季刊テクノメイトコープ通信―2014 年冬号 第 52 号
た ま き
目 次
巻頭言 変わる大学院教育 松井 利之 1
寄 書 「シニア人材活用事例セミナー」に参加して 金納 義二 2
最新の環境課題(32) 化学物質リスクアセスメント義務化の動き
,中野 政男 3
報 告 第 14 期(平成 26 年度)中間事業報告 4
技術研修会記録 平成 26 年 8 月∼10 月
6
部会活動ニュース 水研究会の成果が『島津評論』に掲載 斉藤 昇 7
紀行文 南フランスとパリの旅 橋内 浩太郎 8
エッセイ 日本の木の文化と「TMC歴史散歩の会」 村田 吉和 10
会員のひろば -16- 11
俳句への誘い(47) 12
クラブだより 13
TMC法人会員一覧 14
誌名『環』の由来 『環』はいうまでもなく「環境」の「環(かん)」であり、 「環境(保全を図る活動)」はテクノメイトコープと社会を 結ぶキーワードです。 「環(たまき)」はもともと「手纏(たまき)」で、手指に つける環状の上代の装身具であり、「手纏の端は無きが如し」 といわれるように、巡り巡って終わることのない喩えに用い られます。これこそテクノメイトコープの活動目的である 「循環型社会システムの構築」の行きつくべきところです。 日本の歴史と伝統の心を踏まえつつ、地球生態系の環(輪)、 人間社会の環(和)、循環型社会の環の大切さを、この小誌 『環(たまき)』に込めたいと考えます。 題字「環」の書家紹介 濱 和宏氏は、昭和 48 年兵庫県生まれ、平成 9 年 鹿児島大学 大学院水産学研究科修士課程修了、同年 総合科学株式会社入社。 書は鹿児島大学在学中に松清秀仙氏(鹿児島大学教育学部教授・ 鹿児島県書道会会長・日展会友)に師事されました。 この題字は、中国古代周王朝の書体で書かれた作品です。
「雪山遠望」
寺山南楊氏作品
(本名 寺山睆子)
南北墨画会常任理事 提携団体 近畿産業技術 クラスター協同組合初代理事長 寺山浩三氏夫人です1
【巻頭言】
変わる大学院教育
テクノメイトコープ技術顧問 松井 利之
消費税増税の先送りや衆議院解散総選挙がテレビニュ ースや新聞紙面を賑わすなど、アベノミクス政策の成否 が声高に議論されています。昨今の日本の産業界の状 況を顧みれば、設備投資等の面で多少の回復基調は感 じられるものの、少子高齢化とそれに続く人口の減少、 アジア諸国の台頭など、抜本的な解決策がない問題も 山積し、依然先行きに不透明感が色濃く残っているよ うにも感じられます。そのような中で、アベノミクスの 成長戦略の1つの柱である,イノベーションの創出に大 きな期待が寄せられています。イノベーションにより新 しい技術やビジネスを生み出し、生産性を向上させ、雇 用を創出するという成長戦略は、生産規模の拡大と生 産性の向上だけでは経済規模の維持すら困難となった 今日において、まさに打出の小槌のようにすら聞こえ ます。 このような世間の期待に呼応して、昨今の大学には イノベーションの担い手となる自由で大胆な発想をもっ た若手の高度研究者•アントレプレナーの育成という、従 来になかった新しい役割が求められています。筆者が 所属する大阪府立大学では、6 年前に産学協同高度人 材育成センターを設立し、産業界の第一線で活躍され ている方々のご支援を得ながら、主に博士後期課程学 生を対象にアントレプレナーシップの醸成に取り組んで きました。TMC の皆様方にも、例えば公開特許をベ ースに自らの発想を盛り込み,バーチャルにビジネス企 画に取り組む大学院生の指導や、技術マネージメント (MOT)の講義を担当頂く等、様々なご支援を頂戴して きました。また、過去6 年間に 100 名を超える博士後 期課程学生や博士研究員が、企業における3 ヶ月以上 の長期インターンシップを経験し、今ではその多くが産 業界で力を存分に発揮し、活躍してくれています。と もすれば自らの専門分野の知識やスキルの習得にのみ 時間を費やすことに終始してしまいがちな大学院での 研究生活の中にあって、このような教育プログラムから の学びによって、人間力、異分野•異文化理解力、コミュ ニケーション力など将来必須となる能力に磨きをかけ、 社会を牽引するような人材へとより大きく成長してく れていることを実感しています。 また、これらの取り組みをさらに発展させるべく、 文部科学省科学技術人材育成費補助事業「グローバル アントレプレナー育成促進事業(EDGE プログラム)」の 採択を受け、イノベーション創出の活性化のため,研究 開発成果を基にしたベンチャーの創業や既存企業によ る新事業の創出を促進する人材の育成、ベンチャーキャ ピタル等も含む連携機関によるイノベーション・エコシス テムの形成を目的とした取り組みを本2014 年 10 月に スタートしました.FLEDGE(「羽毛が生えそろった」、 「巣立ちができる」、といった意味を持つ)と名付けたこ のプログラムでは、まさに起業を目指す人材の育成に取 り組むことを目指しています。シリコンバレーのアント レプレナーとのオンラインでの対談や i-WS(Ideation Workshop)と名付けたアントレプレナーとの出会いの 場の提供など、様々な企画を推進しています、まだ始 まったばかりの取り組みですが、今後の展開を見守っ て頂ければと思います。 昨今の大学生、大学院生の中には、過酷な受験戦争 に疲弊してしまった結果として、大学入学後に自らの 将来やキャリアに対する目的意識を見出せずにいる方 が少なからずおられるように思います。まっしぐらに 目標を定め、起業を目指す方々への効果的指導が出来 るプログラムであることはもちろん、そういった方や、 また何かがやりたくて、でも何をやっていいかよくわ からずに、もどかしい思いをしている学生の方々を、 わくわくさせることができるようなプログラムとして 運営していければと考えています。 以上、「変わる大学院教育」と題して、ここ数年で大 学院学生に提供されるようになった産学協同教育プロ グラムの一部をご紹介させて頂きました。このような取 り組みを大学で実践するためには、教員の力だけでは どうしても限界があります。皆様方の企業でのご経験 に基づく様々なアドバイスや指導が極めて重要な役割 を果たします。少しでも関心をお持ち頂き、後進の指 導•育成に携わって頂ければ有り難く存じます。 大阪府立大学21 世紀科学研究機構 教授(マテリアル工学) 産学協同高度人材育成センター長【寄書】
「シニア人材活用事例セミナー」に参加して
技術相談員 金納 義二
