【原 著】
マウスにおける還元型コエンザイム Q10 と運動トレーニング
が酸化ストレス防御系と運動能力におよぼす影響
Effect of the Reduced Coenzyme Q10 and Exercise Training on
the Oxidative Stress Regulation System and Exercise Capacity
in Mice
丸岡 弘
1,*,藤井健志
2Hiroshi MARUOKA
1,*, Kenji FUJII
21 埼玉県立大学保健医療福祉学部 2 (株)カネカ QOL 事業部学術・知財グループ 【要 旨】 目的:マウスにおける食品摂取と運動トレー ニング (EX) が酸化ストレス防御系や運動能 力へおよぼす影響について検討した. 方法:対象は雄性マウス 46 匹とし,無作為 に還元型コエンザイム Q10 (H2CoQ10: QH) 摂取群,QH 摂取+EX 群,EX 群,コント ロール群の 4 群に区分した.全群は研究開始 時と研究開始 3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時 点においてラット用トレッドミルにて限界走 行させ運動能力(走行時間)を測定した.酸 化ストレス防御系は活性酸素・フリーラジカ ル分析装置を使用し,研究開始時と 6 ヶ月の 時点で酸化ストレス度 (d-ROM test) と抗酸化 力 (BAP test) を測定し,d-ROM/BAP 比を算 出した.また,9 ヶ月の時点では速反応性/ 遅反応性抗酸化力 (ANTI-ROM test),血漿 QH 値と血漿 Q10 値を測定し,還元比率を算出し た. 結果:運動能力は短期効果として QH 摂取と EX の併用により走行時間の延長を,長期効 果として EX の有無にかかわらず QH 摂取に より走行時間の延長を認めた.酸化ストレス 防御系は d-ROM test などにおいて QH 摂取 と EX の併用による影響を認めなかったが, 血漿 QH 値や還元比率では高値を認めた.つ まり,QH 摂取と EX の併用は運動によって 生じた過剰な酸化ストレスに対して抗酸化作 用が賦活化された状態であることが示され た. 結論:QH 摂取と EX の併用は運動能力や還 元比率などの酸化ストレス防御系に影響をお よぼすことが明らかになった. 【キーワード】 還元型コエンザイム Q10,運動トレーニン グ,酸化ストレス防御系,マウス はじめに 酸素はヒトを始めとした好気性生物の生命維持に必須 なものであると同時に,生体に様々な酸化障害をもたら している.この酸化障害は生体の内外で発生した活性酸 素(スーパーオキシドラジカルやヒドロペルオキシラジ カルなどを総称して酸化ストレス)により,脂質,糖, 蛋白質,DNA などを攻撃し,脂質や糖の酸化,タンパク 質の変性,酵素の不活性化,DNA の塩基修飾や主鎖の切 断を引き起こす1).生体は生命を維持するために,自律 神経系や内分泌系,免疫系,酸化ストレス防御系などの さまざまなホメオスタシス機構を有している2).特に,酸 化ストレス防御系は,「生体の酸化反応(酸化ストレス 度)と抗酸化反応(抗酸化力)の平衡(潜在的抗酸化力)」 であり,健康・栄養・疾病との関連性が報告されている2). 受理日:2011 年 7 月 19 日
さらに酸化障害に対しては,予防型抗酸化物やラジカル 捕捉型抗酸化物,修復再生型抗酸化物などの防御機能を 備えている3).防御機能の内,ラジカル捕捉型抗酸化物 は生成した活性酸素を速やかに消去,捕捉,安定化させ る機能があり,ビタミン C などの水溶性のものとカロテ ノイドやビタミン E,還元型コエンザイム Q10 (H2CoQ10: QH) などの脂質性のものに分けられる.なお,ビタミン C や QH などの食品摂取は運動と共にアンチエイジング などの対策になっている4–7).一般的にコエンザイム Q10 (CoQ10) は,酸化型 CoQ10(ユビキノン)が用いられて きたが,生体内では還元酵素により QH(ユビキノール) に変換されており,QH が主要な CoQ10 となっている. また,生体内の QH の値や酸化型 CoQ10 から QH に変換 される能力は加齢により低下するため8),QH と酸化型 CoQ10 の摂取による生体への作用が大きく異なること が報告されている9).特に,抗酸化作用を持つことが知 られている QH 摂取の効果には,老化症状の発現遅延9) や心理的要素への影響10),高齢者の QOL 改善効果11),疲 労への効果12)などが報告されている.しかしながら,QH による食品摂取と運動トレーニング (EX) が酸化ストレ ス防御系や運動能力におよぼす影響を検討した報告は少 ない12).特に,酸化ストレス防御系に関しては酸化スト レス度と抗酸化力,速反応性と遅反応性抗酸化力,血漿 QH 値と血漿酸化型 CoQ10(血漿 Q10)値から還元比率 を測定し,包括的な検討をした報告がみられない.また, 成長過程(若年~中年)における運動能力などにおよぼ す影響を検討した報告も見られない. 一方,呼吸により取り入れた酸素の数%は細胞内のミ トコンドリア内の電子伝達系などから逸脱し,水や水酸 化物まで還元されない酸化ストレスとなる.運動時には 活動組織への酸素流量が安静時の 100 倍にも達すること から,酸化ストレスの生成量も運動強度に相関して上昇 する.そのため,マラソンなどの消耗的な運動後にはク レアチニンキナーゼの上昇と共に脂質酸化生成物(酸化 ストレス)が増加し,抗酸化物質が減少することが報告 されている13).ラットに対する一過性の運動や継続的な トレッドミルによる運動14),さらには食品摂取(acetic acid や reserpine)と継続的な強制水泳による運動が酸化 ストレスや抗酸化力へおよぼす影響の検討15)がされて いるが,成長過程のマウスに対して QH などのラジカル 捕捉型抗酸化物の食品を摂取させ,還元比率などの検討 を行った報告が見られない.また,QH 摂取による運動 への効果に関しては,ラットに対する強制水泳時間の延 長が報告されているが12),重力下での限界走行や酸化ス トレス防御系への影響についての検討がなされていな い. そこで,今回は実験動物(成長過程のマウス)を対象 に QH 摂取量を規定し,長期間の QH 摂取と EX が酸化 ストレス防御系や運動能力におよぼす影響について検討 した.今回,酸化ストレス防御系は酸化ストレス度 (Reactive oxygen metabolites test: d-ROM test) と抗酸化力 (Biological antioxidant potential: BAP test), BAP/d-ROM 比 (BAP test/d-ROM test),速 反 応 性 と 遅 反 応 性 抗 酸 化 力 (ANTI-ROM test),還元比率により包括的に評価を行っ た. 材料・方法 1. 実験動物 実験には 4 週齢の ICR 系雄性マウス(日本エスエル シー株式会社)計 46 匹を用いた.全てのマウスは,1 週 間の馴化飼育中にラット用トレッドミル(大阪マイクロ システム社製 TM-R-N1: TM)に慣らせるための走行運動 を 3 回実施した(①速度 20 m/sec・傾斜 0 度・時間 10 分, ②速度 10 m/sec・傾斜 20 度・時間 30 分,③速度 20 m/ sec・傾斜 10 度・時間 30 分).なお,走行運動は①~③ の順番で,1 回/1 日の頻度で実施した.その後,5 週齢 の時点で無作為抽出により 4 群(A 群:QH 摂取群,B 群:QH 摂取と EX 併用群,C 群:EX 群,D 群:コント ロール群,A 群~C 群は各 10 匹,D 群は 16 匹)に区分 し,実験を開始した(図 1).