キーワード:凍上試験,凍結融解,CBR,粒子破砕
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条15
丁目4-1 北海道工業大学 TEL:011-688-2268
凍結融解作用が粒状路盤材の CBR に与える影響について
北海道工業大学大学院 学生会員 ○村山 巧 北海道工業大学 正会員 川端伸一郎 北海学園大学 正会員 小野 丘 北海道大学大学院 フェロー会員 石川 達也
1. はじめに
北海道などの寒冷地では,冬期に生じる凍上や春先の 凍結土の融解などによって路盤や路床の支持力や変形 特性が変化するといわれている.寒冷地の試験道路など で実施された
FWD
試験や載荷試験では,融解期の支持 力低下が報告されており,凍結融解に伴う土壌水分量の 季節変動による影響が示唆されている 1),2).また,模型 路盤による凍結融解試験では,水分量によって融解後に 剛性が低下する傾向が示されており,凍結融解による舗 装の疲労破壊寿命の減少が指摘されている2).本研究は,ここで紹介した内容の関連研究として凍結 融解作用が粒状路盤材の
CBR
に与える影響を明らかに することを目的としたものである.2. 試料と供試体作成方法
試料は,40mm 級の天然砕石(C-40)とコンクリート 廃材による再生砕石(
RC-40
)である.表-1は,試料の 基本的諸元および後述する凍上試験結果である.C-40
はRC-40
と比べて,土粒子密度がやや大きく,吸水率が低いことが特徴であり,これに関連して供試体密度と試験 含水比の大小関係が対応している.
供試体は,気乾試料をバイブレーターにより最大乾燥 密度の
95
%で締固めて作製し,これを初期条件(気乾条 件と称す)とした.つぎに,気乾条件の供試体を通水飽 和した場合を飽和条件,さらに,飽和条件から重力脱水 によって排水した場合を湿潤条件と定めた.以上のよう に,供試体条件は含水比の違いで,気乾・湿潤・飽和の3
パターンである.3. 凍上試験と CBR 試験
凍結融解後の
CBR
を求めるには,NEXCO
(旧日本道 路公団)が定めるφ=150mm の凍上試験 3)が一般的であ る.しかし,この方法は,供試体を上部から冷却する形 式であり,モールドと供試体の間に発生する摩擦により,凍上量が抑えられてしまうことや,結果のばらつきが大
きいことなどが指摘されている4).
これに対して,近年,凍結速度などを規定した高度な 凍上試験法が地盤工学会によって基準化されており,他 の凍上試験法で指摘された問題点を解消することが可 能となっている 5).また,同基準では,供試体寸法の規 定はなく,目的に応じて自由な寸法設定が可能である.
本研究では,CBRサイズ(φ=150mm,h=125mm)で の地盤工学会基準の凍上試験機を製作し,凍結融解後の
CBR
を求めた.なお,凍結融解履歴は,0
サイクル,1
サイクル,2サイクルの3
パターンとした.また,CBR 試験後には粒度試験を行い,凍結融解による粒子破砕の 程度も確認した.4. 結果と考察
図-1は,供試体条件(初期含水比の違い)が
CBR
に 与える影響である.全体的な傾向として,両試料共に含 水比の増加によるCBR
の低下が確認できる.含水比の みの違いとして未凍結(凍結融解0
サイクル)の結果を みると,C-40
では気乾条件から飽和条件に変わることで表-1 試料の基本的諸元および凍上試験結果
C-40 RC-40
ρs 【土粒子密度】(g/cm3) 2.751 2.714
Q 【吸水率】 (%) 3.5 6.1
ρdmax【E-b法】 (g/cm3) 2.070 1.930 wopt 【E-b法】 (%) 8.2 12.2 0.95・ρdmax【供試体密度】(g/cm3) 1.967 1.834
気乾 条件
含水比 wd (%) 1.8 2.2 飽和度 Srd (%) 12.5 12.7
凍上速度 (mm/h)
1サイクル 0.00 0.00 2サイクル 0.00 0.00
湿潤 条件
含水比 ww (%) 9.8 12.3 飽和度 Srw (%) 67.4 69.7
凍上速度 (mm/h)
1サイクル 0.06 0.02 2サイクル 0.10 0.04
飽和 条件
含水比 wsat (%) 13.9 16.0 飽和度 Srsat (%) 95.8 90.5
凍上速度 (mm/h)
1サイクル 0.09 0.07 2サイクル 0.08 0.05
土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)
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Ⅲ‑404
CBR
が5
割程度まで,RC-40
では4
割程度まで減少して おり,含水比の変化がCBR
に与える影響が極めて大き いことが分かる.実際の道路では,春先に深部に残った 凍結層により融雪水などの浸透が妨げされ,路盤が過飽 和状態になるといわれている 4).これらを勘案すると,凍結期の凍上などによる影響以外にも,融解期の含水比 の増加が及ぼす影響に注目することが重要であろう.
