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セメントペースト中における空隙の挙動に関する研究

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(1)

セメン トペ ース ト中における空隙の挙動に関する研究

藤村

尚・ 阪 田

憲次・ 木 山

英郎・ 西林

新蔵

ExPerilmental Studies on the Bchavior Of the PorOsity

Cement Paste

by

Hisashi FuJIMuRA,Kenii SAKATA,Hideo Kェ YAMA and Shinzo NIsHIBAYASHI

(Departlnent of Civil Engineering)

Synopsis

ln this paper, the authors describe theoretical and exPerimental studies on the behavior of the porosity in cement paste or mortar. Main results which have

been obtained by them are as follo、 vs,

(1)The pOrOsity(Capillary― , gel― and total―porosity)in Cement paste and inor―

tar, and specitic gravity of matrix(sOlid PrOducts and hydrated cements) can be theoretically determined lt/ith following assumptions, that is, the amounts of nlininum cOmbined water required for complete hydration and the volume of gel water. And, the rate of hydration of cement can be estimated froHi the ex― perimental relations between PorOSity, specific gravity and water cement ratio. O)In Cement paste, the strength and elastic Properties are shown On linear

relationship to the capillary porosity in cement p2ste, irrespective Of the condi―

tions of mix proportion and methods of curing。 (Received May l,1971)

1ま

え が き 硬化 した コンク リー トの強度

,弾

性係数などの力学的 性質は,コ ンク リー トを構成 してい る材料によってかな りの影響を受ける。 ことに,セメン トの種 類, 配 合条 件

,環

境条件な どに よって種 々変化す るセメン トペース トな らびに骨材 とセメン トペース トとの境 界 面 の 林態 は

,硬

化 コンク リ… 卜の力学的性質を支配する主要な因 子であ り,これ らの特性を十分に把握することによって 硬化 コンク リー トの強度や変形特性に関連する機構を解 明し,さ らに

,そ

れに基づいた配合設計方法の開発を図 ることも可能になると考え られ る。 本研究は

,硬

化 コンク リー ト中に生成される空隙に注 原 稿 受 理

1971年

5月 1日 土木工学科 目し, この空隙によってセメ ン トペース トな らびに境界 面の特性を定量化 し,さ らに この定量化 した空隙 と強度 な らびに変形特性 との関係を実験的に検討 し

,若

千 の考 察を加 えたものである。

2理

論 的 検 討 2.l Notation 以下の各章で用いる記号を一括 して記す。 Pc i毛細空隙率 (毛細 空隙の体積

/セ

メ ン トペース トの体積)

Pg:ゲ

ル空 隙 率 (ゲル空隙の体積/セメ ン トペース トの体積)

(2)

Pt Pl P2 総空隙率

(Pt=Pc+Pェ

) 固形生成物 (SOlid prOduct)の 比重 水和セメ ントの比重 未水和セメン トの体積 (Cm3) ゲル水の体積 (Cm3) 固形生成物の体積 (Cm3) 細骨材の体積 (Cm3) フレッシュ・ セメ ン トペース トの体積 フレッシュ・ モルがルの体積 (Cn3) 未水和セメン トの重量 (g) 藤村尚・ 阪田憲次・ 木山英郎 。西林新蔵:セメン トペース ト中における空隙の挙動に関する研究

2.5

セメン トペース トにおける特性値の計算 いま

,水

セメン ト比を

a%,水

和度を〆%とした場合 のPt,ρl,Pc,ρ

2,Pg,

それぞれの計算式は式(司∼

D

に示す通 りである。 、

Pt=_

V―

(Vs+Vc)

鞘/s ■‐ Wc V (cm3)

Vm

ヽ ∼ ra ヽVb Vc ゲル水 の重量 (g) 図形生成物の重量 (g) 細骨材の重量 (g) 供試体の乾燥重量 (g) 供試体の表乾重量 (g) 供試体の水中重量 (g)

2.2

セメン トペース トの空隙および比童の算定 ある硬化過程におけるセメ ン トペース トの 組 成 に 対 し

,Ne

lleの 研究結果り を参考に して

,

以下に示す 4っの仮定を設けた。 i)普 通ポル トランドセメン トが完 全 に水 和す るのに 必要な結合水量はセメ ン ト重量の23%でぁる。

)完

全水和によって生成 した固形物 (SOlid PrOd_ uCtS)の 休積は全結合水体積よりも少な くな り

,そ

の減 少率を25,4%と 仮立する。 この減少分が水の入 り込めな い空の毛細空隙 (empty Capillary pore)と なる。

iii)この固形生 成 物 は

,ゲ

ル水 (gel water)に よ

って吸着結合 されて水和セメ ン ト (hydrated cement) をつ くるが,これに 必 要 な ゲル水の体積 (ゲル空隙 ( gel pore)の 体積

