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2011

年度 卒業論文

物体造形のための自己形状認識デバイス

2012

2

10

大阪大学 基礎工学部

システム科学科 生物工学コース

09C08037

甲木 佑治

主査

:

       日付

:

    

(2)

概 要

三次元グラフィックスを作成する際、ユーザが簡単な入力を行うためのデバイスは様々な ものが提案されてきた。例えば、道具型の三次元入力デバイスやデータグローブを用いる方 法、カメラ等によって手形状と位置座標の情報を取得して手や指の移動の軌跡を入力とする 方法等が提案されてきた。しかし、従来の入力システムはデバイスを手や指に装着する必要 がある、カメラの設置してある場所でしか行えない、といった問題がある。現実物体表面に 触ったり、押し込んだりされた変形を外部からの情報取得をせずに物体自身が認識し入力と する方法も検討されているが、現状では形状変化を計測してモデリングのための入力として 利用するまでには至っていない。従って、本研究では物体自身で表面形状を認識するデバイ スを作成し、モデリングのための入力デバイスとして用いるシステムを目指す。 本研究で作成する入力デバイスは、球状の物体の表面に曲げセンサを貼付した物である。 物体表面に曲げセンサを貼付し抵抗値を測定することで、デバイスの局所的な歪曲量を得る ことができる。球状のデバイスの表面にループ状となるように曲げセンサを並べて貼付し、 各センサから歪曲量の情報を得る。得た歪曲量を用いてループの成す閉曲線に関する評価関 数を設定し、最小化することでループの形状を推定する。デバイスには三方向に曲げセンサ のループが貼付されており、各ループの形状を得た後、ループの間の形状を補間することで デバイス表面形状を推定することができる。 本研究では、スポンジでできた柔らかい球の表面上に曲げセンサを三方向にループ状とな るように貼付し、提案した手法を用いてデバイスの表面形状を再構成し、グラフィックスと して提示した。さらに、センサのループを変形させている様子をカメラで撮影し、映像から 得られた三次元形状と曲げセンサの情報から最適化して得られた三次元形状を比較する評 価実験を行った。実験により、デバイスに与えた変形が正しく認識されていることがわかっ た。 キーワード:自己形状認識,入力デバイス,最適化,コンピュータグラフィックス.

(3)

Abstract

Various devices have been studied actively as input methods of deforming computer graphics for users to design as intended. For example, methods have been proposed to use 3-D input devices and data-gloves as input devices and to measure shapes and positions of hands and use trajectories of hands and fingers as input data. However, these input systems have problems that systems are available only to locations of cameras and that users need to put devices in their hands or fingers. Methods have been proposed to use real objects as input devices, that users touch and press devices and sensors built into devices detect deformation volume and systems use data as input. However, effective input devices for forming 3-D graphics have not been proposed. The author proposes the input device that users operate the real object and the system measures deformation volume and uses data as input for modeling.

The input device produced in this study is a spherical object and stuck bend sensors on. By aligning bend sensors on the object and measuring their resistances, the system can obtain the local amount of distortion of the device. Bend sensors are aligned on the spherical object so that it may become a loop and the system obtains data of the amount of distortion of each sensors. The system sets up the valuation function about the closed loop constituted by bend sensors using the obtained amount of distortion and presumes the form of the loop by minimizing the valuation function. Bend sensors are aligned on the device in the three directions. After the system obtains forms of each loop, the system presumes the form of the closed surface expressing the shape of the device by interpolating the form of crevices between each loop.

In this study, the author stuck bend sensors on a soft ball made by sponge in the three directions. The system optimized the form of the device using the proposed method and displayed 3-D graphics. The author photoed the form of the loop of bend sensors with a camera and compared the form acquired by the system. The experiment showed that the system recognized the modification given to the device exactly.

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目 次

1章 はじめに 12章 物体の形状計測と入力デバイス 3 2.1 物体の変形を利用した入力デバイス . . . . 3 2.2 物体の三次元形状計測 . . . . 5 2.3 まとめ . . . . 9 第3章 自己形状認識デバイス 10 3.1 曲げセンサを用いた形状計測. . . 10 3.2 最適化とパラメトリック曲線. . . 12 3.3 パラメトリック曲面を用いた三次元補間 . . . . 17 第4章 システムの実装と評価 24 4.1 システムの実装 . . . 24 4.2 デバイスの形状測定 . . . 28 4.3 形状認識手法の評価 . . . 29 4.4 考察 . . . 335章 おわりに 34 謝辞 35 参考文献 36

(5)

図 目 次

2.1 Soap . . . . 4 2.2 Soapの原理 . . . . 4 2.3 導電性粘土を用いたインターフェース. . . . 4 2.4 デバイスの反応 . . . . 4 2.5 形状認識可能な粘土 . . . . 5 2.6 デバイスの内部 . . . . 5 2.7 ステレオ法 . . . . 6 2.8 多視点ステレオ法 . . . . 6 2.9 光切断法 . . . . 6 2.10 三次元キャプチャーシート . . . . 7 2.11 バネ質点モデル . . . . 7 2.12 動作実験 . . . . 8 2.13 SHAPE TAPE . . . . 8 2.14 SHAPE TAPEの構成イメージ . . . . 8 3.1 デバイス概要 . . . 10 3.2 曲げセンサの変形 . . . 11 3.3 形状推定の流れ . . . 12 3.4 ループの変形 . . . 13 3.5 二つ目のループの最適化 . . . 16 3.6 三つ目のループの最適化 . . . 16 3.7 得られた点の座標 . . . 17 3.8 8等分点の補間曲線 . . . 18 3.9 空間的なパラメトリック曲線による補間 . . . . 19 3.10 32等分点による補間1 . . . 20 3.11 デバイスの変形と切断面が作る閉曲線の長さの関係 . . . . 20 3.12 32等分点による補間2 . . . 21 3.13 閉曲面の一部 . . . 21

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3.14 図3.13の曲線から得られる点 . . . . 22 3.15 図3.13にメッシュを張った様子 . . . 22 3.16 図3.12の曲線から得られる点 . . . . 22 3.17 デバイスの形状を表現した様子 . . . 23 4.1 システムの外観 . . . 24 4.2 A/D変換器 . . . 25 4.3 電気回路の概要 . . . 25 4.4 本研究で用いる曲げセンサ . . . 26 4.5 測定の様子 . . . 26 4.6 曲げセンサの歪曲量と抵抗値の関係 . . . . 27 4.7 デバイスの変形の様子 . . . 28 4.8 認識されたループの形状 . . . 28 4.9 二つのループの形状 . . . 28 4.10 三つのループの形状 . . . 28 4.11 8等分点による空間補間 . . . 28 4.12 32等分点による空間補間 . . . 28 4.13 デバイスの変形の様子 . . . 29 4.14 デバイスの形状を表現した様子 . . . 29 4.15 実験環境 . . . 29 4.16 センサのループの形状測定 . . . 30 4.17 測定によって得られた形状(a) 撮影結果(b)抽出した形状 . . . . 30 4.18 システムが認識した形状 . . . 31 4.19 撮影画像の座標とシステムが描く画像の座標の対応 . . . . 31 4.20 再現された閉曲線 . . . 31 4.21 格子点1 . . . 32 4.22 格子点2 . . . 32 4.23 形状の適合率 . . . 32

