E.セガンはどのように障害児教育をはじめたのか, 初期教育実践にみる理論的再構成の優位性について(3) : 「止まれる子どもは発達する」, イモビリティへの着目と共同運動の増強
17
0
0
全文
(2) . 北海道教育大学紀要 (教育科学編) 第53巻 第2号. 平成 15 年 2 月. lof Ho既にaido Universi夢 of Educa口on (Educanon) VOI j ouma .53 .2 , No. Febnuaty , 2003. E・セガンはどのように障害児教育 をはじめたのか,. 3 ) 初期教育実践にみる理論的再構成の優位性について( - 「止まれる子 どもは発達する」 , イモ ビリティ への着目 と共同運動の増強-- 藤. 井. 力. 夫. 北海道教育大学札幌校障害児教育研究室. 要 約. (一) l ) がそ の子 ども に許 さ れる 範 囲内で, ene 第 1, 私 は, 私 た ち の道 具 を使 っ た 方 法 (nos moyons mat s. l 子どもたちの筋肉系 ( e systeme. musc皿ai r. を発達させ, 適用しました.. ▼mltabmt ) が, 消 失 な い し著 しく 1 第 2, 何 人も の 人 た ち の 落ち 着 き の な い 神 経的 な 過敏 ( e ne rveuse 減少 しま した. ) ), 走り ( e 第 3, 彼 ら は, 歩 き (marche coum), 跳 び ( saut , そ して 幼 年期 にた い へ ん有 益 な さま ざ ま な運 動 ( ) を は じめま した. l es diverses 鱒血mashques. (二). ) こ と, 投 げる ( lancer ) こ と を学 び, 同 年 齢 第 4, 彼 ら は, 握る ( i ue sa s立) こ と, 操 作 する (mat r の 人た ち が持つ より も 重い も の を受 け取る ( recevo立) こと が で きる ほ どになり ま した. 第 5, 彼 ら のう ち 5 人 は,. 読む (旋e) こ と, 書く (eclire) こと, 数 える (compter) こ と を学 びま し. ) を利用 でき る とい う こと を た. 彼 ら は, ある 程 度 ま で, 初 等 教育 (ml l i ementa einstnucnon e re. 期待することができます. l ) は, 明確 になり, 拡 がりま した. i 第 6, 彼 らの 概 念 ( ews not ons. (三) ) が 彼 ら に形 成 さ れ は じめ, 彼 ら の 振 る 舞 い ( ) や, l l 第 7, 観 念 ( t esidees ew condui e. 彼らの話 し. ) に現 れ は じめて いま す. l l 方( em paro e r ), こ れ ら は 二 つ と も 生 ま れつ つ あ っ た も の で, 彼 ら 第 8, 従 順 ( l ) と道 徳 ( l i e a moraut obe ssance の 行為 ( l ) と彼 らの 存 在 ( ) の一 部 を調 節 しは じめて いま す. l t t ems ac es em e頭s ence l ) に従 事 す る た め に, 他 の 第9, 何人かの人たちは, 施設のなかで, 手仕事 (de s s 立ava1ば manue 年上の人たちよりも, 白痴でない他の病気の人たちを好んで探しています.. 11.
(3) . 藤. 井. 力. 夫. (四) 第10 , 6 ヶ月 間, 私の生徒は, 誰一人として, 重い病気にかからないで, すべての子どもたちの健康 ( la san ) が鍛 え られま した. t e. 第1 1 , さらにまた, 子 どもたちは, 庭を掃除し, かなりの薪木を運びました. この時から彼らは病院の ▼ ) で 使わ れる よう にも な っ て いま す. サ ー ビス 部 門 (Po h6pi l t a lぱ le service de l ) (第 二部, p 82 . .. 1 , は じめ に.. 本稿は, 18 41年1 0月 から翌年3月まで, 世界教育史上はじめて公的な機関で複数の白痴の子どもたちを対 象として展開された教育実践, パリ・不治者施療院でのE・セガンの教育実践の優位性を検討することにあ ります. 第一回目は, 本実践はどのような経過で開始され, どのように省察され, 報告されたものなのか, まずは, } 本研究の考察対象である実践報告, 第一部, 第二部における叙述内容の一般的特徴について概括しました1 . 何をどう教えたらよいかよく分からない状況のなかで, 1 0人の子どもたちに対する取り組みが経月的に省察 さ れ, 3 ヶ月, 6 ヶ月 のま とま り で 節 を形成, 再 構 成 した も の で した. ま た, 彼 は, 序 文 で, 「為 し得 た で. あろうことも含めて」 考察してほしいと断っていますが, これは, 子どもたちの 「自発性」 にどのように依 拠し得ているか, 実践報告に対する彼の姿勢を示すものとして, きわめて興味深いものでした. 前回の2回目は, 対象とした子どもたちはどのような子どもたちで, 何をどのように教えようとしたのか, ) セガンが対象とした子 ど セガンにおける発達課題の整理と教育指導の基本的立場についてお話しました2 . も た ち は, V ・ ユ ゴ ー が 『レ・ミ ゼ ラ ブ ル』 で 描い た コ ゼ ッ トや ガ ヴロ ー ジ ュ と 同年 代 の 子 ども た ち で, 彼. らの背景には, 近代的な都市貧困問題の成立のなか, 母親の生活と新生児の生命維持に象徴されるような生 存と発達をめぐる深刻な問題状況が存在したのでした. 彼らの多くは, 新生児の生命を救うための方策, 捨 て子養育院・附設 「回転窓口」 等に捨て置かれたり して育っ たけれど, 「白痴」 ということで施療院に収容 された人たち, そう解することのできる人たちでした. セガンは, こうした人たちに対する処遇のあり方と して教育方法の開発を内務大臣から託されたのでした. これにあたり, セガンは, 個々の子どもの発達課題 を人間として育つにあたっての 「経験」 の問題として整理するとともに, 子どもたち自身が能動的に行為で きるような場面をどのように組織できるか, 彼のことばで言えば, 「手が突き出た大脳として働くような具 体的場面」 をどのように設定できるか, これを障害児教育創造の基本的立場としたのでした. では, 実際にどのように障害児教育を実践し, どのように省察したのか, また, 今日まで優れた実践とし 0人の白痴の子どもたちにおけ て評価される所以はどのように存在しているのか. 今回から数回にわけて, 1 る経月変化の実際から, 彼における理論的再構成の優位性について検討したいと 思いま す. 上記資料は, 本実践に対するセガン自身の評価, 実践を通じて子どもたちにどのような効果をもたらすこ とができたのか, 彼自身による要約です. 1 42年3月, 6 ヶ月 にわたる実践を終え, 「習慣」 についての考 8 えを総括した後, 「結論」 に入る前のところで 「要約」 としてまとめられた, その全文です. 「道具」 を用い た身体運動の効果から, 大人に混じっての手仕事の開始まで, 全部で1 1点, 本実践による成果としてその概 ) (一) 「手 足 を自分 のも の に」 (二) 要 がま と め られ て い ま す. 内容 か ら は, 次 の 四つ に括 れる で し ょ う3 , , , .. 「手順を自分のものに」 , (三) , 「用途を基礎に観念にまで」 , (四) , 「関係発達のなかでの自信」 . 何故に, こうした成果を帰結できたのか, それらの必然性は, セガンにおける実践の積 み重ねにあります.. 12.