)は

水和セメ ン トの体積の

28%で

ぁ る。

)こ

のとき未反応の水は

,全

てとり込 まれて毛細空 隙 (Capillary pore)を つ くり

,そ

の中で 毛 細 管 水 ( CaPillary water)と して存在する。 これ らの仮定を基に して

,水

セメン ト比や水和度の異 なる硬化セメン トペース ト中に生成 した空隙率や比重を 算定することができる。 さらに

,モ

ルタル中に合まれる細骨材の性質はセメン トの硬化前後において不変であ り

,細

骨材以外の部分は ペース ト部と考えてもよいか ら

,硬

化モルタルに対 して も同様に空隙率 な らびに比重を算定す ることができる。 なお

,骨

材 とペース ト部 との境界面の空隙についてはこ こでは考慮せず別途検討を加えることにする。 ρ

2=

Vs tt Vc + Vg

Pg=+

つぎに

,水

セメント比を2段階に分け, いて行なった具体的な計算例を示す。 i)ュ ≧36.1%の 場合 Pc = Vs + Pt― Pg

Ws■ wc+W写

(5) 式(嘲∼(5)を用

Pt=

100 + 0.23″ ρl =

Pg=

31,8 + 0.171″ 0.19″

31.8+a

Pc=_二

塩駕格

_

100 + 0.42″ ρ

2=

σ

「3征匠コ .8

a<36.1%の

場合

=名

100 +0,0067 ・ a″ ρユ

=屯 f8耳

0〒0047・ a″

Pg=皇

!鴇

= 3什

翠出許

ρ

=堤

8寄

¥.・

│ │

なお, 完全水和に必要な最少水量以下の場合

(2<

36.1%)に

,水

和度をa/86.1として計算 した。

2.4

モルタルにおける特性値の計算 モルがルの場合は

,ペ

ース ト中に細骨材が混入されて いると考え

,細

骨材の体積お よび重量を計算の過程に導 入 した。計算式を式団∼12に示す。 Vm―

(Vs+Vc+Vsa)

Vm

Pl

(3)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第2巻 第 1号

Pg=寺

Pc=Pt―

Pg P2 =

Ws+Wc+wsa■

Vs + vc + vsa■‐ vgwg

2.5算

定 結 果 (1)ペース ト 表

-1に

示す ように

,要

因として結合水の量とゲル水 の体積を選び

,そ

れぞれの要因に対 し4水準を採 り

,計

16通りの組合わせについて特 性 値 を算 定 した。 このう

,結

合水 :16%と ゲル水:24%の組合わせおよび結合 水 :26%と ゲル水:30%の組合わせの場合の理論曲線を 採 り上 げて若干の考察を加えてみる。算定結果を図

-1

∼ 4に 示す。 これ らの図は

,横

軸にPtあるいはPc,縦軸 に ρlあるいは ρ2を 採 り

,水

和度 と水セメン ト比 (W/C)

Table I COnditions Of theoreical calculatiOn elements conditiOns

amounts of combined water

(%Of Cement(wt,))

16, 20, 23, 26

volume of gel lvater (%Of hydrated cement(v。1・)) 24, 26, 23, 30 をパ ラメー身一として画いたものである。 結合水が一定でゲル水が増加す るとき

,あ

るいはゲル 水が一定で結合水が増加す るとき

,完

全水和に要する最 少水量は 増 加 し, さ らに

, Pt,Pcぉ

ょび ρl,ρ2は ともにやや減少する。また

,全

般的に,これ ら比重およ び空隙の量は水和度の大 きいものほど減 少 幅 が大 とな る。 ゲル水 と結合水が一定 の場合 (たとえば

,ゲ

ル水 :28

Ws+wc+wsa

ρl = Vs+Vc + vsa 10 20 30 40 50 60 70

Fraction of he tOtal porosiサ ,Pモ(%)

Fig.l TheOretical relations between ρl and Pt in which are expressed as the parameters W/C and rate of hyadrtiOn

w/C(%)

2.9 2.8 2.7 2.6 2,5 24 2.3 0 10 20 30 40 50 60 70 Fraction of he capinary pOrosity,Pc(%)

Fig。2 1`heoretical relations between ρ2 and

Pc in which are expressed as the para― meters w/c and rate Of hydration

︵韻 ︶ .0 ぁ 〓 N ヽ   へ ∽ 中 o H ︻0 0 弓 0 ゛ S 角 ↓ ぁ 声   O 根 ∵ 賄 o   ち 培 ″ S 廠 ∞   o 卓 “ o a ∽ ・ 2       ・ 1

W/C(%)

