政策過程論の分析視座
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(2) 北海道教育大学紀要(人文科学・社会科学編)第57巻 第1号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(HumanitiesandSocialSciences)Vol.57,No.1. 平成18年8月 August,2006. 政策過程論の分析視座 一. 曲. ′ ヽ. 北海道教育大学教育学部旭川枚社会学研究室. TheAnalyticalPerspectivesofPolicyProcess KADO Kazunori. DepartmentofSociology,AsahikawaCampus,HokkaidoUniversityofEducation. 概 要 本稿では,政策過程論の先行研究を整理することにより,一定の規準にしたがって分類された政策過程論 がどのような観点から分析され,それぞれがどのような特質を有しているかということを検討した.. 本稿の主要な作業は2点である.第1には,主に90年代の政策過程論に関する集約的業績と目される6冊 の著作を手がかりとして,これまでの政策過程論の整理の傾向を概観したこと,第2には,政策過程に登場 する主体に注目し,個人・組織・集団の3水準から先行研究の一部を整理し,その特徴について概観したこ とである.前者の整理では,政策過程論が基本的に理論化・モデル化・類型化の志向を強めており,イシュー. エリアごとの中範囲の理論が求められる状況にあると指摘した.また,後者では,アプローチの選択は基本 的に問題設定に依存するが,現代の政治的権力および影響力等の変換装置としての組織の重要性を指摘する とともに,資料入手の可能性等も含めてアプローチの選択は検討されるべきであるということを論じた.. はじめに Weberが,いわゆる「価値自由(Weltfreiheit)」. の議論によって名を馳せることとなる,『社会科. ができるように思われる.これはいわば,社会科. 学にとっての「科学革命」の時代ともいうべき現 象として捉えることも可能であろう. それまで,政治学は,ギリシャ哲学より脈々と. 学および社会政策における認識の客観性(社会科. 流れてきた「統治のための学問」であり,もしく. 学方法論)』を著したのは1904年のことであるが,. は,ブルジョア革命を頂点とする「ブルジョア民. ほぼ同じ時期,大西洋の向こうのアメリカでは,. 主主義の正統性」や「国益の最大化」を理論づけ. 1908年にBentleyが“TheProcessofGov−. るための政治思想であり,または,急速に成長し. ernment(邦訳『統治過程論』)’’を発表していた.. つつあった国民国家の運営を確固たるものにする. 一見接点のない両者には,今日の視点から,社会. ため,「国家および官僚機構のあり方」を追求す. 科学における「実証的な」アプローチの重要性を. る官房学・国家学として現れていた.Weberや. 世に問うものであったという共通項を見出すこと. Bentleyの著作は,そうしたメインストリームに. 19.
(3) 角. 一 皿. 対する挑戦ということもできる.単純化した言い. 嶽の指摘が現実のものとなりつつある.そしてそ. 方をすれば,いずれにせよ自らの支配の正統性を. れは,政治学のみならず,政治社会学の課題でも. 主張する従来の方法に対して,実証的・「客観」. ある.社会学には実証研究の伝統もあるため,政. 的に状況を把握することを科学の主要命題として. 治学に比べれば相対的にケーススタディの蓄積は. 置き換えることを提起したということである.. 豊富であるといえるものの,理論とのリンクとい. 政策過程論は政治学を中心として理論展開して きた.それまで政治史・政治哲学・政治思想・政 治制度論のように「静態的」アプローチを中心に. う点において十分であるとは言いがたいのが実情 である. 政策過程論にはさまざまなアプローチが存在し. 取り組まれてきた政治学が「動態的」アプローチ. ているが,論者によっては自らのアプローチに関. に転換する画期を,Bentleyの統治過程論が,明. して無自覚な場合もある.しかし政策過程論が科. らかな形で提供したといえる.Bentley以降,政. 学の一分野として論じられる限り,そこには自己. 治を扱う上での「プロセス」の重要性は飛躍的に. のアプローチに関する自覚が必要となってこよ. 高まった.そして今日,政治過程論・政策過程論・. う.本稿は,政策過程論に関する諸々の業績につ. 政策決定論などが,政治学もしくは政治社会学の. いて,一定の整理を行い,政策過程論において意. サブカテゴリーとして確固たる地位を占めてい. 識するべきことがなにかを検証することを目的と. る.. する.まず,日本において90年代に発表された,. その一方で,政治過程論または政策過程論とい. 政策過程論を論じたいくつかの文献を概観し,政. う学問分野はある種の曖昧さをも抱えた存在であ. 策過程論のトレンドを確認する(第1章),続いて,. ることは否めないところである.その理由は,政. 主体の分析単位に着目し,個人・組織・集団の3. 治過程論や政策過程論がえてして「事例研究」. つについて,先行研究を手がかりとして政策過程. 「ケーススタディ」でとどまってしまうことが多. 論における特徴をまとめ,政策過程論において重. いという点に求められる.もちろん,ケーススタ. 視すべき主体の単位について検討する(第2章).. ディの蓄積は学問的に非常に有益である.しかし,. ケーススタディという「政策過程についての実証 研究が,理論的,方法的な考察や技術的なトレー. 1 90年代日本における政策過程論の整理. ニングがなくても比較的手軽にできる」ため(大. 70年代以降,マルクス主義による「呪縛」から. 嶽,1990:2),「具体的な対象に対する興味が先. 徐々に逃れていった政治学においては,実証的ア. 行して,歴史学的な単なる記述に傾斜しやすく,. プローチや公共選択モデルを駆使した研究などが. 理論的な検討それ自体を軽視する危険をともな. 急速に広まっていくが,その過程で,政策過程研. う」のである(大嶽,1990:11).. 究も一定程度の蓄積をみるようになった.. このような危惧とは反対に,日本では,特に政. 90年代には,政策過程論についての「総合」が. 治学において実証研究やケーススタディが軽視さ. 志向されるようになり,ケーススタディではない,. れる傾向があったように思える.したがって,ケー. 政策過程そのものを理論的な見地から論じる著作. ススタディの積み重ねから新たな知見に到達する. がみられるようになっている.ここでは,猪口/. というような展開もあまりみられなかった.しか. 岩井(1987)・大嶽(1990)・白鳥(1990)・中. し,70年代以降,選挙研究を足がかりとして実証. 野(1992)・磯崎(1997)・草野(1997)の6つ. 的研究が評価されるようになり,個別政策の事例. の著作の検討を通じて,今日における政策過程論. 研究にも道が拓かれるようになっていった.90年. の集約点を概観してみよう.. 代に入って,政策過程を論じるテキストがいくつ か出版されるようにもなっており,改めて先の大. 20.