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表 目 次

4.1 使用した機器 . . . 25 4.2 評価実験の結果 . . . 32

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1

章 はじめに

人間は自然界にある物を人間に都合の良い形状に変えて生活に利用してきた。原始的に は、石を割って刃物として使う、削って器として使う、といった例がある。技術が発達し文 化が出来ると、人間は彫刻や陶芸などによってより複雑な形状の物を造形するようになった。 物体を変形させて何かを造形することは人間にとって本能的なものであり、誰でも幼少期に 砂や粘土を用いて自由に立体的な形状を創りだした経験があるはずである。コンピュータ上 においてそのような物体造形にあたるものは三次元のコンピュータグラフィックスを作成す るモデリングである。しかし、手で直接造形する場合と異なり、三次元のグラフィックスを 作成するために二次元のディスプレイと入力デバイスを介する必要がある。従って、モデリ ングを行うためには少なからず操作の訓練が必要となる。粘土遊びのような、何の訓練も必 要としない物体造形をモデリングに関して行うためには、単純に何かを触ったり、動かした りすることで入力が行えるようなシステムが必要となる。 容易で直接的なモデリングシステムを実現するために、コンピュータ上の仮想物体に変形 を加える入力方法として様々なものが提案されてきた。例えば、ペン型入力デバイスや手袋 型入力デバイスを用いて入力する手法[1]-[3]や、カメラ等を用いて外部から手や指の形状を 認識し、指先の移動の軌跡を入力とするような手法[4]-[6]等が提案されている。さらに、三 次元空間の位置を直接指定して設計する場合において、空中で正確な定位を得ることが難し いという問題を解決するために、力覚提示技術を用いて仮想物体に触れた反力を提示するこ とによって位置指定の正確性を増す、という研究も行われている[7]。 しかし、カメラ等を用いて外部から位置や形状の情報を得る必要がある手法は、機材が設 置された場所でしか行えない、手がカメラの視界を遮ってしまう、といった問題がある。ま た、その他の手法でも手にデバイスを装着する時間を要する、手や指のサイズに個人差があ るなどの問題がある。考えられる解決法として、現実物体にセンサ等を組み込み、物体自身 が表面形状の変形を認識するという自己形状認識を行う手法が研究されている。自己形状認 識を行うことで物体に加えられた変形を計測する手法も研究されているが、従来の手法は 力が加えられているかどうかの認識、あるいは、力が加えられている部分の認識に限られて おり、入力情報からできる操作もファイル等の開閉、移動、あるいは、入力デバイスの力が 加えられた部分を光らせる等の単純なものとなっている。自分のイメージ通りにグラフィッ

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クスを作成するためには、デバイスに様々な方向から触れることが可能で、かつ、掌や指に よって様々な方向に加えられる変形を入力として認識する必要がある。変形を受けた入力デ バイスの三次元形状を正確に計測することで、相対的に加えられた変形の情報を細かく得る ことができ、容易なモデリングのための十分な情報を得ることができる。本研究では、自己 形状認識を行って、入力デバイスの三次元形状を計測することを目指す。 本研究では球状のデバイスを製作する。物体形状を計測する手法は様々なものが提案され ているが[14]-[17]、本研究では曲げセンサを用いて表面形状を計測する。表面形状を計測す るためには表面形状の点の空間的な位置を計測する必要がある。曲げセンサは物体表面に簡 単に貼付することができ、柔軟に変形するので、本研究で用いるセンサとして適している。 ループ状となるように曲げセンサを並べて貼付し、それぞれのセンサからデバイスの局所的 な歪曲量を得る。センサから得た歪曲量を用いて、ループの成す閉曲線の形状に関する評価 関数を設ける。評価関数とは、閉曲線の形状が最適な状態にどれ程近いかを表したものであ る。評価関数を最小化することで、ループの形状を推定する。3方向に配置された各ループ の形状を求めた後、空間的な補間を行うことでデバイス全体の三次元形状を推定できる。

(10)

2

章 物体の形状計測と入力デバイス

第1章で述べたように、物体を変形させてPCへの入力を行う手法はユーザが使いやすい システムとして様々なものが提案されているが、従来手法では得られる情報が力を加えた向 き等に限られるため、単純な入力操作しか行えない。グラフィックス作成のための入力デバ イスとして用いるためには、入力デバイスとなる物体の形状を正確に測定する必要がある。 本章では、2.1節において物体の変形を測定して、変形情報をPCへの入力とするようなデ バイスについて述べ、2.2節においては物体の三次元形状を計測する手法について述べる。

2.1

物体の変形を利用した入力デバイス

コンピュータへの入力を行う方法として代表的なものはキーボードやマウスである。近年 では技術の向上によりタッチパネルも広く普及し、簡単に入力を行えるようになった。しか し、マウスやタッチパネルは平面上の位置や動きを指定する二次元的な入力方法であり、モ デリングを行う際に奥行き等を入力するにはキーボード等からの別入力が必要となる。ま た、二次元的な入力で三次元グラフィックスを作成することは、現実の感覚との差異があり、 多少の訓練が必要である。三次元的な入力を行うデバイスとしては、Space Navigator[9]等 の三次元マウスやPHANTOM等の三次元入力デバイスがあるが、これらは三次元的な位置 を指定できるだけなので、モデリングに用いるためにはコンピュータ内の仮想物体の三次元 位置を把握する必要がある。モデリングを行うためには、実物体に変形を加えることで仮想 物体を変形させることができるようなシステムがユーザにとって直接的で使いやすい。本節 では、物体を直接変形させ、加えられた変形を測定し、変形情報をPCへの入力として用い るようなにデバイスついて述べる。

BaudischらのSoap[10]は図2.1に示されるものであり、LEDが取り付けられた柔らかい 外膜のhullと、複数の光センサが組み込まれた基盤やバッテリー、アンテナ等を含むcore によって構成されている。Soapの原理を図2.2に示す。外部から圧力を加えられてデバイス が変形すると、LEDの向きが変化し、赤外線を受光するセンサが変わるので、力を加えら れた向きを測定できる。Soapはマウスに代わるポインティングデバイスとして提案されて おり、プレゼンテーションや講義などの場で、机上のマウスを動かす代わりに、立ったまま デバイスを指でなぞるだけでカーソルを動かすことができる。しかし、三次元的な入力がで

