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水俣湾における底質粒度分布の特性について 九州大学大学院

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Academic year: 2022

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(1)II‑007. 土木学会西部支部研究発表会 (2013.3). 水俣湾における底質粒度分布の特性について 九州大学大学院. 学生会員○久野彰大・川瀬颯人・Herawaty RIOGILANG 長崎大学大学院. 1.. 正会員. 多田彰秀. 正会員. 矢野真一郎・田井明. 環境省国立水俣病総合研究センター. 松山明人. はじめに 八代海南東部に位置する水俣湾には,自然界のバッ. クグラウンド濃度(0.2ppm オーダー)を超えた 10ppm 以 下のごく微量な水銀(総水銀)が残留している.無機水 銀のメチル化により生成されるメチル水銀の毒性につ いては多くの研究があるが,微量なものについては疫 学的なリスクとして,水銀が生物濃縮した魚介類を妊 婦が大量に摂取した場合において,胎児に軽微な影響 が出る可能性を示している. 海域における残留水銀の問題に対し,有効な対策を 講じるために,海洋中に存在する微量残留水銀の化学 的変化過程や,輸送過程を解明することが重要である. そこで,我々は水銀の化学的過程や輸送過程の解明を 目的として,2006 年から継続的に現地観測を行い,水 俣湾の海洋構造や水銀量についてモニタリングしてき. [m]. た.その中で,海水中に浮遊する懸濁態総水銀濃度と. 図1. 水俣湾の水深分布. 浮遊懸濁物の粒度分布特性との関連性について,現地. エクマンバージ(離合社製)を用いて採泥し,表層泥を. 調査から明らかにしようとしている[矢野ら(2012a,b)].. サンプルとした.. 海水中の懸濁態水銀は,底質粒子に付着した水銀が底. 粒度分布はレーザー回析式粒度分布測定装置. 質の再懸濁により浮遊したものと考えられることから,. (SALD-3100,島津製作所社製.測定範囲:0.05-3000m). 底質の粒度分布特性と浮遊懸濁物の粒度分布特性には. によって測定された.この粒度分布をもとに,中央粒. 密接な関連性が有り,懸濁態水銀の輸送構造もそれら. 径値 Mdを求め,その水平分布を描いた(図2).中央. に関連づけられると考えられる.そこで,本研究では,. 粒径値は積算質量の 50%値に相当する粒径 d50 (mm)を. 懸濁態水銀のソースとして考えられる水俣湾内の底質. 関係式 d =2-からスケールに換算したものである. Mdlog2 d50. について粒度分布特性の現状および経年的な変化傾向. (1). の把握を目的として,底質の粒度分布を 3 度にわたり. スケールの目安として,粘土シルト,シルト砂,. 測定したので報告する.. 砂礫,礫石の粒度区分の境界値 0.005mm,0.075mm, 2mm,75mm について対応する値はそれぞれ 7.64,3.74,. 2.. 現地観測の概要および表層泥調査について. -1,-6.23 となる. . 2010 年と 2011 年の 12 月下旬,および 2012 年の 4 月下旬に,水俣湾全域で重力型制動落下式コアサンプ. 3.. 結果と考察. ラー(離合社製)を用いて表層泥(海底面下 10cm,2010. 2010 年から 2012 年にかけて行った現地観測結果か. 年のみ海底面下 5cm)を採取した.水俣湾の水深分布は. ら得られた Md値の水平分布を図2に示す.2010 年か. 図1に,採取点は図2内に黒点で示している.2010 年,. ら 2012 年の期間では時間の経過に対しておおむね安. 2011 年が 20 点,2012 年は 94 点でサンプリングした.. 定しており,平均的な Md値は 5 程度であることから,. 砂分が多くコアサンプラーによる採泥が困難な地点は, ‑155‑.

(2) II‑007. 土木学会西部支部研究発表会 (2013.3). Md Minamata 2011. Md Minamata 2010. (a) 2010 年. Md Minamata 2012. (b) 2011 年. (c) 2012 年. Mdの水平分布. 図2. 10%. 8%. 14% 12% 10% 8% 6% 4% 2% 0%. 8%. 6%. 6%. 4% 4% 2%. 2% 3000. 801.204. 1550.359. 414.051. 110.58. 213.976. 57.146. 29.532. 7.887. 15.262. 4.076. 2.106. 1.089. 0.563. 0.15. 0.291. 0. 0.078. 3000. 801.204. 1550.359. 414.051. 110.58. 213.976. 57.146. 29.532. 7.887. 15.262. 4.076. 2.106. 1.089. 0.563. 0.15. 0.291. 0. 0.078. 0.15 0.233 0.362 0.563 0.874 1.356 2.106 3.271 5.079 7.887 12.247 19.018 29.532 45.859 71.211 110.58 171.713 266.642 414.051 642.954 998.404 1550.359 2407.455. 0%. 0%. 粒径[m]. 粒径[m]. (a) 2010 年(Sta.3). (b) 2011 年(Sta.3) 図3. 粒径[m]. (c) 2012 年(Sta.6-10). 同地点における 3 年間での粒度分布変化. 主に粘土・シルトから構成されていることがわかる.. いることがわかった.また,底質粒度分布を経年的に. また,湾内で比較的水深が浅い西側湾口中央部,比較. 比較すると,大きな変化はみられず,水俣湾内の底質. 的流速の速い北側湾口部には,Md値が 0 以下の比較. は安定していると考えられる.今回の調査期間中,台. 的粒径の粗い砂礫分の堆積がみられる.経年変化につ. 風などの湾内の底質を大きく巻き上げる気象イベント. いては,2010 年から 2012 年にかけて,水俣湾北側湾. は顕著に発生していなかった.水銀のソースとして考. 口部の底質が比較的粗い砂礫から細かい粒径の泥へと. えられる底質が大きく動く台風などの大きな外力の影. 変化していることがわかる.また,Sta.3(2012 年は. 響を受けた場合に,湾内の底質粒度分布がどのように. Sta.6-10)の粒度分布変化(図3)をみると,若干の変動が. 変化しているかを調査することは今後の課題である.. 確認できる.台風などのイベントが少なかった本観測 期間においても変動があることから,潮流や波浪など. 謝辞:本研究は環境省国立水俣病総合研究センターによる平. による底質の巻き上げに伴う底質の輸送が起こりうる. 成 24 年度総合的水銀研究推進事業(研究代表者:矢野真一. ことが分かる.. 郎)により実施された.また,粒度分布の測定において,九 州大学工学部地盤工学研究室(安福規之教授)に測定装置を. 4.. まとめ. 利用させて頂いた.ここに記し,感謝の意を表する.. 水俣湾において,2010 年から 2012 年の間に計 3 回. 参考文献:1) 矢野ら(2012a):土木学会論文集(海岸工学). 底質調査を行い,底質の粒度分布特性を調べた.その. 2) 矢野ら(2012b):土木学会論文集(水. 結果,地点による多少のばらつきはあるものの,中央. 工学). 粒径 d50 が 2mm 未満の細かい砂泥質土が多く堆積して ‑156‑.

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