(4) 政策過程論の分析視座. 1.1 大嶽秀夫『政策過程』における3つのア プローチ. 現代政治学叢書の一冊として善かれた大嶽のこ の著作は,今日においても政策過程を学ぶ上での 「教科書」的な位置づけがなされており,政策過. 「それぞれのアクターの政策主張を基本的に規定. するものは政府内の行政的役割・地位であるとみ なす」(大嶽,1990:39).別の言い方をすれば,. 政治過程に登場するアクターは,自らの所属する 組織の利益を最優先に考えて行動する傾向があ. 程の一つの集約点としてみなすことができる.本. り,ある政策は,そうした組織利益追求の累積的. 書において,大嶽は,イシューアプローチ・エリー. な結果として現れると考える.したがって,この. トサーベイ・イシューエリアアプローチの3つの. 考え方からは,政策決定の構造的要因は,基本的. 方法を紹介している.大嶽は,アプローチの差異. に組織によって与えられ,場合によっては二次的. に注目して政策過程を「分類」しているのである.. に個人のパーソナリティや信条などが影響するも. ここでは,それぞれのアプローチについて,簡単. のと捉えるのである.. にみていこう.. 1.1.2 エリートサーベイ 1.1.1 イシューアプローチ イシューアプローチとは,「ケース・スタディ. 大嶽によれば,イシューアプローチは「対立の 争点となった政策の決定過程を対象とするため,. のうち,特定のイシューの登場,展開,決着を,. いわば非日常的な政策過程の研究に偏る傾向を持. 政策要求をめぐる対立と妥協の過程という観点か. つ」(大嶽,1990:61).そのため,ルーティーンと. ら整理し,こうしたケース・スタディをもとに政. なっているような政策の場合には別のアプローチが. 策決定過程が示すなんらかの構造を発見しようと. 必要となるとする.大嶽は,日常的な政策決定への. する試み」とされている(大嶽,1990:10).例. アプローチとしてエリートサーベイを位置づける.. えば,本書で紹介されているLowiは,分析対象. エリートサーベイとは,「政策決定構造ないし. の政策が持つ質的な差異に注目し,イシューア. 政策過程について,通常当事者自身によってすで. リーナを分配型・規制型・再分配型の3つに分類. にある程度一般化された認識」を明らかにするた. したが(Lowi,1970;1972),これは,蓄積され. めに,政策エリートに対して,インタビューやア. たケーススタディを「単純化」して類型化すると. ンケートなどによって質問をし,政策過程の理論. いう手続きによって,政策過程の理論化を進める. 化を行う方法である(大嶽,1990:61).. 試みである.Lowiを基点とするその後の政策類. エリートサーベイは政策過程を唯一の対象とし. 型化研究から理解できることは,政策過程の理論. ているわけではなく,むしろ政策決定構造の解明. 化への道のひとつは,ケーススタディに含まれる. に重点がおかれているといえるかもしれない.エ. 豊富な情報の取捨選択によると大嶽は指摘する.. リートサーベイの中核をなすのは官僚制研究であ. また,イシューアプローチのもうひとつの重要. るが,官僚組織同士の影響力関係や,それを支え. な先行研究として示されるのが,Allisonによる. るクライアンテリズムの存在など,勢力関係の配. キューバ危機研究である.Allisonは,キューバ. 置を明らかにすることがエリートサーベイにより. 危機を3つのモデルによって分析し,使用したモ. 可能となる.その一方で,日常化した政策過程は. デルによって解釈が異なるということを明快に示. きわめて安定的に機能する.例えば予算編成など. した.ここで大嶽が注目するのは,Allisonの第. はその典型例ともいえるが,影響力の行使による. 三モデル,通称「政府内政治モデル」と呼ばれて. 変動の可能性はごくわずかに限られる.. いるものである.外交政策を国内政治の産物とし. 他方,エリートサーベイをプロセスの分析とし. て捉えるこのモデルにおいては,外交政策の決定. て用いる方法も存在する.その際の視点として重. 主体である政府が一枚岩の存在としてではなく,. 要なのは,政策エリートが政策の「選別者」であ. 21.
(5) 角. 一 皿. るということである.社会にはさまざまな問題が. ローチと,日常的な政策決定をあつかうエリート. あるが,それらは同等と扱われず,通常優先順位. サーベイを架橋する形で,イシューエリアアプ. が存在するものである.その優先順位を付与する. ローチが存在するというイメージが浮かび上がっ. のがエリートと考えることも可能である.この視. てくる.そして,いずれにしても,政策過程論が,. 点からは,政策過程は,それに先立つ課題の認知. 過程よりもむしろ構造に究極の関心があるという. と課題の設定(agendasetting)も含めて把握さ. ことが示されているということができよう.. れるべきものと位置づけられる.. 1.2 日本政治を意識した政策過程の類型化 1.1.3 イシューエリアアプローチ イシューエリアアプローチとは,「教育なり福. ここで検討するのは猪口孝/岩井奉信『族議員 の研究』と中野実『現代日本の政策過程』である.. 祉なり,ある政策領域を選んで,そのイシュー・. かれらの研究は,一般理論的な関心というよりは. エリア全体の構造的特徴を分析する方法」である.. むしろ日本という特殊な文脈をふまえた上での類. これは,「イシュー・アプローチの個別性,特殊性. 型化である.以下では,この2つの著作について. から脱却する」ひとつの方法であり,「ルーティ. 簡単にまとめる.. ン・デイシジョンの積み重ねを見ることによって …様々な決定過程をひとつの集合として捉える」. 方法でもあって(大嶽,1990:111),いわば先に 紹介された2つのアプローチの中間に位匿づけら れるものであるといえるかもしれない.. 大嶽がイシューエリアアプローチの例として上. 1.2.1猪口孝/岩井奉信『族議員の研究』 における族議員現象の類型化. 族議員という言葉自体は,アカデミックな世界 から出てきたものではなく,マスコミが出自であ る.猪口/岩井は,アカデミックな見地から族議. げるのは,ダールのCPS研究をはじめとする地. 員現象を考察する試みを本書で行っているが,そ. 域政治研究,ナショナルレベルにおける政策決定. の現れ方には,大嶽が言うところのイシューおよ. 構造の研究,比較政策過程分析の3つである.大. びイシューエリアに応じた違いがみられることに. 嶽によれば,「イシュー・エリア・アプローチで. かれらは言及する.. は,政策過程を素材としながらも,『権力構造』,『イ. 族議員現象の類型化については,主に本書第5. デオロギー構造』,『制度(的)構造』など(非時. 章「族の考現学」および第6章「族型政策決定」. 間的)構造要因を検出することを目的とするのが. で言及されている.かれらが類型化をする上で意. 普通である.言い換えると,プロセスそのものは. 識しているのは,一口に族議員といっても,それ. 問題にしないことが多」く,また,「イシュー・. には多様なあり方があるということと,イシュー. アプローチとイシュー・エリア・アプローチの区. に応じて族議員の関与の仕方やクライアントとの. 別は厳密なものではなく,あくまで相対的なもの. 力関係が変化するということである.. に過ぎない」ものとされる(大嶽,1990:11ト112).. 前者については,本書ではマスター・ソル. そして,イシューエリアアプローチの中に,エリー. ジャー・モッブ・ジェネラルの4つの「理念型」. トの選好を形成する構造を見出そうとするクラズ. 的な類型が示される.かれらは,佐藤/桧崎(1986). ナーの研究を位置づけるあたりをみると(大嶽,. の「ある政策に関心を持つ議員」,「ある政策分野. 1990:141),エリートサーベイとの境界も,それほ. に強い影響力を持つ議員」,「特定の政策分野に強. ど明確なものとは考えていないと思われる.. い影響力を持つのみならず,それを日常的に行使 する立場にある中堅の議員集団」という定義を引. 以上みてきたことを再度簡単にまとめると,注 目度の高い政治的事件をあつかうイシューアブ. 22. 用し,マスターを,最も狭義の,最後の定義に当 てはまるものとし,ソルジャー・モッブとなるに.
