日本と韓国における民間非営利セクターに関する研 究 : JHCNPを中心に
著者 崔 銀珠
雑誌名 評論・社会科学
号 94
ページ 27‑43
発行年 2011‑01‑31
権利 同志社大学社会学会
URL http://doi.org/10.14988/pa.2017.0000012399
要約:NPOの国際比較調査研究として世界的に有名なのが,アメリカのジョンズ・ホプキ ンス大学が中心となって行っている非営利セクター国際比較研究プロジェックト(The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project;以下JHCNPと略す)である。JHCNPは,1990 年に第一回目の調査と分析が行われたのを皮切りに,現在までに数回行われてきている。
当初,JHCNPで取り扱われていた国は12カ国であったが,現在ではその対象国は世界の 各地域の40カ国近くに及んでいる。
本論文では,1995年のJHCNPの調査において調査対象になっていない韓国のデータを,
JHCNPで用いられた項目と照らし合わせつつ,日本と韓国の比較を行う。NPOの雇用,NPO
の収入構造を検討し,世界の非営利セクターにおける日本や韓国の位置づけをすることが 本論文の目的である。JHCNPにより,韓国にとって一種の準拠モデルである日本の非営利 セクターの実態を把握し,日本と韓国を比較することによって,いまだに研究の蓄積の少 ない韓国の非営利セクターの研究に今後の一層の進展が期待できる。
キーワード:日本,韓国,民間非営利セクター,JHCNP
1.はじめに
現代社会において,非営利セクターの役割は社会経済的に注目を集めている。Lester
M. Salamon
の言葉を借りれば「世界的なアソシエーション革命(associational revolu-目次;
1.はじめに
2.日本の非営利セクター 2−1 マクロ統計の中のNPO 2−2 雇用
2−3 NPOの経常支出
2−4 NPOの収入源
3.韓国の非営利セクター 3−1 NPOにおける雇用
3−2 GDPに占めるNPOの支出の割合 3−3 民間非営利部門の類型
3−4 NPOの収入構造
4.日本の韓国の比較−JHCNPを中心に−
4−1 NPOにおける雇用
4−2 NPOの収入源
5.世界的市民社会指標 6.終わりに
────────────
†同志社大学大学院社会学研究科博士後期課程
*2010年6月10日受付,2010年10月27日掲載決定
論文
日本と韓国における民間非営利セクター に関する研究
──JHCNPを中心に──
崔 銀珠
†27
tion)」と言われる
(1)ほど,その重要性は,世界的に増してきている。また,サラモン は,非営利団体は営利団体とは異質の存在で,政府の枠組みの外側で公共の目的を追求 する大規模な独立的民間機構であり,その活動目的・領域は,人的サービスの提供,草 の根レベルの経済開発促進,環境悪化の阻止,市民権の保護など多岐にわたるという。しかし,従来,特に経済学においては,公的セクター,市場セクターのみがその分析の 対象とされてきており,非営利セクターはほとんど取り扱われてこなかった。このた め,非営利セクターの社会経済的な影響力を,世界的に調査する必要性が生じたのであ る。
NPO
の国際比較調査研究として世界的に有名なのが,アメリカのジョンズ・ホプキ ンス大学が中心となって行っている非営利セクター国際比較研究プロジェックト(TheJohns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project;以下 JHCNP
と略す)である。JHCNP は,1990年に第一回目の調査と分析が行われたのを皮切りに,現在までに数回行われ てきている(2)。当初,JHCNPで取り扱われていた国は12
カ国(3)であったが,現在では その対象国は世界の各地域の40
カ国近くに及んでいる。JHCNP
におけるNPO
の定義には,文化や制度の異なる地域間で統一的な比較調査を行うため,非営利セクターに含まれる組織を①非営利(Nonprofit),②非政府(Nongov-
ernmental),③組織性(Formal),④自己統治性(Self-governing),⑤自発的結社性(Vol- untary)を基準に定義したため,日本の場合,既存の公益法人も含まれていることに注
意が必要である。また,この調査では,国際比較をする際に,より実効性を持たせるた めに,宗教団体,政治団体は,NPOとして含まれない。正確には,礼拝,祭祀など直 接的な宗教活動を行う団体は除外されるが,宗教に関連する社会福祉団体は,NPOと して考えられている。同様に,直接的に政治活動を行う政党や政治団体は,NPOとし て除外される一方,特定の政治的な立場に立って活動を行うアドボカシー団体は,NPO に含まれている(サラモン1997=1999,p.106−107)。
本論文では,1995年の
JHCNP
の調査において調査対象になっていない韓国のデータ を,JHCNPで用いられた項目と照らし合わせつつ,日本と韓国の比較を行う。NPOが どのぐらい社会における雇用を吸収しているのか,経済全体に占めるウェートはどのぐ らいか,そして,NPOの収入構造を検討し,世界の非営利セクターにおける日本や韓 国の位置づけを行うことが本論文の目的である。そこで,JHCNPの意義であるが,30 か国以上の国の非営利セクターの規模,範囲及び収入構造について,統一的な定義と産 業分類に基づき,客観的な統計データを用いて実態を明らかにした点である(山内2001)。そのため,JHCNP
により,韓国にとって一種の準拠モデルであると言える日本の非営利セクターの実態を把握し,日本と韓国を比較することによって,いまだに研究 の蓄積の少ない韓国の非営利セクターの研究に今後の一層の進展が期待できる。なお,
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 28
本論文では
NPO
の活動を福祉サービスに限定することなく,その全活動を視野に入れ て比較を行っていることを予めことわっておきたい。2.日本の非営利セクター
2−1
マクロ統計の中のNPO
日本経済の全体像はマクロ統計の国民経済計算(System of National Account ; SNA)