本セミナーは、副題に「シニアを活かす企業経 営」と銘打った、地域中小企業のためのシニア人 材確保・定着事業で、主催の中小企業庁から委託 を受けたコンサルティング会社 ㈱クォリティ・オ ブ・ライフと人材派遣会社 テンプスタッフキャリア コンサルティング㈱が事業化しているものです。 たまたま近畿経済産業局の産業人材政策課から TMC の斎藤常務理事を通じて、「事例を紹介し て頂けませんか」とのお話があり、参加しました。 2014 年 9 月 2 日(火)大阪、3 日(水)京都、4 日 (木)神戸、5 日(金)奈良の 4 会場、各 2 時間半 のセミナーでした。お集まりになった方々の内 訳はシニアの中小企業支援希望者が70%、支援 を受けたい中小企業経営者が30%で、大阪会場 約80 人、その他の会場各々20 名弱でした。セ ミナーはクォリティ・オブ・ライフの山田 徹氏の基 調講演に始まり、続いてパネルディスカッションが 行われました。 基調講演では、定年退職者の就労意欲は高く、 60 歳を超えて仕事はしたくないと考えている 方は 12%に満たず、70 歳までは働きたいと思 っておられる方と働けるうちはいつまでも働き たいと思っておられる方を合わせて 50%に達 するということでした。また、今後 15 歳∼64 歳の人が2050 年に向けて 30 百万人減少するこ とが知られており、それを補填する道は 65 歳 以上の方の就労しかないというお話でした。 中小企業経営者の悩みとしては、商材はある ものの販路を持たず支援を期待しておられるケ ース、具体例としては医療機器分野など異分野 への販路拡大の支援、さらには新規顧客の紹介、 新商品開発への支援等があり、また、次なる成 長に向けて戦略性を持った企業経営を模索して おられるケース、具体例としては社員教育の支 援、人事制度構築の支援、東南アジアへの輸出 支援等があることが紹介されました。 パネルディスカッションは、私を含めシニア支援 経験者2 名と支援を受けた経験を持つ中小企業 経営者2 名の構成で、各々の自己紹介に始まり、 支援・被支援の経験、支援のコツ、やりがい、課 題といったようなものを、コーディネ-ター役の 山田氏に促されながら話すというものでした。 私は中小企業 山一㈱が医薬機器の事業への参 入を企図してから実際に参入するまでの話を中 心に、キリン社での経験、技術支援したサンスタ ー社・積水化学工業社での経験、TMC で見聞き したこと等を基に話しました。 各支援者が共通して感じていることとしては、 先ず、上から目線にならないこと、小さな成功 例がその後の仕事をやりやすくするというのが ありました。また、支援を始めるにあたっては、 はじめの話し合いが肝心であるというのも共通 した話題でした。ご自身のボケ防止に役立つこ とをしながらお小遣いを手にすることができま すよ、という話には小さな笑いが生まれ、会場 内に和やかな雰囲気が漂いました。興味をそそ られたのは一社を支援するのに複数の専門分野 の人達がチームを組んで当たるという事例があ ったことでした。また、支援を受けた中小企業 経営者の話にはこんなのがありました。当時売 れない商材を抱えており、はじめは販路を紹介 してもらえればよいといった軽い考えで支援を 依頼しました。しかし、シニアの方と話してい るうちに、売れないには売れないだけの理由が あることが解りました。シニアの方に支援頂く のなら、販路の紹介にとどまらず、根本的なこ とを相談した方がいいですよ、というお話でし た。 最後は本セミナーの最終目的である支援・被 支援のマッチングに向けての登録手続き。シニア 人材登録用紙、企業登録用紙に各々基本情報、 アドバイス可能(希望)分野、得意な経験・業務スキ ル(支援を希望するスキル)等を記入して提出し、 お開きとなりました。 中小企業の経営支援を実施されたシニア人材 の方には5 回を限度に 1 日 25,000 円が支給さ れます(平成26 年度中)。TMC の皆さんも登録 なさいませんか。セミナーに参加していなくと も 、 希 望 さ れ る 方 は www.senior-jinzai.com から簡単に登録が出来ます。 元 キリンビール株式会社(研究開発、ビール製造、医薬 品事業開発)3
シリーズ【最新の環境課題】(
32)
化学物質リスクアセスメント義務化の動き
技術相談員 中野
政男
1)胆管がん問題に鑑み640 の化学物質につき、 リスクアセスメントの実施が 2 年内に義務化 化学物質管理の国際的な潮流として「ハザード 管理からリスク管理」への流れの中で、「2020 年ま でにリスク評価、管理手法を用いて、化学品が健 康と環境にもたらす悪影響を最小化する」ことが 2002 年段階で取り決められています。国内にお いても、化学物質のリスクアセスメントについて、 2006 年 3 月には労働安全衛生法(第 28 条の 2 第 2 項)で努力義務としての指針 が出され、関連で2012 年 3 月に は640 の化学物質に対し「化学品 の分類及び表示に関する世界調 和システム(GHS)」に基づく分類 の表示及び伝達が促されました。 折しも 2011 年頃から胆管癌問題 が顕在化したことから、今2014 年 6 月 25 日、同法(第 57 条の 2)で、 リスクアセスメントの実施が 2 年以 内に義務化されるという法律改正 がなされました。 2)リスク評価手法 労働安全衛生法では、法定の 有害物質取扱い作業に対し、作 業環境測定を行い、その値を管理 濃度と比較して、作業場の管理区 分を 3 段階で定量的に評価する 手法を定めています。それとは別 に、簡易なリスクアセスメント手法と してコントロールバンディング法を推奨しています。 この手法は、化学物質を取り扱う作業毎にリスクの 程度を評価し、対策を示すもので、化学物質の危 険有害性が把握されておれば、適用できる便利な ツールです。この簡易な手法の追加により、専門 的知識を有する人たちに頼ることが難しい中小企 業でも利用できることが評価されています。 3)コントロールバンディング法 国際労働機関(ILO)が 2000年初めに公開した リスク評価・管理ツールで、①有害性情報として SDS の「物質(液体または固体)の有害性」項目か らの「有害性区分(発がん性や神経毒性等)」、② 暴露情報として「揮発性・飛散性(沸点や粒度)」、 および現場での「取扱量(少量、中量、大量)」に ついての数値を入力すると、4 段階での評価結果 が得られ、段階に応じた一般的管理事項(保護具 の使用、局所排気装置の設置等)が示されます。 