日本の哺乳類 (12) げつ歯目 ハタネズミ属-香川大学学術情報リポジトリ

24 

Loading.... (view fulltext now)

Loading....

Loading....

Loading....

Loading....

全文

(1)

月本しの晴乳類(12)

げつ歯目 ハタネズミ属

1)

金 子 之’史(香川大・教育・生物)

Ma汀mals。fJapan u2):Order Rodentia・Qenus Mi”OtuS

Yukibumi KANEKO

ハクネズミ属 Microius Schrank,1798

Microt払S Schrank,=981Fauna Boica・Ⅰ,ワB‥Microt払S terreStris

Schrank=M7LS arValis Pallas・

分類学上の位置本属軋Simpson(1945)によると,ネズミ上科(Muroidea)

キヌゲネズミ科(Cric。tid。e)ハクネズミ亜科(Microtinae)に位置づけられてぃや0

しかし,げつ菌目の分類の編成変えをしたStehlin&Schaub(i9年1)払ネズミ上靴

ハクネズミ科(Microt.idae)に本属を封いているo

特徴外観はヤチネズミ属(C∠βとんγZ…仇タ♂)に似る。尾長は後足長よや長く,外耳はあま

少大きくなく,乳頭式は2十0+乏=8が大部分で・まれに0+0十2ご4のも一の

(mexicanusグループ)がある0後足の脈球の記載は多くの文献で6と示首れているoただし

Barret−Hamilton&Hinton(1910∼19Bl)軋そのうち1つが痕跡的と述べ▼て

いる。後でふれるように,日本産のハクネズミでは5つの個体が多い0

頭骨の形や頑丈さヤ角ばカ・の程度は種によって異怒る0翼状筋窟が深く・瀾胞はスポンジ組織から できている。 jt

l■ 白歯は歯根をもたず,、下顎の切歯基部では・部=つの白歯が切歯よカ頬側に位置するのに対して・

碩目の白郎切歯よ少者側にある0白歯の頼・舌側にある三角形ははほ同じ長さで入力込み,エ il

ナメル質の三角形は鋭角的であるomlは5つの閉じた三角形をもつのが普通であるが・あるもの (肌…e……=〟・γ鋸=イごり…)で払後方から数えて5番目の三角形が前環と癒

1)晴乳類科学,第aO号,1gワ5年8月

1)京都大学学位審査論文のうちの一部を用ぃている0

1)香川大学教育学部生物学教室業績第25号(19ワ2以降)

一牒−

(2)

合するもの(閉じた三角形は亀)ヤ,またあるもので吼前環がよカ複雑になって,閉じた三角形が 6∼ワ, 稀には8生じることがある○ ハクネズミ属とヤチネズミ属とを鑑別する特徴は,頭骨腹面の口蓋骨後端部にある。後者に属する種 (日本産のものではェゾヤチネズミ・ミカドネズミ・ヤチネズミ・スミスネズミ凌ど)で軋左右の 白歯の間がうすぃ棚状であるのに対して,前者の属では,その間の正中線上に隆起(median

ridge)をもち,その左右部と白歯との間に側部窟(1ateralpit)をもつ点が異なってい

る(徳田,1g5J6の第B g図参照のこと)0 草原的景観あるいは田。畑・堤防などの人為化された景観に生活する,ヤチネズミ属よカよぉ特殊 化した属である。 分 布 旧大陸ではヨーロッパ・北アジア・中央アジ7・アフリカのリビア,新大陸では北アメリカ 封よびメキシコまで広く分布する。 邦産種 日本にはハクネズミ肌cγ∂と弘∫ m∂れ孟βムβ/JZ(Milne−Edwards)1種のみを 産す0 (付記)ハクネズミ属内の亜属のと少扱い方については諸説がある。亜属として採用するかし凌いか, 属肌。r∂∠払∫ 内の亜属とするか,別属として位置づけるかについて,統一した見解はぃまのとこ ろはない。したがって劇=∴ごγ‘上之払∫ 属内の亜属の分類につぃて紹介することはひかえておく0この

よう夜分類学的混乱は種の段階にもみられ,00rbet(1966)はこの群の分類(taxonomy)

が全体と・して完全さからほど違ぃと述べている○ただし,現をのところ,日本産のハクネズミについ ての分類学的意見の不一致はみられていない○

ハクネズミMicrol弘S 7nOntebeZZi(Milne−Edwards,18ワ2)

Aruicola 77Wnt eb eJJi Milne−Edwards,Rech・Mamm・,285,18ワ2・

dγ〃£e〃∠α 丘αとα几’β一dz弘仇乞 Sasaki,Bull− 0011・Agr・Tokyo,6:52,19拠・

〟icγ∂≠祐♂ m。几と8β¢∠Ji Thomas,P。Zい S。London,2:B52,1905・

MicroizLS 77”nleL5eZ∠iHinton,Monographs of voles andlemmings

(Microtinae),2,1921・

ハクネズミの原記載の年号にづいて軋18ワ1年・18ワ2年・18ワ4年など色々出されてぃ

る。筆者はMilne−Edwards の原記載のコピーはもっていないが,故青木文一郎氏が手書きし た原記載の写しをもっている。それによると」γひ云ごクJα m川とβββ∠/乞 はd・m¢Jα几ク∫α∫±βγ と同一年に記載されていることがわかる。d・仇¢Jα乃0タαタ≠eγの原記載が18ワ2年であること

はZoologicalRecordをはじめ多くの文献で確認できるので,現在のところ,

ー4−

(3)

d・批川≠βムβJ∠iの原記載の発表年も18ワ2年で間違いが覆いと思わ興る0その他の学名の変 遷史については,相見。金子(1971)が述べている。

l ここでは,亜種の記載につぃて少しふれておくo Tokuda(19B3)は佐渡島産のハクネズキを

〟乙ごγ♂≠払∫ 仇8花∠eムβ“Z ムγβひ去eクγク払∫ と命名した0 その特徴は基亜種のものよb大きさが小ざく二毛色がよb赤ぃとしている。Ridgwayの色彩表示

にしたがうと,基亜種がbisterとtawny−01i)e、であるのに対してbreuicorp払♂ は

cinnamon であるという。ところが渡辺(195 ワ)によって,佐渡島産の個体にも大きい個体 があることが報告され,Tokuda(1941)は大きさの特徴を除外し,毛色が本州のものよカ明る いとぃうことで佐渡島産のものをvar・∂γβひ£ごβγタ払 T。k。d。(1933)の色の記載については疑問が残るとし,亜種としてみとめるためたは色相の 出現率を確定する必要があると述べている。 な義㍉今泉(1960)は〟・m川∠βム¢J∠iムγβひ之c∂γタ弘∫ と亜種の記載を維持している0 外部形態’性的成熟個体の 性的成熟個体の集団にも変異があることを考慮に入れても,傾向的にみて,雄の体重や頭胴長には北

から南た地域を移すにつれ大きく覆る傾向がみとめられる。尾長や後足長および耳長にはそのようを

傾向はみられ凌い(金子,未発表)。 毛色の記載は,今泉(1949)にしたがうと,体上面に赤味がなく・,腹把橙美味がなh。上面は セピアから暗褐・オリーブ褐まであカ,下面は黄軟色から青灰まで変化する。尾の2色性はあぜ少明 らかで夜い。

後足の舵球は5個のことも6個のこともある。渡辺(1962)は5個と6個の比率がほぼ3:1

であると記している。日本産ヤチネズミ類(前述)の瞭球は6個であるので,5個の個体があれば, 外部形態でハクネズミと判定できるo j、

内部形態 性的成熟個体の頭骨の計測デーダのいくつかにつぃて,表2に示す(金子,未発表)0こ

れらの標本は外部形態で扱ったものと同一である。傾向的にみて,雌雄とも北よ力も南の地域佗ど頭 くl 骨全体が大型化してぃる。 脊椎骨数では,宮尾(1960)によるム長野県産のもので頭椎ワ,胸椎1B,仙椎は大部分が 亀で少数が2,尾椎15∼21(平均=1・8.03).で性差は宏ぃとぃう。仙椎と腸骨との関節は,第 1仙推による個体が大部分である(金子,1969)。 骨盤には雌雄2塑がみられ,この形態差は巣立以降の個体発生過程で顕著と浸る0雌では閉鎖孔を とカ国む座骨と恥骨によってできる外縁の形が直角に近h鈍角三角形(鈍角は座骨結節部)を示すの に対して,雄では外縁の形が恥骨を直径とする半円形に近い形と覆る。雌の形態はモグラ類に類似し −5−

(4)

ている。恥骨結合は短く,雌では経産によって軟骨化し,左右の恥骨が離れる(金子,1968Jo 大腸長/小腸長は1.10∼0.63(平均=0.85),盲腸長/′」\場長の平均は0・388と,いずれ も日本産のネズミ類の中で一番大きh値を示してぃる(宮尾ほか,1g60)。

