修 士 論 文
中学 校 家 庭 分 野 「問題 発 見 」 に お け る
生 徒 の認 知 傾 向 に 関 す る探 索 的 研 究
一消費生活領域 を題材 に して一
兵 庫 教 育大 学 大 学 院
学校 教 育研 究 科
教 育 内容・ 方 法 開発 専攻
行 動 開発 系教 育 コー ス
M14215K
村 田
晋 太 朗
次
目 第1章
研 究 の 背 景 及 び 目 的1.1
研 究 の 背 景 ・ ・ ・ ・ 。・00・
・ 。・ ・ ・ 。00◆
00。
・ 。・ ・ ・ ・ ・11.1.1
家 庭 科 に お け る 問 題 解 決 的 な 学 習 の 課 題00・
・00000・
・ 。1 1.1。2
「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」 の 変 遷 及 び 有 用 性000000・
・ 0・ 11.1.3
問 題 発 見 と は 。 。・0 0 0 0 0 o o o O●
・ 。・ ・ ・ o o● ◆ ● ●51.1.4
問 題 解 決 的 な 学 習 に 関 す る先 行 研 究・ ・ 。・00000。
・ ・・ ・ 81.1.5
パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 を 用 い た 認 知 の 可 視 化・ ・ ・ ・000。
・ ・09
1。2
研 究 の 目的 。・ ・ ・ 。・ ・00。
・ ・ ・ 0・ ・ 0。 ・ ・00。
・ ・ ・0010
引 用 文 献 0。 ・ 0・ 。・00。
・ ・000。
・ ・ ◆00000000。
・ 。・H
第2章
研 究 の 方 法2.1
対 象 及 び 実 施 時 期 ・ ・ ・ 。・ ・ 。・ ・ ・ 0。00・
00000000・
2.1.1
対 象 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ◆ 。・ 0。 ・ ・ 0・ 0・ ・ ・ ・00・
00
2.1.2
実 施 時 期 ・0000。
・ ・ ・ ◆00・
・ ・ ・00。
・ ・ ・ 。 。 。2.2
研 究 の 枠 組 ・ ・ ・00。
・ ・ ・000。
・000。
・000・
。・・ ・2.3
実 践 に つ い て・ 。・000・
・ ・ 。・ 0。 ・00。
。・ 0。 ・ ・ 。・ 02.3.1
授 業 の 概 要 。・ 。00000。
・00・
0・ 0・ ・0000・
・2.3.2
パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 の 概 要・ ◆00・ 00・
・000。
。・00
2.4
分 析 の 枠 組 み 。・ e。 。000000000000000。
・ ・ ・ ・ ・2.5
倫 理 的 配 慮00000。
・ ・ 。・ ・ ・0000・
00・
・ ・ 0。 ・ ・ ・ 12 12 12 12 13 13 1523
24
引 用 文 献・0000000000000・
・000000・
・ ・0000・
・25
3.1
「解 決 方 法 」 に 対 す る回 答 の 分 析 。・ 。0000。
・ ・ ・ 。 。・ 。・026
3。1.1
「解 決 方 法 」 に 対 す る記 述 のル ー ブ リ ッ ク に よ る評 価 。・ ・ 0・26
3.1。2
学 習 した 知 識 の 適 切 な 活 用 ・ ・ ・000・
。・ 。・ ・ ・ 。00・ 26
3.1.3
解 決 方 法 の 回 答 内 容 に 関 す る 各 群 の 傾 向 。・000000。
・ 。28
3.2
「問 題 発 見 」 に対 す る回 答 の 分 析 ・ ・ ・ 。・ ・ ・ ・ ・ 。00。
・ ・ ・ ・30
3.2。1
「問 題 発 見 」 に 対 す る記 述 の ル ー ブ リ ッ ク に よ る評 価0000・
30
3.2.2
「問 題 」 に 対 す る認 識 の 分 析 ・ ・ 。・00。
・ ・00。
・ ・ ・030
3.3
「現 状 分 析 」 に対 す る回 答 の 分 析・ ・ 。・ 0・ 0◆ ・ ・00。
・ ・ 0・34
3.3.1
「必 要 な 情 報 に線 を 引 く」 段 階 0。 ・ ・ ・ 0・ ・ ・ ・00・
0035
3.3.2
「状 況 に は 書 か れ て い な い 情 報 を書 き 出 す 」 段 階 。 。・000。
36
3.3.3
「消 費 者 の8つ
の 権 利 との 関 連 に つ い て 」 段 階 。・ ・ ・ ・ ・ ・ ・38
3.3.4
「現 状 分 析 」 に 対 す る回 答 の ル ー ブ リ ッ ク に よ る評 価 。・ ・・038
3.3.5
ま と め 0 0・0
・O o o o o 0 0 0
●●00
●●●o o o
● ● ●39
3.4
パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に お け る 回 答 傾 向 モ デ ル0000。
・ ・ ・ ・ 。・039
3.5
パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 の 有 用 性000・
。・ ・ 0。 ・00。
・ ・00。
・40
引 用 文 献・ ・ ・ 0。 。・ ・000・
・ ・ ・ ・00。
・ ・ ・0000・
・ 。・ ・40
第4章
結 論 と今 後 の 課 題 4。1
結 論000・ 000000000000。
・ 。・ ・ ・00。
・ ・ ・ ・ 04.2
今 後 の 課 題 ・ ・ ・ ・00・
0・ ・00・
・ ・0000・
・00・
000
引 用 文 献 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 0・ ・ ・ ・00。
・ 。・ 。・ ・00。
・ ・ ・ ・00・
0 資 料 0・000・
・ ・ ・ ・ ・0000000・
・ ・ ・000・
・ 。・0000000044
実 践 で 用 い た 指 導 案00000000000000・
000・
・ ・ 。・ ・ ・045
実 践 で 用 い た ス ラ イ ド・ ・ ・ ・00・
0000000。
・ ・ ・0000・
・048
実 践 で 用 い た ワー ク シ ー ト000・
・0000000000・
・00000055
本 研 究 に お け る学 会 発 表00・
・0000・
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・00・
0。 ・57
謝 辞 ・ ・ ・ ・0000。
・ 0。 ・ ・ ・ ・00・
・ ・0000・
00。
・ 。・ 。・ ・ ・ ・58
1 2 3 4 4 4第
1章
研究の 目的及び背景 第1章
研 究 の 背 景 及 び 目的1.1
研 究 の 背 景1.1.1
家 庭 科 に お け る 問 題 解 決 的 な 学 習 の 課 題 文 部 科 学 省(2008)学習 指 導 要 領 解 説 技 術 。家 庭 編 で は 、「課 題 を も つ て 生 活 を よ りよ く し よ う とす る能 力 と態 度 を育 て る」 こ とを高 次 な 目標 と して設 定 して お り、 この 目標 を達 成 す る た め に は 、「問題 解 決 能 力 を もつ こ とが 必 要 で あ る」 と し、問題 解 決 的 な学 習 の充 実 を 「各 分 野 の 内容 の取 り扱 い」 で示 して い る。 つ ま り、家庭 分 野 の 日標 を達成 す るため に、 問題 解 決 的 な 学 習 に よ る問題 解 決 能 力 の 育 成 を掲 げ て い る。 鈴 木 ら(2012)は 、 家 庭 科 に お け る 問題 解 決 的 な 学 習 の 現 状 と課 題 を把 握 す るた め に 、 現 場 教 員 を対 象 に質 問紙 調 査 を行 つ た。 結 果 と して 、 問題 解 決 的 な 学 習 の 実 践 経 験 の な い教 員 は 、57名
中38名
と、約7割
の 教 員 は 実 践 して い な い こ とが わ か っ た 。 さ らに、実践 し て い な い理 由 と して 、「学 習 時 間 が 十 分 に とれ な い(22名
、 57.9%)」 「授 業 のや り方 が わ か らな い(13名
、 34.2%)」 「テ ー マ や 教 材 を見 つ け るの が 困難(12名
、 31.6%)」 「相 対 的 に優 先順 位 が低 い(5名 、13.2%)」 「生徒 の 関心 が低 い(4名 、10。5%)」 とい う順 に多 か つた 3)。 最 も多 か っ た 「学 習 時 間 が 十 分 に とれ な い 」 につ い て は 、 学 校 教 育 法 で 定 め られ て い る各 教科 等 の年 間授 業 時 数 の 少 な さに対 して の 回 答 と も解 釈 で き るが 、 背 景 につ い て は明 らか とな っ て い な い。「授 業 の や り方 が わ か らな い 」 は 、 授 業 方 法 に 関す る 困難 性 、「テ ー マ や 教材 を 見 つ け るの が 困難 」 は教 材 開 発 に 関す る困難 性 を家 庭 科 教 員 が 抱 い て い る こ とが わ か る。 つ ま り、 家 庭 科 の 高 次 な 目標 で あ る 「課 題 を もつ て 生 活 を よ りよ く しよ うとす る能 力 と態 度 を育 て る」 た め の 問題 解 決 的 な 学 習 の設 計 や 方 法 な ど全 体 的 に家 庭 科 教 員 は 困難 を感 じて い る の で あ る。1.1.2「