祭 2 ., 駈 2 .5 2 .4 23 2 .2 言 ヽ   一∽ い o 声 硝 o 青 畠 硝 F o ∽   O 汽 ︸ 彎 o   必 嘉 > 筍 ︼ ∞   o ﹁ ︻ o a ∽

(4)

︵ 歳 ︶ 可 ヽ ■ 2 .t 2 .E 2 .7 2 .6 2 .5 2 .4 2 .3 2 .2 “ ヽ   、 ∽ や E O 声営 O O 可 0 中 ω 者 増 ふ 溜   o ド 中 中 o   ネ 君 併 S ︻ ∞   0 4 ︻ O ︹ ∽ 【比ユ ao み9 ︼ ヽ   、 の 中 O 戸 ↓ O H a ↓ F o ∽   Φ 声 “   ﹂ o   ぁ 〓 > d 虫 ∞   o ﹁ ︻ o ω 蕪 ∽ 藤村尚・ 阪田憲次・ 木山英郎・ 西林新蔵:セメン トペース ト中における空隙の挙動に関す る研究

W/C(%)

W/C(%)

ZO満

Fraction Fig. 30 40 50 60 70

of lie total porosiけ , PI(%)

3 Ditto Fig。 1

%,結

合水

:23%,図

-3∼

4)は

,w/Cが

増 加す る に従 って空隙量も増大するが

,水

和に必要な最少水量以 上 (W/C≧

36.1%)で

は空隙の増加率は次第に小さ くな る。一方

,最

少水量に対する水セメ ン ト比 以 下の場合

(w/c<36.1%)は

,W/Cが

大きくなるに従 って ρと

,P2

はほぼ直線的に低下す るが

,そ

れ以上 の

W/Cで

は ほ と んど変化 しない。さらに

,水

和度

(H)が

進行す ると, 空隙率

,比

重はともに減少す る。 (2)モル

>ル

結合水

:23%,ゲ

ル水

:28%,配

合比

1:2ぉ

ょび1

:4の

モルタルに おける Ptと ρ,, あるいはPcと ρ2 の関係を図

-5∼

8に 示す。骨材を配合 しているため単 位ペース ト量は少な くなるので

,全

般的に

,ペ

ース トの 場合 と比較 して

,空

隙率

,比

重 ともに各パ ラメーターに 対する変化幅は小さ く現われている。 しか し

,各

特性値 の示す傾向はペース トの場合と同様である。

3実

験 概 要 る。

1

使用材料および配合 0 10 20 30 40 50 60 76

Fraction of he capillary pOrosiサ

,Pc(%)

Fig。

4 Dito Fig.2

(1)セメン ト 使用 したセメン トは普通 ポル トラン ドセメ ン ト(大阪 セメン ト社製

)で ,そ

の物理的性質な らびに化学分析試 験結果を表

-2,表

-3に

示す。 121 骨 材 細骨材には豊浦標準砂を用いた。なお, この標準砂の 比重は 2.65,骨 材中の空隙率は4,2%でぁる。 (3)配

合 空隙率 の測定

,強

度試験に用いたペース トお よびモル タルの配合条件を表

-4に

示す。

5.2

供 試 体

(J

空隙率および比重測定用供試体 ペース トおよびモル少ル供試体の形状はつぎの2種類 である。 i)厚さ1・

5cm,直

径5,Ocmの 塊状供試体

)直

10Cm,高

20cmの

シ リンダーを コンク リー ト用カ ッターで厚さ10±

lmmに

切断 した供試休。 これ らの供試体はいずれ も

,打

設後24時間は恒温恒湿

(5)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第 2巻 第 1号 2 . 2 . 2 . 2 . N ヽ   ぃ ∽ ゛ H o g S o 可 ω 学 硝 歯 増 ぁ F   o 声 中 峰 o   ぁ 君 > S h 的   o 4 い 0 0 盛 ∽ ︵ ヾ ▼ 句 ぁ π . ミ   、 ∽ や o コ ↓ o H a   ↓ F O の   o 声 ♯   蠍 。   心 〓 > S h 的   o 卓 ︻ o O a ∽

W/C(%)

P,一 PI 1:4 Mortaェ gel water

28%

combiiied 23ワち 20 30 40 50

the total porosiけ

,Pt(%)