白歯紋についてみると,宮尾(1961)は雌雄を一括した長野産の標本(N=86)で調べて

いる。m8の右側は単純型2.3多,中間型67.4‰ 複雑塾30.2多であ少,左側は単純型1.8酵,

中間型69.7酵,複雑塑30.3多とをっている。金子(未発表)によると,このBつの型には横断的 分析では年令変異をみとめることができない。また宮尾(1961)と同一の基準ではないが,異な った地域を比戟しても単純型は少なく,中間型が多h傾向がある。 mlで軋大部分が閉じた三角形を5つもつ型で,わずかに6つもつ塾も見受けられる捻子}未 発表)。したがって,Tokuda(1941)のハクネズミの臼歯緻図(Fig・34)は,平均的夜

m3とm

lの特徴を示しているといえる0 を卦,左右の三角形が癒合する型とか,ml前環の形態の変形は時としてみられるQ 脳につぃての研究では,体重に対する全脳重が0.8g肇(10個体で雌雄を十括),大脳(小脳・ 嗅覚。延髄・視神経を除去した部分)重が0.40多,小脳重が0.09多,嗅脳重が0.04穿となカ, 他の日本産ネズミ類のそれに比べて相対的に著しく小さく,日本産ネズミ類の種間相対成長の直線か ら著しくずれる等の特殊な状態にある(宮尾ほか,1966)。また,脳の形態は新皮質が小さく, 新皮質の上顆粒層の形態的発達程度はモグラに類似性を示すし佐藤,19ワ4)0 頭骨後半部と前半部の成長のし方は,雄の春仔と秋仔で異なカ,頭骨後半部は春仔の方が秋仔より しだぃに大きくなるのに対して,前半部は逆の傾向を示した。このような絶対量における成長様式の ちがいは相対成長にもみられ,ある値の頭蓋基底長に対して後半部では春仔の方が秋仔£カ大きく, 逆に前半部では秋仔の方が春仔よ少大きかった0雌では絶対成長封よび相対成長にぉいて,春仔と秋 仔の成長様式の明らか夜差はみとめられなかった(金子,19ワ3c)0 宮尾(1962)が示した頭骨全長に対する頭骨各形質の相対此の数値は,雌雄を一指し,出産時

期による区別をしていない。そのうちの平均値のみあげておく。Molarlength(24・6),

Distema(80・7),Nasallength(芝8・1),Frontallength(18・1),

Interparieta11ength(1B・9),Occipitallength(12・6),

Zygomatic breadth(55・9),Mastoid breadth(4・5・7),Sku11height

at molar part(35・6)

化 石 Gromova(1962)によると,肌ごγ0と弘タ の化石は上部鮮新世から,西ヨーロッパ

・アジア。北米・北アフリカで発見されている。

ハクネズミの化石の出土払 直良(ユ954)によると栃木保安辞郡葛生町・田沼町・赤見村と寺

(5)

尾村しと部・中部あるいは下部洪積世)および福岡県門司市松が横町(下部洪積世)とされている。 このうち;福岡県出土の臼歯について軋金子(1972)で述べたように・mlの図(直良・ 195色のFig.80)は此花川∠eムβ/J去 のものでなく,肌 0¢ご0化0仇弘∫瑚.γα=乞∂βク∫ の特徴を示している。また,Shikama & Okafuji(1958)の山口県秋舌台洞 から出土 したハクネズミと同定された標本も,写真(pl・ⅩⅠⅤ−Fig・9)の臼歯紋をみる限カでは,ハクネ ズミのものでは紬0相見(1974)払秋音台の日歯化石の中に肌rα=iβタ∫を発見して いる。 \ 地理的分布 本州・九州および佐渡島に分布する。四国封よび瀬戸内海のいくつかの島ではノ\クネズ

ミは採集されていない(田中,196ワ;金子,19ワ2)。江坂(19て72)は愛媛県美川村上黒

岩岩陰(縄文前期)よ少ノ、クネズミの下顎が発見されたと述べているカ

ハクネズミは,このBつの島にまんべん浸く分布しているようではなく,徳田(1954)が述べ

たよ・うに,地理的分布にも濃淡があカ,とくに西日本での生息が少なぃように思われる○九州では平

岩はか(195ワ)の報告から明らかなように,ハクネズミ.の採集は少夜ho吉田(19ワ0)は鹿

児島県ではハクネズミの採集が報告されていをいと記してぃる0しかし,葦者が今回ハクネズミにつ

いてまとめるにあたカ,志虫調査との関係で蛮料を集めたところ,薩摩半島ヤ大隅半島で採集されて

いることがわかった(八板,1958;山本,1961)8

生態的分布 生息場所として軋水田(畦),休耕地仁農道,横ウラ,畑,草原(カヤ・ススキ・シ

′り,ササ原,牧草地,堤防,河川敷,剋田,果尚園,湿原(アシ・・スグ),造林地(スギ●ヒノキ .ヵラマツ.クロマツ・アカマツ・モミ),天然林(混合林・ブナ・ コメソガ。ダケカンバ・オオシ ラピソ。γラビソ・アオモリトドマツ・ヒバ・ダイセンキャラポク・クロベ・ミズナラ・ノリウツギ ・カラマツ),ハイマツ帯などである。 渡辺(1962)軋ハクネズミ地を嫌い,高燥の地を選んで地下に営巣すると述べているが,

筆者の採集経験やいままでの採集報賢をみると,湿地状態での生息は確認されている0熊沢(1955)

は,飼育下では湿度を相当多く必要とし,士が乾燥してくるとネズミが干せてくることを報告してい

■ る。湿地での生活状態(例えば地上巣などめ有無)の資料は凌い0

造林地で軋 ハクネズミはスギ2年生∼9年生のものに多く出現するとぃう0うっ閉し,下刈の必

要がほとんどない林地よカ,下刈を必要とする幼令造林地の方がハクネズミが多い0幼令造林地で軋 ァヵマツ林,‘広葉檎妬スギ林,およびカラマツ林の贋に少夜く夜少,壮令造林地のカラマツ林と広 葉檎林ではハクネズミはまったく採集されをい0概してアカネズミの多い林地(カラマツ林と広葉檎

林)にはハクネズミが少夜レ、(大敵1968;196g;19ワ0)0

土壌条件についての詳しい資料はをいが−火山灰土質あるいは砂土質の草原(金森・田中・1968) −ワー

(6)

とか,腐植質の多いところ(田中・宇田川,195塵)が好まれる0 地形的を条件としては凸高地よ少凹低地が好まれる(田中・宇田川トIg5 畑(1961)があげてぃる志虫病の古典的有毒地の立地条件のうち,ハクネズミの生息条件と関係 してぃるものがある。それによると徴地形(河川との位置関係・砂壌土であること・洪水時の水没の 有無)ヤ,冬期の植物のめる夜し,卦よび春の融雪時の高水との関係が述べられている。 垂直分布として払 ハクネズミは低地から富士山の頂上まで(渡辺,1940)分布するが,一般 的には低山帯のネズミであるといえる(宮尾,19ノワ1)。富士山の高山帯に、ハタネズミが分布する 原因として,宮尾ほか(1972a.)は植生に乏しいこととハイマツを欠ぃてぃることをあげてぃる。 また,八ヶ岳の亜高山部でもハクネズミが採集される理由としては,森林の伐採や風倒木による原野 化が関係しているとぃう(宮尾,1970)。これに付随して,森林性の種に対するハクネズミの個 体数の割合を原野化への指標と考えて,Microtusindexなるものを創案してぃる(宮尾抱か, 19ワ 2)。 望月(1962)は,標高のちがレ沌こよる耕地(水田・畑。草地など)でのハクネズミとアカネズ ミの分布のし方につぃて報告している(表B)。それによると標高が増すにつれて,ハクネズミよカ アカネズミの相対的夜割合が大きくなること,アカネズミが耕地内に出現してくることがわかる。 ハクネズミとアカネズ‘ミの種問関係については次項でと少上げる。 ハクネズミが前述した生息場所に必ずしも均叫搾分布してぃないことば,徳田(1959)によっ て指摘された。この小地域的分布の偏在性の現象について,農耕地を中心として金子(19ワBa) が示した。しかし季節的移動の有無,あるぃは個体数の量的比戟については問題が残る。偏在性が生 じた要因に関しては,まだ充分検討されてい夜h。 種間関係 スミスネズミの垂直分布の状況を説明するものとして,ハクネズミとの関係が述べられて

いる(Ota &Jameson,1961;宮尾,1967)が,ハクネズミとスミスネズミの具体的

夜関係は示されていをい。 金子(19ワ3b,19ワる)は,沖積平野内の農耕地や休耕地等でのハクネズミとアカネズミの 生息の状況から,ハタネズミの存在によってアカネズミの生息場所に変化が生じることを指摘した○ この場合,ハクネズミがいるとアカネズミは堤防ヤ畑の斜面のような斜面的環境に生息するが,ハク ネズミが採集されない地域では休耕地ヤ畦のような平面的環境にもアカネズミの生息がみられるよう に在る。しかし,この2種間の具体的な関係については何もわかっていない。前述の表已に示した望 月(1962)の資料も,上に述べた現象によってうまく説明がつく。しかし,ハクネズミが標高の 高い場所に生息しにくい理由は未解決で残る○ 冬季の生活 冬季のハクネズミの生活状態に閲した報告は少をく,わずか陀Sasaki(1904), −8−