(4) . ) 3 E・セガンはどのように障害児教育をはじめたのか, 初期教育実践にみる理論的再構成の優位性について(. 何をどう働きかけてよいかわ からない段階で, 明日への指針は, 実践のなかでの子どもたちの反応, これへ 1の項目で の省察如何です. 省察から引き出され, 確かめつつ進められた, そうした成果の順番が, 上記・1 す. 螺旋的に発展できたところに, 本実践の理論的再構成における優位性が存在します‐ 螺旋的な発展を約 束したもの, それらは何であっ たか, 各項目に対応させて仮定すれば, 次のようになります. (一) 優 位 性 1, 「止ま れる 子 ども は発達 する」 , イ モ ビリ ティ へ の着 目.. 優位性2, 「目と目をあわ せ …」 , 目線は自己と他者との媒介項. 優位性3, 「まずは胸をはって歩ける力」 , 同じ速さで歩く. (二) 優位性4, 「ぶら下がる力があれば, …」 , 手足を自分のものに. 優 位 性 5, 「/マ マ /, / ブ ブ/ と反 復 で き た な ら」 , 拍 節リ ズム‐. 優位性6, 「お手つき」 と 「みかえり」 , 既知を基礎に未知を知る. (三) 優位性7, 頭のなかでの 「構成単位」 への変換, レンガの原理. 優位性8, 「用途を基礎に観念にまで」 , 「概念」 と 「観念」 の違い. 優位性9, 「二の倍数は自発的な整理の基本単位」 , 「推論」 による学習.. (四) 優位性10 , 足腰からの共同運動, 土木作業へのセガンのこだわり 優位性1 1 , 障害児教育の創造. , 「浮力があれ ば誰でも泳げる」 以下, 数回にわたる本稿の考察は, ここで仮定された優位性についての検討です. 今回は, 優位性1から 3 で, 「 《止まれる 子 どもは発達する》, イ モ ビ リ テ ィ へ の着 目 と共 同運 動 の増 強」 とい う こと で お 話 した い と思 いま す.. 江, 優位性1, 「止まれる子 どもは発達する」 , イモ ビリティ への着目. セガンは言います. 「道具を使っ た方法がそれぞれの子どもに許される範囲で子どもたちの筋肉系を発達 さ せ た」 (同上, 要 約 ・第 1), と. ダ ン ベ ル, バ ラ ンス 棒, 梯 子 な どが, 利用 さ れま した‐ ダ ン ベ ルな どは, 2 ヶ月 目の11月 か ら は, 歩 行, 走, 跳 躍 の とき, いつ も 手 に持 た せた とい い ま す. 表1 の a か ら c は, こ れ. ) 実践報告・第一部 第二部の記載から抜き書きしま ら身体運動に関する6 ヶ月 間の経月変化の概要です4 . , した‐ 子 どもたちにおける経月変化の様子がよくわかります. 2月 には, 土木作業で手押し車, 負い篭, つ るはし, 鋤, シャベルなどが利用 され, 3月 には, リレー走でバ トンまでが使われています. 優位性1から 4, および優位性1 0はこれらに関係することがらです. 「道具」 の導入, その意図はどこにあったのでしょうか. 彼自身が 「筋肉系の発達」 と表現していますよ うに, 筋力の増強を目的とするものではありません. 彼の意図は, 「調整力」 であり, 「共同運動」 としての ) 手足のさまざまな部位が共同して働くためには まずは 過剰な緊張や弛緩 これらが取り除 増強です5 . , , , かれなければならない, そう考 えたのでした. 力が入りすぎても, 抜きすぎてもいない状態, これを背景に 最適な動作が可能となる, セガンにおける 「筋肉系」 とは, こうした理解です. 現代科学からしても的確で ) 道具の利用は 余分な力を抜くこと 最適な入れ方の背景づくり この点にあったと考えられます す6 , , , . .. 13.
(5) . 藤. 井 力. 夫. どのようにしてこうした観点を持ち得たのでしょうか. セガ ンにしてみれ ば, 自然です. 前号・冒頭で紹 ) この子どもたちに何とか指示を伝えることができな 介した子どもたちとの出会いの場面にあっ たのです7 . いだろうか, 自分の意志で止まれるようにならないだろうか. これへの着目です. 子どもたちはおどおどし ていたり, 寝そべっていたり, 筋緊張において過剰であったり, 弛緩しすぎていたりするのでした. 力が入 りすぎもせず, 抜きすぎてもいないで, 何だろうと自分の意志で止まれるようにならないだろうか. これが 課題だったのです. セガンは, 彼の基本的立場を述べたすぐ後で, 次のように言います. 「最初の自己概念 ( l es prelmeres. no錠ons. ) は, 止 ま る こ と ( r立国nob i 道t ) と動く こと e ・meUes perso. ( l ) で す. こ れ ら を彼 ら に獲 得 さ せ る た め に, 私 は, 彼 ら を横 一 列 に並 ぶ こ と か ら始 めま し e mouvement た. が, 誰 一 人 と して, 並 んで 止ま っ て いて はく れま せ ん. ある 子 ども た ち は, 口 に手 をも っ て い き, 他 の. 子 どもたちは, 頭やポケッ トに手をもっていきます. 彼らは, 脚を組んだり, よろめいたり, もじもじした り, ニタ ニタ 笑 っ たり, わ めい た り, 方 々 へ 逃 げて いき ま す. そ して, 私 は, 彼 ら を連 れ 戻 す の で す.」 (第 一 部, pp‐6‐7‐ ). 自発的に, あるいはことばがけだけで, なんとか止まることができるようにならないだろうか. セガンは, 子 どもたちに横一列に並ばせることを試みました. 結果は上記の通りです. 追っ かけては連れ戻し, 連れ戻 しては追っ かける, そんな連続です. 毎年4月, 養護学校で繰り広げられる教室場面を思い浮かべてしまい ます. 私たちが試みるように, セガンも, 思わず子どもたちを並ばせようとしたのでした. セガンにおける 障害児教育の実践が, 私たちと同じような感覚で開始されたことにある種の親しみを感じます. 他動的でも, 強制的でもなく, 自ら止まれるようになること. これを, セガンは, 「最初の自己概念」 と 「 しま した. 原 語 は, 「ノ ー シ ョ ン・ ベ ル ンネ ル」 で す. 「自分 につ い て の 概念」 , そ う い う こ とで す. 自ら止 ま る」 と い う 行 為 に は, 止 ま る だ けで なく, そ の 後, どう する の か, どう したい の か, 「自分 につ い て の判. 断」 が含まれているからです. 止まるという行為が反射的なものであったとしても, 危険はないか, どんな ものか, 既知のものとの照らし合わせがなされ, 自分なりの判断が下されます. 止まる行為に含まれた次へ の判断, これこそ原初的な 「最初の自己概念」 , そういっ た理解です. 「止 ま る」 こ と の 意 義 につ い て は, そ の 後 の パ ブロ フ ( l 1 P. Pav ov) の条 件 反 射 の 研 究 によ っ て, 発展 .. ) 有名な犬を使っての実験がそれです 新奇刺激に対して動きを止めることを 彼は 《定位 されました8 , , . . 「 反射》 と名付けました. 音に対して 何だろう」 と定位できたが故に, 犬は, 次に肉片が出されるというこ とを学習できたのでした. 止まることにより学習が成立する, この 点で は, セ ガ ンも パ ブ ロ フ も 同 じで す. が, 「最初 の 自 己 概 念」 と い う と き, 「どう す る の か」 , 「どう した い の か」, そ の 人 にお ける 次 へ の 判 断 に重. きが置かれています. 反射的にしろ次への判断に, 自発的で能動的な意志の萌芽があることを, セガンは見 出しているのです. パブロフのそれが動物であったのに対し, セガンのそれは人間で, しかも 「どうしたい のか」 , 意志の弱いとされる白痴の子どもたちであっ たのです. 動物を対象とした研究が他方で, オペラン ト学習理論として 「餌付け理論」 に展開し, セガンにおける 「次への判断」 , これへの着目が, 教育理論と しての発展を約束したことに, 障害児教育に内在した本来的な質の深さを教えられます. そ れ に して も, パ ブ ロフ の 研 究 は1900年 代初 頭 です か ら, セ ガ ンのそ れ は, パ ブ ロフ の それ より60年も 早 か っ た こと になり ま す. 何 故 に, 彼 は こう した 観 点 を持 ち得 た の で し ょ う か. そ の一 つ に, 当 時 の 「骨 相 学 ) こ れ へ の批 判 が セ ガ ン を して 「止 ま る こ と」 (Phr l )」 に対 す る 批 判 を あ げる こ と が で きま す9 i eno og e , .. に着目させた, そう思われます. 「鞭」 や 「体罰」 , 「強制」 でない, 自らの能動的な判断, これこそ人間発. 14.
