将棋
7110061
橋本 浩平
目次
. 前書き 3 . 将棋盤と駒 3 . 駒の種類 4 . 駒の動き 5 . 対局の進行 6 . 駒の配置 6 . 手番の動作 6 . 盤上の駒の移動 6 . 駒の成・不成 8 . 持ち駒の使用 9 . 持ち時間 9 . 手合割 9 . 勝敗の決め方 10 . 反則行為 11 . 将棋に由来する慣用表現 14 . 将棋の格言 15前書き
日本では、将棋はチェスやシャンチーなどと区別するため日本将棋ともいいます。特に日本の「本 将棋」には「持ち駒」の観念があることが特徴とされています。何故ならこれは、諸外国の将棋類 似のゲームにも例のない独特のルールだからです(ただし、持ち駒を利用したチェス派生のゲーム も考案されているようです)。 国際将棋フォーラムや世界コンピュータ将棋選手権の開催などもあって、日本国外への普及も少 しずつ進んでいます。 現代の日本では、いわゆる本将棋(81マスの将棋盤と40枚の将棋駒を使用)が普及してい います。また、はさみ将棋やまわり将棋など本将棋のほかにも将棋の盤と駒を利用して別のルール での遊び方もあり、それらは変則将棋と呼ばれます。 歴史的には「大将棋」(225マスの将棋盤と130枚の将棋駒を使用)、「中将棋」(144 マスの将棋盤と92枚の将棋駒を使用)、「小将棋」(81マスの将棋盤と42枚の将棋駒を使用) などが指されていたこともあり、これらの将棋は現代の将棋に対して「古将棋」と呼ばれます。現代 でもわずかではありますが古将棋愛好家は存在します。他には、小将棋から派生したと思われる朝 倉将棋が福井県を中心として残されており、主に福井県内のイベントなどで朝倉将棋の大会が開か れています。将棋盤と駒
将棋の対局には縦横 9 マスずつに区切られた将棋盤と将棋駒を使用します。対局者は将棋盤を 挟んで向かい合って対局することになりますが、このとき将棋盤の自分側から 3 段目までのマスを 自陣、相手側から 3 段目までのマスを敵陣と呼びます。 他の将棋に類するゲーム(チェスなど)とは違って駒に色分けはなく、敵味方共通の駒を用います。 駒は五角形で向きが存在し、一局を通じて自分の駒と相手の駒は常に向き合う方向に配置されます。 そのため駒の向いている方向によって、その駒が現在自分と相手のどちらに属しているかがわかり ます。そして「持ち駒」のルールによって、駒が敵味方どちらに属しているかは目まぐるしく変わる ことになります。 盤上の駒は一局を通じて常に 1 つのマスに入っています(囲碁のように線の交点に配置されるわ けではありません)。1 つのマスに複数の駒が存在したり、1 つの駒が 2 つ以上のマスに同時に存 在することはできません。他の将棋に類するゲーム(チェスなど)と違い、駒に色分けなどはなく、 敵味方共通の駒を用います。ただし駒は五角形で向きが存在しており、一局を通じて自分の駒と 相手の駒は常に向き合う方向に配置されます。したがって、駒の向いている方向によって、その駒 が現在自分と相手のどちらに属しているかが表されることになります。「持ち駒」のルールによって、 駒が敵味方どちらに属しているかは目まぐるしく変わります。 盤上の駒は一局を通じて常に 1 つのマスに入っています。1 つのマスに複数の駒が存在したり、 1 つの駒が 2 つ以上のマスに同時に存在することはありません。駒の種類
将棋の駒は玉将(玉)及び王将(王)、飛車(飛)、角行(角)、金将(金)、銀将(銀)、桂馬 (桂)、香車(香)、歩兵(歩)の 8 種類で、それぞれ動ける範囲が決まっています(玉将と王将 の駒の動きは同じで、機能上は完全に同視されます)。 一般的に一組の将棋駒には玉将と王将が 1 枚ずつ入って構成されています。慣例として上位者 が王将、下位者が玉将を用います。ただし、二つとも玉将である「双玉」と呼ばれるものもあります。 なお、駒の種類である玉将の「玉」、金将の「金」、銀将の「銀」はいずれも宝物の意味であるた め、本来は 2 つとも玉将で構成されている双玉であったと考えられています。したがって、将棋で「王 様」と呼ぶのは厳密には正しくないと言われます(そのため、一般的に棋譜読み上げでも玉将と王 将を区別せず「ぎょく」と読み上げます。また、一般的には自分側の玉将(王将)のことを「自玉」、 相手側の玉将(王将)のことは「相手玉」といいます。ただし、玉将(王将)に効きのかかる手は「王 手」と言い、「玉手」と言うことは普通はありません)。 将棋駒のうち、飛、角、銀、桂、香、歩については敵陣内への移動・敵陣内での移動・敵陣内 からの移動の際に成ることを選択することができ、これによって以下のように駒の動きが変化します (成りを選択した時点で駒を裏返す)。 将棋駒のうち、一方向に向かって何マスでも進めることのできる飛車、竜(成った飛車)、角、馬(成っ た角)、香のことを総称して「走り駒」といいます。 玉、王以外の大きな駒である飛車、角行はまとめて「大駒(おおごま)」と呼ばれていて、金将、 銀将をまとめて「金物駒(かなものごま)」と呼ぶことがあります。それぞれ、戦術において似た役 割の駒をまとめた言い方でもあります。 「駒の利き」とは盤上にある各駒の効力が及んでいる範囲(機能している範囲)をいい、各駒 の移動可能となっている範囲に相当します。と
