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腐食センターニュース No. 049 2009年4月

給水設備の腐食と防食

鹿島建設㈱ 中島博志

水道水は主に高置水槽方式と圧力給水方式で、建物内の使用箇所に供給されている(図1-3-1参照)。

また、受水槽の管理の問題から、増圧式の水道直結方式も採用されるようになってきた。

高置 水槽

受水槽

▽1F

▽2F

▽3F

▽RF

▽PHF

P P

揚水管

給水管 給水管

揚水ポンプ 受水槽

▽1F

▽2F

▽3F

▽RF

P P

給水管 給水管

給水ポンプ

圧力タンク

P ポンプ

仕切弁

逆止弁 自動エア抜弁 定水位弁

図 1 -3- 1 給 水 方 式 ( 左 :高 置 水 槽 方 式 、右 :圧 力 給 水 方 式 )

1)はじめに

給水は飲料用途に用いられるので、水質としては最も高い品質が要求される。従って水道法に定めら れた上限、すなわち鉄で0.3mg/l、銅で1.0 mg/l、亜鉛で1.0 mg/l、鉛で0.01 mg/l(H15.4/1改正)の基 準を満たせなくなると使用に不具合を生じる。給水は清水で常温であり、機器の劣化に関しては他の設 備より有利とも考えられるが、不利な点もある。給水は建築設備のなかで最も水を消費する系である。

すなわち飽和した溶存酸素を持った水が多量に金属材質の表面を通過する。全面腐食を前提とする金属

(炭素鋼等)の使用には適していないといえる。

次に残留塩素の存在である。近年水道局からの残留塩素の量は、原水の悪化に伴い増加する傾向があ る。また、各建物に個別に設置された残留塩素注入装置が塩素を過剰注入する故障が起こる。また、給 水設備の使いはじめに殺菌のために次亜塩素酸が使用される場合があり、非常に高い残留塩素濃度が系 内を巡ることもある。残留塩素は非常に強力な酸化剤であり、耐食性の高い金属を使用した場合、電位 を上昇させて局部腐食が起こり易くなる。ゴムのような有機物の劣化にも注意が必要である。

2)水道水質の変化

都市化による水道原水の悪化により凝集沈殿処理に使用される凝集剤の量も増加する。このことが溶 存塩類の増加・電気伝導率の上昇、pHの低下をもたらす。溶存塩類の増加は硫酸イオンの増加になり、

鉄の腐食や給湯銅管の孔食に影響を与えたと考えられる。現在では硫酸バンド(硫酸アルミニウム)に 替えてPAC(ポリ塩化アルミニウム)が使われることが多くなった。pHの低下はpH調整剤の使用 量の増加をもたらし、さらに溶存塩類の増加になり電気伝導率を上げる。浄水場におけるpH調整剤で は、消石灰等のカルシウムを含んだアルカリ剤が粉体で扱いにくいことを理由に苛性ソーダを使用する ようになった。このためランゲリア指数の改善(上昇)が行われず、配管(特に鋼管)の腐食に悪影響 を及ぼしたと考えられる。

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腐食センターニュース No. 049 2009年4月

3)給水システム

従来の給水方式は高置水槽方式であったが、シャワーの設置率の向上と利用圧力に対する要求が厳し くなり、建物外観に対する意匠上の問題から、現在では圧力給水システムが一般的になった。このため 水と平衡する気相の圧力が高くなり結果として水中の溶存酸素が増加する場合がある。

4)給水配管

現在ビル用給水配管の材料としては硬質塩化ビニルライニング鋼管を主としてステンレス鋼管・銅管 等が用いられている。

表1-3-1 給水管材料の変遷

1) 配管用炭素鋼鋼管

2) 塩ビライニング鋼管   鍛接鋼管   電縫鋼管

3) ポリ粉体ライニング鋼管 4) ポリエチレン被服鋼管 1.配管

2.継手 1) 鋼管用

  ねじ込み式配水管継手   排水鋼管用可とう継手 2) ライニング鋼管用   樹脂コーティング継手   塩ビライニング鋼管用防食継手   排水鋼管用可とう継手

1960 1965 1970 1975 1980 1985 1990 1995

▼100φ以下は鍛接、125φ以上は電縫管となる

▼(高周波溶接)

