北海道湖沼産ゾウミジンコ族の補訂
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(2) 北海道湖沼産ゾウミジンコ属の補訂. 15θ. θ と β.θ θγ ″ πグの 2種 の み で ,前 者 は 日本各地 に広 く分布 して い るが,後 者 は主 と して北海道 の湖 沼 にい る こ とが知 られ て いた (上 野 1937)。 と ころが. ,. 最近北海 道 さけ・ ます ・ ふ化 場 の黒萩 尚,北 海 道立水産孵 化場 の長 内 稔両. BuRCKHARDTな る第 二 の種 を発見 し,本 邦産 が 3種 αttSを 採 集 したのは,石 を数 え る こ ととな った。黒萩 ,長 内両氏 が B.ル ′. α′ S παル ′ ″ 氏 が,Bθ S″ グ. 狩 川古川湖 と呼 ばれて い る石狩川下 流 の左岸 にお け る旧河道湖 で,延 長約 20. kmに 及 ぶ U字 形 の一 大彎 曲湖盆 で あ る. (黒 萩 ,長 内1963)。. 利幌 の北約 12. kmに あ る。 さけ・ます・ふ化 場 の徳井利信氏 は筆者 の 請 いを容 れ て1967年 8 月19日 に該湖 に赴 き,プ ラ ン ク トンを採 集 して与 え られ たので ,筆 者 は窮 ら α″sの 識別 に役立 つ 頭 該種 を精査す る こ とが で きた。そ の結果 ,3鰯 滋解 ル ′ 側孔 の特徴 を 明 かに し得 た ので ,そ の記述 と同時 に,北 海道湖沼 の Bθ 協 笏 属 につ いて のか つて の拙文 (UЁ N0 1933)の 補訂 を行 って お きた い。北海道 π 属 の 3種 を全部産す る地域 で あ るか ら S″ グ は,さ きに言 ったよ うに, βθ. ,. 3。. sを 主 とす る本州 ,四 国,九 州等 の B鰯滋 %に つ いて も,本 グ s′ ″ ο わπgグ ″. 補 訂文 が役立 つ 筈 で あ る。. ´. 磁 π の産地 は次 の 10湖 沼 で あ る。 本文 に記述す る βο s… … 渡 島小沼 (渡 島),洞 爺湖 (胆 振 ),支 笏湖 s″ グ ゐπgグ ″θ. βθ 磁 “. (月. 旦振 ),. 阿寒湖 (釧 路), トー ロ湖 (釧 路 ),利 尻 島 オ タ ドマ リ沼 (宗 谷). z θθγθ″ π″………然別湖 (十 勝 ),糠 平湖 (十 勝 ), 阿寒湖 (釧 路), βθ s″ グ リヤ ウ シ湖 (網 走 ) α″S… ……石狩川古川湖 3鰯滋π ル ′. A.分. (石 狩 ). 類学 的特徴. まず ,上 記 3種 の識別 を, 従来 用 い ら れ て い る 方法 に従 って まとめて お く。 この うちで ,頭 盾両 側 の弧状縁 (前 出)に 注 目 した のは. AuRICH(1934). で あ る。 sO… …・0(J後 腹部 の 尾爪 はその基部 に 1例 の棘状歯 があ り,そ B.ゐ ηgグ γοs′ γグ.
(3) 上. 野. 益. 三. の末端 の ものが最大 で 基部 に 向 って 順次 に長 さを減 じる。 この棘状歯列 の 先方 に さ らに も う 1夕 1の 微歯 が爪 の 中 ほ どまで つづ く。 12)額 毛 は複眼 の 中心 と吻端 とのほぼ 中心 ,あ るいはやや吻 端 よ りに位置す る。 13)頭 盾 の 弧状縁 に見 え る線状構造 は,背 線 が後方 で二 叉 ,腹 線 は前方 で二叉す る。 背線 の両後枝 の うち,腹 方 の 1線 は大肥 関節部 の近 くに達す る。 に)甲 殻 の腹縁後突起 は 概 ね短 く, その腹 縁 に 3∼ 4個 の欠刻 があ るか, 全 く欠 く。. (励. 後述 。. ・……・° β.σ O″ θ (1)後 腹 部 の尾爪 はその基 部 に 1列 の棘状歯 を有 す る。 そ ″ πグ の末端 の ものが最長 で あ るが,基 部 に 向 って の長 さの減少 の割合 は前種 ほ ど大 き くはな い。(21額 毛 は吻端 に近 く位置す る。(3頭 盾 の弧状縁 の線状 構造 は背腹両 線 とも単一 で ,前 端 または後端 が二 叉す る ことはな い。14) 甲殻 の腹縁突起 は概 ね細長 く,そ の腹縁 に 1∼ 2個 の微突起 があ るか ,全 く欠 く。(5)後 述。. B.危 ′α″. sO・. gθ %グ σ θγθ. …… 。 (1)後 腹部 の尾爪 はその 基部 に 1列 の棘状歯 を もつ こ と. 3。. S S″ グ に 同 じ。 棘状歯 よ り先方 には微刺列 があ るが, β.ゐ πノ″θ. にお け る如 く明瞭 で はな い。 また,β .′.お よよび B.θ .の よ うに,肛 門 背方 の突 出部 がな く, なだ らかな 曲線 を もって 後腹部 背縁 に 移行す る。 S′ ″ グ sと B.θ θ″θ″ %グ 12)額 毛 の位置 は β.ん %gグ γθ. との 中間 で,吻 端 よ り. S′ ガsと やや 内側 にあ る。(31頭 盾 の弧状縁 の 背腹両 線状構造 は B.あ πgグ ″ο. 大差 がな く,背 方 のは二 叉 し,背 枝 は大肥 関節 に達 す る。腹方 の も前方 で 二 叉す る。 14)甲 殻 の腹縁後突起 は細長 く欠刻 を欠 くが,背 縁 に 1個 の微 突起 を もった ものが あ る (図 5を 参照)。 (5)後 述。 外形 の変異 が著 しい こ とはは じめに指摘 したが,た とえ外貌 が互 に相似 て いて も,上 記特徴 は維持 されて い るか ら,互 に別種 な る こ とがわか る。 この. sと B.θ θ″ι♂ πグ とが混棲 して い る阿寒湖 や,石 狩 s′ ″ グ こ とは, 3。 ゐπgグ ″θ 川古川湖 の材料 を見 る際 に注意す べ き ことで あ る。 上記 3種 につ いて あげ た主 な特徴 の うち,記 述 を残 した第五 の項 は頭盾 側 sが %α 面 にあ る小孔 につ いてで あ る。 βθ. の頭盾側面 に小孔 があ り,そ れが.