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きないので、グラフィックスの作成に用いるには不向きである。 図2.1: Soap[10] 図2.2: Soapの原理 モデリングに用いるための入力デバイスとしては、力を加えた方向が認識できるだけでは 不十分である。山岡ら[11]は導電性の粘土を用いたインターフェースを提案しており、内部 の圧力センサで押し込まれたことを認識でき、また、導電性粘土を電気回路に組み込むこと で、電流が流れなくなったことから粘土が切断されたことを認識できる。デバイスは図2.3 に示される。図2.4のように圧力を加えられた場所を認識して光らせたり、切断されたこと を認識して別の色で光らせたりといった反応をする。 図2.3: 導電性粘土を用いたインターフェース [11] 図2.4: デバイスの反応[11] モデリングを行うための入力デバイスとして、Reedらは図2.5に示されるような、粘土内 に磁気式センサを複数組み込んだデバイスを提案している。磁気式センサから得たセンサの 姿勢と位置の情報からデバイス全体の形状を推定し、デバイスの変形量を入力としている。 しかし、得られる情報からデバイス形状を正確に測定することはできず、図2.6に示される ように、デバイスの表面近くの形状は推定されるものでしかなく、計測精度の信頼性に関し て問題がある。

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図2.5: 形状認識可能な粘土[12] 図2.6: デバイスの内部[12] 物体を直接変形させる入力方法は様々なものが提案されているが、物体の変形情報を正確 に得ることは難しく、実際にモデリングに利用できるような入力デバイスは提案されていな い。本研究では、モデリングのための入力デバイスを目指すので、物体の形状はできる限り 正確に計測できることが望まれる。2.2節では、物体の三次元形状を計測するための手法に ついて述べる。

2.2

物体の三次元形状計測

2.1節で述べたような、物体を直接変形させ、変形の情報を計測してPCへの入力とする ようなデバイスをモデリングのための入力デバイスとして用いるためには、物体の形状をよ り正確に計測する必要がある。本節では、物体の三次元形状を計測するための手法について 述べる。物体の形状計測手法は外部の計測機器を用いて物体形状を測定する方法と、外部の 計測機器を用いずに物体にセンサを組み込み、自己形状認識させる方法の二つに分類するこ とができる。2.2.1節では外部の計測機器を用いる方法について、2.2.2節では自己形状認識 させる方法について述べる。

2.2.1

外部の計測器機を用いる手法

物体の三次元形状計測の手法として代表的なものは、カメラを用いた非接触計測である。 カメラを用いた計測は物体に計測機器を装着する必要がなく、センサ等では計測できないよ うな細密な形状まで測定できる。カメラを用いた計測の例として、図2.7に示されるような ステレオ法が挙げられる。ステレオ法とは、図2.7のように対象物体を二つのカメラで撮影 し、二つのカメラの視差から物体までの距離を推定する手法である。ステレオ法を図2.8の ように多視点において行うことで、物体の三次元形状計測に利用したものが多視点ステレオ 法である[23]。多視点ステレオ法の計測精度は視点の数に依存するため、正確な計測を行う

(13)

ためには多数の視点からの撮影を行う必要がある。 図2.7: ステレオ法 図2.8: 多視点ステレオ法 また、光を利用した簡潔な測定法として、光切断法と呼ばれる手法がある。光切断法と は、物体にスリット光を当てた際に、光の縞模様が物体によって歪むことを利用している。 図2.9のように歪んだ光の縞模様をカメラを用いて観測し、縞の位置変化から物体の三次元 形状を測定する。 図 2.9: 光切断法[24] 光の縞模様はある一つの周波数からなる信号と考えられる。物体を置くことで光の縞模様 が歪む現象を信号が変調されたと考えると、フーリエ変換を用いて周波数解析を行うことが できる。信号は物体の形状の影響を受けて変調されるので、輝度値の分布を測定し解析をす ることで、物体形状の情報を得ることができる。計測精度はスリット幅に依存するが、反射 光などの雑音が入りやすいという問題がある。 2.2.1節では、カメラを用いて外部から物体の三次元形状を計測する手法について述べた。 外部の計測器機を用いて物体の形状を測定する手法は、物体に計測機器を装着する必要が無 い、細密な計測を行うことができる。しかし、本研究においては物体をモデリングのための 入力デバイスとして用いるので、掌や指が物体に触れている状態で形状計測ができる必要が ある。外部のカメラ等を用いる手法は、手に遮られて物体が正確に撮影できなければ形状測 定を行うことができない。従って、外部の計測器機を使用せず、デバイス自身に組み込まれ

(14)

たセンサ等で自身の形状を計測する、自己形状認識を行うことのできる入力システムが望 まれる。2.2.2節では、物体にセンサを組み込んで、自己形状認識をさせる研究について述 べる。

2.2.2

物体に自己形状認識させる手法

本節では、物体にセンサを組み込んで自己形状認識をさせることで形状を測定する手法に ついて述べる。2.2.1節で述べたように、本研究では物体を変形させ、変形量を測定してPC への入力とすることを目的としているので物体自身にセンサを組み込み変形を認識させる、 自己形状認識を利用する手法が適している。自己形状認識を行うデバイスの例として、星ら の三次元キャプチャーシート[14]について述べる。三次元キャプチャーシートは図2.10に示 されるように、加速度センサと磁気センサを組み込んだ基盤を格子状に並べたものである。 センサからの情報で、格子のそれぞれの辺の向きが測定できる。 図2.10: 三次元キャプチャーシート[14] 図2.11: バネ質点モデル[14] 図2.11に示されるようなバネ質点モデルを構築し、図2.11におけるベクトルpij= pi−pj がセンサから得られる情報に適合するように最適化処理を行う。つまり、センサから得られ る空間的な向きの情報をp0ijとすると、最適化のための評価関数Qは式(2.1)のように表さ れる。 Q =X i,j pij |pij|− p 0 ij !2 (2.1) 評価関数Qを最小にするpiを用いてモデルを再構成することで、図2.12に示されるような 結果を得ることができる。三次元キャプチャーシートの短所としては、センサを組み込んだ 基盤を多数配置しているため、複雑な物体に被せて形状測定を行うことが困難である点が挙 げられる。

(15)

図 2.12: 動作実験[14]

複雑な物体の形状測定を行えるデバイスとしてLeeらは図2.13に示されるようなSHAPE TAPE[15]を提案している。内部には短い光ファイバセンサが並べて組み込まれており、一 つのユニットを形成している。ユニットが多数繋がることで、図2.14のようにテープの形 状を構成している。

図2.13: SHAPE TAPE[15] 図2.14: SHAPE TAPEの構成イメージ[15]

光ファイバセンサは曲げた量に応じて光の漏れが起こり、光の伝達効率が変化する。従っ て、入力光と出力光を計測し、光量保持率を計算することで比較的高精度にセンサの曲率が 測定できる。SHAPE TAPEは各ユニットにおいて曲げの2方向と捻りの2方向を検出する ために4本のセンサが並べられており、各センサから得られた曲率情報から各ユニットの形 状を推定し、順番に繋いでいくことでテープ全体の形状を表現している。SHAPE TAPEは 腕や足に巻きつけるだけで簡単に形状測定を行うことができるが、各光ファイバセンサの測 定の際にフォトダイオード等を用いて光量測定をする必要がある、80個のユニットにそれ ぞれ4本のセンサが必要である、といった問題がある。

(16)