(6) . ) 3 E‐セガンはどのように障害児教育をはじめたのか, 初期教育実践にみる理論的再構成の優位性について(. 達 の基 礎で, どの よう に白痴 の 子 ども た ち か ら引 き 出 す こ と が で きる か, こ れ が 課題 だ っ た の で す. 1843年 3月, 第 二部 ・ 「意 志」 につ いて のま と め の と ころ で の彼 の 論 理 を要約 する と, 次 の よう になり ま す.. 白痴の子どもたちが最初から知恵遅れで, 犯罪者で, 怠け者といっ た考えはあてはまらないでしょう. 彼 らは生まれもってそうした 「脳髄」 をもっているわけではありま せん. 彼らは, それまでの生活を通じ, 能 動的たり得なかっ たのです. それゆえ, 「脳髄」 も発達できなかっ たのです. 彼らは, 犬や猫のように, ま ずは逃げることを考える生活でした. 安心して止まることができ, ゆっ たり調べるという経験を積むことが できれば, それなりの発達があったはずです‐ 自分の眼と手で確かめることができれば, 意志自体も形成さ ) Q れた にち がい ありま せ んI . in) の 権 威 を借 骨 相 学批 判 につ いて は, メ ーヌ ・ ド・ ビ ラ ン (M‐ de Bi ran) の見解 とク ザ ン (V‐ Cous り たい と, 次 の よう に言 いま す.. 「科学は, 個々の細部については疑問を差し出しますが, 原理については疑問を呈しま せん. (仮説に仮 i 説を重ねた原理とすれば, それへの検証が必要です) nt dappui) po . 骨相学は, あたかも, てこの支点 ( の よう に, 脳 の頂 点に諸能力の器官を置きます. 脳のこれら諸器官は, 下部組織に対して絶大な役割を担っ. ています. 支点が強ければ強いほど, 脳の諸器官の働きは, より活動的で, より速く, より強く, より生産 的 です. (た だ し, 仮 説 的 区 分 に従 属 さ せ た 支 点 だ と す れ ば, 話 は違 っ て きま す). ガ ル (FJ ‐ GaU) と シ ュ ブ ル ツハイ ム ( lm) に よる こ う した 生 理 学 的 仮 説 に反 対 して 別 の 理 論 を構 築 す る と す る な ら J ‐C‐ Spwzhe 78‐79 ) ば, 私 は, メ ーヌ ・ ド・ ビ ラ ンの 見解 とク ザ ンの 権 威 に助 けを求め ま す.」 (第二 部, pp ‐ ‐. 行間に, この学問の原理に対するセガ ンの疑念が惨み出ています. ( ) 内にその一端を補ってみました. 人間の諸機能を脳神経系に求めるのはよいとしても, 仮説を機械的に脳に割り当てたものに過ぎない. これ らは, ビランやクザンによりすでに論破されており, 自分としては実践に専念したい, そう言うのです‐ ビランは, 近代市民社会における 「市民」 としての形成を 「能動的な経験」 に委ねたいとする代表的な哲 ) クザンは彼に学び 「近世哲学史」 を講じるとともに かつ新しい社会の教育制度にも関心 学者でしたn , , . の F を寄 せ, 1833年 に は, 初 等 教 育 法 を起 草 しま した . ま た, レミ ュ ザ (C‐ ) が内務大 ‐M‐ de REMUSAT 1840年3月 ~10月) は, 臣と して, 本 実 践 の 開 始 をセ ガ ン に依 頼 した とき の, テ ィ エ ー ル 内 閣 の文 部大 臣 ( ク ザ ンで した. 本 実践 ・ 開始 の1841年 は, こ のク ザ ン により 『メ ーヌ ・ ド・ ビ ラ ン哲 学 著 作 集』 全 4 巻 が 編 3 ) 集・刊 行 さ れた 年 でも あり ま したi .. 彼らにおける 「骨相学」 批判の骨子は, 次の4点でした. 1) , 骨相学は, 心理的な諸機能を生理学的に脳の各部に割り当てようとするが, 不可思議な仮説の域を 出たものとは認められない. 2) , 知的な諸機能が思惟という統一的な作用のもとで実現されているであろうという内観の事実からし ても, 骨相学の割り当ては機械的であろう. 3) , この学問は, 受動的で動物的な感性と能動的で知的な諸機能とを混同し, 器質的なものを基礎とし た能動的なものの形成, たとえば, 人格への統合を観察できないであろう. 4) , この学問は, 精神的な諸機能を, 能動的な経験や自我の形成とは無縁な別の系列から仮説的に区分 ) 4 し, 従属 的 に脳 に割り 当 て たも の と 言 え よう1 .. 15.
(7) 豪 11月. 顔 にも っ ていく.. し、 ,. 様子 (第2) :最大限抵. 力.. 降り:神経的発汗. ぶら下がり:まったく無. っ て十字.. 梯子 (第1) :地面に這. て従う.. バラ ンス 棒 (投・ 受) :. 幅跳び、 垂直跳び:不可. 静止 (横一列) :かろう ダン ベル走:両手だ らっ とさせ, 決 して試 みず じて立位保持. 左足前出:バタ足対応. 歩行:真っ直ぐ歩けな し、 跳び降り:地面まで崩れ . ダ ンベ ル歩行:かろうじ 落ちてしまう,. し、 .. ニタ ニタ笑 っ てい る.. たえず神経質に,. ずんぐりして 頑丈な身体,. グル ダン, 17歳.. し, 発作な し. 右手 ・. 太強. 歩行:より規則的とな. 幅跳び、 垂直跳び:不可. 梯子:規則的に登る. 降り, 自力.. ダン ベ ル走 :もたなく て も走る.. し、 .. 本質的に進歩.. バ ラ ンス棒 (投・受) : ダンベ ル: アク セ サリ ー できる ようになる. のよう に作用, 梯子 (第1) :逃げよう バ ラ ンス棒 (投・ 受) : と猿のよう に登り, 落 下, 目線 :上手 になる. 不器用さからみれば. 歩行:真っ直ぐ歩けな. バタ足.. 左足前出:課題に対し,. 3月. 跳 び降りl m, 可. 両. 跳躍:紐跳び越え, 高い. 1時間強,. 自由走, リレー取り入 れ,.言葉掛け等効果,. 走:2番, ダンベ ル走,. し, 筋力2倍,. 足そろえ跳び. 溝掘り, 長さ3 m, 深 ダンベル:走歩跳止, 平 さ1 衡, 持ち上げ, 差し出 ,5m,. ・ シヤ ミ ノレ,. い篭, つるはし, 鋤,. 身体労働:2月1 5日再 開. 鋸, 手押し車, 負. バ ランス棒.. 身体訓練:ダンベル, 歩 歩行:横一列・静止. 姿 勢保持, 歩行運動安定 行, 走, 跳躍, 梯子,. 2月. 筋肉系, 神経系の規則 的 (共同的) な発達に 必要,. 外に出る,. 日 に3 回, 基礎集団で. 身体訓練・身体労働:. バ ラ ンス棒,. 跳び降りl m, 不可,. ダンベル:走歩跳止, 平 衡, 持ち上げ, 差し出. 健康:良好, 事故なし.. 大胆, 速い.. バ ラ ンス棒:投 げ, 受け. 面, 腕降り,. 溝掘 り, 長さ3 m, 深 し, 筋力2倍. さ1 梯子:登り背面, 下り腹 .5m.. シ ヤ ミノレ .. い篭, つる はし, 鋤,. 身体労働:2月1 5日再 掛け等効果, 1時間強 開, 鋸, 手押し車, 負 跳躍:紐跳び越え, 不可. 走: ダンベル走, 自由走 リ レー取り入れ. 言葉. 身体訓練:ダンベル, 歩 歩行、 横一列:足・左右 行, 走, 跳躍, 梯子, 動, 頭揺れ有り,. バランス棒:投, 受進歩. 健康:良好, 事故なし, 梯子:登り背面, 下り腹 面, 腕降り. バランス棒:投, 受容易 片手であそ んでいる, 身体訓練・身体労働: 身体訓練:ダンベル, 歩 歩行、 横一列:足・左右 歩行:より規則的. 行, 走, 跳躍, 梯子,\ 整列:改善, 日 に3回, 基礎集団で 動, 頭揺れ有り. バ ラ ンス棒. ダンベ ル走:もたなく て 走:マヒ考慮. ダンベル 外に出る. 走, 自由走, リ レー取 も走る. 機敏に足をあ げれる. 身体労働:2月1 5日再 り入れ. 言葉掛け等効 果, 1時間強. 開. 鋸, 手押し車, 負 筋肉系, 神経系の規則 い篭, つる はし, 鋤, 梯子:規則的に登る. シヤ ミ 的 (共同的) な発達に ノレ. 降りは, 支え必要. 跳躍:紐跳び越え, 可. 跳び降りl m, 可. 両 必要. ダンベル: アクセ サリ ー 溝掘り, 長さ3 m, 深 足そろえ跳び, さ1 のよう に作用. ダンベル:走歩跳止, 平 .5m. バランス棒 (投・受) : 衡, 持ち上げ, 差し出 し, 筋力2倍. 0回. 健康:良好, 事故なし, 投げれるが, 勇気なく 健康:月末, 発作1 胸で受ける. 外での仕事による筋肉 梯子:登り背面, 可. 下 健康:とても優しい眼差 疲労. り腹面, 腕降り, 不可. 静止 (横一列) :握り拳 ダンベル歩行:効果大, る, を口 に入 れ, 笑 っ てい かなり安定した速さで る. 整列:改善, 歩行.. 時,. 効果大, 手, あらゆる目的に, 抗. 今までまったく てんかん発作:無理に従 使 っ たことがない. わせようとした最初の 目線:上手 になる,. 両膝, 曲がっ て いる.. 胸はとてもくぼみ, 猫背,. ぼんやり している.. 口は開き, 目は不動,. でへこんでいる.. 頭, 前頭部と側頭部. し、 ,. 手足, たいへん細長. ジャックマ ン, 17歳.. 筋肉系, 神経系の規則 的 (共同的) な発達に 必要,. 外に出る,. 日 に3 回, 基礎集団で. 身体訓練・身体労働:. 1月. 梯子 (第2) :構音に効 バランス棒 (投・受) : ダンベ ル: アク セ サリ ー 果. のよう に作用. 健康:新年はじめ1週 効果大, バ ラ ンス棒 (投・ 受) : 顔色:蒼白く, 生気がな 目線:上手 になる. 間, 風邪で寝込む.. 梯子:規則的に登る, 降り, 自力.. ダンベ ル走: しっ かりも 整列:改善, っ て 一 番よく走 っ た. ダンベ ル走:もたなくて も走る, 跳び降り:とても上手.. 頭, 側頭部でへこみ, 梯子 (第1) :一段目を 幅跳び:可. 登っ たり, 降りたり. 垂直跳び:不可, わずかに梨状の形を. 歩行:真っ直ぐ歩けな. 胸, く ぼん でいる.. 左足前出:課題に対し,. 可.. している.. 12月. 静止 (横一列) :片足を ダンベル:恐怖から受け 歩行:より規則的とな る. 取る. 前に出し, 一方の手を. 手足, 細長く,. ラ ングロワ, 17歳.. 10月. 184 1 表1 - a. 不治者施療院での 身体運動に関する指導経過, 経月変化の概要 ( . .10~1842 ,3:ラ ングロワ, ジャック マ ン, グル ダン).