▼[S26](低周波溶接)

▲[S32]プレーンエンド管 [S32]フランジ付管

▼住都公団(一部)採用

住都公団給水に本格採用

▼WSP制定

▲JWWA制定 ▲建設省採用

▼管端コアー▼管端防食継手

▼*耐溝状腐食管がでる

▼WSP制定 ▼JWWA制定

▼JIS制定

▼JIS制定 ▼亜鉛メッキ

▲公団分はアエンメタリコン

▼SD継手(住友) ▼MDJ制定(MD継手)

▲ワンマン継手(長谷川) ▲住都公団(仕様規格)

(塩ビ) (エポキシ)

▲JWWA制定

▼JIS強化

JPF制定(塩ビ、ポリ粉体統合) (S35) (S40) (S45) (S50) (S55) (S60) (H2) (H7)

[出展](社)建築・設備維持保全推進協会編:設備システム・機器および法規の変遷,pp4-7,1995:一部改変

①亜鉛めっき鋼管(JIS G3442(水道用)SGPW、G3452(一般配管用) SGPーB・EG・EH)

亜鉛めっきは水質によって寿命が大きく異なる。亜鉛はシリカと不溶性の化合物を形成する。この物 質はヘミモルファイト(塩基性珪酸亜鉛)と呼ばれる物質である。水中のシリカの濃度が高く、硫酸イ オンや塩化物イオンの濃度が低い場合、亜鉛めっき配管は長期間にわたり亜鉛層を保持することができ る10,12,15,16,17)

給水用亜鉛めっき鋼管の大きなトラブルとしては、昭和40年代に発生した白水である。これは亜鉛 の溶出により水道法の濃度(1mg/l)を超える亜鉛が溶出し、水が白濁する現象である。低pHで過飽 和の遊離炭酸を含み、当然ながらランゲリア指数の負となる水で使用された場合に白水が発生し易い。

現在日本で新築のビルで、亜鉛めっき鋼管を給水用の管材として用いることは殆ど無い。しかし既存 のビルや共同住宅に亜鉛めっき鋼管は大量に使用されており、その大部分の建物に赤水や漏水が発生し ている。写真1-3-1に給水に用いた亜鉛めっき鋼管の腐食を示す。

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腐食センターニュース No. 049 2009年4月

写真1-3-1 給水に用いた亜鉛めっき鋼管の腐食

②水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(JWWAK116:SGP-VA・VB・VC・VD)水道用ポリエチレン粉体 ライニング鋼管(JWWAK132:SGP-PA・PB・PC・PD)18)

(イ)亜鉛めっき継手

初期には亜鉛めっき鋼管用の継手がそのまま使用された。当然継手の内面の耐食性はライニング管の 内面より劣ることになる。ただし管端部は亜鉛が消耗するまで、亜鉛に保護される。

(ロ)内面樹脂コーティング継手とシール材

継手の内面にエポキシ樹脂のコーティング(50μm 以下)が施されたものが商品化された。従って配管内 面の肉厚1.5mm以上の塩ビ管とは耐久性が全く異なる材料が同じシステムに使用されることになった。

直管の切断面である配管の管端部には鉄が露出するのでこの部分を保護するために、シール材を施工時 に塗布することが行われた。現場コーティングであるから当然施工品質は作業者に依存することになる。

写真1-3-2にコーティング継手の膨れによる腐食を示す。

写真1-3-2 コーティング継手の膨れによる腐食

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腐食センターニュース No. 049 2009年4月

写真1-3-3 管端部の腐食した硬質塩化ビニルライニング鋼管

(ハ)管端防食継手

管継手各社が様々の管端防食継手を開発した。この継手により継手内面の耐食性と配管の内面の耐食 性が一致したと言える。管端部の防食性能についてはいろんな工夫がある。選択する上でのいくつかの 注意を述べる。