によって見ることができる。この統計では,経済全体をその性格別に,家計,営利法人 企業,一般政府,それに対家計民間非営利団体(Nonprofit Institution Serving House-
holds)に代別している。対家計民間非営利団体には,私立学校,民間病院の一部,社
会福祉団体,財団,芸術文化団体,労働組合,経済団体などのほか,宗教団体,政治団 体なども含まれる。対家計民間非営利団体が生み出す産出額は,統計上は生産コストによって把握するこ とになっている。これは政府・公共部門と同様に,市場で価額付けが行われない部分が 多いので,市場価額で評価することが難しいからである。
対家計民間非営利団体の総産出額は,1996年で
17.8
兆円,これから中間投入を差し 引いた部分,つまり対家計民間非営利団体の生み出す付加価値は11.4
兆円,GDPの2.3% を占める(山内 1999)
(4)。2−2
雇用日本の非営利セクターに働く人は,1995年にはフルタイム労働者に換算して
214
万 人と推計される(宗教を除く)。これは日本の非農業総就業者数の3.5%,サービス就業
者の
12.3% に相当する。これに,ボランティア労働力 70
万人を加えると284
万人(非農業総就業者数の
4.6%)になる。
また,政府部門(中央,地方,公営企業を含む)就業者数
538
万人と比較すると,非 営利セクター就業者は,その40% に相当する。1990
年には,総就業者数は169
万人で あったから,5年間で45
万人,27% 増加したことになる。この間,日本経済は実質成 長率がゼロに近い深刻な不況を経験し,総就業者も2.3% しか増加していない。この結
果,NPO就業者の総就業者に占める比率は,2.9% から3.5% に高まっている。
表
1
の日本のNPO
の就業者であるが,非営利セクター内部を大きく12
の産業に分 け,その産業構造を,雇用シェアによって見ると,医療が最大のサブセクターで,雇用の
47% を占め,次に教育・研究 23%,社会サービス 17% である。さらに,ボランテ
ィアを含むと,就業者の数は大きく増加していることが見られるが,逆にボランティア を含む就業者の割合は少なく表示されることがわかる。ちなみに,ボランティアを含む
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 29
就業者の雇用は医療が
37.3%,教育・研究が 18.5%,社会サービスが 17.3% である。
2−3 NPO
の経常支出1995
年において,日本の非営利セクターの 経常支出は,22兆円で,GDPの4.5% に相当
する。これにボランティア労働力の分を含めると比率は
4.9% になる。この年の一般政府(中
央政府+地方政府+社会保障基金)の総支出額
(消費支出+固定資本形成)が
78
兆円であるか ら,非営利セクターの経常支出規模は決して小 さなものではない。90年から95
年にかけて,日本経済全体としては年平均実質
1.4% の低成
長を記録したが,非営利セクターの経常支出は,同
2.7% 成長しており,経済全体の成長スピードを上回っている。
非営利セクター内部を大きく
12
の産業分野に分け,その産業構造を,雇用シェアに よって見ると,医療が最大のサブセクターで,雇用の47% を占め,次に教育・研究 23
%,社会サービス
17% であった(表 1)。表 2
の経常支出でみても同様に,医療が39
%,教育・研究
26%,社会サービス 12% となっており,この 3
部門で全体のおよそ7
割を占める。なお,医療には医療法人が含まれており,これを除けば医療のシェアは縮表1 日本のNPOの就業者 分野 就業者数(人) 構成比(%) 就業者数
(ボランティアを含む)(人)
構成比
(ボランティアを含む)(%)
文化 教育・研究
医療 社会サービス
環境 コミュニティ開発
アドボカシー フィランソロピー
国際 宗教 専門組織・労組
その他
66,287 480,920 1,008,599 355,881 8,341 6,348 3,801 4,362 7,693 147,914 106,699 91,148
3.1 22.5 47.1 16.6 0.4 0.3 0.2 0.2 0.4
− 5.0
4.3
156,086 523,571 1,058,498 490,646 19,281 52,723 14,204 29,999 45,478 303,081 141,799 302,891
5.5 18.5 37.3 17.3 0.7 1.9 0.5 1.1 1.6
− 5.0 10.7 合計
合計(宗教を除く)
2,287,993 2,140,079
− 100
3,138,257 2,835,176
− 100 出所;山内(1999)
データ;The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project(1995)
表2 日本のNPOの経常支出 経常支出
(100万円)
構成比
(%)
文化 教育・研究
医療 社会サービス
環境 コミュニティ開発
アドボカシー フィランソロピー
国際 宗教 専門組織・労組
その他
485,467 5,640,943 8,596,564 2,566,971 24,817 27,760 17,856 120,809 43,004 2,362,933 2,338,805 2,118,167
2.2 25.7 39.1 11.7 0.1 0.1 0.1 0.5 0.2
− 10.6 9.6 合計
合計(宗教を除く)
24,344,096 21,981,163
− 100 出所;山内(1999)
データ;The Johns Hopkins Comparative Non- profit Sector Project(1995)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 30
52.1 55.5
66
99.4 87.3 54.1
68.3 66 49.6
50.9 25.2 12.2
84.9 81.8
45.2 40.9
27.2
0.2 0 19.2
0.4 27.2 37 26.5 71.6 86.9
13.1 6.9
2.6 3.6 6.8
0.3 12.7 26.7 31.3
6.8 13.4 22.6
3.2 0.8 2 11.3