(4) 152. 種別 の 重要 な特徴 の一つ とな り得 る こ とは, 示す 通 りで あ るが,両 氏 は. GouLDENと FREY(1963)の. B.ル ′αノグ Sの 頭側孔 につ いて は 明 かに し得 なか. っ た。 筆者 は今 回石狩川古川湖 の材料 で. B.ル ′α″Sの 頭側 子Lを 明 か に し得. たので ,次 にそれを β.J.を よび B.θ 。の頭側孔 との比 1交 で記述す る。. Bω ttzの 頭盾 の弧状縁 を見 るに, その縁 は第二 触 角 の 共部を被 って 大 き く弧 を描 き,後 方 で左右 の 甲殻 の前縁 に接 す ると急 角度 を もって 背方 に 向 い,甲 殻前縁 の背端 に接 続す る。 この接続部 が大肥 (mandibles)の 結合す る 関 1(Fを なす 。弧状縁 が第 二 触 角 を被 って い る部 分 は,キ チ ンが肥 厚 して堅 固 で あ るが,そ れ よ り前方 は細 い線状 をな して頭側 を腹方 に進む 。 この肥厚縁 に 沿 った背方 の細線状構造 は斜 めに前腹方 にのびて, しば しば第 一触 角 の基 s′ ″ sで は弧 状縁 の前方彎 曲部付 グ 部近 くにまで達す る。 この 背線 は B.ん πgル θ. 近 で二 岐 し,腹 方 の一 は肥 厚縁 に沿 って 後進 し,背 方 の一 は腹方 線 とわかれ て 大肥 関節付近 に達 し,腹 方線 との間 に長 三 角形 の 区域 をつ くって い る。B. gθ π θ ″θ グ で は この腹方線 に似 た 1線 を 見 るのみ で あ る。 頭狽1孔 (lateral θ. head pore)は これ らの線状構造 を もとに して見 るのが便別 で あ る。頭側 孔 はグ リセ リンプ レパ ラー トか ,ス ライ ド上 で 10%NaOH溶 液 を加 えて 徐 々 に加熱 して キチ ン以 外 の組織 を解離 させ た後 ,グ リセ リンを加 えて 検鏡すれ ば,確 認す る こ とがで きる。 その位置 な らび に形態 は 3種 それぞれ に異 な り,上 記特徴 と併 せ 見 て 種 の確 定 に大 きい力 とな る。. 1.B.θ θγθ″ πグ………大肥 関節 の前方 ,頭 盾弧状縁 の背方 , この両方 か らの 垂 直線 を考 えればその交 ると ころに位置す る。 ttLの まわ りは淡黄色 を帯 びた キ チ ンの輸状環 で ,全 体真 円形 ,さ らに しば しばその周 囲 のキ チ ンが不整 円 形 または楕 円形 に感 り上 って い る。 Tし の 位置 は産地別標 本 によ って 多少 の異 動 があ るが,そ の あ るべ き場所 は本 I質 的 に変 らな い。 また標本 の老幼 に伴 っ て 子しに大小 があ る こ とは もちろん で あ る。 s… ……本種 の頭側孔 は 2.B.′ θπg″ γθs″ グ. B.θ θ ″θ ″ πグ と全 くちが った位置. にあ る。頭盾弧状縁 の第 二 触 角起生部 のほぼ 中央 ,肥 厚縁 に接 して ,あ るい ‐ は 背線 の腹方枝 の イ 」近 にあ る。 その形 は β.θ θγθ ″ πグ の よ うに真 円で はな.
(5) 上. 野. 益. 三. ηαの頭部側面図・A,B.Jθπg″ ノ γ お,♀ ,利 尻島オタ ドマ リ沼 図 1.Bθ Sπ グ “ θ B,3。 θ αJお , ♀,石 狩川旧河 ,♀ ,釧 路国 トー ロ湖 ;C,3。 ル ノ 雀多πグ ;. 道湖 .α l,第 一触角 ;a2,第 二触角 ;f,額 毛 ;e,複 眼. ;md,大 肥 ;ma,. 大腺関節 (大 腺 の付着点 );p,頭 側孔。. く,楕 円形 また は長 楕 円形 で あ る。 弧 状 縁 の 線 状 構 造 と この 側 孔 の 位 置 形 態. sの B.θ θ″θ″ πグか らの 識 別 を 容 易 にす る。 とは ,3.ん πgグ γθs″ グ. 3.B.舜 滅蒻. S・. ・… …・本 種 の 頭 側 子Lは 前. 2種 と異 な り,常 に 弧 状 縁 背線 の 後 方. 二 叉 部 内 に位 置 し,概 ね 分 岐点 よ りで あ る。 その 形 態 は B.θ θ″夕 ″ %グ 形 の 真 円 で あ るが , 3.θ θγθ ″ πグの よ う に ,大 肥 関節 の 前 方 ま で ,背 方 に 移動 す る こ とは決 して な い 。 孔 の 背方 は弧 状 縁 背方 線 が 区 ぎ って い るか らで あ る。. BURCKHARDT(1924)は ,彼 が 自ら創設 した β.ル ′αノお. を,β .θ θγθ ″ πグ. s′ /グ s と B.あ πgグ ″θ との 中間 に位す る種 で,後 者 によ りも前者 に近 似 して い. ると考 えた。BURCKHARDT は弧 状縁線状構造 に触 れ て は い な い が,そ の 図. (BURCKHARDT,ム θ。,p.236の 図 10,12を 指 す …. 1・. 0… 上. θπノ γθS′ ″グ が 後 方 で 二 叉 し, 明 らか に ノ s型 で あ る。. FREY(1963)は ,. 野 )を 見 る と,背 線. GouLDENな. らび に. この 線 状 構 造 が 種 の 有 力 な 特 徴 だ とす れ ば ,B。 力 ′ α″Sは.