(8) 11月. 12月. ダンベ ル走 :も たなくて も, 走る,. 目線:上手になる,. とさせたまま,. 整列:改善.. る.. バラ ンス棒 (投・受) : ダンベル:アクセ サリー. 日 に3 回, 基礎 集団で,. 筋肉系, 神経系の規則 的 (共同的) な発達に 必要.. 筋肉系, 神経系の規則 的 (共同的) な発達に 必要.. 外に出る.. 目線:上手 になる.. 片 手で あそんでいる.. 降り, 自力, 跳び降り:勇気要. 下手 幅跳び:可, ダンベ ル:アク セ サリ ー 垂直跳び:不可, バランス棒 (投・受) : の よう に作用, バ ラ ンス棒 (投・受) : とくに効果大.. 筋肉系, 神経系の規則 的 (共同的) な発達に 必要.. 跳び降りl m, 可,. バ ラ ンス棒:投, 受進歩,. 梯子:登り背面, 下り腹 面, 腕降り,. し, 筋力2倍,. ダンベル:走歩跳止, 平 衡, 持ち上げ, 差し出. 跳び降りlm, 可,. 跳躍:紐跳び越え, 不可.. 掛け等効果, 1時間強.. 走: ダンベ ル走, 自由走, リ レー取り入 れ, 言葉. さ1 ,5m.. 跳躍:紐跳び越え, 可.. 1時間強,. れ, 言葉掛け等効果,. 梯子:登り背面, 下り腹 面, 腕降り. バランス棒:投, 受容易. 跳び降りl m, 可, 溝掘り, 長さ3 m, 深 ダンベル:走歩跳止, 平 さ1 衡, 持ち上げ, 差し出 ,5m, し, 筋力2倍,. シ ヤ ミノレ,. い篭, つるは し, 鋤,. 身体労働:2月1 5日再 開, 鋸, 手押し車, 負. 走:4番, ダンベル走, 自由走, リ レー取り入. 大胆, 速い, 歩行:横一列・静止, 姿 勢保持, 歩行運動安定. バ ラ ンス 棒:投 げ, 受 け,. 梯子:登り背面, 下り腹 面, 腕降り,. し, 筋力2倍.. ダンベル:走歩跳止, 平 衡, 持ち上げ, 差し出 溝掘り, 長さ3 m, 深. シヤ ミ ノレ.. い篭, つる はし, 鋤,. 身体労働:2月1 5日再 開, 鋸, 手押し車, 負. バ ラ ンス棒.. 身体訓練:ダンベル, 歩 歩行、 横一列:足・左右 動, 頭揺れ有り, 行, 走, 跳躍, 梯子,. 健康:良好, 事故なし.. さ1 ,5m.. 溝掘り, 長さ3m, 深. シ ヤ バミ ノレ,. い篭, つ る はし, 鋤,. 梯子 (第1) :一段目を 健康:姿勢, 目線, 顔色 健康:とても優しい眼差 健康:顔に丹毒, 3日間 健康:良好, 事故なし. しになる, 登 っ たり, 降りたり. 改善,. し、 .. 歩行:真っ直ぐ歩けな. 丈夫だが, 不器用,. 可.. 左足前出:課題に対し,. ダン ベ ル走:もたなくて さで歩行, ダン ベ ル走 : しっ かりも も走る. っ て よく走 っ た (ラ ン グロワに付く) 梯子:規則的に登る, ,. 3月. 掛け等効果, 1時間強. 5日再 身体労働:2月1 開, 鋸, 手押し車, 負 跳躍:紐跳び越え, 不可.. のように作用. できる ようになる, 梯子 (第1) :足を上げ バ ラ ンス棒 (投・ 受) : 健康:明確な原因なし ると手を降ろす, 共同 に, 1 日 だけ寝込む 健康:良好, 事故なし, 目線:上手 になる, 不器用さからみれば, 運動不可. 本質的に進歩, 降り:神経的発汗. 身体訓練:ダンベル, 歩 身体訓練・身体労働: 静止 (横一列) :握り拳 ダンベル歩行:新しい風 歩行:より規則的とな 行, 走, 跳躍, 梯子, る. 日 に3 回, 基礎集団で を口 に入れ, 笑 っ てい 采 (胸をはった) を獲 バ ラ ンス棒, 外 に出る, る. 得, かなり安定した速 整列:改善,. なる.. 左足前出:課題に対し, 跳び降り:両足, 1分以 ダンベ ル走:も たなくて バ タ足, も走る, 上の神経的震えで, 落 下. 歩行:真っ直ぐ歩けな し、 梯子:規則的に登る. . ダ ンベ ル歩行: バ タ足 に 幅跳び、 垂直跳び:不可 降り, 自力,. ス島のアポロ神のよう に両脚 を開いて立 っ て いる.. 2月. 身体訓練:ダンベ ル, 歩 歩行、 横一列:足・左右 身体訓練・身体労働: 動, 頭揺れ有り. 日 に3回, 基礎集団で, 行, 走, 跳躍, 梯子, バ ラン区棒, 走:ダンベ ル走, 自由走, 外に出る. リ レー取り入れ, 言葉. 1月. 梯子 (第2) :最大限, バランス棒肩拡げ:効果 バ ラ ンス棒 (投・ 受) : 片手であそんでいる, 大. 抵抗. 身体訓練・身体労働: 静止 (横一列) :ロー ド ダン ベ ル 走:両手だら っ 歩行:より規則的とな. による.. ダンベル歩行:右足を前 幅跳び、 垂直跳び:不可.梯子:規則的に登る. 降り, 自力, に出す, 梯子 (第1) :抵抗大. バランス棒 (投・受) : ダン ベル:アク セ サリー 効果大. 降り:神経的発汗. のように作用. ぶら下がり:抵抗, 怠惰. し、 ,. 歩行, 左足前出:課題に逆, 右 足を前出, 跳び降り:震えた状態, 歩行:真っ直ぐ歩けな. 静止 (横一列) :ロー ド ダンベル:恐怖から受け 歩行:より規則的とな る. 取る. ス島のア ポロ神のよう に両脚を開いて立 っ て ダンベ ル 歩行:効果大, かなり安定した速さで 整列:改善, いる.. 背が低い,. 太 っ て,. オーギ ュ ス ト, 14歳.. と 不可.. もっとも簡単な 身体運動も耐えるこ. 手足が細長く, 倒れそうな身体,. ラ ミ, 16歳,. 身体労働, 不可能. 動作は, 不器用,. 頭は, 小さく尖り,. 胸 は, く ぼみ,. 頑丈な体格.. ボンサー ル, 16歳.. 10月. 184 1 表1-b, 不治 者施療院での身体運動に関する指導経過, 経月変化の概要 ( . .10~1842 ,3:ボンサール, ラミ, オーギ ュス ト).