Fig.5 Theoreticalrelaions between ρl and P:

in which are expressed as the parameters W/C and rate of hydratiom

室中 (21。C± 2 deg・

,R.H.190∼

95%)に

保存 し

,脱

枠後は所定の材令 まで水中養生 (20。C± l deg.)を施 し た。試験時の材令は

,塊

状 供 試 体については3, 7,

14,28,56,105日

,切

断供 試 体 に ついては

3,7,

14,28日 と選んだ。なお

,供

試体数は各配合 ごとに18個 ずつ合計286個である。 (2)強度な らびに変形測定用供試体 強度試験用供試休は φ10×20 cmのシリンダーで

,他

の条件は但)と同様である。試験時材令は

3, 7,14,28

日に選び

,各

材令において圧縮強度試験,引 張 強 度 試 験

,荷

重∼変形曲線の測定を行なった。供試体数は各配 合 ごとに18個ずつ合計252個である。

5.5試

験 方 法 lll 空隙率な らびに比重の測定 供試体の乾燥重量を測定するに当っては

,ペ

ース トを 構成 している成分の一部である水の取扱 い が 問 題 とな

Z3輛

Fraction oF die 30 40 capJlary porOsiげ,P。(%)

Fig。 6 Theoretical relations between ρ2 and Pc in which are expressed as the para― meters w/c and rate of hydration

る。ペース トの一構成成分である水 には

,蒸

発性水分 と 非蒸発性水分 とが考え られる。前者は

,水

和物のゲル表 面に表面力によって強固に付着 し

,ゲ

ル粒子相互を緊結 す る役割を果 しているゲル水 と

,ぺ

…ス トの間げきを埋 め外力によって自由に移動する毛細管水の 2種 類が考え られ る。後者は水和物 と 強固 に結合 した 結合水 (結晶 水

)で

ある。 本試験においては

,毛

細管水を取除いた状態で Pc, ρ2を, 毛細管水 とゲル水を取除いた状態で

Pl, Plを

求めるため

,つ

ぎのような乾燥方法を採用 した。すなわ ち

,一

般に

,非

結合水は 105°

C炉

乾燥あるいは常温真 空乾燥を施 した場合に残留 している水分 といわ浄 ている ので

,

■0°

C炉

乾燥重量に基 づいてPt,ρ■を,80°

C

炉乾燥によってPc,ρ2を 算定 した。なお

,

乾燥重量 は炉に入れた翌 日か ら5日 間毎 日とそれ以後は 5日 ごと に測定 し

,乾

燥重量が一定の値に近づ くまで行 な った。 比重および空隙率 は

,供

試体の乾燥重量の他 に

,水

(6)

2 . 2 . ︲ 2 . ︲ 2 . 4 ︵ 韻 ︶ む 、 猛 2 .7 2 .6 為 24 ︼ ヽ   ︵ 切 や o 戸 句 o H a   ↓ 声 O ∽   o 声 F   ﹂ o   ぁ 〓 > S 角 ∞   0 名 一 o O a ∽ 藤村尚・ 阪田憲次 。木山英郎 。西林新蔵:セメン トペース ト中における空隙の挙動に関する研究

W/C(%)

W/C(%)

30 40 50 Pt(%) 30 40

Fraction of tユュe capillary porosithr,Pc(%)

Fig。 8 Ditto Fig.6

Fraction of Fig.

the total porOsity,

7 Ditto Fig.5

Fineness Blain's specific

Table Ⅱ The physical properties of used cement Setting time (in hr・ ―min.) Strength(kg/Cm2)(4×4×16cm mortar) gravity l准 1を

)

m51努

0

Table Ⅲ The chemical compositiOns of used cement

ヽ ミ   ヽ ∽ や 重 o F ︻ ω O   ↓ O や S ︻ ︺ Λ 〓   o 編 や   中 o   ふ 〓 > 硝 H ∞   o ■ ︻ o ω a ∽ Pと一PII I:2Mortar gel water 28ワ combinod 23ワち

(7)

Items

Of testing

鳥 取 大 学 工 学

Table Ⅳ

Testing programs

conditions WIortar Porosity 20, 60 重量 と表乾重量も測定 し

,次

式か ら算定 した。 腫 ①

=詩

側 空隙率

(P)=瑠

器≡平排 ×Ю

O∽

側 (2)強度試験および静弾性係数の測定 圧縮強度試験および,引張強度試験 は,それぞれJIS A l108と ЛS A l103に準拠 して行ない,さ らに圧縮強 度試験の際に差動 トランス型変位計で荷重∼変形曲線を 求め

,強

度の塊 の割線弾性係数 (Secant MOdulus)を 供試体の静弾性係数 として採用 した。

4

空隙率

,比

重の測定結果および考察

4.1

セメン トペース ト 実測の供試体重量を式10,こかに代入 して算定 した空隙 率および比重を

,前

述 した理論曲線上にプロッ トす ると 図

-9∼

13に示す ようになる。なお

,以

後の考察におい ては

,ゲ

ル水 :28%と 結合水:23%とを組合わせて画い た理論曲線 と実測算定値を取扱 う。 は, 総空隙率 (Pt)と

W/Cお

よび材令 (水和度)と の関係 図

-9は

Ptと

w/cぁ

るいは材令 との関係を示 した もので,これによると

, W/Cが

大 きくなるに従 ってPt は増大 し

,材

令が進む と

,す

なわち水和度が進行するに 従 ってPtは逆 に減少す る傾 向が見 られ る。 こ の 現 象 は

,W/Cが

大 きくなると非結合水が そ れ だけ多 くなる こと

,お

よび水和度が進行す るに従 って非蒸発性の結合 水の量が多 くなることか ら説明できる。なお

,比

重につ いては明確な傾向は見 られなか ったが

,限

界水 セメン ト 比 (水和に必要な最少水量か ら求めた水セメン ト比

)以

部 研 究 報 告 第 2巻 第 1号 10 20 30 40 5t1 6tl

W/C(%)