(7)

川村・飽田(1985)封よび望月(1962)にみられる程度である。Sasaki(1gO4)は 冬に夜ると数個体が1つの巣にみられることを述べている。川村・池田(19B5)封よび望月 (1962)によると,積雪地常においてはハクネズミは積雪層内に坑道を佗少,表面にみられる 穴の数は次第に増加し,しかも坑適は複雑になる。積雪層内の開さく作業は多量の降雪後,ヤゝ積雪 が固まって安定する時期から融雪する前日せで続き,その出現の部分は農道や睦畔付近に限られる。 官た積雪層内の坑道には空洞のものと土壌で殆んど密閉されたものがみられる。 聾者が相見滴氏(京大・理・動物)と長野県菅平で8月下旬から4月初旬に観察し牢記録では,ハ クネズミはチシマザサの葉を食べに積雪上に出てきたカ,あるいは雪にうずもれたキャづツ畑内の雪 の層に坑道を掘少,食害するのが観察された○ 積雪の夜h琵琶湖近くの水田地帯でも,2月には地表の鼠穴の数が多くみられた(滋賀県大中之音妙○ 首た,水田単作地帯では冬期には休耕地で集中して採集された(京都府岩倉)(金子,未発表)○ 積雪地帯では融雪期のネズミの生活に興味がもたれるが詳しい報告はない0 一般習性 音声:ハクネズミを生きたままつかまえると,キイキイと鋭h声で悲鳴をあげる0また飼 _W

育下で.B個体が出会った時,短くキキイと鳴く。Van den Brink(1967)によれば,M・

α7・ひα∠i∫は高い音声で悲鳴をあげるのに対して,αタr¢∫と乙∫ヤひβご用β取払∫ は低い声であ るという。

臭いこ繁殖期に浸ると,雄は特有の放臭をもつ(金森,196ワ)0

′ ̄ヽ_′一■ヽ_.∼ 日周期活動:渡辺(1g62)の記述によると,昼間は巣の中にひそみ,夜間は食物を求めて地上 をはいかいするが,昼間でも曇天,雨天あるいは周囲が静か宏時,食物を漁カに巣から離れて活動す ることがあゎ,完全な夜行性動物では凌いという。望月(1962)は室内実験によ?てハクネズミ の日周期活動を調らべた。その結見傾向として日没付近から活動は急激に上昇し,真夜中一時下る ことはあるが,日出前に再び上昇し,以後「慶活動を停止した後,昼間は少貴いながら活動を続行し I I ていることが観察された。

金森・田中(1968)はハクネズミが昼間でもワナにかかることが多ぃことを記し,昼と夜のワ \

ナばくろ時間の差を考慮すると,記号捕獲率(汀n)の昼夜による差がほとんどなぃと述べている0 食物をかじる時の行動:食物の軽ぃものは前肢でもち,重いものは前肢で押えつけて切歯で一方よ

カかじ少とる。例えば籾を食べる晦には後肢および尾に−よって体を支えて立ち,前肢で籾の両端を握

力,粒の中央あるいは護顔に近い部分の内外頴の接合部に切歯をあてて極めて巧妙に剥皮する(渡辺,

1962)。草本性の場合は正常の歩行状態で通常口器のとどく範囲のものを,体をのばして主に棄

身部を食し,柄部を残す。芋類は表皮部を残して摂食する傾向が強ぃ(望月,1g62)0

坑道の掘力方 渡辺(198・乏)によると,前肢をもって士をかき取って腹の下におくれ これを

ー9−

(8)

数回くカ返して腹の下の土が相当量に達すると,後肢で後にはねとばし,更にこの動作を数回くカ返 して後,おしカで後むきに土を押し凌がら後退し,坑道の外に運び出す。 その他の行動:ノ、クネズミは自ら泳ぐことは夜ぃが,苗代では浅い水をわたって水田を荒すことが ある。洪水の際は封よいで岸に達したれ あるいは川原の楠木等に漂着して難をさける。木に登るこ とは稚拙である(渡辺,1962)。しかし,金網の場合はたくみによじのぼる(金子,未発表)。 跳躍はいずれのネズミよカへたでわずかに20α舵とどまる。走ることは遅く,運動性は鈍h (渡辺,1962)。 糞,食物の食べ残し:ハクネズミの糞は約5刀威圧の長さで,両先端がヤやまるみを帯びただ円形で ある。新らしい時には緑色を帯び,光沢がみられるが,古いものではカビが生えたゎ,光沢がなく夜 少表面がヰラザラして,色もゃや黄色昧がつく。糞はある程度まとめてされていることが多い。糞ヤ 食草の食べ残し払 隠蔽された状況下では大抵地表のランウェーの一部または 穴の入口付近にみら れる。食草の食べ残しは道中陀も発見され巨佗ぼ尻尾位の長さである.(金子,未発表)0

坑 道 青木(1926)によると,ハクネズミの坑道系の広さは11∼2尺×4尺で,他の

月α孟≠払∫や〃弘∫ に比べて広くかつ2重であるという。川村・池田(19B5)は坑道に2つの型 を認めた。一つは畑地の堆積物に見られたもので,同一平面にあカ坑道の分布する面積はほほ2.5椚 ×乱5ァ托であった。もう叫つはチガヤの原野であって,この坑道は複雑で広く,分布する面積は6郷 であった。ここには巣ヤ倉庫がみられ,巣の近くの坑道は牒∼4層からなる。巣の中央から終辺にい くにしたがって,坑道はまばらに夜少,ほぼ同一平面に配列されるように浸る。坑道の開口は巣およ び倉庫に近接して開くものが多く,周辺部では散在的と夜る。また,巣申付近の玩道は環状と放射状 の坑道が交叉して網状であるが,周辺では放射道が優勢と浸る。開口部には縦穴と斜坑が存在し,坑 道中には盲坑もみられる。上記のように,耕作された畑地ヤ水田の睦に封ける坑道は比戟自勺簡単であ る。瞳の場合に払暁にそって縦に主脈が走力,ここから両側の水田にむかって短い支脈が走る。そ して巣および倉庫は睦の交叉点に認められる(筆者らの経験では,必ずしも畦の交叉点とは限らず, 広い畦にも巣は存在する)。 坑道の深さは40∼50(湖の地層内で,腐蝕土のような土壌ではまれに深いことがある0坑道の深 さと地下水の水準とは対応している。ネズミの坑道の新旧の見分け方は,ノ\クネズミの採集をする際 に参考になる。開口部付近に堆積した土が新しいか否か,脱糞の有無と新旧,引き入れた革(チガヤ ・スギナ・ヨモギ・スイバ・スズメノテクポク等,食草の項参照)の新鮮慶,切ガロの状態,クモP 熟 カビのある夜し等が参考となる。また常時出入力する開口部の内面は,体の接触によってなめら かとをってぃる(川村・池田,1935)。 坑道の直径は水平3∼右脚,高さ2∼5(職でU11村・池田,19B5),だ円形で,3本の指(人  ̄10−

(9)

きし指十中指+薬指)の入る大きさである。ノ、クネズミ払モグラの坑道を利用しているが(採集方 法参照),モグラ坑道は島本の指(上記の指+小指)が入る。唐沢(1956)は直径亀∼5c椚とt ているが,少し大きいと思われる。

巣 巣の大きさは,川村・池田(19a5)の観察によると,水平軸20血,高さ15c勒Sasaki

(1904)では水平軸22α乃,高さ14(謂,唐沢(1956)は水平1亀C椚×1Bの乃,高さ10c椚

のものと,水平12c椚×8の乃,高さ9cmのものが,それぞれ報告されている。その巣の中には小房が あ少,その大きさは4∼ワCmである。小房は,原野ではチガヤの稟身が用いられていたが,耕作地で は主として禾本科を含んだ種々の植物(スズメノテッポウ(1月);スズメノカタビラ・チガヤ・イ ヌアグリ・ナズナ・麦(5月);大麦・禾本科・スズメノカタビラ(6月);スズメノカタ占ラ・カ ヤツリグサ・クローバーの茎(10月);稲ワラ(11月))ゐ織維が用いられてぃた。巣の周縁部で はチガヤの葉身がそのまま用いられ,内側にいくにしたがい,細かく裂かれた繊維が多くなる。′J\房 の内面では縦横に紡がれる。繊維は10仰内外に切断されている。巣の出入口は1つの巣に対して8 ∼Bの場合が普通で,普通巣の側壁まれに下床あるいは上蓋につくられる。巣の位置は地表から30 m内外の深さで季節による差は夜ぃと思われる。但し,唐沢(1956)の甘藷畑では地下牢仰のと ころに巣がみられている。 積藁ヤもみ藁内の巣払湿潤部をさけて乾燥部につくられる。この場合は完全な巣の形式をしてい