0% 20% 40% 60% 80% 100%
合計(宗教を除く)
合計 その他 専門組織・労組 宗教 国際 フィランソロピー アドボカシー コミュニティ開発 環境 社会サービス 医療 教育・研究 文化
会費・料金収入 公的補助 民間寄付
小する。これらに対して,国際活動,環境,コミュニティ開発,フィランソロピー,ア ドボカシーなどの分野は,いずれも非営利セクターの中で重要なウェートを占めている が,雇用,経常支出のいずれでみても規模自体はかなり小さい。
2−4 NPO
の収入源NPO
が活動を行うための収入源は,大きく会費・料金収入,政府補助金,民間寄付 に分けることができる。会費収入は,社団的なNPO
の主たる収入源である。料金収入 は,各種事業を有料で提供して得る収入である。会費・料金収入は,日本のNPO
の収 入全体(宗教を除く)の52% を占める,重要な収入源である。このことについて,NPO
の自主財源が豊富で自立していると解釈するのは間違いで,むしろ,他の財源が乏し く,会費・料金収入に依存せざるを得ないというのが実態であろう。分野別では,会費・料金収入への依存度が高いのは,文化・教育などであり,逆に依存度が低いのは,医 療,環境,コミュニティ開発,国際活動などである。
また,NPOには,政府・公共セクターから様々な形で資金が流入している。それは,
補助金という名称の場合もあれば,助成金,交付金,委託費など異なる名称が使われる が事実上は補助金という場合もある。こうした広い意味の公的補助は,日本の
NPO
の収入の
45% を占める。公的補助への依存度が高いのは,医療や社会サービスであり,
医療の場合は,健康保険から支払いが行われる診療報酬を含めているからである。一
図1 日本のNPOの収入構造
出所;山内(1999)
データ;The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project(1995)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 31
方,依存度が低いのは,文化,フィランソロピー,専門組織・労組などである。NPO は,どこの国でも政府からの補助金なしで活動を継続して行うのは難しい。ちなみに,
NPO
が自立しているといわれているアメリカでさえ,NPOの収入の30% 以上は公的
補助である。日本の民間寄付は非営利セクター全体でみると
3% を占めるにすぎない。もっとも,
環境,コミュニティ開発,国際活動,フィランソロピーなどの分野では民間寄付の割合 がかなり大きく,逆に医療,専門組織・労組などでは極端に小さくなっている。
3.韓国の非営利セクター
ここでは,JHCNPの調査(1995年)において調査の対象国家になっていない韓国の データを,JHCNPで用いられた項目と照らし合わせつつデータを入れることを試みる。
3−1 NPO
における雇用韓国の統計庁資料によると,2003年現在,全産業従事者の数は
2,213
万名であり,全 産業有給従事者対無給従事者の比率は65%,35% である。民間非営利団体の無給従事
者は39
万名と推測される。これは非営利民間団体が相対的に高い比率を占めているサ ービス業分野(保健及び社会福祉事業,教育,娯楽,文化)の無給従事者の数は69
万 人と推測されるが,この中で営利団体の勤労者として推測される部分を除外した結果で ある。また,民間非営利団体の有給従事者及び無給従事者は約140
万名と予測であり,これは全産業従事者の
6.3% を占めている(金ジュンキ 2006)。
3−2 GDP
に占めるNPO
の支出の割合韓国銀行の国民勘定(5)資料では,各部門別の国民総生産の寄与度を公表している。非 営利部門に近い部門は「家計に奉仕する非営利サービス生産者(producers of non-profit
services to households)」である。家計に奉仕する非営利サービス生産者とは家計に非市
場財貨やサービスを提供する非営利団体を指し,この中,政府からの統制と資金援助を 受けている団体は除外される。家計に奉仕する非営利部門がNPO
と明確に一致するわ けではないが,NPOの規模を示すのに有効であると考えられる。2002年末現在,家計 に奉仕する非営利サービス生産者部門の生産額は14
兆6,597
億ウォンで,1985年の非 営利サービス生産者の生産額1
兆5,824
億ウォンと比べると9
倍増加した。2002年末現 在,家計に奉仕する非営利サービス生産対GDP
は2.46% である(金ジュンキ 2006)
(6)。 これは,1985年度のGDP
に占める非営利部門の割合の0.19% から 12
倍以上成長した ことを示している。興味深いのは,政府部門の増加であり,非営利部門の増加が政府部日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 32
門の縮小をもたらすという仮説とは相反する結果を示すデータである。また,2002年 度末,非営利団体対
GDP
の寄与度は2.46% である。 1990
年1.96%, 1995
年2.14%, 2000
年
2.36% など非営利団体の成長を示している。
国民総生産に対する支出における,民間部門の場合,1970年の
47
兆2,140
億ウォン から2004
年347
兆4,900
億ウォンで7.4
倍増加している。また,家計に奉仕する非営 利団体の場合,1970年8,310
億ウォンから2004
年7
兆1,130
億ウォンで8.6
倍成長し ている。民間部門の中でも非営利部門の成長率が大きいことが見られる。非営利部門が 民間部門で占める比率は1970
年1.8% から 2004
年2% に増加していることが見られ
る。さらに,民間と政府の国民総生産に対する支出額の比率は
1970
年3.34
倍から始め,一部を除いては持続的に増加していることが見られる。また,1985年
4
倍を超えた以 来,1998年為替経済金融危機の時期を除いて,ずっと民間部門が政府部門より4
倍以 上の支出があることが見られる。特に,非営利団体の支出額と政府の支出額を比較する とき,1970年5.9% が 2004
年8.5% に増加している。このことから,まず,非営利団