管材:亜鉛めっき鋼管 継手:亜鉛めっき管継手

(鋳鉄)

      

塩ビライニング

亜鉛めっき

管材:硬質塩化ビニル      ライニング鋼管 継手:亜鉛めっき管継手

管材:硬質塩化ビニル      ライニング鋼管 継手:合成樹脂

   コーティング管継手 塩ビライニング 合成樹脂

コーティング

塩ビライニング 合成樹脂 コーティング

挿入型コア

管材:硬質塩化ビニル      ライニング鋼管 継手:合成樹脂

   コーティング管継手 管端処理:防食コア(挿入型) 塩ビライニング

内蔵コア

管材:硬質塩化ビニル      ライニング鋼管 継手:コア内蔵型      管端防食管継手 亜鉛めっき

亜鉛めっき

図1-3-2 各種管端防食継手

出来るだけ一体になっている製品が挿入忘れがなくて良い。配管施工後外側から管端防食継手を使用して いることが外観で検査できること。配管側の雄ねじの加工精度のばらつきを吸収出来ること。ゴムリングを入れた り、水を吸収すると膨張する充填材を使用した製品もある。このような製品は輸送時に水が入ったりすると使用不 能になる等の事例が発生した。

(ニ)絶縁機能付き管端防食継手

給水配管系には水栓・持ち出し・バルブ・メーター等銅合金が使われている。これらの部品と鋼管を接続する と長期の間には異種金属接触腐食の影響を受ける。そこで管端防食継手に絶縁性能を持たせたものが製品化

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腐食センターニュース No. 049 2009年4月

③ポリエチレン粉体ライニング鋼管

内面は0.3mm以上のポリエチレンがライニングされている。現在一般には塩ビライニング鋼管と同等 に扱われているが、塩ビライニング鋼管の内面は塩ビの配管(1.5mm以上の厚さ)であり、ポリエチレ ン粉体ライニング鋼管の内面はライニング(0.3mm以上の厚さ)である。この厚さの違いを意識して使 用しなくてはならない。配管の切断時に高速砥石切断機を使うことは、熱や切り粉の影響は薄いライニ ングに対しては重大になる。施工中の内面の傷つき易さにもかなり差があると考えられる。給湯の銅管 と隣に配管される場合には、銅管のロー付け用のバーナーの炎を当てられると内面のライニングに泡立 ち膨れを生じるので注意する。

④銅管(JIS H3300 C1220T リン脱酸銅管)19)

給水銅管に希に生じる腐食として、給湯銅管に生じるⅡ型の孔食がある。これは北海道等の一部にみ られるシリカの濃度が高い地方で生ずる。内面がガラス状の皮膜に覆われた部分で孔食が生じる。孔食 の上部にあるマウンド(蓋状の腐食生成物)は塩基性硫酸銅を主体とするもので硫酸イオンが重炭酸イ オンよりも多い条件で発生する。この硫酸イオンは上流の温泉水に由来するものである。

また軟質銅管を使用した住宅等の、井戸水を使用する給水管にⅠ型孔食がみられる。シリカ濃度が高 くpHの低い水に発生する20)

被覆付き銅管で保温下の配管外面から蟻の巣状腐食が発生することがある。対策は分解しにくい樹脂 と発泡剤を使用した被覆付き銅管を選定することや温度の高くならない位置で使用する等である。

上記以外の腐食については(2)3)①給湯配管の銅管の項を参照されたい。

⑤ステンレス鋼管(JIS G3448 一般配管用ステンレス鋼鋼管)

(2).3).①給湯配管のステンレス配管の項参照 5)水槽類21,22)

給水設備で使用される槽類には受水槽・高架水槽等がある。現在はビル用としてFRP製かステンレ ス鋼製が主に使用される。FRP水槽も内部の補強には金属が使用されている。受水槽の内部の気相では 金属は水中よりも腐食が著しい。最近では耐震のグレードがあがったためと内部の清掃のし易さ等を考 えて外部からの補強方法が強化される傾向にある。ステンレスタンクも大型のものはパネルタンクが一 般的である。材質はSUS304かSUS444のものが使用されている。水中の部分は SUS304で問題は無いが、

