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レポート問題 ( 提出期限 2020 年 1 月 20 日 17 時 )

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レポート問題 ( 提出期限 2020 1 20 17 )

作成日: October 27, 2019 Updated : January 19, 2020 Version : 1.0 実施日: January 20, 2020

レポート提出について:

提出期限は 2020 1 20 (月)17 (厳守) とします.

提出期限の時間まで,提出場所として多元棟 1 階の教育研究支援室にレポート ボックスを設置します. (私に直接提出してくださっても構いません. 最後にま とめずにちまちま提出してくださっても結構です .)

原則として手書きのレポートを提出してください . ( パソコンで描図や数値計 算を行い,それを参考資料として追加するのはかまいません .)

表紙はあってもなくてもかまいませんが , 学生番号・氏名を明記してください .

参考にした文献や議論した友人がいれば,最後に引用するのが良いと思います .

問題 1. ( 質量とエネルギーの等価性 )

M M

M M-m

M+m M-m

v t=0

t

L -L O

L+l -(L-l)

ε ,p

x

以下の問いにしたがって質量とエネルギーの等価性を証明 しよう .

両端にそれぞれ質量 M の発光体 ( 右 ) と吸収体 ( 左 ) の ついた筒を考える . 長さは 2L で筒自体の質量は 0 とする.

時刻 0 に右から放出された光子 ( エネルギー ε, 運動量 p) が , 筒の中を飛んで時刻 t に左で吸収されたとする (右図参照).

ここで「光子」とは光を粒子とみなしたときの名称である ( 光量子仮説 ). 光 ( 子 ) の速さを c とする .

(1) 運動量保存則によれば,筒は発光と同時にその 反動で右に動き,吸収によって再び静止する.

その間の筒の速度を v ,移動距離を l(= vt) としたとき,

その間の筒と光子が移動した距離の関係式から, v/cl, L で表せ.

(2) この 2 物体と筒よりなるシステムには外力が働いておらず,また最初は静止してい たのであるから,重心は不動のはずである.したがって,光子の移動に伴って,右 から左に質量が移動したと考えなければならない.すなわち,右での光子の発生 (エ ネルギー ∆E = ε の発生 ) の際には, ∆M = m だけ発光体の質量が減少し,左での 光子の吸収 ( エネルギー ∆E = ε の消滅 ) の際には, ∆M = m だけ吸収体の質量が 増加したと考えなければならない.その途中は全体として質量 m が消滅し,それが 光子のエネルギーとなっていると考えられる.

システムの運動量保存則を M, m, v, p の言葉で書き表せ .

(3) システムの重心不動の条件を , M, m, L, l の言葉で書き表し,これを (1) の結果に代 入することで, v/cm, M で表せ.

(4) (3) の結果を (2) の結果に代入し, ε = mc 2 を導け . (cp = ε が成り立つことは既知と

してよい .)

(2)

問題 2. ( アインシュタイン係数とプランク分布 ) 以下の問いにしたがって,原子と輻射 場との平衡条件を考えることで黒体輻射に関する以下のプランクの公式を導いてみよう.

I(ν) = 8πh c 3

1

e hν/kT 1 ν 3 .

ただし , ν は輻射光の周波数 , I(ν) は輻射強度を表し , T はシステムが熱平衡状態にあると きの温度 . c, h, k はそれぞれ光速度 , プランク定数,ボルツマン定数 .

2

状態 1 状態

B 12 I B 21 I A 21

(E 2 , g 2 )

(E 1 , g 1 )

図のように, E 1 と E 2 (> E 1 ) の2つのエネルギー準位をもつ原子を考える.状態 1, 2 に ある原子の数密度をそれぞれ n 1 , n 2 とすると,温度 T の熱平衡状態では

n 2

n 1 = g 2 exp( E 2 /kT ) g 1 exp( E 1 /kT ) = g 2

g 1 exp (

12 kT

)

(1) が成り立つ. (g 1 , g 2 は定数 . また , 12 = E 2 E 1 .) この原子の状態 1 から状態 2, 状態 2 から状態 1 への単位体積単位時間あたりの遷移率は,吸収・放出する光子の強度を I12 ) とすると,それぞれ

dn dt

1→2

= B 12 n 1 I(ν 12 ), dn dt

2→1

= A 12 n 2 + B 21 n 2 I(ν 12 ). (2) で与えられる. A 12 , B 12 , B 21 をアインシュタインの A 係数 , B 係数という.

(1) この原子と輻射場のシステムが熱平衡状態にあると仮定したとき,式 (1) 〜 (2) を用 いて輻射強度 I(ν 12 ) を A 12 , B 12 , B 21 , g 1 , g 2 , h, k, T, ν 12 を用いて表せ.

(2) 前問で求めた表式が , 12 kT の極限で古典論から得られる Rayleigh-Jeans 分布 I RJ (ν) = (8πkT /c 32 を再現するために, アインシュタイン係数が満たすべき関係式 を 2 つ導け. (1 つは B 12 g 1 = B 21 g 2 .)

(3) 以上の結果から,原子と輻射場が温度 T の平衡状態にある場合の輻射強度の式 I(ν) がプランク分布に一致することを示せ.

