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本稿では圧縮強さと ASR 抑制効果について報告 する。

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Academic year: 2021

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(1)

高炉スラグ微粉末の特徴を最大限に活かした三成分系セメントの提案に 向けた一考察

芝浦工業大学 土木工学科 ○ 伊代田 岳史 芝浦工業大学 高橋 佑輔 芝浦工業大学大学院 村上 拡 芝浦工業大学大学院 豊村 恵理

1. はじめに

地球温暖化対策として二酸化炭素排出量を抑制 することがセメント業界の命題となっており、その 一つの方策として混合セメントの利用拡大が考え られる。我が国においては高炉セメント B 種( BB ) の利用が進められているが、そのシェアは全セメン ト量の 25% に満たない程度で推移している。 BB を 用いたコンクリートは初期強度の発現や中性化抵 抗性などが懸念事項としてあげられる。その分、高 炉セメント A 種( BA )は普通ポルトランドセメン ト( OPC )と同等の利用が可能であるが、 BB の特 徴である ASR 抵抗性や塩分遮蔽性は効果が小さい といえる。そこで、 BA に改良を加え高炉スラグ微 粉末の有する特徴を付加できれば OPC よりも性能 を向上したセメントを供給できるとともに、要求性 能に応じたセメントの提案が可能となる。また、環 境負荷低減にも貢献できると考え、 BA におけるス ラグ置換率を保持した上で混和材を混合した三成 分系セメントの強度ならびに耐久性能を把握した。

本稿では圧縮強さと ASR 抑制効果について報告 する。

2 . 実験概要 2 . 1 結合材割合

本研究で設定した結合材を表 -1 に示す。本研究に おいては、少量混合成分が添加されていない研究用 OPC に高炉スラグ微粉末 4000 (石こう添加)を用 いた BA 配合をベースに、混和材としてフライアッ シュ( FA )と石灰石微粉末( LSP )を添加して三 成分系セメントを試製した。セメント中の高炉スラ グ微粉末( BFS )の置換率を 30% と固定し、 OPC に混和材を結合材全体として 3.5,7,14% ( OPC 中で は 5,10,20% )置換した系と、 OPC を 70% 一定とし て BFS に混和材を結合材全体として 5,10,20% 置換 した系の二種類とした。また、比較用として用いた OPC 単味、 BA ならびに高炉スラグ微粉末を 45%

置換した BB も同時に試験した。

2 . 2 試験項目

試験は W/C50% 、 s/c=3 の JIS に準拠したモルタ ルを用いて、表 -2 に示す試験項目を実施した。なお、

圧縮強さ試験では、 JIS を参考にしたが、結合材の 特徴を考慮して水分供給のない封緘養生における 強度を測定した。また、 ASR 試験においては、 JIS に準拠して結合材中に含まれるアルカリは OPC の み を 考 慮 し ア ル カ リ 総 量 が 1.2% と な る よ う に NaOH 溶液を添加した。反応性骨材は粗骨材を粉砕 して粒度調整した細骨材を砕砂に 50% 置換した。

表 -1 結合材の割合

OPC BFS FA LSP

OPC 100 - - -

BA 70 30 - -

BB 55 45 - -

B30-F3.5 66.5 30 3.5 -

B30-F7 63 30 7 -

B30-F14 56 30 14 -

B25-F5 70 25 5 -

B20-F10 70 20 10 -

B10-F20 70 10 20 -

B30-L3.5 66.5 30 - 3.5

B30-L7 63 30 - 7

B30-L14 56 30 - 14

B25-L5 70 25 - 5

B20-L10 70 20 - 10

B10-L20 70 10 - 20

結合材の割合(質量%)