実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」 の 変 遷 及 び有 用 性 鈴 木 らの調 査 で 明 らか とな っ た 困 難 性 に対 して 、荒 井(2009,2013)の
「実 践 的 推 論 プ ロセ ス」 とい う学 習 論 は 、 問題 解 決 的 な 学 習 に関す る理論 的基 盤 とな り得 る と考 えた。 以 下 で は、ア メ リカ で の 「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」 の着 想 期 か ら、荒 井(2009,2013)に
お い て 、 日本 で提 唱 され る ま で の 変遷 を追 い 、「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」 の特 徴 を ま とめ る。 「実 践 的推 論 プ ロセ ス」は、1970年
末 に ア メ リカ で 、マ ジ ョ リー・ ブ ラ ウン とベ ア トリ ス0パ
オ ル ッチ の 二 人 が 家 政 学 を再 定 義 し、 さ らに ブ ラ ウ ン は家 庭 科 教 育 につ い て も言 及れ ま で の家 庭 科 は 「家 庭 生 活 に科 学 的 知 識 や 専 門 的 技 能 を応 用 し、 そ の 学 習 目標 の到 達 を 重視 」 す る、 い わ ゆ る実 証 分 析 科 学 に も とづ く教 科 で あ つ た。 この 実 証 分 析 科 学 に も とづ く 「Plan(計 画 す る)‐
Do(実
行 す る)・See(ふ りか え る)」 の 学 習 は 、 問 題 を解 く こ とに焦 点 があ り単 発 の 問題 解 決 で あ る(図 1‐1)。 一 方 、「家 族 や コ ミュ ニ テ ィ に お け る実 践 的 な問題 に 取 り組 む 中で 批 判 的 リテ ラ シー を獲 得 し、 そ の 学 習 プ ロセ ス そ の もの を重 視 」 す る、批 判 科 学 (Critical science)に も とづ く教 科 ヘ パ ラ ダ イ ム転 換 の 必 要 性 を提 起 し、試 案 され た 学 習論 が 「実 践 的推 論 プ ロセ ス 」 で あ る。 この批 判 科 学 に も とづ く学 習 は 、 生 徒 自身 の思 考 か ら出発 し、 体 験 の積 み 上 げ を重 視 し、 生 徒 の 思 考 を深 め るた め の 学 習 の道 筋 が 丁寧 に設 定 され て い る点 に お い て 、 従 来 の 問題 解 決 プ ロセ ス(図 1‐1)と の違 い が 見 られ る。 図
1-1
従 来 の 問 題 解 決 プ ロ セ ス ブ ラ ウンの理 論 を背 景 に 、オ ハ イ オ 州 の 家 庭 科 カ リキ ュ ラ ム にお い て 、「実 践 的 推 論 プ ロ セ ス 」 の導 入 に 中心 的 に 関 わ つ た1人
で あ るオ ハ イ オ 州 立 大 学 ジ ャネ ッ ト・ ラ ス ター の論 につ い て述 べ て い く。ラ ス ター は 、「実 践 的 推 論 プ ロセ ス」の理 論 に基 づ い た 問題 解 決 学 習 のプ ロセ ス を4つ
の ス テ ー ジ で説 明 して い る(図 1‐2)。 この 学 習 プ ロセ ス の特 徴 と して 、「何 が 問題 か 」 を探 る こ とを重 視 して い る点 、 問題 を分 析 し、解 決 の た め の選 択 肢 を検 討 す る 「実 践 的推 論 」「批 判 的 思 考 と判 断 」 の2つ
の段 階 を設 定 して い る 点 が あ げ られ る。ふりかえる
第
1章
研 究の 目的及 び背景①
問題への着 目
関 心 の あ る 実 践 的 課 題 や 社 会 的 問 題 の 情 報 を収 集 し、 何 が 問 題 か を 探 る ② 実 践 的推 論 問 題 解 決 に 必 要 な 知 識 や 行 動 の 理 解 、 背 景 や 文 脈 の 整 理 、 価 値 や 目標 の 追 求 ③ 批 判 的 思 考 と 判 断 多 角 的 な 視 点 か ら問 題 解 決 行 動 の 選 択 肢 を 分 析 し価 値 づ け て 判 断 す る④
行動 とその評価
図1-2
実 践 的 問 題 解 決 学 習 の4つ
の ス テ ー ジ(荒井2009を
引 用) 荒 井(2009)は、ラ ス ター の理 論 を基 に 、新 た な 問題 解 決 学 習 と して 提 言 して い る。図 1‐3 は、 ラ ス ター の4つ
の ス テ ー ジ を 日本 の 家 庭 科 教 育 にお け る問題 解 決 的 な 学 習 に翻 案 した プ ロセ ス で あ る。 具 体 的 に は 、図 1‐2に
あ る 「① 問題 へ の着 目」 を 「問題 へ の 着 目」「問題 の特 定 」 と2つ
に分 割 し、 特 に 「問題 の 特 定 」 で は 、意 思 決 定 を促 し、 よ り 「問題 」 へ の 意 識 を 高 め た プ ロセ ス で あ る と言 え る。 図1-3
荒 井(2009)にお け る実 践 的 推 論 プ ロセ ス さ らに 、 荒 井(2013)は 、 意 思 決 定 や 批 判 的 思 考 力 な ど、 今 後 育 成 が 求 め られ る能 力 に着 日 し、 荒 井(2009)の 「実 践 的推 論 プ ロセ ス」 を修 正 し、 図 1・4の
よ うな プ ロセ ス を提 案 し て い る。 荒 井(2013)の特 徴 と して 、 ラ ス ター の4つ
の ス テ ー ジ で 特 徴 的 で あ っ た 「問題 ヘ の着 目」を一 層 重 視 し、「問題 に気 づ く」「現 状 を把 握 し分 析 す る」「問題 を特 定す る」 と3 つ の段 階 に分 け 、丁 寧 に学 習 す る こ とが で き る よ うに設 計 し直 して い る こ とが あ げ られ る。解決の
選択肢の
検討
図
1-4
荒 井 (2013)に お け る実 践 的 推 論 プ ロセ ス これ ま で に示 した 、 ① マ ジ ョ リー・ ブ ラ ウン の批 判 科 学 (Critical science)に も とづ く、 教 科 ヘ パ ラダ イ ム転 換 を基 に提 案 され た ラ ス ター の 学 習 論 、 ② 荒 井(2009)の学 習 論 、 ③ 荒 井(2013)の学 習 論 、と「実 践 的 推 論 プ ロセ ス」に 関す る学 習 論 の 変遷 に つ い て述 べ て きた。 これ ら3つ
の 学 習 プ ロ セ ス と従 来 行 わ れ て き た 実 証 分 析 科 学 に 基 づ く 「Plan(計
画 す る)‐Do(実
行 す る)‐See(ふ りか え る)」 学 習 プ ロセ ス の4つ
を プ ロセ ス の 内容 と関連 させ て ま とめ る と図 1‐5の
よ うに表 す こ とが で き る。4つ
の 共 通 点 は 、「Do」 「行 動 」「実行 す る」い わ ゆ る解 決 の た め の 実 行 プ ロセ ス と 「See」 「評 価 」「省 察 」「結 果 を振 り返 る」 い わ ゆ る評 価 プ ロセ ス で あ る。従 来 型 と「実 践 的 推 論 プ ロセ ス」の相 違 点 は 、「問題 」 に着 目す る こ と か ら始 ま っ て い る こ と。 荒 井(2009)の 言 葉 を借 りる と、 学 習 の道 筋 が 丁 寧 に設 定 され て い る こ と、 の2つ
で あ る と言 え る。 この相 違 点 に視 座 を置 き、 本 研 究 で は 、 丁 寧 に道 筋 を立 てて で き る よ うに プ ロセ ス を設 計 す る 「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」 の理 念 を踏 襲 し、特 に 「問 題 へ の着 目」 に焦 点 化 し、進 め て い く こ と とす る。結果を振り返る
第
1章
研 究の 目的及 び背景 問題 発 見 解決方法の検討 雄 回 回 従来型 ラスターの 学習プロセス 荒井(2009) 荒井(2013) 図1-5
問 題 解 決 プ ロ セ ス の 比 較 図 (※P:anは ど の カ テ ゴ リー に も 含 まれ な い た め 、 点 線 枠 に した)1.1.3
問 題 発 見 とは 「問題 へ の着 目(問題 に気 づ く段 階 、現 状 を把 握 し分 析 す る段 階)」 や 「問題 の特 定 」 は 、 「問題 発 見」 と称 され 、近 年 注 目 され つ つ あ る。 他 分 野 、他領 域 の知 見や 、近年 の教 育政 策 の 動 向 を概 観 し、整 理 、 検 討 を行 う。(1)社
会 科 にお け る 「問題 発 見 」 の先 行 研 究 社 会 科 教 育 にお い て 、 吉 水(2002)は 、 地 理 学 研 究 者 の 問題 発 見 の視 点 を参 考 に作成 した フ レー ム ワー ク を用 い て 、小・ 中 0高等 学 校 の 教 科 書 を分 析 し、「位 置 と分 布 」概 念 につ い て 、適 切 な社 会認 識 を育 て る た め に は どの よ うな 問題 を発 見 させ て い くべ きか整 理 した。 そ して 、適 切 な 内容 及 び 順 序 性 を踏 ま え た 問題 発 見 場 面 を意 図 的 に組 み 込 ん だ 中学校 社 会 科 地 理 的 分 野 工 業 単 元 の授 業 プ ラ ン を開発 ・ 提 案 した。(2)経