体の支出増加が政府支出増加より高いことである。次に,政府と民間非営利セクター間 の増加率の差があるにもかかわらず,政府と非営利領域の実質支出額比率はある程度一表3 民間非営利サービス生産額(単位;10億ウォン,当年度価額基準)
1985年 1990年 1995年 2000年 2002年
NPO 1,582.4 3,507.2 8,093.7 12,320.7 14,659.7
GDP 81,315.2 178,796.8 377,349.8 521,959.2 596,381.2
政府部門(%) 7.3 7.4 7.4 7.5 8.0
NPO/GDP(%) 0.19 1.96 2.14 2.36 2.46
出所;韓国銀行の国民勘定資料(各年度)
注;政府部門のウェート;国内政府サービス生産者生産額/国内総生産額
表4 国内総生産に対する支出
民間 政府 家計に奉仕する
非営利団体/民間民間/政府 家計に奉仕する 非営利団体/政府 家計 家計に奉仕する
非営利団体/民間
10億ウォン 比率
1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 1998年 2000年 2004年
47,214 65,589 86,397 121,937 185,863 270,628 258,317 312,301 347,490
46,383 64,402 84,745 119,028 181,466 264,933 252,271 305,984 340,378
831 1,186 1,652 2,910 4,396 5,695 6,046 6,317 7,113
14,120 18,523 24,615 29,372 44,754 59,127 67,045 70,098 83,279
1.8 1.8 1.9 2.4 2.4 2.1 2.3 2.0 2.0
3.34 3.35 3.51 4.15 4.15 4.58 3.85 4.46 4.17
5.9 6.4 6.7 9.9 9.8 9.6 9.0 9.0 8.5 出所;韓国銀行の国民勘定資料(各年度)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 33
定の水準を維持しながら漸進的に増加していることである。これは,政府と非営利部門 は相殺の関係ではなく,相互補完的な特性を持っていることが推測できる。
3−3
民間非営利部門の類型表
5
の目的別投入における各項目別年度別データにおいて注目されるのは,教育関連 の総産出の比率は1970
年から2003
年まで増加した半面,福祉関連の総産出の比率は減 少したことである。まず,教育に占めるウェートが他の部門に比べ著しく高く,そのよ うな傾向は一貫しているが,これは,韓国においては,これと言った資源がなく,人材 こそ資源であったのである。そのため,教育への投資が最優先されたと考えられる。一 時期,韓国における文部行政を司る省庁の名称が教育人的資源部であったことからもこ の点は容易に推測できる。また,社会福祉費の投入においては,1970年代以後1980
年 代半ばまでは増加率が減少し,1980年代半ば以後は,増加率が持続的に上昇している。これは,1987年の民主化によるものと思われる。軍事政権時代の経済成長中心政策に 対する批判が続出し,社会福祉の拡充を求める声が急激に高まったことがその背景にあ ると考えられる。
3−4 NPO
の収入構造1996
年国内非営利サービス生産者の総所得は14
兆692
億ウォンで,この中で料金収 入が10
兆5,930
億ウォンで総所得の75.3% に占められており,政府補助は 16.2%,民
間寄付は
9.5% であった(金ジュンキ 2006)。韓国の NPO
における収入状況の特徴は会費や料金収入が多いことである。これは営利部門と競争が存在する市場において非営 利部門が税制上の優遇があるとの意見もある。また,表
6
の韓国銀行(1997)による と,政府の非営利部門に対する補助金は,1972年の60
億ウォンから1994
年2
兆5,730
億ウォンにおよそ427
倍増加した。これは社会福祉財団体に対する支援の増加と,福祉 分野と行政分野の民間委託及び民営化による非営利団体に政府の委託業務の増加も政府表5 民間非営利団体の目的別産出(単位;10億ウォン,当年度価額基準)
1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2003年 医療・保健
娯楽・文化 教育 社会福祉
宗教 政党・労働団体
その他
4 3 38 8 9 3 3
16 9 146 24 25 8 8
60 23 625 55 64 21 23
199 76 1,514 107 210 69 86
341 161 3,061 179 445 146 202
739 501 6,840 487 1,388 455 711
1,237 662 10,428 1,245 2,066 460 979
1,465 711 13,938 1,772 2,925 382 1,032
合計 68 236 871 2,261 4,535 11,121 17,077 22,225
出所;韓国銀行の国民勘定資料(各年度)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 34
の補助を増加させた一因である。
4.日本と韓国の比較−JHCNP を中心に−
韓国は
2004
年のJHCNP
の調査において調査対象国に追加されたため,日本と同じ枠組みで非営利セクターを比較することができるようになったと言える。そこで,本節 においては,第
2
節,第3
節において,各々述べられた日韓の非営利セクターの実態に 注目し,JHCNPの世界各国のデータを確認しつつ,日本と韓国の非営利セクターの比 較とほかの国と比べた場合の日韓両国のそれぞれの位置づけを行うことを目的にする。4−1 NPO
における雇用図
2
のJHCNP
の雇用の項目を見ると,非営利セクター就業者の割合が高い国はオランダであり,次にベルギー,アイルランド,アメリカ,イギリスとなっている。すなわ ち先進諸国において,非営利セクターの経済活動が活発である姿が見て取れる。ただ し,就業者をボランティアに限定すると,別の特徴が浮かび上がる。非営利セクター就 業者全体を占めるボランティアの割合をみると,もっとも割合が高い国はスウェーデン であり,ほぼ同規模でタンザニア続いている。その