(4) 太陽からの輻射スペクトルはプランク分布とよく一致することが知られている.い ま「人類の視覚は太陽の強度が最大になる波長域に適応して発達した」という仮説 をたてて,太陽の (表面) 温度を推定せよ.(理科年表などのデータを参照すること.

なお人間の可視光の波長は 3.8 × 10 7 m 〜 7.5 × 10 7 m である .) その結果の一致・

不一致について理由を簡単に議論せよ.

(3)

問題 3. (正準量子化, オペレーター) 状態空間上のオペレーター F ˆ の指数関数を exp( ˆ F ) :=

n=0

1 n!

F ˆ で定義する . ( 以下 , F ˆ は適切なものが用いられているとし , 無限和の収束性など は一切認めて項別微積分・項別四則演算を自由に行ってよい.)

(1) [ˆ x, p] = ˆ i ℏ を満たす状態空間上のオペレーター x, ˆ p ˆ を考える. λ R とする.

(a) n = 1, 2, 3, · · · に対して, [ˆ x n , p] = ˆ nix ˆ n 1x, p ˆ n ] = nip ˆ n 1 が成り立つことを 示せ . ( たとえば帰納法 )

(b) ˆ pe iλˆ x = e iλˆ xp + ℏ λ) を示せ .

(c) ˆ p | p = p | p なる固有ベクトルを考える . このとき , e iλˆ x | p もまた p ˆ の固有ベ クトルであることを示し , 固有値を求めよ . ( この結果より p ˆ の固有値は実数値 全体を取ることが分かる .)

(2) [ ˆ A, B] ˆ ̸ = ˆ O のとき , 次の公式を証明せよ : ( たとえば f(λ) := e λ A ˆ Be ˆ −λ A ˆλ = 0 の 周りでテイラー展開 .)

e A ˆ Be ˆ A ˆ = ˆ B + [ ˆ A, B ˆ ] + 1

2! [ ˆ A, [ ˆ A, B]] + ˆ 1

3! [ ˆ A, [ ˆ A, [ ˆ A, B]]] + ˆ · · ·

(3) ˆ A が任意のオペレーター F ˆ と可換 ([ ˆ A, F ˆ ] = ˆ O) なとき , ˆ Ac 数であるという . ( 物 理の方言 . 「 c 」は「 classical ( 古典的 ) 」を意味する . なお A ˆ が c 数でないとき q 数 であるとも言う . 「 q 」は「 quantum 」を指す .)

[ ˆ A, B] ˆ が c 数であるとき , 次の公式を証明せよ . ( たとえば g(λ) := e λ A ˆ e λ B ˆ について の微分方程式を立てて解く.)

e A ˆ e B ˆ = e A+ ˆ ˆ B+[ ˆ A, B]/2 ˆ

これは , オペレーター指数関数の積を一つの指数関数で表す公式 (Baker-Campbell-

Hausdorff の公式) の特別な場合である.

問題 4. (1 次元量子システムの束縛状態 ) 空間 1 次元を運動する粒子の束縛状態を議論す る . 定常状態におけるシュレーディンガー方程式は以下の通り (V (x) は実関数 ). ( 追記 ) 波動関数は lim

| x |→∞ φ(x) = 0, lim

| x |→∞ φ (x) = 0 を満たすものとする.

Hφ(x) = (

2 2m

d 2

dx 2 + V (x) )

φ(x) = Eφ(x).

(1) ( 追記 ) φ(x) ̸ = 0 ( x) とする . エネルギー固有関数 φ(x) には縮退がないことを示せ . ( 同一の固有値を持つ固有関数が 2 個以上 (N 個 ) あるとき , その固有関数は N 重に 縮退しているという.)

(たとえば同一のエネルギー固有値に対して 2 個の固有関数 φ 1 , φ 2 が取れたとし,

φ 1 φ 2 φ 1 φ 2 = 0 を示す . これより φ 1 = 2 (C は定数 ),)

(2) ポテンシャル V (x) が偶関数であれば , 波動関数は偶関数か奇関数のいずれかになる ことを示せ.

(3) 波動関数 φ は実関数にとれることを示せ . ( たとえば , φ = φ 1 + 2 のように実部・

虚部に分けて , φ 1 = 2 (C は定数 ) を示す .)

(4)

問題 5. ( 双曲線関数 ) 次式で定義される双曲線関数について次の関係式を証明せよ . cosh x := e x + e x

2 , sinh x := e x e x

2 , tanh x := sinh x

cosh x = e x e x e x + e x . (1) cosh 2 x sinh 2 x = 1 (2) 1 tanh 2 x = 1

cosh 2 x (3) sinh( x) = sinh x (4) (sinh x) = cosh x (5) cosh( x) = cosh x (6) (cosh x) = sinh x (7) tanh( x) = tanh x (8) (tanh x) = 1/ cosh 2 x (9) sinh(x + y) = sinh x cosh y + cosh x sinh y (10) sinh 2x = 2 sinh x cosh x (11) cosh(x + y) = cosh x cosh y + sinh x sinh y (12) cosh 2x = cosh 2 x + sinh 2 x (13) tanh(x + y) = tanh x + tanh y