Fig,9 Relations betweed Pt and w/c (PaSte)

下の場合には

,比

重がやや大 きくなる傾 向が伺われた。 121実測 空隙 率

(Pt,Pc),

比 童 (ρl,ρ2)と理論 値 との比較 図-10は

,実

測値か ら算定 した

Pt, Plを

理 論曲線 上にプロッ トしたものである。前述 した一般的な傾向と 同様に

, W/Cが

,

すなわち使用水量が増 えるに従 っ て空隙率 (Pt)は 増大 し,さ らに水和度が進む と水和セ メン ト量が次第に増加 して空隙率が低下す る傾 向が見 ら れ る。また

,比

重 (ρl)も

,試

験体の製作が困難であっ た

w/c=20%の

場合を除けば

,ほ

ぼ理論曲線上に載 って いる。すなわち

,限

界水 セメン ト比以下においてはW/C の増加 とともに ρlは 減少す るが

,そ

れ以上 の水セメン ト比では

W/Cの

増加にかかわ らず ρlはほぼ 一定 とみ なす ことができる。 前述 した測定結果を詳 しく見 ると

,空

隙率に比 して比 重の方がば らつ きが大 きく現わたてい る。そ こで

,先

ず Ptと

W/Cと

の関係のみを理 論 曲線上にプロットし, つざに理論値 との適合性を検討 した上で

,

ρこと水和度 との関係を帰納的に推定す ることを試みた。図―■を見 ると

, W/Cと

Ptとの関係は理論値 と極 めてよく適合 してお り, さ らにペース トの水 和度 は, 材令

3, 7,

︵ゞ ︵ 工 劣 o ﹁ 。 a   = 、 一 0 一   0 声 0   ﹂ o   一 一 ∵ O S 着 牛 出

(8)

藤村尚・ 阪田憲次・ 木山英郎・ 西林新蔵:セメン トペース ト中における空隙の挙動に関す る研究 Z9 2 2 Z Z 2 . 2 ︻ ミ   ヘ 望 o 戸 ↓ o 歯 a や 巧 ∽ Φ ‘ ︼ o 掛 事 § 角 的 o ︻ ﹁ も ω a ∽ 22 Zl 10 20 30 40 50 60 70

Fracion of the total porosity,Pi(%)

Fig.lo Reladons between

ρl and Pt,in which

plotted values are calculated with para― meters of ρル

Pt and w/c(PaSte)

14, 28, 56, 105日 においてそれぞれ, 50, 55, 60, 65, 70, 30%と 推定され

,

材令初期における水和度は 極めて大 きく

,そ

の後の水和度の進行は緩慢 となる傾 向 が見 られ る。なお,こ こで推定された水和度の値は

,他

の研究者の報告 とほぼ一致 している。 図-12は

,Pcと

ρ2と の関係 を示 したもの である。 Pcと

W/Cあ

るいは水和度 との関係は

,

前 述 した考察 結果 とほぼ同様であるが, ρ?は 限界水セメン ト比 に関 係な く

,W/cが

大 きくなるに従って低下す る傾 向 が 見 られ る。さらに

,Pcと

w/Cと

の関係のみを理 論線上 にプロッ トした図-13からは

, w/cと

Pcあ るいは水 和度 との間に明確なる関係は見出されない。 4,2 モ ル タ ル モルタルにおいては

,練

混ぜ時に約10%のエ ン トラッ プ トエアーが導入され, このうちの幾 らかはモルタル中 に取 り込まれ ることが認められている。 このような現象 を考慮 して

,水

中重量の

5%の

空気がモルタル中に取 り 10 20 30 40 50 60 70 FraciOn of the tOtal porosity,P,(%)

Fig。 1l RelatiOns between ρl and Pt,in which

plotted valucs are calculated with Para― meters of Pt and w/C(Paste)