夜かった。以上の記述は,川村・池田(19S5),唐沢(1956)ぉよび望月(1962)によ

為。 倉 庫 倉庫は巣に接近した少離れたゎしている。貯嵐・食糧の種類は生息場所によカ異なっているo 耕作地では植付けてあるサツマイモの葉iダイコン・ニンジン・ゴボウ・落葦生・大豆の菓や実・楓 ・実の茎ヤ葉・桑の木の根であカ,原野ではチガヤの地下茎・ヒルガオの根・スギナの根茎・オオバ コの穂などが,

l 幅15c研,あるいは15創文12読,18(湖×15c勒 9甜×5α〝の報告があカ,一定してぃない0

倉庫は夏季には佗とんどみられず,j晩秋になると巣に付属して掘少出される(Sasaki,1904;

川村・池田,19B5;唐沢,1956)。渡辺(1962)の飼育実験では,春から秋にもみられ

るという0 食 物 渡辺(1962)軋実験的に食物を与え食べた動植物をリストアタブしている0種の名前 は繁雑に浸るので,科とそれに含まれる種の数((lで示す)、をあげる。植物としてはキク科(11) ・ウリ科(5)・スイカズラ科(1)・アカネ科(1)・アオイ科(1)・シソ科(1)・ヒルガオ 科(2)」ナス科(2)・サクラソウ科(1)・カラカサバナ科(3)・ブドウ科(1)●タカトウ タイ科(1)・ウコギ科(1)・スミレ科(1)・アウロウソウ科(1)・マメ科(1B),イバラ −11−

(10)

科(3);アブテナ科(8)・ナデシコ科(1)・.スベリヒユ科(1)・キツネノゴマ科(1)・ア カザ科(3)・ヒユ科(2)・クデ科(5)・カラムシ科(1)・クワ科(1)・ニレ科(1)・ブ ナ科(3)、・ヤナギ科(1)・ユリ科(4) (2)・テンナンシヨウ科(2)・カヤツリグサ科(1)・イネ科(23)・マツ科(B) 科(1)が,動物としては,マルクニシ・ヨトウムシ・タイミョウパック・コバネイナゴがあがってい る。 望月(1962)軋 野外にぉける食物残片によって,富山県のハクネズミの食性の季節変化を示 した(表右)。ま衆同時に,水田畦畔で採集した個体群の胃内容分析もおこなった。 この結果,食物残片では冬季に動物食の捕食がみられるが,胃内容分析では見つけられ覆ぃことが注 目される。 小原(19ワ0)は東京都多摩川河原のハクネズミの胃内容分析を封こなった。この結果では,動 物質が摂食されたことは認められてぃなしへ。夏期および冬期とも緑色植物を含み,冬期には地下の根 あるいは茎等を含むものが増加してぃた。また夏季少数のものについては貯蔵殿粉がみられた。冬期 の胃内容物の表皮組織から同定された植物軋 イネ科のもの・オオ7レチノギク・オオイヌノクリ ・カタバミ丁ハコベ・ギシギシ・マサキであった0を封,マサキは人工的に植えられたものである0 阿部(197B)による岩手県内のハタネズミの4月・ワ月・10月の胃内容食物の分析結果では, ゴボウ・サツマイモ・ニンジンなどの茎葉が大部分で,動物食はみとめられてぃない。 董者の飼育経験では,ハクネズミはニポシヤケズリブシを食してぃた。 金森・田中(1968)の長野県菅平の調査で払実測レンジ長は生息密度 ホームレンジ が高くなると縮少する現象がみられた。平常密度(1んαあたカ50)では,雄B O〝1,雌22m (平均25研)であったが,大発生的密度レベル(1んαあた少200)になると,雄15〝い 雌 12刑(平均18椚)陀覆った。個体数およびホームレンジサイズ実体を記号法で推定して,生息密 度の真価をえるためには,ワナ間隔につぃては10〝1で調査をおこをうと,それよカ小さhレンジ長 をもつ個体がぃれば無視されてデータに入らをh。したがって実測レンジ長は過大評価される傾向が 生じる。5椚間隔が過′J\すぎてネズミの自然行動を阻害するという恐れは佗とんどない。生殖季節に は雄のレンジ長は雌よカ有意に大である。 ハクネズミ個体群はNの推定に記号法を用いた場合,未記号個の捕獲率(p)と記号個の捕獲率(可

とを比戟すると,汀はpよぅ著しく大きh(Tanaka,1956)。また,Nに対してワナ数が比

軟的小さい場合に記号法でえられるデータには,標本抽出期間内ではじめの可摘個体数がしだいに増 して,最後に全個体数に一致するように思われるものがある。その増加に対してある指数曲線を考え た。レゞままでおこなわれて来たはじめの個体数を終始一定とみなす直線回帰式を改訂して,曲線回帰 −12−

(11)

センサス式が提案された(Tanaka&Kanamori,196ワ)o こめ式では,多重衝突効果

ヤ記号法によるワナ優占効果が考慮されている。 生息場所の移動 山形県の落葉広葉檎林地(伐採後8年),アカマツ造林地(林令5年),スギ造林 地(林令4年)封よび農耕地(トウモロコシとダイコン畑)の区域に卦ける鼠類の移動が,大津 (19ワ8)によって調査された。ハクネズミは4地域間での移動が少なく,しかも移動した場合に は隣合った落葉広葉檎林とアカマツ林との間に,4∼8月の期間に生じた。 定住者がもっとも多く存在し友のは,スギ造林地であった。 宮尾(19ワ4)は,長野県乗鞍岳の伐開林とシラピソ林間の鼠類の移動をしらべた。ハクネズミ で伐閑地からシラピソ林内に移動したものは14頭のうち3頭で,それも林内深くへは入力込んでい をかった0 成長・発育 出生時には閉眼で背側・体側。手の甲・蹟・尾基部に徴毛がある(熊沢,1964)○ 色は暗紅色で二年介は折れぜが少,肉隆状である。出生時の体重は4腹(89,?4)で平均2.6

(2.2∼2.9)ダ,日令3日で耳介は頭側に対して直角に立ち,4日で平行と浸る0

5日で発毛がみられ,腰部・上背部・後頭部にふけ状のものが生じる。「また雌では4対の乳頭が認め

られる0背例の毛が完全にできるのは6日で,褐色のビロード状をなし,▲耳孔があくのはワ日目であ

る(白石,1969)。切歯ができるのは,田隅(1959)は4∼5日,熊沢(1964)は4∼

6日(5日),白石(196g)では日令5∼ワ日で,開眼は,ワ∼8日(田隅,1959),6∼ 8日(熊沢,1g614),9∼11日(白石,.1969;阿部,19ワ4)と報告されていろ0この ような発育上の日数のちがい咋つぃてはもっと詳細な検討が必要と思われる0上下第1・2白歯の出

傲は7日目前後,上下第5白歯は12∼13日目である(田隅,1959)。田隅(1959)の第

4図におぃて,mlの歯紋の特徴がワ日昌からみられているが,葦者(未発表)の調査では,歯胚の

状態で生後2日目にすでに基本型はで持上?てぃること・封よび前環の前部に複雑夜ひだをもってぃ る状態が観察された0

行動面では,生後2日日に鼻孔があき,舌を出し入れする。3日目でさかんに鳴く現象がみられ,

4日目では尻尾をつけて前肢を用ぃ後肢をか∫きづって腹ばいであるき,ひっくゎ返してももとに戻る

能力がある。10日目では机のへカに近づいても端から落ちずに,元に戻る能力をもつ(それ以前は

歩く勢いで封ちる)。ただし,個体差については検討していをい(金子,未発表)0

日令15日以降は晴乳し夜くても支障はをく,日令Bo日よカ少し前から毛変ゎが始まカ・日令

40∼45日頃に亜成獣の段階に入る(熊沢,1964)。白石(1969)払生後1カ月間が幼

獣から亜成獣の時期に相当すると述べている0 腱開孔は29∼4急白(阿部,19ワ4)である0 ー1計「

(12)