本ツールでは、混合成分に対しても対応が可能で、 化合物は、CAS 番号での入力ができれば簡便で す。下記引用・参考サイト②から、誰でも無料で活 用できます。また、同サイト③にはコントロールバン ディング法の概略図がありますのでご参照くださ い。 4)引用・参考サイト ①安衛法(57 条の 2)SDS640 物質情報 http://www.meti.go.jp/policy/chemical_manageme nt/files/GHSpamphlet201210.pdf ②コントロールバンディングツールの入口サイト(厚生省 「職場の安全サイト」中) http://anzeninfo.mhlw.go.jp/ras/user/anzen/kag/ra s_start.html ③山口耕司,「化学物質管理におけるリスク評価手 法」塗料の研究No.155, Oct, 12-18, (2013) http://www.kansai.co.jp/rd/token/pdf/155/03.pdf 元 株式会社日本触媒(化学物質管理、触媒)、エコアクショ ン21 審査人、エネルギー診断プロフェッショナル4
第 14 期 中 間 事 業 報 告 書
平成 26 年 4 月 1 日 ∼ 平成 26 年 9 月 30 日Ⅰ.活動報告
TMC の活動理念「循環型社会システムを 視野に入れたボランティア活動を通じ、持続 可能な社会の発展に尽くす」に則り、「相談」、 「伝える」、「助ける」、「創り出す」、「育てる」 を活動のキーワードとして、主に次のような 活動を行っております。1.内部活動
(1) 技術研修会および活動報告会 恒例の「技術研修会」および「TMC 活動報 告会」の会場を昨年末より大阪府立大学サ テライト「I-site なんば」に移し、4、5、6、8、 9 月の 5 回開催致しました。関係各位のご 協力により、活気のある研修会および活動 報告会とすることができました。 (2) 機関誌「環」、ホームページ 機関誌「環」につきましては順調に発行回 数を重ね、当前期も 6 月と 9 月にそれぞれ 第 50 号、第 51 号を発行致しました。 また、「ホームページ」も充実したものに改 善され、今回、東京支部の支援活動一覧表 および CMC 出版の月刊「機能材料」に連載 した会員のエッセイを掲載致しました。 (3) 理事会 毎月、理事会を開催し、活動を活発化す べく種々審議し、また活動を円滑に進める べく報・連・相も徹底しております。なお、 吉田理事長は昨年 6 月よりプトラ・マレーシア 大 学 (UPM)に 赴 任 さ れて い ま す が 、 毎回 Skype(インタネット電話)にて出席され、通常 通りの理事会となっております。 (4) 部会・分科会活動(創り出す) ビジネス研究部会、理科教育部会、資源循 環部会、環境技術部会の 4 つの部会が活動 しております。資源循環部会には、亜臨界 水分科会・排水分科会・水研究会の 3 分科会 が、環境技術部会には、CO2 削減分科会・省 エネ分科会・新エネ分科会の 3 分科会があり、 各部会・分科会は原則月 1 回の会合を開き、 活発な意見交換・報告会が行われています。 各分科会の開催日などは毎月会員各位にご 案内させて頂いております。特に水研究会 では特定のテーマにてメンバーが執筆分担 し、来年早々に出版の予定です。 (5) 東京支部の活動 一昨年より、毎月 1 回会合を開き、会員 増強の取り組み及び亜臨界水等の勉強会も 活発に行われ、9 月には金子支部長が亜臨 界水に関する擦り合わせのため本部に来所 されました。 (6) 講習会の実施 TMC タブレット端末講習会を月 2 回実施し ております。 (7) 同好会活動 水墨画同好会(第 2 水曜日)、写真研究会 (第 2 水曜日)、かな文字・絵てがみ同好会(第 3 火曜日)、囲碁同好会(第 3 水曜日)、俳句研 究会(第 2、3 木曜日)、テニス同好会(第 3 月曜 日)、ゴルフ同好会(4 月)、更に今期より「歴 史散歩の会」も発足し、会員相互の交流に大 いに寄与しました。2.外部活動
(1) 公開講演会 7 月には特別講師に中許昌美先生(大阪市 立工業研究所理事長)、三木徳彦先生(三木 眼科クリニック院長)、北宅善昭先生(大阪府立 大学大学院生命環境科学科教授)をお迎え して、第 17 回公開講演会を開催致しました ところ、多くの方々のご参加を賜り、終了 後の交流懇親会も盛大に執り行うことがで きました。5 (2) 中小企業等支援活動 K社への化学エンジニアリング支援、N社 への助成金支援活動及びその後の技術指導、 V社への化学工学熱収支計算の支援、U社 への医療分野進出支援を実施しました。 (3)技術調査・執筆活動 技術調査・執筆部会では、多くの会員のご 協力を得て、現在 10 件の執筆活動に加え、 昨年度より編集・校正作業も担当し、T社の 出版事業を支援させて頂いております。 (4) 法人会員支援 新エネ分科会での㈱SDC 田中の支援、永 大化工㈱への技術支援、ハイテン工業㈱の EA21 指導等を実施させて頂きました。 更に、環境技術部会からの最新の環境技 術情報を「テクノエコ通信」として毎月 2 回配 布させて頂いており、現在 59 号を発行して おります。 (5) NPO 協議会との連携 大阪府産業支援型 NPO 協議会が受託し た「水素・燃料電池関連人材育成事業」によ る新規雇用失業者に対し、毎月開催するセ ミナー・展示会(燃料電池車)、中小企業支援、 知識研修としての「出前環境塾」を TMC が 全面的にバックアップさせて頂いております。 (6) 産技研、環農水研、市工研との交流 大阪府立産業技術総合研究所(産技研)と 毎月 1 回テーマを設定し、産技研の理事長 も出席され、交流を続けております。大阪 府立環境農林水産総合研究所(環農水研)と は 「おおさかエコテック」で連携 しており ま す。新たに大阪市立工業研究所(市工研)と も交流を開始しております。 (7) 理科教育支援(育てる) 理科教育部会では、「創造性豊かな理科好 きの子供の育成事業」を堺市教育委員会の 後援、ダイキン工業㈱、シャープ㈱、不二製 油㈱に加え、今年より堺化学工業㈱、㈱島 津理化の協力を得て、堺市内 50 小学校、約 5,000 名の児童を対象に実施しており、大 好評を博しています。
Ⅱ.会計報告 (期間 平成 26 年 4 月 1 日 ∼ 平成 26 年 9 月 30 日)