2.3

まとめ

本章では、2.1節において物体を変形させることで入力を行う手法について述べ、2.2節に おいて物体の三次元形状計測の手法について述べた。ユーザが容易にPCへの入力を行うこ とができる手法として、2.1節で述べたように、物体を変形させることで入力を行う手法は 様々なものが提案されている。しかし、計測できる情報が変形の加えられた方向や場所のみ であり、十分な形状測定ができないという問題から、モデリングのための入力デバイスとし て利用するまでには至っていない。十分な形状測定を行うための手法として、2.2節で様々 な手法について述べた。本研究においては、物体をモデリングのための入力デバイスとして 用いるので、掌や指が物体に触れている状態で形状計測ができる必要があり、物体にセンサ を組み込んで自己形状認識をさせる手法が適している。次章では、本研究で用いる自己形状 認識を行うデバイスについて述べる。

(17)

3

章 自己形状認識デバイス

本章では、本研究で用いる形状計測手法について述べる。3.1節においてデバイスと形状 計測手法の概要について述べ、3.2節と3.3節において曲げセンサによって得られた歪曲量 からデバイス形状を求める手法の詳細について述べる。

3.1

曲げセンサを用いた形状計測

本研究では曲げセンサを用いて形状計測を行う。図3.1にデバイスの概要を示す。 図3.1: デバイス概要 デバイスは球状であり、モデリングを行う際に任意の方向から入力できる。デバイス表面 には図3.1のように曲げセンサを繋いだループが3方向に貼付されている。ループが貼付さ れている部分は、図3.1のようにデバイスの球の中心を原点とする座標系を考えると、x− y 平面上、y− z平面上、x− z平面上である。本研究で用いる曲げセンサは抵抗値変化を利 用する曲げセンサを用いる。抵抗値変化型の曲げセンサは変形させることによって抵抗値が 変化する。光ファイバセンサのように細く短くすることはできないが、光ファイバセンサよ りも計測が容易であり、かつ、物体表面上に貼付しても柔軟に変形することができるので、 本研究で用いるセンサとして適している。デバイスに変形が加えられると、デバイス表面の センサが曲げられ抵抗値が変化する。各センサの抵抗値を測定することで、センサの歪曲量 を測定することができる。本論文では、歪曲量とは、曲げセンサが図3.2のように変形した ときの角度θであると定義する。

(18)

図 3.2: 曲げセンサの変形 曲げセンサの歪曲量と抵抗値の関係をあらかじめ較正しておくことで、抵抗値から歪曲量 を求めることができる。本研究ではセンサが球体表面に貼付されているという条件を利用 し、最適化を行うことで形状測定を行う。最適化とは、形状を決定する拘束条件を用いて評 価関数を設定することで条件を満足させる状態にどれほど近いのかを数学的に表現し、条件 を満たす形状を導く手法である。単純にセンサから得た歪曲量からセンサの形状を推定して 繋いでいくと、センサの測定誤差や較正の誤差により適切な閉曲線にならない可能性が高い が、最適化を行うことで閉曲線になるという条件を満たしながらセンサから得た歪曲量の情 報に適合するような形状に近づけることができる。 本研究で構築するデバイスには曲げセンサを繋いだループが図3.1のように3方向に貼付 されている。まず、それぞれのループについて二次元的に形状認識を行い、得られたループ の形状から空間的な補間を行うことで三次元の形状を得る。3.2節では各センサから得られ たセンサの歪曲量の情報から、それぞれのループの二次元的な形状計測を行う手法につい て、3.3節では得られた各ループの形状からデバイスを表す閉曲面が通る点を求め、空間的 な補間を行うことで三次元形状を得る手法について述べる。それぞれの処理で、拘束条件か ら評価関数を求め最小化する最適化を行う。 3.2節と3.3節で述べる形状推定手法の流れを図3.3に示す。

(19)

図 3.3: 形状推定の流れ

3.2

最適化とパラメトリック曲線

本節では、3.2.1節では、曲げセンサが並べて貼付されることによって構成されるループ の形状を、各センサから得られる歪曲量から最適化処理により推定する手法について、3.2.2 節では、3方向に貼付された各センサのループが空間的に正しい向きに配置されたときに、 各ループが互いに交わるように最適化するための手法について述べる。

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3.2.1

センサのループの形状計測

3.2.1節では、各センサから得られたセンサの歪曲量からセンサのループの形状を得る手 法について述べる。本研究では、デバイスに変形が加えられループの形が変わるとき、ルー プは三次元的にねじれることはなく、ある一平面上に存在する状態を保ちながら変形すると 仮定する。デバイスを大きく変形させるとループがねじれる可能性はあるが、曲げセンサは ねじれる変形を検出することができないので、ねじれる変形の量は小さいとして無視する。 従って、センサのループが作る閉曲線を描くためには、各センサの端点の二次元的な位置を 求めれば良い。求まった端点の間を滑らかに繋ぐ補間曲線を算出し、自然な閉曲線を描く。 各センサの歪曲量の情報から各センサの端点の位置を求めるために、最適化を行う。3.2.1節 では、各センサの端点の位置座標を(xi, yi)、各センサから得られた歪曲量をθiとして、最 適化により端点の位置から算出される各センサの歪曲量が、計測値θiに最も近くなるよう な解(xi, yi)を求める。 デバイスに変形が加えられ、デバイス表面の曲げセンサのループが図3.4のように変形し たとする。 図3.4: ループの変形 点(xi, yi)は各センサの端点であり、点(x0, y0)は固定点であるとする。点(x0, y0)を固定 点としているのは、一点を固定しなければ同じ閉曲線の形状で平行移動させたものが全て解 となりためであり、この条件を加えても問題は一般性を失わない。このモデルが最適な状態 を表現するとき、次の条件を満たす。 1. 点(xi, yi)と点(xi+1, yi+1)を結ぶ曲線の長さが一定値L 2. 点(xi, yi)と点(xi+1, yi+1)での曲線の接線ベクトル間の角度がθi 条件1は各センサの長さが変わらないという条件、条件2は曲げセンサの計測値を3.1節で 述べた歪曲量の定義に対応させた条件である。最適な解(xi, yi)を考えるために、条件を数 学的に表現する必要がある。そのためには、各点間のセンサ形状を数学的に表現する必要が ある。本研究では、パラメトリック曲線を用いて各点(xi, yi)の間を補間するものとする。 パラメトリック曲線とは、パラメータを用いて曲線を表現する手法である。本研究では、パ

(21)

ラメータの三次関数を用いて補間曲線を描く。高次の関数を用いるほど複雑な形状を描くこ とができるが、自由度が高くなり、拘束条件の設定や計算が複雑になる。次章で述べるが、 本研究では曲げセンサが可能な限り3.1節での図3.2のように変形するように、短めの曲げ センサを用いている。従って、一つの曲げセンサが二回以上曲がるような複雑な変形は起こ らないとして、滑らかな補間曲線を描くためには三次関数を用いることで十分であると考え られる。各点(xi, yi)とそれらの点を滑らかに繋ぐ曲線の式との対応関係を求める。三次関 数を用いて2点間を補間する場合、2点を通るという条件と、接続点において傾きと曲率が 等しいという条件を設定することで関数の係数を決定できる。以下では、その関係の導出に ついて示す。パラメータtを用いて点(xi, yi)と点(xi+1, yi+1)を結ぶ曲線Ciを表すと、式 (3.1)(3.2)のようになる。

