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第 64 回神奈川腎炎研究会 液検査所 症例49歳男性 算 現病歴 7年前から糖尿病 糖尿病性網膜症 圧を指摘され 近医 で内服加療を受けていた 3か 前から下肢の浮腫を 覚し 徐々に全 の浮腫が増悪し たため当院受診した 体重は浮腫発症前は95kgであったが 123kgに増加していた 1か 前は尿

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症  例

症 例:49歳男性。7年前から糖尿病,2年 前から高血圧を指摘され,近医で内服加療を受 けていた。1年前に測定した体重は102kgと肥 満であった。X-1年の年末に下肢の浮腫を自覚 しX年2月23日に全身浮腫のため当院受診, 123kgに体重増加していた。血清Alb 2.2g/dl, 尿蛋白 6.13g/gCrの所見を認めネフローゼ症候 群の診断で入院加療となる。3年前に糖尿病性 網膜症を指摘されており,重度の肥満があった ことから糖尿病性腎症や肥満関連腎症の可能性 が高いと考えられ,塩分制限,フロセミドで経 過観察とした。3月12日頃より尿量の減少を認 め,血清Crは2.25mg/dl(←入院時1.16 )に上昇。 乏尿となったため3月20日に腎生検を施行し た。光顕所見で,メサンギウム基質の拡大と細 胞増殖,糸球体基底膜の中等度肥厚を認めた。 電顕所見で,高度な足突起消失を認めた。糖尿 病性腎症に準ずる所見として経過観察していた が急性腎障害は進行し血清Cr は10.69mg/dl, 血清BUNは 120.3mg/dlまで上昇した。微小変 化型ネフローゼ症候群を合併している可能性を 考え4月25日にステロイドパルス療法を施行。 ステロイド治療は著効し血清Cr1.48mg/dl,尿 蛋白0.51g/gCrまで改善し浮腫も軽快した。 問題点: 糖尿病性腎症の経過としては,比較的急激に ネフローゼ症候群に進展した。 足突起消失の程度は高度で有り,糖尿病性腎 症の影響のみならず,微小変化型ネフローゼ症 候群の合併ととらえて良いでしょうか? (1聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 (2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院 腎臓・高血圧内科

糖尿病性腎症のネフローゼ症候群に

ステロイド治療を施行した一例

北 見 美 穂

1

  市 川 大 介

1

  末 木 志 奈

1

長 沼   司

1

  音 羽 孝 則

1

  川 田 貴 章

1

佐 藤 浩 司

1

  岡 田 絵 里

1

  柴 垣 有 吾

1

白 井 小百合

2

  小 池 淳 樹

3 病理コメンテータ

  山 口   裕

4

  城   謙 輔

5 Key Word:微小変化型ネフローゼ症候群,糖尿病性ネフロー ゼ症候群,足突起消失

(2)

図 6 0 2 4 6 8 10 12 0 5 10 15 25 30 40 60 70 80 90 100110120130140150160170180190 ⾎清クレアチニン (mg/dl) 尿蛋⽩ (g/gCR)⼊院後経過】 0.5g PSL60mg 120.4kg 96.1kg 73.5kg 病⽇ 9塩分制限、フロセミド治療で体液コントロールを⾏い蛋⽩尿 が軽快しないか経過観察をしていた。 z肥満や糖尿病の既往で糖尿病性網膜症の指摘 もあることから糖尿病性ネフローゼ症候群が まず第⼀に考えられた。 z⽐較的急激にネフローゼ症候群を発症したた め、⼀次性ネフローゼ症候群の合併の可能性 が考えられた。 →腎⽣検を考慮したが、重度の肥満であり腎⽣ 検は容易でなくリスクが⾼いと考えられた。 腎⽣検 第25病⽇ ⼊院第18病⽇ごろよりフロセミドに反応不良、 Cr 2.25mg/dlまで上昇し蛋⽩尿の軽快は認めな かった →⼊院第25病⽇にリスクを説明して腎⽣検を施⾏ 9塩分制限、フロセミド治療で体液コント ロールを⾏い蛋⽩尿や体液過剰の改善を期 待して経過観察。 図 5

画像所⾒

腹⽔(+) 腎の⼤きさは⽐較的保たれるが、辺縁は不整 肥満で⽪下脂肪が厚い 図 4 WBC 6200 103/μL RBC 466 103/μL Hb 15.5 g/dL Ht 46.4 % Plt 229 ×104/μL PT 93% % APTT 40.5 sec Dダイマー 4.4 μg/ml 【⾎液検査所⾒】 【⾎算】 【⽣化学】 TP 5.1 g/dL alb 2.2 g/dL T-Bil 0.4 mg/dL AST 69 U/L ALT 55 U/L γーGTP 525 U/L CPK 219 U/L Cr 1.16 mg/dL GFR 54.0 ml/min UN 22.0 mg/dL 【凝固】 【⽣化学】 尿酸 6.1 mg/dL Na 129 mEq/l K 5.1 mEq/l Cl 95 mEq/l Ca 9.9 mg/dL P 3.3 mg/dL CRP 0.06 mg/dL T-c 289 mg/dL HDL-c 82 mg/dL LDL-c 168 mg/dL HbA1c 6.2 % ⾎糖 139 mg/dL BNP 38.2 pg/ml TP抗体 - RPR - HCV抗体 - HBs抗原 - C3 108 mg/dL C4 24 mg/dL CH50 44.1 U/mL IgA 413 mg/dL IgG 726 mg/dL IgM 94 mg/dL MPO-ANCA <1.0 U/ml PR3-ANCA <1.0 U/ml 抗GBM抗体 <10 U/m 免疫電気泳動M蛋⽩(-) 【免疫学的検査】