1 + tanh x tanh y (14) tanh 2x = 2 tanh x 1 + tanh 2 x (15) sinh 2 x

2 = cosh x 1

2 (16) cosh 2 x

2 = cosh x + 1 2

(17) sinh 3x = 3 sinh x + 4 sinh 3 x (18) cosh 3x = 3 cosh x + 4 cosh 3 x (19) sinh x = i sin ix (20) cosh x = cos ix

問題 6. ( 井戸型ポテンシャルによる束縛状態 ) 問題 4 の 1 次元システムにおいて次の形の ポテンシャルをとる:

V = {

0 | x | ≤ a

V 0 (> 0) | x | > a

0 < E < V 0 とし束縛状態を考える . V (x) は偶関数なので波動関数 φ は偶関数 ( 正パリ ティ) か奇関数 (負パリティ) かのどちらかである. x < a を領域 1, a x a を領域 2, a < x を領域 3 と呼ぶ .

(1) φ(x) が偶関数の場合 , 領域 1 〜 3 の波動関数 φ 1φ 3 の一般形を書き下し , x = ± a で の境界条件より , E を定める方程式を書き下せ .

(2) φ(x) が奇関数の場合も前問と同様の議論を行え.

(3) 2mV 0 a 2

2 が 1 および 12 のとき, (1), (2) それぞれの場合について存在しうるエネル ギー固有値の個数を求め , それぞれの固有値に属する固有関数の概形を描け .

アンケート集計結果・回答 (11 11 (月) 実施分)

1. 身の上: ( 1 ) 履修者 (19 名 ) ( 2 ) モグリ (2 名 ) 以後括弧内の数字は ( 履修者+モグリ ) 2. 講義の難易度: ( 1 ) OK(14 名+ 2) ( 2 ) 難しい (3) ( 3 ) 簡単 (1) ( 4 ) ? (1)

3. 説明の速さ・分かりやすさ: ( 1 ) 問題なし (17+2) ( 2 ) 問題あり (1) ( 3 ) ? (1) 4. 板書の見やすさ: ( 1 ) 問題なし (19+2) ( 2 ) 問題あり (0)

5. 雑談の量: ( 1 ) OK(17+2) ( 2 ) 多い (0) ( 3 ) 少ない (2) 6. レポート問題: ( 1 ) OK(18+2) ( 2 ) 問題あり (0) ( 3 ) ? (1)

アンケートにご協力どうもありがとうございました.上記の通り概ね問題ないと判断しま したので,概ねこれまで通りで行きます. 「少し速い (2 名 ) 」「どの式から結論を導いたか 一瞬さまようことがある」→どうもすみません.しっかり準備してもう少し丁寧に説明し ます. 「遅刻時間の記載は不要.」→ 来年度の参考にします.

「紙質が良い」→どうもありがとうございます. 「ポッキーの日は生協がポッキーを押し

売りするだけの日」→ 9 箱買いました .

(5)

問題 7. (1 次元調和振動子・コヒーレント状態 )

ハミルトニアンが以下で与えられる 1 次元調和振動子の量子力学を考える . H(ˆ ˆ x, p) = ˆ p ˆ 2

2m + 2 2 x ˆ 2 .

定常状態でのシュレーディンガー方程式 H ˆ | φ = E | φ を以下の生成消滅演算子を用いて 解くことを考える.

ˆ a :=

2 ℏ x ˆ + i

2m ℏ ω p, ˆ ˆ a =

2 ℏ x ˆ i

2m ℏ ω p. ˆ エルミート演算子 N ˆ := ˆ a a ˆ を定義するとハミルトニアンは H ˆ = ℏ ω

( N ˆ + 1 2

) と書き表 される. N ˆ の固有値は 0 以上の整数 n であり, その固有関数を | n と書くと,

| n = 1

n!a ) n | 0 , ˆ a | 0 = 0, n | n = 1.

以上が講義で示されたことであり , 以下自由に用いてよい . (1) ˆ x および p ˆ を ˆ a と ˆ a の線形結合で表せ .

(2) 第 n 励起状態の波動関数を φ n (x) := x | n で表す . ξ := βx, β = √

mω/ ℏ とすると φ n (x) = N n

( ξ d

) n

e ξ

2

/2 , N n =

β

π 1/2 n!2 n が成り立つことを証明せよ . ( たとえば帰納法 )

(3) 第 n 励起状態 | n における不確定性が ∆x · ∆p = ℏ (n + 1/2) となることを示せ . ( 期待値を計算する際の | ψ として | n をとる . すなわち F ˆ = n | F ˆ | n . また ,

∆x := √

∆ˆ x 2 , ∆ˆ x := ˆ x − ⟨ x ˆ . )

(4) 消滅演算子 a ˆ の固有関数をコヒーレント状態をいう: ˆ a | α = α | α . ˆ a はエルミート ではないので固有値は実数とは限らない . {| n ⟩} が完全系であることを用いてよい .