(6) 政策過程論の分析視座. したがい,その影響力も関心も弱まっていくとい. 型はマスターによるものとされ,猟犬型ではソル. うイメージとなる.ジェネラルは,総理大臣経験. ジャーやモッブにより,放たれた猟犬型の場合に. 者や派閥の領袖など,党内の実力者と目される政. はモッブの数が増加するということについても言及. 治家を指し,上記の3類型とは別格の扱いとなる.. している.. これらは,議員の当選回数や議員以前のキャリア 1.2.2 中野実『現代日本の政策過程』にお. などによって規定され,また,政策分野すなわち イシューエリアによっても現れ方が異なってくる.. ける先行研究とイシューエリアとの対. 関与の仕方については,番犬型と猟犬型という. 応の整理. 2類型を示し,猟犬型にはつながれた猟犬型と放. 次に検討するのは中野の著作である.本書の第. たれた猟犬型というサブカテゴリーも設けてい. 1章第2節「日本政治の基本パターン」において,. る.簡単にいってしまえば,番犬型は,官庁ごと. 中野はカテゴリー1として6つの大分類と13の小. に仕切られた既得権益の保護もしくは拡張に熱心. 分類を設定している(中野1992:83−133).この. なタイプであり,猟犬型は,地元やクライアント. 作業は,それまでさまざまな形で語られてきた日. に対する利益誘導など,自己の利害関心がメイン. 本政治の像について整理を試みるものであり,表 1および図1のようにまとめられている.. となるタイプである.自己の利益追求の度合いは, 放たれた猟犬型の方でより強くなる.また,番犬. 表1 わが国政策過程における影響力システムの類型 参 加 者 日本政治の類型 下位類型 A 政府・与党 (1) 官 邸 政 治 ・首相と側近(私的諮問機 首相主導 関・プレーン) 幹部政治 ・幹部官僚・閣僚 (2) 与党・大蔵省 ・政調会幹部・党四役 幹 部 政 治 ・有力族議員・大蔵省幹部. ゲームの規則. 事 例 ・吉田外交(1948−53) ・日中国交正常化(田中,1972) ・政治資金規正法(三木,1975) ・中曽根政権期(1982−87)の政治手法 相互依存・協調的 ・予算編成の基本原則の決定 ・予算編成期での政治近衛 ・中小規模の税制改正(1985年の改正). (3) 官僚主導政治 ・特定官庁部局の官僚 特定官庁官僚主導 ・昭和60年公的年金制度改正 ・政調会の関係部会,調査 ・労働政策 田 了ミ ・党内ポスト配分/官僚人事/国会内ポスト配分 B 永田町政治 (1) 派 閥 政 治 ・自民党総裁・派閥 派閥主導 ・自民長老 ・実力者議員 競争的派閥力学 ・選挙リソースの配分 (2) 族議員政治 ・有力族議員・自民幹部 有力族議員主導 ・自民実力者議員 (協調的) (3) 実力者政治 ・自由党総裁・派閥 ・自民長老・実力者議員 C 国会政治 (1) タテマエ政治 ・各党リーダー ・国会常任委員会委員 (2) 国 対 政 治 ・各党間ネットワーク ・各党国会対策委員 ・議員運営委員会委員. ・医療政策 ・防衛政策 ・米価決定・文教政策. 自民実力者議員主導 ・重要政策や主要人事の最終決定 各党リーダー中心 ・国会本会議・常任委員会での質疑応答・論議 (競争的・対立的) ・選挙戦. 非公式の政治的取引 ・対立法案をめぐる駆引き,政治的取引き きと相互妥協 ・与野党合意による与党単独強行採決. D エリート協 (1) 三角同盟政治 ・自民幹部・幹部官僚 相互依存・協調的 ・高度経済成長政策(1960−) ・財界幹部 調政治 ・通商・貿易政策 (2) リベラル・ コーポラテイ. ズム政治 E 顧客指向政 (1) 陳 情 政 治 ・自民有力議員・族議員 個別報償的利益配分 ・通常の経常的予算配分 治 ・弱小利益集団(中小企業, ・補助金配分 (2) 利益誘導政治 地方自治体etc.) ・公共事業政策決定 F 世論政治 (1) ブーム政治 ・各党 世論に支配的な政治 ・「列島改造ブーム」(田中,1972) 的ムードやブーム ・国民的争点を伴った選挙過程(1978年以来 (ムード政治) ・マスメディア ・一般有権者 の税制改革争点と各種選挙) (出典:中野,1992:84) 1 中野はシステムという表現をしている.. 23.
(7) 一 皿 協調的−. 関係ないし磁場を作っている『政治的影響力のミ クロ・システム』」とされる(中野,1992:85−86).. 各システム 内 参 加 者 間 の 関 係. 言い換えれば,イシューエリアによって参加者は あらかじめ決められており,自律的な政治システ ムとして確立しているということを強調するもの であると理解することができよう.. 1能争的. ここで紹介した2つの研究は,先に示した 限定的← 閉組的. Lowiの政策類型と志を共有するものとも評価で システムの性相. 一→動員・ 関放的. 出典:(中野,1992:85). 区= 〈影響力ミクロ・システム〉 における参加者間 の関係. きるが,両者に共通するのは,Lowiの研究がケー ススタディの分類によるものであるのに対して,. かれらの基準が,基本的に広義のイシューエリア に注目した分類・類型化だということである2. そして,多くのイシューエリアが,基本的に限定. 中野によれば,「官邸政治」・「永田町政治」・ 「族議員政治」など,一般に使われている,日本. 政治を言い表す表現の多くは「実のところ政策過 程における政治的影響力関係の類型を示して」お. された参加者によって構成され,意思決定がパ ターン化されているということを主張する点であ る3.. この点において,大嶽との間に共通性が見出せ. り,そして,それらは日本政治の総体を示したも. るのかもしれない.すなわち,政策過程の理論化. のではなく,「アクターの影響力を中心に見てゆ. に向けては,イシューエリアへの着目が必要であ. くならば,政党主導の過程もあれば首相・官僚主. るという点である.. 導の過程,場合によっては財界主導の過程もある. また,影響力の観点から見るかぎり,世論や選挙. が政策過程を大きく左右することもある」のであ る(中野,1992:83).. 類型化された13のカテゴリーは,「協調的一競 争的」および「動員・開放的一限定的・閉鎖的」. 1.3 政策過程の方法論・分析モデル4 政策過程分析の方法論の面からの分類の試みは すでに先行研究がいくつか存在している.ここで は,3つの著作から,政策過程の分析モデルの分 類について検討したい.. という2軸によって図1のように配置される.こ れらは,「一定の政治状況や政治的局面で相対的 な自立性を維持し,他方で,各システムがそれぞ. れ内部的に,参加者間のかなり明示的な影響力の. 1.3.1 白鳥令編『政策決定の理論』 白鳥が編者となった『政策決定の理論』では,. 大きく分けて8つの分析モデルが紹介されている. 2 ただし,猪口/岩井では,第6章において,10のケーススタディを利用して番犬型と猟犬型という分類を析出している. 3 ここで注意しなければならないのは,意思決定への参加者が限定されているということをもって「非民主的である」とい うことにはならないということである.ある政策に批判的な主体は,直凛には影響力の行使ができないまでも,その道が完 全に閉鎖されているとは限らない.また,参加者が限定されているということは必ずしも政治総体の意思決定権が少数の人 間に独占されているということと必ずしも同義ではない.主体の関心はすべてにわたるわけでもないので,影響力の行使は 常に行われるわけではない.Dahlの分析にあるように,財界人は,都市再開発には関心があっても,教育や政党候補者指 名には興味がないために,それらの政策過程には顔を出さないということは,きわめて普通のことなのである. 4 ここでの整理にあたって,方法論・分析モデルという言葉が適切かどうかは検討の余地があるのかもしれない.しかし, 大嶽の紹介の部分でアプローチという語を使用していることに鑑み,後段での整理の便宜を図る上から,あえてここではモ デルという語で統一する.. 24.