営 学 分 野 にお け る 「問題 発 見 」 の認 識 経 営 学 にお い て 、 齋 藤(2001)は 、ハ ー バ ー ドA.サイ モ ン(1975)の定 義 「問題 とは、 日標 (あ るべ き姿)と 現 状 との ギ ャ ップ 」を参 考 に、経 営 にお け る 目標(あ るべ き姿)と は 、現 状 を どの よ うに分 析 す る の か 、 現 状 とあ るべ き姿 との ギ ャ ップ は どの よ うな構 造 に な って い る のか 、な ど具 体 的 な事 例 に基 づ き検 討 して い る。安 宅(2010)は、「問題 を 見 つ け る こ とが で きれ ば 問題 解 決 の 半 分 以 上 は 済 ん だ もの だ」 と述 べ 、経 営 学 で は 問題 解 決 にお い て 、「問題 発 見 」 は重 要 な役 割 を担 つ て い る こ とが 示 唆 され て い る。 問題を特 定する 解決方法を 出し選択肢 を検討する 選択肢を 多角的に 検討する 結果を振 り返る(3)近
年 の教 育 政 策 に お け る 「問題 発 見 」 の位 置 づ け 近 年 の教 育 政 策 の動 向 と して 、国 立 教 育 政 策 研 究 所(2013)の報 告 書 で 試 案 され た 「21世
紀型 能 力 」 にお い て 、「発 見 力 」 を今 後 育 成 が 求 め られ る資 質 ・ 能 力 の1つ
に あ げ て い る。 「21世
紀 型 能 力 」 とは 、OECDの
DeSeCoプ
ロ ジ ェ ク トや21世
紀 型 ス キル プ ロジ ェ ク ト な ど、 国 際 的 な動 向 を踏 ま え 、 さ らに 日本 の 文 化 的 。社 会 的 特 性 や 社 会 的期 待 、 近 年 の教 育 政 策 の動 向 を踏 ま え て 、試 案 され た もの で あ る(図 1‐6)。 図1-6 21世
紀 型 能 力 (国立 教 育 政 策 研 究 所 (2013)報 告 書 を 引 用) さ ら に 、 平 成29年
に 公 表 を 予 定 され て い る 中 央 教 育 審 議 会 答 申 の 基 礎 資 料 とな る教 育 課 程 企 画 特 別 部 会 の 論 点 整 理(2015)で は 、 育 成 す べ き 資 質 ・ 能 力 を 「二 つ の 柱 」(図 1‐7) で 整 理 し、 そ の 中核 に あ る 「知 っ て い る こ と 。で き る こ と を ど う使 うか(思考 力 ・ 判 断 力 ・ 表 現 力 等)」 を 次 の よ うに 定 義 して い る。 問題 を発 見 し、そ の 問題 を定 義 し解 決 の方 向性 を決 定 し、解 決 方 法 を探 して計 画 を立 て 、結 果 を予 測 しな が ら実 行 し、 プ ロセ ス を振 り返 っ て 次 の 問題 発 見・ 解 決 につ な げ て い く こ と(問題 発 見 ・ 解 決)や、 情 報 を他 者 と共 有 しな が ら、 対 話 や 議 論 を通 じて互 い の 多 様 な考 え方 の共 通 点 や 相 違 点 を理 解 し、相 手 の 考 え に共 感 した り多 様 な考 え を統合 し た り して 、 協 力 しな が ら問題 を解 決 して い く こ と(協働 的 問題 解 決)の た め に必 要 な思 考 力 ・ 判 断 力 ・ 表 現 力 等 で あ る。21世
紀型能力 実践 カ 。自律的活動カ 。人間関係形成カ ・社会参回カ ,持続可能な未来づくりの責任 思考カ ・問題解決、発見力、創造力 ・論理的、批判的思考カ ・メタ認知力、適応的学習カ 基礎カ ・言語スキル ・数量スキル ・情報スキルこ の 定 義 か ら、「二 つ の 柱 」 (思考 力 ・ 判 断 力 。表 現 力 等)」 て い る こ とが わ か る。 第 1章 研 究の 目的及び背景 の 中 核 を支 え る 「知 っ て い る こ と 。 は 、「問 題 発 見 力 」「問 題 解 決 力 」 で き る こ とを を 中 心 的 概 念 ど う使 うか と して捉 え 主体性、多様性、協働性 学びに向かうカ 人間性 など
どのように社会・世界と
関わり、よりよい人生
を送るか
何 を知っていて、 何 ができるか知っていることロ
できることを
どう使うか
思考 力・判断力・表現 力等 図 1‐7
育 成 す べ き 資 質 ・ 能 力 の 二 つ の 柱(論点 整 理 補 足 資 料 を参 考 に筆 者 作成) 以 上 よ り、2000年
代 に入 り、教 育 で は社 会 科 にお い て 、他 分 野 で は経 営 学 で「問題 発 見 」 に関 す る論 文 や 書 籍 は幾 つ か存 在 す る。 しか し、 知 見 の 蓄 積 に は課 題 が 残 つ てお り、検 討 の余 地 は多 い に あ る と考 え る。 ま た 、 教 育 政 策 の 動 向 か ら、「21世
紀 型 能 力 」 の試 案 を皮 切 りに 、「論 点整 理 」に お い て も 「問題 発 見 」 は 中心 的概 念 と捉 え られ て お り、社 会 的 な 関 心 は よ リー 層 高 ま る と予 測 され る。 この よ うに 、研 究 の余 地 を残 す 現 状 と、教 育 政 策 に裏 打 ち され た 社 会 的 関 心 との ギ ャ ッ プ の 大 き さか ら も、「問 題 発 見 」 に 関す る研 究 を進 め て い く意 義 は あ る と考 え る。 な お 、「問 題 」 の 定 義 に つ い て 検 討 して お く。 齋 藤(2001)で は 、 サ イ モ ン(1975)や水 越 (1974)の 定 義 を 引用 して い る。 ま た 、 吉 水(2002)で は 、 齋 藤(2001)の ま とめ た 定 義 を 引用 して い る こ とか ら、 本 研 究 にお い て もサ イ モ ン(1975)及び 水 越(1974)を参 考 にす る。 ノー ベ ル 経 済 学 賞 受 賞 者 で あ る、ハ ー バ ー ドA.サイ モ ン は『 意 思 決 定 の 科 学(1975)』 内の 発 見 、 そ れ ら特 定 の 差 異 を 減 少 させ る の に適 当 な 、 記 憶 の 中 に あ る 、 も し くは 探 索 に よ る 、 あ る い は 道 具 ま た は 過 程 の 適 用 とい うか た ち で 進 行 す る 」 と あ る。 つ ま り、 サ イ モ ン は 「問 題 」 を 「現 状 と 日標 (あ る べ き 姿
)と
の 間 の 差 異 」 で あ る と定 義 して い る。 水 越(1975)は発 見 学 習 の ね らい の 一 つ に 「問 題 を 見 つ け る力 」 を あ げ 、「 自分 の 現 有 す る 情 報 処 理 能 力 と最 適 な ズ レ を も つ よ うな 課 題 を 、自分 自身 に 課 して い こ う とす る 態 度 能 力 」 と定 義 して い る。 水 越 の 言 う 「問 題 」 とは 、「自分 の 現 有 す る情 報 処 理 能 力 (現 状)と
最 適 な ズ レ (現 状 と 目標 の ズ レ)を
も つ よ うな 課 題 」 と言 い 換 え られ 、 サ イ モ ン(1975)での 定 義 と 同 様 で あ る こ と が わ か る。 そ こ で 、「問 題 」 とは 「現 状 」「あ るべ き 姿(目 標)」 「ギ ャ ップ 」 の3要
素 か ら構 成 され る こ とが 明 らか に な つ た 。 よ っ て 、 本 研 究 に お け る 「問 題 」 を 、 先 ほ ど の3要
素 を 構 造 化 し (図 1・8)、 「現 状 とあ るべ き 姿(目 標)と の ギ ャ ップ(差異)」 と定 義 した 。ギャ ップ
=問
題
図1-8
「 問 題 」 の 定 義1.1.4
問 題 解 決 的 な学 習 に 関 す る先 行 研 究 家 庭 科 教 育 学 にお い て 、「問題 発 見 」に 関す る先 行 研 究 は 見 られ な か っ た た め 、問題 解 決 的 な 学 習 に 関す る先 行 研 究 の 中 で も、 学 習 者 の 思 考 に焦 点 化 した もの を概 観・ 整 理 し、課 題 を 明 らか にす る。 福 田(2010)は、 教 職 課 程 の 学 生57名
を対 象 に 、 新 聞 を用 い た授 業 づ く りを協 同 で 取 り 組 ま せ 、後 日調 査 票 を用 い て 、 ① どん な成 果 や 方 略 を得 て 、 い つ 、 ど う使 うの か 、② 知 的 充 実 感 や 課 題 達 成 、 ③ プ ロセ ス の 重 要 度 を 自由記 述 や ア ン ケ ー トで 求 め た。 結 果 と して 、 問題 解 決 を通 して 、 学 習 した こ とが 生 活 領 域 に転 移 した者 は 、「発 展 的 な省 察(原因や 背 景 の考 察 、様 々 な事 象 の 関連 づ け 、 自 己理 解 の促 進 等)」 が転 移 を促 して い る こ とが 明 らか と な っ た。 ま た 、生 活 領 域 へ の転 移 が み られ た 学 習 者 は 、 学 び が連 関 して 問題 解 決 に向 か つ第
1章
研 究の 目的及び背景 て い た こ と も 明 らか とな っ た 。 次 に 福 田(2012)は 、 高 校1年
生220名
を 対 象 に 、 実 践 的 推 論 プ ロセ ス を 導 入 した ホ ー ム プ ロ ジ ェ ク トを 実 施 し、 各 所 で ア ン ケ ー ト調 査 を行 つ た 。 結 果 と して 、 半 分 以 上 の生 徒 は 認 知 的 方 略 の 使 用 を 高 め 、 学 習 方 略 の 促 進 は 、 ① 友 人 の 考 え 方 や や り方 か ら学 ぶ 、 ② 充 実 した 実 践 を行 う、 とい う2つ
の 学 習 課 題 を 達 成 す る こ とに 起 因 して い る こ とが 明 らか とな っ た 。 こ れ ら2件
