 は職業女性 の 出産育児時期 の先送 りに よる社 会. 会的進 出が華 々 しく喧伝 され ,明 るい未来 を展望 して. 問題 を分析 したが ,女 1生 が 出産 自体 を拒 めば, さらに. い たはずの 中国 であ ったが ,真 の 「男女平等」 へ の道. 多 くの 社 会 問題 を起 こす。 出 産 時 期 の 先 送 りだ けで. は まだ遠 い。乗 り越 えるべ き多 くの壁 は あ るが ,身 近. も,す で に親 か ら反 対 され るのであ るが ,出 産 を拒 む. な地点 一家事労働 へ の 男性 の 参加 一か ら一 歩ず つ前 に. な らさらなる反対 を招 くの は十分 に理 解 で きるであ ろ. 進 んでい くべ きで はない だろ うか。. う。夫婦 の 仲 が よ くて も,妻 の 方 が子 どもを生 み た く な く,親 か ら反対 されて ,結 局訴訟 を起 こ し,離 婚 し た とい う ような例 は周 りには よ くあ る こ とであ ろ う。 また伝統 的思想 に よ り,出 産 した こ との な い女性 に対 して理解 を示 さない態度 を取 り,奇 異 な 目で 見 ,大 き な社会的 ス トレス を与 える傾 向 もまだ残存 して い る。. )王. 1)パ ー トタイムは公務員以外 の従業員の就業形態 をさ す。. 2)資 料 は,中 国全国婦 人聯 合会 2004年. 10月 ll日 中国. 中国政府 のウェブサ イ ト〕 による 婦 女岡 〔 3)「 封建制度」 とは,① 天 了^の「 に,多 くの諸侯が土 地 を領有 し,諸 侯が各自領内 の 政治 の全権 を握 る国家.

(11) 余. 若梅 :現 代 の 中国 にお ける女性 と職業. 組織。中国周代 に行 われた。②封建社会 の 政治制度。 領主が家臣に封 土 を給付 し 代 わ りに軍役 の義務 を課 する主従関係 を中核 とする。 (《 広辞苑》 の定義 による) ,. 4)周 代 は紀元前 1066年 か ら紀元前 221年. 67. 国の女性学 一平等幻想 に挑む―』,勁 草書房 ,1998年 秋山洋子編訳 ,『 中国女性 ―家 。仕事 ・性』,東 方書店 ,1991 年. まで中国の華. 栄維毅 ,宋 美妊 ,『 反対針対婦 人的家庭暴力』,中 国社 会. 国漢 の時代 ,童 仲舒が この 言葉 を『三綱五常』 に い る。 せて 載. 栄維毅 ,黄 列 ,『 家庭暴力対策研 究与干預』,中 国社 会科. 中を治 めた。. 科学出版社 ,2002年. 5)中. 6)在 風垣 ,張 瑛 ,『 婦女社 会地位評価指標体系研 究』 ,. 学出版社 ,2003年 いの うえせつ こ,『 女性へ の暴力』,新 評論 ,2001年. 中国婦人出版社 ,2003年 ,104頁 7)同 上,H2頁. 石原邦雄 ,『 現在 中国家族 の変容 と適応戦略』,ナ カニ シ. 8)諄 深 ,前 山加 奈 子訳 ,「 経 済 改革 と女性 問題」,秋 山. 王紅旗 ,『 中国女性 在行動』,中 国時代経 済 出版社 ,2003. ヤ出版 ,2004年. 洋子 ,江 上幸 子,田 畑佐和子 ,前 山加奈子編訳 ,『 中国 の女性学 一平等幻想 に挑 む―』,勁 草書房 ,1998年 ,57. 一―― ,『 中国女性在対話』,中 国時代経済 出版 社 ,2003 年. 頁. 9)同 上 ,59頁. ――一 ,『 中国女性在演説』,中 国時代経済 出版社 ,2003. 10)都 市就業者 は,正 規 の雇用関係 にある有給雇用者 を. 年 一一一 ,『 中国女性 在追夢』,中 国時代経済 出版社 ,2003. さす。. 11)杜 芳琴 ,王 向賢,『 婦女典社 会性別研究在 中国 19872003』. 年. ,天 津人民出版社 ,2003年 ,345頁. 年 一―一 ,『 中国女性 文化. 12)経 済活働人口は労働供給 を行 うすべ ての人口をさす。 