歩
兵
香
車
成
香
駒の動き
玉将(ぎょくしょう)、王将(おうしょう) 全方向に 1 マス動けます。 飛車(ひしゃ)、飛(ひ) 縦横に何マスでも動くことができます。駒を飛び越えることはできません。 竜王(りゅうおう)、竜(りゅう) 飛 + 銀の動きです。 角行(かくぎょう)、角(かく) 斜めに何マスでも動くことができます。駒を飛び越えることはできません。 竜馬(りゅうめ、りゅうま)、馬(うま) 角 + 金の動き。 金将(きんしょう)、金(きん) 縦横と斜め前に 1 マス動くことができます。 銀将(ぎんしょう)、銀(ぎん) 前と斜めに 1 マス動くことができます。 成銀(なりぎん) 金と同じ動きができます。 桂馬(けいま)、桂(けい) 前へ 2、横へ 1 の位置に動くことができます。その際、駒を飛び越えることができます。 成桂(なりけい) 金と同じ動きができます。 香車(きょうしゃ、きょうす)、香(きょう) 前に何マスでも動くことができます。駒を飛び越えることはできません。 成香(なりきょう) 金と同じ動きができます。 歩兵(ふひょう)、歩(ふ) 前に 1 マスだけ動くことができます。 と金(ときん)、と(と) 金と同じ動きができます。成
桂
成
銀
銀
将
桂
馬
金
将
竜
馬
角
行
竜
王
飛
車
王
将
対局の進行
将棋は対局者が相互に自らの駒を動かすことによってゲームが進められます。 対局において先に駒を動かし始める側の対局者を先手、そうでない側の対局者を後手といいま す。将棋では一局を通じて先手と後手が交互に盤上にある自分の駒のいずれか 1 つを一度動かす か、持ち駒(相手から取って自分の駒となった駒。後述)を 1 つ盤上に置くことを 1 回ずつ繰り返 します。この手順における一回の動作(盤上の駒を動かす又は持ち駒を盤上に置く)を「一手」と 呼び、動詞としては盤上の駒を動かす場合には「指す」、持ち駒を盤上に置く場合には「打つ」と いいます。 「将棋を打つ」という表現がされることがありますが、将棋は「指す」ものであって「打つ」も のではありません。ただし、持ち駒を盤面に配置することは「打つ」といいます(多くのテーブルゲー ム類の中で「指す」と言う表現を用いるのは将棋類のゲームのみ)。駒の配置
将棋の対局において、駒は対局者各20枚ずつの計40枚を使用します。対局者間の棋力の差 によって手合割(ハンデ)を考慮する必要もあり、対局者間の棋力の差が大きい場合には駒落ち(棋 力で上回る側に属する駒の一部を盤上から除外した状態での対局)となりますが、基本的には駒を 落さずに対局者各20枚ずつ対等に駒を持つ「平手(ひらて)」で指します。 将棋の対局を始めるには、まず、駒を盤上の定められた位置(初形の位置)に配置します。将 棋の正式な礼法では、対局者のうち上位者が駒袋に入った駒を盤の中央に取り出し、対局者はそ れぞれ自陣に駒を並べていきます。慣例として上位者が王将、下位者が玉将を使用します。手番の動作
自分の番(手番)が来たら必ず盤上の自分の駒のいずれか 1 つを一回動かすか、持ち駒を 1 つ だけ盤上に打たなければなりません。二手続けて指したり(二手指し)、自分の駒を全く移動せず、 持ち駒も打たない(パスする)ことはできません。盤上の駒の移動
盤上にある自分の駒は、その駒の種類に応じて駒の動きに書かれている範囲内に存在するマスで あれば、どこにでも移動させることができることができます。ただし、以下のような制限があります。 本来の駒の動きの範囲内に含まれていても、盤上に存在しないマスには移動できないので、そ れぞれの駒の利きは盤上にあるマスの範囲に限られます。したがって、飛、角、香などの走り駒の 移動できる範囲は盤の端のマスまでになります。また、盤の端に近い位置にある駒は移動できる範 囲がマスのある範囲に限られます。 駒の移動においては、それぞれの駒は原則として他の駒を飛び越して移動することができず(た歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
角
行
飛
車
香
車
桂
馬
銀
将
金
将
王
将
金
将
銀
将
桂
馬
香
車
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
歩
兵
角
行
飛
車
香
車
桂
馬
銀
将
金
将
王
将
金
将
銀
将
桂
馬
香
車
