第二学年 道徳科学習指導案
1 主題名 認め合い学びあう心を B 相互理解,寛容 教材名 「言葉の向こうに」(私たちの道徳) 2 主題設定の理由 ○ 本学級は男子◯名、女子◯名の学習室との交流学級である。事前アンケートの結果によると、◯%の生徒が SNS を利用したことがあり、全ての生徒が、人の考えは自分が生活するうえで大切だと考えていた。しかし、 ◯割の生徒が自分の考えや意見を伝えることは大切だと感じながらも、相手との考えが違う時に自分の考え に不安を覚え、自信が持てていない生徒が半数以上いることがわかった。また、相手を理解する為には認め 合い、信頼し、個性を大切にしたうえで相手の立場で考えることが大切だと感じながらも、立場や状況が違 えば、相手の意見を受け入れるかわからない生徒が◯%以上いた。そこで、人間として成長をしていく為には、 相互に個性や立場を尊重し、相手や場面が変わっても、寛容の心を持って謙虚に他に学んでいくことの大切 さを再度理解させ、それを実践していく行動力を育てていきたい。 ○ 寛容とは、心が広く、他人の言動をよく受け入れることであり、また、他人の過失などを許すことである。 人間は、大抵の物事についてその全体を知り尽くすことは難しく、自分なりの角度や視点から物事を見るこ とが多い。また、人にはそれぞれ、自分のものの見方や考え方、個性がある。それらさまざまな個性をもっ た人たちが集まり、この社会は形成されている。さまざまな個性があるため、ときには、相手の考え方が違 うことに戸惑う場面が出てきたり、相手の考えを理解することができず、上手に相手と接することができな かったりする場面も出てくる。それゆえ、一人の人間として、心を広げ、相手の考えや立場、個性を認めて いこうとする心構えを育てることや相手のことを尊重した行動をすることが大切になってくる。 急速に進化する情報社会だからこそ、情報機器を使ったコミュニケーションの在り方を中学2年生のこの 時期に考えさせることは、大変有意義であると考える。 ○ そこで、本主題の指導にあたっては、読み物資料「言葉の向こうに」を通して、主人公加奈子の立場から、 それぞれの個性や立場、いろいろなものの見方や考え方があることを議論させることにより多面的・多角的 に考えさせ、寛容の心を持って謙虚に他に学び行動していこうとする態度を育てることをねらいとする。 本資料は、ヨーロッパのサッカーチームのA選手のファンである加奈子が、ファンサイトでの中傷の書き 込みに対して冷静さを欠き、ひどい言葉で応酬し、注意されてしまう出来事が舞台である。自分の気持ちが 理解されないことで、心無い言葉をたくさん書き込んでいく加奈子が、ファンサイトの人から注意を受け、 顔の見えないネット上での言葉のやりとりの難しさや恐ろしさに直面することにより、サイトの字面だけに とらわれ寛容の心を失い、言葉の向こうに人がいることを忘れていた自分に気づかされる資料である。 本時指導にあたっては、まず【導入段階】で、ICTを活用してファンサイトの書き込みをリアルに提示 し、興味・関心を高めさせる。次に【展開前段】では、資料①を読み加奈子のとった行為を理由も含め多面 的に考えさせ、いろいろなものの見方や考え方があることに気づかせ、SNS と日常の会話の違いを明確にす る。さらに【展開後段】では、加奈子が発見した一番大事なことを考えさせる。その際、(1)他者の判断の 理由を考える活動として、6人班でそれぞれがどの視点から判断したのかを考えさせる。(2)議論の場とし て、それぞれの考えの共通点を見つけさせ、それをもとに一番大事なことを1つに決定させる。(3)議論の 過程を伝え合う活動として、班内の意見と共通点から一番大事なことを報告させる。以上の(1)~(3) の場を設定することにより、多角的に考え、多くの人が見ていることを忘れず、互いに考えが異なっても認 め合い、言葉の奥にある思いや気持ちを交し合うことの大切さを理解させる。最後に【終末段階】では、高 まった道徳的価値を基に、これまでとこれからの自分の行為を考えさせ、寛容に行動する大切さを味わわせ ていきたい。 3 計画(1時間+課外) ○ SNS を利用する際の利便性、危険性を整理し、使用する時のマナーについて理解させる。 ・・・ 課外 ① 「それぞれの立場を尊重し、寛容に行動する大切さ」について話し合わせる。 ・・・1本時 ○ 日常生活において、言葉の向こうにある、人の思いを考えて行動させていく。 ・・・ 課外 4 ねらい ○ 様々な相手の状況や立場を認め尊重することを意識して自分の考えや意見を伝えることの大切さを理解し、 伝えていこうとする態度を育てる。 ○ ICT を活用することにより加奈子の気持ちに目を向けさせ、自分の立場を理解させた上で議論させ、多面 的・多角的に思考し、相互理解、寛容の大切さを主体的に追及することができるようにする。 5 準備 資料①(P80、急におなかがすいてきちゃった。まで)、資料②(最後まで)TV、PC ワークシート、発問シート6 学習指導過程 過程 学 習 活 動 教師の具体的な支援 導 入 展 開 前 段 展 開 後 段 終 末 1.本時のねらいや方向を確認する。 (1) 掲示板の書き込みを見て、自分の立場を決定する。 ・言い返す(悪口を先に言った相手が悪い) ・無視する(関わりたくない、言っても無駄) ・注意する(楽しいサイトを大切にしたいから) (2) 本時のめあてを確認する。 2.資料「言葉の向こうに」の範読を聞き、加奈子の行動について考える。 (1) 資料①を読み、加奈子のとった行為について考える。 肯 定 否 定 理 由 ・言論の自由がある ・最初に場を乱したのは向こうだから ・相手の考えに意見をぶつけただけ ・相手の考え方が悪いから指摘した ・相手の意見もある ・お互いに非を認めるべき ・気持ちのいいサイトにしていくべき ・言い返しても無駄 (2) SNSと日常での会話の違いを確認する。 ・相手の状況がわからない(表情、声、思い) ・相手の考えが伝わりにくい(文字だけの表現だから) ・たくさんの人が見ていて、会話したことのない人とも話をする (3) 資料②を読み、加奈子が発見したことについて考える。 ・言葉の奥にある思いや気持ちを交わし合うことが大切。 《理由》やりとりしている言葉は人の全てではなく一部であるから ・相手の顔を思いうかべながらコミュニケーションすることの大切さ 《理由》自分の書いた言葉によって相手が喜ぶか悲しむかを意識することが大切だから ・互いに考えが異なっても、認めあい相手のことを考えることが大切 《理由》人には様々なものの見方や考え方があるから ・多くの人が見ていることを忘れない。 《理由》サイトは自分だけのものでなく、みんなが気持ちよく使うものだから 3.今日の授業で学んだことを振り返る。 (1) これまでの自分の行為と、これからの自分の行為について考える。 ・言葉の奥にある思いや気持ちを考えて行動する ・相手の顔を思いうかべながらコミュニケーションしていく ・人には様々なものの見方や考え方があるから、認め合っていく ・サイトはみんなが気持ちよく使うものだということを忘れない ・互いに学び合っていくことが大切という気持ちをもつ 〇 ICT を活用してファンサイト での書き込みをリアルに提示し、 興味・関心を高めさせる。 ○ 自分の立場を理解させる為に、 ネームプレートを貼らせ視覚化 し、理由を共有する。 ○ 生徒の日常的な道徳実践につ ながるようにするために、加奈子 のとった行為について、肯定と否 定の立場から多面的に考えさせ る。 ○ 加奈子の状況を明確にするた めに、SNS と日常の会話の違いを 考える場を設定する。 〇 高まった道徳的価値を日常生 活で実践できるようにするため に、コミュニケーションをする上 で大切にしていくべきことを考 えさせる。 あなたがA選手のファンの立場なら、どうしますか? めあて:自分の考えや意見を伝える時に大切なことは何か考えよう 加奈子が発見した「一番大事なこと」って何だろう? まとめ:言葉を受け取る相手の立場や考えの違いを理解し、 自分の考えや意見を伝えることが大切 これまでの自分の行為と.これからの自分の行為について、今日学んだ ことをもとに、自分の考えを書きましょう。 加奈子がとった対応を、どう思いますか? 加奈子の今の状況は、日常の会話と何が違うのでしょうか? 【他者の判断の理由を考える活動】 〇 本時のねらいを達成する為に、 個人で考えた後、6人班で一番大 事なことを出し合い、それぞれが (2)のどの視点から決定したのか を考えさせる。 【議論する活動】 ○ 相手の立場や状況を考えて自分 の意見を伝える大切さに気づかせ る為に、班員の考えの共通点を議 論し、班で一番大事なことを1つ に決めさせる。 【議論の過程を伝え合う活動】 ○ 道徳的価値を高める為に、班内 の意見と共通点から、理由をもと に一番大事なことを報告する場を 設定する。