他,過半数を超えている国は,フィリピン,ノルウ ェー,ウガンダ,フランスであった。この結果か ら,ボランティア活動が活発な国は,その国の経済 発展規模には関係ないことがわかる。また,北欧諸 国でボランティアの割合が高いことから,社会福祉 のほとんどを国が担っている国ではボランティアが 少ないというのは固定観念であることが明らかにな った。
特に,日本と韓国において,非営利セクターの全 就業者に占めるボランティアの割合をみると,日本
は
23.8%,韓国は 24% を占めており,これから潜
表6 政府の非営利団体支援状況(単位;億ウォン)
1972年 1979年 1982年 1989年 1994年
政府経常支出 総補助金 非営利団体支援 非営利団体支援/総補助金
5,160 2,280 60 2.6%
44,540 19,900 1,690 8.4%
80,030 33,240 2,830 8.5%
200,240 107,320 8,430 7.9%
457,160 276,280 25,730 9.3%
出所;韓国銀行(1997)
表7 日本と韓国の活動分野別雇用 日本 韓国 文化
教育・研究 医療 社会サービス
環境 コミュニティ開発
アドボカシー フィランソロピー
国際 専門組織・労組
その他
5.5 18.5 37.3 17.3 0.7 1.9 0.5 1.1 1.6 5.0 10.7
4.9 40.5 25.8 15.5 0 0 9.9 0 0 3.4
0 合計 100 100 出所;The Johns Hopkins Comparative
Nonprofit Sector Project(2004)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 35
0 2 4 6 8 10 12 14 16
0.3 0.4 0.6 0.6 0.6 0.9 0.6 0.7 1.4 0.7
1.3 0.5
1.3 0.9
1.8 1.9 1.5
2.7 1.8
2.3 3.2 2.8 2.9 3.8 2.4
3.5 4.4 1.7
2.7 3.7
6.6 4.8
6.3 8.3
8.6 9.2 2.7
0.1 0.4
0.2 0.2 0.4 0.2 0.8 0.8 0.2 1.2
0.7 1.5
0.8 1.3
0.6 0.6 0.9
0.1 1.6
1.5 1 1.5 1.9
1.1 2.8
2.3 1.9 5.1
4.4 3.7
1.4 3.6
3.5 2.1
2.3 5.1 1.6
メキシコ ルーマニア ポーランド スロヴァキア パキスタン ハンガリー インド モロッコ ブラジル フィリピン チェコ タンザニア ケニア ウガンダ コロンビア ペルー エジプト 南アフリカ イタリア 日本 スペイン アルゼンチン オーストリア フィンランド ドイツ オーストラリア スウェーデン ノルウェー フランス イスラエル アメリカ アイルランド ベルギー オランダ 36カ国平均
韓国 イギリス
有給職員 ボランティア
在的なボランティア・マンパワーを有効に引き出すための制度面での努力が必要であ る。
また,表
7
の日本と韓国の活動分野別の雇用をみると,日本は医療に37.3%,教育・
研究
18.5%,社会サービス 17.3% 順に雇用されており,韓国は教育に 40.5%,医療
25.8%,社会サービス 15.5% 順に雇用されていることが伺える。
4−2 NPO
の収入源図
3
は,各国の非営利セクターの収入構造を比較したものである。この図から会費・料金収入中心の国と政府補助中心の国に分けることができる。まず,会費・料金収入中
図2 各国の全就業者における非営利セクター就業者の割合
出所;The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project(2004)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 36
0% 20% 40% 60% 80% 100%
85 29
60 55 51
55 51
74 92 47
53 81 55
70 71 70 32
61 52 49
73 43
58 3
63 62 58 35 26
45 57
58 19
39 53
9 45
24 22 6
27 36
15 5 39
27 5 7
15 24 18 44
37 45 32
19 50
36 64
31 29 35 58 64
47 31
36 77
59 34
6 26
15 23 43
18 13
11 3 14 20
14 38
15 4 12 24
3 3 19
7 6 6 3 6 9
7 2 10
9 13
6 5 2 12
メキシコ ルーマニア ポーランド スロヴァキア パキスタン ハンガリー インド ブラジル フィリピン チェコ タンザニア ケニア ウガンダ コロンビア 韓国 ペルー 南アフリカ イタリア 日本 スペイン アルゼンチン オーストリア フィンランド ドイツ オーストラリア スウェーデン ノルウェー フランス イスラエル イギリス アメリカ アイルランド ベルギー オランダ 34カ国平均
会費・料金収入 公的補助 民間寄付
心の国は,フィリピン(92%),メキシコ(85%),ケニア(81%),ブラジル(74%),
アルゼンチン(73%),韓国(71%)などである。政府補助中心の国は,アイルランド
(77%),ベルギー(77%),ドイツ(64%),イスラエル(64%),オランダ(59%)で ある。また,民間寄付の割合が多い国は,パキスタン(43%),ウガンダ(38%),ルー マニア(26%),南アフリカ(24%),スロヴァキア(23%)である。
各国の
NPO
の収入源の平均は,JHCNPの34
カ国の会費・料金収入の平均は53%,
政府補助の平均は
34%,民間寄付の平均は 12% であった。日本においては,会費・料
金収入が
52%,政府補助が 45%,民間寄付が 3% であり,韓国においては,会費・料
金収入が
71%,政府補助が 24%,民間寄付が 4% である。このことから,韓国の会費
図3 各国の非営利セクターの収入構造
出所;The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project(2004)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 37
