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Title
№10:充実型および中空型ジルコニアインプラントに
おける疲労強度の比較検討
Author(s)
飯島, 典子; 本間, 慎也; 矢島, 安朝
Journal
歯科学報, 119(3): 237-237
URL
http://hdl.handle.net/10130/4928
Right
Description
目的:二重冠を支台装置として用いた義歯は,比較 的長期に使用できることが報告されている。しか し,10年以上追跡した報告は少ない。そこで,本研 究の目的は,残存歯をすべて二重冠の支台装置とし て取り込んだ義歯および支台歯についての生存率を 長期に調査することとした。 方法:本研究は,後向きコホート研究である。調査 は,あるスタディグループに参加している42歯科医 院に依頼した。調査期間は2018年1∼6月であっ た。対象者はその期間に来院した40歳以上の患者で ある。対象ケースは,少なくとも片顎の残存歯をす べて取り込んで,かつ二重冠を支台装置とした可撤 性の義歯とした。また,各医院で製作したもので, 装着後3年以上経過し,メインテナンスを年に1回 以上受診しているケースとした。義歯のエンドポイ ントは再製作,支台歯は歯の喪失とした。 結果:37歯科医院から41∼87歳の174人(男性:58 人,女性116人)で213(上顎133,下顎80)ケ ー ス および1,030本の支台歯の報告が得られた。平均の 観察期間は152.9か月であった。カプランマイヤー 法での義歯の生存率は,120か月で94.7%,240か月 で70.8%であった。推定平均残存期間は325.7か月 であった。従属変数を義歯の再製作としたコックス 比例ハザード分析では,アイヒナーの A∼B3のグ ループが B4∼C のグループより(ハザード比: 2.81)再製作が多かった。一方,性別,年齢,上下 顎および支台歯数では差はみられなかった。義歯の 再製作の主な理由は,支台歯の喪失であった。支台 歯の生存率は120か月で83.8%,240か月で66.3%で あった。コックス比例ハザード分析で次の6要因, 男性(ハザード比:1.76),65∼89歳群(ハザード 比:1.51),臼歯(ハザード比:1.60),対顎の現在 歯数がより多い場合(ハザード比:1.69),内冠の 高さを通常より低くしたショートコーピング(オッ ズ:2.28),および支台歯数が少ない群(ハザード 比:1.76)が支台歯の喪失のリスク因子であった。 考察:アイヒナーの A∼B3のグループの方が再製 作が多かった。義歯の再製作には,費用や時間等が かかるので,そのような点もエンドポイントに影響 を与えることが考えられる。しかし,本調査結果か ら,このタイプの義歯は,適応症であれば20年以上 使用できることが期待できる。 目的:現在,ワンピースジルコニアインプラントの 強度はチタンインプラントに匹敵すると報告されて いるが,ツーピースジルコニアインプラントに関す る力学的研究は極めて少ない。そこで本研究は,ワ ンピースジルコニアインプラントを想定した充実型 ジルコニアインプラント(Solid:S)に対し,ツー ピースジルコニアインプラントを想定した中空型ジ ルコニアインプラント(Hollow:H)の厚さを変え て静的強度および疲労強度の比較検討を目的とし た。 方法:試料は熱間等方圧加圧(HIP)処理された Y-TZP を用い,長さ17mm の円柱形とした。Solid 群は直径4.0mm(以下 S4群)とし,Hollow 群は インプラント体の厚みを変えた直径4.0mm/内径 3.0mm(以下 H4群),直径4.5mm/内径3.0mm (以下 H4.5群),直径5.0mm/内径3.0mm(以下 H5群)とした。試料数は各群25本とし,すべての 試料表面にサンドブラストおよびエッチング処理を 施し,次に ISO14801に準拠し静的破壊試験(AG-1, 島津),疲労破壊試験(EHF-FD05,島津)を行い, 破壊荷重値を計測した。試験後に破壊様式の観察と 破断面の SEM 観察(SU6600,日立)を行った。 結果:静的破壊荷重値の平均値は,S4群2,550± 210N,H4群1,000±117N,H4.5群2,092±225N, H5群3,402±119N であり各々有意差が認められ た。疲労破壊荷重値の平均値は,S4群1,351±140 N,H4群445±55 N,H4.5群1,004±92 N,H5群 1,395±170N であり,S4群と H5群は,同程度の 疲労強度を有することが確認できた。 考察:前歯部の咬合力は60∼360N,臼歯部では237 ∼850N という研究報告があることから,S4群, H4.5群,H5群は前歯部および臼歯部に適応可能で あり,H4群は,前歯部のみに適応であるといえ る。また,S4群と H5群の疲労破壊荷重値が近似 していることから,中空型ジルコニアインプラント が充実型ジルコニアインプラントの S4群と同程度 の強度を有するには,インプラント体の厚さを1.0 mm(H5群)確保する必要があり,さらに,臼歯 部に中空型ジルコニアインプラントを使用する場合 は最低でもおよそ0.75mm の厚さが必要だと示唆 された。