(8) 政策過程論の分析視座. (白鳥,1990)5.ここで紹介されているアプロー. からもわかるとおり,磯崎の挙げている9つの理. チは,(丑インクリメンタリズム,(彰官僚政治モデ. 論は,直接に政策過程論のサブカテゴリーを形成. ル,③心理学的アプローチ,④過程モデル,⑤利. しているというよりは,むしろそれらの理論の影. 益団体モデル,⑥費用便益分析,⑦ゲーム理論的. 響を受けて政策過程論が発達してきたという意味. アプローチ,⑧公共選択論的アプローチである.. と捉えなければならないだろう.本書の後段では,. この著作は編著であり,分析モデルを記述して. 筆者による6事例の政策過程分析が行われている. いるのはそれぞれ別の執筆者である.また,表題. が,その際に磯崎が整理の基準とするのは,主に. が示すとおり,この著作は「政策決定」に関する. ミクロ・メゾ・マクロの,3段階の分析レベルで. ものであり,必ずしも「政策過程」を中心に編ま. ある.政策過程論に関する磯崎の整理はむしろこ. れたものではない.そうした背景も影響している. ちらの方が重要と考えたほうが良いかもしれない.. のかは定かではないが,先に示した8つのモデル. 帯広市民の森を事例としたミクロレベルの分析. の選択は,ここで紹介する他の二編と比較して,. では,分析モデルとして,①動機モデル,②計画. カバーしている「範囲が広い」といえるかもしれ. モデル,③過去決定モデル,④操作モデル,⑤情. ない.この場合の範囲の広さとは,政治学的に確. 緒モデル,⑥刺激=反応モデル,⑦強制モデルを. 立されてきたモデルのみならず,心理学的アプ. 提示し,これらを政策過程の状況に応じて,説明. ローチ・費用便益分析・ゲーム論・公共選択論な. モデルとして適用するというやり方をとり,これ. ど,経済学・社会心理学等の隣接分野にも近い範. らにより,全体として仮説発見的機能を持ち,影. 囲の知見もモデルとして紹介している点を指して. 響力分析に貢献することができるとする.. いる.. また,政治学の知見をまとめたシリーズ本の一. メゾレベル分析では,アメリカとカナダの間に おける自由貿易協定の事例では,基本的にゴミ箱. 冊としてまとめられた本書では,8つのモデルに. モデルを修正したKingdomの「政策の窓」モデ. ついての学説の整理というスタイルをとってお. ルを使い,「なにが問題にされ,それがどのよう. り,実際に理論を応用するという姿勢はみられな. にして解決に至ったか」を(磯崎,1997:113),. い.. 日米コメ問題の事例では,さらに「背景」(context) に着目したモデル(「とび箱」モデル)により,. 1.3.2 磯崎育男『政策過程の理論と実際』 本書は,著者による理論の整理が行われた後,. その理論を現実の政策過程に応用するという構成. 時代状況や制度といった「背景」が政策過程にお ける取捨選択に影響していることを説明する.. マクロレベルでは,日本の老人医療費無料化政. がとられている.本書の第1章「政策過程へのア. 策について,メイン・ストリーム・モデル(=ア. プローチ」で紹介されているのは,①過程モデル,. ウトプット分析)を用いて政策の差異の要因を明. ②対外政策決定論,③アウトプット分析,④政策. らかにするとともに,沖縄県渡難町における地域. 類型論,⑤アジェンダ形成論,⑥実施研究,⑦政. 権力構造分析を行っている.. 策スタイル論,⑧体制・構造論,⑨新制度論であ. 6つの独立した事例が列挙されていることにも. る.磯崎によれば,これらは政策過程論に「刺激. 現れているように,磯崎は,個々のイシューより. を与え,政策過程論の形成及びモデル化に一定の. はむしろ政策過程のモデル構築および精緻化によ. 影響を与えた,もしくは与えている…諸理論・ア. り強い関心を持っていると推測される.そして,. プローチ」である(磯崎,1997:13).この記述. 磯崎の著作からは,ミクロ・メゾ・マクロの3レ. 5 厳密にカウントすれば,Allisonの3つのモデルも紹介されているし,上記のモデルにサブカテゴリーを設けている章も あるため,モデル自体の紹介はさらに多岐にわたっている.. 25.
(9) 角. 一 皿. ベルに応じてそれぞれ適切な政策過程のモデルが. かということへの関心がきわめて強く現れている. 存在するという主張が垣間見える.この考えは,. のが特徴である.これは,大嶽の整理でいえば,. ある意味ではAllisonと対極の考え方といえるか. イシューアプローチを強く推奨する立場といえる. もしれない.. だろう.. 1.3.3 草野厚『政策過程分析入門』. 1.4 小 指. 本書は,「政策過程…に関する事例研究の意義. 本革では,主に90年代に出版された6冊の政策. と有用性を,政治を学び始めた人々に説明し,分. 過程論に関連する著作からその傾向を読み取る作. 析の実践を進めること」を目的に善かれた(草野,. 業を行った.ここでは,それらを簡単にまとめて. 1997:1).草野は,政策過程アプローチの手法. みたい.. として,13のモデルを紹介しているが,それは,「一. 大嶽が指摘したように,重大事件をイシューア. つのモデルを用いてすべての政策過程を説明する. プローチによって「分析」することは比較的容易. ことは不可能」であり,「複数のモデルを使って. であるが,理論化という点においては難しさがあ. 日本の政策過程に関する事例を再構成すること」. る.草野の主張や磯崎の事例研究のように,すで. が重要であって,本書の関心は「モデルの精微化. にあるモデルによって当該イシューを説明すると. にあるのではない」ことを明確に宣言する(草野,. いうことにも一定の意義はあるだろう.しかしな. 1997:2−3).つまり,本書は,実際の政策過程. がら,その一方で,事例特有の事柄というものは. を分析する際に有用な代表的モデルを示し,それ. 必ず存在し,モデルの適用によってそれらの「特. らのどれを使えば当該政策過程を明快に説明でき. 異な」事柄が捨象されてしまうということもあり. るかということを読者に要求するものとして作ら. えることである.. れている.理論的な関心から善かれた磯崎の著作. この点については,少なくともアカデミックな. と正反対の志向性を,この著作は持っているので. 関心に基づいて,理論化・モデル化を志向する場. ある.したがって,単一のモデルによる説明より. 合には,特殊な事象は捨象されても仕方がないと. も,Allison的な,複眼的手法を草野は推奨する.. いう他ないだろう.政策過程という言葉は便利に. 草野のあげた13のモデルは,必ずしもアプロー. 使えるものであるが,それを使う本人に,それ相. チの手法からの分類ばかりではなく,モデルのあ. 応の自覚,すなわち,自分のやりたいことは「単. り方をわかりやすく説明するための事例的な位置. なる」ケーススタディか,それとも理論やモデル. づけのモデルも存在する.ちなみにそれらを列挙. の精緻化かということを明確に意識する必要があ. しておくと,①細谷モデル,②福井モデル,③合. るだろう.. 理的行為者モデル,④組織過程モデル,⑤官僚政. 6冊のうち,草野の著作以外はおおむね理論. 治モデル,⑥増分主義モデル,⑦国内政治モデル,. 化・モデル化を志向するものと位置づけられ,よ. ⑧非正式接触者モデル,⑨相互浸透モデル,⑲パッ. り抽象度の高い知見の発見に関心がおかれている. トナムの2レベルゲーム,⑪スナイダーモデル ⑫ごみ缶モデル,⑬政策の窓モデルとなる.. 題名にあるように,本書の位置づけは「入門」. ということができる.大嶽・猪口/岩井・中野は,. それをイシューエリアに注目することにより,磯 崎は,既存のモデルを基礎に置きつつ,それを精. 書であり,本格的な理論的検討についてはそれほ. 微化することにより,実現しようと試みていると. ど強く意識されていない.また,1993年の55年体. いえよう.しかし,いずれにしても,特定分野の. 制崩壊以降の流動的な政治状況を理解するという. 政策を共通のモデルによって説明することが不可. ことも強く意識されているため,アカデミックな. 能事に近いという認識については共通しているよ. 理論の精微化以上に,いかにして現状を読み解く. うにも思われる.. 26.
