振動ローラの自動転圧システムの開発 ― RCD ダム施工での試験適用
鹿島建設(株)正会員 ○浜本 研一,大塩 真,三浦 悟,林 健二,松本 信也,取違 剛
1.はじめに
重機土工に ICT を活用した,いわゆる情報化施工 システムの導入が進められている.例えば振動ロー ラでは締固め管理システムの導入により,施工管理 の合理化等の成果が得られている.しかし,我々は 今後の施工の効率向上や将来的な熟練作業員の減 少・高齢化を見据えた場合に,現状と同等以上の施 工効率を少ない人数で達成する新しい施工技術とし て建設重機の自動化が重要な課題と考えている.
そこで我々は,その第一段階として,汎用の振動 ローラに後付で自動化する装置を製作し,自動転圧 システムを開発した.本報告では開発したシステム の概要と,本システムをRCD ダム現場で試験適用し た結果を報告する.
2.自動転圧システム (1)開発の概要
建設施工の効率化を実現するために,先ずは振動 ローラの自動化を行った.汎用の振動ローラに計測 機器や後付自動化装置を用いて自動化し,タブレッ ト PC で指示した施工範囲を自動で振動ローラが転 圧作業を行うシステムを実現した.さらに複数台の 振動ローラを一人のオペレータで操作可能にした.
(2)自動化装置
汎用の振動ローラに設置し自動化する各種装置に ついて,RCDダムで適用した11t振動ローラ(酒井重 工製SD451)を用いて説明する(図1).
ア.後付自動制御装置
既存の振動ローラを自動化するために後付自動制 御装置を設置した.ハンドルには専用治具で操舵用 ロボットを設置し,操舵制御をできるようにしてい る.また前後進レバー・起振スイッチは電子回路に て制御している(図2).
イ.計測センサ
振動ローラに次の量を計測するための各種センサ を搭載した(図3).
・車体位置計測:GPS
・車体方位計測:GPS方位計
・車体の傾き(ロール,ピッチ角)計測:ジャイロ
・アーティキュレート角(前輪ローラとキャビンの 相対角)計測センサ
ウ.安全装置
前方監視センサとしてレーザスキャナを前後に設 置し,障害物や法肩・法尻を検出し,停止や走行方 向の反転することができる.また車体位置が万が一 指示した設定範囲外に出た場合には停止する.さら に緊急時には非常停止ボタンを押すことで直ちにエ ンジンを停止できる(図4).
エ.作業指示インタフェース
作業指示をするためのインタフェースプログラムを 図5に示す.これをタブレットPC上で動かしタッチ パネルにより転圧範囲や作業内容の指示ができる.
キーワード 自動化,転圧作業,振動ローラ,コンクリートダム,効率化
連絡先 〒182-0036 東京都調布市飛田給2-19-1 鹿島建設(株)技術研究所 TEL 042 – 489 - 6256 ハンドル操作 後付ロボット レバー操作
電子回路化
図-1 11tローラ(酒井重工 SD451)
図-2 操舵・走行・起振の自動化 土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)
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オ.走行制御アルゴリズム
走行制御アルゴリズムを検討するために,熟練オ ペレータの操作を計測した.直進転圧走行時に遠方 の轍を目標にしていることから,車体位置や姿勢が 目標線に対し5~6m先で誤差0に補正されよう,ハ ンドル操作をフィードバック制御している.また隣 接レーン移動時の切返し走行制御についても,熟練 オペレータの操作を参考に目標軌道を作成した.
3.RCDダム施工での試験適用
RCDダム施工現場に本システムを試験適用し,実 用性を検証した.試験適用は福岡県・五ヶ山ダム堤
体工事現場にて行った.試験適用にて本システムの 転圧施工の性能評価と一人のオペレータで二台の自 動化振動ローラを操作できることを確認した(図6)
転圧走行時の軌跡を図 7 に示す.直進走行では直
線y = 0を目標として転圧し,切返し走行では青線を
目標軌道として走行後,直線y = 0を目標として転圧 を開始する.赤線は直線y = 0に対する±10cmの誤 差領域を示しており,どちらの図も転圧時の誤差が
±10cm内に収まっていることが判る.
4.おわりに
本報告では,汎用の振動ローラに自動化装置を後 付し,自動転圧システムを実現した.開発システム を RCD ダム現場に試験適用し,その有用性を明らか にした.本システムの実用導入向けては,自動化に 合わせた施工手順や方法の検討を並行して実施して いくことが必要である.
謝辞:本試験適用では福岡県五ヶ山ダム建設事務所よ り多大なご協力を頂きました.ここに謝意を表します.
図-3 計測センサ
図-4 安全装置
図-6 現場での適用試験状況
図-7 転圧走行精度
図-5 作業指示インタフェース
(a)直進走行(転圧時)
(b)切返し走行(レーン移動)
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土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)
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