• 検索結果がありません。

地形と呼応したまちづくりをかなえるために

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "地形と呼応したまちづくりをかなえるために"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)■地元からの声 その1. 地形と呼応したまちづくりをかなえるために. To Get the Town Management Plan Which Agreed with the Topography 工藤真弓. KUDOU Mayumi. 上山八幡宮禰宜・. Chief Priest of Ueyama Hachiman. 一般社団法人 復興みなさん会. Institute Hutukou-minasan-kai. 本編は2013年3月発行の環境デザイン部会会報誌「ED プレ. 旧市街地の片側(東側)は防潮堤を築き、盛り土をすること. イス66号」に掲載されたものを元に、一部、修正しています。. によって工業団地や商店街を守る。そうなら、もう片側(西 側)は、低い緑地―鎮魂の森1000年―にして、いざ来る波を. 震災前とおなじように、かもめが悠々と空を飛び交っていま. 「いなす」という姿勢は、日本古来から発想です。柳に風。海. す。南三陸町志津川。そのちいさな港町は、2011年の東日本. の地形に呼応した町のあり方もあるような気がしました。あえ. 大震災で多くの人、もの、風景を失いました。しかし、やはり. て波を受け入れる。海の恩恵を頂きながら海のそばで生きてゆ. 多くのご支援をいただき、復興の途を歩んでいます。都市計画. こうとする人間として、それはやわらかく自然に添った生き方. により、町は、まるでドラえもんの未来図のように異空間とも. だと私は思いました。未来を見つめて描くほど、見えてくるも. 思えるレベルの空中世界のラインが描かれています。8.7m の. のがありました。. 防潮堤、10・7メートルの盛り土、最大11m 高の国道45号線、 最大14m 高の国道398号線…… 押し車を押して八百屋さんへ. 大津波であらわになった地形は、私たちに、これからどう. 通っていたおばあさんたちの光景をぼんやりと思い出します。. やってこの大自然の中で、人としての立場をわきまえながら、 地形と呼応しながら生きてゆくのかを、問うているようです。. しょうがないのかな……ため息をついている私の前に、リア. 私たちこそ、海はどうしたいのか、山はどうなりたいのか、川. ス式の地形を活かし、町の記憶を基に未来図を描いてみせてく. はどう流れたいのかを聞かなくてはなりません。そしてその中. ださったのは、日本造園学会の学生さんたちでした。. で人はどうあるべきかを考えたいと思います。. なんて豊かな未来図でしょう。もちろん、それは夢ものがた りのようなものではあったけれど、その伸びやかな発想に突き. こどもたちは今回の私たちの選択からたくさんのことを吸収. 動かされた私は、さっそく翌日、息子といっしょにスケッチ. して大人になろうとしています。自然と呼応した生き方を、私. ブックにまちなみを描きました。段ボールと発泡スチロールで. たちはこどもたちに語り継いでいきたい。小さなこどもでさ. 模型を作り、それから今現在の計画図に、ふるさとの記憶を投. え、「ときどきは、うみをみなくちゃいけないよ、おおきすぎ. 影し、未来図を描いてゆきました。描きながら、11m も高い. るていぼうつくったら、へいわだとおもって、ずっとへいわだ. 国道を作って、その手前に8.7m の防潮堤を作って、財産を守. とおもって、(未来には)こどもがすんでしまうから」とつぶ. るのか、生態系は大丈夫かな?. やいています。. 都市計画は、手押し車のおばあさんのいない、車社会の発想 のようです。. 私たちは、もっとも土に近いこどもたちのこの感覚を信じま す。そしてなにより、私たちが得てきた町の真ん中を流れてい る八幡川からの学びを、こどもたちに残したい。春はスバシ. 高潮で冠水している国道から南は、海に還りたがっているよ. リ、夏は灯篭流しに、かがり火まつり、冬はサケの遡上を橋の. うでした。その場所は、50年前は小松原という砂浜で、潮干. 上からみつめながらこの町の人は育ちました。この町の生命線. 狩りを楽しめた場所でした。昭和35年のチリ地震津波の後の. を大切にしたほんとうの再生こそ、私たちには必要です。. 復興で、5メートルの防潮堤が建てられ、埋め立てた場所は運. 今、私たちは、かもめの虹色会議という町民有志の会議を. 動場になりました。さながら、大津波という揺り戻しで、50. 月に2回、ひらいては、このような提案をみんなで描くこと. 年前に還ったような風景。親水公園として最大限に活かせば、. で、整理し、まちづくり協議会の委員となって、町にお伝えし. 干潟で牡蠣もおいしく育つよと、漁師さんが教えてくれまし. ています。提案の中から復興計画に採用されてものを多くあり. た。日本造園学会のみなさんの研究には、前浜干潟の提案とし. ます。松原海岸そばの防潮堤のセットバック、ネイチャーセン. て詳細が調べられてありました。それは私たちにとって、本当. ターの建設位置、堤防に集いのための大階段など。. に必要な情報であり、支援でした。. 62. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-1 No.89 2015. そして一方では、大津波を被っても負けなかった、やぶ椿の.

(2) 植生から生き方を学び、種を蒔きはじめています。高台につな がる椿の避難路を描くためです。平常時は景観に、非常時はい のちを守る避難路になる、椿が導く復興です。花は花咲く過程 にこそ意味があり、価値があります。その実感を得るために、 この長い道のりはあるのだと信じて、ひとつひとつ、希望の種 を蒔いてゆこうと思います。 こどもたちも、手押し車のおばあさんも、微笑むことができ る未来を。. 写真1 ヤブツバキの植え付け. 写真2 段ボールと発泡スチロールで作った模型 図1 都市計画に関わるご提案と質問. 図3 南三陸 椿 物語 復興. 図2 母子でつくるまちなみ 東側の巻. デザイン学研究特集号 Special Issue of Japanese Society for the Science of Design Vol.23-1 No.89 2015. 63.

(3)

参照

関連したドキュメント

厳密にいえば博物館法に定められた博物館ですらな

プログラムに参加したどの生徒も週末になると大

わかうど 若人は いと・美これたる絃を つな、星かげに繋塞こつつ、起ちあがり、また勇ましく、

TOSHIKATSU KAKIMOTO Yonezawa Women's College The main purpose of this article is to give an overview of the social identity research: one of the principal approaches to the study

Amount of Remuneration, etc. The Company does not pay to Directors who concurrently serve as Executive Officer the remuneration paid to Directors. Therefore, “Number of Persons”

モノづくり,特に機械を設計して製作するためには時

北区では、地域振興室管内のさまざまな団体がさらなる連携を深め、地域のき

学側からより、たくさんの情報 提供してほしいなあと感じて います。講議 まま に関して、うるさ すぎる学生、講議 まま