(9) 局. 体格, 良好.. アラ ン, 11歳.. 体格, 良好.. ユ ジ ェ ーヌ, 12歳.. し、 ,. 12月. 倒れる.. ダンベ ル走:両手弱く,. ≠ まし、 ,. ダンベ ル走:もた なくて も走る, も はや, 転 ば. の塊, 徐々 に金縛り か ら抜 ける. 梯子:規則的に登る. て従う, 幅跳び、 垂直跳び:不可 降りは, 支え必要, 梯子 (第1) :叫び声を バ ラ ンス棒 (投・ 受) : ダ ンベ ル:アクセ サリー 出 して逃亡. とく に効 果大, のよう に作用. 降り: 神経的汗, バ ラ ンス棒 (投・ 受) : 目線:上手 になる. ぶら下がり:抵抗, 無力 バランス樺肩拡げ:効果 自信な いが, 上手, による. 大.. し、 .. 左足前出:バタ足対応, 決 して試みない. 歩行:真っ直ぐ歩けな 跳び降り:勝着した不動. ー. さ で歩行.. る.. る,. ダンベル歩行:新しい風 整列:改善. 采 (胸をはった) を獲 ダンベ ル走:もたなくて も走る, 得. かなり安定した速. ダンベ ル:アクセ サリ ー のよう に作用. バ ラ ンス棒 (投・受) : 自信 はないが, 上手 に. く動き回る.. 取る,. る,. ぶら下がり:てんかん発 幅跳び:可, 作, 右手, 力無し, 垂直跳び:不可. 梯子 (第2) :構音に効 健康:てんかん発作一 果. 回. 薪運びの友だちと 扱う. 顔色:良くなっ てきてい ぶつかって額切る, 姿 健康:発作なし. (右手 る, 勢, 目線, 顔色改善. 太く, 強くなる) . 静止 (横一列) :休みな ダンベル:恐怖から受け 歩行:より規則的とな. ,. 梯子;規則的に登る. 梯子 (第1) :そろえ足 跳び降り:とても上手. 降り, 自力. 登り. し、 ,. 歩行:真っ直ぐ歩けな. 可.. 左足前出:課題に対し,. く動き回る.. 梯子 (第2) :発声に効 健康:姿勢, 目線, 顔色 健康:目線よくなる, 果, 最大限抵抗, 改善, 静止 (横一列) :休みな ダンベル:左手で受け取 歩行:より規則的とな. 2月. さ1 .5m,. 溝掘り, 長さ3m, 深. シ ヤ バミノレ. い篭, つるはし, 鋤,. 身体労働:2月1 5日再 開. 鋸, 手押し車, 負. ランス棒.. 健康:良好, 事故なし. さ1 .5m,. し, 筋力2倍.. り腹面, 腕 降り, 不可, バ ラ ンス棒:投 げ上手,. 梯子:登り背面, 可. 下. し, 筋力2倍.. ダンベル:走歩跳止, 平 衡, 持ち上げ, 差し出. 跳び降りl m, 可, 両 足そろえ跳び・. 跳躍:紐跳び越え, 高い,. 1時間強.. れ. 言葉掛け等効果,. 走:1番. ダンベ ル走, 自由走, リ レー取り入. 健康:月末, 発作3 0回 梯子:登り背面, 下り腹 以上, 外での仕事によ 健康:良好, 事故なし. 面, 腕降り, バ ラ ンス棒:投, 受容易 る筋肉疲労. . 身体訓練・身体労働: 身体訓練:ダンベル, 歩 歩行:横一列・静止. 姿 日 に3 回, 基礎集団で, 行, 走, 跳躍, 梯子, 勢保持, 歩行運動安定. バ 外 に出る ベ. 筋肉系, 神経系の規則 的 (共同的) な発達に 必要.. ,. 跳び降りl m, 不可,. ダンベル:走歩跳止, 平 溝掘り, 長さ3 m, 深 衡, 持ち上げ, 差し出. シ ヤ バミ ノレ.. 跳躍;紐跳び越え, 不可,. 果, 1時間強,. り入れ, 言葉掛け等効. 受け, 不可. 身体訓練・身体労働: 身体訓練:ダンベル, 歩 歩行:横一列・静止, 姿 日 に3 回, 基礎集団で, 行, 走, 跳躍, 梯子, 勢保持, 歩行運動安定, バ 外 に出る. 筋肉系, 神経系の規則 的 (共同的) な発達に 必要.. い篭, つるはし, 鋤,. 身体労働:2月1 5日再 開. 鋸, 手押し車, 負. 走, 自由走, リ レー取. 3月. 身体訓練:ダンベル, 歩 歩行、 横一列:足・左右 日 に3 回, 基礎集団で 行, 走, 跳躍, 梯子, 動, 頭揺れ有り. バ ランス棒. 外に出る. 走: マヒ考慮. ダンベ ル. 身体訓練・身体労働:. 1月. ,. ,. .. 左足前出:課題に逆, 右 ダンベル歩行:新しい風 整列:改善. ラ ンス棒. 走:3番, ダン ル走, . 足を前出, 采 (胸をはった) を獲 自由走, リ レー取り入 歩行:真っ直ぐ歩けな 得, かなり安定した速 ダンベル 走:もたなく て 身体労働:2月1 5日再 れ. 言葉掛け等効果, 、 し, さで歩行, も走る, 開, 鋸, 手押 し車, 負 1時間強, ダンベル歩行:右足を前 い篭, つるはし, 鋤, 跳躍:紐跳び越え, 可 . に出す. ダン ベ ル走:両手だ らっ 梯子:規則的に登る シ ヤ ヘミ 筋肉系, 神経系の規則 ノレ. 跳び降りl m, 可, 両 , とさせたまま. 降り, 自力. 的 (共同的) な発達に 足そろえ跳び. 梯子 (第1) :そろえ足 必要, ダンベル:走歩跳止, 平 登り, ベ 跳び降り:震えた状態, ダ ン ル:アクセサリ ー 溝掘り, 長さ3 m, 深 衡, 持ち上げ, 差し出 ぶら下がり:抵抗, 恐怖 幅跳び、 垂直跳び:不可 のよう に作用, さ1 5m. し, 筋力2倍. , . 心 による. バ ラ ンス棒 (投・受) : 梯子:登り背面, 下り腹 梯子 (第2) :発声に効 健康:姿勢, 目線, 顔色, 自信はないが, 上手 に 健康:良好, 事故無し. 面, 腕降り, とく に改善, 果, 扱う. バラ ンス棒:投, 受容易, ique de reducat U1 1 : Thもorie prat ion des enfants ar亘ereres et idi im1er trilnestre / Deuxi ots e is 1842 lne t rロロest re Par . Pr. 運動, ほとんど何もできな. n月. 静止 (横一列) ;足踏み ダンベル歩行:転ばなく 歩行:より規則的. し, 顔 を引きつ らせ, なる, 脚ま だ大 変弱い 整列:改善 .. 手足とも, 使用不可, ダ ンベ ル歩行:かろう じ. 全般的マヒ, 神経的振戦.. マ ルキ, 12歳,. 10月. 表1 - c. 不治者施療院での身体運動に関す る指導経過, 経月変化の概要 ( 184 1 ,10~1842 .3: マルキ, ユジェ ーヌ, アラン) ..