(6) 154. 北 海道 湖沼産 ゾ ウ ミジン コ属 の補 訂. sと の 中間 におかれ るべ きだ と,BURCKHARDT s″ グ gπ グと B.ノθ πgグ γθ B.θ θ ″θ sの それ とほ S′ γ グ α″Sの 背線構造 が β.ゐ πgグ ″θ の 意見 に同調 して い る。B.ル ′ ん どちがわな い こ とは,筆 者 の今 回 の研究 で確 か め られ た し,頭 側孔 は前述 α″Sは 上記諸 の よ うには じめて 明 かに され た。 その結果 か ら見 ると,3。 ル ′ gθ π sと の 中間 におかれ る πg″ θ s″ グ グと B.ノθ θγθ 研究者 の 意見 のよ うに,3。 θ. α″Sが 独立種 として の価値 も疑 いな い こ と べ き こ とは確 かで ,同 時 に B.ル ′. sよ りも B.θ θγθgθ πグに近 い とい う BURCK― s″ グ πg″θ で あ る。 しか し, β.ノ θ. HARDTの 意」1は , 3。. なお検討 の余地 があ る。 頭側孔 の形態 におい て こそ. ,. s s′ グ πgグ γθ グに近 いが,弧 状縁 二 叉状背線 は全 く β.′θ /θ ″ π α″sは β.θ θ ル′. 型で あ る。 そ こで ,背 線構造 と頭孔 といずれ を重 く見 るか とい う こ とで , こ の 問題 は解 け るよ うに思 え る。 その他 の特徴 , 例 えば体形 , 第 一 触 角, 額 毛 ,甲 殻腹縁後突起 ,尾 爪 の棘状歯等 の構造 を併せ考 えれば,BURCKHARDT ″θ θ ″ πグによ り近 い ことは確 かで あ る。 らの示唆す るよ うに,3。 θ. B.北 海 道 湖 沼 の s(Oo l.Bθ s,π πα′θπgグ γθs″ グ. ηα BOSπ づ. Fo M」 LLER). 北海道 の湖沼 に産す る本種 には大 体 2型 が認 め られ る。. a)大. き くて 深 い カル デ ラ湖 の産. 洞爺湖 ,支 笏湖 の本種 が この タイプで あ る。 背縁 が著 し く円 くな く,甲 殻 触 角は細長 く /2・ 第 の最高部 の 長 さは体長 の 70%内 外 ,後 縁 は最高部 の約■ て 先端 が後方 に著 し く曲 って いない。 甲殻腹縁後突起 は比較的 に長 く,洞 爺 湖 の個体群 で は体 長 の 15%を 超 えないが, 支笏湖 の個体群 で は 20%に 達す る。後突起 の欠亥Jは 腹縁 にのみあ り,洞 爺 7:明 の個体群 で は 1,稀 に 1以 上 ,支 笏湖 の個体群 で は 3を 数 え る。 体 長 は成 体 雌 で 300μ 内外。 その生活湖水 が 透 明 で貧栄養状態 な のが特徴。. b)比. の産 較的浅 く貧栄養 でない湖」. 渡 島小 沼,阿 寒湖 ,利 尻 島 オ タ ドマ リ沼 の本種 が この タイプで あ る。 第 一 触 角が短 くて その先 端 が著 し く内側 に 曲 って い る。体 は背腹 に高 く,最 高部.
(7) 上. 0。. 図 2。. 野. 益. 三. 3″ 2%. θ βθ Sπ グ πgグ 知sノ ガs(0.Fo Miiller). πα ′. A∼ Fは 同一 倍率 で 描 く(0。 3mm scaleは A∼ Fに 適用 )。 い ずれ も ♀・. 湖名 の次 の括弧 内の数字 は採取年月 日。 A, 渡 島小 沼 (1957。 8.17); B, 利尻 島 オ タ ドマ リ沼 (1959。 8。 19);C, 釧路 国阿寒湖 (1966。 9. 30);D,胆 振 国洞爺湖 (1961。 10.26);E∼ F,胆 振 国支笏湖 (1966。 8.22)。 G∼ K,後 腹部尾爪 :G,渡 島小 沼 ;H,利 尻 島オ タ ドマ リ沼 ;. I,洞 爺湖 ;J,支 笏湖 ;K,阿 寒湖 。M∼ P,甲 殻腹縁後突起 :M, 阿寒湖 ;N,渡 島小沼 ;0,洞 爺湖 ;P∼ Pa,支 笏湖 ,P(1966。 8.22),. Pa, 2イ 固体分 (1967.8.16)。.