実験開始後,脱落は 3 ヶ月 (17 週齢)の時点で 3 例(B 群 2 例,D 群 1 例,なお,B 群の内 1 例は実験開始時の TM 限界走行時に脱落),6 ヶ 月(29 週齢)の時点で 6 例(A 群 1 例,B 群 2 例,C 群 1 例,D 群 2 例),9 ヶ月(41 週齢)の時点で 3 例(C 群 1 例,D 群 2 例)となり,脱落数は全体で計 12 例(23.9 %)となった.脱落の主な理由は TM 走行時のトラブル (主に走行ベルトと走行面後方の電気刺激装置に挟まれ たことにより受傷した例など)と自傷行動による走行不 能例であり,QH 摂取の副作用による例は見られなかっ た. 全てのマウスは室温 20 ± 1℃,相対湿度約 50%,12 時 間(7–19 時)の明暗周期の環境下で飼育し,固形飼料 (CE-2,日本クレア)を自由摂取させ,行動には制限を 設けなかった.A 群と B 群は QH 摂取 2 日前に TM にて 限界走行をさせ,QH(ユビキノール,カネカ製 QH 安定 化粉末)(300 mg/Kg) を強制経口摂取(1 回のみの投与) させた 3 時間後に再度,限界走行を行わせた.また,C 群と D 群は A 群と B 群と同様のタイミングにて限界走 行(2 回)を行わせた.その後,A 群と B 群は QH 安定 化粉末の懸濁水を入れたボトル式給水ビンを使用し QH を自由に摂取(毎週,給水量や体重の増減を確認し,QH
含有量が 300 mg/Kg になるよう調合),C 群と D 群では 水道水の給水を自由にアクセスできるようにした.QH の摂取量に関しては先行研究9)を踏まえた.なお,米国 栄養評議会の副作用などに関するリスクアセスメントで は酸化型 CoQ10 摂取の場合,1 日 1,200 mg まで健康上の リスクがないことや16),また,1 日 3,000 mg を服用して も副作用を認めないことが報告されている17).QH に関 してはヒトを対象にして,最大 300 mg/日を 1 ヶ月摂取し た安全性試験で問題がないことが報告されている18). 2. プロトコル 実験は実験開始時(5 週齢)より 9 ヶ月(41 週齢)迄 とし,酸化ストレス防御系や運動能力としての TM 走行 時間,体重などを実験開始時(5 週齢),実験開始から 3 ヶ月(17 週齢),6 ヶ月(29 週齢),9 ヶ月(41 週齢) の各時点で測定した(図 2). 3. TM 走行時間の測定と運動トレーニング TM 走行時間(実験開始時~9 ヶ月の各時点で測定)は TM を用いて限界走行させ,運動終了の基準は TM 走行 面後方の電気刺激の時間間隔が 5 秒以内となった時点と 図 1 実験デザイン 実験は 4 週齢の ICR 系雄性マウス計 46 匹を用い,1 週間の馴化飼育を行った後,5 週齢の時点で無作為に 4 群に区分した.脱落数は 9 ヶ月(41 週齢)の時点までに全体で 12 例(23.9%)を認めた. A 群:還元型コエンザイム Q10 (QH) 摂取群,B 群:QH 摂取と運動トレーニング併用群,C 群:運動トレーニング群,D 群:コント ロール群,TM:ラット用トレッドミルを示す.括弧内は対象数を示す. 図 2 実験プロトコル 実験は実験開始時(5 週齢)より開始し,9 ヶ月(41 週齢)で終了した.酸化ストレス防御系(d-ROM test など)や走行時間,体重な どは研究開始時(5 週齢),3 ヶ月(17 週齢),6 ヶ月(29 週齢),9 ヶ月(41 週齢)の各時点で測定した.なお.血漿 QH 値などは 9 ヶ 月(41 週齢)の時点で測定した.
d-ROM test (Reactive oxygen metabolites test):酸化ストレス度,BAP test (Biological antioxidant potential):抗酸化力,ANTI-ROM test:速 反応性/遅反応性抗酸化力,血漿 QH 値:血漿還元型コエンザイム Q10 値,血漿 Q10 値:血漿酸化型コエンザイム Q10 値を示す.
した.なお,運動強度は速度 25 m/min・傾斜 20 度に設 定した(最大酸素摂取量の約 80%に相当19)).また,TM 走行時間は疲労による影響などを検討するため 2 回測定 (初回測定後,疲労による影響を省くために 48 時間後に 2 回目を測定)し,変化量(2 回目の測定値-初回測定 値)を算出した.EX は B 群と C 群において TM(先行 研究20)を参考にして速度 20 m/min・傾斜 10 度・30 分, 週 2 回に設定)を用いて実施したが,A 群と D 群では実 施しなかった. 4. 酸化ストレス度などの測定 酸化ストレス防御系は活性酸素・フリーラジカル分析 装置(ディアクロン社製 FRAS4)を使用し,d-ROM test と BAP test を安静時と走行直後に測定し,BAP/d-ROM 比(BAP test 値/d-ROM test 値)を算出した(実験開始 時と 6 ヶ月の時点で測定).さらに,フリーラジカル解析 装置(ディアクロン社製 FREE carpe diem)を使用し, ANTI-ROM test を 9 ヶ月の時点で走行直後に測定した. また,電気化学検出器(SHISEIDO 社製高速液体クロマ ト グ ラ フ ィ ー:High performance liquid chromatography; HPLC)を使用し,酸化ストレスマーカの血漿 QH 値と血 漿 Q10 値を測定し,還元比率(血漿 QH 値/血漿 QH 値 +血漿 Q10 値)を算出した(9 ヶ月の時点で走行直後に 測定).なお,d-ROM test や BAP test の測定には尾静脈 より採血(約 50 μl),HPLC や ANTI-ROM test の測定に は安楽死直後の開胸による動脈採血(約 150~200 μl)を 実施し,直ちに遠心分離(6,000 rpm にて 5 分)を行い, 血漿を採取して冷蔵保存を行った.HPLC の測定は尾静 脈よりの十分な採血量の確保が困難なため,9 ヶ月の時 点のみとした.また,9 ヶ月の時点での d-ROM test や BAP test の測定は,HPLC の分析に供する血漿量を確保 するため行わなかった. (1) d-ROM test d-ROM test は生体におけるフリーラジカルのレベル, 特に hydroperoxide 濃度を光学計測法(呈色反応)により 専用の試薬を用いて計測(単位は U.CARR, 1 U.CARR= 過酸化水素 0.08 mg/dl)を行った.d-ROM test で得られた 値は酸化ストレス度(酸化反応)の大きさを示す.なお, ヒト(日本人の健常者)の酸化ストレス防御系の値は, d-ROM test: 284.6 ± 17.5 U.CARR,BAP test: 2137.1 ± 228.3μM, BAP/d-ROM 比:7.541 ± 0.978 と報告されてい るが2),ICR 系マウスに関する値は報告されていない. (2) BAP test BAP test は血漿中の抗酸化物質による還元作用によ り,専用の試薬を用いて計測を行った(単位は μM).す なわち,血漿は三価鉄イオンを含む試薬と混ぜ,血漿が 二価鉄イオンに還元される量を光学計測法により計測し た.血漿が還元した鉄イオンの量=抗酸化力となる.BAP test で得られた値は抗酸化力(抗酸化反応)の大きさを 示す.なお,BAP/d-ROM 比は BAP test 値と d-ROM test 値より算出され,潜在的抗酸化能の大きさを示す.つま り,潜在的抗酸化能は酸化ストレス度と抗酸化力の平衡 を示すものである. (3) ANTI-ROM test 従来の BAP test はトータル的な抗酸化力の測定法で あったが,ANTI-ROM test ではビタミン C などの抗酸化 物質の反応速度の違いに着目した速反応性と遅反応性の 抗酸化力が測定可能である.