(10) . 3 ) E‐セガンはどのように障害児教育 をはじめたのか, 初期教育実践にみる理論的再構成の優位性について{. 「 「仮説 の域 を出な い」 , こう い っ , ある い は 「能 動 的 経 験 の 無視」 , 「機 械 的 な割 り 当て」, 人格 へ の統 合」. 81 1年, ビラン著 『人間の身体と精神の関係』 での指摘で, 批判と た4点が主だった論点です. これらは, 1 しては言い尽くされていたと考えられます. 批判の段階ではなく, 「器質的なものを基礎に能動的なものを ) 1 5 どのように形成するか」 , これが課題として登場していたのです . 眼前の子ども たちがどのように能動性 を発揮できるか, そのために, なによりも自分の意志で止まれるようになること, これこそが課題だったの です. 後年, 1 866年, 『白痴の子どもたち, その診断と生理学的教育方法による治療』 の 「付録・症例研究」 の冒頭部で, 彼は, 次のように言います. 「たんなる彫刻家であってはならない, 真の意味で芸術家でなけ 1 ) と 6 れ ばな らな い」 , .. 「彫刻家」 とは脳を彫像に見立てて諸機能を割り当てようとする人たちのことであり, 「真の意味の芸術 家」 と は, 子 ども に 「何 だ ろ う」 と止 ま ら せ, 調 べ さ せる こと ので き る 教 師 を指 す ので した‐. m, 優位性2, 「目と目をあわせ … 」 , 目線は自 己と他者との媒介項. セガンは言います. 「何人もの人たちの落ち着きのない神経的な過敏 が, 消失ないし著しく減少しました」 (前 掲, 要約 ・第 2), と. こ れ は, 道具 の利用 による 身 体運動 の効 果 につ い て の, セ ガ ン 自身 による ま と め )」 で す. 「怒 り っ ぽ い」 と か, 「イ ライ ラ し inn e tab道t で す. 「落 ち 着 き の な い」, 原 語 は 「イ リ タ ビ リ テ (. た」 という意味です‐ これらは, 身体運動だけで改善できるものではありま せん. おどおどしたり, きょろ きょろしたり, そうする必要のない環境 が前提です. しかも, 安心できる状況が, 彼らをして, 「面白そう だ な」 と か 「楽 しそ う だ な」 と か, 「や っ て み よう か」 と か, そ んな 気 持 ち を引 き 出さ せま す. そ こ で は,. 第一義的に, 目と目で合図したり, 励ますような関係, そんな関係 が成立していることでしょうの. そんな な か で, 子 ども は 「模 倣」 を は じめる, そ う 言う の で す. 「真 の意 味で の 芸 術 家」 と は, 目 と 目で 語 れ, 対. 人的にも, 対物的にもさまざまな模倣を引き出すことのできる教師, そういうことです. セガ ンは, こうし た関係の成立を模索しました. 「目 線 ( l eregard)」 と い う用 語 をセ ガ ン が 使 っ た の は, 本 報 告 が 最 初 で す. 原 語 ・ 「ル ガ ー ル」 は,. 「視線」 や 「眼差し」 と訳されますが, 子どもに対する励ましや 「同じ目の高さで」 といっ た内容も含めて )」 や そ の機 能 で ある 「比 使 わ れ て い ま す の で, 「目線」 と 訳 しま した. そ れま で は, 彼 は, 「目 ( ses ye x t l l 較 ( i son)」 と い う こ と ば を用 い て いま した‐ 1839年 5月 の 『私 たち が な した14ヶ月 間 の要約』 a compara. ) これらは いずれも特定の一人の子どもに対する報 8 や同年6月の 『0氏への助言』 での表現がそれです1 , . 2月20日のことでした. ピガール通り 告です‐ 複数の白痴の子どもを対象とする学校としての認可は, 同年1 の学校がそれです. この学校の設立を準備するあたりから, セガンは, 「目線」 という表現を用い始めまし た. 学校設立を応援した友人の一人, 外科医・モル プルゴ (V‐ MOI建URGO) の存在が大きかっ たようで } 表題は 『白痴 9 す. 彼は, 1 839年1 0月, 『外科医学雑誌』(7巻4号) に次のような論考を投稿しています1 . の子ども たちの教育』 ですが, 上記・セガンの二報告を彼なりに概括したものでした. ここではじめて 「目 線」 ということばが用いられました‐ 彼は, 外科医として優れていたとしても, 実践には疎い人物です‐ 彼 なりの認識, 「骨相学」 を含む当時の脳研究との対比で記述された, そう考えられます. 「暗箱 (脳)」 , 「自 己」 , 「他 者」 , 「媒介 項」 と い っ た 鍵用 語 のも と に, 彼 は, 「目線」 につ い て, 次 の よう に定 義 しま す. 「彼 ら は, 斜視 で あ っ たり, 止ま る こ となく 不 確 か に目 を滑 ら したり, ある い は比 べ る こと なく 漠 然 と 固. 19.
(11) . 藤. 井 力. 夫. 定しています. この障害は, たいへん重症です. なぜなら, これは, 《自 己 moi》 と 《他者1 1on. の最も能動的な媒介項の一つ. moi》. と. (un des intermediai t壮s ) で ある か ら で す. 両 者 にお い て 互 res les plus ac. ) はある l いにその経験を交換しあいます. ことばや身ぶりのあらゆる手がかりを助けに, 目線 ( er ega rd ものないしいくつかのものを首尾よく見つめ, 目線が目線 を導き見比べます. そして最後には, 暗箱 ( l a ) 2 0 ) が, 大 胆 にま と めま す.」 chamQbre obscwe 「自 己」 と 「他 者」 後 者 の原 語 は 「ノ ン・モ ア」 で 「自 己以 外」 とい う ことで す そ れゆ えこ れ には , . . ,. 他者だけでなく, 周りの事物も含まれます. ただし, ここでは, 目と目をあわせない, あるいは目線をそら す, こういうところに大きな問題を抱えた子どもたちだという認識が示されています. 即ち, 目と目をあわ せて微笑むような関係を他者と結ぶことができれば, それを事物にも向けるであろうが, 他者と目をあわさ ないが故に, 事物についても調べるような関係が成立しない, そうした考え方です. ここで言う, 「こと ばや身ぶりのあらゆる手がかりを助けに」 とは, 他者のことばであり, 身ぶりです. 他者と目と目をあわせ, 他者のことばや身ぶりを手助けに, 自分で見比べるとき, 事物についての認識を得 ることができる, そう言うのです. この意味で, 「目線」 は 「自己」 と 「他者」 との最も能動的な媒介項だ とするのです. 媒介項として聴覚などの諸感覚も考えられますが, 能動的という点では, 「目線」 に優るも のはない, こうした認識です. 「目線」 を媒介として調べた情報は, 最終的に 「暗箱」 で自分のものとして まとめられます. 「暗箱」 とは 「脳髄」 そのものであり, その人なりに脳のなかで整理されるとするのです. 如 何 で し ょ う か. こ こで の定 義, 即 ち, 自 己 と 他 者 と の 媒介 項 と して の 「目線」, ある い はま と め 役 と し. ての 「暗箱」 , これらには, 諸機能を機械的に割り当てようとするのではなく, 諸機能の形成それ自体を力 動的に理解しようとする基本的立場が表明されています. 本 報 告, 即 ち, 1842年3月, 6 ヶ月 間 の 実 践 を終 えた 段 階で のセ ガ ンの 叙 述 はい っ そ う 具 体 的 で す. 「目. 線」 に含まれた人間としての信頼関係や励まし, そして励ましを受けた 「暗箱」 がどのように自分のものと して情報を処理するか, これらが, 実践に裏打ちされてまとめられています. セ ガ ン は, ま ず, 次 の2 点 を強 調 しま す.. 一つは, 一人一人の子どもに対し, 大人があらゆる注意を注ぐならば, 子どもの抵抗はそんなに頑固なも の で はな い とい う こ と. 二つ め は, 「身 ぶ り」, 「目 線」 , 「こ と ば が け」 な ど, 本 当 の 権 威 で 子 ども た ち を包. むならば, 彼らの意志を食欲のままに従わせることはなく, 人間的な感情のあるものとして, より高次なも の にする こ と がで きる と いう こと.. 励ます関係が成立していれ ば, 誰もが人間性を取り戻すことができるとするのです. なんと楽天的でしょ う. セ ガ ンは言 いま す. た だ し, こ れら は, 「試 みて みる しか方 法 の ない こ と ば」 , だ と. そ して, セ ガ ンは,. 「このことを自分に言い聞かせながら実践した」 , と. 以下, これに関する全文を紹介しましょう. 「私は, ある種の大胆さで, まったく本能的で, 動物的な彼らの意志の再生を試 みました. まずはじめに, 私は, それぞれの子どもの抵抗に対応して, すぐさまそれが何であるか, すべての子どもを捉えました (原 注, 教師が一人一人の子どもに対しあらゆる方法を集中するところでは, 子どもたちの抵抗はそれほど頑強 なものではありま せ ん). 私 は, 私 の 身ぶ り (mon geste), 目 線 (mon regard), こ と ばで の 命令 (mon ▼皿 reseau d ’ ), これら の権 威 の 網 の 目 (d ) で, 彼 ら を包 み ま した. こ れ ら は, e commandement aut odt. 優しくしたり, 弛めたりすることが容易なものです. このようにして, 私 は, ある日突然, 意志が食欲に従っ たままの行動から人間的なそれに変わるよう, 彼らに働きかけました. これは, 試みてみるしかないことば. 20.