(a) 規格化条件 α | α = 1 を用いて | α = e −| α |

2

/2 e αˆ a

| 0 を示せ .

(b) 2 つのコヒーレント状態の内積を計算し以下を示せ . α | β = e αβ −| α |

2

/2 −| β |

2

/2 . (c)

| α ⟩⟨ α | d 2 α = π を示せ . ただし d 2 αα = re のとき d 2 α = rdrdθ.

(d) コヒーレント状態の波動関数 φ α (x) := x | α を具体的に求めよ . ( 規格化因子 は求めなくてよい.)

問題 8. ( 水素原子の波動関数とエネルギー準位 )

クーロン・ポテンシャル V (r) = e 2 /r の下で,エネルギー E を持つ荷電粒子に対する シュレーディンガー方程式

[

2

2m 2 + V (r) ]

φ(⃗ r) = Eφ(⃗ r)

を級数展開の方法で解き,固有値 ( エネルギー準位 ) と固有状態を求めたい.

水素原子に適用する場合,この式は電子の原子核 (陽子) に対する相対運動のハミルトニア

ンに対応する.その場合, m は陽子 ( 質量 m p ) と電子 ( 質量 m e ) の換算質量 m p m e /(m p +m e )

で , r は原子核を原点としたときの電子の位置ベクトルである .

(6)

(1) 2 の極座標表示は以下のように計算されることを示せ.

2 = 1 r 2

∂r (

r 2

∂r )

+ 1

r 2 sin θ

∂θ (

sin θ

∂θ )

+ 1

r 2 sin 2 θ

∂φ

(2) φ(⃗ r) = R(r)Y (θ, φ) とおけば,シュレーディンガー方程式は変数分離でき, µ をあ る定数として次式に帰着することを示せ.

1 r 2

d dr

( r 2 dR

dr )

+ { 2m

2 (E V (r)) µ r 2

}

R = 0, 1

sin θ

∂θ (

sin θ ∂Y

∂θ )

+ 1

sin 2 θ

2 Y

∂φ 2 + µY = 0

(3) (2) の式が発散しない解を持つためには, l を負でない整数であるとして µ = l(l + 1) となることが必要である.これを既知とすれば,束縛状態 E < 0 の場合,

 ρ :=

√ 8m | E |

2 r, λ := e 2c

mc 2 2 | E | のように変数変換したとき,R(ρ) に対する方程式は,

R ′′ + 2

ρ R l(l + 1) ρ 2 R +

( λ ρ 1

4 )

R = 0

となる. ( 「ダッシュ」は ρ に関する微分. ) この式より, ρ → ∞R は漸近的に e ρ/2 のように振る舞うことが分かる.そこで R := e ρ/2 F (ρ) とおくと,

F ′′ + ( 2

ρ 1 )

F +

( λ 1

ρ l(l + 1) ρ 2

) F = 0

を満たすことを示せ . さらに, ρ 1 では. F (ρ) ρ l と振る舞うことを示し,

F (ρ) := ρ l L(ρ) とおいたとき,L(ρ) の満たす方程式が,以下となることを示せ.

ρL ′′ + (2l + 2 ρ)L + (λ l 1)L = 0.

(4) L(ρ)L(ρ) =

ν=0

c ν ρ ν (c 0 ̸ = 0) のように級数展開して,前問の微分方程式に代 入することで,R(ρ) → ∞ で発散しないためには,ある負でない整数 n を用いて

λ = l + 1 + n という条件が成り立たなければならないことを示せ.

(5) 以上の結果からボーア半径 a 0 := ℏ 2 /(me 2 ) を用いて水素原子のエネルギー準位が以 下のようになることを示せ .

E n = e 2 2a 0

1

n 2 (n = 1, 2, · · · )

(6) (n, l) = (1, 0), (2, 0), (2, 1) に対応する動径波動関数 R 10 (r), R 20 (r), R 21 (r) を具体的に 計算せよ.ただし以下のように規格化すること.

0

r 2 | R nl (r) | 2 dr = 1.

(7)

問題 9. (マクスウェルの方程式) 時間座標を t, 3 次元空間の座標を x = (x 1 , x 2 , x 3 ) とす る . ( 以後 , 矢印の記号 は 3 次元ベクトルを表す .) 与えられた電荷密度を ρ, 電流密度を

⃗j とすると , 「真空中の」マクスウェルの方程式は次式で与えられる:

div B = 0, rot E = 1 c

∂ ⃗ B

∂t , (3)

div E = 4πρ, rot B = 1 c

∂ ⃗ E

∂t + 4π

c ⃗j. (4)

ただし E, B はそれぞれ電場, 磁場を表す. c は正定数 (光速度). また, スカラーポテンシャ ル ϕ とゲージポテンシャル A E, B と以下の関係を持つ:

E = grad ϕ 1 c

∂ ⃗ A

∂t , B = rot A. (5)

(1)〜(3) ではこれらを微分形式を用いて書き表すことを考える. そのために, 4 次元時空の

座標 x µ := (ct, ⃗ x), 4 元ポテンシャル A µ := ( ϕ, ⃗ A) および 4 元電流密度 j µ := ( cρ,⃗j) を 導入する . ( 以後 , 添え字は以下を走る: µ, ν = 0, 1, 2, 3. i, j = 1, 2, 3. )

(1) 1-form A := A µ dx µ および 2-form F := dA を定義する. F = (1/2)F µν dx µ dx ν と 表したとき , F i0 = E i , F ij = ϵ ijk B k であることを示せ . ϵ 123 = +1 とする .