込 まれているものと仮定 し, この空気量を修正 した値で 空隙率および比重を算定 した。いま

, 1:2モ

ルタルに ついて図示すると図-14∼15のようになる。 全般的に考察す ると

,ペ

ース トの場合 よりも理論値 と の適合性はよくない ようである。また

,モ

ル タルの場合 は

,い

ずれの配合も限界水 セメ ン ト比以上であるので, それ以下 のW/Cと 比重 (ρl,P,)と の関係につい ては考 察を加 えることはで きない。 しか し

,w/cが

大 きくな る とモルタル中の空隙率は増大 し

,比

重は

W/cが

大 きく なるにつれ て減少す る傾向が見 られ る。 さらに

,モ

ルがルにおいては

,徴

細 な骨材粒子はセメ ン ト粒子 と同様にその表面に水が吸着 し

,そ

れが空隙率 に大 きな影響をおよぼすものと予想され る。 ここでは, モルタル中には一率に

5%の

空気が取 り込まれていると 仮定 して測定値を修正 したが

,骨

材量あるいは骨材粒度 を考慮 した空気量の補正を行なう必要があると考え られ る。 このように

,モ

ルタルにおいては

,骨

材 とペース ト 2 . 2 . 2 . 2 . 2 . 2 . 2 . ︻ ヽ   ヽ ∽ や o 声 ↓ o ︼ 白   0 声 O ∽   O 澤   噸 o   ぁ 求 > d 隣 ¨   0 ■ ︼ω o a ∽

(9)

鳥 取 大 学 工・学 部 研 完 報 告 第2巻 第 1号 ︵ ゞ ︶ 。硝 ぁ d ゛ ヽ   ヽ ∽ や g o 一︼ ω O   ↓ 0 や ヽ L 樽 ぁ F   O ︻︺ 中 o   ネ 〓 夢 S h 中 o 偏 ︻ o ︹ ∽ 50

0 10 20 30 40 50 60 70

Frac,On of ttle capillary porosity,Pc(%)

Fig。 12 Relations between ρ2 and Pc,in which

,ユotted values are calculated with para―

meters of ρ

2,PCand w/c(Paste)

との境界面における特性, とくに骨材粒のまわ りに取 り 込まれた空気量をいかに評価するかが今後の問題点であ る。

5

空隙と強度な らびに変形特性 5,1 空隙と強度との関係 ある硬化過程のセメン トベース トは

,未

水 和 セ メン ト

,水

和セメン ト

,毛

細管空隙

,ゲ

ル空隙

,エ

ン トレイ ン ドエ ァー

,エ

ン トラップ トエァーなどによって構成さ れ ている。 これ らの構成成分の力学的性状はそれぞれ固 有 のものとみなされ,さ らに これ ら構成成分の割合には 一定の量的関係が存在する。従って

,強

,変

形特性を 固体量 (使用材料あるいは構成要素の割合

)に

関係づけ るか

,あ

るいは空隙量に関係づけるかのいずれの方法に よっても最終的には同 じ結果が得 られるはずであると考 え られ る。 さ らに

,硬

化 したセメン トペース トの破壊機構を考え てみると

,荷

重に比例 した変形が起 っている間は弾性体 とみなす ことができ

,供

試体 内部の空隙も破壊 していな い。さらに荷重を増加 して行 くと内部の空隙は次第に破 0 10 20 30 40 50 60 70

Fraction of lle caplllary porositjT,Pc(%)

Fig。 13 Relations between ρ

2 and Pc,in which

Plotted values are caicwlated with para― meters of Pc and w/C(Paste)

壊 し

,そ

の間応力∼ひずみ曲線は 直 線 か ら 曲線に移行 し

,空

隙が全て破壊 した ときに供試体 も破壊す る。すな わち

,空

隙は強度あるいは変形特性 と linearな 関係に あると考えることができる。硬化 したモル タルや コンク リー トにおいても

,骨

材 自身の特性は硬化前後において 不変であり,さ らに骨材以外の部分をセメン トペース ト 部 とみなせば

,上

述 した考え方をそのまま適 用す ること ができる。

5,2

試験結果と考察 空隙試験で得 られた理論毛細管空隙率 (Pc)と 圧縮強 度 は

c),引

張強度 徹

1),静

弾性 係数

(E)と

の関係 を図-16∼22に示す。 図-16∼18に示す ように,セメン トペース トにおいて は Pcと σc,σtt Eと の間に

,

いずれも直線関係が認 め られる。すなわち

,配

合条件

,養

生方法が異なっても Pcが 決まればペース トの強度 な らびに 変形特性は一義 的に決 って くる。 一方

,図

-19∼21に示す ようにモル タルの場合

,Pc

と強度ならびに静弾性係数の間にはペース トの場合ほど

(10)