・料金収入は
JHCNP
の会費・料金収入の平均より多く,日本の政府補助はJHCNP
の 政府補助の平均より多いことがわかった。また,日韓両国における民間による寄付はJHCNP
の平均より少ないことがわかった。これによって,日本と韓国は会費・料金収入中心の国であるといえるが,日本より韓 国の方が会費・料金収入の度合いが強いといえる。また,日本も韓国も民間寄付の割合 が低いことが伺えるが,これは国によって,NPOの活発な分野が違うことも影響され ており,これによって
NPO
の収入構造に大きな違いが見られると考えられる。表
8
の日本と韓国の活動分野別の収入構造をみると,日本において,会費・料金収入 が多い分野は文化,教育・研究であり,政府補助が多い分野は医療,社会サービスであ り,民間の寄付が多い分野は環境,国際分野である。一方,韓国において,会費・料金 収入が多い分野は文化,教育・研究,医療であり,政府補助が多い分野は社会サービス であり,民間の寄付が多い分野は社会サービス,アドボカシーである。日本と韓国の活 動分野別の収入において大きな相違点は医療分野で,日本は政府の補助が87% である
半面,韓国においては会費・料金収入が61% を占めている。
5.世界的市民社会指標
表
9
は,非営利セクターの状況や活力について国際比較を行うために,いくつかの観 点から数値化し,その指標化を試みたものである。JHCNPではこれを「世界的市民社 会指標(Global Civil Society Index)」と呼んでいる(Salamon and Sokolowski, 2004)。そ の指標の一つ目は「規模(Capacity)」である。これは,当該国における非営利セクタ ーの(相対的な)サイズである。ボランティアの含んだ非営利セクター就業者の規模,表8 日本と韓国の活動分野別の収入構造(単位;%)
分野 日 本 韓 国
会費・料金 政府補助 寄付 会費・料金 政府補助 寄付 文化
教育・研究 医療 社会サービス
環境 コミュニティ開発
アドボカシー フィランソロピー
国際 宗教 専門組織・労組
その他
82 85 12 25 51 50 66 68 54 87 99 66
7 13 87 72 27 37 27 0 19 0 0 27
11 2 1 3 23 13 7 31 27 13 0 7
66 80 61 16
−
− 67
−
− 100 100
−
25 15 39 68
−
− 17
−
− 0 0
−
8 5 0 16
−
− 17
−
− 0 0
− 出所;The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project(2004)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 38
寄付の総額,非営利セクター内の分野の多様性の観点から数値化されている。
指標の二つ目は「持続性(Sustainability)」である。これは,市民社会を持続させる能 力であり,データとしては,自己財源,補助金の量など政府からのサポート,ボランテ ィアの人数,非営利セクターを支援する法的環境といった観点から数値化されている。
指標の三つ目は「影響力(Impact)」である。これは,非営利活動の影響力を表す指 標として,付加価値で測った非営利貢献度,非営利雇用のシェアで測った人的サービス 分野の非営利貢献度,非営利雇用の人口比で測ったアドボカシー分野の非営利貢献度,
非営利団体会員数の人口比で測った大衆参加度といった観点から数値化されている。
表
9
の世界的市民社会指標によるとオランダが市民社会指標74
で最も高く,次にノ ルウェー65
であった。しかし,3つの要素ごとにみると少し異なった順が見える。規 模の1
位はオランダ,2位はアメリカである。これに対して,持続性では,1位がノル ウェー,2位がイギリスである。また,影響力では,1位がオランダ,2位がスウェー デンとなっている。また,日本は全体で36
であり,韓国は35
であった。両国とも非営 利セクターの面ではこれから発展が期待されるところである。6.終わりに
NPO
研究は,比較的最近までアメリカを中心になされてきたが,NPO研究の底辺を 国際的に広げるのに重要な役割を果たしたのはJHCNP
といえる。JHCNPがNPO
研究表9 世界的市民社会指標
規模 持続性 影響力 全体
オランダ ノルウェー
アメリカ スウェーデン
イギリス イスラエル
フランス アイルランド
ドイツ オーストリア
日本 韓国 イタリア
チェコ ハンガリー
ブラジル インド パキスタン
79 55 76 58 66 70 56 48 47 35 38 32 38 34 38 30 27 26
54 82 54 56 60 42 46 42 45 42 34 38 37 35 32 31 30 19
89 59 54 67 50 50 44 50 47 34 35 36 25 25 20 26 20 12
74 65 61 60 58 54 49 47 46 37 36 35 33 31 30 29 26 19 出所;The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project(2004)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 39
に果たした役割は,第一に,各国の非営利セクターの経済力はどうなのかと各国がどの ような多様性をもっているのか,また非営利セクターの各分野の収入構造など各国の非 営利セクターを実証的に分析した初めての世界規模の試みである。また,非営利セクタ ーの範囲も国によって異なるがそれを体系的に整理したことも
JHCNP
の大きな貢献と 言える。第二に,NPOの概念を統一的な定義と産業分類に基づき,世界各国の
NPO
の現状を 定量的に明らかにしたもので,これにより,絶対規模で世界最大のNPO
大国はアメリ カであるが,相対規模ではオランダなどが上回ること,各国のNPO
の財源構成は,寄 付が意外に少なく,政府からの補助に依存する部分が大きいことが明らかになった(Salamon, Lester M. 1997=1999)。