(8) 北海道湖沼産ゾウ ミジンコ属の補訂. 15δ. は全 長 の 80∼ 83%に 達す る。ただ阿寒湖 の個体群 は 70%あ ま りで あ る。従 っ て 体 の側面観 は著 し く円 い感 じを受 け,後 縁 は短 くて 最高部 の1/3∼ ・/4・. 甲殻. 腹縁後突起 はす こぶ る短 く,(a)の タイプが腹縁 の延 長方 向 にのびて い るの と 異 り,腹 縁 とあ る角度 を もって 後腹方 にのびて い る。 その背腹両縁 と も欠刻 を もたず全縁 で あ る。 成体雌 の体長 ,利 尻 島 の個体群 で は 300μ に達 す るが. ,. 渡 島小沼 の個体群 は小 さ くて 200μ あま りで あ る。 阿寒湖 の1966年 9月 末 の 個 体群 も 200μ 内外 で あるが, 背高 が他 の 2個 体群 に くらべ て 低 いので , 全 体 と して著 し く小 さい感 じを受 け る。なお,石 狩川古川湖 の個体群 も この(a) タイプで あ る (黒 萩 ,長 内 1963)。. (b)タ. イプは(a)タ イプに くらべ 富栄養化 の. 進 んだ水域 に生活 して い るのが特徴 で あ る。. sの 諸 タイプ に多 くの πgルθ グ θ 従来 ヨー ロ ッパ の研究者達 によ って ,3。 ′ "″. ″S 名称 がつ け られて い る。 例 えば, 上記洞爺湖 , 支笏湖 の個体群 は, Sグ ″ヴ. LILLJEBORG(KEILHACKは β.ノ .の 型 と し, SCOURFIELDな らび に HAR― DINGは B.ノ .の 変種 とす る)に ,渡 島小沼 ,利 尻 島,阿 寒湖 の個体群 は ,. θ ″ππ′ /π グ s θ α JURINEま たは b/θ υ たθ. HELLICH(S.and H.が β.′ 。の変種 と. す る こと上 に同 じ)に 比較せ られ るべ き形態 で あ る。 しか し,直 ち に本邦産 πgグ … παノ θ の個体群をそれ らに当て はめて ,例 えば洞爺湖産 の個体群 を BθS“ グ γθ s′ /グ s動 蒻′ グ s とす る ことは適 当で はない。 その個 体群 は. sグ. Sに 酷似 し グ 滋ノ. ″sそ の もので はない。 亜種 または型 と た ものだ とい うだけで あ って , Sグ ″グ 考 え られ る個 体群 が, ヨー ロ ッパ と 日本 とい う地理 的 に著 し くは なれ た地域 に分布 して い るとは,理 論的 には考 え られな いか らで あ る。上記 (a)(b)を 亜種 あ るいは亜 種以下 の タクサ と してI又 扱 うのは不 当で はな く,そ れぞれ その生 活水域 の性質 を異 に して い る ことか らも,頷 け る ことで あ る。従 って ,(a)(bl 両 タイプにはそれぞれ 新 らしい分類学上 の名称 を付す べ きで あろ うが,本 文 で はす べ て. 3。. s″ グ s(O.Fo M。 )に 包括 して 細分 にわ た らな い こ とと ゐπgグ γθ. す る。 gθ κ πα θθ″θ グBAIRD 2. Bθ s解 グ. 阿 寒 湖 ,釧 路 トー ロ湖 ,然 別 湖 ,糠 平 湖 ,な らび に リヤ ウ シ湖 の 個 体 群 は.
(9) 上. 野. 益. 三. 157. S′ ″ た と共存す る。 いず れ す べ て 本種 で あ る。 阿寒湖 で は本種 は β.あ πg″ θ. .よ り大形 で ,然 別湖 と リヤ ウ シ湖 との個 体群 で は雌 は 650μ に達 す も,3。 ′ る。阿 寒湖 のはやや 小 さ くて 500μ 内外 ,糠 平湖 の は 500μ を少 し超 え る程度 で あ る。トー ロ湖 の個体 が もっとも小 さ くて 500μ を超 えな い。甲殻 の最高部 の長 さは体 長 の 60∼ 77%で ,糠 平湖 の個体 が最大 の 77%で あ る。複 眼 はい ず れ も小 さい。第一触 角 はゆ るい 曲 りを もって体 の下方 に 向 い,前 方 に 向 う こ とはな い。 その前面 の欠刻 は13個 に及 ぶ ものが あ る。頭盾 の線状構造 な ら びに頭側子Lの 特徴 は既述 の通 りで あ る。 各個体群 に もっとも特徴 的 な のは. ,. 甲殻腹縁後突起 の長 さ,方 向,な らびに欠刻 の有無 と数 とで あ る。体 長 に対 す るその長 さの割合 と,欠 刻 とは次 の如 くで あ る。. 数 産 地屎量 突 起の i雑 蒼勤客 欠刻と トー ロ 湖 リヤ ウ シ湖 阿. 寒. 湖. 然. 別. 湖. 糠. 平. 湖. 0∼ 33∼ 35% 24% 0∼. 1(腹 縁 ). 1(腹 縁 ) 2(腹 縁 )+2(側 面 ). 15% 13% 12%. 1(腹 縁 ). 0∼ 1(腹 縁 )+1(側 面 ) 0∼ 1,1∼ 2(腹 縁 )+1(側 面 ). 阿寒 ,然 別 ,糠 平 3湖 の個体群 で は,突 起 は比 較的 短 く,甲 殻腹縁 とゆ るい 角度 で 腹後方 に 向 い,突 起基部 と甲殻後縁 との区切 りはあ る程度 は っき りし て い る。 と ころが, トー ロ湖 および リヤ ウ シ湖 の個体 で は,甲 殻後縁 は斜 に 次第 に後突起 に移行す る。 この状態 は トー ロ湖 の個体 に著 しい。 しか も,突 起 の方 向 と甲殻腹縁 とのな す角度 は, リヤ ウ シ湖 の個体群 で は零 に近 い。 こ の点 で , トー ロ, リヤ ウ シ両湖 の個体群 は,阿 寒湖他 2湖 の個体群 と,そ の 外形上 ちが った感 じを与 え る。突起上 の欠亥Jは ,そ の あ る場合 は,常 に腹縁 にあ り,時 にはその他 に側面上 に微突起 があ る。糠 平湖 の雌 の成体 で は全 く 欠刻 を もたな い もの もあ るが,や や若 い個体 で は腹縁 に 2個 ,側 面 に 1個 あ り, しか も前 2個 は欠刻 とい うよ りも微突起状 で ある。 同湖 の雄 で は, 1腹 縁 1側 面 とい う微突起 の配列 にな って い る。 リヤ ウ シ湖 の個体 の 中 には, 4 個 の微突起 を もった ものが あ り,基 方 か ら先方 にか け順次 に腹縁 に移行 す る.