2 .︲ 2 .そ 笈 2 .4 N ヽ   ヽ ∽ ↓ g o 日 o o   O o や ゛ 角 ヽ ぁ F   O 声 φ   賄 o   ぁ 増 > S ﹁ ∞   o ■ ︻ O Φ 白 ∽ 2 , 7 2 , 6 2 .5 2 , 4 ︻ ミ   ︵ ∽ ″ o 戸 ↓ o 角 a 硝 〓 o ∽   o ︻ 事   ﹂ o ︵ 増 > o 営 ∞   O 雪 ︻ o O 毎 ∽ 藤村尚・ 阪田憲次 。木山英郎・ 西林新蔵:セメン トペース ト中における空隙の挙動に関する研究

3

Fraction of the tOtal porOsiげ ,Pi(%)

Fig。 14 RelatiOns between ρl and Pt(Mortar)

Fraction of the capillary porosiり

,Pc(%)

16 RelatiOns between compressive stren― gth and the capillary porosity(Paste)

Fig.

FracjOn of he capllary porosity,Pc(%) 15 RelatiOns between ρ

2 and Pc(MOrtar)

Fraction of the capllary porosity,Pc(%)

Fig。 17 RelatiOns between tensile strength and

the capillary porOsity(Paste)

︵ s E o \ m ︼ ︶ , も 、f ∞ 〓 Φ 魯 ∽ o 一ぢ E o 卜 → g o \ 亜 ︼ ︶ も   , 毎 中 質 ω ■ り  。 宅 の り 。 ﹁ は 日 。 0 Paste Fig.

(11)

鳥 取 大 学 工 学 部 研 完 報 告 第 2巻 第 1号 台 S ヽ 聟 Ч も 編 ∞ 思 H 協 ω 一 豊 。 い 4 3 . 2 . 1 . 命 g \ 翌 コ X ︶ 口 さ 覆 中 恐 お お ・∽夢 一 電 。 E 命 S \ 翌 ゆ 日 X ︶ 口 ぃ善 ︻ o ︼゛ 恐 お お ∽ F g o 冒 Paste

0く

°`° 音宣ゝ。

0

〕\く、

、。

命 S \ ∞こ 。も ど 智 o お ∽ 妥 ︻∽ ∽o h鸞 o0 10 20 30 40 Fracjon of he capillary porosiv, Pc(%)

Fig。 18 Relations behveem moduユ Hls oF elastic―

ity and the capillary poros■y (Paste)

1:3 Mortar ① 7 ″ ◎ 14″ 28 ″ ①

O

○ ○

FractiOn of tlle capmary porosity・

Pc(%)

Fig。 19 Relations between compressive stren―

gth and the caPillary porosity (MOrtar)

明確な比例関係は認め られず

,と

しろ水セメント比の影 響が顕著に現われている。 モルタルとペース トとで上述 したような相達が現ゎれ た原因について以下考えてみる。 一般に

,モ

ルタルの水和度はセメントペース トのそれ と同 じ程度か

,あ

るいはやや低いといわれているり。 これは骨材混入の影響が現わ浄たためと考えられている が,この影響の程度は主 として初期材令において大 きく 現われ

,材

令が進むに従 ってペース トの水和度に近ず く ものである。そ こで

,い

ま細骨材の混入割合 (セメン ト :砂

)は

水和度に影響をおよぼさないものと仮定 して, 材令 3日 における水和度を45%に採 って Pcの 変化を検

Fracjon of he capillary porositJr,Pc(%)

Fig。 20 Relations between tensile strength and

the capillary porosity(MOrtar)

Fraction of dle cap11lary porOsityp P。 (%)

Fig。 21 RelatiOns bet、veem modulus of elastic―

ity and the capi工ary porosity(Mortar)

討す ると

, 1:2モ

ルタルで約

1.2%, 1:3モ

ルタル で約

1.0%, 1:4モ

ルタルで約

0.8%, Pcが

変化す る。以上のような修正を施 こせば

,モ

ルタルにおいても 圧縮強度

,引

張強度あるいは静弾性係数と空隙率との間 にある程度の直線関係が認め られるようになるが

,厳

密 に観察すると

W/Cと

強 度あるいは静弾性係数との関係 の方がより密接であると判断せざるを得ない。さらに, 特性値 として採 り上 げた水和セメン トの空隙率 Pcその ものの評価が十分なされている と は い い難い。すなわ ち

,骨

材粒 とペース トとの境界面の空隙やペース ト中に 取 り込まれた空気の挙動を考慮 した Pcの算定

,ゲ

ル空 隙の強度・ 変形特性におよぼす影響

,境

界面の特性 (空

(12)

藤村尚・ 阪田憲次 。木山英郎・ 西林新蔵:セメン トペース ト中における空隙の挙動に関する研究 気や骨材 とペース トとの付着性)と強度 との関係等を総 合的に判断す る必要があると考え られ る