(単位:円) 収 入 の 部 支 出 の 部 費 目 金 額 費 目 金 額 前期より繰越 法人会費 個人会費 収益事業収入 運営協力金 技術研修会会費収入 講演会会費収入 雑収入(受取利息ほか) 6,801,461 870,000 1,517,000 729,000 447,700 76,500 346,000 12,542 事業費用 技術研修会費用 講演会費用 一般管理費 331,560 55,120 328,940 2,451,840 小 計 3,167,460 次期への繰越 7,632,743 合 計 10,800,203 合 計 10,800,203 (常務理事 斉藤 昇 記)技 術 研 修 会 記 録 期間 H26/8∼10 回数 年月日 講演者 題 目 と 概 要 135 回-1 H26. 8.27 高田 義和 食品衛生と微生物検査の基礎知識 昨今、食品に係る中毒、事故が大きな社会問題になっています。私が子供の頃(昭和 30 年代)は、口に入る ものは何でも有難く食べるように教育されたものですが、食品事故が多様性を帯び、そうも言えない時代になっ てきました。今回の研修会で食中毒起因菌のプロフィール及び食中毒事例、感染経路、汚染源についてお話 しさせて頂きました。特にもやしに菌が多数いることや土壌菌のクロストリジウム属の外毒素の恐ろしさ、ブドウ球 菌の毒素が耐熱性であることなど、初めて聞かれた方も多かったようです。今回のテーマは家庭に於いても適 用できるので活用して頂きたいと思います。 (元 関西環境センター検査部長、現 李朝園㈱品質管理室顧問、TMC 会員) 135 回-2 H26. 8.27 栗屋野 伸樹 光触媒技術の現状について 1970 年代に光触媒技術は「ホンダ・フジシマ効果」として学術発表され、長くアカデミアで基礎研究が行われ た後、1990 年代に製品が発売され 90 年代後半から 2000 年代前半まで「光触媒ブーム」が起こった。しかしな がら「光を照射するだけで触媒機能が発現する」簡易なメカニズムだが効果が目に見えにくいことから、性能の 低い製品も多く発売されブームは終焉を迎えた。その中、光触媒工業会の発足や JIS、ISO など標準規格の制 定など業界の正常化も進み、可視光光触媒など次世代の光触媒も開発された業界の現状を報告する。 (盛和工業㈱専務取締役) 136 回-1 H26. 9.24 平田 弘昭 蒸気廃熱回収装置「エコ・モルダー」の紹介 ㈱ビクター特販が製造・販売している「エコ・モルダー」除鉄機能・温度制御装置付ドレン吸引回収装置は、 大阪府立環境農林水産総合研究所の「おおさかエコテック」(環境技術評価・普及事業)において優れた環境 技術(省エネルギー技術・製品)と評価されました。業務用クリーニング・リネン工場などで排出される高温蒸気 ドレンの熱回収を行い、クリーンな温水として再利用を可能にしたユニークな特徴を持つ「エコ・モルダー」の技 術、及び投資効果について解説した。 (㈱ビクター特販代表取締役社長) 136 回-2 H26. 9.24 大形 孝明 遮熱塗料について 「屋根クールネオ」は NAD(非水分散)型特殊アクリル樹脂を使用した長期防食性と遮熱性を併せ持つ屋根 用遮熱塗料(高日射反射率塗料)です。塗装することで表面温度の上昇を抑制し、室内に居る人の夏の負担を 軽減するだけでなく、冷房効果を大幅にアップすることができ、天然アスファルト系塗料と同等の高い防食性が あります。又、一般的に上塗りが難しいとされている天然アスファルト系塗料による防食塗装が行われた屋根に も塗装することができ、鉛やクロムといった重金属を使用していない環境に優しい塗料です。 (大同塗料㈱技術部課長) 137 回-1 H26.10.22 二宮 正三郎 中小企業における技術屋の役割 弊社のキーワードは耐食技術。プラスチックの耐食性を応用したポンプ・送風機・環境保全装置とそれをバッ クアップするメンテナンスの四事業である。創業から会社の発展を支えた技術屋達の役割についての体験談で す。創業者は、基礎技術構築のため理工系の学卒者採用に奔走、昭和 40 年代から機械・化学・材料・成形加 工等の専門技術屋が育ち始め、設計や研究開発は勿論、営業支援・クレーム問題の解決等一人三役。技術屋 の連携が重要。産学官連携の事例、技術の伝承(耐食ポンプの設計・応用、自社出版本の例)を紹介。 (元 セイコー化工機㈱取締役会長、TMC 会員) 137 回-2 H26.10.22 田中 伸和 会社説明と超硬合金金型製造及びその問題点 ①ハイテン工業㈱の沿革 ②超硬合金金型製造の概要:鍛造の説明、鍛造成形と金型の構造、金型製造工程の説明 ③会社の取り組み:エコアクション 21 の取得⇒2015 年 4 月取得を目指す。3S(整理・整頓・清掃)+1S(働く姿勢) 活動 ④将来展望:新規分野への参入。難成形素材に対応した金型開発 (ハイテン工業㈱代表取締役社長、TMC 法人会員) 各講演に就いて詳細をお知りになりたい方は事務局までご連絡下さい。 6
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【部会活動ニュース】
水研究会の成果が『島津評論』に掲載
−近赤外分光法を用いた化粧品の保水性評価−リーダー:斉藤
昇
昨2013 年末、水研究会の成果が『島津評論』誌に掲 載されました。いささか遅くなりましたが、今回この 論文の概要につき紹介させていただきます。 1.これまでの経緯 大阪府立大学の竹内雅人准教授が近赤外分光法に て酸化チタン表面に吸着した水の水素結合状態を解析 され、表面の濡れ性を評価されていることを知りまし た。この水の解析手法は産業界の多くの分野でも役立 つと思われ、同先生を顧問として水研究会を2009 年 11 月に立ち上げたことは、以前紹介させていただき ました。水研究会では種々検討を重ね、化粧品分野を ターゲットに絞りました。肌の水分の解析手法としては、 自由水(通常の 0℃で凍結し、100℃で蒸発する水)、 結合水(不凍水、蒸発できず氷の結晶も作れない水)の 違いを示差熱分析(破壊分析)でやっと測定できてい る段階であり、近赤外分光法によれば、この区別を非 破壊分析できる可能性があると判断されました。 2.“近赤外分光法を用いた化粧品の保湿性評価”の 概要 ㈱島津製作所OB の山本英毅さんのご尽力により、 ㈱島津製作所にて測定していただき、論文を投稿する ことができました。改めて山本さんにお礼申し上げま す。また、内田邦宏さんが肌水分測定器をお持ちくだ さいました。