野外で採集した1番小さい個体の体重軋生摘リワナでワ.2ダ(?)であゎ,スナップトラップで 10,鴎グ(∂)であるが,このころから活動が盛んになると思われる(金子,未発表)。 金森(未発表)では,独立した幼体の体重の軽h例として,10ダ(生後1邑日),11㌢(生後 21日),14,グ(生後1ワ日)をあげている(金森・田中,1968)。 生まれた時期のちがh(春仔と秋仔)によって,頭骨の形態差が生じることは前述した。 外部形態にも磨対量の平均成長に相異が生じてぃる。す表わち∫雄では体重と頭胴長に,雌では頭胴 ● 長に(体重につぃては未検討)顕著な差がみとめられた。雌雄とも春仔は9月,秋仔は5月まで成長 速度は春仔の方が秋仔よ少大きい。春仔は9月以降,秋仔は3月以降成長速変の大小関係佐逆転がみ られた(金子,1973c)。 繁 殖 ハクネズミは飼育条件下では,繁殖期ならば日令80日頃,普通100∼1ヱ0日頃に成熟 する(熊沢,1964,)。野外での資料は現在のところ覆い。妊娠期間は21日 び旨沢,1964; 白石,198g)。子供は日令15日以降で乳ば在れ可能(熊沢,1964)。 ハクネズミの繁殖期に関する報告に軋断片的蔑ものを除くと,北から岩手県滝沢村(阿部,19ワ4), 長野県八ヶ岳(宮尾佗か,1966),京都府岩倉(金子卜未発表),忘よび福岡県久留米(白石, 196りがある。これらの報告によると,前2着では春先から晩秋まで繁殖活動が続くのに対して, 後2者は夏に繁殖休止期があカ,冬にも繁殖活動か溶こをわれる。夏の繁殖休止の要因としては,日 本産の他のネズミ類と同様に,高温による繁殖活動の低下の影響が考えられる(金子,未発表)。 平均胎児数払岩手県4,3(88例)(阿部,197亀),長野原3.5(例数不明〕(宮尾ほか, 1g66),京都府5.1(色0例)(金子,未発表),および福岡県5.0(8例)(白石,196ワ) である。現在のところ,地理的あるいは標高差による胎児数の傾向的夜ちがいは顕著では覆い。 胎児数の季節的変化についてみると,岩手県では5・6月に平均5.8∼6.0と多くなるのに対して, 京都府では9月に平均6.5と多くをる。この現象の由来に関する直接的証拠は覆いが,岩手県の調査 地が牧草地で4月中旬に萌芽し,10月下旬から1、1月上旬に枯凋するのに対して,京都府の調査地 が水田単作地で9月からIO月に稲が実力,11月上旬に刈取カをするとhうことから食物に関係し た生息環境のちがぃとの関連性が示唆される(金子,未発表)。 京都府岩倉におぃて,胎児数は母獣の体重との正の相関はあるが,季節的夜変化が大きく働いてぃ る。例えば,5∼9月の妊娠母獣の体重(胎児の体重は除いたもの)には絶とんど差が凌いのに,平 均胎児数把は月別に有意差がみられた(金子,未発表)0 また,1972年1d月忙採集を封こなった広島県内の相異在った生息場所(平面距離の差約4.5 ‰,標高の差約160椚)に葺ける平均胎兎数を比べると,ヒノキ5年生造林地(下生え牧草)では a.\8(N=12),水田休耕地では6.0(N=9)であゎ,生息場所のちがいによる食物のちがいが 一14−−

(13)

胎児数の差に影響を与えたと推測している.(金子,未発表)○ 左右の子宮内の胎児数には,京都府の資料では有意差はみとめられ夜レ、(N=40)(金子,未発 表)。渡辺(1962)の資料は,各地域の標本がこみであるが,有意差はなh(N=乏5)0 密度との関係でみると(金森・田中,1g67),高密度ほど生殖活動ヤ,生殖に参加する生理的 日令(体重を示標)が封くれ,妊娠率も滅少傾向を示したがIl腹胎児数が減少する傾向はなかった。 また,密度上昇に伴なう副腎示教の増大する関係は,みとめられ夜かった0

性 比 レH吏ぜでの報告のうち川村・池田(19a5),渡辺(1962),宮尾ほか(1966)

では,雌の方が雄よカ多く捕獲されているが,前2者につぃては白石(1967〕によると統計的に は有意差は 1年間採集をおこをってぃる宮尾ほか(1966),阿部(19−74),金子(未発表)では有意差

はみとめられをい。Tanaka &Teramura(1953)軋 雄の活動範囲が広いので,雄が比

戟的多く捕獲されると述べている。またTanaka &Kanamori(1g69)は小型個体は大型

個体よ少遅れて姉獲されることを統計的に示した○ 性此の問題の分析吟際してはいままでのところはワナかけによる方法に頼らざるをえをい0し申し, この方法では,ワナの種類と構造によるネズミの反応のし方,年令による反応の変化,社会的贋位に よるちがい,繁殖期と非繁殖期の行動量およびホームレンジのちがい,およぴ,除去法の場合は取除 き効果による移入効果等を問題にしなくては浸らをい。したがって,このよう夜検討鱒きで捕獲数か ら性比を論じることは早計であろう。 天.敵 川村・池田(1935)は,イタチ・アオダイショウ・シマへどをあげ,渡準(1962) 軋トビ・犬および7オダイショウをあげている0

寄生虫 Sa・kaguchi(1962)のノミの調査で鱒,以下の14種があがっている0

//け・,ざ−・/‥J′′・−(′(ノり・・=∼〔i‥・′・′J・)′ご・・け′・・・・,い.−′さ,−i●・・‘・・‥‥、t・′・・−ノ∼!, i ・→トい.い‥・・ニ・・・ご・…・′,〟ト′・′さJ′り.n・り/・●′′(トト・‥リ‥いぃ∴・・ご‥)心い・∼・ 月.(』.)ムiJの点α,月・(d・)α≠孟¢几弘α≠α,C≠β花叩鳥α≠見αJ取払∫ l (/一=.′・、H〃/一いト′ノ…く)‥り・ク‥いr r・….y・・い′り‥/‥・\−・・‖、・り//′ 川.い′・‥り,ノ,・川,…、‥〉/‥y・り・∫ ∼▼‥・,JJ・∫‘イ′・γ…√‥,J●・、・ゾ′・・ゾ・・・・′・√ − ノ、…トノ′リ′・′′′(ハ、りり′りJ‥y′′・∫)…J・・・γ州・‥,ル・・‥・・く・(卜い・′‥・い・‥・) α几d¢γタ川よIガβgα∂ク吉見γi∫ ∫0丘¢J‘川i・

シラミ払金子(1955)によると,PJ押Jα∬ αムタeよ∫α,g〃JpJ叩Jβ払γα

α

ダニ払 Sasa&Jameson(1954,)によると,Gakrliepia(Gahrliepia)

一15−

(14)

‥′山∴′,ノ・‥・〝!き=′∫∴(\川=、・・㌧.‥こ・∫こ・−.・).;・・/川‥・・・ご,J∴ い・)

花αgαタ?i,r・一(肌)mi≠α取払rα去・r・(狛)fαmiプα云・r。

(上βク亡∂とγ〃花ム云dZ弘耽)タαJタαJよ♂,r・(上・)Åi取去z払,r・(上・)

孤i∫り−わ用言,7.(上・)α鹿αm弘∫Ai,r・(上・)タα“よdα,r・(上・)

′り■よ,γ・(上・)丘i王α∫αと〃£,r・(上・)とgγ¢取払γα去,r・(エ・、)

i花王¢r7花。dよα,,r.(エ.)∫e払と¢J/αr云∫ があげられ,他にr・仕・)訊i∫αZα鳥i云, r.(上.)と=んio烏αi(伊藤・小畑,1961),∬∴ p∂取¢γαれヱ¢花i,

de〃恥αとαeαr弘♂ ツ〃∫αれ〃よ (高田,1970)が記録されてぃる0

野鼠寄 島耕地におけるハクネズミの被害状態について軋望月(196幻,渡辺(1962)の

報告がある。水田・乾田とも水稲の被害は成熟期に大きく,瞳畔にある豆類では播種封よび発芽期・

生育期に大きい。裏作麦類・裏作芋類では,成熟期になるほど,被害が多くなる傾向がみられてぃる0

食害される主要な部分軋水稲・麦類では種実・生育期地上部が多く,豆類では発芽直後の根・茎・

種子であカ,芋類では成熟期の根部である(望月,1g62)。大根やカブは肉質部をくカ抜かれ筒

状や球状にされ,ニンジンヤチューリップは主根封よび球根全体を,ハクサイは主根から結球した棄

却の新芽を食べ内を空洞にする(江守ほか,1968)○

造林木,桑の木封よび茶の木も食害される。その場島地上10∼1$珊位までの皮部敷皮部が広

く食害される(田中・宇田川,1954)。そして環状になると,木が枯死したカ,衰弱・黄化・芯

上カ・発育不良などの現象がみられる。生息場所の項でふれたように,、幼令の造林木が被害をう仇

成長とともに被害が少をくなる。桑畑に封いて被害の出たところは,土壌が礫質でなく,主として壌

土であゎ,枕元が盛土であったれ乎瞳でワラを封ぉっていたゎ,広畦で革を生ゃし無料転ヤ,株元

にワラやモミガラ等で封封hをする等のところである。すなわち桑園省力や荒廃放任桑園咋鼠穴が多

く,野鼠被害塞も比例していたという(滋賀県今津垂業技術指導所,196ワ)0

染色体数核塑,血清蛋白 染色体数をOguma(1937)は2n=51と報じたが,最近の新ら

しい技術によると,2n=30とされる(Utakoji,1967)○

土星(私信)によれば,佐渡島産のものと,本州の八ヶ岳・東京・埼玉・三島のもので払核型,血

清蛋白の電気泳動優には差がみられないというo Hsu &Benirschke(19ワ0)によると,

ハクネズミの核型は常染色体28(MS&SM),性染色体Ⅹ(MS),Y(A)とされてぃる。

類 縁 ハクネズミの類藤の歴史につぃては,近隣の肌eγβ≠祐∫ の地理的分布状況とともに,金

子(19ワ1)がまとめた。

まず,近隣の〟よ。γ。≠弘♂ の地理的分布にぉいて補なっておくべきことを述べる○北海道にはハ

クネズミはぃないが,サハリン(樺太)にば鳳==ご…川m机 と朋㌧ ∫α亡んα/i几β花♂云∫がぃる

−16−

(15)