なお,ANTI-ROM test は血 漿中の抗酸化物質が三価鉄/Fe3+ を二価鉄/Fe2+ に還 元し,Dipyridamole と反応することにより赤紫色になる 変化により抗酸化力を測定する方法である.その発色の 増加量は検体中に含まれている抗酸化物質が還元した鉄 の量に比例する.なお,速反応性は反応性の早いビタミ ン C や Trolox(ビタミン E 様物質)等の数値,遅反応性 では L-システインや尿酸等の数値が得られる.QH にお いては Fe イオンとの反応性が高いことや,ビタミン E ラ ジカルの還元に引き続いた速反応に関与する可能性が報 告されている21,22). (4) 血漿 QH 値と血漿 Q10 値,還元比率 血漿 QH 値と血漿 Q10 値は Yamashita らの方法23)に準 じ,(株)カネカテクノリサーチ材料分析センターにおい て測定した.一般的に,生体は運動などのストレスに対 して酸化ストレスが増大するが,この酸化ストレスを軽 減するための防御機構として血漿 QH が重要となる12). また,生体内の QH 値(血漿 QH 値)や総 CoQ10(血漿 Q10 値)から算出される還元比率は QH に変換される能 力,つまり抗酸化作用の指標であり,生体が受けている 酸化ストレスの度合いを評価しうるものである17). 5. 統計処理 体重の変化,TM 走行時間の変化(初回測定値の比較) や変化量(初回測定値と 2 回目の測定値の変化量)によ る時系列データは,実験開始時,3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月 の各時点で各群間において対応のない因子による一元配 置分散分析を行い,有意差があった場合,Bonferroni の 多重比較を行った.また,TM 走行時間の変化や変化量 は A 群から D 群の各群内において反復測定(対応のある 因子)による一元配置分散分析を行った.酸化ストレス 防御系において d-ROM test や BAP test, BAP/d-ROM 比の 変化は,実験開始時と 6 ヶ月の各時点で安静時と走行直 後の比較を Wilcoxon 符号付順位検定により行った.ま た,実験開始時と 6 ヶ月の各時点において安静時と走行
直後のそれぞれの群間は,対応のない因子による一元配 置分散分析を行った.HPLC と ANTI-ROM test の値は各 群間において対応のない因子による一元配置分散分析を 行い,有意差があった場合,Bonferroni の多重比較を行っ た(還元比率を除いて分析).還元比率は A 群と B 群の みの比較を Mann-Whitrey U 検定により行った.なお,還 元比率においてはラットでは CoQ9 が主な CoQ であり C 群と D 群の血漿 QH 値や血漿 Q10 値が非常に小さな値 (血漿 Q10 値の中央値:0.000 μg/mL)により中央値が 1.000μg/mL を示していたため,分析より除外した.ま た,ANTI-ROM test の速反応性と遅反応性の比較は, Wilcoxon 符号付順位検定により行った. 本研究において得られた数値は平均値±標準偏差 (SD) で表し,統計ソフトは SPSS (Ver19.0 for windows) を 使用し,有意水準を 5%とした.今回,先行研究11)を踏 まえ,実験開始時より 3 ヶ月の時点までを短期効果,6 ヶ 月から 9 ヶ月までの時点を長期効果として検討を行っ た.研究に当たっては所属する大学動物実験委員会の承 認を得て実施した(承認番号 23). 結 果 1. 体重の変化 体重において実験開始時の時点で無作為にグループ分 けを行った結果,4 群間に有意差を認めたが (p < 0.001), 3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時点では有意差を認めなかっ た(表 1).実験開始時から 3 ヶ月の時点では,4 群共, 同様に体重の増加を認めており,成長過程における QH 摂取や EX は体重への影響を認めなかったと考えられ た. 2. TM 走行時間の変化(初回測定値の比較) TM 走行時間の初回測定値における各群間の比較で は,実験開始時において 4 群間に有意差を示していたが (p < 0.05),4 群共に有意な減少を認めた(いずれも p < 0.001)(表 2).3 ヶ月の時点では 4 群間に有意差を認め (p < 0.001),特に B 群は他の群と比較して大幅な延長を示 したが(いずれも p < 0.01~p < 0.001),A 群と C 群,D 群 の間に有意差を認めなかった.また,6 ヶ月の時点では 4 群間に有意差を認めたが (p < 0.05),特に C 群は D 群と 比較して有意な延長を示した (p < 0.01).9 ヶ月の時点で 表 2 トレッドミル走行時間の変化(初回測定値の比較) A 群:還元型コエンザイム Q10 (QH) 摂取群,B 群:QH 摂取+運動トレーニング併用群,C 群:運 動トレーニング群,D 群:コントロール群,数値はすべて平均値±標準偏差 *=各群内(A 群~D 群)において分散分析,***: p < 0.001 #=実験開始時,3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時点で,各群間(A 群~D 群)において分散分析, ###: p < 0.001, ##: p < 0.01, #: p < 0.05 †=実験開始時,3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時点で,各群間(A 群~D 群)において多重比較, †††: p < 0.001, ††: p < 0.01, †: p < 0.05 実験開始時(5 週齢) 初回測定(秒)# 3 ヶ月(17 週齢) 初回測定(秒)### 6 ヶ月(29 週齢) 初回測定(秒)# 9 ヶ月(41 週齢) 初回測定(秒)## A群*** 36.0 ± 8.6 † 35.2 ± 7.9 †† ††† ††† 23.9 ± 6.7 †† 16.8 ± 4.7 † † B群*** 31.5 ± 13.6 53.3 ± 12.3 28.1 ± 12.5 17.8 ± 4.1 C群*** 24.1 ± 3.3 27.8 ± 7.1 35.2 ± 12.6 15.6 ± 5.9 D群*** 39.6 ± 11.7 26.3 ± 5.8 19.7 ± 7.4 10.0 ± 4.1 表 1 体重の変化 A 群:還元型コエンザイム Q10 (QH) 摂取群,B 群:QH 摂取+運動トレーニング併用群,C 群:運 動トレーニング群,D 群:コントロール群,数値はすべて平均値±標準偏差 #=実験開始時,3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時点で,各群間(A 群~D 群)において分散分析, ###: p < 0.001 †=実験開始時,3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時点で,各群間(A 群~D 群)において多重比較, †††: p < 0.001, †: p < 0.05 実験開始時(5 週齢)### (g) 3 ヶ月(17 週齢) (g) 6 ヶ月(29 週齢) (g) 9 ヶ月(41 週齢) (g) A 群 27.6 ± 1.2 ††† † ††† 44.9 ± 2.9 47.1 ± 4.3 50.3 ± 6.0 B 群 32.1 ± 1.9 48.5 ± 3.7 52.7 ± 6.3 56.4 ± 6.3 C 群 29.6 ± 1.5 45.9 ± 4.8 50.0 ± 8.7 55.7 ± 9.9 D 群 31.6 ± 2.0 45.8 ± 3.0 47.0 ± 3.5 49.7 ± 6.4