これは電気特性値から評価する極表面の 水分を測定する装置であり、この装置をお借りしなけ れば有用な解釈をすることができませんでした。内田 さんにも改めて深謝申し上げます。 今回の『島津評論』Vol.70,No.1・2,73∼94,2013 に “近赤外分光法を用いた化粧品の保湿性評価”と題し て掲載されたた論文の概要を以下に紹介します。 肌水分の計測に関しては、皮膚表面の水分の電気抵 抗(導電率)を測定するのが一般的です。即ち皮膚表面 (角層;表面から0.01∼0.015mm)の水分を測定して いると言われているが、今回、近赤外分光法により皮 膚の内部の水の情報を見出すことができました。 一例を右欄に図示します。 A 社の「化粧水保水性大」の化粧品を皮膚(手のひ ら)に塗り、近赤外分光装置により経時変化を測定し ました。図のものは30 分後に測定したものです。水 の吸収と言われている波数;7800∼6000cm-1(波長; 1282nm∼1667nm)のピークについて波形分離を行 いました。6 つのピークはそれぞれ水の分子振動(ν1, ν2,ν3)の倍音、結合音に相当し、それぞれは自由水 だけでなく結合水(皮膚、化粧品との)も多く存在する ため、これを同定するには相当な基礎データが必要で す。このため今回はそれぞれのピークの同定はできて いません。( )内の水分計の値は電気特性の値です。 しかし、詳細は割愛しますが、表面の水を測定する 肌水分測定器の値が乾燥により減少するのに対して、 皮膚内部の水は増加するピークもあるとのデータを 近赤外分光により初めて得ることが出来ました。また 7800∼6000cm-1のピークの積分値(皮膚内部も含めた 水分量)も、電気特性値からの水分値(極表面)とは異 なることが分かりました。但し、深さ方向は数mm∼ 数cm と言われていますが、化粧品の保湿性評価だけ でなく、各人の肌の診断にも使えると思われます。あ るヘルスケアのベンチャー企業が興味を持ち、早速、 ㈱島津製作所で測定され、有用なデータが得られつつ あることも伺っております。 3.水研究会の成果について このように近赤外分光による水素結合状態の解析 は、多くの分野に適用できると思われますので、多く の経験をお持ちの皆様方からのご提案をお待ちして おります。TMC 部会活動は多くの分野の方々の異な った見方が融合することにより、今回、水研究会にて 「創り出す」ことができたと思っています。こうした活 動は大企業でもできない貴重な活動であると再認識 している次第です。8
【紀行文】
南フランスとパリの旅
技術相談員 橋内
浩太郎
ヨーロッパ諸国の中で世界経済に対し最も影響 力のある国といえば、ドイツ、イギリス、フランスであ ろう。ドイツはベンツ・シーメンスに代表される先進 工業国であり、イギリスは産業革命、資本主義を世 界に先駆けて発展させた“大英帝国”であるのに 対し、フランスは大農業国と云える。見方を変えれ ば、ドイツはキッチリ、イギリスはルールにシビア、フ ランスはゆったりしていると言えるのではないか (最近はスリが多く、繁華街では緊張感を保たねば ならないが・・・)。 フランスの国土は日本の1.5 倍、人口は半分であ る。山岳地帯は西部国境のピレネー山脈と南部の アルプス(モンブラン)だけで、全体的に平野部が多 く、広大な農地・牧場が占めている。古くからそ れらを所有する多くの大地主と農業労働者がい たが、14 世紀、欧州にペストが大流行したため、 やがて大農地を持つ貴族が出現し、農奴が用いら れるようになった。また、ローマ帝国支配下の時 代に土木、特に石工技術の発達で水道橋や大聖 堂・宮殿が数多く作られ、今なおそれらの大規模 建 造 物 が 見 ら れる。ここでは 南フランスと首 都パリに分けて レポートするこ と に す る 。 農 地・牧場の広 がる南フランス と 大 宮 殿 ・ 聖 堂・美術の中心 地パリである。 【南フランス地区】 プロヴァンス地方にはゴッホ、セザンヌ、シャガー ルたちに愛されたアルル、エクス・アン・プロヴァンス、 アヴィニョンなどの町がある。 ゴッホが描いた跳ね橋(アルル) アルルは、ゴッホの作品に描かれたところが多く (ひまわり畑は痩せた石灰質の土地の使い方から 生まれた)、エクス・ア ン・プロヴァンスにはセ ザンヌのアトリエが残 っている。セザンヌの 愛したサント・ビクトワ ール山はプロヴァンス の象徴であり、頂上の 十字架はプロヴァンス の十字架と言われ、水 の 恵 み を 提 供 し て 人々を見守っている。 ワイナリーの酒蔵 丘陵地帯には、オリーブ と葡萄が植えられ、オリーブ油・ワインが特産品で ある。また、アヴィニョンにはローマ時代からの遺 跡が多くある。 コートダジュール モナコからマルセイユに至るコートダジュール海 岸線は、古くから避寒地、海外との取引地として 栄えてきたところで、日差しを求めてやってくる 人々、バカンスを満喫している人々で溢れている。 流線形の湾で一大リゾート地帯となっており、世界 中のセレブがやってきている。モナコのカジノ・F1 レース・グレース王妃が有名である。数百mの高所 にある鷲の巣村エズの香水産業、ニースの観光産 業(避寒地)がある。マルセイユは近世まで貿易の 中心地であった旧港があり、16 世紀に出来た運河 伝いにオリーブが植えられ、その油と苛性ソーダだ けで煮詰めたマルセイユ石鹸はルイ14 世時代から 肌にやさしい無臭の特産品になっている。マルセ イユは商工業の中心地でシンボルのノートルダム・ド ラガルド大聖堂(マリア像)が海を見ている。プロヴァ ンスの玄関口であり、ラヴェンダーのエッセンシャル オイルとラヴェンダー蜂蜜で有名なラヴェンダー街 道のスタート地点である。9 【パリ地区】 言うまでもなく世界屈指の観光名所であり、街 が美術で生きていると言える。各国から訪問する 観光客の数は半端ではない。主な名所を挙げる。 モンサンミッシェル モンサンミッシェル: 巡礼者が押し寄せたので、 堤防を作り汽車を走らせたが、堤防が海へ入る川 の流れを変え、島と陸続きになった。最近は橋を 建設しており、堤防を取り崩している。大聖堂は フランスで最も美しい修道院である。パリからの道 中で Bocage(ボカージュ=畑の柵の代りに木を植 えたもので、土の流出を防ぎ牧場の囲いの役目を 担う)を見かけた。ヴェルサイユ宮殿: 巨大で豪華 であるが、中身はフランス革命の際ほとんどが持ち 去られたという。ルーヴル美術館: ともかくデカ い。ガイドが必要である。 