(10) 158. 北海道湖沼産ゾウ ミジンコ属 の補訂.
(11) 上. 野. 益. 159. 三. 傾 向が見 え る。 上 に述 べ た諸変異 に も拘 らず ,頭 側孔 の位置 と形態 とは変 る ことな く,常 θ に一 定 していて , 3.σ θ″ ″ πグな る こ とを示す重要 な特徴 をな してい る。 上記 5個 体群 は トー ロ, リヤ ウ シ両湖 の a群 と,阿 寒 ,糠 平 ,然 別 3湖 の. sの 項 で述 べ たよ うに,今 これ ら b群 とに分 つ ことがで きる。3.′θπgグ ″θ ″グ s′. を細分す る こ とを 避 け るが , トー ロ, リヤ ウ シの両個体群 は 筆者 がか つて B.θθ ″θ 容グ s UЁ NO(1933,p.310)と した亜 種 で あ る。 他 の 3湖 の θ ″ %グ ノ″θ 個体群 も これ に倣 って命名 す るのが よい と思 われ るが,そ れ は いずれ別文 に お いて行 いたい 。然別→ 糠平 → 阿寒 の 3湖 に 同一亜種 が分布 して いて も,理 論 的 な不都合 はない筈 で あ る。 ただ し,糠 平湖 は 1955年 湛水後,日 なお浅 い 大人 工 湖 で あ るか ら,そ の個体群 は 阿寒湖 か然 別湖 の,い ず れか の個体群 に zο θ πJSに つ 由来 す る もの と考 えて もよ さそ うで あ る。 トー ロ湖 の B.σ .ノ θ. いて は,筆 者 の原記載 の材料 と,黒 萩氏 か ら供与 され た 1962年 9月 の材料 と の間 には,い ささか も異 ると ころがな い。 トー ロ湖 も リヤ ウ シ湖 も,盛 夏 に は藍藻 の は げ しい水 ノ華 が 出現す る ことで一致 して い る (上 野 1966)。. この. 特殊形 の B.σ θ″θ ″ %グ と水 ノ華 の 出現す る湖 との間 には,何 らか の 関係 があ る筈 で あ る。 その点 はまだ 明 か にな って いない が, 陸水学 的 に 興味 あ る間 題 で あ る。両湖 と も腐植質 性 の 富栄養湖 で, もっと 妥 当な用法 に 従 えば. JARNEFELT(1956)の. 類 せ られ る べ き湖 で あ る 。. 図. 3。. Bθ Sπ グπα θ″ 箸 θπグ Bairdと. で描 く. (0。. B.ル. ノα′グS. Burckhardt.す. 3 mm scaleは す べ て に適 用 ).A∼. 除 き,す べ て ♀,Cは ♂.A,十 勝 国然別 湖 湖. (1966。. 9.30);C∼ D,十 勝 国糠平湖. べ て 同 一 倍 率. E,3.θ θγagθ ηグ.Cを. (1966。. (1959.11。. 9。. 30);B,. 阿寒. 11),C,♂ ,D,越. 冬卵 を持 った ♀,E, 網 走 国 リヤ ウ シ湖 (1931。 8。 31);F,釧 路 国 ト α S,石 狩 国石狩川古川湖 (1967. ー ロ湖 (1962.9。 2);G,Gn,3.ル ′ Jグ. 8。. ,. い わ ゆ る地 域 性 富 栄 養 (ChthOniO― Eutrophie)に 分. 19), Gn は ♀ neOnata..
(12) 北海道湖沼産 ゾウ ミジンコ属 の補訂.