(10) 政策過程論の分析視座. 将来的には,あらゆる個別の事例研究を説明す. において,比較的早い段階に着手されている.. る「一般理論」の構築が,政策過程分析において. Laswellは,フロイトL、理学などに影響を受けて,. も可能かもしれない.しかし,マートンが中範囲. 個人のパーソナリティが政治現象に非常に大きは. の理論を構想したときと同様,むしろ重要なのは,. 影響を与えているということを主張し,個人の. 政策過程の「中範囲の理論」化であると思われる.. パーソナリティの形成過程としてのライフヒスト. 産業・福祉・国防・外交といった政策エリアごと. リーに着目している.Laswellは政治を,満たさ. の理論化,また,Lowiの提示したような,政策. れない私的動機が公的動機に転嫁したものあるい. 類型ごとの理論化が,当面政策過程論の精微化が. は個人の劣等感や不安感を払拭する手段とみな. 目指すべき方向であると思われる.そして,その. し,自我の被った価値剥奪に対する補完,あるい. ためには,無自覚なケーススタディの積み重ねで. は自分自身についての低い評価を克服するものと. はなく,理論への貢献を意識したケーススタディ. して権力を捉えた.こうしたアプローチはその後. の蓄積がより一層求められると思われる.. の政治学に対しても影響を与えており,精神分析 アプローチ,心理学的アプローチを試みたケース. 2 主体の分析単位による政策過程論の整理 本章では,政策過程を,それぞれの論者が扱う. スタディは数多い(白鳥編,1990:95−100). また認知科学アプローチも,人間の行動が「心」. を介在しているという前碇に立つ.経験的に理解. 主体の分析単位に焦点を合わせて検討する.科学. されているとおり,個々の人間は,同一の事象に. としての厳密性を追求する場合,政策過程の分析. 対して,必ずしも同じ感覚を持つわけではない.. 水準をどこに置くかということは,避けて通るこ. 個々の人間は,それぞれ異なった環境の中に育ち,. とのできない課題の一つであると思われる.. そして異なった経験を有している.そしてそれら. 本章では分析単位の水準を個人・組織・集団の. は確実に個々人の認知に対して影響を与えている. 3水準に分けて整理を試みる.政策過程において. のである.認知科学アプローチは,そうした個人. 重要な働きをするアクターは状況に応じて変化す. の表象世界に力点をおいたアプローチである.. るため,この3水準は厳密なものではなく,政策. ジャーナリストによる優れたドキュメントの一部. 過程論の多くはこれらの水準を状況に応じて使い. においても,これらの手法に近いアプローチがさ. 分けている6.整理の基準は,それぞれの論者が. れている場合もある(ex.児玉,2001).. 最も依拠していると思われる水準に沿って行う.. HunterよりはじまったCP S研究の系譜は個 人に着目した政治構造および政治過程研究のひと. 2.1個人に着目したアプローチ 最終的に政策決定を行うのは,どの場面におい. つの道であったし,Millsによるパワーエリート 論もこの系譜に含めることができるだろう.これ. ても,社会の最小単位である個人であることに変. らの研究の主題は,Dahlがいみじくも彼の著書. わりはない.それゆえ,政策過程に関するアプロー. に冠したように,「誰が統治するのか(“who. チにおいても,個人を分析単位としたアプローチ. Governs?’’)」ということであった.アトランタ. が一つの流れを形成している.. における地域権力構造を研究し,経済エリートお. 個人の特質に着目したアプローチは,アメリカ. よび社会エリートの影響力の大きさを指摘した. 6 飯尾は「事件の政治学」を提唱し,事例研究がそれまで問題発見機能を強調されてきたが,注意深く設計された決定的事 例研究は比重交研究と同じように理論構築に寄与し得ると主張する.そしてその際,出来事の記述の段階では材料の碇供に専 念して分析に必要な情報を用意しておき,その上で複数の視角による整理をおこなうとしている(飯尾,1993:1−15).日 本の研究では,このように分析単位に関心を払うものは思いのほか少ない. また,飯尾は,キューバ危機を対象にした Allisonの研究に関して,分析を並列に並べただけという批判はあり得るとし,この方法を採用していない.. 27.
(11) 角. 一 皿. Hunterや,アメリカ政治における意思決定のあ. 程の分析には適合的ではないということも示唆す. り方を,軍産官複合体によるエリート支配とみた. る.認知科学アプローチについては,組織が個人. Millsが,エリート層の政策決定における重要性. の認知に影響することは当然考えなければならな. を指摘したのに対し,Dahlは現実の政策決定は. い.したがって,ルーティーン化された政策過程. エリートによる独占の下にはなく,きわめて多元. においても応用可能であるとも考えられる.しか. 的な人々が政策の形成に関与していることを,. し,認知科学アプローチの関心はあくまでも個人. ニューヘヴンにおける調査により実証している7.. の表象世界である限りにおいて,ルーティーンを. 特にHunterの声価法とDahlの争点法との間で. 説明するということに対しては適切な手法とはい. はCPS論争と呼ばれる議論が展開されたが,双. えないだろう.. 方とも分析単位に個人を位置づけた点においては 共通している8.. 他方,政治権力構造論の場合には,分析の際の 変数になるのが,個人の持つ地位・資産・家系・. ここまでの議論を整理すると,「決定」という. 人間関係など,比較的可視化された形で測定され. 説明変数を,個人の持つパーソナリティから捉え. るものばかりである.長期にわたる政治権力構造. るのが心理学的アプローチ,精神分析アプローチ. の変動を研究する場合は別として,政治権力構造. であり,また個人の持つ認知構造に着目するのが認. を定点観測する場合には,むしろルーティーン化. 知科学アプローチ,そして個人の持つ資源から捉え. された政策決定構造が解明すべき対象となる.. るのがCPSに代表される政治権力構造論である. 土山が指摘するように,心理学的アプローチ, 精神分析アプローチは,国際危機や戦争など,パ. 2.2 組織に着目したアプローチ9 組織に着目したアプローチにおいては,個人名. ニック状態の下での意思決定分析に相対的に有効. が出てきたとしても,それはあくまでも組織の代. である(白鳥編,1990:9郎.非日常的な意思決. 理であり,「組織の中の個人」であって,この場合,. 定を強いられる場合,人間が意思決定において依. 個人は非人格的な存在として扱われる.つまり組. 拠することができるのは,自らの信念・イデオロ. 織に着目したアプローチの前提は,組織の中の人. ギー・. 経験などである.これらは,ある程度組織. 間は,組織によって課題・利害関心・資源・状況. から自律的な部分である.逆に,このことは,こ. 認識などを定義されているということであり10,. れらのアプローチはルーティーン化された政策過. 個人のパーソナリティによる作用は副次的なもの. 7 これに対してDomhofEは,Dahlの調査したニューヘヴンをみずから再度調査し,いわゆるビジネスエT)−トが地域にお ける政策形成に大きく寄与していること,また地元のイエール大学が,Dahlが指摘したのとは逆に,政策形成においてき わめて重要な働きをしているということを述べている(Domho軋1978).. 8 Hunterにおいては,企業役員であることと個人の持つ政治権力との結びつきに注目している点に着目すれば,ある意味 においてAllisonの碇示した政府内政治モデルにも共通する認識であるとも考えられる.つまり,個人と組織との間の結び つきに注目する視座である. 9 直接政策過程を扱ったものではないが,組織に着目したアプローチの系譜は官僚制研究と密凛な関わりを有している.. Weber以来の官僚制研究の前提は,先に記した非人格化などの組織論的アプローチの前碇と類似する.Weberは,政府機 関に限らず,資本主義下における巨大組織の運営のために,必然的に官僚組織が構築されることを指摘したが,いわゆる政 治的アクターと目されるような主体,例えば政党・企業・各種団体等は,程度の差はあれ官僚制的組織を有し,組織内の個 人の認知や発言に多大な影響を及ぼす. 10 ここでいう定義と,認知科学アプローチにおける個々人のおかれた環境によって定義される認知のあり方との差異化をし ておく必要があろう.認知科学アプローチにおいては,環境は個人の認知を定義する一つの要因にすぎないが,組織に着目 したアプローチにおいては,個人の環境,すなわち組織は個人の認知を決定的に定義してしまう.これは言い換えれば,個 体差に関する幅の取り方の違いともいえるであろう.認知科学アプローチの場合,個体の持つ自由度を相対的に大きくとる が,組織に着目したアプローチの場合,その自由度は小さいか,もしくは無視されるのである.. 28.