BFS置換率30%

記号

OPC100%

BFS

置換率

45

FA

置換

LSP

置換

BFS

一定

OPC

一定

BFS

一定

OPC

一定

表 -2 試験項目

試験項目 試験方法 測定材齢

圧縮強さ 試験

JIS A 5201を参考に、封緘養

生の強さを測定 材齢3,7,28,91日 ASR促進

試験

材齢1日で脱型後、40℃

RH95%環境でASR促進 膨張率を0,2,4,8,13週 中性化

促進試験

封緘養生1週後に1週間20℃

RH60%で乾燥後、20℃,

RH60%,CO2濃度5.0%の環境 で促進

0,2,4,8,13週でフェノールフ タレイン溶液噴霧による中 性化深さ測定

塩分浸漬 試験

封緘養生1週後に3%塩水に 浸漬

1,2,4,8,13週で硝酸銀溶液 噴霧による塩分浸透深さ 測定

284

第66回セメント技術大会講演要旨 2012

〔3306〕

(2)

3 . 実験結果 3 . 1 圧縮強さ

(1) FA を置換した結合材

各材齢での FA を置換した結合材の圧縮強さを図 -1 に示す。いずれのセメントにおいても初期材齢か ら 28 日までの強さは OPC 単味を上回らない結果 であった。しかし、材齢 91 日の強さは B20-F10 の み OPC を上回る結果となった。これは混和材が長 期材齢にて反応したことを表していると考えられ る。材齢 28 日において N や BB で要求される 42.5N/mm

2

はいずれの結合材においても上回るこ とを確認した。

(2) LSP を置換した結合材

各材齢での LSP を置換した結合材の圧縮強さを 図 -2 に示す。 BFS 一定では LSP 置換率の増加に伴 い長期材齢にて圧縮強さが増進した。これは LSP が BFS の反応を促進させたものと考えられる。ま た、 OPC 一定では LSP 置換率が増加するに伴い圧 縮強さが低下することを確認した。材齢 28 日では いずれの結合材でも 42.5N/mm

2

を上回ったが、

LSP の添加量が多い系では強度が発現しにくいと いえる。

3 . 2 ASR 試験 (1) FA を置換した結合材

ASR 促進材齢 13 週における FA を置換した結合 材の膨張率を図 -3 に示す。いずれの結合材も FA の 置換率の増加に伴い、膨張率を抑制できていること がわかる。これは、温度 40 ℃、 RH95% 環境での FA のポゾラン反応の活性による Ca(OH)

2

の消費も影 響していると考えられるが、 FA の ASR 抑制効果が 高いといえる。

(2) LSP を置換した結合材

ASR 促進材齢 13 週における LSP を置換した結 合材の膨張率を図 -4 に示す。図より B30-L7 では BB と同程度の ASR 抑制効果が認められたが、そ れ以外の結合材では BA と同等程度の抑制効果しか 認められなかった。そのため、 LSP には ASR 抑制 効果は認められないことが分かった。

4 . まとめ

本研究で得られた成果を以下にまとめる。

(1) 圧縮強さでは FA 、 LSP ともに初期強度の低下 をもたらすが、長期強度発現が期待でき要求性 能によっては利用可能であることを示した。

(2) ASR 抑制効果では、 FA は大きな抑制効果が認 められるが LSP は認められなかった。

(3) 水和物分析・解析を実施しており、環境負荷低 減可能なセメントの提案に向けて検討中である。

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0

圧縮強度(

N /m m

2)

91

28

7

3

BFS

一定

OPC

一定

図 -1 FA を置換した結合材の圧縮強度

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0

圧縮強度(

N /m m

2)

91

28

7

3

BFS

一定

OPC

一定

図 -2 LSP を置換した結合材の圧縮強度

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4

膨張率(%)

BFS

一定

OPC

一定

図 -3 FA を置換した結合材モルタルの膨張率

0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4

膨張率(%)

BFS

一定

OPC

一定

図 -4 LSP を置換した結合材モルタルの膨張率

3日目   5月

31日

(木)

285

第66回セメント技術大会講演要旨 2012

参照

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