給水の残留塩素濃度が高い場合、気相部では発錆や孔食を起こす場合がある。このような場合には2相 ステンレス鋼を使用したり、気相部の換気を行うことでこの腐食を避けることが出来る。

写真1-3-4 ステンレス製タンク気相部の腐食事例 写真1-3-5 ステンレス製タンク気相部の腐食事例

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腐食センターニュース No. 049 2009年4月

写真1-3-6 SUS444受水槽気相部発銹

6)給水設備機器・部品

①コーティングポンプ

ポンプの接液部の鉄を避けるためにコーティングした仕様の製品を選ぶ場合があるが、コーティング は特に動きのある製品では基本的に長期の耐久性は期待できない。ポンプが1年を待たずにコーティン グが膨れや剥離を起こし腐食した例が複数ある。

②衛生器具に使用される黄銅

衛生器具部品に配管等には黄銅の使われる場合が多い。黄銅は水質によって脱亜鉛腐食を起こし強度 が低下するので応力がかかっている場合には破損を生じる。注意すべき事は脱亜鉛腐食は外観が変化せ ず、強度だけが徐々に低下し、ある日突然破壊して顕在化する現象である。低pHの水中では特に注意 する必要がある。給水の低pHが事前に判っていれば、中水道用の耐脱亜鉛腐食の部品が用意されてい るのでそれを使用する。

写真 1-3-7 衛生器具用配管部品の外面ニッケルクロムめっき黄銅(右は断面、30A、経年8年)

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腐食センターニュース No. 049 2009年4月

写真 1-3-8 実際の脱亜鉛の断面(左:α・β相優先、右:栓状)

7)赤水とその防止対策

①赤水とは

水道水の基準は全鉄で0.3mg/l以下である。0.3-0.5mg/lのレベルではかなり注意しても色には気がつ かない。0.5-1.0mg/lのレベルであれば注意すれば気付く、水の厚みを厚くして観察すれば少しオレンジ 色であることが判る。1-1.5mg/lでは約半分位の人が気付く。1.5mg/lを超えると誰でも赤いと判る。鉄 の量と色の関係は溶存酸素の量とpH等により変わる。赤水の赤い色は3価の鉄の色である。水道の赤 水は水酸化第2鉄のコロイドの凝集したものによる。

極希にマンガンが原因で赤水がでる場合がある。原水が井水の場合に多く起こる。これは水中の極微 量のマンガンが長期間の間配管の内壁に蓄積してあるときから給水中にでてくる現象である。水をよく 観察すると赤水ではなくて黒水である。このような場合には配管内をクエン酸等で洗浄する。

色が赤く見えるためには、水中の鉄の濃度が一定以上存在しなくてはならない。そのため給水管中を 常時水が流れている状態で、色が判る程の腐食速度を維持することは困難である。つまり水が停滞して いる状態で腐食が進行することが、水中にある濃度以上の鉄を存在させることが可能となる。太い給水 主管は休止時にも少しずつ流れているため余り高い濃度に達し難い。従って原因となる位置を見つける ためには朝一番または休日あけに水栓から水を出しその水量と濃度を計測すれば良い。

②赤水の出方と配管システム

赤水の出方と原因は給水システム全体の構成材料によって変化する。亜鉛めっき鋼管を使用したシス テムでは枝管の中で通水の無い状態が長く継続される時(一般には夜間である)に赤水の原因が形成さ れる。これが朝一番の赤水として発見される。事業所では土日や休日の休み明けに顕著になる。

塩ビライニング鋼管で管端防食継手を使用している場合は、黄銅製の部品(バルブ・メーター・持ち 出し・水栓取り付け金具)に接続された部分や、管端の防食がねじ切りの不良等でうまくいっていない 場合がある。このような場合も赤水がでるまでの水量とパイプの保有水量から位置を特定する必要があ る。この場合は赤水は竣工直後に発見されることが多い。

