多局所網膜電図の2次核の起源に関する研究
著者 上山 恵巳
著者別名 Kamiyama, Megumi
雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査
結果の要旨/金沢大学大学院医学研究科
巻 平成14年7月
ページ 81
発行年 2002‑07‑01
URL http://hdl.handle.net/2297/15746
学位授与番号医博乙第1559号 学位授与年月日平成14年3月20日 氏名上山恵巳
学位論文題目多局所網膜電図の2次核の起源に関する研究
論文審査委員主査教授 副査教授 教授
河崎一夫 加藤聖 狩野方伸
内容の要旨及び審査の結果の要旨
多局所網膜電図(rnultifbcalelectroretinograxn,MERG)の2次核成分の起源を検討するため,
ネコにおいて網膜神経節細胞(以下,節細胞)萎縮眼を作製し,その前後のMERCを比較した.
節細胞萎縮眼を作製するためには,片眼の視神経乳頭周囲の全周または半周の網膜表層に熱凝固を施 行して節細胞軸索を破壊した.乳頭周囲熱凝固16ヶ月後に非凝固眼および凝固眼を摘出し,組織学 的に検討したところ,非凝固眼では網膜内層に大きな細胞体を有する節細胞が存在したが,凝固眼で は節細胞は著しく減少していた.このことより視神経乳頭周囲凝固後において節細胞萎縮が起こった といえる.MERGの記録には,MERG装置Veris⑧Science3.1.1を用いた.刺激条件を,刺激頻度 75ヘルツ,エレメント数を37個,M-sequenceを213-1~217-1(記録時間1分48秒~29分8 秒)に設定した.凝固前後の各37エレメント毎の多局所の波形(以下,応答アレイ)および37エ レメントの総和である加算波形における1次核成分および2次核成分の振幅,頂点潜時を検討した,
視神経乳頭周囲全周凝固群では1次核成分において応答アレイおよび加算波形において凝固前後で頂 点潜時,振幅に変化がなかった.2次核成分において37エレメント波形および加算波形において凝 固後に頂点潜時は変化しなかったが,振幅は著しく減弱した.リング状解析において中心部における 振幅は1次核成分,2次核成分とも減弱した.特に中心部における2次核成分の振幅が著しく減弱し た.視神経乳頭上半周凝固群では応答アレイおよびilロ算波形においてにおいて凝固部および非凝固部 において1次核成分の振幅は変化しなかったが,2次核成分の振幅は減弱した.特に凝固部におい て2次核成分の振幅の著しい減弱がみられた.1次核成分,2次核成分とも非凝固部に比べて凝固部 において頂点潜時の延長がみられた.これらの結果から,視神経乳頭周囲凝固によって作製されたネ コ節細胞萎縮眼において2次核成分が減弱したことより,2次核成分の起源に節細胞が関与している と推論された.以上,本研究は動物実験によって2次核成分の起源が節細胞にあることを明らかにし,
臨床網膜電図学の進歩に貢献し,学位に値すると評価された.
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