(12) 政策過程論の分析視座. として扱うか,もしくは無視する11.また非人格. 『組織の戦略分析』では,戦略分析論が,科学的. 的な個人の集合体として組織を記述する場合に. 管理法や人間関係論などに代わる新しいパラダイ. は,それ自体内部に矛盾を抱えることのない,完. ムであるということが主張されるが,ここにおい. 結したものとして把握する.. ては,組織は決して機械的に構成された一枚岩の. Allisonの政府内政治モデルは組織に着目した. 存在ではなく,セクションごとに与えられた権限. アプローチの典型であろう.Allisonの政府内政. 等に基づく「自由な選択範囲」が存在しており,. 治モデルでは政府高官がアクターとして登場する. それが組織全体のパフォーマンスや意思決定に影. が,それらのアクターは,自己の置かれた地位に. 響するのである.. よってその主張が根拠付けられていることを. 中野による健保法改正過程の研究は,厚生官僚. A11isonは見出している.表面的に現れるアクター. による,法制定に至るまでの事前の努力を詳細に. が個人であるとしても,その個人はあくまでも組. 描写しており,また法改正が議会内の問題になっ. 織に依拠した存在であるということを,このモデ. た以降も,いわゆる族議員を中心とした,議員た. ルは強調する.. ちの動きに注目している.中野の分析に登場する. また,Allisonの第ニモデルである組織過程モ. アクターは,組織によって個々に役割を担わされ. デルも,組織に着目したアプローチとして分類す. た主体であるという点において,組織論的アプ. ることができるだろう.政府内政治モデルとの差. ローチといえる.法改正という政治現象のもとで,. 異は,政府内政治モデルでは,国内問題との兼ね. それらのアクターたちは,組織による制約を受け. 合いも含めた,広い文脈での組織同士のせめぎあ. ながら,所与の「自由な選択範囲」において,ルー. いとして政治過程が描かれるのに対して,組織過. ティーンに流されることなく活動していることを. 程モデルでは,政策決定が組織の定めたルー. 強調している(中野,1992).. ティーンにしたがって処理されるとしている点で. 基本的には組織論的アプローチはルーティーン. ある.前者では,あらかじめ異なった理解関心の. 化された政策過程の分析に非常に有効である.そ. コンフリクトが想定されているのに対し,後者に. れは組織を前提としており,分析において個人を. おいては,コンフリクトは,それぞれの組織がルー. 登場させたとしても,それは非人格的な個人とし. ティーンにしたがって処理を進めた結果として現. て扱うことが可能だからである.言い換えれば,. れるのである.. 政策過程においては,個人のパーソナリティは大. クロジュ学派の組織論は,正確には政策過程ア プローチとは呼べないかもしれないが,組織に着 日したアプローチと密接な関わりがあるように思. きな効果を発揮せず,極論すれば,誰がやっても 同じ結果となるのである.. しかしながら,Allisonによる分析に示される. われる.Crozierはフランスの官僚制について研. ように,組織に注目したアプローチは,非日常的. 究し,そこから独自の「戦略分析論」を展開した.. な政策過程の分析にも十分有効である.それは,. 従来の官僚制研究が,行政組織中心に研究されて. 現代においてはもはや組織の介入なしに政策過程. きたのと異なり,官僚制研究から組織全般に適合. を語ることができないとい. 的な理論体系を構築したところに「戦略分析論」. うにも思える.. うことを表しているよ. の独自性がある.Friedbergによって著された. 11舷橋は,こうした組織論的アプローチの前碇を,「拘束効果」「成型効果」「役割効果」「制度効果」としてまとめている. 組織の中の人間は,組織によってさまざまな制約を受け(拘束効果),そして個人はそうした制約を内面化する(成型効果). また個人は組織の中で役割を付与され,それにしたがって行動する(役割効果).そして,そうして行われた個人の行動は, 組織の行動として社会的に認知されるのである(制度効果).. 29.
(13) 角. 2.3 集団に着目したアプローチ12 政策過程論の研究は,一般にBentleyを囁矢と するとされるが,実際には,その歴史はさらに Marxにまでさかのぼることが可能である.. 一 皿. うな階級に依拠する分析がなじまないため,アメ リカの状況に適した枠組みを構成する必要があっ たと考えられるかもしれない. 日本においては,1960年に日本政治学会が圧力. Marxの階級理論は抽象度の高い原理論,もしく. 集団論に注目し,その成果が年報政治学として発. は政治的プロパガンダが多く,現状分析は比較的. 刊されるに至っている.しかしその受容の仕方を. 少ない.その中で,『フランスにおける内乱』『ル. みると,圧力集団を政治過程の中において研究す. イ・ボナパルトのブリュメール18日』『フランス. るというよりは,むしろ個別の圧力集団がどのよ. における階級闘争』のいわゆる三部作は,マルク. うな実態を持ち,そして政治過程にどのように影. ス主義理論における優れた現状分析として高く評. 響するのかということに関心がおかれている15. 価されている.そしてこれらは,Tillyが評した ように,「優れた政治過程論」でもある.. Marxの分析単位は「階級」である.階級の概. (日本政治学会,1961;田口,1969).. Allisonの示した第一モデル=合理的行為者モ デルは,集団に着目したアプローチに分類できる. 念自体は,『資本論』の完成を見ずにMarx自身. だろう.国際関係の古典的モデルとして示された. がこの世を去ったため,Marxの理論体系の中で. このモデルにおいては,政府は「合理的に」判断. は厳密な定義がなされぬままに終わったといって. し行為する,一枚岩の存在として位置づけられる.. よい.『共産党宣言』以来,ブルジョア階級とプ. それゆえ,政府の意思決定・行為は,自らの最大. ロレタリア階級の二大階級による対立という観点. 利得の獲得もしくは自らの損失の最小化を追及す. に立脚していたMarxであったが,上記の三部作. る方向へと向かうことが前提とされている.こう. にみられる現状分析に際しては,より複雑な階級. した発想は,経済学におけるホモエコノミクスの. 関係を描き出している13.それらの業績は後の集. 前碇と共通する部分である.. 団理論(GroupTheory)にも通じるものがある14.. アメリカにおいて発達した圧力集団論も,集団. 日本における政治過程分析の実証研究として, 大原/横山(1965)は先駆的業績とされている.. に着日したアプローチの一つである.Truman. かれらの分析は,基本的にMillsのパワーエリー. からはじまったとされる集団理論はその後,圧力. ト論に依拠したものであり,日本においては,ミ. 団体論・圧力集団論やロビイング研究として発達. ルズの示した軍産官複合体に代わり,高度経済成. するが,その手法は基本的にアメリカ国内にのみ. 長を推進する構造としての,国・地方自治体・企. 通じる議論として語られているように思われる.. 業の関係が描かれる.この中でも,特に企業=ビッ. ヨーロッパのように,身分社会や封建社会の伝統. グビジネスの政治過程に果たす役割が強調されて. のないアメリカにおいては,マルクスが行ったよ. いる.マルクス主義の伝統を強く受けたかれらに. 12 集団と組織を厳密に分けるということは,実はそれほど簡単なことではない.本稿では,個別の企業や政党,省庁といっ たものを組織とし,それらを続括する単位,例えば経済団体・業界団体・政府といったものを集団として措定している.つ まり,個別利益を超えた,ある種の集合的利益を追求する存在として集団を考えるということである.. 13 Malletは,Marxは『フランスにおける階級闘争』において7つの階級を登場させていると述べるが,それが具体的に どのようなものなのかは明示していない.またMalletによれば,Engelsも,ドイツ農民戦争を分析した際に8つの階級を 登場させているとしており,マルクス主義が二大階級論を建前として論じながら,事例分析においては多様な階級が政治過 程に参与していることを記述していると指摘している. 14 しかしながらMarxの階級は,集団理論におけるような具体的・明示的な集団ではなく,職業・財産・文化などによって 規定されたものであり,それはアモルフな存在である点で,後の集団理論とは一線を画していることも事実である. 15 それらは概して,対象として取り上げた圧力集団に対して批判的な立場をとっており,かれらが圧力集団論を導入した時 点で,そこにはある種の前提,すなわち政治過程に「負の」影響を与えようとする圧力集団に対する批判的視点がみてとれる.. 30.