(2) d d = 0 より , dF = ddA = 0 である (Bianchi の恒等式 ). 式 (3) は , dF = 0 で表さ れることを示せ .

(3) 1-form j := j µ dx µ を定義する . 式 (4) は d F = (4π/c)j で表されることを示せ . ただし , はホッジ作用素 (Hodge operator) と呼ばれ,以下のように定義される . (p-form の空間を (n p)-form の空間に写す. : Ω p n p .)

(dx i

1

∧ · · · ∧ dx i

p

) := 1

(n p)! ϵ i

1

, ··· ,i

p

j

1

, ··· ,j

n−p

dx j

1

∧ · · · ∧ dx j

np

.

ただし本問では ( ミンコフスキー空間では ), 上付き添え字を下付き添え字におろす とき, 「 0 」が上付き添え字に含まれるときはマイナス符号が出る . ( たとえば , ϵ 01 23 =

ϵ 0123 , ϵ 20 31 = ϵ 2031 , ϵ 12 03 = +ϵ 1203 .) ϵ 0123 = +1 とする .

(4) j = 0 とする . 式 (3) 第 2 式の両辺の回転をとり以下を示せ . ( 公式 ∇ × ( ∇ × v) =

( ∇ · v) ( ∇ · ∇ )⃗ v を用いてよい . 磁場についても同様のことが示される .) ( 1

c 2

2

∂t 2 2

∂x 2 2

∂y 2 2

∂z 2 )

E = 0 (6)

(5) 式 (6) は波動方程式と呼ばれるものである . 空間 1 次元で考えると波動方程式は ( 1

c 2

2

∂t 2 2

∂x 2 )

f = 0, (7)

である . f (t, x) = f (x ct) の形の関数 (c は定数 ) は , 式 (7) の解であることを示せ .

(これは速さ cx の正の方向に進行する波を表す.)

(4), (5) より , 電場・磁場は速さ c で進行する波になりうることが分かる . これが電磁波で

あり物理学では「光」と総称して呼ばれる. (可視光は波長 (4000〜7000) × 10 10 m の電

磁波 .) なお重力波の満たす方程式も (4) と同じ波動方程式である . ( 伝播速度も同じ .)

(8)

問題 10. ( マクスウェルの方程式と電磁気学の法則 ) 「真空中」での状況を考える . (1) マクスウェルの方程式から , 点電荷 ρ(⃗ x) = (3) (⃗ x) が生み出す電場の強さ E を原点

からの距離 r の関数として求め , クーロンの法則を導け . (δ (3) (⃗ x) は 3 次元空間での デルタ関数で ∫

R

3

δ (3) (⃗ x)dxdydz = 1.)

(2) マクスウェルの方程式から ( 電流が生み出す磁場に関する ) ビオ・サバール (Biot-

Savart) の法則を導け . ( 微分形でも積分形でもかまわない ) 次いで , ビオ・サバールの

法則から (無限に長い直線導線を流れる定常電流の生み出す磁場に関する) アンペー

ル (Amp` ere) の法則を導け . ( B H := (1/µ 0 ) B, どちらを用いてもよい .) (3) ディラックの磁気単極子 ( モノポール =monopole) は A = g

4π 1

r(r + x 3 ) ( x 2 , x 1 , 0) で 与えられる. この回転 (rot) を計算し (r(r + x 3 ) ̸ = 0 の領域で) B(⃗ x) = g

x

r 3 を示せ.

問題 11. ( ガリレイ変換・ローレンツ変換 )

(1) 1 次元波動方程式にガリレイ変換 : t = t, x = x vt を施すと次の方程式が得られ ることを示せ . ( ただしこの変換の下 f は不変 : f (t , x ) = f(t, x) とする .)

1 c 2

2 f

∂t 2 2 f

∂x 2 = 0 ガリレイ変換 −→ 1 c 2

2 f

∂t 2 (

1 v 2 c 2

) 2 f

∂x 2 2v c 2

2 f

∂t ∂x = 0.

また次の関数は, 変換後の方程式を満たすことを示せ. (f R , f L は任意関数.) f (t , x ) = f R (x (c v)t ) + f L (x + (c + v)t )

(2) 特殊相対性理論を空間 1 次元,時間 1 次元の設定で考え,光速不変の原理から座標 変換の満たすべき関係式 ( ローレンツ変換 ) を導こう.

いま互いに一定の速さ v で相対運動している 2 つの慣性系 ( 座標系 ) K, K を考える.

それらの系における空間座標と時間座標の組をそれぞれ (x, t), (x , t ) とする.

