場 面
4 2人
① 3
② 3 2 4
③ 0 3 0
④ 3 3 3 0
⑤ 5 5 5 2
⑥ 0 0 0 0
⑦ 3 2 2
③ 6 4 6 2
⑨ 7 5 5 0
3.3.2「
状 況 に は書 か れ て い な い情 報 を書 き 出 す 」 段 階この段 階 で は 、 文 脈 に書 か れ て い な い 、 い わ ば行 間 を読 む こ とを通 じて 、 状 況 を推 論 す る こ とをね らい と して い る。この段 階 に対 す る記 述 を
9つ
に分 類 した(表 3・9)。 広 告 の写真 の シ ャ ツ の色 、 業 者 が認 識 して い た シ ャ ツ の色 、届 い た シ ャ ツ の色 、 な どそ の時 々 にお け る消 費 者 や 業 者 の シ ャ ツ の 色 の認 識 につ い て は 、 状 況 文 で は 曖 味 で あ っ た。 この 曖 味 さに 注 目 した 生徒 は 、11人 (37.9%)で
約3割
だ つ た。 そ の他 で は 、 広 告 の 詳 しい記 載 内容 や 、 返 品 の情 報 は ど うで あ つ た か 、 な ど直 接 的 に 「問題 」 と関連 の 高 い もの に着 日で きて い る こ とが わ か っ た。 他 方 、 約3割
の 生 徒 の 回 答 は 、「も うす で に 明確 で あ る事 柄 」や 「無 回 答 や 解 釈 不 能 」に分 類 され 、「状 況 に は 書 かれ て い な い 情 報 を書 き 出 す 」段 階 の ね らい を達 成 で き て い な か つ た こ と も併 せ て 明 らか とな つ た。 しか し、 ね らい を達 成 で き て い な か っ た生 徒 の 回答 を全 体 的 に 見 る と、 この段 階 で の つ まず きが 後 続 に影 響 して い る可 能性 は低 い こ とか ら、 頭 の 中 で は推 論 は で き て い るが 、 回 答 欄 に そ の様 子 を表 す こ とが で きて い な い と考 えた。よ つ て 、実 践 中 にお い て 、「何 を書 け ば よい の か 」につ い て説 明 を行 うこ とで、解 消 され るで あ ろ う。
表 3‑9
第
3章
結果及び考察「状 況 に は書 か れ て い な い情 報 を書 き 出 す 」 段 階 に 対 す る 回答 分 類(複 数 回 答)
番 号 分 類
人 数
n=29
割 合 (%)
1 シ ャ ツ の 色 に つ い て ■■ 37.9
2 広 告 に つ い て 6 20。7
3 返 品 の情 報 につ い て 4 13.8
4 シ ャ ツ の 値 段 3 10。3
5 会 社 名 2 6。9
6 そ の 他 5 17.2
7 解 決 方 法 4 13.8
8 わ か つ て い る こ と 3 10.3
9 無 回 答 、 解 釈 不 能 3 10。3
次 に 、「状 況 に は書 か れ て い な い 情 報 を書 き 出す 」段 階 に対 す る回 答 と着 日 した状 況 との 関連 を表 3‐
10に
ま とめ た。x2検
定 の結 果 、 有 意 差 を示 す 箇 所 は存 在 しな か った が 、場 面 1と 場 面2に
お い て 、 シ ャ ツ の 本 当 の 色 に対 して 疑 間 を持 ち回 答 した 生 徒 は 多 い傾 向 に あ つた 。 場 面1は
、「返 品 を 断 られ た 場 面 」 で あ る こ とか ら、 断 られ た 原 因 を探 る際 に、 シ ャ ツ の色 に着 日 した こ とが わ か る。 一 方 、場 面2は
、「思 つ て い た も の とは違 う商 品 が届 い た 場 面 」 で あ り、 消 費 者 が購 入 を決 断 した 際 に認 識 して い た シ ャ ツ の 色 と届 い た シ ャツ の色 が 異 な っ て い た め 、 本 当 の シ ャ ツ の 色 は ど うだ っ た か につ い て 疑 間 を持 つ こ とは必 然 的 で あ る と考 えた。表