Ci,x(t) = ai,xt3+ bi,xt2+ ci,xt + di,x (3.1)

Ci,y(t) = ai,yt3+ bi,yt2+ ci,yt + di,y (3.2)

(0≤ t < 1) 各曲線Ciが各点(xi, yi)を通り、かつ滑らかに繋がるように各係数を選ぶことで閉曲線を表 現できる。Ciに対して前述の条件を適用し、各係数をxi, yiを用いて表す。以下、Ci,x(t)の 係数について述べるが、Ci,y(t)についても同様の手順で求めることができる。Ciが点(xi, yi) と点(xi+1, yi+1)を通る条件を式(3.1)に適用すると、関係式(3.3)(3.4)が得られる。 Ci,x(0) = xi (3.3) Ci,x(1) = xi+1 (3.4) また、各曲線を滑らかに繋ぐために、各点において曲線の傾きと曲率が等しくなるという条 件を設けると式(3.5)(3.6)が成り立つ。 dCi,x(t) dt t=1 = dCi+1,x(t) dt t=0 (3.5) d2Ci,x(t) dt2 t=1 = d 2C i+1,x(t) dt2 t=0 (3.6) ここで、 dCi,x(t) dt t=0 = x0i (3.7) とすると、式(3.3)(3.4)(3.5)(3.6)より、次の関係式(3.8)から(3.12)を得る。

ai,x = (x0i+1+ x0i)− 2(xi+1− xi) (3.8)

(22)

ci,x = x0i (3.10)

di,x = xi (3.11)

x0i+ 4x0i+1+ x0i+2 = 3(xi+2− xi) (3.12)

N個の点を繋ぐとき、x00を固定値として式(3.12)の関係式を行列表示すると式(3.13)のよ うになる。           4 1 0 · · · 0 1 4 1 0 · · · 0 1 4 1 · · · ... .. . . .. 0 · · · 1 4                    x01 x02 .. . x0N−2 x0N−1          =          3(x2− x0)− x00 3(x3− x1) .. . 3(xN−1− xN−3) 3(x0− xN−2)− x00          (3.13) x00を固定値としているのは、点(x0, y0)を固定点としたことと同様に、どれか一点での曲線 の傾きを固定しなければ同じ閉曲線の形状で回転移動させたものが全て解となり得るためで ある。式(3.13)を解くことで各点での傾きx0iを各点の座標xiを用いて表す。式(3.8)から 式(3.11)を用いることにより、補間曲線の係数を全てxi, yiを用いて表すことができる。 パラメトリック曲線を用いると、モデルの最適化の条件を式(3.14)(3.15)のように表すこ とができる。 Z 1 0 s dCi,x(t) dt 2 +  dCi,y(t) dt 2 dt = L (3.14) x0ix0i+1+ y0iy0i+1 q x0i2+ y0 i2 q x0i+12+ y0 i+12 = cos θi (3.15) 従って、 fi(x1, ..., xN−1, y1, ..., yN−1) = Z 1 0 sdC i,x(t) dt 2 +  Ci,y(t) dt 2 dt− L gi(x1, ..., xN−1, y1, ..., yN−1) = (x0ix0i+1+ yi0y0i+1)− cos θi

q x0i2+ y0 i2 q x0i+12+ y0 i+12 とすると、評価関数h1は式(3.16)のようになる。 h1 = NX−1 i=0 (fi2+ gi2) (3.16) h1を最小化する最適化処理を行う。

3.2.2

各ループの空間的な位置を考慮した最適化

3.2.1節において、ループの形状を得た後、回転移動を表す行列を用いて座標変換するこ とでループを空間的に適切な位置に配置する。しかし、各ループの形状を独立に計測した後

(23)

に座標変換したとすると、曲げセンサの計測や較正は完全ではないので、各ループが交わら ずにねじれの位置に配置されてしまう可能性が高い。一つのループについて形状が求まった 後、二つ目のループの最適化の際に、一つ目のループと交わるように最適化する必要があ る。図3.5に示されるように、一つ目のループの形状を求めた後二つ目のループが通るべき 点に関してはあらかじめ固定点とみなして最適化を行う。つまり、一つ目のループについて 最適化を行い形状を求めたとして、二つ目のループが一つ目のループの通る点のうち点Aを 通るはずであるとすると、二つ目のループに関しては点Aは固定点であるとして、残りの 点の座標を変数として最適化を行う。 図3.5: 二つ目のループの最適化 三つ目のループに関しても同様に、それぞれのループについて通るべき点を固定点とし て、残りの点について最適化を行うことで、それぞれのループが交わるようにしている。図 3.6において、点BCDEは三つめのループが通るべき点であり、それらの点を通れ ば、座標変換した際にループ同士は正しく交わる。 図3.6: 三つ目のループの最適化

(24)

3.3

パラメトリック曲面を用いた三次元補間

デバイス表面には3.1節の図3.1に示されるように、曲げセンサを繋いだループが3方向に 貼付されている。各ループにおいて3.2節で述べた手法を用いて、二次元的に解を求めた後、 回転移動を表す行列を用いて変換することで、適切な空間座標を得ることができる。得られ た空間座標から、パラメトリック曲面を用いてデバイスを表す補間曲面の生成を行う。本研 究でのパラメトリック曲面とは、空間的な点を繋ぐパラメトリック曲線を多数描き、曲線間 にメッシュを張ることで形状を表現したものを示す。空間的な点を繋ぐパラメトリック曲線 は、3.3.1節において各ループを8等分する点を繋ぐ曲線を描き、3.3.2節において各ループ を32等分する点を繋ぐ曲線を描く。その後3.3.3節において、曲線間にメッシュを張ること でデバイスの形状を表現する。

3.3.1

8

等分点を用いた空間的補間

図3.7に示されるように各点の空間座標が得られたとする。センサループ1からセンサ ループ3はセンサのループを表す閉曲面である。 図 3.7: 得られた点の座標 ただし、図3.7の点は各ループを8等分する点である。これらの点に対して、パラメトリッ ク曲線を用いた三次元補間を行う。8等分点のうち、センサのループの交点でないものを三 つのループの点を順番に通るように繋ぐ補間曲線を描いていけば、4本の曲線を描くことが できる。例として、図3.8のように6点を繋ぐ補間曲線を考える。

(25)

図3.8: 8等分点の補間曲線

3.2節で述べた手法と同様に、パラメータtを用いて各点を繋ぐ曲線Ci(i = 0, 1, ..., 5)

表すと、式(3.17)(3.18)(3.19)のようになる。

Ci,x = ai,xt3+ bi,xt2+ ci,xt + di,x (3.17)

Ci,y= ai,yt3+ bi,yt2+ ci,yt + di,y (3.18)