慣性系 KK の空間座標の原点が一致した瞬間をそれぞれの系の時間座標の原点 に選ぶ. ( すなわちこのとき t = t = 0.) t = t = 0 に原点から放出された光が真空中 を伝わるとき,光速不変の原理より, x 2 = c 2 t 2 , x 2 = c 2 t 2 が成り立つ.すなわち,

x 2 c 2 t 2 = x 2 c 2 t 2

が成り立つ.求める座標変換の式を x = A(x vt), t = Bt+Cx とおき,係数 A, B, C を与えられた量で表せ.ただし, v/c 0 の極限でガリレイ変換 x = x vt, t = t に一致することを用いてよい.

問題 12. (マイケルソン・モーレーの実験) 実験の原理を 1〜2 枚程度の用紙にまとめよ.

(9)

問題 13. ( 特殊相対論のパラドックス:銀河鉄道 999 )

静止しているときには同じ長さの銀河鉄道 K 号と K 号が,宇宙空間で反対方向に相 対速度 v = (

3/2)c で走っているとする . ( 図は黒板で説明 .) K 号にはメーテルが乗って

いて , K 号のちょうど先頭に乗っている鉄郎に列車すれ違いの際,赤福を渡そうと考えて いる . 受け渡しは一瞬で問題なく行われるものとする . ( ツッコミはなしでお願いいたしま す.)

さて, K 号から見ると K 号はローレンツ短縮を起こして半分の長さになっているので,

メーテルは K 号の先端が K 号の最後尾に一致した瞬間に K 号のちょうどど真ん中の位 置で,手渡せばよいと考えた.

その旨鉄郎に伝えて , いよいよアンドロメダ星雲にてすれ違いのときがやってきた . メー テルは K 号のど真ん中で上記 ( 太字 ) の時刻に赤福を瞬間差し出しするつもりでいる . 鉄 郎はいつでも受け取れるよう受け手をずっと窓から差し出している. ところがハッと鉄郎 は思った . K 号から見れば K 号がローレンツ短縮を起こして半分の長さになっているの で,これだと受け取れない!

果たして赤福は無事手渡せたであろうか?ミンコフスキー・ダイヤグラムを用いて説明 せよ . メーテル・鉄郎の軌跡 ( 世界線 ) および問題文の太字の事象をダイヤグラム内に明記 せよ . ( 余裕があれば 2 人それぞれの座標系を基準としてダイヤグラムを書き , どちらから 見ても結果に矛盾がないことを確かめよ.)

問題 14. ( 電磁場のローレンツ変換性 )

4 次元時空において以下のような K 系から K 系へのローレンツ変換 x µ = Λ µ ν x ν (µ, ν = 0, 1, 2, 3) を考える:

Λ =

 

 

γ βγ 0 0

βγ γ 0 0

0 0 1 0

0 0 0 1

 

  , β = v

c , γ = 1

√ 1 β 2 .

(1) レポート問題 9 のように,電場 E, 磁場 B を 2 階の反対称 tensor F µν として組む . (ただし, F i0 = E i , F ij = ϵ ijk B k (i, j, k = 1, 2, 3).) 2 形式 F = (1/2)F µν dx µ dx ν が 座標変換のもと不変であることを利用して , 電磁場の変換性が以下で与えられるこ とを示せ .

E 1 = E 1 , E 2 = γ(E 2 βB 3 ), E 3 = γ(E 3 + βB 2 ), B 1 = B 1 , B 2 = γ (B 2 + βE 3 ) , B 3 = γ (B 3 βE 2 ) .

(2) K 系から見て , その x 3 軸方向に一様な静磁場 B があるとする . このとき, K 系に対 して静止している電荷 q の粒子には , 磁場によるローレンツ力は作用しない . この粒 子を K 系から見たとき,その粒子に作用するローレンツ力はどうなるか.なおこ こでの単位系 (ガウス単位系) ではローレンツ力は F = q

( E + v

c × B )

であること

に注意 .

(10)

問題 15. (Tensor Lorents 変換性 ) 4 次元時空において K 系から K 系への Lorentz 変 換 x ′µ = Λ µ ν x ν (µ, ν = 0, 1, 2, 3) を考える .

(1) 計量 η µν は 2 階の反変 tensor として変換することを示せ .

(2) A µ を共変 vector とするとき, A µ := η µν A ν は反変 vector として変換することを示せ.

(3) A µ を共変 vector, B µ を反変 vector とする . C := A µ B µ は scalar として変換するこ とを示せ.

(4) 2 階の共変反対称 tensor が,反対称性の性質を保ったまま変換されることを示せ .

(5) Kronecker delta δ µ ν は 1 階共変・ 1 階反変の tensor として変換し,しかもその値は不 変であることを示せ .

(6) ϵ µνρσ を 4 階の完全反対称な反変 tensor とする . 変換の下 , 完全反対称性は (4) より 不変であるが , その値も det Λ = +1 の場合は不変であることを示せ .

問題 16. (Tensor の数学的基礎 ) (V, ⟨ | ⟩ ) を n 次元内積空間とし , V をその双対空間と する. Tensor および 計量を用いた添え字の上げ下げ,添え字の縮約などについて数学的 に厳密な定義と説明を与え, 2 〜 5 枚程度の用紙にまとめよ .