3‑10
「 状 況 に は書 か れ て い な い情 報 を書 き 出 す 」 段 階 に 対 す る 回 答 と着 目 した状 況 との 関 連(複数 回 答)分 類
場 面 1
8人
場 面 2
6人
場 面 3
9人
場 面
4 2人
■
■ シ ャ ツ の 色 5 4 2 0
2 広 告 1 0 1 0
3 返 品 情 報 2 2 2 0
4 シ ャ ツ の 値 段 2 2 ■■ 0
5 会 社 名 2 3 1 0
6 そ の 他 0 3 0
7 解 決 方 法 0 0 2 0
8 わ か つ て い る こ と 0 0 0
9
無 回 答 解 釈 不 能
1 0 ■■
3.3.3「
消 費 者 の8つ
の 権 利 との 関 連 に つ い て 」 段 階この段 階 で は 、 専 門 的 な 法 律 に 関す る知 識 と して 「消 費 者 の
8つ
の権 利 」 を活 用 して 、 状 況 を分 析 す る こ とを 目的 と した もの で あ る。 結 果 と して約9割
の 生 徒 は 、「知 ら され る 権 利 」との 関連 を あ げ た。ま た 、約7割
の 生 徒 は「補 償 を受 け る権 利 」を 回 答 に記 述 した。具 体 的 な 内容 と して 、今 回 の状 況 で は 、業 者 の広 告 にお け る シ ャ ツ の 情 報 に曖 味 さが あ り、
「知 ら され る権 利 」 を侵 害 され た 可 能 性 を手 む こ と。 業者 に も落 ち度 は あ る に も関わ らず 返 品 を断 つ た 場 面 は「補 償 を受 け る権 利 」の侵 害 の 可 能 性 が あ る。こ の よ うに 、状 況 を「消 費者 の
8つ
の権 利 」 に基 づ い て 分 析 して い る様 子 を考 察 す る こ とが で き た。3.3.4
「 現 状 分 析 」 に 対 す る 回 答 の ル ー プ リ ッ ク に よ る 評 価設 計 した 表 2‐
6の
ル ー ブ リ ッ ク に 基 づ い て 、 実 験 群2の
生 徒 を評 価 した 結 果 を表 3‐11 に ま と め た 。 実 験 群2全
員 が 、1つ
以 上 の 段 階 を 適 切 に 考 え る こ とが で き た 。 よ つ て 、「現 状 分 析 」 を 行 う こ と は 概 ね で き て い る こ とが わ か っ た 。表
3‑11
ル ー ブ リ ック を用 い た 「現 状 分 析 」 に 対 す る 回 答 の 評 価実 験 群 2
n=29
A(必 要 な 箇 所 に線 を 引 き 、文 脈 か ら状 況 を推 測 し、消 費 者 の8つの 権 利 との 関 連 を 考 え る こ とが で き て い る)
16
B(必 要 な 箇 所 に線 を 引 く、文 脈 か ら状 況 を推 測 す る 、消 費 者 の8つ の 権 利 との 関 連 を 考 え る 、の 中 で1つか ら2つ に つ い て 考 え る こ と が で き て い る)
13
C(必 要 な箇 所 に線 を引 く、文 脈 か ら状 況 を推 測 す る、消費 者 の8つ の権 利 との 関連 を考 え る、の いず れ も考 え る こ とが で きて い な い)
0 第
3章
結果及 び考察3.3.5
ま とめ3.3.1か ら3。3.4ま で の結 果 及 び 考 察 を通 観 す る と、多 くの生 徒 が 特 定 の文 脈 に 関す る「現 状 分 析 」 を行 うこ とが で き た と言 え る。 この 「現 状 分 析 」 を通 じて 、 適 切 に知 識 を活 用 で きた 生 徒 が 多 か つ た こ とや 、問題 の 着 眼 点 の 多 様 化 な どの効 果 は 明 らか に な つ た。しか し、