(12) . 3 ) E・セガンはどのように障害児教育をはじめたのか, 初期教育実践にみる理論的再構成の優位性について(. ) で, こ れ 自体 を 自分 に 言い聞かせて, (cet te de加配re e・軍ression hasa rdee. 私は, 彼らの獣性を一掃し. ま した. こ れ らは, 私 な し には, 彼 らが望 ま な か っ たも ので す‐ そ して私 は, 彼 ら に次 の こ と を期 待 しま し ) ) さ せ, 確 か め (pe た‐ 即 ち, 彼 ら に 見つ め ( compar e r rcevo宜) さ せ, 見 比 べ ( r egarde r ) 79 ) さ せる とい う こと で す.」 (第 二 部, p ) さ せ, 行為 (ag ( ) さ せ, 考 え (pense d i r juge r . .. さ せ, 選ば. 何よりも本当の大人の権威, 「権威の網の目」 で子どもたちを包み込むならば, どの子 どもたちも, その 「獣性」 を一掃し, 人間的な感情を取り戻すに違いないであろうということ. ここに, セガンの叙述は力点 「 が 置 か れて い ま す. 「身 ぶり」 , 並 列 的 に書 か れて い ま す が, こ れ ら は, 目 と , 「目線」, 「こ と ばで の 命 令」. 目をあわせ, 身ぶりやことばがけで励ますならば」 というように理解するのが自然です‐ なぜなら, その前 段でセガンは次のように言っているからです. 子どもたちは, どうしてそうした 「獣性」 や 「抵抗」 を示す のか, これについて, 「教師が一人一人の子どもに対しあらゆる方法 を集中するところでは, 子どもたちの 抵抗はそれほど頑強ではない」 (同上) , と. 鞭や体罰ではなく, 「一人一人の子どもに対してあらゆる方法を集中する」 ‐ これは, 子どもの内面をしっ かりつ か む とい う こ と で あり, 「目線」 を合わ せ, 「身ぶ り」 や 「こ と ば」 で励 ま す, そ うい っ た 内容 を指 し. ます. これこそ本当の大人の 「権威」 , そういうことになります. この 「権威の網の目」 で子どもたちが包 まれたとき, 彼らは, 安心して立ち止まったり, 指示に従っ たり, 何だろうと試したり, 能動的に活動でき るようになる, そう言うのです. 「同 じ目線 で こ と ばや 身 ぶり で励 ま す」 . こ の こ と を, セ ガ ン は, 関係 の 持 ち 方 の 基 本 と しま した. こ う. した関係にある子どもなら ば, もはや逃げることを考える必要はありま せん. そこでは, 立ち止まるだけで なく, 「何だろう」 と 「目線」 を向け, 自分の手足で確かめはじめます‐ これらは, 「私なしには彼 らが望ま な か っ た も の」 で, 「暗箱」 で は, 次 の ような 関係 が成 立 して い る はず だ と しま す. 「彼 ら に見つ めさ せ, 確 か めさ せ, 見比 べ さ せ, 選 ばせ, 考 えさ せ, 行 為 さ せる とい う こ と」 (同上). こ. れらは 「暗箱」 のなかでの処理です. 「見つめ, 確かめ, 見比べる」 という知覚的な側面と, 「選び, 考え, 行為する」 という意志的な側面, これらの二つの側面が 「暗箱」 のなかで相互作用するにちがいない, そう した期待を表明しているのです‐ 「暗箱」 のなかでの弁証法的な過程, これが認識発達の基礎だとする考え方です. どうしてこのような考 えに到達したのでしょうか. 統一体における対立と同一という当時の哲学的な知見が, こうした考えを可能 1 ) 統一体としての存在物が内的な関係を強めるとき そこに 「媒介項」 としての役割 にしたと思われます2 , . が存在し, 機能しているとする考え方です. 「自己」 と 「他者」 との媒介項というときの 「目線」 , あるいは, 「知性」 , 「意志」 というときの 「活動」 がそれです幻 , 「活動」. N, 優位性3, 「まずは胸をはっ て歩ける力」 , 同 じ速さで歩く. セガンは言います. 「彼らは, 歩き, 走り, 跳び, そして幼年期にたいへん有益なさまざまな運動をはじ めま した」 (前掲, 要約 ・ 第 3), と. た だ し, ここ で の運動 は, 優 位 性 1 で 述 べた よ う に 「筋 肉系」 と して. のそれです. 余分な力が抜け, 手足 が自由に使えるための 「構造」 , これが問題です‐ 手足やこと ばの使用 を 「機能」 とすれば, 最も基本となる立ったり, 歩いたり, 座ったり, 人間の足腰としての 「構造」 が問題 となります. セガンは, 直立二足歩行に 「構造」 の基礎を求めます. 「胸をはっ て歩けること」 , 「同じ速さ で歩けること」 , これらが課題だとするのです. 彼の問題意識は, 次のようです.. 21.
(13) . 藤. 井 力. 夫. ほと ん どの 子 ども たち が, 猫背 で, 「胸 がく ぼ み (po )」 i blner ee ent r , 自 信 なく うつ ろ に, 足 を引 き ず っ て (en tramantlesj ) 歩 い て いる. こ れで は, 手足 を能 動 的 に使 える よう にはな ら ない. 少 なく と an qbes. も, 自分の手足を自分の移動のためにしっかり支持できるようになることが重要で, まずは, 胸をはってしっ かり (de se teヒ山 debout ) と 同 じ速 さ で 歩 ける (de marcher au pas ) よう にす る こ と, こ の 形 成 が 第 ) と 3 一 の 課題 で ある2 , .. ) 体格 子どもたちの 「身体」 の特徴については, 前回のセガンにおける発達診断のところで記しました教 . が 「良好」 とさ れた の は, 10人 中2 人 で, 年 齢の 若 い, 12歳 の ユ ジ ェ ーヌ と11歳の ア ラ ンだ けで す 他 は, . マ ヒ が あ っ たり, うつ むき加 減 に, 足 を引き ず っ て 歩 い て いる との こと で す. 半 数の子 ども た ち に, セ ガ ン は, 原 語 で 「ポ ワ トリ ン・ ラ ン トレ」 と 記 し, 「胸 がく ぼん で いる」 と い う こ と を問 題 と して い ま す 直立 .. 二足歩行において決定的な弱点として, 彼はこの問題を認識していました. 後で優位性4の梯子の利用のと ころでも述べますが, 手足の使用のみならず, 発声やことばの発達にとっても負に作用するであろうと, セ ガンは考えていました. ヒトと類人猿との批判的検討は, ハクスレイ (T )『自然界における人間の位置』( ) が最 18 63 .H‐ H期dey ) 直立二足歩行へのセガンの注目は特記されてしかるべきです 珍しいアフリカ 5 初だとされていますから2 , . の動物・キリンがエジプトからマルセイユ経由でフランスを縦断しパリの植物園に到着したのは, 1 827年の ) ラ マ ルク ( 6 こ と で した2 J . .B. de Lamarck) に と っ て は,. 《用不用説》 の恰好の例証でした. 1830年代に. は, 既設の比較解剖学・古生物博物館には絶滅動物の化石が陳列されはじめます. 同館はすでにフランス革 7 } また 183 命直後の植物園改編時点から併設されていたのでした2 7年には, 同キャ ンパスに 《サル園》 が . , ) これらは 道路を隔てていますが サルペ トリエール施療院とは隣接し 8 開設されるといっ た状況でした2 . , , た位置関係にありました. この意味でも, 当時の知識人にとって, 構造と機能の問題はとても熟した関心事, そう言えるでしょう. 歩行をめぐるセガンの実態把握は, とても分析的です. 一つは, 支持脚としての左足の機能についての調 査, もう一つは, 手足の相反性運動のもとでの利き手についての調査です. 左足 (支持脚) を半歩前に出す課題. まず, セガンは子どもたちに立たせ, そこから左足を一歩前に出す課題を試みます. これはとても興味深 いものです. 立っ た状態からの最初の一歩としては, 左足が自然だとするのです. 最初の一歩は半歩分の移 動で, 通常は支持脚である左足を出すのが自然だとする考え方です. 確かに階段の上り下りなど, 体勢を整 えて最初の一歩を出すとき, 半歩ということで左足から踏み出すことが多いようです. 意識すると混乱しま すが, 足の左右はそうした関係にあります. こうした点をどのように認識していたか, 彼自身の説明はあり ませんが, 実践者としてはかなりこだわった指導を展開しています. 当時の歩兵訓練のあり方が一定に反映 されている, そう考えるのが自然かも知れません脚 「私は彼らに歩かせたくて, 彼らに左足を前に出すように命じました 彼らは, 私が何を話しているか分 . からず, 私 が何を言いたいのかさえも, 分かりません. 彼らは, 腕も同じく取り違えます.」 (第一部, p ) ‐7‐ セガンは, 出してほしくない足, 即ち, 右足に自分の足を添えてまで指導しています. 一週間, 指導した 後 の 結果 は次 の よう な 状 態 で した‐ 正 しく 左足 をだ せた の は, ラ ン グロ ワ, ユ ジ ェ ーヌ, オ ー ギ ュ ス トの3 人, 反 対 の 右足 を出 した の は, アラ ンと ボ ンサー ルの 2 人, 他 のラ ミ ー, ジ ャ ッ ク マ ン, グル ダ ン, マ ル キ. 22.