問題 17. ( 経路積分 ) 1 次元空間を運動する 1 粒子の ( 非相対論的 ) 量子力学を考える . シ ステムの時間発展はシュレーディンガー方程式 i

∂t | ψ(t) = ˆ H(ˆ x, p) ˆ | ψ(t) で記述される . 時刻 t = 0 において位置 x = x i を出発し時刻 t において位置 x = x f に到達する確率 A := x f | e

i

Ht ˆ | x i ⟩ · · · ( ) を作用積分 ( ラグランジアン ) を用いた形で書き表してみよう .

(1) 時間 tN 等分し , ∆t := t

N とする . 時刻 t k := k∆t における粒子の位置を x k (k = 0, 1, · · · , N ) とすると , 以下が成り立つことを示せ:

A =

dx 1 · · · dx N 1

N 1 k=0

x k+1 | e

i

H ˆ ∆t | x k . ( ヒント:完全性条件 ∫

dx k | x k ⟩⟨ x k | = 1 を用いる .) (2) (1) の結果の x k+1 |e

i

H∆t ˆ の間に完全性条件 ∫

dp k | p k ⟩⟨ p k | = 1 を挿入すること で , 求める確率は以下のように書けることを示せ:

A = 1 (2π ℏ ) N

dx 1 · · · dx N 1 dp 0 · · · dp N 1 exp [

i

N−1 k=0

{ p k (x k+1 x k ) H(x k , p k )∆t } ]

.

(H(x, p) = p | H(ˆ ˆ x, p) ˆ | x , x | p = (2π ℏ ) 1/2 e

i

px に注意.) 最後の表式で N → ∞ をとると求めたい表式が得られる:

A =

D x D p exp [ i

t 0

(p x ˙ H(x, p))dt ]

=

D x D p e

i

S . ここで , S := ∫ t

0 L(x, x)dt ˙ を作用積分 , L(x, x) := ˙ p x ˙ H(x, p) をラグランジアンと呼ぶ . 記号 ∫

D x D p は上記の極限として「定義」され , x ix f を結ぶすべての経路についての

和を表す . これが経路積分の「定義」であり , 測度の定義を満たさないという理由で一部

の数学者には評判の悪いものであるが , 素朴な意味は上記の通りである .

(11)

1/20 の予習問題 ( これまでの授業では取り扱ってない内容です . 定義などを確かめたい方は以 前紹介した参考文献などをご参照ください . 1/20 の授業で少し解説します ( 多分 ).) 問題 18. (Lie 群・Lie 環) G を Lie 群, g を G の Lie 環とする. G の元 g と g の元 X との 関係は g = e iX であるとして以下の問いに答えよ . 行列 A の指数関数は e A :=

n=0

A n n! で 定められる . ( 収束性は気にしなくてよい .)

(1) X を対角化可能な N × N 行列とすると det e X = e TrX が成り立つことを示せ . (2) 3 次元回転群 SO(3) = { g GL(3, R ) | t g · g = g · t g = 1, det g = 1 } の以下の 3 つの

元を考える.

R 1 (θ) =

 

1 0 0

0 cos θ sin θ 0 sin θ cos θ

  , R 2 (θ) =

 

cos θ 0 sin θ

0 1 0

sin θ 0 cos θ

  , R 3 (θ) =

 

cos θ sin θ 0

sin θ cos θ 0

0 0 1

  .

R i (θ) = e iθL

i

として SO(3) の Lie 環の元を定めると . L i は [L i , L j ] = ijk L k (i, j, k = 1, 2, 3) を満たすことを示せ . ([L 1 , L 2 ] = iL 3 を示すだけでもよい .)

(3) 4 つの 2 × 2 行列を以下で定義する:

σ 0 :=

( 1 0 0 1

)

, σ 1 :=

( 0 1 1 0

)

, σ 2 :=

(

0 i i 0

)

, σ 3 :=

( 1 0 0 1

) .

σ := (σ 1 , σ 2 , σ 3 ) は Pauli 行列と呼ばれ , SU (2) の Lie 環 V の基底をなす: V =

σ 1 , σ 2 , σ 3 R . τ i := σ i /2 もまた V の基底であるが , [τ i , τ j ] = ijk τ k が成り立つこ とを示せ . ([τ 1 , τ 2 ] = 3 を示すだけでもよい .)

(4) Vector 空間 V 上の正則一次変換全体のなす群を GL(V ) と書く. 群 G から群 GL(V ) への準同型写像 ρGV 上での表現という .

SU (2) の表現 ρ をその Lie 環 V 上に以下のように構成する: ρ(g) · X := gXg 1 (g SU (2), X V ). これを SU(2) の随伴 (Adjoint) 表現という .

g i = e iθτ

i

としたとき , ρ(g i ) の基底 τ 1 , τ 2 , τ 3 に関する表現行列 (3 × 3 行列 ) を i = 1, 2, 3 について具体的に計算し, SO(3) の元 R i (θ) と一致することを示せ.