【尿検査】

⽐重 1.021 pH 6.5 蛋⽩定性 4+ 潜⾎ 2+ 尿沈査 ⾚⾎球 5〜9 /HPF ⽩⾎球 5〜9 /HPF 硝⼦円柱 + 上⽪円柱 + 脂肪円柱 + 顆粒円柱 + 尿蛋⽩ 6.21 g/gCr 1⽇尿蛋⽩ 8.4 g/day 蛋⽩分画 A/G⽐ 5.7 アルブミン 76.1 % α1G 5.7 % α2G 3.8 % βーG 9.2 % γーG 5.2 % NAG 115.6 U/L 免疫電気泳動M蛋⽩(-) 図 3 【既往】 2007年 糖尿病網膜症(レーザー治療) 2型糖尿病(インスリン使⽤) ⾼⾎圧 睡眠時無呼吸症候群(CPAP使⽤中) 【家族歴】 叔⽗;糖尿病 弟;⼼筋梗塞 【⽣活歴】 喫煙;40本×30年 飲酒;焼酎3合 週5〜6⽇ 【内服】 フロセミド 40mg トルバプタン 15mg アムロジピン 5mg アジルサルタン 40mg ピオグリタゾン 15mg ミチグリニド 30mg ボグリボース 0.9mg •ここ数年間変化なし 【現症】 ⾝⻑ 169.4cm 体重 122.7kg(浮腫発症以前は95kg) 体温 36.8℃ 脈拍 98bpm ⾎圧 122/80mmHg 頭頸部:表在リンパ節触知せず、甲状腺腫脹なし 胸部:⼼⾳、呼吸⾳ 異常所⾒なし 腹部:圧痛なし 四肢:両側上下肢に⾼度の圧痕を残す浮腫あり 陰嚢陰茎浮腫あり、紫斑など⽪湿疹なし 図 2 症例49歳男性 【現病歴】 7年前から糖尿病、糖尿病性網膜症、⾼⾎圧を指摘され、近医 で内服加療を受けていた。 3か⽉前から下肢の浮腫を⾃覚し、徐々に全⾝の浮腫が増悪し たため当院受診した。体重は浮腫発症前は95kgであったが、 123kgに増加していた。1か⽉前は尿蛋⽩の指摘はなかったが、 尿蛋⽩ 6.13g/gCrの所⾒を認めた。⾎清Alb 2.2g/dlでありネフ ローゼ症候群の診断となり同⽇⼊院となった。 図 1

(3)

図 12 図 11 【電顕所⾒】 びまん性の⾜突起消失。 係蹄障害の乏しい部分に⾜突起の消失を広範に認める。 免疫複合体の沈着を認めない。 図 10 【免疫蛍光所⾒】

IgG IgA IgM C1q

C3 Fib κ λ IgG 線状陽性(基底膜) C3 弱陽性(尿細管基底膜) ⼩葉間動脈 線維性内膜肥厚 中等度 細動脈 硝⼦化 軽度 図 9 中等度から⾼度のメサンギウム領域拡⼤ 中等度のメサンギウム細胞増殖。 ⼀部にメサンギウム結節の形成 管内細胞増多(-)半⽉体形成(-) 図 8

【病理所⾒】

z⽷球体:28個 z球状⽷球体硬化:6個 尿細管は地図状の尿細管 萎縮と間質線維化、軽度 の炎症細胞浸潤が認めら れた。 図 7

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図 16 【病理医の先⽣にお聞きしたいこと】 この症例におきまして、 ⾜突起消失の所⾒は、糖尿病性腎症によるものでなく微 ⼩変化型ネフローゼ症候群によるものであると病理所⾒ から述べることは可能でしょうか? 2型DM患者においてDMNとNon-DMNを 臨床徴候で鑑別するMeta-analysis 網膜症、罹病期間、SBP,DBPはDM群で有意に⾼い。 PLoS One. 2013; 8: e64184.

図 15

糖尿病性腎症において腎⽣検施⾏した報告 ●2型DM 22⼈腎⽣検(ネフローゼ14⼈)

DM歴 0 〜 13年 (4.2 +/- 4.2)

→14⼈が他疾患(IgA 6, MN 3, MCD 3, LN 1, AIN 1) Yonsei Med J. 1999 Aug;40(4):321-6.

●2型DM 97⼈腎⽣検

DMNのみ(36.1%)、DM+他疾患(16.5%)、他疾患のみ(47.4%)

他疾患の内訳

(IgA 25.8%, MN 21.0%, MCD 12.9%, FSGS 8.1%, MPGN 6.5%) Diabetes Res Clin Pract. 2005;69:237-42.

他疾患の報告は⽐較的多い。 図 14 0 2 4 6 8 10 12 0 5 10 15 25 30 40 60 70 80 90 100110120130140150160170180190 ⾎清クレアチニン (mg/dl) 尿蛋⽩ (g/gCR) 腎⽣検 第25病⽇ mPSL 0.5g PSL60mg 体重 (kg) 122.7kg 120.4kg 96.1kg 73.5kg 病⽇ 【治療経過】 図 13

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能低下を認めておりました。その他については, 総コレステロールとLDLコレステロールの上 昇を認めておりました。  免疫学的検査については,IgGが軽度低下を 認めております。  次に画像所見です。腹部CTを施行しており まして,腹水が認められております。腎の大き さについては,比較的保たれておりましたが, 辺縁は不正の状態でした。  入院後経過です。肥満や糖尿病の既往で,糖 尿病性網膜症の指摘もあることから,糖尿病性 ネフローゼ症候群がまず第一に考えられまし た。比較的急激にネフローゼ症候群を発症した ため,一次性ネフローゼ症候群の合併の可能性 が考えられました。  腎生検を考慮したのですが,重度の肥満が あったため,リスクが高いと判断をして,塩分 制限,フロセミド治療で体液コントロールを行 い,経過観察しておりました。  その後,入院18病日目より,フロセミドに 反応不良,クレアチニンが2.25mg/dlまで上昇 しまして,蛋白尿についても軽快を認めなかっ たため,入院25病日目に腎生検を施行してお ります。  次に病理所見です。糸球体28個のうち,6個 が球状糸球体硬化の状態でした。尿細管は地図 状の尿細管萎縮と間質線維化,軽度の炎症細胞 の浸潤が認められました。  光顕の所見では,中等度から高度のmesangi-um領域の拡大と,中等度のmesangium細胞の 増殖が認められました。また,一部にmesangi-um結節の形成が認められました。管内細胞増 多や半月体の形成は認められませんでした。小 葉間動脈については,線維性の内膜肥厚が中等 度認められました。細動脈については,少子化 が軽度認められる所見となっておりました。  次に免疫蛍光所見です。IgGが基底膜上に腺 状陽性となっておりまして,C3については, 尿細管基底膜に弱陽性の所見でした。  次に電顕所見です。びまん性の足突起消失が