(14) . ) 3 E‐セガンはどのように障害児教育をはじめたのか, 初期教育実践にみる理論的再構成の優 位性について(. の4人は, 両足をばたつかせ, この内, 最後のマルキ は, 毎回, つまずくか, 転ぶかしたとのことです. ある物を右手 (利き手) で拾う課題, 三項関係の導入. もう一つの課題は, 利き手, ここでは右手がどっちなのか出させようとする試みです. 子どもたちは意味 がわかりません. それで, セガンは, ある物を床に置き, それを彼らが どちらの手で拾うかというやり方で 検査します. これは, 教師と子どもとの間に媒介項を置く, 三項関係の導入です. 二人の間に共通の媒介項 を置くことによって, 子 ども自身が自発的に行動しやすくなるというのです. 指導側から言えば, 第三項の 導入 によ っ て, 「目と 目 をあわ せ, こと ばや 身ぶり で励 ま す」 , こう い う 関係 を作り や すい とい う こと になり. ます. 「私 は, あ る物 (un ob ) を地面に置きました‐ 少しばかり抵抗しましたが, 私は, 彼らにそれを拾わ t j e. せました. このように, 彼らと私, 私たちが有益な関係に入ることを手がかりに, 私は, 彼らに気づ かれる ことなく, 最初の情報を得ました.」 (同上) 如何でしょうか. 支持脚の機能と利き手の分化. これらの調査は, 手足が自分のものとして使 えるものに なっているかどうか, 構造と機能の問題を具体的に把握する 一助となっています. 「最初の情報」 とは, 物 を媒介とした関係のもち方, その水準についての言及でもあります。 これらの何気ない取り組みに, セガン における深い洞察を感じます. ダ ン ベ ル を持 っ て の 歩 行, 余 分 な 力 を抜 く と いう こ と. で は, セ ガ ン は歩 行 を どの よう に し っ かり した も の に増 強 しよう と した の で し ょ う か. 彼 は, 子 ども た ち. にダンベルを持たせて歩かせました. 猫背で胸がくぼんでいる状態から胸を立て, ある速さでしっ かりと歩 )」 と 記 して い ま す が, 11月 か ら は かさ せる た め には, とても よ い方 法 で す. 10月 の 段 階で は 「分 銅 ( ids po 「ダ ン ベ ル (dombenes )」 と 明記 し, イ ギリ ス で 使 わ れ て い る も の を借用 した と して い ま す. 重 さ は, 3 キ ). こ れ らの 利用 は, 把 持 要 領 の 22 ロ グ ラム か ら 4 キロ グ ラ ム のも の を使用 した と の こ と で す (第 一 部, p‐ ‐. 学習のみならず, 頚や肩から余分な力を抜かせることに効果したものと判断されます. 「平衡感 覚の欠如 に対 して, 私 は, バ ラ ンス 棒の よう に, 両手 に作用 する よう工夫 した 重た い分銅 ( l o t甘ds ) をも た せま した. 私 は, 動 か さ な い で ほ しい方 の足 (右 足) の 上 に, 私 の足 を添 えて, 不 完 全 な 左 ids po. 右の概念を補い, 他方の足に, 私は叫びました. 歩け!と. 全員, もののみ ごと に, 失敗しました. 私は, 身ぶりの素早さと, 目線とこと ばの権威により, それを導きました. 彼らは, 彼らの重荷 ( l 1x) emsfardeat を手放し, 私は, それらを拾います. 彼らが, 足を取り違えますと, 私は, それらを置き換えます ….」 (第一 部, p ) .8.. 歩くときのみならず, 走るとき, 跳躍動作のときなど, セガ ンは両手にダンベルを持たせたとのことです. 2 ヶ月 間 の練習 で, 子 ども た ち は次 の よう に変 化 した と の こ と で す. 「オ ー ギ ュ ス ト, ユ ジ ェ ー ヌ, アラ ンはま っ たく 新 しい風 采 (w・ e prestance toute nouveue), 胸 を は っ. て歩けるようになり」, 「脚がたいへん弱いマルキを除いて, ほぼ全員が, それなりに安定した同じ速さ (passablement au pas ) ) で 歩 ける よう になり ま した.」 (第 一 部, p 23 ‐ ‐. 23.
(15) . 藤. 井. 力. 夫. 子 どもたちは, 何かを頼まれると誇りに思うようです. 「あっちの○○先生のところまで持って行ってね」 , 「走ったらダメだよ」 , 「同じ速さでね」 , と具体的に指示しますと, 子どもたちは嬉しく誇りに思って歩いて くれます. つい足早になりますが, 「ゆっくり, ゆっくり」 と声がけすれば, 同じ速さを持続しようと試み ます. 私の経験でも, 明らかにこれは, ダンベルという媒介項の作用による効果です. 同じ速さで歩く, 手足の共同運動に習慣をつけるということ. セガン自身は, 二つの効果を挙げます. 「目的 ( )」 ということばを使っていますが, そうした効果 l t e bu を期待したということです. 手足の共同運動を増強するという直接の効果だけでなく, ダンベルという媒介 項を通じ, 大人に従ってみるという子どもたちにとってのはじめての経験, これを体験させることができた と言うのです. 「こ の訓 練 は, 互 い に他 の 支 点 と な る 手 足 ( l es membres qm. int d’appui a tous les servent de po. ) に習 慣 をつ ける と い う 表 面 上 の 目的 だ けで は あり ま せ ん. 即 ち, 足 を引 き ず っ て い る 子 ども, 病 aut or es. 弱な子ども, 落ち込んだ子ども, 何もしない子ども, 何もできない子ども, 律動的に動ける子どもまでの, 子どもたちの身体をしっ かりさせるためのみならず, 最も規則的で, 最も必要な機能, ロコモーショ ンの訓 ), 即 ち 《彼らにとっ て体験したことのない 練 に よ っ て, こ の 子 ども た ち に従 う と い う こ と ( robe i ss z u l ce ) こと》 を教えるという特別な目的をもっています.」 (第一部, p .8. 「互いに他の支点となる手足」 , 即ち, 右手と左足, 左手と右足, こういった左右相反的な共同運動とし ての神経支配, 負荷としてダンベルを持たせたことにより, 肩の余分な力が抜け, 結果として, 上肢が下肢 の運動に連動して, 左右相反的な関係が増強されるとするのです. こうした共同運動の増強は, 他方の大人 に対する信頼関係, 安心した関係のなかで成立し, 結果としてさまざまな試みが挑戦できるとするのです. 共同運動の増強と信頼関係の増強, 両者が同時に増強されるとするのです. 寝返り, 膝這い, つかまり立ち, 歩行, さらにはスキッ プ動作まで, 運動発達の背景にあった関係発達が, 見事に表現されています.. V, おわりに 以上, セガンは実践の理論的再構成をどのように進めたのか, まずは, 「イモビリティ」 への着目と共同 運動の増強, 理論的再構成にあたっ てこうした観点を持ち得たことの優位性について明らかにしてきました. 1) , セガ ンは, 6 ヶ月 の実践を振り返っ て, 道具を使っ ての身体運動の効果から, 大人のなかでの手仕 事の開始まで, 実践による成果を全部で1 1点あげます. 子どもたちに必要な手だて・内容を順番に工夫して いったその結果としてのもので, そこに螺旋的な発展が約束されていた, と解することができるものでした. 2) , セガンは, 何よりも自らの意志で止まれるようになることが大事だとしました. 「イモ ビリティ」 へ の着目がそれです. 身体運動における 「道具」 の利用は, 「筋力」 ではなく, 「筋肉系」 の増強, 即ち, 余分 な力が抜け, 何だろうと止まったときに, 手足を自分のものとして使える, これにあるとしました. 3) , 神経的な過敏は, 身体運動だけではなく, 安心できる関係が大事だとしました. 目と目が合って微 笑む, 互いに励ますような関係で, そこでの 「目線」 は 「自己」 と 「他者」 との媒介項として機能し, 「模 倣」 へと向かわせるとしました. 媒介項を通じての 「暗箱」 での既知との照合は, 骨相学批判でもありまし た.. 24.
関連したドキュメント
私たちの行動には 5W1H
仏像に対する知識は、これまでの学校教育では必
「教育とは,発達しつつある個人のなかに 主観的な文化を展開させようとする文化活動
実際, クラス C の多様体については, ここでは 詳細には述べないが, 代数 reduction をはじめ類似のいくつかの方法を 組み合わせてその構造を組織的に研究することができる
手動のレバーを押して津波がどのようにして起きるかを観察 することができます。シミュレーターの前には、 「地図で見る日本
遠くに住んでいる、家に入られることに抵抗感があるなどの 療養中の子どもへの直接支援の難しさを、 IT という手段を使えば
基準の電力は,原則として次のいずれかを基準として決定するも
今日のセミナーは、人生の最終ステージまで芸術の力 でイキイキと生き抜くことができる社会をどのようにつ