オルセー美術館の大時計からの眺め オルセー美術館: 5 階の時計のガラス越しにモ ンマルトルの丘を見るのは一興。ノートルダム大聖 堂: 常時 300 人が入場を並んで待っている。窓 のステンドグラスが有名だ。 ノートルダム大聖堂 フランスのトマ・ピケティは、アダムスミス、マルクス、 ケインズに次ぐ経済学者といわれ、『21 世紀の資本 論』の著者であり、全世界で多く読まれている。 彼は貧富の格差の拡大は資本主義市場に内在す ることを経済分析において明確に説明している。 フランスの産業・観光業を見ると、収入に格差があ るのは当たり前だから、その対策は当事者が考え るのが当然ということから発想がスタートしてい る。従って、市場で勝つ方法はまず他者に真似の できないものを考案しなければならない。見方を 変えると、世の中の多くのものは95%までは人並 みにできるといえる。が、あとの 5%の部分が非 常に難しい。その5%をマスターしたものだけが生 き残るのである。例えば、フランスの香水(少量で 高価しかも消耗品)は、世界中から花の香り(日本 からは金木犀)を集めて香料にしているが、実は製 造工場は大した設備を所有している訳ではなく、 主に人手によるものであることから真似がしに くいのではないかと思う。マルセイユ石鹸は、オリ ーブ油と苛性ソーダを煮詰めたものであるが、煮 詰め方に100 年の技があるそうだ。食事が旨いの は食材が新鮮だからだろう。市場が多く、シェフ は自分で朝早くから食材を見極め、仕入れるシス テムがあるからだと思われる。 観光には人手を多くかけている。駅や美術館な どでの案内はもちろんである。地下鉄の案内もIT 化が進んでおり、外国人でも分かりやすくなって いる(日本語のアナウンスがあり、驚いた)。観光バ スには IT タコメーターが設置されている。これは 運転手が4 時間以上連続で運転しないよう IT で 監視しているものである(日本では手書きで後か ら変更でき、警察官が簡単に見分けられない)。 道路は綺麗で、早朝5 時ごろから清掃車が来てお り、作業員がよく働いているのを見かけた。百貨 店も常に多くの人が清掃をしている。フランスは失 業率が高いと言われるが、現実には多くの人が働 いているのではないかと思われる。街ではあまり ぶらぶらしている人は見かけない。日本は人の力 をもっと見直さねばならないと感じる。そういえ ば、今年世界遺産に登録なった富岡製糸場はフラ ンス人ポール・ブリュナが建物から機械設備・操業 までのフルターンキー契約で日本に伝えたもので あった。 ––––––––––––––––––––––––––––––––––––––– 元 株式会社クボタ(建築・土木資材、環境装置の販売マーケ ティング 新市場・新商品開発)
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【エッセイ】
日本の木の文化と「TMC 歴史散歩の会」
技術相談員 村田
吉和
会社生活 40 年の内、後半の 18 年間は単身赴 任であった。赴任地は名古屋周辺ばかりであっ たので、適度に大阪の自宅に帰ることができ、 生活にはメリハリを付けることができたと思って いる。休日の空いた時間を利用して町中や郊外 の散策、山歩きにもよく出かけたものである。 目的など何も考えず、ただ新たな発見に出会え ることへの期待、出会った時の驚き、感動、そ れに山の頂から青く澄んだ空と緑に覆われた 山々を眺めたときの清々しさに引き寄せられる ように歩いていたように思う。旧中山道や熊野 古道を 1 日 15∼20km に分けてそれぞれ 10 回く らい歩き継いだこともある。旧宿場町やその間 を結ぶ旧街道を歩いていると日本人の生活と森 は昔から共存していたことを感じるし、奥深い 山道の木々の中から現れる古き神社・仏閣など に出会うと何か厳かな気分になる。日本は国土 面積の 66%が森林に覆われた世界有数の森林 大国であるといわれるが、山道を歩いていると そのことを強く実感する。 ある TV 番組で木樋(もくひ)づくりを放映し ていた。水が漏れないようにするために「横板を 底板に載せる」方法や、木樋を繋ぐ場合に、切り 欠いた部分どうしを組み合わせる「相欠き継ぎ (あいがきつぎ)」ではなく、板の接合部分に掘っ た溝に溝よりわずかに太いサネを打ち込む「雇 い実継ぎ(やといざねつぎ)」という方法が紹介 されていた。これらの方法は江戸時代の水路や 草津温泉の木樋などに使われていたという。江 戸の町では 100 万人の町民の飲料水を確保する ために、町中に木樋による水道が張り巡らされ ており、そこには水位を上げたり、水流の方向 転換や分流を行うための枡や水量・水質を確認 するための水見枡、さらには木樋内を真空に近 い状態にし、サイフォンの原理を活用した施設も 設けられていたとのことである。日本人が、古 くから町のインフラ整備に高度な技術で「木」を 活用していたことに感動する。 2012 年 5 月に開業した東京スカイツリーにも法 隆寺の五重塔の心柱制振構造が採用されたこと も驚きである。日本には近世以前に建てられた 五重塔は現在 22 塔が残っている。残った五重塔 で地震や台風で倒壊したものはひとつもないと のことである。その理由は未だ完全に解明され ていないらしいが、塔の中央を心柱で貫通させ 頂部でのみ固定していること、心柱の先端に長 い相輪が取り付けられていること、各層に庇の 長い屋根があること、各階は通柱を持たず下の 階の柱の少し内側に新たな柱を立て、各階の屋 根を天秤のようにしてバランスをとっているこ となどが揺れに強い構造になっているという。 このようなところにも、日本人と木の関係、日 本における木の文化を強く感じるのである。 私は、縁あってテクノメイトコープの同好会「歴 史散歩の会」の立ち上げに関わらせていただい た。会の裏方をさせていただいているが、内田 邦宏幹事の日本の木の文化への強い思いに刺激 を受けて、少しずつでは あるが興味を持ち始め ている。寺社に参拝して も、以前は何気なく見て いたものに今では強く 関心を持つようになっ た。特に寺院建築の壮大 な屋根を支えるための 「組物」の技術には、日本 人の技術の高さを改め て感じさせられる。 「歴史散歩の会」は、今年 4 月から活動を開始 している。これからもそんな日本の文化の良さ を体感でき、願わくはそれらが何かの機会に役 立てることができるような会になればと思って いる。日本の文化の良さを体感したいと考えて おられる方には是非、気軽にご参加いただけれ ば幸いである。 ______________________ 元 住友電気工業株式会社・住友電装株式会社 (電線・ケーブルの設計・開発、環境管理)11