だし桂馬は例外)、また、盤上の駒は常に 1 つのマスに 1 つの駒しか入ることができないことから 次のような制約があります。 自分の駒を移動させることができる範囲内に他の自分の駒が既に存在する場合、その駒によって 塞がれているマスには入れません。また、他の駒を飛び越すことはできないので、他の自分の駒を 飛び越してその先のマスへと移動することもできません(自分の駒が移動可能な範囲は他の自分の 駒が存在するマスの 1 つ手前のマスまでとなります)。 自分の駒を移動させることができる範囲内に相手の駒が既に入っている場合、その相手の駒を捕 獲して自分の「持ち駒」とした上で、自分の駒をその相手の駒が存在したマスの位置に動かすこと ができます。したがって、自分の駒が移動可能な範囲は、その相手の駒が存在するマスにまで及ぶ ことになります。ただし、他の駒を飛び越すことはできないので、飛、角、香などの走り駒であっても、 移動範囲を塞いでいる相手の駒を取った上でそのマスに移動することはできますが、移動範囲を塞桂馬については他の駒とは異なり移動可能なマスが元のマスから離れた場所にあるため、周囲の マスに他の駒があっても、それを飛び越して移動することができます。ただし、桂馬の移動可能な マスに既に自分の他の駒が入っていて塞がれている場合は移動できません。なお、桂馬の移動可 能なマスに先に入っている駒が相手の駒である場合には、その相手の駒を取ってそのマスへ移動す ることができます。 また、玉将の位置との関係で、自分の駒を移動させることによって自玉を相手駒の利きにさらすこ と場合は、禁じ手のため移動できません。
駒の成・不成
盤上の相手側 3 段を敵陣と呼びますが、玉(王)と金以外の駒(飛、角、銀、桂、香、歩)は、 敵陣内へ入るとき、敵陣内で移動するとき、あるいは敵陣内から出るときに「成る」(駒を裏返す) ことを選択することができます。こうして成った駒は成駒と呼びます。成駒となることによって移動可 能な範囲が変化します。具体的には、成りによって、飛は竜王(竜)、角は竜馬(馬)となり、そ れぞれ飛・角の元々の駒の動きに加え全方向 1 マスの範囲にも動けるようになります。また、成り によって、銀は成銀、桂は成桂、香は成香、歩はと金となり、以後、これらの駒は金と同様に扱わ れます。歩が成った場合には金と同様に扱われますので、同じ縦の列に成った歩(と金)と歩が並 んでも、二歩の反則にはならなくなります。 成りは強制ではなく、反則に該当する場合(行き所のない駒になる場合など)を除いて、成らな いこと(「不成(ならず・ふなり)」と称する)を選択することもできます。一度、不成を選択した場 合であっても、以後、その駒が成る要件(敵陣に入るとき、敵陣の中で動くとき、敵陣から出るとき) を満たすたびに、その都度、成ることを選択することができます。駒が成ることを選択することがで きるのは駒が成る要件を満たしたとき(敵陣に入るとき、敵陣の中で動くとき、敵陣から出るとき) のみです。したがって、いったん成らないまま敵陣を出た駒は再度敵陣に入るまで成りを選択するこ とができません。また、一度成ることを選択した駒は相手に取られるまで成駒のままで、相手の持 ち駒となるまで元の駒の動きに戻すことはできません。 移動させた駒について成ることを選択した場合には、それを表示するため、動かした先のマスに 駒を裏返して配置する(不成を選択した場合には裏返さずそのまま配置する)。銀、桂、香の駒の 裏面には「金」の字が崩して書いてある(歩の裏面の「と」も本来は「金」あるいは同音の「今」 の字を崩したもの)が、もともとの駒の種類が分からなくならないように各駒の種類に応じて裏面の 「金」の字体は変えてある。 前述のように成るか成らないかは任意で、強制ではありません。銀、桂、香は、成ってしまうと元々 移動が可能だった位置に移動できなくなるため不都合を生じることがあります(例えば銀が成ると 真後ろと左右の位置には移動できるようになるが、両方の斜め後方の位置には動かせなくなる)の で、実際の対局では成るか成らないかは慎重な検討を要することも多々あります。しかし、飛、角、 歩については、成っても元々移動が可能だった位置に移動できなくなるという不都合を生じることはないので、成りが選択されることがほとんどです。ただし、まれに将棋の終盤において、駒が成っ て利きの範囲が広がることで相手の玉将が逃げることができずに一つのマスに釘付けの状態になり、 (盤上の駒では詰ませることができず、持ち駒が歩のみであるなどの理由で)相手の玉将を詰ませ る手段が後述の反則手である打ち歩詰め以外にはなくなってしまうという局面を生じることがあり、 このような打ち歩詰めの手順となる局面を回避するために、あえて駒を成らない場合もあります。そ の逆に、成ることによって自玉に詰みが生じるのを回避するために、あえて駒を成らない場合もあり ます(大抵は、成ってしまうと自玉の打ち歩詰めが解消されてしまうケース)。 成駒の効果が継続するのは相手に取られるまでで、持ち駒となった場合には駒は成る前の状態に 戻ります。成駒となっていた相手の駒を取った場合にも成った状態でその駒を打つことはできず、ま た、持ち駒を敵陣内に打つ場合も成る前の状態の駒で打つ必要があります。