討  論

北見 それではお願いいたします。  症例は49歳の男性で,現病歴ですが,7年前 から糖尿病,糖尿病性網膜症,高血圧を指摘さ れまして,近医で内服加療を受けておりました。 3カ月前から,下肢の浮腫を自覚しまして,徐々 に全身の浮腫が増悪したため,当院受診をしま した。  体重は浮腫発症前は,95kgでありましたが, 受診時は123kgまで増加しておりました。1カ 月前までは,尿蛋白の指摘はありませんでした が,来院時は尿蛋白が6.13g/gCrの所見を認め ておりました。血清アルブミンについては, 2.2mg/dlであり,ネフローゼ症候群の診断とな り,同日入院となりました。  既往については,2007年に糖尿病網膜症で レーザー加療をされておりまして,その以前か ら2型糖尿病を指摘されまして,インスリン加 療を行っておりました。また同時期に高血圧と 指摘されております。  家族歴,生活歴については,ご覧のとおりと なっております。  内服については利尿剤と降圧剤,あとは血糖 降下薬を内服されておりました。   次 に 現 症 で す。 身 長169.4cm, 体 重 が 122.7kg,浮腫発症以前は95kg程度でした。身 体所見としては,両側上下肢に高度の圧痕を残 す浮腫がありまして,陰嚢,陰茎の浮腫が著明 に認められました。  尿検査所見では,尿蛋白が6.21g/gCr,1日尿 蛋白量は8.4g程度でした。こちらについてはア ルブミン優位な蛋白尿の所見でした。その他と しては,NAGが上昇を認めておりまして,M 蛋白は陰性でした。  次に血液検査所見ですが,血算・凝固は異常 所見なく,生化学については,総蛋白,アルブ ミンが著明な低下を認めておりました。肝酵素 についても,上昇しておりまして,クレアチニ ンについては,1.16,GFRは54.0と軽度の腎機

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座長 はい。ありがとうございました。それで は,まず臨床の面からご質問,ご討議等をお願 いいたします。いかがでしょうか。城先生。 城 腎生検の後,迷っているうちにクレアチニ ンがどんどん上がってきましたよね。例えば, MCNSでも水の制限をすることでクレアチニン がどんどん上がってくることがありますよね。 この病態の可能性を,先生はどういうふうに考 えておられますか。 北見 こちらについては,当初,ラシックスを 80mg程度まで上げていたのですが,クレアチ ニンの上昇に伴いまして,20mg程度まで漸減 してみていって,それにも全く反応不良という 経過だったので,こちらについては,あまり利 尿剤による影響と捉えておりませんでした。 座長 ほかにいかがでしょうか。  この方は,微小変化型ネフローゼ症候群を合 併したと考えていらっしゃると思うのですけれ ども,アレルギー疾患が微小変化型ネフローゼ 症候群と合併することがあるかと思うのです が,いかがでしょうか。 北見 特にこの方の場合は,アレルギー疾患は なく,入院時に検査した結果でも,特にそのよ うな所見はありませんでした。 座長 例えば,花粉症やRASTの検査は特にさ れてはいらっしゃらないですか。 北見 そちらについてはやってはいないのです が,問診上はアレルギーがあるというお話はさ れていないです。 座長 はい。ほかにいかがでしょうか。なかな か腎生検だけで鑑別するのが難しそうな症例で はありますけれども,よろしいでしょうか。病 理の先生から,ご意見を伺いたいと思いますの で,よろしくお願いいたします。 山口 【スライド01】糖尿病性腎症にMCNSが 合併するのは,われわれも時々経験するわけで, ペーパーにもなっていて,ステロイド治療をす るとよくなる。急性腎不全,anasarcaになって いますので恐らくprerenalな障害の可能性で す。 認められまして,係蹄障害の乏しい部分にも, 足突起の消失を広範に認めております。免疫複 合体の沈着は認めませんでした。  こちらが拡大図になっております。  治療経過です。腎生検の結果は足突起の消失 が高度で,微小変化型ネフローゼ症候群を合併 している可能性が考えられましたが,糖尿病性 腎症の組織像もはっきりと確認されていたた め,糖尿病性腎症によるネフローゼ症候群と考 えまして,経過観察しておりました。  第40病日以降,徐々にクレアチニンが上昇 しまして,尿蛋白も高値持続し,入院第60病 日目には,クレアチニンが10.5mg/dl,BUNが 120.3mg/dlまで上昇したため,同日ステロイド パルスを500mg/dayで開始しております。後療 法は,60mg/dayとしました。治療開始後15日 ほどで,体重が96.7kgまで低下しております。 現在は,外来にてフォローしておりますが,プ レドニン10mg内服中でして,クレアチニンが 0.94,尿蛋白は0.3g程度の状態を維持しており, 体重も73.5kgまで改善を認めております。  2型糖尿病患者22人に対し,腎生検を施行し た結果からは,14人が他疾患によるネフロー ゼ症候群であったことが分かっております。ま た97人の2型糖尿病患者に対しまして,腎生検 を施行した報告ではご覧のとおりとなっており まして,これらの報告からは,2型糖尿病患者 のネフローゼ症候群でもほかの疾患の合併が多 いということが分かります。  また,2型糖尿病患者において,糖尿病性腎 症とその他を,臨床症候で鑑別するmeta-analy-sisにおいて,網膜症罹病期間,血圧が糖尿病 性腎症の群で有意に高いという結果が出ており ます。  本日,病理医の先生にお聞きしたいこととし ましては,足突起消失の所見は糖尿病性腎症に よるものではなく,微小変化型ネフローゼ症候 群によるものであると病理所見から述べること は可能でしょうか。ご教示いただければ幸いで す。