(14) 政策過程論の分析視座. とっては,そうした視座がごく普通に設定された. がより重要性を増していると考えられる.キー. ものと推測される.かれらの認識では,政治過程. パーソンとして個々の政治家が浮かび上がってき. においては企業の合理性が追求されるということ. たとしても,それは政治家自身が就任している役. になるのである.. 職,もしくはかつて就任していた役職による効果. 大嶽(1996)では,イシューアプローチを分析. であることを考慮すれば,政策過程分析において. 手法として掲げて欠陥車問題・日米繊維交渉・新. 重要なのが組織や集団であるということは明らか. 日鉄合併問題の,3つの政策過程の事例分析を. である.個人に着目したアプローチにおいて取り. 行っているが,分析単位として政党・政府官庁・. 上げた政治権力構造論でも,すでにHunterが指. 企業などの組織の他,業界団体・経済団体などの. 摘しているとおり,第一級の権力の所有者は大企. 集団を設定している.大原/横山においては,大. 業を背景に有している.このことからも,政策過. 企業の利害はいわゆる「総資本」の利害と一致す. 程分析における組織の重要性が裏付けられるであ. るものとして単純化されているが,大嶽の分析か. ろう.また,Marxの分析に見られるような階級. らはむしろ,日本経済を総体から見る経済団体と,. のような不定形の集団も,中野が示した世論政治. 自社の利害関心から見る個別の企業と,その中間. などの説明には役立ちこそすれ,一般的な政策過. に位置する業界団体との間には,常に意見の一致. 程分析においては,それは分析単位というよりも. がみられるわけではなく,状況によっては敵対す. むしろ個々のアクターを動かすに至る影響要因と. る可能性もあることが示される.. して認識しなければならない.本稿では便宜的に,. 大嶽の分析においては,個人名が頻繁に出てき. 企業などの個々の組織を包括する上位組織を集団. ており,パーソナルネットワークの存在も重要視. として扱ったが,それらを組織として把握するこ. される.しかし,個人によるパーソナルネットワー. とももちろん可能である.本ノ稿の結論をまとめれ. クの活用において重視されるのは,基本的に集団. ば,政策過程論において主体の単位として最も重. の利害関心の追求である.それは,場合によって. 要なのは組織であり,個人も基本的には組織の一. は自己の存立基盤でもある出身企業の利害と一致. 員として扱われる必要があるということ,個人的. しない場合も往々としてあるのである.. 信条やイデオロギー,もしくは不定形な集団と いったものは,補助的・副次的な要因としてあつ. 2.4 小 指 ここでは,主体の分析単位によって政策過程論. かう必要があるということである. しかし,現実には,アプローチの選択は,研究. の分類を試みた.それぞれのアプローチの間には. 者が集めた資料によっても制約を受けることを免. 優劣関係などもちろんなく,論者が何を知りたい. れない.アメリカのように情報公開が進んでいる. のか,何を明らかにすることを課題としているの. 国においては,一次資料が極めて充実しているた. かによって,アプローチは選択されるべきである. めに,Allisonの研究にみられるような,組織も. ことは間違いない.. しくは政府内における意思決定に対する深い洞察. 個人の心理に着目したアプローチは,危機的・ 非日常的な政治過程を分析する上で有効である. が可能である.しかし,日本においては,大嶽 (1996)の研究にみられるように,審議会の議事. が,非日常的な政策過程では個人を分析単位とし. 録すら非公開の場合もあり,一次資料へのアクセ. なければならないという必然性があるわけではな. スは,せいぜい関係者へのインタビューに限られ,. いということは,Allisonの研究からも明らかで. 多くの部分を新聞や雑誌などの二次資料に依拠す. ある.むしろ,巨大組織や集団が権力や影響力の. るより他ない.組織に着目するアプローチの有用. 変換装置として重要な役割を果たしている今日に. 性は非常に高いものがあるが,資料的限界も現実. おいては,組織および集団に着目したアプローチ. としてあるということを判断基準に含めつつ,ア. 31.
(15) 角. 一 皿. ブローチの選択はなされなければならないだろう.. 参考文献 ・開場寿一,2000,『講座社会学9政治』東京大学出版会.. 3 結 語. ・秋元律郎,1971,『現代都市の権力構造』青木書店. ・秋元律郎,1981,『権力の構造』有斐閣.. 本稿では,既存の政策過程論に関する整理を概. ・Allison,G.H.,1971,Eおenceq′Deciiion:e二ゆIainingthe. 観し,近年の政策過程論が,基本的には,個別の. CubanMissile Crisis,Boston:BrownandCompany.. ケーススタディの域から脱し,より抽象度の高い 理論化・モデル化・類型化への道を模索している. (=1977,宮里政玄訳,『決定の本質 キューバミサイ ル危機の分析』中央公論社). ・Apter,D.E.&Sawa,N.,1984,AgainsttheState:Poli−. ことに言及するとともに,政策エリアや政策類型. ticsandSocialProiestinJqPan.Camblidge:Harvard. をカテゴリーとした「中範囲の理論」の構築が期. UniversityPress.(=澤良世訳,1986,『三里塚 もう. 待されている潮流を示した.また,主体の分析単. ひとつの日本』岩波書店). ・Bentley,A.F.,1908,TheProcessq/Government:A. 位に注目して,既存の政策過程論の先行研究を簡. Stu4yq/SocialPressures,Chicago:UniversityofChi−. 単に整理し,それぞれの特徴について検討した上. cagoPress.(=1994,喜多靖郎/上林良一訳,『続治. で,現代の政策過程を解明するにあたっては,政. 過程論 社会圧力の研究』法律文化社). 治権力や政治的影響力の変換装置である組織を分 析の中心におく必要があるということを主張し. ・Broadbent,J.,1997,EnvironmentalPoliticsinJWan Netu,OrhsofPou,erandProtest.NewYork:Cam− bridgeUniversityPress.. ・Crozier,M.,1963,LePhenomeneBureauclatique:. た.. これらの結論は,結果としては既存の研究の整 理から導かれたものであり,目新しいことを述べ. ごJJtイJJJ/■ん、∫rr〃一山JJl、t、JβJJ/■tVJハ、んJ〟吋〟l、∫亡ん、Jベl・∫/r〃h、∫ (J−り/㍗(川た(J∫(J/才一りJ∫.1ん(Jり・JJ(・∫(・/∫Jげ/√〟/・∫凡・んJ/才一りJ∫r〃. 伽nceavesle$ysiemeSocialetCulturel,Paris,Seuil.. ているということではない.しかしながら,政策. (=1964,TheBureaucraticPhenomenon,Chicago,Chi−. 過程分析において往々として忘れられがちな,ア. cagoUniversityPress.). カデミックな理論化に対する貢献の意識の重要性 を指摘し,同時に,アドホックな説明に陥りがち. な政策過程分析に対する,ささやかな警鐘を鳴ら. ・Curtis,G.,1969,ElectionCampaig71ingJ妙aneseS&le. (=山岡清二訳,1971,『代議士の誕生 口本保守党の 選挙運動』サイマル出版会). ・Curtis,G.,1987,TheJL4)aneSe W7わ′q/Politics.(=山. したつもりである.確かに,優れたケーススタディ. 岡清二訳,1987,『日本型政治の本質 自民党支配の民. が単独で創発的な機能を果たすことはありえる.. 主主義』TBSブリタニカ). しかし,政治学および政治社会学を対象に学究の. ・Dahl,R.A.,1961,WhoGoverns.?−Democracyand PouJerinanAmericanCi抄,NewHeaven,YaleUni−. 道を歩む者は,創発的な理論・モデルの構築に関. versityPress.(=河村望/高橋和宏監訳,1989,『続. 心を持つべきである.そして,創発的な理論・モ. 治するのは誰か アメリカの一都市における民主主義. デルは,分析単位や所与の前碇等,さまざまな事. と権力』行人社). 柄について精微化されていることが望ましい.も ちろん,荒削りな理論等が創発性を有することを 否定するものではないが,現実の政策過程を「正 確に」理解するための装置として,政策過程の理 論やモデルは精緻であるべきであると筆者は考え る.今回は主体の分析単位に着目して整理を行っ たが,これ以外にも検討すべき点は多数に上る.. それらを十分に自覚した上で,政策過程論に取り 組まれることが望まれているように思われる.. 32. ・DomhofE,G.W.,1978,mOReal&Rules.?:Nbu,肋ven andCommuni&Pou,erReexamined,NewBrunswick and London:Transaction Books.. ・Fricdbcrg,E.,1972,L’AnalyseSocioroglqueSdes Oタ苫㍑nization,Paris,GREP.(=1989,舷橋晴俊/アル ヴァレス訳,『組織の戦略分析』新泉社) ・船橋暗俊/長谷川公一/畠中宗一/勝田晴美,1985,『新 幹線公害 高速文明の社会問題』有斐閣. ・船橋晴俊/長谷川公一/畠中宗一/梶田孝道,1988,『高. 速文明の地域間超 東北新幹線の建設・紛争と社会的 影響』有斐閣. ・船橋暗俊//長谷川公一//飯島伸子,1998,『巨大開発の.
