レポート問題 ( 提出期限 2020 年 1 月 20 日 17 時 )
作成日: October 27, 2019 Updated : January 19, 2020 Version : 1.0 実施日: January 20, 2020
レポート提出について:
• 提出期限は 2020 年 1 月 20 日 (月)17 時 (厳守) とします.
• 提出期限の時間まで,提出場所として多元棟 1 階の教育研究支援室にレポート ボックスを設置します. (私に直接提出してくださっても構いません. 最後にま とめずにちまちま提出してくださっても結構です .)
• 原則として手書きのレポートを提出してください . ( パソコンで描図や数値計 算を行い,それを参考資料として追加するのはかまいません .)
• 表紙はあってもなくてもかまいませんが , 学生番号・氏名を明記してください .
• 参考にした文献や議論した友人がいれば,最後に引用するのが良いと思います .
問題 1. ( 質量とエネルギーの等価性 )
M M
M M-m
M+m M-m
v t=0
t
L -L O
L+l -(L-l)
ε ,p
x
以下の問いにしたがって質量とエネルギーの等価性を証明 しよう .
両端にそれぞれ質量 M の発光体 ( 右 ) と吸収体 ( 左 ) の ついた筒を考える . 長さは 2L で筒自体の質量は 0 とする.
時刻 0 に右から放出された光子 ( エネルギー ε, 運動量 p) が , 筒の中を飛んで時刻 t に左で吸収されたとする (右図参照).
ここで「光子」とは光を粒子とみなしたときの名称である ( 光量子仮説 ). 光 ( 子 ) の速さを c とする .
(1) 運動量保存則によれば,筒は発光と同時にその 反動で右に動き,吸収によって再び静止する.
その間の筒の速度を v ,移動距離を l(= vt) としたとき,
その間の筒と光子が移動した距離の関係式から, v/c を l, L で表せ.
(2) この 2 物体と筒よりなるシステムには外力が働いておらず,また最初は静止してい たのであるから,重心は不動のはずである.したがって,光子の移動に伴って,右 から左に質量が移動したと考えなければならない.すなわち,右での光子の発生 (エ ネルギー ∆E = ε の発生 ) の際には, ∆M = m だけ発光体の質量が減少し,左での 光子の吸収 ( エネルギー ∆E = ε の消滅 ) の際には, ∆M = m だけ吸収体の質量が 増加したと考えなければならない.その途中は全体として質量 m が消滅し,それが 光子のエネルギーとなっていると考えられる.
システムの運動量保存則を M, m, v, p の言葉で書き表せ .
(3) システムの重心不動の条件を , M, m, L, l の言葉で書き表し,これを (1) の結果に代 入することで, v/c を m, M で表せ.
(4) (3) の結果を (2) の結果に代入し, ε = mc 2 を導け . (cp = ε が成り立つことは既知と
してよい .)
問題 2. ( アインシュタイン係数とプランク分布 ) 以下の問いにしたがって,原子と輻射 場との平衡条件を考えることで黒体輻射に関する以下のプランクの公式を導いてみよう.
I(ν) = 8πh c 3
1
e hν/kT − 1 ν 3 .
ただし , ν は輻射光の周波数 , I(ν) は輻射強度を表し , T はシステムが熱平衡状態にあると きの温度 . c, h, k はそれぞれ光速度 , プランク定数,ボルツマン定数 .
2
状態 1 状態
hν B 12 I B 21 I A 21
(E 2 , g 2 )
(E 1 , g 1 )
図のように, E 1 と E 2 (> E 1 ) の2つのエネルギー準位をもつ原子を考える.状態 1, 2 に ある原子の数密度をそれぞれ n 1 , n 2 とすると,温度 T の熱平衡状態では
n 2
n 1 = g 2 exp( − E 2 /kT ) g 1 exp( − E 1 /kT ) = g 2
g 1 exp (
− hν 12 kT
)
(1) が成り立つ. (g 1 , g 2 は定数 . また , hν 12 = E 2 − E 1 .) この原子の状態 1 から状態 2, 状態 2 から状態 1 への単位体積単位時間あたりの遷移率は,吸収・放出する光子の強度を I (ν 12 ) とすると,それぞれ
dn dt
1→2
= B 12 n 1 I(ν 12 ), dn dt
2→1
= A 12 n 2 + B 21 n 2 I(ν 12 ). (2) で与えられる. A 12 , B 12 , B 21 をアインシュタインの A 係数 , B 係数という.