の 論 文 は 、 学 習 者 の 思 考 を深 め る た め の 道 筋 が 丁 寧 に 設 計 され て い る、 い わ る ゆ 「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」 を 導 入 した 問 題 解 決 的 な 学 習 で あ り、 一 定 の 効 果 を 明 らか に し、有 用 性 は 確 か め られ た 。 だ が 、 これ らの 知 見 は 、「実 践 的 推 論 プ ロ セ ス 」 の 理 論 に 関 す る有 用 性 を検 証 され た も の の 、 学 習 者 が どの よ うに 思 考 を 深 め た の か 、 どの よ うに学 習 方 略 を 使 用 した の か 、 ど うい う過 程 を 通 じて 転 移 した の か 、 な ど学 習 に お け る詳 細 な認 知 過 程 に は 迫 る こ とが で き て い な い 。そ の た め 、「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」の フ レー ム ワー ク で 学 習 す る こ とで の 有 用 性 は 確 か め られ て は い る も の の 、 具 体 的 な 指 導 方 法 に つ い て は未 だ 課 題 を 残 した ま ま で あ る。 そ こ で 、 本 研 究 で は 、 具 体 的 な 指 導 方 法 に 関 す る基 礎 資 料 を 得 る た め に 「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」 の 特 徴 で あ る 「問 題 へ の 着 日(問題 発 見)」 に お け る 生 徒 の 認 知 傾 向 を 明 らか に す る こ と を 目的 とす る。1.1.5
パ フ ォー マ ンス 課 題 を用 い た 認 知 の 可 視 化 内 田(1995)は 、 文 章 理 解 の過 程 は 直接 観 察 で き な い た め 、外 か ら観 察 可 能 な行 動 か ら内 部 過 程 を推 測 す る た め の 工 夫 と して 、 発 話 プ ロ トコル 法(Think a10ud method)や
内観 法 (introspective method)、 ア イ カ メ ラ等 を用 い た 方 法 な どを あ げ て い る。 しか し、本 研 究 で は 、 実 験 的 な 実 践 で は な く、 よ り現 実 的 な実 践 を試 み た い と考 え た た め 、 パ フ ォー マ ン ス 課 題 に取 り組 ませ た成 果 か ら認 知 を観 察 す る こ と とす る。OECDの
あ るプ ロ ジ ェ ク トで は 、 これ か らの 学 校 教 育 で 身 につ け させ るべ き能 力 につ い て 、「コ ン ピテ ン ス 〔=能
力 〕は 直 接 測 定 で き な い し、観 察 で き な い。要 求 に対 応 す るふ る まい (パ フ ォー マ ン ス)を
多 くの 状 況 の 中で観 察 す る こ とに よ つ て 、 推 論 しな けれ ば な ら な い の で あ る(Rychen&Salgnik,2003,p.55,邦
訳 は p.77)」 とあ る。 そ こで 松 下(2007)は、 「パ フオー マ ンス評 価 (あ る特 定 の 文 脈 の も とで 、様 々 な 知 識 や 技 能 な どを用 い て行 われを 可 視 化 し、「ル ー ブ リ ッ ク 」な ど を使 う こ と に よ つ て パ フ ォ ー マ ン ス か ら学 力 を解 釈 す る 評 価 法 だ とい う こ と が で き る 」 と して い る。 ま た 、 西 岡(2008)は 、 パ フ ォ ー マ ン ス課 題 に つ い て 、「学 ん だ 知 識 や ス キ ル を応 用 して 実 践 した り表 現 した りす る こ と を 求 め る よ うな 、 複 雑 で 総 合 的 な 課 題 で あ る 」 と定 義 して い る。 つ ま り、 学 ん だ 知 識 を 応 用 して 表 現 す る こ とを 求 め る よ うな 、 複 雑 で 総 合 的 な パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に 取 り組 ま せ た 成 果 に よ つ て 、 生 徒 の 認 知 を 可 視 化 し解 釈 で き る こ と が 示 唆 され て い る。 そ こ で 、 学 習 した 知 識 を 活 用 す る 目的 で 設 計 した パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に 取 り組 ませ 、 成 果 を 基 に 、 ル ー ブ リ ッ ク に よ る評 価 を通 して 、 生 徒 の 認 知 傾 向 を把 握 す る こ と を試 み る こ と とす る。 な お 、 パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に 取 り組 ま せ た 結 果 か ら、 どの 程 度 認 知 を観 察 す る こ とが で き た か 、 い わ ゆ るパ フ ォ ー マ ン ス 課 題 の 有 用 性 に つ い て も併 せ て 検 証 す る必 要 が あ る。
1.2
研 究 の 目 的 本 研 究 の 目的 は 以 下 の2つ
で あ る。 一 つ 目は 、「問 題 発 見 」 力 育 成 に 関 す る教 授 方 略 の 基 礎 的 資 料 を得 る た め に 、 中 学 校 家 庭 分 野 に お い て 家 庭 生 活 を包 括 す る 内 容 で あ る 「消 費 生 活 」 を題 材 に 、「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」 に あ る 「問 題 発 見 」段 階 に 焦 点 化 した パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に 取 り組 ま せ 、 得 られ た 記 述 を 質 的 に 分 析 し、 生 徒 の 認 知 傾 向 を 明 らか にす る こ と。 二 つ 目は 、 実 践 で 用 い た パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 は 、 どの 程 度 の 認 知 傾 向 を 把 握 が で き た か を 分 析 し、 有 用 性 を検 証 す る こ とで あ る。第
1章
研究の 目的及び背景 引 用 文 献 文部 科 学 省(2008)学習 指 導 要 領 解 説 技 術 。家 庭 編,ぎ ょ うせ い 鈴 木 真 由子,荒井 紀 子,綿 引 伴 子(2012)家庭 科 にお け る問題 解 決 的 な学 習 の現 状 と課 題一家 庭 科 教 員 に対 す る質 問紙 調 査 を も とに一,大阪 教 育 大 学 紀 要 第V部
門 60(2),57‐63
荒 井 紀 子 編(2009)新
しい 問 題 解 決 学 習Plan Do Seeか
ら批 判 的 リテ ラ シ ー の 学 び へ, 教 育 図 書 荒 井 紀 子 編(2013)生活 主 体 を育 む 探 究 す る力 をつ け る家 庭 科,ド メ ス 出版 吉水 裕 也(2002)問題 発 見 能 力 を 育 成 す る 中学 校 社 会 科 地 理 授 業 の設 計 単 元 「日本 の工業 立 地 」 の 開 発 一,全国社 会 科 教 育 学 会『 社 会 科 研 究 』57
齋藤 嘉 則(2001)問題 発 見 プ ロ フ ェ ッシ ョナ ルー 「構 想 力 と分 析 力 」,ダイ ヤ モ ン ド社 ハ ー バ ー ドA.サイ モ ン(1975)意 思 決 定 の 科 学,産業 能 率 大 学 出版 部 安 宅 和 人(2010)ISSUEか
らは じめ よ一知 的 生 産 の 「シ ン プ ル な本 質 」,英治 出版 国立 教 育 政 策 研 究 所(2013)社会 の変 化 に対 応 す る資 質 や 能 力 を育 成 す る教 育 課 程 編 成 の基 本 原 理[改訂 版]教育 課 程 の編 成 に 関す る基 礎 的研 究 報 告 書 5 教 育 課 程 企 画 特 別 部 会(2015)論 点 整 理 水 越 敏 行(1974)発見 学 習 の研 究,明 治 図 書 福 田恵 子(2010)家
庭 科 教 育 に お け る問 題 解 決 学 習 の課 題 と学 習 方 略:学
習 の転 移 に着 目 した 問題 解 決 プ ロセ ス の構 造 分 析,日 本 家 庭 科 教 育 学 会 誌 ,53(2),71‐81
福 田恵 子(2012)実
践 的 推 論 を導 入 した 問題 解 決 学 習 の 効 果:ホ
ー ム プ ロ ジ ェ ク トにお け る学 習 方 略 の 変 化 の観 点 か ら,日 本 家 庭 科 教 育 学 会 誌 55(3),150‐161
内 田伸 子(1995)認知 心 理 学3
言 語 「第9章
文 章 理 解 の過 程 」,東京 大 学 出版 ライ チ ェ ン・DoS.&サ
ル ガ ニ ク・L.H。(2006)キー・ コ ン ピテ ン シーー国 際標 準 の学力 を め ざ して (立 田慶 裕 監 訳),明
石 書 店 松 下 佳 代(2007)パ フ ォー マ ンス評 価,日 本 標 準 西 岡加 名 恵(2003)教科 と総 合 に活 か す ポ ー トフ ォ リオ評 価 法 ―新 た な 評 価 基 準 の創 出 に 向 け て,図 書 文 化第
2章
研 究 の 方 法2.1
対 象 及 び 実 施 時 期2.1.1
対 象 実 践 の 対 象 と して は 、H大
学 附 属 中学 校 第1学
年 (3ク ラ ス 、 計88名