図-2 は,
C-40
における凍結融解履歴とCBR
およびMarsal
の破砕率B
Mの関係である.C-40
は,いずれの供 試体条件においても凍結融解履歴によるCBR
の低下が 確認される.凍結融解がもたらす影響として考えられる のは,凍上によるアイスレンズの成長に起因した間隙構 造の変化,または粒子自体の性状変化である.しかし,表-1に示したように気乾条件は,非凍上性(凍上速度が
0)であるにも係わらず,CBR
の低下がみられることから,これらを凍上による影響と考えることは難しい.こ れに対して破砕率
B
Mは,サイクル数の増加によって全 ての条件で微少ながら増加する傾向がみられることか ら,C-40
で得られた凍結融解履歴によるCBR
の低下は,主に粒子の脆弱化によるものと推察される.
図-3 は,
RC-40
に対する凍結融解履歴の影響である.RC-40
はC-40
と異なり,凍結融解履歴とCBR
に一義的 な関係を見出すことはできなかった.これは,再生材特 有の材料の不均一性などが影響したと考えられる.ただ し,破砕率は凍結融解履歴に応じて増加しており,表-1
で示したように,RC-40
の吸水率はC-40
よりも高く粒子 内部により多くの水分を保有できることから,凍結融解 の影響をC-40
以上に受ける可能性も否定できない.5. まとめ
凍結融解作用が
CBR
に与える影響について検討した.CBR
は含水比による影響が極めて大きく,気乾条件か ら飽和条件に変化することで,天然砕石のC-40
でCBR
が5
割程度,再生砕石のRC-40
で4
割程度まで減少する ことが明らかとなった.これは,融解期にみられる路盤 の含水比の増加との関係において重要な結果である.C-40
では,粒子の脆弱化によるものと考えられる凍結 融解によるCBR
の低下が確認された.ただし,RC-40 については,再生材特有の材料の不均一性と思われる理 由から,明確な結果を得ることはできなかった.最後に,本研究の一部は科学研究費補助金(基盤研究
B
,課題番号:20360206
,研究代表者:石川達也)の交 付を受けて実施されたものである.参考文献
1) 安倍隆二,田高淳,久保裕一:積雪寒冷地におけるアスファルト 舗装の厳冬期および融雪期のひずみ特性,土木学会舗装工学論文 集,第14巻,pp.147-154,2009.
2) 石川達也,安倍隆二,吉田有喜,三浦清一:粒状路盤材の力学挙 動に及ぼす凍結融解作用の影響評価,土木学会舗装工学論文集,
第15巻,pp.201-209,2010.
3) 日本道路公団:φ150法による土の凍上試験方法,JHS-112-2001,
pp.287-297,2001.
4) 地盤工学会北海道支部:寒冷地地盤工学‐凍上被害とその対策‐,
2009.
5) 地盤工学会:凍上性判定のための土の凍上試験,JGS0172-2009,
2009.
0 20 40 60 80 100 120
0 5 10 15 20
CBR(%)
初期含水比w (%)
気乾
湿潤 飽和
:0サイクル
:1サイクル
:2サイクル C-40 RC-40
図-1 初期含水比の違いによる
CBR
の変化0 4 8 12 16 20
0 10 20 30 40 50
0 1 2
Marsalの破砕率BM(%)
CBR(%)
凍結融解履歴(サイクル)
:気乾
:湿潤
:飽和 CBR BM
図-2 凍結融解履歴が
CBR
と破砕率に与える影響(C-40)0 4 8 12 16 20
0 20 40 60 80 100
0 1 2
Marsalの破砕率BM(%)
CBR (%)
凍結融解履歴(サイクル)
:気乾
:湿潤
:飽和 CBR BM
図-3 凍結融解履歴が
CBR
と破砕率に与える影響(RC-40
) 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)‑808‑
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