は 4 群間に有意差を認めたが (p < 0.01),特に A 群と B 群 は D 群と比較して有意な延長を示した(いずれも p < 0.05).つまり,3 ヶ月程度の短期効果においては QH 摂 取と EX を併用することにより大幅な TM 走行時間の延 長を,9 ヶ月程度の長期効果では EX の併用の有無にか かわらず QH 摂取により延長を認めた.一方,長期効果 において EX のみはコントロール群と比較すると,6 ヶ月 程度で有意な延長を認めたのに対して,9 ヶ月程度で有 意差を認めなかった. 3. TM 走行時間の変化量 TM 走行時間の変化量(初回測定値-2 回目の測定値) における各群内の比較では,D 群以外の 3 群において有 意な変化を認めた (p < 0.001~0.05)(各群の平均値では, A 群:7.8,B 群:21.1,C 群:−0.0,D 群:5.0,単位は 秒)(表 3).また,各群間の比較は実験開始時の B 群が 他の群と比較して有意な変化(いずれも p < 0.01~p < 0.001),3 ヶ月の時点では B 群が A 群,C 群と比較して 有意な変化 (p < 0.01~0.05),9 ヶ月の時点では 4 群間に有 意差を認めなかった.ただし,実験開始時の A 群と B 群 (両群共に 1 回のみの QH を投与した群)を比較すると, 変化量に有意差を認めた (p < 0.01).つまり,3 ヶ月程度 の短期効果においては QH 摂取と EX を併用することに より,QH 摂取群などと比較して走行時間の延長を認め た.しかし,9 ヶ月程度の長期効果では個体間のバラツ キもあり,QH 摂取や EX にかかわらず有意差を認めな かった.このことから,B 群では QH 摂取によってトレー ニング効果が高められ,3 ヶ月の時点までその効果が持 続したが,6 ヶ月以降は認められなくなった.ただし, 9 ヶ月の時点で B 群の平均値は 12.7 秒に対し,標準偏差 が 18.5 秒であったことから,個体間のバラツキが影響し ていた.なお,各群内の平均値において B 群は 21.1 秒と 大きな値を示した. 4. 酸化ストレス防御系の変化 (1) d-ROM test と BAP test の変化
d-ROM test において安静時と走行直後を比較すると, 実験開始時のみ A 群と D 群では有意な減少を認めたが (それぞれ p < 0.05, p < 0.001),個体間のバラツキが大きく 認められた(表 4).また,実験開始時の安静時では 4 群 間において有意差を認めていた (p < 0.05).一方,6 ヶ月 の時点の安静時は実験開始時の安静時と比較すると,D 群を除いて有意な増大を認めた(すべて p < 0.05).BAP test において安静時と走行直後を比較すると,6 ヶ月の時 点の C 群のみ有意な増大を認めたが (p < 0.01),個体間の バラツキが大きく認められた.また,実験開始時の安静 時では 4 群間において有意差を認めていた (p < 0.05).一 方,6 ヶ月の時点の安静時は実験開始時の安静時と比較 すると,全群において有意な減少を認めた(いずれも p < 0.05~p < 0.01).つまり,d-ROM test と BAP test は 4 群 間において実験開始時に有意差を認めており,個体間の バラツキが大きく認められていた.また,6 ヶ月の安静 時と実験開始時の安静時を比較すると,d-ROM test の増 大(D 群を除く)と BAP test の減少(全群)を認めた. しかし,d-ROM test と BAP test においては QH 摂取と EX の併用などによる影響を認めなかった. (2) BAP/d-ROM 比の変化 BAP/d-ROM 比において安静時と走行直後を比較する と,実験開始時の時点の A 群と D 群は有意な増大(それ ぞれ p < 0.05, p < 0.001),6 ヶ月の時点の C 群と D 群では 有意な増大を認めた(それぞれ p < 0.01, p < 0.05)(表 5). なお,実験開始時の安静時では既に 4 群間において有意 差を認めていた (p < 0.01).一方,6 ヶ月の時点(それぞ れ安静時と走行直後共に)は実験開始時と比較すると, 全群において有意な減少を認めた(いずれも p < 0.05~p < 0.001).つまり,実験開始時(安静時)においては既に 個体間のバラツキを認めていたが,6 ヶ月の時点では全 群において有意な減少を認めた.しかし,BAP/d-ROM 比 表 3 トレッドミル走行時間の変化量(初回測定値-2 回目の測定値) A 群:還元型コエンザイム Q10 (QH) 摂取群,B 群:QH 摂取+運動トレーニング併用群,C 群:運動トレーニング群,D 群:コント ロール群,数値はすべて平均値±標準偏差 *=各群内(A 群~D 群)において分散分析,***: p < 0.001 #=実験開始時,3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時点で,各群間(A 群~D 群)において分散分析,###: p < 0.001, ##: p < 0.01, #: p < 0.05 †=実験開始時,3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時点で,各群間(A 群~D 群)において多重比較,†††: p < 0.001, ††: p < 0.01, †: p < 0.05 実験開始時(5 週齢) 変化量(秒)### 3 ヶ月(17 週齢) 変化量(秒)## 6 ヶ月(29 週齢) 変化量(秒)# 9 ヶ月(41 週齢) 変化量(秒) 各群内の平均値変化量(秒) A 群*** 18.8 ± 9.3 †† ††† ††† 0.9 ± 5.7 † †† 6.4 ± 8.7 4.9 ± 8.0 7.8 ± 10.4 B 群* 44.2 ± 18.2 19.2 ± 12.7 8.0 ± 17.7 12.7 ± 18.5 21.1 ± 21.9 C 群** 5.3 ± 8.2 −3.4 ± 6.8 −9.8 ± 11.4 7.8 ± 6.6 −0.3 ± 11.0 D 群 9.1 ± 11.7 4.5 ± 12.7 2.1 ± 10.7 4.5 ± 4.8 5.1 ± 10.9
においては QH 摂取と EX の併用などによる影響を認め なかった. (3) HPLC と ANTI-ROM test の値 血漿 QH 値や血漿 Q10 値は,B 群のみ有意に高値を認 めた(いずれも p < 0.001)(表 6).また,還元比率にお いて B 群(平均 80.7%)は A 群(平均 4.4%)と比較す ると,有意に高値を認めた (p < 0.001).つまり,酸化スト レスマーカの血漿 QH 値と血漿 Q10 値は QH 摂取と EX を併用することにより高値を認めたのに対して,EX 群 やコントロール群では低値を示した.また,還元比率は QH 摂取と EX を併用することにより高値を認めた. ANTI-ROM test は速反応性や遅反応性共に 4 群間に有意 差を認めなかった(表 6).