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学 位 論 文 要 旨

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Academic year: 2022

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(1)

【 歯 学 系 (Dentistry) 】

指 導 教 授 氏 名 指 導 役 割

窪木拓男 印 研究統括

大橋俊孝 印 研究統括

学 位 論 文 要 旨

岡 山 大 学 大 学 院 医 歯 薬 学 総 合 研 究 科

専 攻 分 野 機能再生・再建科学専攻

インプラント再生補綴学 身 分 大 学 院 生 氏 名

田仲由希恵

論 文 題 名 Suppression of bone necrosis around tooth extraction socket in a MRONJ-like mouse model by E-rhBMP-2 containing artificial bone graft administration

(大腸菌発現系由来rhBMP-2含有骨補填材移植がMRONJ様病変誘発モデルマウ スの抜歯窩周囲骨に与える影響)

論 文 内 容 の 要 旨 (2000字 程 度)

Ⅰ. 目的

骨 吸 収 抑 制 薬 投 与 患 者 に発 症 する薬 剤 関 連 顎 骨 壊 死 (medication -related osteonecrosis of the jaw: MRONJ)の 標 準 治 療 法 は 未 だ 確 立 されておら ず, 大 きな 社 会 問 題 とな っている . MRONJ発 症 の メ カ ニ ズ ム に は 不 明 な 点 が 多 い が , 骨 代 謝 活 性 の 低 下 や 血 管 新 生 が そ の 原 因 と 考 え ら れ て いるこ と か ら , 骨 代 謝 活 性 能 や 血 管 新 性 能 を 有 するrecombinant human bone morphogenetic protein -2 (rhBMP -2)を応 用 することでMRONJの予 防 や治 療 法 の開 発 に繋 が る と 考 え た . そ し て , こ れ ま で の 研 究 に よ り , 抜 歯 窩 内 に 大 腸 菌 発 現 系 由 来rhBMP -2 (E-rhBMP -2)とβ型 リ ン 酸 三 カ ル シ ウ ム (β-TCP)の複 合 体 (E-rhBMP -2/β-TCP複 合 体)を 移 植 す る こ と で 抜 歯 窩 内 の 骨 再 生 を 促 進 す る こ と を 明 ら か に し て き た . し か し , そ も そ も MRONJ様 病 変 の 発 症 は 外 科 的 侵 襲 に 起 因 す る の か , ま た 抜 歯 窩 へ のE -rhBMP -2/β-TCP複 合 体 の 移 植 は 抜 歯 窩 周 囲 骨 に ど の 様 な 影 響 を 与 え る の か は 明 ら か で は な い . そ こ で 本 研 究 で はMRONJモ デ ル マ ウ ス に お い て , 顎 骨 壊 死 が 外 科 的 侵 襲 に 伴 い 発 症 す る か を 検 証 す る と 共 に , 抜 歯 窩 へ のE-rhBMP-2/β-TCP複 合 体 移 植 が 抜 歯 窩 周 囲 骨 に 与 え る 影 響 を 検 討 し た.

Ⅱ. 材料及び方法

1) 動物および動物実験・薬物療法

すべての動物実験は岡山大学動物実験委員会の承認 (OKU-2019254,OKU-2020380)のもと実施 した.本研究では,8〜12 週齢の雌マウスに対して Kuroshima らの方法に従い (Kuroshima et al., 2018),Cyclophosphamide (CY,150 mg/kg)とZoledronic Acid Hydrate (ZA,0.05 mg/kg)を週に2回,

3 週間投与した.そして,外科的侵襲と MRONJ 様病変の関係性を検討した.更に,抜歯窩に

E-rhBMP-2/β-TCP複合体を移植して抜歯窩周囲骨に与える影響を2つのモデルマウスを構築し検討

した.以下にモデルの詳細を示す.

外科的侵襲と MRONJ様病変の関係性の検討:3週間CY/ZA を投与したマウスの上顎第一臼歯を 抜歯する前に組織を回収し,MRONJ 様病変が発症しているか組織学的に評価した.また,3 週間

CY/ZA を投与したマウスの上顎第一臼歯を抜歯し,その後 2 週間 CY/ZA を継続投与し,MRONJ

様病変が発症しているか組織学的に解析した.