)と
した。2.1.2
実 施 時 期 実 施 時 期 は 、2015年
7月7日
。10日
・14日
の 計3日
間 で 行 つ た 。2.2
研 究 の 枠 組 み 本 研 究 の枠 組 み に つ い て 、 図 2・1に
ま とめ た。 本 研 究 は 、 実 践 と分 析 の2つ
の段 階 に分 かれ て い る。 実 践 で は、 全3時
間 の題 材 を設 計 した。 題 材 は 、 パ フ ォ ー マ ン ス課 題 にお い て活 用 す る た め の 知 識 につ い て 学 習 す る授 業(2.5時間)を 行 い 、そ の 後 パ フ ォ ー マ ン ス課 題 へ 取 り組 む (0.5時間)と い う構 成 に した。 分 析 に 関 して は 、 実 施 した パ フ ォー マ ンス課 題 に対 す る生徒 の 回 答 を 、 グル ー プ化 し、 ク ラ ス 間 で の 比 較 を行 い 、 回 答 の傾 向 を 明 らか にす る方 法 で行 う。統制群
実験群
1
実験群
2
授業
(2.5時
間
)※全 クラス共通の内容、展開
実 践
図2-1
研 究 の 枠 組 み パ フォーマ ンス課題へ の取 り組み (0.5時間) 学習 した ことをふ まえて、 自分な り に解決す る 問題を見付け、学習 したことをふまえて、 自分な りに解決する 現状 を分析・把握 し、 問題 を見付 け、学習 した ことをふまえて、 自分 な りに解決す る回答 を質的に分析す る
分 析
第
2章
研究の方法2.3
実 践 に つ い て 実 践 は 、 授 業(2.5時
間)と パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 へ の 取 り組 み(0.5時
間)か ら構 成 した 。 以 下 で は 、 授 業 に つ い て は 、 (1)題 材 設 定 の 理 由 、(2)題材 の 日標 、 (3)題 材 の 展 開 、 の3点
に つ い て 示 して い く。パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に つ い て は 、(1)パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 で 採 用 した 文 脈 、(2)パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に お け る 質 問 項 目、(3)パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 の ル ー ブ リ ッ ク 、 の3点
に つ い て 述 べ る。2.3.1
授 業 の 概 要(1)題
材 設 定 の理 由 家 庭 生 活 と全 体 的 に 関連 の深 い 「D身
近 な 消 費 生 活 と環 境 」 を題 材 と して採 用 した。 文 部 科 学 省(2008)学習 指 導 要 領 解 説 技 術 。家 庭 編 「D(1)家
庭 生 活 と消 費 」 の 内容 の 取 り扱 い で は 、「ア 内容 の 「A家
族0家
庭 と子 どもの成 長 」、「B食
生 活 と 自立 」 又 は 「C衣
生 活 ・ 住 生 活 と 自立 」 の 学 習 との 関連 を 図 り、 実 践 的 に学 習 で き る よ うにす る こ と」 とあ り、 さ らに解 説 に は 「例 え ば 、食 品や 衣 服 、 遊 び道 具 の材 料 の選 択 、購 入 な どの具 体 的 な場 面 を 取 り上 げ 実 践 的 に学 習 す る よ う配 慮 す る」と明 記 され て い る。つ ま り、「D(1)家庭 生 活 と消 費 」 の 内容 は 、 家 庭 生 活 を包 括 す る もの で あ り、 問題 発 見 に 関 す る研 究 の 萌 芽 的 時期 と し て は 、今 後 の発 展 に 寄 与 し うる 内容 と判 断 し、題 材 をD(1)で行 うこ と と した。(2)題
材 目標 現 行 学 習 指 導 要 領 に あ る指 導 事 項 及 び 国 立教 育 政 策 研 究 所(2011)「評 価 規 準 の作 成 、評 価 方 法 等 の 工 夫 改 善 の た め の参 考 資 料 」 を基 に 、3点
の題 材 目標 を設 定 した。 ま ず 、現 行 学 習 指 導 要 領 にお い て 、「D(1)家庭 生 活 と消 費 」に 関す る指 導 事 項 は 、以 下 の よ うに記 され て い る。 (1)家庭 生 活 と消 費 につ い て,次 の 事 項 を指 導 す る。 ア 自分 や 家 族 の 消 費 生 活 に 関 心 を も ち 、 消 費 者 の基 本 的 な権 利 と責 任 につ い て 理 解 す る こ と。 イ 販 売 方 法 の 特 徴 につ い て 知 り、 生 活 に必 要 な 物 資・ サ ー ビス の適 切 な選 択 、購 入 及 び 活 用 が で き る こ と。次 に 、 国 立 教 育 政 策 研 究 所(2011)「評 価 規 準 の 作 成 、評 価 方 法 等 の 工 夫 改 善 の た め の参 考 資 料 」にお い て 、「D(1)家庭 生 活 と消 費 」の評 価 規 準 に盛 り込 む べ き事 項 につ い て は 、表 2‐
1の
よ うに記 述 され て い る。 表2-1「
D(1)家庭 生 活 と 消 費 」 評 価 規 準 に 盛 り込 む べ き 事 項 こ れ ら、2つ
の 資 料 を 参 考 に 題 材 目標 を設 定 した 。 本 実 践 で は 、3時
間 と短 い 構 成 の 中 で 、 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識0技
術 を 習 得 し、 特 定 の 文 脈 に お い て 活 用 す る 、 とい う基 本 的 な 流 れ を 意 識 し、 以 下 の3点
を 明 示 す る。 ① ② は 、 基 礎 的0基
本 的 な 知 識 ・ 技 術 の 習 得 を 目指 した も の で あ り、 ③ は 習 得 した 知 識 。技 術 の 活 用 を ね らい と した も の で あ る。 な お 、 括 弧 内 は 、 後 述 す る題 材 計 画 の 該 当 授 業 時 間 を 示 す 。 ① 適 切 に商品 を活用・ 選 択・ 購 入 す る こ とが で き る(1時
間 目か ら2時
間 目) ② 消費者 の権利 と責任 につ い て理解 で き る(2時
間 目) ③ 消費者 トラブル の 問題 を見付 け、学習 した こ とをふ ま えて、自分 な りに解決 す る こ とが で き る(3時
間 日)(3)題
材 計 画 実 践 した具 体 的 な 内容 は 、佐 藤 ら(2011)「新 しい 技 術 ・ 家 庭 家 庭 分 野 」 に掲 載 せ て い て い るD(1)家庭 生 活 と消 費 に 関す る箇 所 を網 羅 的 に設 計 した もの で あ る(表 2・2)。 なお 、 実施 した 指 導 案 の詳 細 に つ い て は 、 資 料 に添 付 した。 生 活 や 技 術 へ の 関 心・ 意 欲 ・ 態 度 生 活 を 工 夫 し創 造 す る能 力 生 活 の 技 能 生 活 や 技 術 につ い て の 知 識 。理解 家 庭 生 活 と消 費 につ い て 関 心 を も つて 学 習 活 動 に取 り組 み 、 消費 生 活 を よ りよ く しよ うと して い る。 家 庭 生 活 と消 費 に つ い て課 題 を見 付 け 、 そ の解 決 を 目指 して 工 夫 して い る。 家 庭 生 活 と消 費 に 関 す る基 礎 的・ 基 本 的 な技 術 を身 に付 け て い る。 家 庭 生 活 と消 費 につ い て 理 解 し、基礎 的0基
本 的 な 知識 を 身 に付 け て い る。表
2-2
題 材 の 略 案 日 時 学 習 内 容1時
間 目 2015。7.7 消 費 者 と して の 自覚 を 持 と う (消 費 生 活 、 消 費 者 、 契 約) 商 品 の 選 択 と購 入 に つ い て 考 え よ う (販 売 方 法 、 支 払 方 法)2時
間 目 2015。7.10 商 品 の選 択 と購 入 につ い て考 え よ う 消 費 者 の権 利 と責 任 に つ い て 知 ろ う (情報 収 集 、 表 示 や マ ー ク)(8つ
の権 利 、5つ
の 責 任)3時
間 目 2015。7.14 ・ 消 費 者 トラ ブ ル を解 決 す る方 法 を 知 ろ う (悪 質 商 法 、 消 費 者 基 本 法 、 相 談 機 関 、 ク ー リン グ・ オ フ 制 度) ・ パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に 取 り組 む 第2章
研 究の方法 な お 、授 業 に 関 して は 、 内容 及 び 展 開 に各 ク ラ ス で の 差 が 生 じな い よ うに配 慮 した。 具 体 的 に は 、家 庭 科 教 育 の 専 門家4名
(家庭 科 教 育 の研 究者 、附 属 中家 庭 分 野 担 当教 員 、現 職 中学 校 家 庭 分 野 担 当教 員 、 現 職 高 等 学 校 家 庭 科 担 当教 員)及び 教 職 大 学 院 学 生 1名 の計 5 名 に 、授 業 に必 ず1名
以 上 参 観 して も らい 、授 業 と指 導 案 を照 合 し、 各 ク ラ ス にお い て 内 容 や 展 開 に差 が な い こ とを確 認 して い る。2.3.2