丁 寧 に 「現 状 分 析 」 す る こ とで 、 そ の後 の 「問題 特 定 」 や 「解 決 方 法 」 を考 え る段 階 に対 して 具 体 的 に どの よ うに影 響 を与 えた か は言 及 す る こ とが で き な か つ た。
ま た 、「状 況 に は書 か れ て い な い 情 報 を書 き 出 す 」段 階 で 、つ まず き と解 釈 で き る回答 を した 生 徒 が い た た め 、 この 段 階 は 、 回 答 前 に教 師 が説 明 を加 え る必 要 性 や 個 別 に ア ドバ イ スす る必 要性 が示 唆 され た。
3.4
パ フ ォー マ ンス 課 題 に お け る 回 答 傾 向 モ デ ル3.1か
ら3.3で
の 結 果 よ り高 い傾 向 を示 した 回 答 を基 に 、 パ フ ォ ー マ ンス課 題 にお け る 回答 傾 向 モ デ ル を作 成 した(図 3‐3)。 これ ま で の 結 果 で も明 らか に な っ た よ うに 、<統
制群・ 実 験 群
1>と <実
験 群2>で
傾 向 に違 い が確 認 され た。この
2グ
ル ー プ の 学 習 過 程 の違 い と して は 、「実 践 的 推 論 プ ロセ ス 」導 入 の有 無 で あ り、丁 寧 に道 筋 を立 て て 学 習 した か ど うか で あ る。 各 群 の 回 答 内容 か ら、 丁 寧 に学 習 した
<実
験 群
2>で
は 、 問題 の 着 眼 点 が 多様 に な り、解 決 方 法 は機 関 の利 用 な ど トラブル の即 時 的 な解 決 で は な く、今 後 トラ ブル が 起 き な い よ うに ど う行 動 す る とい い か とい う将 来 に 目を 向 け た解 決 の傾 向 を得 た。 一 方 、<統
制 群・ 実 験 群1>は
、 今 置 か れ た 状 況 を ど う解 決 すつ ま り、 丁 寧 に道 筋 を立 て て 学 習 させ る こ とで 、今 す ぐ解 決 す る の で は な く、今 後 トラ ブル が 起 き な い よ うに ど うす る と よい か とい う視 座 で 考 え る傾 向 に あ る こ とが 示 唆 され た。
解決方法
>
。相談機関を利用
・根拠を示 し返品する 実験群1
。あきらめる
※誤解答多い 問題発 見>――――――→く 解決 方法
>
<現
状分析>
0線
を引く・ 広告にブルーと書いてあつた
。返品には応 じられない
。届いたシャツは濃いブルー
?1口
賃rl,ス
ど̲̲<問
題 発見解決 方法
>
*現状=問題 と認識
・ 返品 を断 られ た
。違 う商品が届いた
*現状=問題 と認識
。返品を断 られた
。違 う商品が届いた
。注文をした
。相談機関を利用
※誤解答多い
。購入前に確認する
図
3‑3
パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に お け る 回 答 傾 向 モ デ ル3.5
パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 の 有 用 性パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 は 、 認 知 傾 向 を把 握 す る こ と を 目的 と して 設 計 した。 実 践 で パ フ ォ ー マ ン ス 課 題 に 取 り組 ま せ 、 得 られ た 回 答 を分 析 す る こ とで 、 図 3・
2の