(1) この原子と輻射場のシステムが熱平衡状態にあると仮定したとき,式 (1) 〜 (2) を用 いて輻射強度 I(ν 12 ) を A 12 , B 12 , B 21 , g 1 , g 2 , h, k, T, ν 12 を用いて表せ.
(2) 前問で求めた表式が , hν 12 ≪ kT の極限で古典論から得られる Rayleigh-Jeans 分布 I RJ (ν) = (8πkT /c 3 )ν 2 を再現するために, アインシュタイン係数が満たすべき関係式 を 2 つ導け. (1 つは B 12 g 1 = B 21 g 2 .)
(3) 以上の結果から,原子と輻射場が温度 T の平衡状態にある場合の輻射強度の式 I(ν) がプランク分布に一致することを示せ.
(4) 太陽からの輻射スペクトルはプランク分布とよく一致することが知られている.い ま「人類の視覚は太陽の強度が最大になる波長域に適応して発達した」という仮説 をたてて,太陽の (表面) 温度を推定せよ.(理科年表などのデータを参照すること.
なお人間の可視光の波長は 3.8 × 10 − 7 m 〜 7.5 × 10 − 7 m である .) その結果の一致・
不一致について理由を簡単に議論せよ.
問題 3. (正準量子化, オペレーター) 状態空間上のオペレーター F ˆ の指数関数を exp( ˆ F ) :=
∑ ∞ n=0
1 n!
F ˆ で定義する . ( 以下 , F ˆ は適切なものが用いられているとし , 無限和の収束性など は一切認めて項別微積分・項別四則演算を自由に行ってよい.)
(1) [ˆ x, p] = ˆ i ℏ を満たす状態空間上のオペレーター x, ˆ p ˆ を考える. λ ∈ R とする.
(a) n = 1, 2, 3, · · · に対して, [ˆ x n , p] = ˆ ni ℏ x ˆ n − 1 [ˆ x, p ˆ n ] = ni ℏ p ˆ n − 1 が成り立つことを 示せ . ( たとえば帰納法 )
(b) ˆ pe iλˆ x = e iλˆ x (ˆ p + ℏ λ) を示せ .
(c) ˆ p | p ′ ⟩ = p ′ | p ′ ⟩ なる固有ベクトルを考える . このとき , e iλˆ x | p ′ ⟩ もまた p ˆ の固有ベ クトルであることを示し , 固有値を求めよ . ( この結果より p ˆ の固有値は実数値 全体を取ることが分かる .)
(2) [ ˆ A, B] ˆ ̸ = ˆ O のとき , 次の公式を証明せよ : ( たとえば f(λ) := e λ A ˆ Be ˆ −λ A ˆ を λ = 0 の 周りでテイラー展開 .)
e A ˆ Be ˆ − A ˆ = ˆ B + [ ˆ A, B ˆ ] + 1
2! [ ˆ A, [ ˆ A, B]] + ˆ 1
3! [ ˆ A, [ ˆ A, [ ˆ A, B]]] + ˆ · · ·
(3) ˆ A が任意のオペレーター F ˆ と可換 ([ ˆ A, F ˆ ] = ˆ O) なとき , ˆ A は c 数であるという . ( 物 理の方言 . 「 c 」は「 classical ( 古典的 ) 」を意味する . なお A ˆ が c 数でないとき q 数 であるとも言う . 「 q 」は「 quantum 」を指す .)
[ ˆ A, B] ˆ が c 数であるとき , 次の公式を証明せよ . ( たとえば g(λ) := e λ A ˆ e λ B ˆ について の微分方程式を立てて解く.)
e A ˆ e B ˆ = e A+ ˆ ˆ B+[ ˆ A, B]/2 ˆ
これは , オペレーター指数関数の積を一つの指数関数で表す公式 (Baker-Campbell-
Hausdorff の公式) の特別な場合である.
問題 4. (1 次元量子システムの束縛状態 ) 空間 1 次元を運動する粒子の束縛状態を議論す る . 定常状態におけるシュレーディンガー方程式は以下の通り (V (x) は実関数 ). ( 追記 ) 波動関数は lim
| x |→∞ φ(x) = 0, lim
| x |→∞ φ ′ (x) = 0 を満たすものとする.
Hφ(x) = (
− ℏ 2 2m
d 2
dx 2 + V (x) )
φ(x) = Eφ(x).
(1) ( 追記 ) φ(x) ̸ = 0 ( ∀ x) とする . エネルギー固有関数 φ(x) には縮退がないことを示せ . ( 同一の固有値を持つ固有関数が 2 個以上 (N 個 ) あるとき , その固有関数は N 重に 縮退しているという.)