13)労 働社会保障部労働科学研究所 ,『 2002年 中国就業報 告』,中 国労働社会保障出版社 ,2002年 ,103頁 14)資 料 は,中 国 国 家 統 計 局 2003年 5月 20日 新 華 図 中国政府 のウェブサ イ ト〕 による 〔. NO。 3』. ,中 国文聯出版社 ,2003年. ―一一 ,『 中国女性文化 NO。 4』 ,中 国文聯出版社 ,2004年 工恩 銘 ,『 二 十 世 紀 美 国婦 女研 究』,上 海外 語 教 育 出版 社 ,2002年 岡本祐子 ,『 女性 の生 涯発達 とアイデ ンテ イテ イー個 とし ての発達 ・かかわ りの 中での成熟 ―』,北 大路書房,1999. 15)労 働社会保障部労働科学研究所 ,前 掲書 ,103頁 16)在 風垣 ,張 瑛 ,前 掲書 ,208頁. 郭愛妹 ,『 家庭暴力』,中 国工人出版社 ,2000年. 17)同 上 ,202頁. 郭慶松 ,『 中国城郷就業発展 戦略研 究 (2001-2010)』 ,上. 18)楊 志 ,秋 山洋子訳 ,「 現代 中国女性 の 役割矛盾」,秋. 海人民出版社 ,2004年 窪田幸子 『社会変容 と女性』,ナ カニ シヤ出版 ,1999年 苑 ,『 圧カ ー誰没圧力誰不煩』,地 震出版社 ,2002年. 年. 山洋子 ,江 上 幸子 ,田 畑佐和子 ,前 山加 奈子編訳 ,前. I含. 掲書 ,78頁. 19)諄 深 ,前 掲論文 ,83頁 20)孟 憲疱 ,『 転型社会 中国的婦女』,中 国社会科学 出版. 荒林 ,『 中国女性主義 .2004春 』,広 西師範大学出版社,2004. 社 ,2004年 ,75頁 21)同 上 ,69頁. ―― ,『 中国女性主義 .2004秋 』,広 西師範大学出版社,2004. 22)黎 静 ,「 私 の 出路 は どこに」,秋 山洋子編訳 ,『 中国女. 一一 ,『 両性視野』,知 識出版社 ,2004年. 年 年. 性 ―家 ・仕 事 ・性』,東 方 書 店 ,1991年 ,145頁 ∼152. 在風 垣 ,張 瑛 ,『 婦女社会地位評価指標体系研 究』,中 国 婦人出版社 ,2003年. 頁. 23)同 上 ,144頁. 朱易安 ,柏 樺 ,『 女性典社会性別』,上 海教育出版社 ,2003. 24)秋 山洋子編訳 ,前 掲書 ,143頁 25)秋 山洋 子 ,江 上 幸 子,田 畑 佐 和 子 ,前 山加 奈 子 編 訳 ,前 掲書 ,80頁 26)諄 深 ,前 掲論文 ,61頁. 朱徳成 ,『 女人不要苛求』,中 国文聯出版社 ,2004年 尚仲 生 ,『 当代 中国社会問題透視』,湖 北人民出版社 ,2002. 27)胡 発雲 ,「 独 身女性 の生 活 と意識」,秋 山洋子編訳 ,. 藩黙 ,『 商界女鼠家』,中 国商業出版社 ,2002年. 前掲書 ,105頁. 28)孟 憲た ,前 掲書 ,236頁 29)同 上,238頁 30)唐 敏 ,「 中国女性労働者解放 の表 面 と実 質」,秋 山洋 子編訳 ,前 掲書 ,185頁. 31)こ れは 1985年 に公式 の もの とされた。 (秋 山洋子 , 江上幸子 ,田 畑佐和 子,前 山加奈子編訳 ,前 掲書 ,130 頁). 年. 年 肖可 ,『 解読中国女老板』,中 国経済出版社 ,2003年 白水紀 子,『 中国女性 の 20世 紀』,明 石書店,2001年 戴文妍 ,『 近看女人的 100個 問題』,上 海社 会科学 院出版 社 ,2004年 張克倹 ,買 玲 ,「 当代女大学 生撰 業 と女性平等就業 の調査 典研究」,『 中華女子学院山東分院学報 ―調査典思考 一』. (2003年. 2期 ),中 華女子学院山東分院学報 ,2003年. 張向東 ,『 当代社会問題』,中 国審計 出版社 ,中 国社 会 出 参考文献. 秋山洋子 ,江 上幸子 ,田 畑佐和子 ,前 山加奈 子編訳 ,『 中. 版社 ,2001年 趙学林 ,『 抑郁病 。都市人』,経 済 日報出版社 ,2001年 ―一一 ,『 再婚家庭状況調査』,経 済 日報出版社 ,2002年.