よ うに 回 答 傾 向 モ デ ル を 作 成 す る こ とが で き た 。よ つ て 、一 定 の 認 知 傾 向 を 把 握 す る こ とが で き た 。しか し、前 段 階 が そ の 後 の 段 階 に ど う影 響 した か 、 どの よ うな 原 因 で つ ま ず い た か な どの 詳 細 な 認 知 過 程 の 把 握 に は 限 界 が あ つ た と言 え る。
引 用 文 献
岩本諭,谷村 賢治編 著 (2013)「 消費者 市 民社 会 の構 築 と消 費者 教 育 」,pp.137・ 154,晃洋書
。シャツの色はどうだったか
。広告はどうだったか
O権
利 との 関 連。知 らされる権利
・ 補償を受ける権利 統制群
第
4章
結論及び今後の課題 第4章
結 論 と今 後 の 課 題4.1
結 論(1)「解 決 方 法 」 に対 す る 回 答 の 分 析
ル ー ブ リック に よ る評 価 結 果 か ら、実 験 群
2は
誤 解 答 に値 す る回 答 を した 生 徒 は有 意 に 少 な く、 現 状 を丁 寧 に分 析 す る こ とで の 効 果 を 明 らか に した。 誤 解 答 につ い て は 、統 制 群 や 実 験 群1で
多 く抽 出 され 、「通 信 販 売 の特 徴 を理 解 で きて い な い こ とで発 生 した 回答 」「法 律 や 機 関 な どの特 徴 を理 解 で き て い な い 回 答 」 に分 け る こ とが で き、 販 売 方 法 や 消 費者 トラブ ル に 関す る法 律 や 相 談 機 関 に 関す る知 識 を活 用 す る こ とで トラ ブ ル を解 決 で き る と考 えた 生 徒 は多 か つ た。
次 に 、 各 群 共 通 で 実 施 した 「あ な た は ど う します か(解決 方 法 を促 す 質 問)」 に対 す る回 答 を質 的 に分 析 し、
27の
グル ー プ と7の
カ テ ゴ リー を生 成 す る こ とが で き た。この カ テ ゴリー の 各 群 発 生 を統 計 的 に 処 理 した 結 果 、 統 制 群 。実 験 群
1は
「他 の 資源 を利 用 す る」 回 答 は 有 意 に多 く、 実 験 群2は
、「反 省 的 な解 決 方 法 」 を模 索 す る生 徒 が 有 意 に 多 か つた。(2)「問 題 発 見 」 に対 す る回 答 の分 析
「問題 発 見 」に 関す るル ー ブ リック に よ る評 価 結 果 か ら、「現 状 とあ るべ き姿 との ギ ャ ッ プ」 に迫 る回 答 は 見 受 け られ な か っ た。「現 状 」「あ るべ き姿 」「ギ ャ ップ 」の い ず れ か に迫 つた 回 答 は多 く存 在 した た め 、 回答 を質 的 に分 析 した と こ ろ、
3つ
に類 型 化 す る こ とが で きた 。一 つ 日は 、「現 状=問
題 」型 で あ り、消 費 者 が 置 か れ て い る現 状 を直 接 的 に 問題 と認 識 した類 型 で あ り、実 験 群1は 8割
以 上 の 生 徒 が 、実験 群2は 5割
以 上 の 生 徒 が この類 型 に 当 た つ た。二 つ 目は 、「解 決 方 法=問
題 」型 で あ り、最 終 的 な解 決 方 法 を 問題 と認 識 した もの で あ る。 二 つ 目は 、「権 利 侵 害=問
題 」 型 。 この類 型 は 、 消 費 者 の8つ
の権 利 を業者 に よ り侵 害 され た 可 能 性 を指 摘 し、 そ の侵 害 事 象 を 問題 と認 識 した も の で あ る。以 上 よ り、 消 費 者 の お か れ て い る現 状 を 「問題 」 と認 識 して い る生 徒 が 最 も多 い こ とが 分 か つ た。 ま た 、「あ るべ き姿(目 標)」 に 関す る記 述 は 、本 実 践 で の 回 答 か ら得 る こ とはで きな か つ た。
(3)「現 状 分 析 」 に対 す る 回 答 の分 析
実 験 群