(たとえば同一のエネルギー固有値に対して 2 個の固有関数 φ 1 , φ 2 が取れたとし,
φ ′ 1 φ 2 − φ 1 φ ′ 2 = 0 を示す . これより φ 1 = Cφ 2 (C は定数 ),)
(2) ポテンシャル V (x) が偶関数であれば , 波動関数は偶関数か奇関数のいずれかになる ことを示せ.
(3) 波動関数 φ は実関数にとれることを示せ . ( たとえば , φ = φ 1 + iφ 2 のように実部・
虚部に分けて , φ 1 = Cφ 2 (C は定数 ) を示す .)
問題 5. ( 双曲線関数 ) 次式で定義される双曲線関数について次の関係式を証明せよ . cosh x := e x + e − x
2 , sinh x := e x − e − x
2 , tanh x := sinh x
cosh x = e x − e − x e x + e − x . (1) cosh 2 x − sinh 2 x = 1 (2) 1 − tanh 2 x = 1
cosh 2 x (3) sinh( − x) = − sinh x (4) (sinh x) ′ = cosh x (5) cosh( − x) = cosh x (6) (cosh x) ′ = sinh x (7) tanh( − x) = − tanh x (8) (tanh x) ′ = 1/ cosh 2 x (9) sinh(x + y) = sinh x cosh y + cosh x sinh y (10) sinh 2x = 2 sinh x cosh x (11) cosh(x + y) = cosh x cosh y + sinh x sinh y (12) cosh 2x = cosh 2 x + sinh 2 x (13) tanh(x + y) = tanh x + tanh y
1 + tanh x tanh y (14) tanh 2x = 2 tanh x 1 + tanh 2 x (15) sinh 2 x
2 = cosh x − 1
2 (16) cosh 2 x
2 = cosh x + 1 2
(17) sinh 3x = 3 sinh x + 4 sinh 3 x (18) cosh 3x = − 3 cosh x + 4 cosh 3 x (19) sinh x = − i sin ix (20) cosh x = cos ix
問題 6. ( 井戸型ポテンシャルによる束縛状態 ) 問題 4 の 1 次元システムにおいて次の形の ポテンシャルをとる:
V = {
0 | x | ≤ a
V 0 (> 0) | x | > a
0 < E < V 0 とし束縛状態を考える . V (x) は偶関数なので波動関数 φ は偶関数 ( 正パリ ティ) か奇関数 (負パリティ) かのどちらかである. x < − a を領域 1, − a ≤ x ≤ a を領域 2, a < x を領域 3 と呼ぶ .
(1) φ(x) が偶関数の場合 , 領域 1 〜 3 の波動関数 φ 1 〜 φ 3 の一般形を書き下し , x = ± a で の境界条件より , E を定める方程式を書き下せ .
(2) φ(x) が奇関数の場合も前問と同様の議論を行え.
(3) 2mV 0 a 2
ℏ 2 が 1 および 12 のとき, (1), (2) それぞれの場合について存在しうるエネル ギー固有値の個数を求め , それぞれの固有値に属する固有関数の概形を描け .
アンケート集計結果・回答 (11 月 11 日 (月) 実施分)
1. 身の上: ( 1 ) 履修者 (19 名 ) ( 2 ) モグリ (2 名 ) 以後括弧内の数字は ( 履修者+モグリ ) 2. 講義の難易度: ( 1 ) OK(14 名+ 2) ( 2 ) 難しい (3) ( 3 ) 簡単 (1) ( 4 ) ? (1)
3. 説明の速さ・分かりやすさ: ( 1 ) 問題なし (17+2) ( 2 ) 問題あり (1) ( 3 ) ? (1) 4. 板書の見やすさ: ( 1 ) 問題なし (19+2) ( 2 ) 問題あり (0)
5. 雑談の量: ( 1 ) OK(17+2) ( 2 ) 多い (0) ( 3 ) 少ない (2) 6. レポート問題: ( 1 ) OK(18+2) ( 2 ) 問題あり (0) ( 3 ) ? (1)
アンケートにご協力どうもありがとうございました.上記の通り概ね問題ないと判断しま したので,概ねこれまで通りで行きます. 「少し速い (2 名 ) 」「どの式から結論を導いたか 一瞬さまようことがある」→どうもすみません.しっかり準備してもう少し丁寧に説明し ます. 「遅刻時間の記載は不要.」→ 来年度の参考にします.
「紙質が良い」→どうもありがとうございます. 「ポッキーの日は生協がポッキーを押し
売りするだけの日」→ 9 箱買いました .