(藤乱19−74)0後者の新種記載はBA川H(1955)によってなされた。大型の肌

クβご用〃批♂・肌′0γ∠云♂封よび〟・払几夕弘アβ几♂去∫の頭骨の大きさに近い‥乃1は αγひαJi♂や仇…とβム¢J/iに似た白歯紋であるが,椚3は複雑型でエナメイレ質で囲まれた部分 が6ある。後足の疏球数は50 つぎに,シュパンベルク(色丹)島で〟・吼川£βム¢=よが発見されたとぃう(CoKOJlOB, 1954)0 しかし,記載文ヤ計測値,および白歯紋からみる限少〟・耽0れ 考える(金子,未発表)。 従来のハクネズミの類縁に関する考え方に2通力あゎ,それは(1)肌 oeピク几8m払∫に類似すると いう説(Tokuda.1941;大田,19ワ0)と,(幻〟.αγひαどょ∫ グループに入るという説 (Ellerman,194,1;Ellerman & Morrison−Scott,1966)である0 前者の根拠は,からだや頭骨の大きさヤプロボーショニソが類似してぃるとするものであカ,後者払 別 の白歯紋がは)と異を少,椚2の白歯紋でα∫rβ♂≠よ∫グループと区別したものである○そして l αγひα/よJグループにはαrむαJよ∫,′0γ≠よ♂,eαβγgγαe,∂rCαde花♂i∫, 肌用孟βム¢J/之,孟γαル♂eα∫Pよe弘∫ 去gmαルβ花∫£♂が含まれている(E11erman−& Morrison−Scott,1966)。

染色体数ヤ核型をみると(Hsu & Benirschke,19ワ0),arValisは已n=4・6>常

染色体36(MS&SM)・8(A),性染色体X(MS),Y(小さく封そらくA)であゎ,

。β。川。m弘∫は2n=80であるが,\常染色体乏4(MS&SM)・41(A),性染色体×(MS)

・Y(A)である。したがって・核塑を考慮に入れると,m〃几∠eββ//云とβeご0れ〃?弘∫とは類 似しないことになる0 現在で軋形質の選択によって類縁の根拠が変わるのであるから,それぞれの形質のもつ意味につ いて,今後検討を加える必要があるだあう0

I 採集方法 捕獲用のエサとして払小麦粉団子,ノバ粉団子,サツマイモ小片(生)i豚ひき肉+小

麦粉を混ぜた団子,干ぶどう封よび油揚小片?うち,サツマイモのつけ餌にハクネズミが一番ひきつ

けられるという(宮尾ほか,1972b・c)。これに払 8月中旬と10月上旬という季節による

差は夜いという。筆者は雨にも強い点持ち運びの容易も ワナにエサをつけヤすいこと等から,カ

ボチャの種子を用ぃている0

ノ、クネズミは,上中の坑道,あるいは地上のランウエーとの関係が密接左ので,ワナはそのような

場所にかけるのが良い。肌。β。川¢m払∫で払 ランウエーから20m離した時には捕獲されなか

ったという(Tast,1966)。したがって,造林地で軋鼠穴のみられるところ・地上の糞場・

封よぴエサ場などがよく,農耕地でも上記の場所および畦の坑道にかける場合は主脈まで掘っ・てワナ

ー1ワー

(16)

をかけた方がよぃ。ワナは,坑道ヤラ/クエ一に対して直角の位置に葺くと効率が上るでらろう0ハ

クネズミ′はモグラの坑道も利用するので,ネズミの坑道がみつからない場合でも,モグラ坑道にかけ

ると捕獲できる(詳細について払坑道の項を参照のこと)。

肌α−ぴα∠i∫ で軋1ivin

(Oromadzki& でroj an,1g71)。筆者の経験で軋 ロングワース式トラッブは/、クネズ

ミが入少にくく,金網性のカゴワナの方が入力ヤすいと思われた。 (謝辞) 私に「ハクネズミの生物学」というテーマを大学院入学時に下さった,徳田御稔先生が, 1月29日に封亡くをカになった。レゞままでの御指導に深く感謝するとともに,つつしんで御実福 を祈る。 また,この原稿を書くにあたって,文献等で御教示や御協力頂いた,内田照章博士(九州大学農 学部動物学教室),藤巻裕蔵博士(北海道立林業試験場),土屋公幸博士(北海道立衛生研究所), 植松眉美博士(香Jl汰学教育学部生物学教室),藤井幸彦氏(香川県観音寺保健所)封よび松井正 文氏(京都大学理学部動物学教室)に感謝する。 引用文献 阿部枯(19ワ3)野鼠発生予察実験事業成績書(昭和塵7年度)岩手鱒立農業試験場0 (1974)年間の捕獲個体からみたハクネズミの個体群構成と繁殖活動,応動昆,18: 21−270 相見満(19つF4)本州産ヤチネズミの類縁について。動雑,8S:4塵5。

・金子之吏(19ワ1)日本産ネズミ類滑車)分類学史的検札哺乳類科学,(22)‥

19−4 70

青木文一郎(1926)名古屋市及基郊外に棲息する鼠類の観察,動線,旦ヱ:.B41−B460

Barret−H畠milton,G.B.H.& Hinton,M.A.0.(1910−1921)A

history of British mammals・Gurney &Jackson,London・

Baem,B・H・1955 Hoヨ班羞B班員CepO兢no瓜eBX班e Caxaム放Ha(些些

嘩8,$p・n.) 300刀・Ⅹy山 互生…427−431・

Corbet,G.B.(1966)The terrestrialmarrmals of western

Burope・G・T・Foulis,London・

Ellerman.J.R.(1941)The families and genera ofliving

R。dents,With alist of named forms(1758−1936)・VOl・8・

(17)

Brit.Mus.,:London.

Ellerman,J・R・&二Morrison−Scott,T・C・S・(1966)Ohe・Cklist_。f

Palaearctic andIndian mammals,1758 to194,6・Brit.Mus.1,

もondon。 江守信・小見田達穂・八尋憲治・松田初義・安武現生(1968)福岡市金武におけるねずみの害と その防除,ねずみ駆除技術研修会資料:a−12。 江坂輝弥(1972)纏文時代遺跡発見のネズミの遺骨,考古学ジャーナル,(64):19。 藤巻裕蔵′(19ワ4)千島列島の哺乳類,野ねずみ,(119):6−8。

Gromova・Ⅴ・Ⅰ・(1962)Fundamentals of p

Mammals・Islaelprog・,Jerusalem(1968)・

Gromadzki,M・& Trojan・P.(1971)Estimation of population

densityin MicrotzLS arUalis(Pall・)by three different

methods・Ann.Zo01.Fennici,8:′54,−59・

平岩馨邦・徳田御稔・内田照章・吉田博一(1957)九州に卦ける野鼠の分布・九州大学農学部学 芸雑誌,⊥旦:15ワー161・

Hsu,T.0. & Benirschke,K.(1970)An atlas of mammalian

Chromosomes・VOl・4・・Springer−Verlag,Berlin・ 今泉吉典(1949)分類と生態 日本晴乳動物図説・洋々書房,東京。 (1960)原色日本哺乳類図鑑.保育社,大阪。 伊藤辰治・′J、畑義男(1961)新潟県の羞虫及び志虫病,新潟県衛生部。 金森正臣(1967)本州中部菅平高原におけるハクネズミにつぃて・第14回日本生態学会大会講 演要旨;690 曳、 ・田中亮(1968)菅平碁よびその付近把ぉけるハクネズミの個体群生態学的研究 1.1g66∼196ワにをける5個体群の研究成績.東京教育大学菅平高原生物実験所研究報告, し 2:1ワー3 9。 金子清俊(1g55)日本産鼠乳に関する研究第1報 日本産鼠乳の種類とその検索法・衛生動物,

6:10 4l−1100

金子之史(1968)日本産ネズミ類の骨盤・後肢の形態比戟 第1朝 日本産ハクネズミの成長咋 伴なう骨盤・後肢の形態変化蓼賂 ワワ:B6・?−3ワBo (1g69)日本産ネズミ類の骨盤・優肢の形態比較 第2報 生態的・系統的観点からみ た特徴.動雑,78:163−1ワ8。 ー19−