(5) Lorentz 群 SO(1, 3) + = { Λ GL(4, R ) | t ΛηΛ = η, det Λ = 1, Λ 0 0 1, η = diag ( 1, 1, 1, 1) } を考える.(Λ = (Λ µ ν ) µ,ν=0,1,2,3 .) 3 次元回転の生成子を L i , Lorentz boost の生成子

K i とし , SO(1, 3) + の任意の元を Λ = e i⃗ θ· L+i⃗ ξ· K のように表す . 生成子の交換関係 が以下のようになることを示せ . ([L 1 , K 2 ] = iK 3 , [K 1 , K 2 ] = iL 3 を示すだけでも よい .)

[L i , L j ] = ijk L k , [L i , K j ] = ijk K k , [K i , K j ] = ijk L k . また, A i := 1

2 (L i + iK i ), B i := 1

2 (L i iK i ) と定義すると以下が成り立つことを示せ.

[A i , A j ] = ijk A k , [B i , B j ] = ijk B k , [A i , B j ] = O.

(6) SL(2, C ) = { a GL(2, C ) | det a = 1 } のリー環の生成子として M k = k /2, N k =

σ k /2 (k = 1, 2, 3) が取れることを示せ . ( ここではリー環は R 上の vector 空間 .)

(12)

[ コメント ] (5) より , SO(1, 3) + のリー環 so(1, 3) +SU(2) のリー環 su(2) の直和と同型で あることが分かる: so(1, 3) + su(2) su(2).

(6) の 6 個の生成子は (5) とまったく同じ交換関係を満たす . よって , SO(1, 3) + のリー 環 so(1, 3) +SL(2, C ) のリー環 sl(2, C ) と同型であることが分かる: so(1, 3) + sl(2, C ).

リー群の対応としては実は以下が成り立つ: SO(1, 3) + SL(2, C )/ Z 2 .

したがってローレンツ群の表現を求める問題は, su(2) の表現あるいは sl(2, C ) の表現 を求める問題に帰着する . SL(2, C ) の表現を状態空間上に作ることで , spinor と呼ばれる 波動関数が定義される . Lorentz vector は 2 成分 spinor の tensor 積として表すことができ , この意味で vector より spinor の方が基本的である. 1 月 20 日の授業で解説予定の Dirac 方 程式の波動関数はこの spinor に属する .

問題 19. ( 非可換ゲージ理論、 Yang-Mills 理論 ) 電磁気の理論を行列型に拡張すること を考える. [A, B] := AB BA とする. 簡単のため結合定数は 1 とする.

(1) ゲージ場 A µ (x) を N × N 反エルミート行列 (A = A) に値をとる関数として定 める . 1-form A := A µ dx µ および 2-form F := dA + A A を定義する . F = (1/2)F µν dx µ dx ν と表したとき , F µν = µ A ν ν A µ + [A µ , A ν ] であることを示せ . (F µν を場の強さと呼ぶ . N = 1 の場合 , [A µ , A ν ] = 0, F = dA となり , 電磁気の理論 と一致する .)

(2) g(x) をユニタリ群 U (N ) に値をとる関数とする . ゲージ場に対するゲージ変換を A µ 7→ A µ = g 1 A µ g + g 1 µ g として定義したとき , F µν に対するゲージ変換が F µν 7→ F µν = g 1 F µν g となることを示せ . ( 電磁気のゲージ変換は g(x) = e iλ(x) U (1) としたもの .)

(3) 共変微分を D µ := µ + A µ で定義する . D ρ · F µν + D µ · F νρ + D ν · F ρµ = 0 が成り立 つことを示せ (Bianchi の恒等式 ). ただし D ρ · F µν := ρ F µν + [A ρ , F µν ]. (N = 1 の 場合, 電磁気の dF = 0 に一致. 電磁気の d F = j に対応する方程式は Yang-Mills 方程式と呼ばれ , D F = j で与えられる .)

(4) CS := Tr (

A dA + 2

3 A A A )

を Chern-Simons 3-form と呼ぶ. Tr(F F )=

dCS を示せ . (Tr は N × N 行列のトレース . Tr A 4 = 0 に注意 .)

[コメント] このゲージ対称性は時空の対称性とは異なり, 内部空間の対称性と理解される

ものである . ゲージ対称性を備えた理論をゲージ理論と呼ぶ . 数学の対応物はファイバー・

バンドルの理論である . 素粒子の標準模型はゲージ対称性とローレンツ対称性を備えた理 論として構築され, g(x) G = SU (3) × SU (2) × U (1) である. (ゲージ変換 g(x) 全体を ゲージ群と呼び G で表す .) 標準模型の量子化は場の理論の枠組みで正しく行われる . 場の 理論では粒子ははじめから場 ( 波動関数 ) として記述され , 力学的自由度は無限自由度 ( 関 数の自由度) である. (この授業では有限自由度の粒子の古典論から出発し量子化を議論し た .) 場の量子論を習得することでようやく素粒子論研究の出発点に立つことができる . 問題 20. ( この小問については配点は双曲線関数と同じ )

この授業についてご意見や感想などを述べよ.(来年度以降の授業担当に参考になりそ

うな建設的・批判的ご意見・感想などを歓迎します .)

参照

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