(12) 68. 陳方,『 失落与追尋 ―世紀之交 中国 女性価値観 的変化』, 中国全国婦 人聯 合会中国婦 女岡 http://wwwowomenoorg。 中国国家統計局新華 岡 http://news.xinhuanetocottzhengh /,2003年 5月 20日 鄭偉志 ,夏 玲英 ,『 女性典家庭』, L海 教育 出版社 ,2003 年. 1987-. ,天 津人民出版社,2003年. 杜学元 ,『 中国女子教育通史』,貴 州教育出版社 ,1995年 杜成憲 ,丁 鋼 ,『 20世 紀 中国教育的現代化研究』,上 海教. 年 落合良行,『 孤独 な心 ―淋 しい孤独感か ら明るい孤独感 ヘ -』 ,サ イエ ンス社 ,1999年 落合恵美子 ,『 21世 紀家族へ』,有 斐閣,1994年 社 ,2002年 李銀河 ,『 女性権利的嘱起』,文 化芸術出版社 ,2003年 一―― ,『 酷児理論』,文 化芸術出版社 ,2003年 ―一一 ,『 女性権力的嘔起』,文 化芸術出版社 ,2003年 一―一 ,『 性 文化研究報告』,江 蘇人民出版社 ,2003年. 育出版社 ,2004年 杜芳琴 ,王 政,『 中国歴 史中的婦 女典性 別』,天 津 人民 出 版社,2004年. li育 典村落文化一爺之孫』 ―一一 ,『 ノ ,文 化芸術出版社 ,2003. 年 ´ 輯),天 津 人民 出版社 ,. 2004年 杜芳琴,『 婦女学和婦女史的本探索』,天 津 人民出版社 ,2002 有1 友田尋子 ,安 森 由美 ,山 崎祐美子 ,『 知 ってい ますか ?女 性 とス トレスー問一答』,解 放出版社 ,2001年 汝信 ,陸 学芸,李 培林 ,『 2004年 :中 国社会形勢分析典予 測』,社 会科学文献出版社 ,2004年 沿愁元 ,部 大 光,張 亜群 ,『 高等教育百年』,広 東高等教 育出版社 ,2003年 活晨光 ,王 力,『 中国人材発展報告 NO.1』 ,社 会科学文献 出版社 ,2004年. 期. 楽係 ,『 :11国 現代 女性創作 及其社 会性 別』,鄭 州大学 出版. 丁文,『 家庭学』,山 東人民出版社 ,1997年 杜 芳 琴 ,王 向 賢,『 婦 女典 社 会 性 別 研 究 在 中 国. 1. 孟憲池 ,『 転型社会中目的婦女』,中 国社会科学出版社 ,2004. cnAndex.html,2004年 10月 ll日. ,『 社会性別』 (第. ,. 『婦 女研究』,中 国 人民大学書報 資料 中心 ,2004年 第. 中国社会科学出版社 ,2003年. 2003』. J〕 浩,「 論国際漁:接 投資対発展 中国家婦 人就業 的影響」. 1経 験典学科建設』 李小江 ,『 文化,教 育 興性 別 一本 寸 ,江. 蘇人民出版社 ,2002年 │:会 性別的多角度透視』 林衆任 ,『 ネ ,羊 城晩報出版社 ,2003. 11 陸建華 ,『 :11同 社会問題報告』,石 油工業出版社 ,2002年 劉継同,『 社区就業典社区福利』,社 会科学文献出版社 ,2003 年 労 働 社 会保 障部 労働 科 学 研 究 所 ,『 2002年 中 国就 業 報 告』,中 国労働社会保障出版社 ,2002年 呂建国,1孟 慧 ,『 職業心理学』,東 北財経大学出版社 ,2000 年.

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参照

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