会員動静
(平成 26 年 9 月∼11 月) 【法人会員】 株式会社ウラタニ・ラボ(9 月入会) 堺化学工業株式会社(11 月入会) 【個人会員】 坂野富明(元 松下電器産業㈱ 9 月入会) 太田和夫(元 コニカミノルタ㈱ 10 月入会)☆トピックス
「小学生理科実験授業に理科教育部会活躍中!」 理科教育部会(部会長:久保顧問)では今年も堺 市の小学生を対象に各社と協力して理科実験授業 で活躍中です。不二製油㈱(テーマ:「水と油」)や 堺化学工業㈱(テーマ:「光の種類を知ろう」)の広 報誌には、「TMC の“創造性豊かな理科好き子供 育成事業”に賛同し、地域社会との共生や子供達 の飛躍を目指している」として紹介されています。会員紹介
野宗 邦臣 (個人会員) 広 島 県 福 山 市 出 身 (1942 年生) 元 大日本印刷(FB・ 情報記録材の開 発) 趣味:音楽(クラリネット)、読書(歴 史/文学/政治/経済/教育/ 宗教) (2006 年入会 OSK 教育担当) 【ひとこと】 会社員生活(経理・営業・開発)を終えもうすぐ 10 年、生活のリズムはそれなりにできています。シニア になって思いをめぐらせた時、すこしでも世の中に お役に立てればということで、先人の「人に頼まれた ならば“一指し舞へよ”…それが真のリーダーだ」と いう言葉にあらためて発奮。 そのために行っていることは、①ウォーキング・歴 史散策などを積極的に行い健康に留意、②頭を柔 軟に保つための政治・経済・技術・教育などの勉強 (「弘志会」として毎月 1 回 50 年続ける)、③ブログ 「ビジネスマン育成塾」を毎週金曜日発信(450 回 超)などです。 今後とも、自ら責任を負える範囲で、一指し舞えれ ば幸いと思っています。会員紹介
向井 中(個人会員) 奈良県出身(1962 年生) 元 日本ペイント生産技術部、 平成 4 年より奈良県警察本部刑 事部科学捜査研究所化学係 趣味: 読書、芸術鑑賞、格闘技観戦 (2012 年入会) 【ひとこと】 誤解を恐れずに、日頃感じていることを書かせて 頂きます。世界で一番安全?である文明国日本で 起きている大事故、凶悪犯罪、そして一挙に広がっ た危険ドラッグ。今後、数十年は続く原発事故の処 理やその後遺症、一人一台となった携帯電話は、 平和な日本に光と影をもたらしている。 光が強いほどその影もどす黒いようです。ほどほ どの便利でよいのでは、と思うこの頃です。会員紹介
平 佳明 (個人会員) 神戸市出身 (1958 年生) 元 太陽神戸・兵庫 銀行(営業・審査)、 兵庫県産廃協会・川 西市文化財団(公益法人運営)、大阪 府産業支援型 NPO 協議会(新エネ技 術支援)、現職 オリックス(営業推進) 趣味:旅行、カメラ、鉄道模型、ヴァイ オリンなど (2014 年入会 理科教育部会) 【ひとこと】 子供時代は東大の糸川教授に憧れて、κやμロ ケットが打上げに成功するたび「大人になったらきっ と宇宙科学者になるぞ」と誓ったものです。ところが 私が入学した私学に工学部はなく、本当にがっかり しました。学卒後は銀行へ就職、倒産すると子会社 清算に従事、その後は公益法人を渡り歩いて幾星 霜。 金融出身ということで、どこへ行っても総務経理を 任されましたが、NPO 協議会では企業の技術支援 という役目を仰せつかり、やっとのことで技術分野に 携わることが出来ました。同協議会では本当に数多 くの在阪企業にアプローチし、新エネルギーや環境 技術開発のお手伝いに砕身することができたと感じ ております。そして、その中で出会ったテクノメイトコ ープの方々のご推薦でこの度入会を果たした次第 です。 去年の夏は話題のきかっけすらなかった皆様と、 いまは懇意にさせていただき、不思議なご縁に感 謝いたします。今後ともどうかよろしくお願い申し上 げます。会員の
ひろば
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俳 句 へ の 誘 い(47)
芭蕉は俳諧連歌のことを風雅と呼んで、「万代不易(変 わらないもの)」と「変化流行(変わるもの)」について、そ の根本は一つであると言い、その根本のことを「風雅の 誠」と言っています。芭蕉は自然を四季の変化(移り変わ るもの)と四季の循環(変わらず巡ってくるもの)とに分 けて捉えながら、その本質は一つであると理解していた ようです。そして四季の変化の現れるところをよく見、 その本質をよく観察せよ、ということを「松のことは松に 習え、竹のことは竹に習え」と教えています。 松は春には新芽を出し、夏には落葉を散らし、秋には 松ぼっくりを付けます。このように松は四季に応じて変 化しますが、松そのものは変わることがありません。表 面の変化だけを見ないで、その本質をよく観察すること が大切であると教えていたことが分かります。現代俳句 になってから正岡子規と高浜虚子によって唱えられた 「写生」と「花鳥諷詠」が、すでに芭蕉によって実践指導さ れていたことは興味深いことです。 さらに土芳は、「俳諧(俳句)は型の文学であるから少し 俳諧に馴染めば誰にでも作ることはできるが、それでは 形ができても立派な句にはならない」と安易な句作を戒 めています。また、芭蕉の「俳諧は三尺の子にさせよ、初 心の句こそ頼もしけれ」という言葉を引いて、稚拙であっ ても子供の純真な心で作るのがよいと教えています。 平成 26 年 10 月度 心斎橋句会報虫 の 夜 の 円 居 一 会 の 島 泊 り 柏原昭治
荻 騒 ぐ 淡 路
あ わ島
じは 国 の 始 ま り と 大槻一郎