パ フ ォ ー マ ンス 課 題 の 概 要 (1)パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 で 採 用 した 文 脈 パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 を 用 い た 「パ フ ォ ー マ ン ス 評 価 」は 、「真 正 の 評 価 」の 代 表 的 な評 価 方 法 で あ る。「真 正 の 評 価 」 と は 、「大 人 が 仕 事 場 、 市 民 生 活 、 私 生 活 の 場 で『 試 され て い る』、 そ の 文 脈 を模 写 した リシ ミュ レー トした りす る課 題 に取 り組 ませ る(Wiggins,1998)」 なか で 、 知 識 ・ 技 能 を現 実 世 界 で 総 合 的 に活 用 す る力 を評 価 す る考 え方 で あ る。 ま た 、「D身
近 な 消 費 生 活 と環 境 」 にお け る内容 の 取 り扱 い で は 、「D(1)に つ い て は 、 中 学 生 の身 近 な 消 費 行 動 と関連 させ て扱 うこ と」 とあ る。 つ ま り、 中学 生 に とつて の リアル な文 脈 を扱 い 学 習 す る とい う点 で 、「真 正 の評 価 」 論 と D(1)の 内容 の 取 り扱 い は 関連 して い る とい え る。 そ こ で 、教 科 書3社
に掲 載 され て い る事 例 か ら、 中学 生 に身 近 な 消 費 行 動 で あ り、さ らに様 々 な視 点 か ら「問 題 を 見 つ け る」こ とが で き る と予 測 され る もの と して 、 佐 藤 ら(2011)「 新 しい技 術0家
庭 家 庭 分 野 」 に あ る事 例 を抽 出 した(図 2‐3)。雑 誌 の 通 信 販 売 の 広 告 に 、前 か ら欲 しい と思 つ て い た マ リ ン ブ ル ー の シ ャ ツ が 載 っ て い た の で 、 親 に頼 ん で 買 つ て も ら う こ と とな り、 申 し込 み ハ ガ キ で 申 し込 ん だ 。 しか し、届 い た シ ャ ツ は 、 思 つ て い た よ り濃 い ブ ル ー だ つ た 。 同 じ色 の シ ャ ツ を 持 つ て い る の で 、 業 者 に 電 話 で 返 品 した い と 申 し出 た と こ ろ 、「広 告 に は ブ ル ー と書 い て あ り、 マ リン ブ ル ー と は 書 い て い な い 。 広 告 通 りの 品 物 を届 け た の だ か ら返 品 に は 応 じ られ な い 」 と断 られ た 。 図
2-3
パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に お け る 文 脈 (2)パフ ォー マ ンス課 題 に お け る質 問項 目 パ フ ォーマ ンス課 題 は 、 実践 した ク ラスそれ ぞれ で質 問 の構 成 を変 え 、 ク ラス 間 の比較 をで き る よ うに設 計 した。 以 下 で は 、各 ク ラス の パ フ ォー マ ン ス課 題 に お け る質 問 の趣 旨 につ い て 、具 体 的 に論 じる。 まず 、 統 制 群 は 、 教 科 書 で採 用 され て い る抽 象 度 の 高 い 質 問 に 回 答 させ る。 消 費者 トラ ブル に つ い て 考 え させ る 内 容 は 、 中学 校 家 庭 分 野 の教 科 書3社
す べ て で 、「あ な た は ど う します か 」 とい う質 問 に よ り、 問題 解 決 を促 す よ うな学 習 活 動 を採 用 して い る。 この 「あ な た は ど う します か(以 下 、解 決 方 法)」 とい う質 問 は 、 最 終 的 な解 決 に つ い て 問 われ た も の で あ り、先 に述 べ た 通 り、 荒 井(2009)は 、 問題 を解 決 す る こ とに焦 点 が あ り単 発 の 問題 解 決 で あ る と批 判 して い る。 つ ま り、 教 科 書 に お け る問題 解 決 的 な 学 習 は 、「Plan(計画 す る)‐Do(実
行 す る)‐See(ふ りか え る)」 の プ ロセ ス に代 表 され る よ うな 、実 証 分 析 科 学 に基 づ く学 習 論 が未 だ残 つ て い る こ とが 示 唆 され る。 そ こで 、 統 制 群 は 、 問 題 を解 決 す る こ とに 焦 点 をお き、 単発 の 問題 解 決 を行 うこ とをね らい と し、 質 問 を設 定 した 。 実 験 群2は
、「実 践 的 推 論 プ ロセ ス」 を重 視 した 問 い を設 定 した。 荒 井(2013)で は、「問 題 発 見 」 段 階 を 「問 題 に気 づ く」「現 状 を把 握 し分 析 す る(以下 、 現 状 分 析)」 「問題 を特 定 す る(以下 、 問題 特 定)」 の3つ
に分 け て 、 丁 寧 に考 え させ る よ うに設 計 され て お り、 この プ ロセ ス を採 用 した(図 1・4)。 た だ し、教 師 が 予 め準備 した 文 脈 に お い て 、す で に 「問題 」 は発 生 してい るた め 、「問題 に気 づ く」 段 階 を省 い た 、「現 状 分 析 」「問 題 特 定 」 の2つ
の 段 階 をパ フォー マ ン ス課 題 にお け る質 問 項 目に盛 り込 ん だ。 ま た 、 実験 群2で
は 、「現 状 分 析 」 を行 わせ るた め に 、 さ らに3つ
の 段 階 を設 定 した。 一 つ 目は、「状 況 を読 ん で 、 問題 を発 見 す るた め に必 要 な情 報 に線 を 引 く」 段 階 で あ る。 辰 野(2010)は、 学 習 方 略 に含 まれ る具 体 的 な方 法 を5つ
の カ テ ゴ リー で 明 らか に し、 そ の 一 つ で あ る精 緻 化 リハ ー サ ル (情報 の意 味 を考 え な が ら、 あ るい は意 味 に よ る体 制 化 を行第
2章
研 究の方法 い な が ら情 報 を繰 り返 す こ と)の
方 法 と して 、「下 線 引 き 」 を あ げ て い る。 下 線 を 引 き な が ら読 む こ とで 、よ り多 く の 情 報 を 再 生 す る の に役 立 ち 、情 報 を 体 制 化 しや す い と して い る。 二 つ 日は 、「問 題 を 発 見 す る た め に は 必 要 だ が 、状 況 に は 書 か れ て い な い 情 報 を 書 き 出 す 」 段 階 で あ る。 この 問 い は 、 文 章 の 行 間 を推 測 す る こ とで 書 か れ て い な い 情 報 を 、 学 習 した 知 識 を 基 に 分 析 し、 明 確 化 す る ね らい が あ る。 実 際 の 生 活 場 面 に お い て は 、 パ フ ォ ー マ ン ス課 題 に あ る 文 脈 の よ うに 文 章 で 状 況 を得 る の で は な く、 会 話 や 周 囲 の 環 境 な で 日に 見 え な い も の を解 釈 す る 必 要 が あ る。 そ の た め 、 情 報 と して は 不 十 分 で あ る 状 況 文 の 行 間 を推 測 させ る こ と は 、 実 際 の 生 活 に 近 い 活 動 で あ る た め 、 こ の 質 問 を 与 え た 。 二 つ 日は 、「こ の 状 況 で は 、「消 費 者 の8つ
の 権 利 」 の どの 権 利 と関 係 す る か 書 き 出 しま し ょ う」 とな っ て い る。 消 費 生 活 を 営 む 上 で の 大 前 提 と して 、 社 会 に お い て 消 費 者 は 非 常 に 弱 い 立 場 で あ る。 理 由 と して 、 商 品 の 情 報 や 価 格 の 決 定 権 は 、 販 売 者 側 に あ り、 消 費 者 は 受 動 的 な 立 場 で あ り、 消 費 者 基 本 法 に お い て 、 消 費 者 の 権 利 が 設 け られ 、 消 費 生 活 を 営 む 上 で 、不 利 益 が 生 じな い よ うに 制 定 され て い る か らで あ る(岩本 ら,2013)。 よ つ て 、消 費 者 の 権 利 が 犯 され て い る 可 能 性 の あ る 箇 所 を探 る こ とで 、問 題 を 見 つ け や す くな る とい う、 領 域 固 有 の 方 略 に 着 日 し、 こ の 質 問 を 与 え た 。 実 験 群1は
、統 制 群 と実 験 群2の
中 立 的 な位 置 で あ る。 質 問 は 教 科 書 レベ ル の 抽 象 度 の 高 い も の で あ る が 、 実 験 群2で
設 計 した 「問 題 特 定 」 を組 み 込 ん だ 。 こ の よ うに 質 問 項 目 の 構 成 を 各 群 で 変 え る こ とで 、3ク
ラ ス を 比 較 し分 析 で き る よ うに した 。3つ
の 群 に つ い て ま と め る と、統 制 群 と実 験 群1の
比 較 で は 、「問 題 特 定 」の 有 無 を 背 景 と した 分 析 を 行 うこ とが で き る。 実 験 群1と
実 験 群2の
比 較 で は 、「現 状 分 析 」 の 有 無 を 背 景 と した 分 析 が で き る よ うに 設 定 した(図 2‐4)。 な お 、各 ク ラ ス で 実 施 した パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 は 、 図 2・5(統 制 群)、 図 2・6(実 験 群 1)、 図 2・7(実 験 群 2)に 示 す 。解決 方法
統制群
(28名
)実験群①
(31名
)実験群②