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が言われたように,IgGがlinear patternに出る。 これはきれいに出て,ボーマン嚢,TBMにも。 light chain deposition diseaseと間違えるぐらい に出る場合もあります。Aも少し出ることがあ ります。これはちょっと弱いです。なぜ出るの かは,一般的には染み込みである。GBMが厚 くなりますので,そこに,電顕ではdense de-positはないのですが,染み込みであるといわ れてはいます。 【スライド14】電顕で,GBMが軽度から中等度, homogeneousに,厚くなっています。癒合性に matrixが増える。earlyな糖尿病で,一般的な criteriaはGBMの 肥 厚 で,400nmで す。 も う1 つmesangial typeもあると思います。  mesangium matrixが癒合性に拡大してくるか たちで,mesangium型も考えてもいいと思って います。

 foot process fusionが広範囲にあって,villous transformationも場所によって目立っています。 advanceな nodular type で,Kimmelstiel-Wilson diseaseといわれるネフローゼを呈してくる場 合があるのですが,その場合はfoot process fu-sionが目立たないのです。それでいて,ネフロー ゼになっています。  podocytopathyがなくても,nodular typeでad-vanceだと,ネフローゼになるのです。 【スライド15】minimal-change diseaseが,合併 し て き て い る。 軽 度 のtubular injuryが あ り, hypovolemicなprerenalな障害で,急性腎不全は 軽いと思います。以上です。 座長 ありがとうございました。城先生,お願 いいたします。 城 【スライド01】僕らは,臨床の先生が付け る表題は,患者さんの印象を臨床の先生がどう 見ていたかということを知る意味で大変参考に なります。この症例は糖尿病性腎症のネフロー ゼ症候群にステロイド治療をした症例ですが, 結果がどうだったかもう少し標題から知りたい です。 【スライド02】所見は,先ほど山口先生のとお 【スライド02】mesangiumの結節ができて,そ こに血管腔ができてきていますので,一番可能 性として,糖尿病性糸球体硬化症。そんなに大 きくはないですが,micronodular typeと思いま す。見る人が見ると,健常な尿細管のTBMも やや厚い印象を受ける場合があるようです。切 片の厚さで,判断できない場合もあります。 【スライド03】mesangiumの拡大,毛細血管腔 が増えてきて,一部はnodularで,そのnodular に孔が開いてきています。ボーマン嚢腔とのか かわりのない血管腔が。通常のMPGNでもre-modelingして,血管の孔はできてくると思いま す。 【スライド04】つぶれた糸球体もhyalinosisが主 体で,fibrin capでつぶれてきている印象です。 polar vasculosisな血管が増えている。 【スライド05】血管を共有している糸球体が, 時に目立ちます。tip lesionをつくって,この tip lesionから染み込み病変が進展するわけであ ります。 【スライド06】つぶれた糸球体も,大きなhya-linosisはsecondaryにも起こらないので,糖尿病 性の病態からつぶれてきている印象です。この JGAのところも血管が増えてきています。 【スライド07】mesangiumのmatrixが増えたと ころに血管腔が新たにできてくる。ボーマン嚢 が少し厚くなっております。 【スライド08】hyalinosisが増え,efferent側にも hyalinosisが少しある。 【スライド09】先ほど紹介しました,paratubu-lar basement membrane insudationで,近位尿細 管straight portion。insulativeな二重化が見えて くるわけで,こういう病変を見たら,DMによ る変化と言えると思います。 【スライド10】この尿細管です。本来のTBMが ここで二重化あります。近位の変化であります。 【スライド11】細動脈の硝子化もはっきりして いる。 【スライド12】二重化が目立つことです。 【スライド13】IFで時々 DMで,先ほど城先生

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【スライド09】糸球体は大きいです。 【スライド10】間質は浮腫性に拡大しています。 【スライド11】糖尿病のときの輸入輸出細動脈 の硝子肥厚が目立つことが多いですが,この症 例は軽度です。 【スライド12】polar vasculosisはあると思いま す。 【スライド13】免疫染色では糖尿病特有のIgG のlinearなperipheral patternの陽性を示し,糖尿 病性の変化であっていいと思います。 【スライド14】C3が尿細管基底膜に出てきてい ますけれども,これは非特異的で,正常でも C3が尿細管基底膜に出てまいります。 【スライド15】fibrin陽性は,糖尿病性糸球体硬 化症の特徴であるかどうか分かりませんが,こ の症例ではmesangium領域にかなり強いfibrin が出ております。 【スライド16】電顕所見ですが,糸球体基底膜 も,糖尿病性糸球体硬化症の特徴で肥厚してい る。約800μmの厚さで,lamina densaが肥厚 している。それから,mesangium matrixが拡大 している。foot process effacementが広範にあり ますが,これは糖尿病でnephroticになったとき に,必ずしもextensiveなfoot process effacement を伴いません。この症例では,糖尿病に,臨床 経過もそうですけれども,MCNSの合併してい ることを電顕でdefinitiveに診断してもいいかと 思います。 【スライド17】これは管腔の中で内皮が賦活化 して,炎症細胞も出ております。光顕で見ると, あまり管内性の変化が強いところはなかったよ うです。 【スライド18】これが最後の弱拡像ですが,こ れだけextensiveにfoot process effacementがある のは,普通の糖尿病では見られないことです。 villous transformationもあります。恐竜の背中 のようなごつごつとした突起が全くなく,平担 化しております。これはみんなMCNSの特徴 です。糖尿病性糸球体硬化症にMCNSの合併 を電顕で診断してよろしいかと思います。 りであります。糖尿病性糸球体硬化症のdiffuse typeで,この症例ではKW結節が見られません が,mesangium細胞増多があります。 【スライド03】ネフローゼ症候群を合併してい るということで,間質にかなり浮腫があります。 浮腫はMassonの染まりが,通常の青よりも薄 いということもあるのですが,毛細血管管腔が かなり拡張しています。これが浮腫の1つの証 拠になります。