問題 7. (1 次元調和振動子・コヒーレント状態 )
ハミルトニアンが以下で与えられる 1 次元調和振動子の量子力学を考える . H(ˆ ˆ x, p) = ˆ p ˆ 2
2m + mω 2 2 x ˆ 2 .
定常状態でのシュレーディンガー方程式 H ˆ | φ ⟩ = E | φ ⟩ を以下の生成消滅演算子を用いて 解くことを考える.
ˆ a :=
√ mω
2 ℏ x ˆ + i
√ 2m ℏ ω p, ˆ ˆ a † =
√ mω
2 ℏ x ˆ − i
√ 2m ℏ ω p. ˆ エルミート演算子 N ˆ := ˆ a † a ˆ を定義するとハミルトニアンは H ˆ = ℏ ω
( N ˆ + 1 2
) と書き表 される. N ˆ の固有値は 0 以上の整数 n であり, その固有関数を | n ⟩ と書くと,
| n ⟩ = 1
√ n! (ˆ a † ) n | 0 ⟩ , ˆ a | 0 ⟩ = 0, ⟨ n | n ⟩ = 1.
以上が講義で示されたことであり , 以下自由に用いてよい . (1) ˆ x および p ˆ を ˆ a と ˆ a † の線形結合で表せ .
(2) 第 n 励起状態の波動関数を φ n (x) := ⟨ x | n ⟩ で表す . ξ := βx, β = √
mω/ ℏ とすると φ n (x) = N n
( ξ − d
dξ ) n
e − ξ
2/2 , N n =
√ β
π 1/2 n!2 n が成り立つことを証明せよ . ( たとえば帰納法 )
(3) 第 n 励起状態 | n ⟩ における不確定性が ∆x · ∆p = ℏ (n + 1/2) となることを示せ . ( 期待値を計算する際の | ψ ⟩ として | n ⟩ をとる . すなわち ⟨ F ˆ ⟩ = ⟨ n | F ˆ | n ⟩ . また ,
∆x := √
⟨ ∆ˆ x ⟩ 2 , ∆ˆ x := ˆ x − ⟨ x ˆ ⟩ . )
(4) 消滅演算子 a ˆ の固有関数をコヒーレント状態をいう: ˆ a | α ⟩ = α | α ⟩ . ˆ a はエルミート ではないので固有値は実数とは限らない . {| n ⟩} が完全系であることを用いてよい .
(a) 規格化条件 ⟨ α | α ⟩ = 1 を用いて | α ⟩ = e −| α |
2/2 e αˆ a
†| 0 ⟩ を示せ .
(b) 2 つのコヒーレント状態の内積を計算し以下を示せ . ⟨ α | β ⟩ = e αβ −| α |
2/2 −| β |
2/2 . (c)
∫
| α ⟩⟨ α | d 2 α = π を示せ . ただし d 2 α は α = re iθ のとき d 2 α = rdrdθ.
(d) コヒーレント状態の波動関数 φ α (x) := ⟨ x | α ⟩ を具体的に求めよ . ( 規格化因子 は求めなくてよい.)
問題 8. ( 水素原子の波動関数とエネルギー準位 )
クーロン・ポテンシャル V (r) = − e 2 /r の下で,エネルギー E を持つ荷電粒子に対する シュレーディンガー方程式
[
− ℏ 2
2m ∇ 2 + V (r) ]
φ(⃗ r) = Eφ(⃗ r)
を級数展開の方法で解き,固有値 ( エネルギー準位 ) と固有状態を求めたい.
水素原子に適用する場合,この式は電子の原子核 (陽子) に対する相対運動のハミルトニア
ンに対応する.その場合, m は陽子 ( 質量 m p ) と電子 ( 質量 m e ) の換算質量 m p m e /(m p +m e )
で , ⃗ r は原子核を原点としたときの電子の位置ベクトルである .
(1) ∇ 2 の極座標表示は以下のように計算されることを示せ.
∇ 2 = 1 r 2
∂
∂r (
r 2 ∂
∂r )
+ 1
r 2 sin θ
∂
∂θ (
sin θ ∂
∂θ )
+ 1
r 2 sin 2 θ
∂
∂φ
(2) φ(⃗ r) = R(r)Y (θ, φ) とおけば,シュレーディンガー方程式は変数分離でき, µ をあ る定数として次式に帰着することを示せ.