(29名
) 図2-4
パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に お け る 質 問 の 構 成<特
定 の文脈>
雑誌の通信販売の広告に、前か ら欲 しい と思 つていたマ リンブルーのシャツが載 つていたので、親 に頼んで買つて もらうこととな り、申 し込みハガキで申 し込んだ。 しか し、届いたシャツは、思つ ていた よ り濃いブルーだつた。同 じ色のシャツを持つているので、業者 に電話で返品 したい と申 し 出た ところ、 「広告 にはプルー と書いてあ り、マ リンブルー とは書いていない。広告通 りの品物 を 届 けたのだか ら返品には応 じられない」 と断 られた。 必要な情報 に線 を引 く 状況文には書かれていな いが、必要な情報は何か 消費者の8つの権利 との 関連 は何か 問題 はなん です か 問題 は な ん です か あなたはどうしますか あなたはどうしますか あなたはどうしますか*医コ を読み、次の質 問を考 えま しょ う。 :
i区
コ 雑 誌 の通 信 販 売 の広 告 に 、 前 か ら欲 しい と思 っ て い た マ リンブ ル ー の シ ャ ツが載 つ│て
い た ので 、親 に頼 ん で 買 つて も ら うこ と とな り、申 し込 み ハ ガ キで 申 し込 ん だ。しか し、l届
い た シ ャ ツは 、 思 つ て い た よ り濃 い ブル ー だ った。 同 じ色 の シ ャ ツ を持 って い るので 、l業
者 に電話 で返 品 した い と申 し出 た ところ、「広 告 に は ブル ー と書 い て あ り、マ リンブル ー llと
は書 いて いな い。広 告通 りの 品物 を届 けた のだ か ら返 品 には応 じ られ な い」と断 られ た。 l ○あなたはどうしますか。 ﹃ l l l l l l l l ョ<MEMO:自
由に使 つて くだ さい>
1年 ()組
( )番 第2章
研究の方法*状測 を読み、① と②の質問を考えましょう。 … … … ―ロ ーロ ー・ ― ― ■ l
l医
コ 雑 誌 の 通 信 販 売 の 広 告 に 、 前 か ら欲 しい と思 っ て い た マ リ ン ブ ル ー の シ ャ ツ が 載 つ ││て
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い た シ ャ ツ は 、 思 つ て い た よ り濃 い ブ ル ーl業
者 に電 話 で 返 品 した い と 申 し出 た と こ ろ 、「広 告 に は ブ ル ー と書 い て あ り、マ リン ブル ー : llaま
書 い て い な い 。広 告 通 りの 品 物 翻 け た の だ か ら返 品 に は応 じ られ な 円 と断 られ た 。 │ l ― ― ― ― ― ― ― … … … … … … ] ① この状況において問題 は何ですか。その理 由は何ですか。 ②あなたはどうしますか。<MEMO:自
由に使 つて くだ さい>
1年 ()組
( )番 図2-6
実 践 群1で
実 施 した パ フ ォ ー マ ン ス 課 題第
2章
研 究の方法 *1状測を読み、次の質問を考えましょう。 ︼ ︲ ︲ ︲ i ︲ ︲ ︲ ︲ ︲ 医コ 雑 誌 の通 信 販 売 の広 告 に 、前 か ら欲 しい と思 ってい た マ リンブル ー の シ ャ ツが載 つ て い た の で 、親 に頼 ん で 買 つて も ら うこ と とな り、申 し込 み ハ ガ キで 申 し込 ん だ。しか し、 届 い た シ ャ ツは 、 思 つ て い た よ り濃 い ブル ー だ った。 同 じ色 の シ ャツ を持 ってい るので 、 業者 に電話 で返 品 した い と申 し出 た ところ、「広 告 にはブル ー と書 い て あ り、マ リンブル ー とは書 い てい ない。広 告 通 りの 品物 を届 けたのだ か ら返 品 には応 じ られ な い」と断 られ た。 ﹃ l l l l l l l l ョ 口 状況 を読んで、問題 を発見す るために必要な情報 に線 を引きま しょう 匡三ヨ 問題を発見するために必要だが、状況 匡三ヨ この状況では、「消費者の8つ
の権利」 には書かれていない情報 を書 き出 しま しょう の どの権 利 と関係 す るか書 き出 しま しょう □ この状況において問題は何ですか。その理由は何ですか。回 あなたはどうしますか。
1年 ()組
( )番(
図 2…7
実 験 群2で
実 施 した パ フ ォ ー マ ン ス 課 題(3)パ
フ ォ ー マ ン ス 課 題 の ル ー ブ リ ッ ク パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 を 実 施 す る に あ た り、ル ー ブ リ ッ ク を設 定 した 。ル ー ブ リ ッ ク とは 、 成 功 の 度 合 い を 示 す 数 レベ ル 程 度 の 尺 度 と、 そ れ ぞ れ の レベ ル に 対 応 す るパ フ ォ ー マ ン ス の 特 徴 を 記 した 記 述 語 か らな る評 価 基 準 表 で あ る(西岡 2003)。 そ こ で 、 図 2‐4に
示 した 段 階 ご と に ル ー ブ リ ッ ク を 作 成 し、 回 答 を 質 的 に 評 価 で き る よ うに した 。 以 下 で は 、 各 段 階 の ル ー ブ リ ッ ク に つ い て 説 明 す る。 本 研 究 は 、 各 群 の ね らい を 変 え 、 さ ら に パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 の 質 問 項 目の 構 成 を設 計 し た 。 そ の た め 、 そ れ ぞ れ の ル ー ブ リ ッ ク を設 計 し、 学 力 を解 釈 す る 必 要 が あ る。 表 2‐3は
「解 決 方 法 」に対 す る記 述 のル ー ブ リ ッ ク で あ り、観 点 と して は 、「学 習 した こ とをふ ま え 、 自分 な りに 解 決 す る こ とが で き て い る か(知 識 の 適 切 な 活 用 に よ る 解 決)」 と した 。 表 2‐4 は 、「問 題 特 定 」 に 対 す る記 述 に 関 す るル ー ブ リ ッ ク で あ る。 観 点 と して は 、「問 題 を 見 つ け て い る(問題 特 定)」 を 設 定 した 。 表 2‐5は
「現 状 分 析 」 に 対 す る 回 答 の ル ー ブ リ ック で あ る。 観 点 と して は 、「現 状 を把 握 し分 析 で き て い る(現状 分 析)」 の3点
を 設 定 し、得 られ た 記 述 を評 価 す る。 以 上 の ル ー ブ リ ッ ク を 用 い て 、各 群 の 回 答 を 次 の 観 点 で 評 価 す る。統 制 群 は 、「知 識 の 適 切 な 活 用 に よ る 解 決 」 に 関 す る観 点 、 実 験 群1は
、「知 識 の 適 切 な 活 用 に よ る 解 決 」「問 題 発 見 」2つ
の 観 点 、 実 験 群2は
、「知 識 の 適 切 な 活 用 に よ る解 決 」「問 題 発 見 」「現 状 分 析 」 す べ て の 観 点 で 評 価 を 行 う。 表2-3
「 知 識 の 適 切 な 活 用 に よ る 解 決 」 の ル ー プ リ ッ ク 尺 度 知識 の活 用 に よ る解 決 A 学 習 した 知 識 を適 切 に活 用 し、 自分 な りに解 決 す る こ とが で き て い る B 学 習 した 知 識 を適 切 に活 用 して い る箇 所 とで き て い な い 箇 所 が あ る C 文 脈 に 適 した 知 識 を活 用 す る こ とが で き て い な い表 2-4 第
2章
研 究の方法 「 問 題 特 定 」 の ル ー ブ リ ッ ク 表2-5
「 現 状 分 析 」 の ル ー プ リ ッ ク2.4
分 析 の 枠 組 み 分 析 の 方 法 は 、設 定 した ル ー ブ リ ック に よ る評 価 結 果 を集 計 し、 各 群 の 回 答 傾 向 を概 観 す る。 そ の後 、ル ー ブ リ ック に よ る評 価 結 果 を参 考 に 、 回 答 内容 を質 的 に分 析 し、各 ク ラ ス に お け る生徒 の認 知 傾 向 を解 釈 す る視 点 の2点
あ る。 以 下 で は 、各 ル ー ブ リック を用 い た具 体 的 な分 析 方 法 を述 べ る。 な お 、分 析 の対 象 とな る箇 所 を図 2‐8に
ま とめ た。 (1)「解 決 方 法 」 に対 す る回 答 の分 析 ル ー ブ リ ックで は 「知 識 の適 切 な活 用 に よ る解 決 」 とい う観 点 を設 定 した。 そ こで 、特 定 の 文 脈 にお い て 学 習 した 知 識 を適 切 に活 用 で き て い な い 、い わ ゆ る誤 解 答 の み を抽 出 し、 誤 解 答 の 有 無 に よ り評 価 を行 つ た。 次 に 、抽 出 した誤 解 答 の種 類 や 人 数 か ら各 群 の傾 向 を 明 らか にす る。 加 え て 、 全 群 で 実 施 した 「解 決 方 法 」 に 関 す る回 答 を 、川 喜 田二 郎(1967) の開 発 した 「KJ法
」 の 理 論 を参 考 に 、 カ テ ゴ リー を 生 成 した。 具 体 的 に は 、「解 決 方 法 」 に対 す る回 答 を1つ