【 ス ラ イ ド04】diffuse global mesangial hyper-cellularityが見られる。管腔の中の炎症はあま り目立ちません。それから,拡大したdoughnut lesionがありますし,mesangium領域の拡大し た領域にろ過面を持たない小血管がずいぶん見 られます。 【スライド05】こういうのは,私はやはり糖尿 病性糸球体硬化症の特徴だろうと思います。通 常のMPGNでメサンギウム領域が拡大してく るタイプでは,matrixが拡大しても,従来の毛 細血管をその中に巻き込んでくる動向は,見ら れません。もちろんlight chain deposition dis-easeのときにはDM腎症と同じような変化が来 ます。 【スライド06】このへんも十分に説明されまし たので,付け加えることはありません。 【スライド07】21%全節性硬化で,diffuse glob-alなmesangium細胞増多があって,ろ過面を持 たない小血管がある。 【スライド08】この症例はネフローゼ症候群が あるのですけれども,時々感染が合併して,管 内増殖病変を合併する糖尿病性糸球体硬化症が あって,それでnephroticになる症例もありま す。特に糖尿病の腎生検が5年以内で,急に nephroticになってきた場合,腎生検の適用にな るわけですけれども,そのときの1つの鑑別診 断としては,感染性の変化が加わって,管内性 細胞増多の病態が見つかって,そこで治療を始 めるという症例があります。この症例はネフ ローゼでありながら,管内性細胞増多はなかっ た。

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を,臨床と共に僕らも経験ができたということ ですね。  糖尿病のときに,臨床経過で5年たって, nodular lesionが出て,nephroticになる症例はあ るのですけれども,糖尿病の発症から5年以内 で,急激にnephroticになってきたときの1つの 鑑別診断として,こういうものがありますし, こういうものはステロイドでよく治るわけです ので,糖尿病の経過を見るときの1つの典型像 としていい症例であると思います。以上です。 座長 ありがとうございました。 竹本 すみません。JCHO(ジェイコー)東京 城東病院の竹本といいます。以前虎の門病院に いたときも,自治医大にいたときも,糖尿病性 腎症にminimal-changeを合併した例を幾つか経 験しました。糖尿病性のネフローゼというのは, 治療法がないだけに,例えば,minimal-change が合併しているのを確認して治療に結び付ける のはすごく大事なので,この症例は非常に大事 だと思うのですけれども,2つ質問があります。  1つは,Selectivity Indexはどうだったでしょ うか。糸球体の透過性で,minimal-changeだけ が唯一Selectivity Indexが非常に特徴的なので, それが分かれば,合併している場合にもmini-mal-changeが主体なのか,それとも蛋白尿の出 現に糖尿病性腎症がどれぐらいかかわっている か分かります。それが1点。  2点目は,今まで,糖尿病でminimal-change を合併しているときに,ステロイドを使うと非 常に糖がコントロールが不良になって,インス リンを使わなければいけなかったのですけれど も,この例ではどうだったですか。例えば,私 は虎の門にいるときに,シクロスポリンを使っ て血糖のコントロールなしにうまくいったので すけれども,その2点についてお教えいただけ れば幸いです。 北見 ご質問,ありがとうございます。  最初の質問については,当院では測れません。  2点目の血糖コントロールについてなのです が,本症例においてはプレドニンを開始した後 【スライド19】免疫染色ではIgGが糸球体末梢 係蹄にlinearに陽性で,IgAも少し出ていたの でしょうか。陽性です。さらにC3が輸入・輸 出細動脈の内膜に陽性。糖尿病性糸球体硬化症 にcompatibleです。 【スライド20】これはfibrinではなくて,fibro-nectinだったです。恐らく,このfibronectinも IgA腎症でも染まってきますし,糖尿病の病変 でも染まってくるので,fibronectinそのものが, それほどspecificityのある,あるいは何か診断 に役立つ染色のようには思えません。 【スライド21】IgGのTBM陽性の解釈は分かり ません。 【スライド22】糖尿病のときに糸球体基底膜が linearなのはいいです。それから,ボーマン嚢 基底膜も染まることがあります。TBMもlinear に出てきますが,糖尿病の特徴かどうか,私は よく分かりません。恐らく糖尿病にそのような 所見があってもいいのかと思いますけれども, ちょっと自信がありません。 【スライド23】糸球体基底膜の厚さは800μm あります。 【スライド24】mesangium基質の拡大。ろ過面 を持たない小血管がその中にある。 【スライド25】炎症細胞浸潤は目立たない。 【スライド26】糖尿病性糸球体硬化症で,特に diffuse typeにcompatibleです。 【スライド27】足細胞脚突起の広範な消失は MCNSの合併が疑われる。通常の硬化症では広 範な消失はない。 【スライド28】同じことの繰り返しです。微小 変化型ネフローゼ症候群の合併と診断しまし た。 【スライド29】こういう症例はよくありますし, 今回も臨床がよく経過を追えて,MCNSの合併 であるという証拠も,臨床的な経過として呈示 しておりますので,示唆的,教育的な症例だと 思います。こういう臨床経過を僕たちも体験を して,先ほどのようなfoot process effacementが 本当にMCNSの合併の所見だったということ