(13) 上 3。. 』lθ sttπαJttι ′ α′ s グ. 野. 益. 三. BuRCKHARDT. 本種 の原記載 の材料 は 中国 中部 の 揚子 江下流域 で, その後 フ ィリッピン 諸 島 (中 部 ル ソン, マニ ラ周辺 , ミン ドロ島ナ ウヤ ン湖等 )か ら知 られ た (AuRICH 1934)。. その後筆者 (UЁ N0. 1939)が 満州東部 の興凱湖 か ら記録. tts UЁ NOを 設 け た。筆者 は さ らに模式産地 に近 い江南地 区 して ,f.θ 力αη力θ 乃グ απgttθ πgs (江 蘇省 )で も本種 を得 , fo θ. uttNOと 命名 した. (上 野 1944),. 黒萩 ,長 内両氏 (既 出)に よ って ,本 種 が石狩 川古川湖 に分布 す る ことが確 か め られ た ことは,全 くよろ こば しい こ とで あ る。 本種 の特徴 につ いて は既 に述 べ たが,石 狩川古川 の個体群 は成 体雌 で390μ 内外 ,外 形 は. 3。. α″Sf.θ λα%ルθ ηgsょ りも,む しろ β.θ θ π″ πグノθ zθ θ πsグ S ル′. に近 似 してい る。尾爪 の歯列 の 刺状歯 の数 は概 ね 6。 甲殻腹縁後突起 は成体 雌 で は背腹両縁 と も平 滑 で欠刻 が ないもしか し,体 長 200μ 内外 の若 い個体 で は,先 端 に近 い 背縁 に微突起 の あ る もの と,そ れ ともう一 つ 基部 に近 い腹縁 に微突起 の あ る もの とが あ り,明 か に β.θ θ″θ s″ お ″ πグな らびに 3。 ゐ%gグ ″θ とは別 の形態 で あ る ことを 示 して い る。 体 長 260μ にな ると背腹 と もに欠刻 ま たは微突起 がない こ とは,300μ 以上 の成体 とちがわない。後突起基部近 くに 位 置す る刺毛 (Kurz's seta)は , 3。 σ θ″θ ″ πグの ものに比 べ て 短 い。頭楯弧 ″グ sに 比 べ て二 叉部分が大 き く,背 枝 線 は大 状 縁 の背線構造 は,3。 ゐπgグ ″ω′ 肥 関節 に達 し,弧 状縁 に接 して走 る腹 枝 線 との間 に,広 く大 きい長三 角形 の 区域 をな し,そ の 中間 に頭側 孔 があ る。徳 井氏採 集 の材料 は,古 川湖 々畔茨 戸 と花 畔 の 2個 所 で得 られてい るが ,茨 戸 沖 の材料 では 背枝 線 が大肥 関節 に. ηα θ 銘管 θ πグ の尾爪 図 4.Bθ S解 グ. (A∼ E)と 甲殻腹縁後突起 (G∼. J)。. 3。. A,然 別 湖 ♀ ;B∼ Bm,糠 平湖 , B, ♀,Bm,♂ ;C∼ Ca,阿 寒湖 ♀,Caは 後腹部 の後端 ;D, リヤ ウ シ湖 E, 卜_口 湖 ;Fa,石 狩 川古川湖 , 後腹部 の後端 ;G,然 別湖 , aは 欠刻 な く, bは 側面 に も微突起 があ る ;H, 糠平湖 , Cは 腹縁 に 2個 の微突起 と側面 に 1個 の微突起 があ る ;J, リヤ ウ シ湖 , bは 1個 の 腹縁微突起 があ る ;M,石 狩 川古川湖 , bは 若 い個体。. αJグ Sの 同上部分 (Faと M)。 ルノ. ;.
(14) δ 2 π. 北海道湖沼産ゾウ ミジンコ属の補訂. 達 しな い ものが あ る。 また,弧 状縁前端 の二 叉構造 は,茨 戸 沖 の材料 で は明 瞭 で あ るが, 花 畔沖 の材料 で は は っき りしな い ものが あ る。 頭側孔 の位置 は,背 線二 叉後 の 区域 のほぼ 中央 の少 し背枝 線 よ りにあ り,花 畔沖 の個体群 で は大体一致 して い る。 と ころが茨戸沖 の個体群 では,腹 枝 線 に接近 して位 S″ グ sの よ うに,腹 枝 線上 にまで移動 置す る ものが あ り,中 には B.ゐ πg″ θ gο π グに おけ るよ うに真 円 θ″θ して い る ものがあ る。 しか し,そ の形態 は Bo σ. s″ Jsの よ うに, 決 して楕 円形 あるいは方 円形 であ る こ と 形 で , 3.′ θπgグ ″θ. α騰 な る こ とが確認 され る。 はな いか ら,B.ル ′. Co Bοsπ れ α 属 の 分 類. LIEDER(195Z1962に よ る)は Bωttπ. 属 に 4亜 属 を設 定 して ,次 の よ. う に した 。. s型 のすべてを包合 , 分布 は主 として北半球 γ グ θ πg″ ノ 亜 属 Bθ Sttπ α BAIRD… …・′ “ で あるが,世 界 中に分布す る種 と見 ることができる。 銘管θ ″ 型 のす べてを包括す る。 亜 属 Eπ bθ W励 %SELIG00… …北半球 に分布す る θ αS π LIEDER・ … …東亜 に分布す る唯 1種 ユ ル ′ 亜 属 Sれθbθ s″ グ Jグ. BURCKHARDT. よ りなる。. Sttπ LIEDER・ … …南半球 の 亜 属 Ⅳあらθ. Bθ Sπ グ πα,こ. の亜属 のすべての種 は,甲 殻. 腹縁後突起 の背縁 に欠刻または微突起 があることで, 前 3亜 属 と異なる。 この亜属 には, 動. カグ s DADAY, Jθ ′ 賀グ θ π BREHM,3。 θ gη η θ κα力α απが STINGELIN,B.″ πわグ. な ら び に Bo b″ 力πグ LIEDERの. 4種 が 属 す る。. π との両 種 は,亜 属を設 けて分 か つ ′ この うちで, 3。 力αg鰍物″ と β.′ π″θ ほ ど,明 確 な特徴 を もって は いない。GouLDEN&FREY(1963)は. B.勿g―. gο %′ と殆 ん どちがわない こ とを指摘 して い る。 物%π グの頭倶1孔 が, 3。 θ ο″θ. 筆者 (UЁ N0 1967)も またポ リビア側 のチチカカ湖 の該種 でその点 を見 て い π は ベ ネ ズ エ ラか らは じめて記 載 された平均体 長 360μ の種 で たθ る。β.′ πわ. ,. 第 一 触 角が短 くて外方 に 曲 って い る。FREYは 北米 ジ ョー ジアな らびに ノー ス カ ライナか らの β.′ πわ η の標本 で,尾 爪 も頭側孔 も σ たθ θ/θ ″ ″ 型 な る こ.