しかし,4 群共に遅反応性は 速 反 応 性 よ り 有 意 に 高 値 を 示 し た が(い ず れ も p < 表 5 酸化ストレス防御系(BAP/d-ROM 比)の変化 A 群:還元型コエンザイム Q10 (QH) 摂取群,B 群:QH 摂取+運動トレーニング併用群,C 群:運 動トレーニング群,D 群:コントロール群,数値はすべて平均値±標準偏差 *=実験開始時と 6 ヶ月の各時点で,各群内(A 群~D 群)において安静時と走行直後の比較, ***: p < 0.001, **: p < 0.01, *: p < 0.05 #=実験開始時と 6 ヶ月の各時点で,安静時と走行直後の各群間(A 群~D 群)において分散分析, ###: p < 0.001, ##: p < 0.01, #: p < 0.05 a=実験開始時の安静時と比較,p < 0.01 b=実験開始時の安静時と比較,p < 0.05 c=実験開始時の走行直後と比較,p < 0.001 d=実験開始時の走行直後と比較,p < 0.01 e=実験開始時の走行直後と比較,p < 0.05 実験開始時(5 週齢) 6 ヶ月(29 週齢) 安静時## 走行直後### 安静時 走行直後# * A 群 26.935 ± 4.466 33.181 ± 3.881 14.623 ± 2.418a 16.295 ± 2.260d B 群 19.705 ± 2.702 18.551 ± 2.068 11.485 ± 1.324b 12.146 ± 1.511e ** C 群 23.517 ± 5.164 27.086 ± 5.377 13.358 ± 1.550a 17.224 ± 2.502d *** * D 群 19.934 ± 3.258 25.761 ± 5.235 13.897 ± 2.211a 16.047 ± 3.900c 表 4 酸化ストレス防御系 (d-ROM, BAP) の変化 A 群:還元型コエンザイム Q10 (QH) 摂取群,B 群:QH 摂取と運動トレーニング併用群,C 群:運動トレーニング群,D 群:コント ロール群,d-ROM test (Reactive oxygen metabolites test):酸化ストレス度,BAP test (Biological antioxidant potential):抗酸化力,数値はす べて平均値±標準偏差 *=実験開始時と 6 ヶ月の各時点で,各群内(A 群~D 群)において安静時と走行直後の比較,***: p < 0.001,**: p < 0.01,*: p < 0.05 #=実験開始時と 6 ヶ月の各時点で,安静時と走行直後の各群間(A 群~D 群)において分散分析,###: p < 0.001, #: p < 0.05 a = d-ROM test において,実験開始時の安静時と比較,p < 0.05 b = d-ROM test において,実験開始時の走行直後と比較,p < 0.01 c = d-ROM test において,実験開始時の走行直後と比較,p < 0.05 d = BAP test において,実験開始時の安静時と比較,p < 0.01 e = BAP test において,実験開始時の安静時と比較,p < 0.05 f = BAP test において,実験開始時の走行直後と比較,p < 0.01 g = BAP test において,実験開始時の走行直後と比較,p < 0.05
d-ROM test (U.CARR) BAP test (µM)
実験開始時(5 週齢) 6 ヶ月(29 週齢) 実験開始時(5 週齢) 6 ヶ月(29 週齢) 安静時# 走行直後### 安静時# 走行直後 安静時# 走行直後 安静時 走行直後 * A 群 114.4 ± 16.5 98.6 ± 12.5 135.8 ± 13.6a 140.8 ± 22.0b 3014.9 ± 162.2 3232.7 ± 236.3 1972.9 ± 316.8d2251.1 ± 174.8f B 群 133.7 ± 18.7 153.8 ± 15.1 179.8 ± 38.3a 172.8 ± 32.0 2598.0 ± 312.2 2834.8 ± 281.4 2026.0 ± 250.0e2064.5 ± 269.4g ** C 群 128.2 ± 26.1 117.2 ± 18.6 153.3 ± 23.6a 149.0 ± 21.5c 2897.4 ± 178.9 3081.7 ± 236.6 2017.6 ± 153.3d2546.7 ± 396.5g *** D 群 146.4 ± 19.1 124.2 ± 23.8 156.0 ± 25.5 150.2 ± 30.8b 2871.0 ± 314.1 3088.8 ± 273.4 2122.5 ± 191.1d2334.8 ± 485.2f
0.001),個体間のバラツキが大きく認められた.つまり, ANTI-ROM test は QH 摂取と EX の併用などによる影響 を認めなかった. 考 察 本実験においては QH 摂取と EX が,酸化ストレス防 御系や運動能力におよぼす影響を解明することにある. 特に,EX や運動負荷による酸化ストレス防御系などの 生体への影響は数多く報告されているのに対して3–7,13–15), 食品摂取に代表されるサプリメントと EX との併用によ る報告は非常に少ないのが現状である12,15).特に,QH は ATP 生合成賦活や抗酸化作用として注目されている代 表的な食品であるが,その生理学的効果が実証されてい るにもかかわらず24–26),EX との併用による効果が未だ 明らかになっていない.そのため,本実験における意義 は食品摂取と EX を併用することの有用性を明らかにす ると共に,アンチエイジング対策や健康増進,疾病予防 などに関連する基礎的資料となりうることが予想され た.つまり,酸化ストレス防御系を考慮し,運動能力を 向上させるための方策を検討するための基礎的な実験と なる.また,運動の際には運動強度や時間などの運動指 導と共に,食事内容やサプリメント摂取を把握した栄養 状況を踏まえることの重要性が明確になることである. 2010 年 4 月には日本通信販売協会から厚生労働省に対 してサプリメントの有効性や安全性に関する評価の実施 を求める要望書が提出されたが27),本研究はサプリメン トの有効性に関する科学的検証の推進に寄与する.特に, サプリメントの有効性を高めるためには,EX が重要な ポイントであることを実証することに大変意義があると 考えられた. 1. QH 摂取と EX の併用が運動能力におよぼす影響 一般的に CoQ10 は生体自らの生合成に由来する内因 性 CoQ10 と食事やサプリメントの摂取に由来する外因 性 CoQ10 に分類され,各臓器に広く存在をしている17). CoQ10 は酸化型 CoQ10 が,日本ではうっ血性心不全の 薬剤として(2001 年 3 月の食薬区分の変更以降,保健目 的での利用が広がっている),欧米ではサプリメント素材 として広く用いられてきた26).その生理学的効果には, ミトコンドリア賦活により ATP を作り出すエネルギー 産生作用24)や抗酸化活性が報告されている25).近年,生 体内の主要な CoQ10 である QH27)が産業的に利用でき るようになり,老化遅延効果などで酸化型 CoQ10 と異 なった作用が報告されている28).今回,3 ヶ月程度の短 期効果においては QH 摂取と EX を併用することにより 大幅な走行時間の延長を認めた.このような QH 摂取に よる走行時間の増大は,酸化型 CoQ10 と同様に,ミトコ ンドリア賦活による ATP 産生作用や抗酸化活性の増大 などの生理学的効果が考えられた.また,酸化型 CoQ10 の投与により心筋の代謝を賦活させると共に,末梢血管 抵抗を減少させ,心肺機能や末梢循環を改善させること 表 6 酸化ストレス防御系 (HPLC, ANTI-ROM) の値 A 群:還元型コエンザイム Q10 (QH) 摂取群,B 群:QH 摂取と運動トレーニング併用群,C 群:運動トレーニング群,D 群:コント ロール群,HPLC:高速液体クロマトグラフィー,ANTI-ROM test:速反応性/遅反応性抗酸化力,血漿 QH 値:血漿還元型コエンザ イム Q10 値,血漿 Q10 値:血漿酸化型コエンザイム Q10 値,還元比率=血漿 QH 値/血漿 QH 値+血漿 Q10 値,数値はすべて平均値 ±標準偏差,括弧内の数値は中央値 #=各群間(A 群~D 群)において分散分析(還元比率を除いて分析),###: p < 0.001 †=各群間(A 群~D 群)において多重比較(還元比率を除いて分析),†††: p < 0.001 *=還元比率においては,A 群と B 群をのみの分析,***: p < 0.001 ¶=速反応性と遅反応性の比較,¶¶¶: p < 0.001