(16) 政策過程論の分析視座 構造と帰結 −むつ小川原開発と核燃料サイクル施設 −』東京大学出版会. ・船橋暗俊//角 一典//湯浅陽一//水澤弘光,2001,『「政. 府の失敗」の社会学 啓備新幹線建設と旧国鉄長期債 務問題』ハーベスト社.. ・Galbraith,J.K.,1967,TheNiuJlhdustrialStaie,Houg− tonMifEinCompany,Boston.(=都留重人監訳,1968, 『新しい産業国家』河出書房). ・片岡寛光編,1994,『現代行政国家と政策過程』早稲田 大学出版部.. ・小林良彰,1997,『現代R本の政治過程 R本型民主主 義の計量分析』,東京大学出版会. ・児玉隆也,2001,『淋しき越山会の女王』岩波現代文庫.. ・Kriesi,H.,R.Koopmans,J.W.Duyvendak,M.G.Giugni, 1992,NewSocialMovementsandPoliticalOppotuni− tiesinWesternEuropa,Eur坤ianJournalq′Politica1. ・Hilgartner,S.andBosk,C.L.,1988,TheRiseandFall 月ゼ∫gαγCゐ22:219−44. ofSocialProblems:A Public ArenasModel.Amer一. 才c(7乃ノ玩〝徴扉q′50Cわわgリ94(1):53−78.. ・草野 厚,1989=1997,『国鉄解体 JRは行政改革の 手本となるのか』講談社文庫.. ・広瀬道貞,1981,『補助金と政権党』朝日新聞社.. ・草野 厚,1997,『政策過程分析入門』東京大学出版会.. ・Hunter,F.,1953,CommuniiyPou,erStructure:A. ・京極純一,1983,『日本の政治』東京大学出版会.. Stu4yqfDecision腸kers,NorthCarolinaStateUni− versityPress.(=鈴木広監訳,1998,『コミュニティ の権力構造 一政策決定者の研究−』恒星社厚生閣). ・堀 要,1996,『日本政治の実証分析政治改革・行 政改革の視点』東海大学出版会. ・飯尾 潤,1993,『民営化の政治過程 臨調型改革の成 果と限界』東京大学出版会. ・猪口 孝//岩井春信,1987,『「族議員」の研究 自民党 政治を牛耳る主役たち』日本経済新聞社. ・井上孝夫,1996,『白神山地と青秋林道 一地域開発と 環境保全の社会学−』東信堂. ・磯崎育男,1997,『政策過程の理論と実際』芦書房. ・岩井奉信,1988,『現代政治学叢書12 立法過程』東京 大学出版会. ・角 一典,1999,「整備新幹線の政策過程」『年報社会 学論集』12:96−107.. ・角 一典,2000a,「国家計画と地域計画の相克熊本 県八代市における新幹線建設過程を事例として」『地域 社会学会年報』12:79−97. ・角 一典,2000b,「住民運動の失敗/成功と政治的機. ・Lasswell,H.D.,1948,Pou,erandPe7TOnali&,NewYork :W.W.Norton.(=1954,永井陽之介訳,『権力と人間』 東京創元新社). ・Lehmbruch,G.andSchmitter,P.C.(eds.),1982,hd− iernsq/Co坤OlatiitPolicy腸hing,SAGEPublications, BeverleyHillsLondon.(=山口定監訳 高橋 進//辻 中 豊//薮野祐三//阪野智一//河越弘明訳,1986,『現 代コーポラティズム2 先進諸国の比較分析』木鐸社). ・Lowi,T.J.,1970,DecisionMakingvs.PolicyMaking: Towardanantidotefordemocracy,PublicAdminis− //TJ〟「川風・高Ⅷ・.. ・Lowi,T.J.,1972,FourSystemsofPolicy,Politics,and Choice,PublicAdminiit77dionRevieuJ. ・Majone,G.,1989,Evidence,Aプg〝mentandPe7TuaSion inthePolicyProcess,YaleUniversityPress.(=今村 都南雄訳,1998,『政策過程論の視座政策分析と議論』 三嶺書房). ・Mallet,S.,1963,Lanouvelleclasseouvriere,Paris, Seuil.(=1970,海原唆/酎Il一郎訳,『新しい労働者 階級』合同出版). 会構造長野県東借地域における二つの住民運動の比較. ・升味準之輔,1969,『現代日本の政治体制』岩波書店.. 分析」『現代社会学研究』13:27−43.. ・松井隆幸,1997,『戦後日本産業政策の政策過程』九州. ・角 一典,2001,「全国新幹線鉄道綱の形成過程」『北 海道大学文学研究科紀要』105:105−134. ・角 一典,2003,「巨大公共事業における地方の政策過. 大学出版会.. ・McAdam,D.andMcCarthy,M.N.Zald(eds.),1996, (1「りナノ♪(げ(浴J・l・凸・/1津l・(、/′J・√「りJバーけ晶/.1んJ・√〃Jr〃/∫.・♪〃什. 程の特色 北陸新幹線建設における並行在来線経営分. /′r〟/(加両川加・∫‥1ん鋸/′ふ′JJgJ//・Jハ、/JJハ・∫(川(J(1JJ//JJ川/. 離を事例として」『北海道教育大学紀要 人文科学・社. F/…扇JJ㌦.(t川Jわイ(如・.. 会科学編』54(1):87−97. ・角 一典,2005,「九州新幹線建設における並行在来線. 問題の政治過程 八代一川内間の経営分離をめぐって」 『北海道教育大学紀要 人文科学・社会科学編』56(1) :33−49.. ・加茂利男,1993,『日本型政治システム 集権構造と分 権改革』有斐閣. ・片桐新自,1995,『社会運動の中範囲理論資源動員論 からの展開』東京大学出版会.. ・御厨貴,1995,『政策の総合と権力 日本政治の戦前と 戦後』東京大学出版会.. ・Mills,C.W.,1956,ThePouJerElite,NewYork:0Ⅹ− fordUniversityPress.(=1969,鵜飼信成/綿貫議治訳, 『パワー・エリート(上)(下)』東京大学出版会). ・元島邦夫/庄司興書編,1980,『地域開発と社会構造. 苫小牧東部大規模工業開発をめぐって』東京大学出版 会. ・村松岐夫,1981,『戦後日本の官僚制』東洋経済新報社.. 33.
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