Ci,z = ai,zt3+ bi,zt2+ ci,zt + di,z (3.19)

(0≤ t < 1) 3.2節と同様に、1点での曲線の傾きを固定値とすれば、式(3.17)(3.18)(3.19)について、曲 線の終点の傾きと曲率が、次の曲線の始点の傾きと曲率に等しいという条件を適用するこ とで補間曲線を描くことができる。ただし、3.2節では1点での曲線の傾きを固定値として 最適な閉曲線を描く各点の座標を求めたが、この手順では、逆に既知の各点の座標から最適 な閉曲線を描くような1点での曲線の傾きを求める最適化問題を解く必要がある。つまり、 3.2節とは逆に未知数はx00y00z00 であり、これらを変化させて評価関数を最小にするよう な最適化を行う。最適化の条件は、デバイスを変形させてもデバイスの任意の切断面が作る 閉曲線の長さは変化しない、という条件である。つまり、8等分点を繋ぐように描いた補間 曲線の一周の長さはデバイスである球の元々の最も長い一周の長さLNに等しいとすると、 評価関数をh2として最適化処理は式(3.20)のように表すことができる。 h2 =    5 X i=0 Z 1 0 sdC i,x(t) dt 2 +  dCi,y(t) dt 2 +  dCi,z(t) dt 2 dt− LN    2 (3.20) 式(3.20)を満たすような解を3.2節と同様に求めることで、最適なループを描くことがで きる。同様の手順を用いて4本の曲線を描くと、図3.9のような三次元補間を行うことがで

(26)

きる。図3.9のパラメトリック曲線1からパラメトリック曲線4は、4本の補間曲線を示し ている。 図3.9: 空間的なパラメトリック曲線による補間

3.3.2

32

等分点を用いた空間的補間

ループの32等分点を繋ぐ曲線を考える。8等分線を結んだ点の隣の32等分点を順に結ん でループを作る。8等分線とセンサのループのそれぞれについて両隣を通る32等分線が書 けるので、32等分線は14本書ける。例えば、図3.10における点がそれぞれの閉曲線の32 等分点を表しており、図3.10に示される通り、先程の8等分線のうちパラメトリック曲線4 の隣の32等分点を通るように12点を滑らかに繋ぐ閉曲線をパラメトリック曲線4-1とパラ メトリック曲線4-2とする。パラメトリック曲線4の隣を通る2本の32等分線のうち、ど ちらをパラメトリック曲線4-1としても後の処理に関係は無いので、補間曲線に対してy軸 の正方向の側を通る補間曲線をパラメトリック曲線4-1、y軸の負方向の側を通る補間曲線 をパラメトリック曲線4-2と定義する。他の32等分線についても同様に定義し、センサの ループの隣を通る点については、それぞれセンサループ1-1、センサループ1-2と呼ぶ。

(27)

図3.10: 32等分点による補間1 最適化の条件は8等分線の場合と同様に、デバイスが変形してもデバイスの閉曲面が作る 閉曲線の長さは変化しないという条件を用いるが、8等分線の条件と比べて閉曲線の一周の 長さが変化する。図3.11に示されるように対応する閉曲線が8等分線の場合と異なり、補 間曲線の一周の長さはL× N × cos16π となる。 図3.11: デバイスの変形と切断面が作る閉曲線の長さの関係 従って、32等分線の場合の最適化処理は、式(3.20)と異なり式(3.21)のように表せる。 h2=    11 X i=0 Z 1 0 sdC i,x(t) dt 2 +  dCi,y(t) dt 2 +  dCi,z(t) dt 2 dt− LN cos π 16    2 14本の32等分線を描くと、図3.12のような三次元補間を行うことができる。

(28)

図3.12: 32等分点による補間2

3.3.3

三角形メッシュを用いた曲面表現

三つのセンサのループによって八つの部分に分けられる閉曲面のうち一つの部分を図3.13 に示す。図3.13に示される部分を例として、三角形のメッシュを張る手法について述べる。 図3.13: 閉曲面の一部 図3.13において、補間曲線から得られる点を図3.14に示す。

(29)

図3.14: 図3.13の曲線から得られる点 図3.14で得られた点を図3.15のように繋ぎ、64個の三角形のメッシュを張ることで形状 を表現する。 図3.15: 図3.13にメッシュを張った様子 このような曲面表現を閉曲面全体に対して行う。図3.12のように32等分点による三次元 補間を行うことで、補間曲線から図3.16のように点の空間座標を得ることができる。 図3.16: 図3.12の曲線から得られる点

(30)

図3.16で得られた点を図3.15のように直線で三角形を作るように結び、図3.17のように メッシュを張ることで、デバイスの形状を表現する。

(31)

4

章 システムの実装と評価

本章では、第3章で述べた提案手法に基づき、4.1節において実際にモデリングのための 入力デバイスとなる自己形状認識デバイスを作成した結果について、4.3節において提案し た形状計測手法により得られた情報の精度について確かめるために行った評価実験について 述べる。最後に、4.4節において本研究に対する考察を述べる。

4.1

システムの実装

第3章で述べた提案手法に基づき、自己形状認識デバイスを作成した。システムの外観を 図4.1に示す。 図 4.1: システムの外観 デバイスの表面には3方向に曲げセンサが並べて貼付されておりループを形成している。 一周のループを構成するセンサは6個である。センサに繋がる導線は全てデバイスの球体内 を通しており、ベースの中にはA/D変換器と電気回路基盤が収納されている。使用したPC とA/D変換器について、表4.1と図4.2に示す。

(32)

表4.1: 使用した機器

OS Microsoft Windows 7 PC CPU Intel Core i5-2.40GHz

memory 4.0GB

A/D converter Arduino Mega 2560

図4.2: A/D変換器 システムで用いられる電気回路の概要を図4.3に示す。 図 4.3: 電気回路の概要 図4.3のように、計測できる電圧をVi(i = 0, 1, ..., N− 1)とすると曲げセンサの抵抗値Ri は式(4.1)のように求められる。 Ri = R Vi V − Vi (4.1) 本研究で用いる曲げセンサを図4.4に示す。

(33)

図4.4: 本研究で用いる曲げセンサ 本研究では、一般に広く流通している曲げセンサの中で最も短い、56mmの長さのものを 用いた。第3章でも述べたように、一つの曲げセンサは可能な限り短いものであるほうが、 二回以上曲がるような複雑な変形をする可能性が小さくなる。曲げセンサが複雑な変形をす ると、あらかじめ測定しておくセンサの歪曲量と抵抗値の関係に正しく対応しない、形状を 三次関数を用いたパラメトリック曲線で表現できない、といった問題が生じる。56mmの曲 げセンサであるならば、掌や指によって加えられる変形により複雑な形状になる可能性は十 分低いと考えられる。