HPLC (µg/mL) ANTI-ROM test (µEq) 血漿 QH 値### 血漿 Q10 値### 還元比率 速反応性 遅反応性 ††† ††† ††† ††† ††† ††† *** ¶¶¶ A 群 0.593 ± 0.932 (0.110) 0.536 ± 0.450 (0.320) 0.044 ± 0.864 (0.282) 169.0 ± 95.5 725.5 ± 356.5 ¶¶¶ B 群 12.606 ± 10.849 (8.070) 2.338 ± 1.724 (1.460) 0.807 ± 0.055 (0.834) 150.0 ± 67.7 543.0 ± 139.5 ¶¶¶ C 群 0.191 ± 0.488 (−0.049) 0.043 ± 0.164 (0.000) 1.039 ± 0.338 (1.000) 94.8 ± 16.0 455.8 ± 99.5 ¶¶¶ D 群 0.040 ± 0.126 (−0.041) 0.022 ± 0.066 (0.000) 0.961 ± 0.118 (1.000) 127.6 ± 48.6 502.2 ± 143.1
が報告29)されている.酸化型 CoQ10 を経口的に摂取し た場合,小腸で吸収された直後に還元型に変換されるこ とが明らかになっていることから,この報告に関しても 本質的には QH の効果である.そのため,短期効果とし て QH 摂取に EX を併用することは,生理学的効果を顕 著化させた可能性が考えられた.ただし,短期効果にお いて A 群は C 群と D 群に対して有意差を認めなかった ことから,QH 摂取のみでは生理学的効果による影響が 明らかとならないことが示唆された.さらに,C 群と D 群の間に有意差を認めなかったことは,成長過程によっ て生じた運動能力の向上が同様に認められた可能性が考 えられた.6 ヶ月程度の長期効果において,C 群は D 群 と比較すると有意な延長を認めたことは,成長によって 生じた運動能力の減退の影響が運動によるトレーニング で軽減できることが示された.さらに,9 ヶ月程度の長 期効果においては,EX 併用の有無にかかわらず QH 摂 取により走行時間の有意な延長を認めた.また,EX の みではコントロール群と比較して走行時間に有意差を認 めなかった.このことは,長期効果としても QH 摂取は 走行時間の延長に影響することが示されたのに対して, 体重などの変化に影響しないことが示され,大変興味深 い点である.Langsjoen ら30)によると重症の慢性心不全 患者においては,酸化型 CoQ10 の服用にて効果が得られ なかったのに対して,QH の長期服用(平均 12 ヶ月)に て臨床所見 (NYHA class) や左室機能 (EF) の改善効果が 得られたことを報告している.つまり,QH 摂取による 長期効果においても先行研究の生理学的効果17,26,29,30)が 持続されることから,走行時間の延長に関係した可能性 が考えられた. CoQ10 は抗酸化作用や抗疲労効果を認め,欧米ではア スリートのフィジカル面に対する強化(能力の十分な発 揮,疲労の回復やケガの予防など)に多く活用されてき た25).Mizuno ら31)によると酸化型 CoQ10 の摂取(ヒト を対象に 300 mg/日)は,エルゴメータによる運動後の身 体面における疲労改善やフィジカル・パフォーマンス(エ ルゴメータ最大速度の増大など)に効果があったことを 報告している.今回,短期効果においては QH 摂取と EX を併用することにより,走行時間の延長を認めた.この ような走行時間の延長による生理学的効果は,酸化型 CoQ10 摂取による先行研究31)と同様な傾向を示した.つ まり,ミトコンドリア賦活による心筋の代謝が増大(心 拍出量の増加)するばかりでなく,末梢血管抵抗の減少 などの作用で活動筋への酸素需要が十分に補われた結果 (末梢における酸素利用率の増大)と考えられた.そのた め,短期効果として QH 摂取に EX を併用することは, 生理学的効果を顕著化させた可能性が考えられた.しか しながら,走行時間の変化量において 9 ヶ月程度の長期 効果では,QH 摂取や EX にかかわらず有意差を認めな かった.このことは,先行研究17,26,29,30)より QH 摂取の 長期効果においても生理学的効果を認められることか ら,予想と異なる結果になった.今回,走行時間の変化 量(9 ヶ月の時点)において B 群は,個体間のバラツキ が大きく影響していたことも考えられた.ただし,各群 内の平均値では,特に B 群において平均 21.1 秒の変化量 を認めたことから,QH 摂取のみならず EX を併用する ことは走行時間の延長に影響する可能性も推察された. 今回,走行時間の延長からは抗疲労作用との関連性を明 確にすることができなかった.一般的に抗疲労作用の指 標には,自発行動量の測定やロータローダを使用し,ロー タから落下するまでの時間の測定など32)が用いられて いる.そのため,一般的な抗疲労作用の指標と TM を用 いた限界走行時間との関連性の検討が必要であると考え られた. 今回,実験開始時の TM 走行時間や体重においては,4 群間に有意差を認めていた.例えば,TM 走行時間(初 回測定値の比較)の実験開始時では 4 群間において有意 差を認めており,無作為抽出の結果により生じたものと 考えられた.なお,実験開始時において C 群と D 群の間 には有意差を認めていたことから,C 群ではもともと低 い運動能力を持ったマウスが含まれていた可能性も考え られた.しかし,6 ヶ月の時点では D 群が C 群よりも TM 走行時間が有意に低値を示したことから,明らかに 運動能力の低下を認めていたことが示された.同様に, 実験開始時の体重は 4 群間において有意差を認めてい た.しかし,3 ヶ月以降の体重では 4 群間において有意 差を認めないことから,成長過程において体重に差を認 めなかったことが示された. 2. QH 摂取と EX の併用が酸化ストレス防御系におよぼ す影響 通常,酸化ストレスの産生は,酸素消費量に比例して 増大する4).自転車競走などの消耗的な運動後には酸化
ストレス (d-ROM test) と抗酸化力 (BAP test) の有意な上 昇が報告されている33).また,ヒトと同様,ラットに対
する TM を使用した運動負荷後には尿中に DNA の酸化 生成物 8-OHdG が増加することが報告されている34).今
回,酸化ストレス防御系に関して ICR 系雄性マウスで は,ヒトと比較して d-ROM test が低値,BAP test と BAP/ d-ROM 比が高値になることが示された.このような差異 に関してマウスでは,ビタミン C 生合成経路の最後に位 置する酵素(GLO:グロノ-γ-ラクトン酸化酵素)に遺伝 子変異がないため,体内で充分量のビタミン C が合成さ
れている34).そのため,マウスではヒトと比較して相対
的に酸素消費量が高値であるにもかかわらず,d-ROM test が低値,BAP test が高値であったことが推察された.