6結

論 本試験に よって得 られた結果を要約す るとつぎのよう になる。 (司 空隙について 1)ペース トあるいはモルタル中に合まれ る空隙率 ( 総空隙率 :Pt, 毛細管空隙率 :Pc,ゲル空隙率 I Pg) および構成物質の比重 (図形生成物の比重 I Pl,水和セ メン トの比重:ρ2)は

,完

全水和に必要な結合水の量 と ゲル水の体積を適当に仮定しこれ らを組合わせることに よって理論値を求めることができる。本研究の結果

,結

合水を

23%,ゲ

ル水を28%と するのが最も妥当であると 考えられ る。

2)w/cと

水和度をパ ラメ…ターとして空 隙率 と比 重との関係を表わ してお くと

,W/Cや

水 和 度か ら空隙 率

,比

重を求めることができ

,

さ らに

W/C, P,ρ

を 実験か ら求めてやれば水和度を推定す ることもできる。

3)実

験値か らペース トの水和度を推定す ると

,材

3, 7,28,56,105日

においてそれぞれ50,55,60, 70,80%と なる。

4)理

論値 と実測値 との適合性を検討す ると

,ペ

ース トにおいては極めて良いが

,モ

ルがルではやや劣る。モ ル タルの場合には

,ペ

ース トと骨材 との境界面における 空隙 (エン トラップ トエァーあるいはエン トレイン ドエ ァーを合む

)の

評価をさらに詳 しく行な う必要があると 考えられる。 (f21 空隙 と強度な らびに変形特性 との関係について 1)ペース トにおいては配合条件や養生方法が昇なっ ても

,ペ

ース トの毛細管空隙率 (Pc)に よって強度・ 変 形特性は一義的に表わされ

,両

者の間には比例関係が成 立す る。 2)モルがルにおいては手ペース トで観察されたよう な明確な比例関係は認め られず

,む

しろ水 セメン ト比 と の関係の方が支配的である。 この原因として

,モ

ルタル の一構成成分であるペース トが

,ぺ

…ス ト単身の場合 と 同 じ特性値をもつ と仮定した こと

,骨

材 とペース トとの 境界面における空隙の挙動について十分検討していない ことなどが考えられる。今後

,水

で満されていない毛管 空隙の取扱い とその定量化

,練

混ぜ中に取 り込まれた空 気の挙動などを究明す ることに よって

,モ

ルタルにおい ても空隙と強度 との間に一義的な関係が見い出されるも の と考えられる。 以上,セメン トペース トあるいはモルタル中に合まれ る空隙を取 り上げ

,そ

の定量化を図るとともに強度

,変

形特性 との関連性についても若干の検討を加えた。今後 は

,本

文中で指摘 した問題点を究明す るとともに人為的 に空気を連行 した

AEペ

ース ト

,AEモ

ルタルについて 研究を進め

,将

来はこの方法論を コンク リー トにまで発 展させ度い と考えている。 本研究を実施す るに際 して

,本

学吉川敏明技官

,専

攻 科学生三木収

,山

田博司の諸氏をは じめ材料研究室関係 者の協力を得た ことを付記 して感謝の意を表す る。 参 考 文 献 1)A.M.Neville:Properties of Concrete. 2)内川進 :水和セメン トの強度

,セ

ラミックス 〔3〕,1968.3,

Fig。 2 1̀heoretical relations between  ρ2 and Pc in which are expressed as the para― meters w/c and rate Of hydration ︵韻︶.0 ぁNヽ へ∽中質oH︻00弓0゛S角↓ぁ声 O根∵賄o ち培″S廠∞ o卓ooa∽・2   ・1W/C(%)祭2.︐駈2.52.42.32.2言ヽ 一∽いo声硝o青畠硝Fo∽ O汽︸彎o 必嘉>筍︼∞ o﹁︻ooa∽
Fig。 6 Theoretical relations between  ρ 2 and Pc in which are expressed as the para― meters w/c and rate of hydration る。ペース トの一構成成分である水 には ,蒸 発性水分 と 非蒸発性水分 とが考え られる。前者は ,水 和物のゲル表 面に表面力によって強固に付着 し ,ゲ ル粒子相互を緊結 す る役割を果 しているゲル水 と ,ぺ …ス トの間げきを埋 め外力によって自由に移動する毛細
Fig。 1l RelatiOns between  ρ l and Pt,in which plotted valucs are calculated with Para― meters of Pt and w/C(Paste) 込 まれているものと仮定 し, この空気量を修正 した値で 空隙率および比重を算定 した。いま , 1:2モ ルタルに ついて図示すると図 ‑14〜 15の ようになる。 全般的に考察す ると ,ペ ース トの場合 よりも理論値 と の適合性はよくない ようである。また ,モ ル
Fig。  14 RelatiOns between  ρ l and Pt(Mortar)
+2

参照

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