4.1.1

曲げセンサの較正

式(4.1)で得られる抵抗値に対して、適切な歪曲量を対応させるための測定を行った。測 定の様子を図4.5に示し、縦軸を歪曲量、横軸を曲げセンサの抵抗値として両者の関係を図 4.6に示す。歪曲量θは図4.5のように撮影した画像から測定した。曲げセンサから抵抗値 を測定した後、図4.6に示されるような抵抗値と歪曲量の関係を用いて、曲げセンサの歪曲 量を求めた。図4.6の点の間は一次補間によって対応関係を定めている。求めた歪曲量は、 最適化のための条件の一つとして式(3.15)において用いられる。 図4.5: 測定の様子

(34)

図 4.6: 曲げセンサの歪曲量と抵抗値の関係

4.1.2

評価関数の最小化

本研究では式(3.16)(3.20)(3.21)のような、評価関数である非線形関数を最小化する解を 求めるために共役勾配法を用いた。共役勾配法とは、非線形方程式の解を求める反復法の一 つであり、次の解候補を探索する際に共役性の概念を用いていることから共役勾配法と呼ば れる。共役であるということは、次の式(4.2)のように定義される。 uTQv = O (4.2) つまり、ベクトルu,vと行列Qが式(4.2)を満たすとき、ベクトルuとベクトルvは行列 Qに関して共役であると定義される。非線形関数の最小値を求める方法として、共役勾配法 の他にニュートン法や可変計量法等が広く用いられているが、それらの手法にはあまり優劣 の差はないとされている。本研究においては、式(3.16)(3.20)(3.21)のような評価関数を最 小化するにあたって、三つの手法を試したところ、収束性が最も良かった共役勾配法を採用 した。

(35)

4.2

デバイスの形状測定

第3章の3.2節で述べた手法を用いて、実際に曲げセンサのループの形状測定を行った。 デバイスの変形の様子と、測定した形状を図4.7、4.8に示す。 図4.7: デバイスの変形の様子 図4.8: 認識されたループの形状 次に、その他のセンサのループの形状を測定する。二つのループの形状を測定した様子を 図4.9に、三つのループの形状を測定した様子を図4.10に示す。 図4.9: 二つのループの形状 図4.10: 三つのループの形状 最後に、第3章の3.3節の手法を用いて空間的な三次元形状を再現した。図4.11に8等分 線による空間的補間の様子を、図4.12に32等分線による空間的補間の様子を示している。 図 4.11: 8等分点による空間補間 図4.12: 32等分点による空間補間 図4.14は得られた点を直線で結んで三角形のメッシュを張り、曲面を表現した様子を示

(36)

してる。比較対象として、認識されたデバイスの変形の様子を図4.13に示す。 図4.13: デバイスの変形の様子 図4.14: デバイスの形状を表現した様子

4.3

形状認識手法の評価

本節では、3.2節で述べたセンサのループの形状計測手法について、手法の精度を確かめ るために行った評価実験とその結果について述べる。

4.3.1

評価実験の手法

4.3.1節では、センサのループの形状計測手法の精度を確かめるために行った評価実験の 手法について述べる。評価実験を行った環境を図4.15に示す。 図4.15: 実験環境 図4.15に示されるように、デバイスを横から撮影することで一つのセンサのループの形 状を測定した。カメラはNikon D5000(画素数1290万ピクセル)を用い、撮影後にデバイス を中心とした縦横500ピクセルの範囲を取り出した。図4.16測定対象となるセンサのルー プがカメラの光軸と垂直となるように注意しながらデバイスを変形させた。

(37)

図4.16: センサのループの形状測定 測定によって得られたループの形状と、システムが認識したループの形状を比較し、適合 率を求める。二つのループの成す閉曲線によって囲まれる部分の面積が等しくなるように一 方を拡大あるいは縮小させた後、二つの閉曲線を重ね合わせたときの共通部分の面積を求め る。閉曲線によって囲まれる部分の面積に対する共通部分の面積の割合を適合率と定義する。 撮影結果と抽出した形状の例を図4.17に示す。 (a) (b) 図4.17: 測定によって得られた形状(a) 撮影結果(b) 抽出した形状 図4.17 (b)の点は閉曲線上の等間隔な30点であり、これらの点の位置をピクセル単位で 調べて形状比較に利用する。撮影時にシステムが認識した形状を図4.18に示す。

(38)

図4.18: システムが認識した形状 図4.17 (b)の抽出したループの形状を図4.18の閉曲線の形状と比較する。図4.17から得 られた点の位置を図4.19のように図4.18の描かれる座標のスケールに対応させた。 図4.19: 撮影画像の座標とシステムが描く画像の座標の対応 各点の座標を求めた後、3.2節において述べたパラメトリック曲線を用いて図4.20のよう に各点を滑らかに繋ぐ閉曲線を描いた。 図 4.20: 再現された閉曲線

(39)

図4.21のように得られた閉曲線で囲まれる領域に格子点を描画した。同様に、図4.18に ついても格子点を描画した様子を図4.22に示す。 図 4.21: 格子点1 図4.22: 格子点2 図4.21の格子点の個数が図4.22の格子点の個数に等しくなるように図4.21の閉曲線を拡 大した後、図4.23のように重ね合わせて共通の格子点の個数を求める。一つの閉曲線によっ て囲まれる領域にある格子点の個数に対する、共通の格子点の個数の割合を適合率として算 出する。 図4.23: 形状の適合率 共通の格子点の個数をNc、一つの閉曲線によって囲まれる領域にある格子点の個数をNS としたとき、適合率は式(4.3)のように算出する。 precision = Nc Ns × 100 (4.3) ループの10種類の形状に対して適合率を求めた結果を表4.2に示す。 表 4.2: 評価実験の結果 sample number 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 precision(%) 81.6 90.6 85.2 60.9 53.2 71.8 87.0 92.6 63.1 80.4

(40)

4.4

考察

形状を比較した結果、凹んだ部分の認識に関しては正しく認識しているが、凹んだ量に 関してはズレが大きくなった。これは曲げセンサ自体の測定誤差によるものと考えられる。 曲げセンサは一般的に15%程度の誤差を許容量として製造されており、センサの中では精 度は低いものであると言える。また、曲げセンサの較正に関して、本研究では一つのセンサ に対して較正を行って得た抵抗値と歪曲量の関係を全ての曲げセンサに対して適用したた め、測定誤差の他にセンサの個体差による誤差が発生したものと考えられる。結果として、 表4.2の試料番号4,5,9のように、大きく変形させたときの適合率が低くなった。変形が大 きくなる程、曲げセンサの測定誤差が大きくなる。本研究では測定誤差の大きい曲げセンサ を用いても形状を得られるように最適化による処理を行っているが、一周のループを構成す る曲げセンサの個数が6個と少数であったため、一つの曲げセンサの誤差が大きく反映して しまったものと考えられる。一周のループを構成するセンサの個数を多くすれば一つ一つの センサの誤差の影響が小さくなり、より高精度な形状測定が可能である。また、デバイス全 体の形状測定に関しては、センサのループ上以外の場所を押し込んだときに曲げセンサの抵 抗値が十分に変化しないという結果となった。理論上ではセンサを完璧に球体表面に貼付す ることで、センサのループ上以外の場所を押し込んだときでも球体表面の変形に引っ張られ てセンサが変形し形状変化を測定できる。しかし、本研究においてセンサの貼付が完全では なく、また、スポンジのボールを用いたことで押し込んだときにボールが収縮してしまい、 ループを引っ張りにくくなってしまったことが原因であると考えられる。センサのループの 数を増やすことで、ループ以外の部分の変形が測定しやすくなりデバイス全体の形状測定の 精度を上げることができる。また、デバイスの素材としてゴムなどの伸縮性の高い物質を用 いることでループ以外の場所の変形をループの変形に反映しやすくすることができる。