一般的に加齢(成長)に伴い生体エネルギーの生産量 が低下すると抗酸化酵素(抗酸化力)の働きが減少し, 酸化ストレス度が上昇する25).ラットの抗酸化酵素にお いては加齢に伴い組織のタンパク質量の低下にもかかわ らず,その活性が高まることが報告されている36).この ような抗酸化酵素の活性は酸化ストレス度の産生増加に 対する代償であり,また加齢に伴い増加する酸化ストレ ス度に対して,抗酸化酵素の量が不十分になってくるこ とが指摘されている37).つまり,加齢(成長)に伴い抗 酸化力が減少し酸化ストレスが増大することは,生体の 酸化反応(酸化ストレス度)と抗酸化反応(抗酸化力) の平衡(潜在的抗酸化能)が崩れ,酸化ストレス防御系 に影響をおよぼしたことを示している.今回,6 ヶ月の 安静時は実験開始時の安静時と比較すると,d-ROM test の増大(D 群を除く),BAP test と BAP/d-ROM 比の減少 (全群)を認めた.これは先行研究36)と同様に,加齢(成 長)に伴い抗酸化力が減少し,酸化ストレス度が増大し た結果,潜在的抗酸化力の減少に結びついた可能性も考 えられた.ただし,今回,酸化ストレス度や抗酸化力な どの変化は QH 摂取や EX による影響が認められず,ま たコントロール群(D 群)の研究開始時において d-ROM test が高値であったことや,研究開始時の d-ROM test と BAP test が 4 群間において既に有意差を認めていた.つ まり,個体間のバラツキが結果におよぼした可能性と共 に,今回対象となった動物の週齢などによる影響も考え られた. 運動による酸化ストレスへの影響は,継続的な ATP 生 産を目的として体内への酸素取り込みが生じていること から4),運動時間が延長すればする程,増加することが 予想された.しかし,走行時間の変化を認めた(例えば, 短期効果において QH 摂取と EX を併用することにより 大幅な走行時間の延長など)にもかかわらず,d-ROM test などに有意な増大を認めなかったことは,継続的に暴露 された酸化ストレスに対して,ビタミン C による消去作 用35)やコエンザイム Q10 レッドクスサイクル25,38)によ り QH が保護的に働いた可能性も考えられた.このコエ ンザイム Q レドックスサイクルは,生体中の QH を還元 酵素により維持させる機構であり,また運動にともなっ て生じた運動誘発性酸化ストレスを軽減する重要な防御 機構のひとつである25).つまり,このような防御機構に より走行時間が増大したにもかかわらず,酸化ストレス 防御系の破綻に至らなかった可能性が考えられた.しか し,血漿中の鉄イオンの還元力を分析している BAP test では,ビタミン C や QH 摂取による影響をよく反映しな い可能性も考えられた.また,6 ヶ月の C 群においては, D 群と比較して走行時間の変化を認めたにもかかわら ず,d-ROM test に有意な増大を認めなかったことは,ビ タミン C など による消去作用35)がより賦活化された結 果である可能性も考えられた.さらに,A 群や D 群にお いて実験開始時の安静時と走行直後を比較すると,d-ROM test では有意な減少,BAP test で有意差を認めず, BAP/d-ROM 比で有意な増大を認めた.これは,個体間 のバラツキなどが結果におよぼした可能性も考えられ, さらなる検討が必要である. 体内の主成分である QH は肝臓でリポ蛋白質に組み込 まれて血中に放出され,各組織に分配されているが,運 動などの種々の酸化ストレスによって酸化を受けてい る.血中で酸化された QH は,肝臓で再び NAD(P)H を 電子供与体とする酵素反応によって還元(還元酵素系) を受けた後,リポ蛋白質に組み込まれて再度,血中に放 出されている.血中には還元する酵素が存在していない ことから,血漿 QH 値の割合(還元比率)は動的平衡の 状態を示しており,酸化ストレスマーカとして有用であ ることが報告されている11).Okamoto ら39)によると自転 車エルゴメータによる最大運動負荷は,乳酸値などの上 昇と共に血漿 QH 値の減少を認めたが,血漿総 CoQ10 値 (血漿 QH 値+血漿 CoQ10 値)の変化を認めないことを 報告している.つまり,運動によって生じた過剰な酸化 ストレスに対してはこれを消去するために,QH を消費 する抗酸化作用が発揮されたことを示している.このよ うに,酸化ストレスに対しては生体内の QH の動態に変 化を生じることや,還元酵素系を中心とするコエンザイ ム Q10 レッドクスサイクル24,38)が重要な働きを担って いる.さらに,出口ら11)によると高齢者に対して QH (100 mg/日)の 6 ヶ月間の摂取においては,摂取前と比 較して血漿 QH 値が平均 3.9 倍,還元比率が平均 0.6%の 増加(摂取前:平均 96.5%,摂取後:平均 97.1%)を示 したことから,QH 摂取により血漿 QH 値や還元比率に 変化を認めたことが報告されている.また,CoQ10 の投 与は酸化ストレスによって誘発される細胞障害を緩和で きる可能性が指摘されている12).今回,血漿 QH 値や血 漿 CoQ10 値は QH 摂取と EX を併用することにより高値 を認めた.このような血漿 QH 値が高値であることは, 運動によって生じた過剰な酸化ストレスに対して抗酸化 作用が賦活化された状態であることが示された.つまり, QH 摂取に EX を併用することは血漿 Q10 値から血漿 QH 値へ還元する機会が多くなり(還元酵素系の賦活化 作用),血漿 QH 値を維持する機構であるコエンザイム Q10 レッドクスサイクル24,38)への効果が示唆された.ま
た,還元比率において B 群(平均 80.7%)は高値,A 群 (平均 4.4%)では低値を認めたことから,QH 摂取に EX を併用することにより生体内の QH の動態に大きな変化 を生じ,結果として還元酵素系に大きく影響をおよぼし たことが考えられた.ただし,今回は 6 ヶ月の時点での 限界走行直後の値であり,限界走行前との比較が必要で あると考えられた.このことから,EX による効果には 先行研究により筋肉中の QH 増加作用が報告されている が40),新たに生体への QH 吸収促進作用が示された. ANTI-ROM test においては,正常値を含めて先行研究 による報告がみられていない.今回,4 群共に遅反応性 が速反応性より有意に高値を示したが,QH 摂取による 影響を認めなかった.これは,L-システインや尿酸等の 数値を示す遅反応性抗酸化力はビタミン C や QH21,22)等 の数値を示す速反応性抗酸化力と比較して高値を示し た.このことから,ANTI-ROM test は血漿中の鉄イオン の還元力を分析している BAP test と同様,QH 摂取によ る影響をよく反映しない可能性も考えられた.ただし, 今回は 6 ヶ月の時点での限界走行直後の値であり,HPLC の測定と同様,限界走行前との比較が必要であると考え られた. 3. 今後の課題 今後の課題としては老化の進行が早いマウス(老化促 進モデルマウス)を対象に,長期間(1 年以上)の QH 摂取と EX が酸化ストレス防御系や運動能力,老化度な どにどのように影響をおよぼすのかを解明し,食品摂取 と運動によるアンチエイジング対策への有用性を解明す ることにある.また,食品摂取量が結果におよぼす影響 が考えられるため16–18),至適用量の解明が必要である. さらに,抗酸化作用が報告されている QH 以外の食品, 例えばビタミン C などの長期摂取による酸化ストレス 防御系などへの影響の検討が必要である. 結 論 QH 摂取と EX の併用において運動能力は走行時間の 延長などを認め,また,酸化ストレス防御系では血漿 QH 値や還元比率が高値を認めた.このことから,QH 摂取 と EX の併用は運動能力や還元比率などの酸化ストレス 防御系に影響をおよぼすことが明らかになった. 謝 辞 本研究の遂行に当たり ANTI-ROM test においては, (株)ウイスマー/ウイスマー研究所の金子幸輝氏, HPLC は(株)カネカテクノリサーチ材料分析部材料分 析センター第 2 グループの松尾 和彦氏に深謝致します. 助成源 埼玉県立大学奨励研究費,埼玉県立大学産学共同研究 費(株)カネカ 参 考 文 献
1) Halliwell B. Reactive oxygen species and the central nervous system. J Neurochem 1992; 59: 1609–1623.
2) 永田勝太郎,長谷川拓也,広門靖正ら.生活習慣病と酸化 ストレス防御系.心身医学.2008; 48: 177–183.
3) 野口範子.運動に関連する酸化ストレスと抗酸化作用.日 本運動生理学雑誌.2003; 10: 1–8.
4) Sen CK. Oxidants and antioxidants in exercise. J Appl Physiol 1995; 79: 675–686.
5) Finaud J, Lac G, Filaire E. Oxidative stress. Sports Med 2006; 36: 327–358.
6) Bjelakovic G, Nikolova D, Gluud LL, et al. Mortality in random-ized trials of antioxidant supplements for primary and secondary prevention. JAMA 2007; 297: 842–857.
7) Cornelli U, Terranova R, Luca S, et al. Bioavailability and anti-oxidant activity of some food supplements in men and women using the d-ROMs test as a marker of oxidative stress. J Nutr 2001; 131: 3208–3211.
8) Wada H, Goto H. Redox Status of Coenzyme Q10 is Associated with Chronological Age. JAGS 2007; 55: 1141–1142.