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られてきて,実際に腎生検を見て,どこでステ ロイドをやって戦うかどうかということになり ました。  それで,原茂子先生が当時,「これはステロ イドが効くんだ」とどんどんステロイド治療で 頑張った時期もありましたが,なかなかそう簡 単にうまくいくものではなくて,それで,この 中で,この症例がどこで効いたか,どこで判断 するか。それは,腎臓内科ではいつも悩むわけ です。ステロイド治療で頑張るかどうかです。  その場合に,私たちが持っていた症例は,そ れまでほとんど蛋白尿がなかった人が,ぼんと 10gになってしまった。これはminimal-change だということですね。  この症例の場合に,蛋白尿は5g出ていたよ うですが普段がどのぐらいだったか。例えば, 1g以下しかなかったのが,1,2カ月で5gになっ てしまったのなら,これはminimal-changeの臨 床経過だろうということですが,その前にどの ぐらいの人だったのかということです。 北見 はい。ご質問ありがとうございます。  この方の場合は,ベースにDMがありはした のですが,直近のデータで同じ2015年の1月の 段階で,特に蛋白尿の指摘がありませんでした。 これまでも,特に腎機能が低下しているとか, そのような蛋白尿の出現も全く見られていな かった方なので,2月に来院したときに急激に 発症したという方でした。 乳原 私たちは,糖尿病性腎症を,三瀬広記君 が300例ぐらいを整理して,蛋白尿の関係,ア ルブミンの関係とか,それで調べているけれど も,その中で,やはり明らかにびまん性病変が ないものをターバン分類で1と。それから,び まん性病変があるが,それが25%以下は2Aに しよう。それで,25%以上あれば2Bにしよう ということで,nodular regionが出てきたら3に しようということで,分類してまいりました。  それで,この症例は,山口先生はもしかした ら,mesangium領域の病変が25%以上になるの でしょうか。25%以下なのでしょうか。 は,インスリンの調節を適宜行って,その後は HbA1cが6.2%程度で,その後も血糖コントロー ルは良好な状態を継続しております。 城 今の質問に関連してよろしいですか。アル ブミンが2.2mg/dlですけれども,糖尿病性腎症 のときのネフローゼ症候群は,nodular lesionが あって,典型的なKimmelstiel-Wilsonからネフ ローゼになったときにアルブミンはどのぐらい 下がりますか。いかがですか,先生。 竹本 先生のおっしゃるのは糖尿病のときです か。糖尿病のときも,minimal-changeのときも, 糖尿病で非常に悪くなった場合,アルブミン1 台になることもあり得ると思います。むしろ, minimal-changeも1台になったり,最高0.8とい うこともありますけれども,minimal-changeの ほうが,もっと程度がひどいかもしれないです。 そのために,低蛋白血症になって,こんなふう に急性腎不全を起こすことが多いです。低アル ブミン血症のため間質に水が移行し循環血液量 が減って,急性腎不全を起こすというのが一般 的な理解だと思います。 城 糖尿病性糸球体硬化症のときには,低アル ブミン血症が来ますか。 竹本 来ます。そのために腹水とか,非常にコ ントロールが悪くて難渋いたします。 座長 乳原先生,どうぞ。 乳原 私は聖マリアンナの腎臓内科の皆様に, よく頑張ったと敬意を表したいと思います。  私は,ちょうど15年ぐらい前に,やはり同 じように糖尿病の方でインスリンを使っている 人が急にネフローゼ症候群となり,それが MCNSの合併と診断しステロイド治療で蛋白尿 が消失した症例を当時この会で報告した時,山 口先生が「これは組織から見ても,minimal-changeの合併だ。糖尿病性腎症と糖尿病性でな い違いは,foot process fusionがあるかないかで 決まる。糖尿病ではない」と言われて,勇気を 持ったことがあります。

 それを発表すると,同じように,これはステ ロイドの適応はあるかどうかといって患者が送

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といった要素があると思います。この方の体液 量がいかがだったかということと,城先生が先 ほどご指摘された毛細血管が拡張していると いったところが,ネフローゼ,あるいはその他 の病態で,どれぐらいが臨床的,病態的な意義 があるかといったことについて,お伺いできれ ばと思います。 市川 共同演者の市川と申します。ご質問,あ りがとうございます。  最初の腎虚血か,鬱血かに関してはおっしゃ るとおりで,最初の方の議論で先生方が虚血で prerenalだと言ってくれていたのですけれども, この方は30kgぐらいの体液量の増加があり, 本当は腎鬱血が起こっていても良かったのでは ないかと思います。それも結局,間質の浮腫, 毛細血管拡張の所見となり得ていると思いま す。 宮本 ありがとうございます。  病理の先生が毛細血管の拡張があったとご指 摘をされたので,それが今回のAKIとの関連 で,ご説明がどれぐらいできるかという点を。 城  そ う で す ね。 そ こ ら へ ん を,prerenalな acute renal failureの症例と比較したことはない のですけれども,ネフローゼの極期でもedema がなくて,毛細血管が拡張しない症例も結構あ るのです。要するに,体液の貯留と恐らく関係 があると思うのですが。ネフローゼ症候群と体 液の貯留,それからprerenalな腎不全という, そこらへんの3つの柱をどういうふうに結び付 けるかというのは,僕も分からないです。これ からの課題だと思います。  しかし,edema,毛細血管の拡張ははっきり した所見なので,何かそういう目安が,臨床の 役に立てばと思います。  prerenalなARFと実際には呼んでいるのです けれども,あるphaseではprerenalで,クレア チニンがどんどん上がっていって,それが水の 補給で,またクレアチニンが元どおりになると いうreversibleな症例があります。少し昔は, 不幸にも透析をするような症例がありました。 北見 ご質問ありがとうございました。すみま せん。 山口 2Aぐらいでいいかもしれないですね。 乳原 びまん性病変があっても25%以下ぐら いの程度だということですね。  では,2Aの人の蛋白尿は,普段どのぐらい あるかということです。三瀬君が調べたものに よりますと,何10例の症例です。そうすると, 大体平均が1.5gなのです。それで,びまん性の 病変のない1型です。ちょうど腎生検をしたと きに1型が0.8ぐらい。そのぐらいの人は,1g 以下ではびまん性病変がない。1gを超えだす とびまん性病変が出てくる。  ということは,2gを超えると,今度はびま ん性病変が25%以上になってくる。3gを超え ると,今度はnodular regionが出てくるとか, そういうかたちで,ちょうどきれいに出てきた と い う こ と で,『Nephrology Dialysis Transplantation(NDT)』には出したのです。  そういうふうに考えていくと,普段どのぐら いの蛋白尿があったのか。やはり,糖尿病性腎 症でも,私たちでも,minimal-changeの合併で はないかと送られてきたら,10g出てきて,ア ルブミンが1ぐらいしかない。でも,腎生検で nodular regionは,まるでnodularになってしまっ てびっくりするので,こんなのはステロイド治 療をするかどうかということで,一度やったこ とはあるのですけれども,効かなかった。やは りこれはなかったということですので,糖尿病 性腎症もこういうかたちで整理をしていくとい いのかなということで,コメントです。 座長 ありがとうございました。 宮本 貴重なご症例をありがとうございまし た。  2点ほどありまして,まず臨床の先生に伺い たいのですが,今回,AKIになる経過で,ラシッ クスを減らされていたと思いますが,体重その ものは多かったと思います。AKIの今の概念と しては,虚血,還流量の低下と,うっ血,すな わち静脈圧が高いことによって灌流圧が下がる