ステンレス鋼や銅管を使用しているシステムでは、鉄製の部品が使用されている位置の水が停滞して いる時にこの状態が形成される。したがってこの場合には、赤水が発生するまでの水量とパイプの保有 水量との比較から、どのあたりに赤水の発生原因となる鉄製部品が使用されているかを推定することが できる。過去の例では持ち出し、鋳鉄製バルブ、ポンプ、脱気器等がある。バルブやポンプや脱気器等 はナイロン等でコーティングされている仕様が多いが、調べてみると剥離などを生じていることがよく あるので疑う必要がある。この場合も赤水は竣工直後に発見されることが多い。

③赤水対策

赤水といっても配管材料(亜鉛めっき、塩ビライニング、銅、ステンレス鋼、樹脂)と使用している

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腐食センターニュース No. 049 2009年4月 継手(亜鉛めっき、エポキシコーティング、管端防食継手)と経過年数によって状況が異なる。

耐食性管材と新しい継手を使用して発生した赤水は、その発生箇所を特定することが第一である。基 本的には赤水の発生する筈のないシステムだから原因は設計どうりの施工になっていない可能性があ るからである。もし数年を経て発生したのであればライニング材の剥離のような使用材料の内、寿命の 短いと考えられるものを疑う必要がある。

亜鉛めっき鋼管や塩ビライニング鋼管で管端部の対策をしていないシステムでは、竣工後時間が経過 すれば、その場所の水質の違いにより長い短いはあるものの、赤水の発生は避けられない。10年から15 年たったマンションでこのような設備がばく大な数で存在していると考えられる。

表1-3-2 各種赤水対策の評価

配管更新法 配管更生法 (ライニング工法) 膜脱気法 消石灰注入法 防錆薬品注入法 電気・磁気・セラミック

原 理

・配管を交換する。 ・サンド研磨等により、錆 を除去した後、エボキシ樹 脂でコーティングする。逆 方向から2回塗り。

・錆の原因である溶存酸素 を取り除き、赤錆を黒錆化 する。  腐食の進行は鈍 化し、表面は安定して、赤 水解消。

・ランゲリア指数を改善 して鉄錆を防止

・防錆剤を注入して、赤色 を消す。

・磁気等の作用等につい ては不明

赤水解消効果

◎大 ◎大 ◎大 ◎大 ○大 △メカニズム不明

・完全(施工が完全か材料 が耐食的な場合)

・完全を期することは難しい。・

配管の継ぎ目部分などに行き 渡らない場合もある。施工次 第・検査重要。

・設計が大事・水が動く場所で あれば管内のすみずみまで効 果あり

・設計が大事・水が動く場所 であれば管内のすみずみま で効果あり

・効果あり

・水を使用しない所困難

・実績多し(但し防食メカニ ズム不明)

赤水解消

までの時間 ・即日(使用開始後) ・即日(使用開始後) ・1週間~1ヶ月 ・1週間~1ヶ月 ・数日 ・数ヶ月

工 期

・3ヶ月 ・1週間(断水・仮設配 管)

・1週間(断水半日) ・1週間(断水半日) ・数日 ・数日

安全性 ○(樹脂による。) ○(数年間)

イニシャルコスト 中(戸数による)

・40万円/戸 ・20ー30万円/戸 ・20~30万円/戸 ・10~20万円/戸 ・2~5万円/戸 ・10~20万円/戸

ランニングコスト

・なし(いぜんと同じ) ・なし(以前と同じ) ・フィルター及び電気代 ・消石灰とCO2ボンベ ・主に薬品代 ・電気式の場合

公的評価 -----

・建設省技術評価書 ・厚生省技術評価 ・建設 省大臣認定

・建設省大臣認定 厚生省 (但し応急処置との

位置付け) -----

[備 考]