CY/ZA 投 与 継 続(重 症化 抑制)モ デ ル : 骨壊死様 変化が 生じていない抜歯 直後の 抜歯窩に

E-rhBMP-2/β-TCP 複合体を移植することで骨壊死の重症化を抑制可能か検討した.具体的には,3

週間CY/ZAを投与後,上顎第一臼歯抜歯直後に抜歯窩に2.5 mgのE-rhBMP-2 (株式会社オステ オファーマ)と1.5 mgとβ-TCP (SUPERPORE 0.6-1.0 mm,HOYA Technosurgical株式会社)からなる複 合体 (E-rhBMP-2/β-TCP複合体)を移植し,移植後4週間CY/ZAを継続投与した.移植4週後に組 織を回収し,X線学的,組織学的に解析した.また,抜歯窩に何も移植しない群を対照群とした.

様 式 甲 - 3

(2)

論 文 内 容 の 要 旨 (2000字 程 度)

CY/ZA 投与中止 (治療)モデル:骨壊死様変化が既に生じた抜歯窩にE-rhBMP-2/β-TCP 複合体を

移植することで骨壊死様変化を改善させることが可能かを検討した.具体的には,3週間CY/ZAを投 与後,上顎第一大臼歯を抜歯し,抜歯窩には何も移植せずにCY/ZAを2週間継続投与し,骨壊死を 誘発した.抜歯2週間後にCY/ZAの投与を中止し,掻爬した抜歯窩にE-rhBMP-2/β-TCP複合体を 移植した.移植 4 週後に組織を回収し,X 線学的,組織学的に解析した.また,抜歯窩に何も移植し ない群を対照群とした.

2) Micro-CT解析

移植4週間後に上顎骨組織を回収し,4% paraformaldehyde (PFA)固定を行った.そして,マイクロ コンピューター断層 (micro-CT)撮影 (SkyScan 1174,Bruker社)を行い,骨密度を測定した.計測部 位は,近心部では,第一臼歯近心根の近心側で可能な限り骨頂付近で100 μm四方の面積を計 測することが可能な部分とした.また,根分岐部では,2根の中央で最も歯冠に近い部分で100 μm四方の面積を計測することが可能な部分を選択し,近心部,根分岐部共に,頬舌径300 μm の範囲で骨密度を計測した.

3) 各種染色,組織学的解析

4% PFAにて固定したサンプルを通法に従い,脱灰,パラフィン包埋後,厚さ5 mmの切片を作製

し,Hematoxylin-Eosin (HE)染色を行った.HE 切片上で上顎第一臼歯の周囲骨を歯根から 0-100 µm, 100-200 µm, 200-300 µmに分けてそれぞれの領域に存在する骨小腔中空数を計測した.

4) 統計解析

統計学的有意性は,各条件に対して試料の数値を測定し,対応のないt検定 (unpaired t-test)を用 いて検討した.

Ⅲ. 結果

外科的侵襲とMRONJ様病変の関係性の検討

薬剤投与群は非薬剤投与群と比較して,抜歯前の上顎第一大臼歯歯根周囲の歯槽骨における 単位面積あたりの骨小腔中空数は全ての領域において有意差を認めなかった.しかし,抜歯 2 週後 において,薬剤投与群は非薬剤投与群と比較して,全ての領域において抜歯窩周囲骨の単位面積 あたりの骨小腔中空数が有意に多かった (unpaired t-test, p<0.001).

継続投与モデルにおけるE-rhBMP-2/β-TCPの有用性の検討

E-rhBMP-2/β-TCP 移植群は非移植群と比較して,抜歯窩周囲の単位面積あたりの骨小腔中空数

は抜歯窩から200 µm外側まで有意に少なかった (unpaired t-test, p<0.001).また,micro-CT解析の 結果,E-rhBMP-2/β-TCP 移植群の骨密度は近心側,分岐部共に非移植群と比較して有意に高かっ た.

投与中止モデルにおけるE-rhBMP-2/β-TCPの有用性の検討

E-rhBMP-2/β-TCP移植群は非移植群と比較して,全ての領域において抜歯窩周囲の単位面積あ

たりの骨小腔中空数は有意に少なかった (unpaired t-test, p<0.001).また,micro-CT 解析の結果,

E-rhBMP-2/β-TCP 移植群の骨密度は近心側,分岐部共に非移植群と比較して有意な差は認められ

なかった.

Ⅳ. 結論

MRONJ様病変誘発モデルマウスにおいてCY/ZA投与下において外科的侵襲が加わることにより

MRONJ 様病変(中空骨小腔)が誘発されることが明らかとなった.また,抜歯窩に E-rhBMP-2/β-TCP

を移植することによって,抜歯窩周囲骨の骨小腔中空数が減少したことから,E-rhBMP-2/β-TCP の抜 歯窩への移植は骨壊死の治療および重症化の抑制に有効である可能性が示唆された.

様 式 甲 - 3

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