(15) 上. 野. 三. 益. 16θ. とを 明 か に して い る FREY 1963)。. (GouLDEN&. これ らの結果 は, 3.. 力αg協協ππ″と dB. ′み π とは, LIB― たθ “ DERが した よ うに,果 して別亜属 と す べ きか どうか は,. GouLDEN&. FRBYが 疑 間 とす るよ うに,筆 者 も 全面 的 には首肯 し難 い。 この両種 を βθ sttπ. sttπ (β θ. ば, Ⅳああs就% と. 3。. )に 移す とすれ. ル西 S には B.ι カグ. レθ λ雨 とが残 る こ ととな る。. ただ し, この両 者 の頭側孔 の形態 に つ いて は何 も知 られ て いないか ら. ,. 亜属 の妥 当性 も今 は論ぜ られ な い。. B.れ ″σθ%の よ うに,第 一 触 角が前 方 に 曲 った 3。 ル た騰 を筆者 (UЁ NO. 1939)が 既 に見 て い るが,石 狩川古. ヘ 図. 川湖 の材料 中 に も この よ うな個体 が. 5.第 一 触角 が外側 に曲 った B.ル チα S の個 体 ,A,♀ 側面 図 ,石 狩 川古川 湖 (1967.8.19)。 B,同 上 の頭部側 面 ;C,背 腹 に微突起 の あ る甲殻腹 Jグ. 縁後突起。. あ る (図 5)。 β鰯滋π ル戒蒻Sに つ いては前文 ― で既 に明 か に したよ うに,β .ε θ″θ gθ π グと. B.ゐ 昭 グ ″θ s″ た との 中間 に. おかれ るべ き もので,独 立 の種 とし て の資格 を十分 もって い ると考 え られ る。 しか も,そ の分布 は東 アジアに限 られ るか ら, Sグ 御 bω ππ. LIEDERは 本種 のために認 めておいて よい と思 わ. れ る。 日本 において は 現在石狩川 旧河道湖 か ら 知 られ て い るのに 過 ぎない が,既 知 の分布 (南 支 ,フ イ リッピン等 )か ら見 て,青 森以南 の地域 に も生 活 して い る可能 性 があ る。本補訂文 が 日本全体 の と前 に述 べ たのは, このよ うな点 に存 す る。. Bθ. ttZ属. に役立 つ 筈 だ.
(16) 北海道湖沼産ゾウミジンコ属の補訂. 164. D.生 活 陸水 との関係 sと その生 活陸水 と RYLOV(1935)が β.θ θ″θ″ πグ ,な らびに β.ゐ πgグ ″οs″ グ の 関係 を要約 して以 来 ,そ のよ うな考 えが β偲滋πα 研究者 に大 き く影響 し て い る感 があ る。 RYLOVに よれ ば,β .θ θγθ ″ πグは湖沼沖部 の代表的 なプ ラ ン ク トン動物 で,そ れ らの湖 沼 は概 ね水 の清澄 な貧栄養 状態 で ある。 それ に s″ グ sは その生 活陸水 が多方面 にわた り,湖 に も小 さい池 反 し, β.ゐ πgグ γθ. に もいて,特 に富栄養状態 の と ころに多 い。 一 般 的 にはそ うで あろ うけれ ど も,常 に必ず そ うとは いい切 れ な い。北海道 の B.θθ″θ ″ πグを見 ると,い ず れ もか な りの深 さを もった湖 の沖部 にプ ラ ン ク トン として生活 してい るが. ,. それ らの湖 は貧栄養 とは限 らな い。然別湖 はそ の うち で貧栄養 の代表 ともい うべ き湖 であ る。 トー ロ湖 と リヤ ウ シ湖 とは藍藻 の著 しい水 ノ華 の 出現 す る ″ πグの個体群 が優 占 した湖 浅 い 富栄養湖 で あ る。阿寒湖 はか つ て は B.θ θ″θ で あ ったが,過 去 30年 位 の間 に急速 富栄養化 が進 み (上 野 1966),β .σ .の 個. sが 進入混在 してい る。 この s′ γ グ 体群 の弱小化 が 目立 ち,新 たに β.ゐπgグ γθ gθ π ″θ グが富栄養 湖 を避 け るとい う一般 θ こ とは,RYLOVが い うよ うに,3。 ε. 的事実 に合致 す るよ うであ るが,然 らば トー ロ湖 と リヤ ウ シ湖 との場合 を ど う見 るべ きか。両 湖 の. 3。. .の 中で も,富 栄養化 πJsは ,3。 θ θ θ θ″θ ″ πグノ″θ. 湖 沼 に適 応 した亜 種 と見 る他 はな いよ うに思 われ る。. sが 富栄 養化 の進 んだ 湖 沼 に生 活 して い る ことは, 本州各 β.ん πgグ γο s″ グ 地 では確 か にそのよ うで あ る。北海 道 の湖 沼で は,洞 爺湖 ,支 笏湖 のよ うな. sで あ る。 しか も s″ グ 大 き くて深 い カル デ ラ湖 の βκttπ α が B.ゐ πgグ γθ. ,. 洞爺湖 は近年 の硫化鉄鉱排水 の流入 によ る酸 性 化. (1966年 11月 の表面水. pH. α り α″πα は全 く姿 を消 したのに,却 って は 5.2)に 伴 い,従 来 いた Dα ′乃πグ. sが 増 え,現 在 では全 くプ ラン ク トンの優 占種 とな って. s″ グ Bθ 銘ガ παゐπgグ γθ. い る(元 田,ほ か ,1967)。. B.ゐ πgグ γθsガ γグsが 富栄養 の指標 た り得 るだ ろ う. とい う考 えは,洞 爺湖 のよ うな逆 の貧栄 養化 の場合 もあ り得 るので,よ ほ ど.