の意 味 ま とま りで カ ー ドを作 成 し、小 グル ー プ に分 けて 、 カテ ゴ リー を生 成 し、 ク ラス の傾 向 を 明 らか に した。 なお 、 妥 当性 を高 め る た め に 、 家 庭 科 を専 門 に 尺 度 問 題 特 定 A 現 状 と 目標 と の 差 異 に 着 目 し、 問 題 を 特 定 して い る B 「現 状 」「あ るべ き姿 (目 標)」 「ギ ャ ップ(差異)」 の い ず れ か に しか 着 日で きて い な い C 「現 状 」「あ るべ き 姿(目 標)」 「ギ ャ ップ(差異)」 の い ず れ に も着 目で き て い な い 尺 度 現 状 分 析 A 必 要 な箇 所 に線 を 引 き 、 文 脈 か ら状 況 を推 測 し、 消 費 者 の8つ
の権 利 との 関連 を 考 え る こ とが で き て い る B 必 要 な箇 所 に線 を 引 く、 文 脈 か ら状 況 を推 測 す る 、 消 費 者 の8つ
の権 利 との 関連 を考 え る、 の 中 で1つ
か ら2つ
に つ い て 考 え る こ とが で き て い る C 必 要 な箇 所 に線 を 引 く、 文 脈 か ら状 況 を推 測 す る 、 消 費 者 の8つ
の権 利 との 関連 を考 え る、 の い ず れ も考 え る こ とが で き て い な いに は 、 家 族 家 庭 科 教 育 を 専 門 とす る大 学 教 員 、 高 等 学 校 家 庭 科 担 当教 員 を兼 職 す る大 学 院 生 、 中 学 校 家 庭 分 野 担 当 教 員 を 兼 職 す る 大 学 院 生 の
3名
で 行 つ た 。 (2)「問 題 発 見 」 に 対 す る 回 答 の 分 析 (1)と 同 様 に 、「問 題 発 見 」 の 観 点 に 関 す るル ー ブ リ ッ ク を 用 い て 評 価 を 行 う。 評 価 結 果 に 基 づ き 、 具 体 的 な 「問 題 」 の 認 識 に つ い て 、 回 答 を グル ー プ 化 し、 傾 向 を 把 握 す る。 (3)「現 状 分 析 」 に 対 す る 回 答 の 分 析 こ こ で は 、(1)(2)の 手 続 き と異 な り、 ま ず 「現 状 分 析 」 の 段 階 に あ る3つ
の 活 動 そ れ ぞ れ の 結 果 を分 析 し、 どの 程 度 現 状 を 分 析 す る こ とが で き た か を 明 らか に し、 そ の 後 ル ー ブ リ ッ ク を 用 い て 評 価 を 行 う。 (1)(2)(3)で 明 らか と な つ た 認 知 傾 向 を踏 ま え 、回 答 傾 向 モ デ ル を 作 成 し、「問 題 発 見 」 に お け る認 知 傾 向 を概 観 で き る 資 料 を 得 る。 そ して 、 研 究 の 目的 に も あ る よ うに 、 パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 の 成 果 か ら ど の 程 度 認 知 を 可 視 化 す る こ とが で き た か を検 証 す る。<統
制群
>
<実
験群①
>
<実
験群②
>
必要な情報に線 を引く
状況文には書かれていな いが、必要な情報は何か 消費者 の8つ
の権利 との 関連は何か口
:`_______lIIIIIIIIIII][IIII::::三二
三
二
二
二
問題はなんですか
問題はなんですか
-1あなたはどうしますか
あなたはどうしますか
: : ] │ ‐ ‐ ‐ ‐ ‐ ― ―L a 図2-8
テ ス ト問 題 に お け る分 析 の 対 象2.5
倫 理 的 配 慮 本 研 究 は 、 統 制 群 及 び 実 践 群 に対 象 を分 け 、 比 較 検 証 す る枠 組 み とな っ て い る。 実 践 し た授 業 は 、各 群 同様 な展 開 や 内容 を扱 い 行 つ た が 、 パ フ ォ ー マ ン ス課 題 にお け る質 問項 目 (3)現状分析 。回答結果の分析 ・ ルー プ リックによる評価 (2)問題 発 見 。ル ー プ リックに よる評価 ・ 回答結 果 の分析 (1)解決方法 ・ ループ リックによる評価 ・ 知識 の活用に対す る分析 ・ 回答結果の分析あなたはどうしますか
第
2章
研究の方法 につ い て は 、 各 群 で構 成 が 異 な る。 そ の た め、 学 習 内容 につ い て は 差 が 生 じて い る。 この 差 を埋 め るた め に 、 附 属 中家 庭 分 野 担 当教 員 に協 力 を得 て 、3時
間 の 実 践 後 に 、 パ フ ォー マ ン ス課 題 へ の 取 り組 み 方 な どの解 説 を行 つて も らつた。 具 体 的 に は 、実 験 群2で
採 用 し た質 問項 目を参 考 に 、「特 定 の 文 脈 にお け る現 状 とは 」「8つ
の権 利 との 関連 は な に か」「問 題 は何 か 」 とい う問 い の も とに解 説 を行 う。 引 用 文 献 文部 科 学 省(2008)学習 指 導 要 領 解 説 編 技 術 。家 庭,ぎ ょ うせ い 文部 科 学 省(2008)幼稚 園 、 小 学 校 、 中学 校 、 高 等 学 校 及 び 特 別 支 援 学 校 の 学 習 指 導 要 領 等 の改 善 につ い て(答 申) 佐 藤 文 子 ら(2011)新 しい 技 術・ 家 庭 家 庭 分 野 』,東京 書 籍 国 立 教 育 政 策 研 究 所(2011)評価 規 準 の 作 成 、 評 価 方 法 等 の 工 夫 改 善 の た め の 参 考 資料Wiggins,G.&McTighe,J。 (1998)Understanding by Design
鶴 田敦 子 ら
(20H)技
術・ 家 庭 家 庭 分 野,開隆 堂 汐 見 稔 幸 ら(2011)技
術・ 家 庭 家 庭 分 野,教育 図 書 荒 井 紀 子 編(2009)新
しい 問 題 解 決 学 習Plan Do Seeか
ら批 判 的 リテ ラ シ ー の 学 び へ, 教 育 図 書 荒 井 紀 子 編(2013)生活 主 体 を育 む 探 究 す る力 を つ け る家 庭 科,ドメ ス 出版 辰 野 千 壽(2010)学習 方 略 の 心 理 学 賢 い 学 習 者 の 育 て 方,図書 文 化 岩 本 諭,谷村 賢 治 編 著(2013)消 費 者 市 民 社 会 の構 築 と消 費 者 教 育,晃洋 書 房第
3章
結 果 及 び 考 察3.1「
解 決 方 法 」 に 対 す る 回 答 の 分 析 こ こ で は 、「あ な た は ど う しま す か 」と解 決 方 法 を考 え させ る 質 問 に 対 す る 回 答 を対 象 と す る。表 2‐3の
ル ー ブ リ ッ ク を用 い て 回 答 を評 価 し、抽 出 され た 誤 解 答 に つ い て 検 討 す る。 さ ら に 、 回 答 の 内 容 を 分 析 し、 各 群 の傾 向 を 明 らか に して い く。3.1.1「
解 決 方 法 」 に 対 す る 記 述 の ル ー プ リ ッ ク に よ る 評 価 「解 決 方 法 」 に 関 す る 回 答 を評 価 した 結 果 を表 3‐1に
示 す 。 先 述 した 知 識 を適 切 に 活 用 で き て い な い 回 答 を した 生 徒 は 、Bも
し くはCに
該 当 す る。 ル ー ブ リ ッ ク に よ る評 価 か ら も 、 実 験 群2は
適 切 に 知 識 を 活 用 で き て い る 生 徒 が 多 い 傾 向 に あ る こ とが わ か る。 3。1.2
学 習 した 知 識 の 適 切 な活 用 ル ー ブ リック に よ り、 学 習 した 知 識 を適 切 に活 用 で きて い る か を評 価 した 際 に、特 定 の 文 脈 に お い て 、 適 切 に活 用 で き て い な い 回 答(以下 、誤 解 答)を抽 出 す る こ とが で きた。 誤 解 答 は 、5種
類 あ る こ とが わ か っ た。 誤 解 答 の種 類 及 び誤 解 答 と判 断 した 理 由 につ い て表 3・2に
示 した。 誤 解 答5種
類 につ い て概 説 す る。 回 答 例 1∼3は
「通信 販 売 の特 徴 を理解 で きて い ない こ とで発 生 した 回答 」 と解 釈 で き 、 回 答 例 4∼5は
「法 律 や 機 関 な どの 特徴 を理 解 で きて い ない 回答 」 と言 え る。 つ ま り、誤 解 答 を した 生 徒 は販 売 方 法 に つ い て 、 も し くは消 費 生 活 に 関 す る法律 や 機 関 に 関 す る知 識 を活 用 す る こ とで 、 トラブ ル を解 決 で き る と考 えた 生徒 は多 か つた。 次 に 、誤 解 答 を した 人 数 を集 計 した結 果 、 統 制 群0実
験 群1に
比 べ て 、 実 験 群2に
お い て 有 意 に少 な い こ とが 明 らか とな っ た(表 3‐3)。 この こ とか ら、実 験 群2の
パ フ ォー マ ンス 課 題 を通 じて 、誤 解 答 を減 少 させ る こ とが 示 唆 され た。 実 験 群2に
お け るパ フォー マ ンス 表3-1
ル ー プ リック を用 いた 「解 決 方法 」 に対 す る回答 の評 価 統 制 群n=28
実 験 群 1 n=31 実 験 群 2 n=29 A(学 習 した 知 識 を 適 切 に 活 用 し、 自分 な りに 解 決 す る こ とが で き て い る) 14 18 25 B(学 習 した 知 識 を 適 切 に 活 用 して い る 箇 所 とで き て い な い 箇 所 が あ る) 10 7 3 C(文 脈 に 適 した 知 識 を活 用 す る こ とが で き て い な い) 4 6 1第