・露出配管により、意匠的 な問題が発生する。

・業者による施工のバラツ ・工事中の騒音や仮設配 管の不便 ・施工後の検収 条件

・既存配管を現状のままで 保存延命 ・意匠的問題が ない

・既存配管を現状のままで保 存延命・意匠的問題がない。

健康にプラス。

・心理的抵抗感 ・応急的 対応策 ・薬品の人体への 長期影響不明

・設置は容易・効果メカニズ ムが不明・効果が出たら支 払う契約で安心。

(イ)配管の取り替え

最も確実な方法は配管を取り替えることである。しかし赤水の発生しているマンションに容易に配 管の交換が可能なものは数が少ない。従って取り替えはメインのシャフトのような取り替え可能な場所 に限定して行う。住戸内の配管は天井下に露出する工法などが意匠的に許容される場合は取り替えが可 能となる。取り替えを行う場合部分的な取り替えでは赤水は止まらない。正確に言うと取り替えにくい 末端の配管を取り替えないと効果が小さいと言うことである。もしメインシャフトのみ取り替える場合 は住戸内配管には何か別の対策が必要である。

(ロ)給水用防錆剤 1)

給水用防錆剤は昭和50年代に厚生省がお墨付きを与えた赤水防止法である。重合リン酸塩系と珪酸 塩系と両者を混合したものの3種類がある。長期飲用の安全性を考え使用開始時の薬品投入濃度と、そ の後の投入濃度は区別して規定されている。規定の濃度では腐食の抑制効果は水質に依存する。リン酸 が鉄イオンをキレートして可溶性の錯イオンを生成するため、水酸化第2鉄にならないので赤水は止ま る。しかし腐食が止まったわけでは無いことに注意する。ただし、厚生省の通達には給水用防錆剤の使

(9)

腐食センターニュース No. 049 2009年4月 適の方法である。

(ハ)パイプライニング工法1)

配管内部の錆瘤をサンドブラストで除去しエポキシ樹脂をコーティングすることにより配管経路を 変更することなく給水管を再生できる。この工法のポイントは錆瘤の完全な除去と最小コーティング膜 厚の確保である。配管の経路が複雑であれば配管系を何分割かにして工事を行う。また、樹脂も1回塗 りあたりの膜厚の厚いものを使用する必要がある。

(ニ)膜脱気法

この方法は給水配管の腐食の原因である酸素を取り除くやり方で、原理的には効果の確実な方法であ る。また、住戸内配管等を工事する必要がないので意匠的な問題が生じない。溶存酸素を現在 0.5ppm にすれば良いとされている。問題は給水の使用量全部を脱酸するために必要な装置のコストである。高 架水槽や受水槽を循環させて脱酸する等の方式が考えられているが、詳細なデータは公表されていない。

この方法のメリットは断水等の期間が短く、生活に影響が小さいことである。また、残存肉厚にあまり 影響を受けないのでかなり腐食程度がひどくても採用できる。既存のビルでこの方法を使うときには設 置位置によっては上流の鉄錆が常時装置に流入するので装置の前処理が必要である。

(ホ)管端電気防食

この方法は塩ビライニング鋼管の管端部の腐食による赤水を防止する方法である。陽極には白金めっ きのチタン線を用い、それを樹脂のネットで覆うことで陽極と配管の接触を避ける工夫がなされている。

具体的には住戸内の数個の水栓の取り付け部の後ろに特別の部品をとりつけ、そこから陽極を差し込み 管端部の電気防食を行う。

(へ)その他(磁気処理・電子処理・セラミック処理)23)

磁気処理については歴史も古く、かなりの研究が過去にあり、スケールの防止については効果が認め られる論文が報告されているが、腐食に関しては明確な報告は未だ無い。逆に腐食を促進させるという 実験結果も報告されている(第 4 章参照)。また、事前に水質を分析して効果の有無を予測する技術も 無く、実際に設置して効果をみるしか方法が無い。

他にも電子式・セラミック式・その他様々の方式があるが、これらについては文献も少なく、机上の 評価は現時点では出来ない。これらの方式は数多くの実績があるので評価は今後の研究に待たざるを得 ない。

8)謝辞

本解説文の作成に当たり、腐食防食協会建築設備技術小委員会の各位、特に三建設備:細谷氏、新菱 冷熱:松川氏、須賀工業:竹田氏にご協力を得たことを記して謝辞に変えさせていただきます。

参照

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