第三に,東欧やラテンアメリカの非営利セクターの実態は,JHCNPによってはじめ て明らかにされたのもこのプロジェックトの大きな意義である。
本論文では,日本と韓国における非営利セクターについて,JHCNPを中心に検討し た。韓国が
JHCNP
の最初の調査の対象国に含まれていなかったのは非常に残念であっ たが,今回JHCNP
の調査項目に照らし合わせつつデータを入れることができた。GDP に占めるNPO
の支出の割合は,日本の場合は4.5%,韓国においては 2.14% を占めて
いる(1995年)。2004年のJHCNP
調査の結果をまとめてみると,NPOにおける雇用 は,ボランティアを含むと日本は4.2% であり,韓国は 2.5% である。これは,JHCNP
の
34
カ国の4.4% より低いが,特に韓国は低い。NPO
の収入源については,韓国の会費・料金収入(71%)は
JHCNP
の会費・料金収入の平均(53%)より多く,日本の政 府補助(45%)はJHCNP
の政府補助の平均(34%)より多いことがわかった(7)。ま た,日韓両国における民間による寄付(日本3%,韓国 4%)は JHCNP
の平均(12%)よ り 少 な い こ と が わ か っ た。特 に,韓 国 の
1995
年 のNPO
の 収 入 構 造 と2004
年 のJHCNP
の調査結果のNPO
の収入構造を比較すると政府からの補助は16.2% から 24%
に増加したが,民間からの寄付金は
8.5% から 4% に減少したのである。これは,韓国
における外国為替危機(1997)が一因であるといえる。このように,JHCNPでは,日本と韓国を含む
30
か国以上のNPO
の活動規模,範囲 及び構造など非営利セクターの実態を明らかにした。しかし,ある国のNPO
が他の国 より発達しているのはなぜか,またはNPO
の国際的な多様性はなぜ生じるのかといっ た疑問は残されたままである(山内2001)。これは,歴史,制度,文化,経済発展段階
などの異なる,各国のNPO
においてどのような類似点があり,またどのような相違点 があるかを知ることは,今後におけるNPO
研究に大いに参考になることを意味すると 考えられる。さらに,NPO研究の特徴の一つとして,学際的なアプローチの重要性が挙げられる
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 40
(山内
2001)。例えば,経済学は, NPO
のサービス供給機能に着目することが多いが,NPO
の役割はそれだけではない。ロバート・パットナムが提唱するように,信頼に基づくコ ミュニティのネットワーク,あるいは「ソーシャル・キャピタル」を生み出す役割も注 目される(Putnum 1993=2001)。また,利用者の代弁者としての「アドボカシー」の役 割も重要である。これらは,社会学や社会福祉学が分析上の比較優位を持つと思われる 分野であるため,今後に残された研究課題である。なお,本論文の分析のために用いられた日韓の
NPO
に関するデータは,比較の観点 から不揃いの部分があるが,この点については,本論文の分析が試論的研究という点も あり,今後の課題にしたい。また,マクロレベルだけではなく草の根市民団体に関する 日韓比較の実証研究の蓄積も期待したい。注
⑴ サラモン(1994)「福祉国家の衰退と非営利団体の台頭」『中央公論』10月号。
⑵ 第1フェーズは,1990年で第一回目の調査と分析が行われ,12か国が参加し,うち日本を含む7か国 の比較データが公表された。第2フェーズには,1995年でおよそ30か国が参加しており,うち22か 国についてのデータが公表されている。第3フェーズは,2004年には36か国のデータが公表されて いる。韓国は第3フェーズの調査対象国になっている。
これらのデータを得るための調査は,国によって調査期間が異なっていることに注意が必要である。
なお,2004年に分析の結果の調査期間は1995年から2000年までであった。
⑶ 先進国は日本,イギリス,フランス,アメリカ,ドイツ,イタリアで,途上国はブラジル,ガーナ,
エジプト,インド,タイで,旧社会主義国家はハンガリーである。
⑷ 日本の非営利セクターに関するデータとそれらについての説明は,特に断らない限り山内(1999)か ら引用したものである。
⑸ 日本の国民経済計算に相当する。尚,韓国の国民勘定は,一つの国民勘定の中に,「国内総生産と支 出」,「国民総処分可能所得と処分」,「貯蓄と投資」の項目がある。
⑹ 韓国の非営利セクターに関する比率の計算式は,金ジュンキ(2006)を参考にしたものである。
⑺ 日本の1990年のNPOの収入構造については,政府からの補助は38.3%,会費・料金収入が60.4%,
民間寄付が1.3% であった。また,2004年のJHCNPの調査結果については,政府からの補助は45%,
会費・料金収入が52%,民間寄付が3% であった。1990年の調査と2004年の調査と比較すると,政 府からの補助が38.3% から45% に増加し,民間の寄付も1.3% から3% に増加した。
参考文献
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山内直人(2001)「NPO研究の回顧と展望」日本NPO学会編集委員会編『NPO研究2001』日本評論社 山内直人編(1999)『NPOデータブック』有斐閣
Putnam, Robert D.(with Leonardi, Robert and Nanetti, Raffaella Y.)(1993)Making Democracy Work : Civic Tra- ditions in modern Italy, Princeton University Press(河田潤一訳(2001)『哲学する民主主義−伝統と改革 の市民的構造』NTT出版株式会社)
Salamon, Lester M.(1992)American’s Nonprofit Sector, The Foundation Center.(入山映訳(1994)『米国の
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Salamon, Lester M. and Anheier Helmut K.(1994)The Emerging Sector, The Johns Hopkins University, Mary- land, U.S.A(今田忠監訳(1996)『台頭する非営利セクター』ダイアモンド社)