1 r 2
d dr
( r 2 dR
dr )
+ { 2m
ℏ 2 (E − V (r)) − µ r 2
}
R = 0, 1
sin θ
∂
∂θ (
sin θ ∂Y
∂θ )
+ 1
sin 2 θ
∂ 2 Y
∂φ 2 + µY = 0
(3) (2) の式が発散しない解を持つためには, l を負でない整数であるとして µ = l(l + 1) となることが必要である.これを既知とすれば,束縛状態 E < 0 の場合,
ρ :=
√ 8m | E |
ℏ 2 r, λ := e 2 ℏ c
√ mc 2 2 | E | のように変数変換したとき,R(ρ) に対する方程式は,
R ′′ + 2
ρ R ′ − l(l + 1) ρ 2 R +
( λ ρ − 1
4 )
R = 0
となる. ( 「ダッシュ」は ρ に関する微分. ) この式より, ρ → ∞ で R は漸近的に e − ρ/2 のように振る舞うことが分かる.そこで R := e − ρ/2 F (ρ) とおくと,
F ′′ + ( 2
ρ − 1 )
F ′ +
( λ − 1
ρ − l(l + 1) ρ 2
) F = 0
を満たすことを示せ . さらに, ρ ≪ 1 では. F (ρ) ∝ ρ l と振る舞うことを示し,
F (ρ) := ρ l L(ρ) とおいたとき,L(ρ) の満たす方程式が,以下となることを示せ.
ρL ′′ + (2l + 2 − ρ)L ′ + (λ − l − 1)L = 0.
(4) L(ρ) を L(ρ) = ∑
ν=0
c ν ρ ν (c 0 ̸ = 0) のように級数展開して,前問の微分方程式に代 入することで,R(ρ) → ∞ で発散しないためには,ある負でない整数 n ′ を用いて
λ = l + 1 + n ′ という条件が成り立たなければならないことを示せ.
(5) 以上の結果からボーア半径 a 0 := ℏ 2 /(me 2 ) を用いて水素原子のエネルギー準位が以 下のようになることを示せ .
E n = − e 2 2a 0
1
n 2 (n = 1, 2, · · · )
(6) (n, l) = (1, 0), (2, 0), (2, 1) に対応する動径波動関数 R 10 (r), R 20 (r), R 21 (r) を具体的に 計算せよ.ただし以下のように規格化すること.
∫ ∞
0
r 2 | R nl (r) | 2 dr = 1.
問題 9. (マクスウェルの方程式) 時間座標を t, 3 次元空間の座標を ⃗ x = (x 1 , x 2 , x 3 ) とす る . ( 以後 , 矢印の記号 ⃗ は 3 次元ベクトルを表す .) 与えられた電荷密度を ρ, 電流密度を
⃗j とすると , 「真空中の」マクスウェルの方程式は次式で与えられる:
div B ⃗ = 0, rot E ⃗ = − 1 c
∂ ⃗ B
∂t , (3)
div E ⃗ = 4πρ, rot B ⃗ = 1 c
∂ ⃗ E
∂t + 4π
c ⃗j. (4)
ただし E, ⃗ B ⃗ はそれぞれ電場, 磁場を表す. c は正定数 (光速度). また, スカラーポテンシャ ル ϕ とゲージポテンシャル A ⃗ は E, ⃗ B ⃗ と以下の関係を持つ:
E ⃗ = − grad ϕ − 1 c
∂ ⃗ A
∂t , B ⃗ = rot A. ⃗ (5)
(1)〜(3) ではこれらを微分形式を用いて書き表すことを考える. そのために, 4 次元時空の
座標 x µ := (ct, ⃗ x), 4 元ポテンシャル A µ := ( − ϕ, ⃗ A) および 4 元電流密度 j µ := ( − cρ,⃗j) を 導入する . ( 以後 , 添え字は以下を走る: µ, ν = 0, 1, 2, 3. i, j = 1, 2, 3. )
(1) 1-form A := A µ dx µ および 2-form F := dA を定義する. F = (1/2)F µν dx µ ∧ dx ν と 表したとき , F i0 = E i , F ij = ϵ ijk B k であることを示せ . ϵ 123 = +1 とする .
(2) d ◦ d = 0 より , dF = ddA = 0 である (Bianchi の恒等式 ). 式 (3) は , dF = 0 で表さ れることを示せ .
(3) 1-form j := j µ dx µ を定義する . 式 (4) は ∗ d ∗ F = (4π/c)j で表されることを示せ . ただし , ∗ はホッジ作用素 (Hodge operator) と呼ばれ,以下のように定義される . (p-form の空間を (n − p)-form の空間に写す. ∗ : Ω p → Ω n − p .)
∗ (dx i
1∧ · · · ∧ dx i
p) := 1
(n − p)! ϵ i
1, ··· ,i
pj
1