(18)

J (19ワ1)ハクネズミの分布について,京大霊長研シ∵/ポジュウム「晴乳類の進化と霊 長類の位置」:8g−42。 (1972)北四国沖横平野にぉける野鼠採集報告.香川大学教育学部研究報告(Ⅱ), (21B):1−ワ0 (1g7Bα)小地域的にみたハクネズミの分布一京都市内農耕地を中心にして−・

香川大学教育学部研究報告(丑),(B24):1−1ao

(19・7日b)中国地方・汲路島の平地に封ける鼠類の分私本州四国連絡架橋に伴なう 周辺地域の自然環境保全のための調査報告(学術調査編):114■−1220 (19ワBe)ハクネズミの春子と秋子の成長様式のちがい。動雑,邑j:B980 (1974)平地陀ぉけるノ、メネズミとアカネズミの生態的分布0動線,83:3240 唐沢徳武(1956)ハクネズミの生態 第1報 生息行動及び食物貯蔵の観察○応動雑,21: 25−2 7く) 川村麟也・池田嘉平(19B5)志虫病発生原野に於けるハクネズミ〟去eγ0≠弘∫ 耽0れ≠βムe/Jよ

の生態的蔵察0教組 土ヱ:90−1010

熊沢誠義(1955)鼠の生態と防除 Ⅴ・・ハクネヅミの繁殖。衛生動物,6:550

(1984)ハクネズミの成長。哺乳類科学,(7):260

宮尾嶽雄(1960)教程ネズミ類における脊椎骨数の個体変異卦よび種間の差0動雑,69:1ワワ ー18 00

(1961)ハクネズミ類(Microtinae)の上あこ第3日歯における歯型の変異o

応動昆,旦:212−−214。

(1962)数種ネズミ類粗ける頭骨各部の頭骨全長に対する比率の種間差。勒賂 71:83−98。 (196ウ)日本列島に封ける」J甫乳類の地理的変異に関する研究Ⅰ・スミスネズミの

地理的変異 第1報 スミスネズミの分布0動雑,乙ヱニ196−2020

【ニ∵(19ワ0)富士山の小哺乳類。陸上生態系にぉける動物群集の調査と自然保護の研究 (昭和44年慶研究報告):26昌一ヱ750 ∴(19ワ1)富士山封よび御坂山地の小暗乳覿。陸上生態系にぉける動物群集の調査と自

然保護の研究(昭和45年慶研究報告):279−2880

(1974)乗鞍岳にぉける森林の破壊と′J\哺乳動物相の変化。中部山岳地帯に封ける生 物環境の破壊とその復元に関する基礎的研究,(2):51−560 ・赤羽啓栄(1966)教程ネズミ類に封ける脳重量の種間相対成長0成長,5‥6−100 ー20−

(19)

∵・′北沢徹郎・両角源美(198’∩)ネズミ類に封ける腸の長さの比重。動雑,16g:17 171−1ワβ0 ・両角源美・両角徹郎(1g66)本州八ヶ岳のネズミ封よび食虫類 第6報 低山帯革 原におけるハクネズミの捕獲率・性比・体重組成封よび繁殖活動。動雑,ワ5:98−102。 ・両角徹郎・両角源美(1gワ2α)富士山の小哺乳動物−19ワ2年の調査結果一 陸上生態系に封ける動物群集の調査と自然保護の研究(昭和鵡ワ年度研究報告):10声−1乳月○ ∴・+・∵ (1g・71らj)ハクネズミの食物嗜好性笹関する小実験。野ねず争, (107):昌一60

−・ ・−

(19ワ2e)ハクネズミの食物嗜好性に関する′」、実準補遺0野ね ずみ,(108):100 望月正巳(1962)耕地野鼠害に関する生態学的研究。富山県農業試験場報告,(特4):1− 1850 直良信夫(1g54)日本墓石器時代の研究。早稲田大学考古学研究室報告,(特4):1−1a8? ′J\原巌(1970)多摩川河原で採集されたハクネズミの胃内容物0哺乳動雑,5:6ワーワ00 0guma,K・(19a7)Absence

Mierot弘S 7TLOnlebel/i Edw・With suplementary remarks on the

sex chromosomes of Euoio77t.γS and Apode77Lu$:Oytologla,2:ワ96

−808.(Utakoji,196ワよカ弓1用)

太田嘉四夫(19ワ0)北海道の小哺乳類動物相の由来。噂乳類科学,(20−2i):179−

1 9 80

0ta,K.&Jameson.E・W・,Jr・(1961)Ec9logicalrelationships

and economicimportan雪P?fJapanese Microti甲ae・Ecol・・竺j;

18る−186. 大津正英(1968)北海道封よび東北地方山形県)に生息する野ネズミと林型と申開係0北方林 業,(230):14■2−14■40 (196g)山形県の森林内の野ネズミについて 第1報 各山地における野ネズミの分布。 応動昆,ユヱ:5−80。

−(1970)山形県の森林内の野ネズミ咋ついて 第2報 林塑と野ネズミ類の分布0応動

昆,とヱ:85−880

−(19ワa)山形県の森林内の野ネズミにつぃて 第8報 湊耕地と異樹種林間の移動。 応動昆,17:25−800 一旦l−

(20)

Sakaguchi,K・(1962)A monogrph of the Siphonoptera ofJapan・

Nippon printing & Publishing,Japan・

Sasa,M・&Jameson,E・W・,Jr・(1954・)The trombiculid mites of

Japan・Proc・Oalif・Acad。Sci・,28:24,ワー321・

Sasaki,0.(1904■)A new field−mousein Japan・Bull・0011・Agr・

Tokyo,6:5l−55・

佐藤干す子(1974〕細胞構築と習性との関連一日本産小哺乳類の脳−。 動雑,旦ヱ:329・

滋賀県今津垂業技術指導所(1967)桑尚の野鼠害と桑園省力管理法と関連。蚕業普及要報。 (1):13−20。

Simpson,G・G・(1945)The principles of classification and cla ssification of mammals.Bull・Amer.Mus・Nat・Hist・,New

York,85:1−B50.

Shikama,T・& Okafuji,G・(1958)Quarternary cave and fissure

dep6sits and their fossilsin Akiyoshidistrict,Yamaguti

Prefecture.Sci.Yokohama Nat.Univ.(ⅠⅠ).(ワ):43−103. 白石哲(1967)筑後川河原(久留米市)に生息するハクネズミの生態 第1報 一性比,妊娠期, 胎児数。哺乳動推,8:57−6Bo (1969)ノ、クネズミの成長。第80回 日本林学会大会講演集:259−260。 已oRO皿OB,飢E。1954 Ho3H立甲皿nO皿e別Ⅷ王=如併閥CCCア・ 300皿・村山, 33 :947−950. ∵

Stehlin,H.G. & Schaub,S.(1951)Die trigonodontie der

Simplicidentaten Nager・Schweiz・Paleonte Abhand・J67:1p

B8 50

高田仲弘(1970)東北地方北部にかける,ガi¢γ〃孟i−grOqpお、よび」㌧1=花αと占=〇αγむ」

yosanoiFukuzumiet Obata,1953の分布につぃて,衛生動物,旦ユ:222

−2 2So

Tanaka,R.(1956)On differential response tolive traps of

marked and unmarked smallmammals.Ann・Zool・Japon・,29:

4 4−51.

田中亮(1967)ネズミの生態。古今書院,東京o

Tanaka,R。& Kanarnori,M・(196ワ)New regression formula to

(21)

estimate the whole population for recapture−adicted small

mammals・Res・Popul・Ecol・,9:83−9

(1969)Inquiryinto effects of

prebaiting on removal census in a vole populationo:Res・

Popul・Eeolり11:1−18。

& Teramura,S・(195B)A population of the

Jap・aneSe field voleinfested with Tsutsugamushidisease。J・

Mamm.,各4:B45−B5 2。

田中亮・宇田川龍男(1954)野鼠の駆除に関する研究(第3報)毒餌撒布によるハク哀ズミ自

然個体群減少率の研究。林業試験場研究報告,(6ワ):81−92。

Tast・J・(1966)The root vole・Microl払9eCOnO7nuS(Pall・)・

as an inhabitant of seasonally flooded land・Ann・Zool.