(41)

5

章 おわりに

三次元コンピュータグラフィックスを作成するモデリングにおいて、ユーザが自分の思い 通りにグラフィックスを形作ることを可能とする入力手法については、様々なものが提案さ れてきた。しかし、最も適した入力方法であると考えられる、物体を直接変形させて、変形 量をPCへの入力とするような手法は、物体形状を正確に測定することの困難から、未だに モデリングへの利用へと至っていない。 本研究では、球状の物体に曲げセンサを貼付することでデバイスの形状測定を行った。セ ンサを球にループを成すように貼付することで、ループが成す形状について拘束条件を設け ることができる。それらの条件とセンサから得た各センサの歪曲量の条件から、ループの形 状が条件を満たす最適な状態にどれ程近いのかを判断する指標である、評価関数を設定する ことができる。評価関数を最小化することで、最適なループの形状を数学的に求めることが できる。デバイスにはセンサのループが3方向に貼付されており、各センサの形状を得た後 にセンサがデバイス上に貼付されているという条件から同様な最適化を行うことで、各セン サの形状からデバイス全体の形状を推定することができる。 デバイスを作製し、曲げセンサの抵抗値からデバイスの形状が推定できることを確認し た。また、カメラを用いてループの形状を撮影し、画像から形状を得た結果と曲げセンサの 抵抗値から最適化により得られた形状を比較したところ、変形を認識できていることが分 かった。

(42)

謝 辞

本研究は大阪大学基礎工学部で行ったものです。 本研究を多くの方々のご協力のもとで進めることができました。特に、大阪大学院基礎工 学研究科 大城 理 教授は、研究環境や研究に必要な機材等を提供して頂きました。また、研 究テーマを模索、洗練するにあたり、的確なご指摘を下さり、研究の助けとなっただけでな く、研究者としての考え方、姿勢についても学ぶことができました。今後研究者として生き ていくための、かけがえのない経験をさせて頂き、篤く御礼申し上げるとともに、深く感謝 致します。また、担当教官となって頂いた、大阪大学院基礎工学研究科 井村 誠孝 准教授に は、研究が行き詰まる度に何度も相談に乗って頂きました。定期的なミーティングを開催し て頂き、すべきことや分からないことを明確にして頂きました。心から御礼申し上げます。 大阪大学院基礎工学研究科 黒田 嘉宏 助教授は、担当でない学生である自分に対してもよく コミュニケーションをとって頂き、研究内容や進捗具合に関心を寄せて下さるとともに、研 究への多大なアドバイスを頂きました。深く感謝致します。 本研究を進めるにあたり、日頃から研究について相談に乗って下さった、大城研究室の先 輩である、 吉元 俊輔 氏、 高畑 裕美 氏、 山崎 直継 氏、 加藤 雄樹 氏、 繁田 悠 氏、 森口 裕樹 氏、増田 拓 氏、 八木 明日華 氏、 若松 孝圭 氏に深く感謝致します。先輩方に は、研究生活一年目で右も左も分からない自分に対し、研究の進め方から研究室生活の過ご し方に至るまで、何もかも教えて頂きました。心から感謝致します。また、同期として日頃 から研究生活の苦労と喜びを共に分かち合い、切磋琢磨してきた同研究室の、 田中 岳 氏、 松崎 成敏 氏、 安井 亮平 氏、 横畑 亮輔 氏に深く感謝申し上げます。

(43)

参考文献

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(44)

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[18] 山下樹里,福井幸男,森川治,佐藤滋,”接平面近似包面の力覚補間提示における「なめら かさ」”,VR学会論文誌,Vol.6,No.1, pp.3-10,2011. [19] 吉川恒夫,上田仁,”摩擦表面を有する仮想対象物の3次元動的操作感提示”,ヒューマン・ インターフェース研究論文集,4巻1号, pp.49-54,1995. [20] 平山雅樹,広田光一,金子豊久,”力学的接触計算に基づく仮想物体操作”,VR学会論文 誌,Vol.6,No.2, pp.121-128,2001. [21] 壺内大輔,小木哲朗,野口裕久,”有限要素法に基づくリアルタイム形状変化”,ヒューマ ン・インターフェース学会研究報告書,Vol.2,No.2, pp.3-7,2000. [22] 本間達,若松秀俊,”バネモデルで表現した仮想物体の構築と加工”,電気関係学会論文 誌,Vol.199-C,No.12, pp.1437-1443,1999. [23] 横光澄男, 竹村治雄, 横矢直和,” 多視点ステレオ画像を用いた屋外環境構造の再構 築”,PRMU98-250, pp.523-533,1999.

[24] Libo Y.,Yanlei L.,Zhihai L. and Xiaoyan L.,”Fiber-Optic Grid Interferogram Shape Sensing System”,IEEE SENSORS JOURNAL,Vol.8,No.7,2008.

図 2.5: 形状認識可能な粘土 [12] 図 2.6: デバイスの内部 [12] 物体を直接変形させる入力方法は様々なものが提案されているが、物体の変形情報を正確 に得ることは難しく、実際にモデリングに利用できるような入力デバイスは提案されていな い。本研究では、モデリングのための入力デバイスを目指すので、物体の形状はできる限り 正確に計測できることが望まれる。 2.2 節では、物体の三次元形状を計測するための手法に ついて述べる。 2.2 物体の三次元形状計測 2.1 節で述べたような、物体を直接変形さ
図 2.12: 動作実験 [14]
図 3.2: 曲げセンサの変形 曲げセンサの歪曲量と抵抗値の関係をあらかじめ較正しておくことで、抵抗値から歪曲量 を求めることができる。本研究ではセンサが球体表面に貼付されているという条件を利用 し、最適化を行うことで形状測定を行う。最適化とは、形状を決定する拘束条件を用いて評 価関数を設定することで条件を満足させる状態にどれほど近いのかを数学的に表現し、条件 を満たす形状を導く手法である。単純にセンサから得た歪曲量からセンサの形状を推定して 繋いでいくと、センサの測定誤差や較正の誤差により適切な閉曲線にな
図 3.3: 形状推定の流れ 3.2 最適化とパラメトリック曲線 本節では、 3.2.1 節では、曲げセンサが並べて貼付されることによって構成されるループ の形状を、各センサから得られる歪曲量から最適化処理により推定する手法について、 3.2.2 節では、 3 方向に貼付された各センサのループが空間的に正しい向きに配置されたときに、 各ループが互いに交わるように最適化するための手法について述べる。
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参照

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