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が,例えば,係蹄壁の中で病変のない部分も, 足突起消失があったという点が,すごくMCD 様だとか,足突起消失が高度だった以外に示唆 するポイントがないかと思いまして,ありまし たら病理の先生方,お願いします。 城 足細胞脚突起の消失の他に,villous trans-formationです。また脚突起物質の増加といっ て基底膜に近いところのactin filamentが増えて くる。これらの3つが目安になっていると思い ます。  それから,MCNSの場合は,やはりall or non であり,あまりfoot process effacementが中途半 端にみられるMCNSの症例,すなわち段階的 に,3段階ぐらいに分かれるかというと,そう ではなくて,ないか,あるかのall or noだと思 います。だから,もしそれが50%ぐらいのef-facementだとすれば,これはMCNSではないで す。ほかの原因を考えなければいけない。 座長 よろしいでしょうか。では,だいぶ時間 も過ぎましたので,こちらで終了させていただ きます。先生,ありがとうございました。以上 をもちまして演題発表2のセッションを終わり たいと思います。ありがとうございました。 しかし,当然これは透析を離脱します。離脱し た後にどうだったかなと思って,biopsyをして くる症例を時々見ることがあります。そういう ときは遠位尿細管にかなり硬いcastがたまって おりまして,これは透析を経由して,腎機能が 元に戻った後も,そういう硬いhyaline castが 残っているのが,biopsyによるprerenal ARFの 証明になるのかなと私は思っています。  そういうものをcast nephropathy,light chain-deposition diseaseの場合のcast nephropathyでは なく,hyaline cast nephropathyという疾患概念 があるのではないかと思っています。僕自身の 勝手な思い込みかも分かりません。 宮本 ありがとうございます。 座長 では,どうぞ。 細川 1つだけ教えていただきたいのですけれ ども,横浜中央病院の細川と申します。きょう はありがとうございました。  これだけの結節性病変がありながら,現在, 尿蛋白が0.3g程度まで改善したというのは,ス テロイドで糖尿病性腎症も改善したと考えてよ ろしいのでしょうか。 北見 そちらについては,もちろん生検の結果 からは糖尿病性腎症の所見もあったのですが, もともと前医での尿蛋白の指摘はなかったの で,今回の経過については,微小変化型に対し て,かなりステロイドが効いたと考えておりま す。結節は,別問題と思います。結節があって 尿蛋白0.3gは珍しいと思うので,この患者は臨 床と病理が解離傾向にあった症例かもしれませ ん。 細川 ありがとうございました。 市川 共同演者の市川と申します。  これは,臨床的にMCDが合併していそうで, よくステロイド治療が効いた症例なのですが, 足突起消失を比較的多く認めている糖尿病性腎 症にステロイドを使って効かなかったご経験は 臨床の先生にあるのではないかなと。実は私は あります。この症例では,電顕の所見がすごく 高度で広範囲な足突起消失の所見がありました

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山口先生 _06 山口先生 _05 山口先生 _04 山口先生 _03 山口先生 _02

II‐3:糖尿病性腎症のネフローゼ症候群にステロ

イド治療を施行した1例(聖マリアンヌ医大腎内)

症例:49歳、男。7年前糖尿病。2年前高血圧症。

1年前102㎏肥満。その後123㎏と増加。UP 

6.13g/gCrでネフローゼ。Cr 2.25 mg/dlと急性腎

障害で生検。

臨床病理学的問題点:

1.糖尿病性腎症にMCNS合併か?

2.急性腎障害の原因は?

山口先生 _01

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山口先生 _12 山口先生 _11 山口先生 _10 山口先生 _09 山口先生 _08 山口先生 _07

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城先生 _03 城先生 _02 城先生 _01

II-3

糖尿病性腎症のネフローゼ症候群にステロイド治療を施行した一例 聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科、川崎市立多摩病院 病理診断科 白井小百合 先生、小池淳樹 先生 東北大学大学院・医科学専攻・病理病態学講座 城 謙輔 第64回 神奈川腎炎研究会2015年9月17日(土)15:30~19:45 横浜シンポジア 病理診断64‐II‐3 1. Diabetic nephropathy A. Diabetic glomerulosclerosis, micronodular type B. Arteriolosclerosis, severe 2. Minimal change disease, most‐likely 3. Patchy tubular injury, mild cortex/medulla= 9/1, global sclerosis/glomeruli= 5/30 光顕では、糸球体には小結節状のメサンギウム域拡大が見られ、内皮下の拡大や係蹄壁の 二重化が目立ち、ドーナツ病変を伴い、10ヶにボウマン嚢壁との癒着や染み込みを認めます。 Polar vasculosisを疎らに認めます。 尿細管系には近位上皮の硝子滴変性を認め、上皮の扁平化と内腔拡張が散見されます。上 皮下への染み込み或いは二重化のある尿細管萎縮を散在性に認め、硝子円柱が散見され、 基底膜肥厚のやや目立つ尿細管系です。 動脈系には細動脈硝子化が輸出入に亘り中等度見られ、中位動脈筋層の硬化を認め、軽度 の内膜肥厚を伴っています。 蛍光抗体法では、IgG(+), IgA(±), IgM(‐). C3(±), C1q(‐), κ(‐), λ(‐): linear patternです。 電顕では,糸球体にはほぼびまん性に肥厚したGBMに内皮下浮腫や内皮腫大が見られます. メサンギウム領域にメサンギウム細胞増生を伴うメサンギウム基質の小結節状癒合性増加を 認めます.足突起は所々で癒合し、微絨毛の発達が見られます. 以上、MCNSの合併した糖尿病性腎症と思われます。 山口先生 _15 山口先生 _14 IgG IgA 山口先生 _13