せennici,5:12ウ仁一1ワ1。

田隅本生(1959)ネズミ類の離乳期における形態変化0動雑・且且:チ31−4360

Tokuda′,.M

Sado’Islarld・A上川Ot■ Zooi・Japon・.14:2B5−2400

(1941)A revised monogfaph of theJapanese and Manch−

ou Korean Muridae・Tra_nS・Biogeogrp・

徳田御稔(1954)鼠の生態に関する諸問題。E坂和英編 野鼠とその防除),日本学術振興会 干り,東京:41−63。 (1956)続二つの遺伝学0理論社,東京。 (1959)伊吹山のハ禿ネズミ一大発生の実態と要因−。北方林業,(126) :5−100

Utakoji,T・(1967)The karyotype of Microt払S 77LO7Lleムelli・ Mamn云1ian chrom。SOmeS Newsletter,8:288.

van den Brink(196ワ)A fiel′d guide to the maminals of Britain

alld Europe■ 0011illS,London・

山本進(1961)鹿児島県加世田市唐仁原地区の志虫の調査研究.衛生動物,畏:169二1a・ 八坂宗哉(1958)鹿児島地方の羞虫に関する研究 第1報 鹿児島地方にぉける志虫の分布につ

ぃて○衛生動物,且:159−1680

吉田博一(1970)小哺乳類の分布について0生物教育,ユ」:1一声0

(22)

渡辺菊治(19Bワ)野鼠及び野鼠チフス菌二関スル研究(第1報)。茨城県農試臨時報告,(2) :1−17 −(1940)富士山頂上のハクネズミ。.病虫害雑誌,26:24−26。 く1962)作物保護学的見地よ力みた鼠の分類卦よび生態に関する研究。官娩県立農業試 験場報告,(81):1−106。 ☆引用しなかった文献でハクネズミに関係したものを以下にいくつかあげる。この他の文献について 払望月(1962),渡辺(1962)が参考に売る。 小松典(1955)ハクネズミのアルビノを飼う0採集と飼育,主ユ:4B−460 芳賀良一(1957)ハクネズミの最高出産記鈍野ねずみ,(19):5。

樋口輔三郎(19ワ1)東北地方の野鼠の生息地と繁殖状況の一例。青森営林局林業技術発表集録:

10 5 −10 90 宮尾嶽雄(1964)ハクネズミ亜科のネズミ各種にぉける白歯の大きさの比率ぉよび変異0動雑, ワ 3:2 51−25 70 。両角徹郎・両角源美(19ワ2)ハクネズミに対する燐化亜鉛殺鼠剤の効果試験。野ねず み,(10g):金一6。 清水三雄(194幻ハクネズミ(財よごγ∂∠払孤β花∠eムβ/Jま)成獣の骨の相対成長に就て0 動雑,5亀:135−1430 (1961)動物の体における変異量の分布1/、クネズミ0動雑,エ旦:2:ま5−24lo

Tanaka,R・,Sugiyama,H・& Teramura,S・(1958)A clumped

dis tribution o f t rombiculid mites viewed from the t rue home

range of host voles・Japanese J・Sanit・Zool・,9:28−a2▲ 田隅本生(1962)ネズミ類の白歯の型と発育について Ⅱ・長歯性日歯・動雑,エユ:ワ7− 82,oo 宇田川竜男・水野武雄・関勝(1g59)異常発生しか、クネズミの晩秋の生態。林業試験場研究報 告,(111):8昌一900 (付)論文印刷の段階で、下記の2編の論文が発表されたので追加する。 伊藤武夫(1975)関西・中国地方におけるハクネズミの異常発生。林業試験場研究報告, (乏71):a9−9a. ′J\庶 巌(19ワ5)飼育下におけるハクネズミの成長と発育。哺乳動雑,且:107−114. −2′4−

(23)

表1,性的成熟個体の外部形態の地理的変異(各個体群の平均値を示す)(金子、未発表) Male Female

Locality

N鞄w(g)H肌@ゆでL申めHFL申ゆ晶BL申ゆでL申ゆHFL申ゆ

M。ri。ka 2683.6 乏) Koiwai 34 88.1

8) Ryozu

17 44.5 4) Toriitoge 23 35・5 5)Iwakura la 87.8 17.8 21111.9 8g.3 17.4 1乳2 19 110.7 46,1 17.ワ 18.7 14 11乏.2 38.5 1ワ.9 18.8 21115.3 4乏.8 18.0 17.8 12 114,9 89.4▲ 17.1 18.2 18 114.5 4・1.1  ̄ 17..9 20 11(∋.9 4−0.8 1ワ.5 17.8 19 114,.5 87.4 17.7 17.9 10 116.8 86月 17.7 18.3 14 116.5 88.8 17.8 19.1 17 114.7 4−3.7 18.乏 18.5 2 110.1 88.2 17.6 113,2 38.9 110.0 4−4.6 120.6 88.7 112.ワ 41.0 118.7 38.8 119.4 41.7 127.5 4●0.0 1aO.7 38.ワ 125.8 88.ワ 124.0 87,7 124.2 45,7 116.1 43.2 16 39.7 28 46.2 8) Hiroshima 18 44.8 12 48.B 10) Flユkuoka 26 45.2

11)Beppu

514g・5 12) Yoshimuta 16 41・6 数 個体数は計測部位によって多少変化する。 数算 採集月と棲息場所:1)5月∼6月休耕地

5)5月農耕地6)7月農耕地 7)9月農耕地 8)10月造林地 9)10月休耕地

10)5月農耕地11)7月造林地12)8月′造林地 表2.性的成熟個体の頭骨の地理的変異(各個体許の平均値を示す)(金子、未発表) Male(那花) Female(耶郡)

Locality

♪BLZWCrZMLCrMト旭NCBLZWC_ZMLC_朝‖rM3

数 M。ri。ka 24a5.714.8

2)Koiwai

3025ユ14.1 8)Ryozム 1ワ27.115.5 4)Toriit?酢 2126・715・2 5)Iwakura l126.615.0 20.8▼ 6.0 16.2 202、5.8 16.1 21月 6月 17.1 21ユ 6.2 16,8 1 乏1.2 6.1 alA 6.8 1ワ.1 21.? 6.2 1ワA 15.ワ 18 25.914.9 204− 15,2 19 25.714.9 20A 16.6 13 26.515.2 20.8 164 20 26.815,5 21.2 16.1、 9 26.615.2 21.1 1(∋.2 14−26.8153 21.3 16.2 16 26.215ユ 20.8 16月 19 86.815.6 21A 17.0 9 26.915.6 21.5 16.5 8 26.715.0 ≦乙1A 17.0 15 27.215.5 21,7 16.8 2 a7.816.0 2乏.3 0 8 . ∫ 忍 nカ ♪ 5 A . l l l l l l l l l l l l 月 3、.7 月 β ユ .8 .9 9 .〇 .a 4

点じ 良U ハ0 ︵0 月U 7 良U AU ︵0 7 7 7

1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

ユ ユ 4 3

たじ 戊U ハロ 6 βU βU βU 点じ 良じ 月じ 良U 6

1乏26.715ユ 25 27.115β 8)Hiroshima1527.ワ15.8 2乏8 6.117.4 122侶.216.5 2a.5 6.1 17.8 10)Fukuoka 25椚.515.4 21.9 6.2 17.5 11)■Beppu 5128・a15・7 22・5 6・217・8 12)Yoshimuta 1427.915.9 2乱2 6.2 1ワ.7 殻、算数は表1におをじ ー25−

(24)

表3.富山県耕地の標高差によるハクネズミと7カネズミの分布(望月、1962よ力作製) 平 超 耕 地 中間標高地 高位標高地 50∼300ァ乃 800〝Z以上 標 高 0∼50〝乙 水田、林地、草地、畑地 水田の周囲は樹林 畑地 3月下旬∼5月中旬 0∼257乃湿田 25∼50∽乾田 耕地の状況 水田( 調査期間 8月下旬∼5月中旬 ハクネズミ(Mm) とアカネズミ(As)Mm>As

500∼800ナ乃でMm

とれず MhがAsよカ多いが 差は少覆ぃ の割合 季節的移動 春:

畑 水

内 地 田

夏二小唾畔あるいは小農道 秋:大畦畔あるいは大農道 冬: 〝 〝 〝 畑地と草地 ハクネズミ (禾本科雑草が多く、地下 水位の多少低い環境把多 い) アカネズミ 小面積の林地内 全般的に森林に接した水 田地内、開拓地内ヤ森林 および草地にみられる。 春:甘シ′ヨ、タバコ、 桑・茶の作付畑 夏:樹林 秋二_上記の耕地 水田と畑地 表4.富山県耕地のハクネズミの食物残片(望月、1962よ力作梨) 食 物 の 種 類 2月 チガヤ、スイバ、キンポタグ、他の禾本科 3月 麦類 4月 スズメノテッポウ、ミノゴメ、禾本科雑草 5月 スズメノテッポウ、ミノゴメ、禾本科雑草、麦類 6月 ゴボウ、チューリップの地下茎 ワ月 エンドウ、ジャガイモの地下親イモおよび芽、水稲、麦、大豆 8月 9月 サトイモ 1¢月 禾本科雑草の芽、葉、ユミカンソウ、水稲 11月 麦類、小豆、大豆、水稲 12月 禾本科の枯死地上部、ミゾノバの枯死茎葉、カワラケツメイ、イナゴ、ハラビロカミキリ、 巻貝 −「26−

Updating...

参照

Updating...