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 41
Salamon, Lester M.(1997)Holding the Center : America’s Nonprofit Sector at a Crossroads,Nathan Cummings
Foundation(山内直人訳・解説(1999)『NPO最前線−岐路に立つアメリカ市民社会』岩波書店).
Salamon, Lester M., S. Wojciech Sokolowski, and Associates(2004)Global Civil Society : Dimensions of the Non- profit Sector : Volume Two,Kumarian Press, Inc.
Salamon, Lester M., S. Wojciech Sokolowski(2004)Measuring Civil Society : The Johns Hopkins Global Civil Society Index, in Salamon et al.
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金ジュンキ(2006)『政府とNGO』博英社
チョヒヨン編(2001)『NGOガイド』ハンキョレ新聞社
崔ナククァン(2004)『市民団体の政治参加と改革;その論理と限界』自由企業院 電通総研,チェジンス訳(1999)『NPO−持続可能な社会のための市民経営学』サムイン チュソンス編著(1999)『新しいミレニアムにおける韓国市民社会のビージョン』漢陽大学
金ヒョクレ(1997)「韓国の市民社会と非政府団体(NGO)研究:現況と発展戦略」『東西研究』9号 金ドンチュン(2000)『NGOとは何か』アルケ
金ヨンレ・李チョンヒ他共著(2004)『NGOと韓国の政治』韓国政治学会
金ジュンモ・李キシク他共著(2002)『韓国のNGOの活動実態と課題』韓国行政研究院 日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 42
In modern society, socio-economic roles of Nonprofit Sector should not be ignored. Nowa- days, we experience worldwide increase of the importance of Nonprofit Sector, to such an extent that Prof. Lester. M. Salamon calls it the global association revolution . However, convention- ally, especially in economics, only public sector and market sector were considered an analysis object. This is why we should be interested in global socio-economic influence of Nonprofit Sec- tor and take a close look at it.
A comparative research on NPOs led by Johns Hopkins University is famous worldwide.
The Johns Hopkins Comparative Nonprofit Sector Project we call JHCNP started in 1990. Since then, several surveys have been made several times so far. At the beginning, 12 countries were focused. But, nowadays, almost 40 countries are surveyed. In this dissertation, I want to compare Korea with Japan based on JHCNP data.
I have examined employment share of NPOs to total employment in several countries. U.S.
is 9.8%, Japan is 4.2%, Korea is 2.4%, 36 countries average is 4.4%. Compared to other coun- tries, Korea is lowest.
Income sources of NPOs can be categorized into fees, government subsidy and donations.
In case of Japan, fees hold 52%, the assistance from public sector holds 45%. When it comes to donations in NPO, it is only 3%. A characteristic of income situation in Korean NPOs is that fees are 71%. It means that they get more fees than NPOs do in any other countries. In Korea, government subsidy is 24%, donations is 4%, respectively. Compared to other countries, Korea and Japan can get very small donations.
A Study on Nonprofit Sector of Japan and Korea in a Comparative Perspective
Choi, Eun Ju
日本と韓国における民間非営利セクターに関する研究 43