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城先生 _09 城先生 _08 城先生 _07 城先生 _06 城先生 _05 城先生 _04

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城先生 _15 城先生 _14 城先生 _13

城先生 _12

IgG IgM IgA

C3 C1q Fib κ λ 城先生 _11 <光顕> 標本は5切片採取。 糸球体 5/24個 (21%)に全節性硬化。 残存糸球体において、メサンギウム細胞増多を19/19個(100%)認め、 拡大したメサンギウム基質に濾過面を持たない小血管の増生を認めます。 管内性細胞増多ならびに半月体形成、分節性硬化、癒着、虚脱はありません。 糸球体基底膜の肥厚はなく、PAM染色にて二重化ならびにspike・bubblingも 見られません。残存糸球体の腫大が目立ちます(250μm)。 尿細管・間質 尿細管の萎縮ならびに間質の線維性・浮腫性拡大を中等度に認め(30%)、 同域にリンパ球浸潤を10%認めます。 血管系 小葉間動脈に軽度の内膜の線維性肥厚を認め、輸入・輸出細動脈に軽度の 内膜の硝子様肥厚を認めます。 城先生 _10

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標本番号 S15-2919 49歳 男性 臨床診断:ネフローゼ症候群、糖尿病、肥満、腎機能低下 病因分類:糖尿病性腎症 病型分類:糖尿病性糸球体硬化症 びまん型、微小変化型ネフローゼ症候群の合併 IF診断: 糖尿病性糸球体硬化症,compatible、免疫複合体性腎炎否定 電顕診断:糖尿病性糸球体硬化症 びまん型、微小変化型ネフローゼ症候群の合併 皮質:髄質=10:0 糸球体数:24個、全節性硬化:5個、 メサンギウム細胞増殖:19個、管内性細胞増多:0個、 半月体形成:0個(細胞性半月体:0個、線維細胞性半月体:0個、線維性半月体:0個) 分節性硬化:0個、癒着:0個、虚脱: 0個、未熟糸球体:0個 尿細管の線維化(IFTA):30%、間質の炎症細胞浸潤:10% 小葉間動脈内膜の線維性肥厚:軽度、輸入・輸出細動脈内膜の硝子様肥厚:軽度 城先生 _18 考察 免疫染色において、IgGが糸球体末梢係蹄に線状に陽性で、 糖尿病性糸球体硬化症にcompatible です。 免疫複合体性腎炎合併はありません。電顕診断において糖尿病性糸球体硬化症 びまん型に加えて、足細胞脚突起消失が広範に見られ、 微小変化型ネフローゼ症候群の合併と診断しました。 以上の所見から、本症例は糖尿病性糸球体硬化症 びまん型に微小変化型 ネフローゼ症候群の合併と診断します。 本症例は糖尿病性糸球体硬化症としては、小葉間動脈の硬化病変が目立たず、 輸入・輸出細動脈の硝子様肥厚も目立ちません。 城先生 _17 <免疫染色> IgGが優勢でIgAが糸球体末梢係蹄に線状に陽性です。さらにC3が輸入・ 輸出細動脈の内膜に陽性です。糖尿病性糸球体硬化症にcompatible です。 fibronectinについての解釈は解りません。IgGのTBMへの陽性の解釈も解りません。 <電顕診断> 糸球体基底膜は肥厚し(約800nm)、さらにメサンギウム基質の拡大を認め、 濾過面を持たない小血管の増生を認めます。炎症細胞浸潤は目立ちません。 以上の所見から、糖尿病性糸球体硬化症にcompatible です。 さらに本症例では、足細胞脚突起消失が広範にあり、MCNSの合併が疑われます。 通常の糖尿病性糸球体硬化症においては、足細胞脚突起の広範な消失は 見られません。 城先生 _16

図 6024681012 0 5 10 15 25 30 40 60 70 80 90 100110120130140150160170180190⾎清クレアチニン (mg/dl)尿蛋⽩ (g/gCR)【⼊院後経過】0.5gPSL60mg120.4kg96.1kg73.5kg 病⽇9 塩分制限、フロセミド治療で体液コントロールを⾏い蛋⽩尿が軽快しないか経過観察をしていた。z肥満や糖尿病の既往で糖尿病性網膜症の指摘もあることから糖尿病性ネフローゼ症候群がまず第⼀に考えられた。z⽐較的急激にネフローゼ症候群を発
図 12図 11【電顕所⾒】びまん性の⾜突起消失。 係蹄障害の乏しい部分に⾜突起の消失を広範に認める。免疫複合体の沈着を認めない。図 10【免疫蛍光所⾒】
図 16 【病理医の先⽣にお聞きしたいこと】この症例におきまして、 ⾜突起消失の所⾒は、糖尿病性腎症によるものでなく微⼩変化型ネフローゼ症候群によるものであると病理所⾒から述べることは可能でしょうか? 2 型DM患者においてDMNとNon-DMNを 臨床徴候で鑑別するMeta-analysis 網膜症、罹病期間、SBP,DBPはDM群で有意に⾼い。 PLoS One

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