(17) 上 野 益 三. =δ. 5. 慎重 に適 用 しない と誤 った結果 を齋 らす危険 がある。例 えば,湖 底泥 の柱状 標本 を分析 して,そ の湖 の過去 の歴 史 を組立 てよ うとす る場合 に,泥 中 に合 まれ る多数 のキ チ ン残骸 が. B.劫 昭 グ γθ s″ グ sと 同定. (頭 側子Lと 尾爪 とがその. 識別 に大 いに役立 つ)さ れた事実 を もって,そ の柱状標本 で代表 され る過去 が富栄養 で あ った と断定 す るが如 くで あ る。 イギ リスの Esthwaite Water で この よ うな研究 を した. GouLDEN(GouLDEN&FRBY,ノ .σ 。による)は. ,. β錦滋πα の残殻 を基 に して , 該湖 固有 の貧 または中栄養 状態 と, 人 間活動 に伴 う現在 の富栄養 との間 の微妙 な バ ランス につ いて論 じて い る。3。 ゐπノー ″θ s″ た と B.θθ γθ ″ πグ との現在 の生活陸水 につ いて十分 な研究 が施 され, 種 と環 境 との関係 に つ いて,何 らか の もつ と確 実 な一 般化 が望 まれ るのは こ のためで ある。 なお,阿 寒湖 の B.ん πgグ ″θ s″ グ sは 他 の諸湖 の該種 に くらべ て格別 に小 さ くて,体 長 200μ を超 えない。この こ とは同属 の 2種 が共存 して い るとい う こ とか ら,生 態学的 にす こぶ る興 味 があ る。共存種 の B.θ θ γθ ″ πグは体長 500μ に達 し,同 一 水層 中 の β.ノ .の. 2。. 5倍 の大 きさで あ る。体 の大 きさの ちが い. がそれぞれ の食物 の ちが い とな るで あろ うか ら,両 種 の nichesを 研究す る 格好 の材料 で あ る。 β.ル チ α″Sが 富栄養化 の進 ん だ 陸水 をそ の生活場 所 として い る ことは,石 狩 川古川湖 がその一 例 で あるが,筆 者 がか つ て研究 した江 南陸水 で も全 く同 様 で あ る。 ただ ,フ イ リッピンの湖 沼 では必ず しも富栄養湖 沼 とは いえない. (AuRICHは 湖 のの性質 につ いて は言 及 して いないが)。 なお,フ イ リッピン のよ うな南方地域 の湖 沼 の B.ル ′ α騰 が β.ゐ πgグ ″θ J″ た によ く似 た外貌 で gθ π ″ あ るのに,満 州興凱 湖 な らび に石狩川古川湖 の該種 は, ともに σ グを θ″. 想起 させ る外貌 であ る点 は,動 物地 理 学的 にす こぶ る興 味 が あ る。 しか も, 石狩川 古川湖 の標本 は興凱湖 のにす こぶ るよ く似 て い る。.
(18) 北海道湖沼産 ゾウ ミジンコ属 の補訂. δ =δ. 摘. 要. 石狩川 旧河 道湖 (古 川湖 )で ,βωttZル 疵蒻S. BURCKHARDTが 発見 され. た ので,そ の体 の細部 を精査 し,特 に頭側孔 の位置 と形態 とをは じめ て 明 か gOガ の頭側孔 と γθ θ s,な らびに, 3。 θ グ に した。 そ の頭側孔 は B.ゐ πg″ θS′ γ. 異 り,種 として の B.ル疵蒻Sは 確認 され た。北海 道 には. 3。. .,β .ι .,お よび ′. β。二 の都合 3種 が分 布 して い るので,そ れ らを整 理 し,該 地方 の 3知 潤π. sを 主 として い るの s″ グ 属 の補訂 を試 みた。青森以南 の地域 は, 3。 ゐπgグ ″θ で ,北 海道 の. ,と りもな お さず ,本 州 そ. α 属 の補訂 を試 み る こ とは Bθ S″π. の他 の地域 の β鰯滋π 属 の知識 に対す る寄与 とな る筈 で あ る。 謝. 辞. 本文をつ くるために 使用 した新 らしい材料 は, 下記 の諸氏 の好意 によ ることが多 い。 ここに芳名を列記 して深 く感謝 の意を表す る (氏 名 アルフ ァベ ッ ト順 )。 川村輝良氏 (北 海道大学水産学 部, 函館)… 洞爺湖,糠 平湖 ;川 合禎次氏 (奈 良女子 ・然別湖,阿 寒湖 ;黒 萩 尚氏 (北 海道 さけ 0ま す・ ふ化場 ,札 幌) 大学理学部,奈 良)・・ … トー ロ湖 ;水 野寿彦氏 (大 阪教育大学,大 阪)・ ¨渡島小沼,洞 爺湖,利 尻島オタ ドマ リ沼,阿 寒湖 ;徳 井利信氏 (北 海道 さけ・ ます・ふ化場 )・ ¨支笏湖,然 別湖,阿 寒湖. ,. 石狩川古川湖。特 に徳井利信氏 は筆者 の度 々の質疑 に明快 な解答 を与えて扶 けられ た ことを特記す る。. 引. 用. 文. 献. Aurich,H.(1934):Mitteilungen der Wallacea― Expedition Wolterecko Mitteilung XH:Bosminidae(CladOcera).Z0010 Anz。 ,lθ 8,59-74. Burckhardt,G.(1924):WisSenschaftliche Ergebnisse einer Reise um die Erde von M. Pernod und C. Schrё ter. III. Z∞ plankton aus ost‐ und sud― asiatischen Binnengewassern. Zo fo Hydrologie, 2, 217--242.. Goulden,C.Eo and D.G.Frey(1963):The OCCurrence and signincance of lateral.
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