9) Yan J, Fujii K, Tao J, et al. Reduced coenzyme Q10 supplemen-tation decelerates senescence in SAMP1 mice. Exp Gerontology 2006; 41: 130–140. 10) 池田早耶香,豊田一成.還元型 CoQ10 が心理的要素に与え る影響.聖泉論叢.2010; 17: 127–136. 11) 出口祥子,藤井健志,栗原 毅.還元型コエンザイム Q10 (ユビキノール,カネカ QH)による高齢者の QOL 改善効 果.臨床医薬.2008; 24: 233–238. 12) 岡本正志.酸化ストレス負荷時の還元型コエンザイム Q の 生体内動態.ビタミン.2006; 80: 567.
13) Tauler P, Agiilo A, Sureda A, et al. Acute phase immune response to exercise coexists with decreased neutrophil antioxi-dant enzyme defences. Free Radic Res 2002; 36: 1101–1107. 14) Jiankang L, Yeo HC, Overvik-Douki E, et al. Chronically and
acutely exercised rats: biomarkers of oxidative stress and endoge-nous antioxidants. J Appl Physiol 2000; 89: 21–28.
15) Teixeira AM, Trevizol F, Colpo G, et al. Inflluence of chronic exercise on reserpine-induced oxidative stress in rats: Behavioral and antioxidant evaluations. Pharmacol Biochem Behav 2008; 88: 465–472.
16) Hathcock JN, Shao A. Risk assessment for coenzyme Q10 (Ubiquinone). Regulatory Toxicology and Pharmacology 2006;
45: 282–288.
17) 日本ビタミン学会(編).ビタミンの事典.4 ユビキノン. 東京.朝倉書店.1996: 483–496.
18) Hosoe K, Kitano M, Kishida H, et al. Study on safety and bio-availability of ubiquinol (Kaneka QH) after single and 4-week multiple oral administration to healthy volunteers. Reg Tox Pharma 2006; 47: 19–28.
19) Brooks GA, White TP. Determination of metabolic and heart rate responses of rats to treadmill exercise. J Appl Physiol 1978; 45: 1009–1015.
20) Moraska A, Deak T, Spencer RL, et al. Treadmill running pro-duces both positive and negative physiological adaptations in Sprague-dawley rats. Am J Physiol Regulatory Integrative Comp Physiol 2000; 279: R1321–R1329.
21) Stocker R. Lipoprotein oxidation; mechanistic aspects, method-ological approaches and clinical relevance. Current Opinion Lipi-dology 1994; 5: 422–433.
22) Mohr D, Bowry VW, Stocker R. Dietary supplementation with coenzyme Q10 results in increased levels of ubiquinol-10 within circulating lipoproteins and increased resistance of human low-density lipoprotein to the initation of lipid peroxidation. Biochin-ica et BiophysBiochin-ica Acta 1992; 1126: 247–254.
23) Yamashita S, Yamamoto Y. Simultaneous Detection of Ubiquinol and Ubiquinone in Human Plasma as a Marker of Oxi-dative Stress. Anal Biochem 1997; 250: 66–73.
24) Kishi T, Okamoto T, Takahashi T, et al. Cardiostimulatory action of coenzyme Q homologues an cultured myocardial cells and their biochemical mechanisms. Clin Investing 1993; 71: S71– S75.
25) Bowry VW, Stanley KK, Stocker R. High density lipoprotein is the major carrier of lipid hydroperoxides in human blood plasma from fasting donors. Proc Natl Acad Sci 1992; 89: 10316–10320. 26) 齋藤 康.還元型コエンザイム Q10 のすべて.東京.アー
ク出版.2010: 14–75.
27) http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2010/04/post-252.htm (参照 2010-04-22)
28) Takahashi T, Okamoto T, Mori K, et al. Distribution of ubiquinone and ubiquinol homologues in rat tissues and subcellu-lar fractions. Lipids 1993; 28: 803–809.
29) 坂田 宏.運動選手の心肺機能ならびに疲労回復に及ぼす Coenzyme Q10 の影響について.獨協医誌.1990; 5: 199–206. 30) Langsjoen PH, Langsjoen AM. Supplemental ubiquinol in patients with advanced congestive heart failure. BioFactors 2008; 32: 119–128.
31) Mizuno K, Tanaka M, Nozaki S, et al. Antifatigue effects of coenzyme Q10 during physical fatigue. Nutrition 2008; 24: 293– 299.
32) http://www.hirou.jp/(渡辺恭良.文部科学省科学技術振興調 整費 生活者ニーズ対応研究;疲労および疲労感の分子・ 神経メカニズムとその防御に関する研究班報告書.2003; 247–250.)
33) Martarelli D, Pompei P. Oxidative stress and antioxidant changes during a 24-hours mountain bike endurance exercise in master athletes. J Sports Med Phys Fitness 2009; 49: 122–127. 34) Asami S, Hirano T, Yamaguchi R, et al. Effects of forced and
spontaneous exercise on 8-hydroxydeoxyguanosine levels in rat. Biochem Biophys Res Commum 1998; 243: 678–682.
35) 石神昭人.加齢指標タンパク質 SMP30/GNL ノックアウト マウスを用いた抗老化研究.Yakugaku Zasshi 2010; 130: 25– 28.
36) Ji LL. Antioxidant enzyme response to exercise and aging. Med Sci Sports Exerc 1993; 25: 225–231.
37) 木村典代,樋口 満.運動・加齢と活性酸素の問題.臨床 スポーツ医学.2006; 23: 33–39.
38) Takahashi T. NADPH-dependent coenzyme Q reductase is the main enzyme responsible to the reduction of non-mitochondrial CoQ in cells. Biofactors 2008; 32: 59–70.
39) Okamoto T, Mizuta K, Mizobuchi S, et al. Decreased serum ubiquinol-10 levels in healthy subjects during exercise at maxi-mal oxygen uptake. Biof 2000; 11: 31–33.
40) 下村吉治,鈴木正成,杉山理ら. 運動による筋損傷に対する コエンザイムQ10の投与効果.体力科學. 1991; 40(6): 707.
ABSTRACT
Effect of the Reduced Coenzyme Q10 and Exercise Training on the Oxidative
Stress Regulation System and Exercise Capacity in Mice
Hiroshi MARUOKA1, Kenji FUJII2
1 School of Health and Social Services, Saitama Prefectural University
2 Research & Intellectual Property Group (Tokyo), QOL Division, KANEKA CORPORATION
Objective: We studied the effect of food consumption and exercise training (EX) on the oxidative stress regulation system and exer-cise capacity in mice.
Methods: As subjects of this study, we used 46 male mice, which were classified randomly into four groups: one that consumed the reduced coenzyme Q10 (H2CoQ10: QH), one that consumed QH and took EX, one that took EX, and a control group. All the groups were set to keep running to their limit on a treadmill for animals. We measured the exercise capacity (running time) of each group at the beginning and after three, six, and nine months of this study. For the oxidative stress regulation system, we used reactive oxygen and free radical analysis equipment at the beginning and 6 months later of this study. We measured plasma oxi-dative stresses (d-ROM test) and plasma anti-oxidant potential (BAP test) to calculate the ratio of d-ROM to BAP. After nine months of this study we measured plasma anti-oxidants (ANTI-ROM test), values of plasma QH and plasma Q10 to calculate the reduced ratio.
Result: As a short-term effect of exercise capacity, prolonged running time were recognized by a combination of QH consumption and EX, and as a long-term effect, prolonged running time was recognized by QH consumption. For the oxidative stress regulation system, d-ROM test and ANTI-ROM test did not show any effect of QH consumption or combination of QH consumption and EX. However an elevated value was indicated in the reduced ratio by a combination of QH consumption and EX.
Conclusion: This study has revealed that a combination of QH consumption and EX has an effect on exercise capacity and the oxidative stress regulation system such as reduced ratio.