十 三 夜 夫 の 部 屋 の 譜 面 台 畑山淑子 教 会 の と ん が り 屋 根 に 小 鳥 来 る 荒川欽二 小 鳥 く る ガ ラ シ ャ が 母 の 墓 に か な 井村隆信 長 月 や 芭 蕉 を 読 め ば 夜 が 明 く る 岩見 浩 小 鳥 来 る 吾 子 の 公 園 デ ビ ュ ー の 日 大西きん一 ゑ の こ 草 大 極 殿 を 遠 く 見 て 金納義之 四 阿 を 囲 ふ 籬 や 竹 の 春 久下萬眞郎 大 樟 の 樹 齢 千 年 小 鳥 来 る 黒田美代子 目 つ む れ ば 五 蘊 皆 空 小 鳥 来 る 竹広東鶴 杖 使 ふ 友 の 歩 に 添 ひ 紅 葉 狩 土谷堂哉 敬 老 日 ス テ ー キ を 焼 く 一 人 な り 堤 淳 雁 渡 し 糶 ら れ 小 鯛 の 売 ら れ け り 中野陽典 月 蝕 や 地 球 は 虫 の し ぐ れ ど き 原田敏郎 月 落 ち て 闇 整 へ り 虫 時 雨 南後 勝 昼 の 虫 葎 は る か に 大 極 殿 西口梯梧 作 柄 の 話 題 ち ら ほ ら 九 月 か な 畑 葉子 天 高 し 二 本 と な り て 夫 婦 杉 細見俊雄 長 月 の 車 窓 に 惜 し む 信 濃 旅 山口惠子 心斎橋句会以外の句会報 石 蕗 の 花 が 寄 り 添 ふ 道 祖 神 石井孝定 御 嶽 の 噴 煙 は ら ふ 秋 の 風 上原 赫 渋 皮 の 残 る も 旨 し 栗 ご は ん 緒方 勝 立 冬 や 池 の 水 面 も 静 か な り 岡本長興 牡 丹 焚 く 丸 き 背 中 の 庭 師 か な 岸本 昇 水 玉 の ほ そ き は ち 巻 秋 祭 り 北尾惠美 望 郷 の 心 し み じ み 葛 の 花 隈部克郎 一 枝 に 命 の 明 か り 牡 丹 焚 く 権 順度 山 寺 に 読 経 が ひ び く 秋 彼 岸 橘 覚雄 一 束 に 炎 ゆ ら ぎ て 牡 丹 焚 く 橘 雅子 そ ぞ ろ 寒 靴 音 響 く 京 格 子 田中厚夫 人 影 の 見 え ぬ 灯 台 石 蕗 の 花 田中 孝 畦 道 に 灯 も る 提 燈 秋 祭 田中 実 ち ち は は の 天 に 一 条 牡 丹 焚 く 土井健造 大 根 引 畑 の 畦 の 魔 法 瓶 中野栄子 秋 彼 岸 陽 ざ し 西 よ り 廟 照 ら す 秦 良彰 大 根 引 き 土 塊 ゆ る く 崩 れ け り 福永英彦 立 冬 に 山 辺 の 道 友 偲 び 都 福仁 新 蕎 麦 や 見 上 ぐ る 梁 の 黒 光 り 村田博史 角 曲 が る 度 に 見 つ け る 葛 の 花 山本兼司 五 分 だ け 車 窓 に 当 た る 時 雨 か な 横田臨界 荒 波 の 飛 沫 に 揺 ら ぐ 石 蕗 の 花 吉田亜水 テクノメイトの定例俳句会 ありん会(メール句会) 毎月1日締切り D&H句会 毎月第 2 木曜日 心斎橋句会 毎月第 3 木曜日 初心者の方、歓迎です。事務局 井村までご連絡下さい。 (井村隆信 報)クラブだより
TMC囲碁同好会 実施日 参加者数 優勝者 第 157 回 26.09.17 10 諸林 徹 第 158 回 26.10.15 10 財前太一 第 159 回 26.11.19 13 二宮正三郎 原則毎月第 3 水曜日開催 <幹事 橘 覚雄> TMCゴルフ同好会 実施日 参加者数 優勝者 第 50 回 26.10.02 23 緒方 勝 場所:ベニーカントリー倶楽部 G96/N75.6 ※今回を以て休会 TMCテニス同好会 実施日 参加者数 会場 第 136 回 26.09.22 7 靱庭球場 第 137 回 10 月は雨で中止 第 138 回 26.11.17 9 靱庭球場 原則毎月第 3 月曜日開催(時に変動あり) <幹事 長谷部 恵> TMC俳句研究会(心斎橋句会+その他の句会) 実施月 延参加者 会場 第 135 回 26.09 46 TMC 第 136 回 26.10 49 〃 第 137 回 26.11 50 〃 <幹事 井村 隆信> TMC水墨画同好会 (心斎橋水墨画教室/指導:寺山南楊先生) 実施日 参加者数 会場 第 111 回 26.09.10 8 ヒカリビル 2F 第 112 回 26.10.08 8 〃 第 113 回 26.11.12 8 〃 原則毎月第 2 水曜日開催 <幹事 原田 和夫> TMCかな文字、絵てがみ同好会 (指導:片山弘子先生) 実施日 参加者数 会場 第 69 回 26.09.16 5 TMC 第 70 回 26.10.21 5 〃 第 71 回 26.11.18 6 〃 原則毎月第 3 火曜日開催 <幹事 井村 隆信> TMC写真研究会 実施日 参加者数 会場 第 74 回 26.09.10 7 TMC 第 75 回 26.10.08 7 〃 第 76 回 26.11.12 8 〃 原則毎月第 2 水曜日開催 <幹事 浅井 陸之> TMC歴史散歩の会 実施日 参加者数 行先 第 4 回 26.10.11 12 平城宮跡/奈良 <幹事 内田 邦宏> ∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼∼ 最近の新聞文化面に大阪城天守閣の北川央館長が 「豊臣秀頼の再評価」と題して、豊臣家の権威・格式は関 ヶ原の合戦(1600 年)や徳川幕府の成立(1603 年)後も 大坂冬の陣(1614 年)が勃発するまでは存続していた ことを書かれていました。2 年半前の TMC 公開講演 会でもお話し頂いたテーマですが、こうした従来の通 説とは異なる新研究の成果を世に先駆けて聞かせて頂 いたと思うと何とも嬉しくなります。 (編集子) 特 定 非 営 利 活 動 法 人 テクノメイトコープ (TMC) 〒542-0086 大阪市中央区西心斎橋 1-8-18 ヒカリビル 3F TEL :06-4963-9876 FAX :06-4963-9878 e-mail : [email protected] URL : http://www6.ocn.ne.jp/~tmc-osk 発 行 日: 平成 26 年 12 月 17 日 発 行 者: 西口 一美 編集委員: 北尾惠美子、小林 稔、中島 邦彦、 橋本 雄吉、村田 博史 校正委員: 砂田 伊久雄株式会社 ウラタニ・ラボ 金型部品・機械工具製造販売 永大化工株式会社 プラスチック成形品の製造販売 株式会社 SDC田中 各種特殊ねじ部品(SDCボルトほか)の製造・販売 加藤工業株式会社 食品工業用・化学工業用機器の設計、製造、メンテナンス 株式会社 コアズ 警備セキュリティ、ビルメンテナンス 堺化学工業株式会社 無機・有機化学品の製造・販売 山水色素工業株式会社 有機顔料製造・販売 株式会社 島津製作所 計測機器製造・販売 有限会社 新城製作所 金属加工業/各種ファスナー(特殊ナット・ボルト)ほか 大和化成株式会社 プラスチック成型・加工 日進医療器株式会社 医療用各種機器・機材・資材などの開発・製造・販売 ハイテン工業株式会社 金属部品用のプレス金型設計、製造及び販売 株式会社 ヘキサケミカル 機能性樹脂材料製造・販売、シリコン、防霧剤、防錆剤、帯電防止剤、制電剤ほか 株式会社 渡辺義一製作所 機械部品製造/ポリマーフイルター、合繊紡糸・フイルム製造部品 T M C 法 人 会 員 (50音順) 平成26年12月1日現在