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Analysis of Two-Dimensional Internal Fatigue Crack Growth under Residual Stress by Using Finite Element Method

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(1)

有限要素法 有限要素法 有限要素法

有限要素法をををを用用用用いたいたいたいた残留応力下残留応力下残留応力下における残留応力下におけるにおける2における22次元内部疲労2次元内部疲労次元内部疲労次元内部疲労きききき裂進展裂進展裂進展裂進展のののの解析解析解析 解析

Analysis of Two-Dimensional Internal Fatigue Crack Growth under Residual Stress by Using Finite Element Method

精密工学専攻 13号 小沢裕司

Yuji Ozawa 1 1

1 1. . . . 緒言 緒言 緒言 緒言

近年の機械,構造物の長寿命化傾向に伴い,材料に 対して表面硬化処理を施すことが多い.表面を硬化さ れた材料は,表面からの疲労き裂発生が抑制され長寿 命化する.しかし,その場合高応力低寿命域では部材 表面におけるき裂発生から破断にいたる表面破壊であ るが,

10 7

サイクル以上の低応力高寿命域においては,

材料内部からき裂が発生,成長し破断にいたる,内部 疲労破壊を起こすことがある

(1)

内部疲労破壊はその破面に魚の眼によく似たフィッ シュアイと呼ばれる特徴的な痕跡を残す.その一例を

Fig.1

に示す.フィッシュアイの形状は破壊の起点の位

置や,材料内部の応力状態など様々な情報を与えるも のと考えられる.

そこで,本研究では,フィッシュアイ形状の測定が 破壊解析の一助となる可能性を視野に入れ,フィッシ ュアイ形状の特徴を,有限要素法を用いて解析的に明 らかにし,既に得られている実験データと比較し,解 析結果の有効性を示す.

2 2 2

2. . . . 解析 解析 解析 解析の の の対象 の 対象 対象にしたこれまで 対象 にしたこれまで にしたこれまで にしたこれまで得 得 得 得られている られている られている結 られている 結 結果 結 果 果 果

本研究で解析の対象にしたフィッシュアイの形状に 関するデータは,以下の疲労試験によって観察された フィッシュアイに対するものである.

供試材はばね鋼

SUP12

相当材と,軸受鋼

SUJ2

ある.それぞれの試験片は最小断面の直径が

4mm,

3mm

の砂時計型試験片である.前者の試験片にはショ ットピーニング処理を施し(以下

SP

材),後者の試験

片は切削加工のままで(以下切削加工材)切削加工時 に表面が硬化され,いずれも表面近傍に圧縮残留応力 が分布している.SP 材と切削加工材の表面近傍の残 留応力分布を

Fig.2

に示す.SP 材に関しては異なる

SP

条件により,異なる残留応力分布になっている.

切削加工材については残留応力分布のデータはなかっ たが,

20μm

の深さ以降は加工の影響がなく表面近

傍にのみ

600MPa

の圧縮残留応力が分布しているとわ

かっていたので,

Fig.2

のように残留応力分布が仮定さ れている

(3)

疲労試験は,

SP

材については片持ち式回転曲げと 軸荷重の疲労試験機によって行われ,切削加工材につ いては片持ち式回転曲げ疲労試験機によって行われた.

破断した試験片のうち,内部破壊した破面にフィッシ ュアイが観察され,起点とフィッシュアイ形状に関す るデータが得られているものについて解析の対象とし,

これらの実験データと解析結果を比較した.

3 3 3

3. . . . フィッシュアイ フィッシュアイ フィッシュアイ フィッシュアイ形状 形状 形状の 形状 の の の解析 解析 解析 解析 3

3 3

3. . .1 . 1 1 フィッシュアイ 1 フィッシュアイ フィッシュアイ フィッシュアイ形状 形状 形状 形状

フィッシュアイの形状を評価するために,その形状 を表すパラメータを

Fig.3

のように定義した.d

0

は試

Surface of specimen

r

s

r

c

d

0

Origin of fish-eye

Fish-eye

150μm

Fig.2 Residual stress distributions.

Fig.3 Parameters indicating the configuration of the fish-eye.

-1000 -800 -600 -400 -200 0 200 400

0 50 100 150 200 250 300 350

Depth from specimen sufrace, µm

Residual stress, MPa

A B C As machined

Shot- peened

Fig.1 Example of fish-eye (2) .

(2)

験片表面からフィッシュアイの起点までの深さで,r

s

r c

は起点からフィッシュアイの表面側縁までの距離 と試験片中心側縁までの距離である.観察結果から,

r s

r c

の値は

d 0

と残留応力分布に依存することがわか っている.そこで本研究ではフィッシュアイ形状を表 す値として,r

s

r c

の比

r s /r c

を解析の対象にした.

3 3 3

3. . . .2 2 2 2 き き き き裂進展 裂進展 裂進展 裂進展

内部の欠陥からき裂が発生し,き裂が部材表面近く まで達するまでのき裂の進展過程は,式(1)のパリス則 によるものと考えられている

(4)

C K m

dN

da = ∆ (1)

ここで,

a

はき裂の半長,

は応力繰返し数で,

da/dN

は応力1サイクル当りのき裂進展量である.また

Δ K

は応力拡大係数範囲で,

C

m

は材料定数である.本 研究では,ある長さの状態にあるき裂の応力拡大係数 を有限要素法で計算し,フィッシュアイ形成過程のき 裂がパリス則に従って進展すると仮定した上で,き裂 の進展量を計算した.実際のフィッシュアイは,3次 元の有限体に存在する円形状の内部き裂であるが,今 回は起点から試験片表面方向と中心方向への進展量の 比を解析の対象とすることから,簡易的に平面歪状態 の2次元板に存在する貫通き裂によって模擬した.

3 3 3

3. . . .3 3 3 3 残留応力 残留応力 残留応力 残留応力の の の の再分布 再分布 再分布 再分布 3

3 3

3. . . .3 3 3 3. . . .1 1 1 初期残留応力場中 1 初期残留応力場中 初期残留応力場中 初期残留応力場中にき にき にき裂 にき 裂 裂 裂が が が が存在 存在 存在 存在する する する する場合 場合 場合 場合

初期残留応力場中にき裂が存在する状況は,

Fig.4

示すようにき裂面に,その箇所に分布していた初期残

留応力

σ r (x)を内圧として負荷することで表現できる.

このとき,き裂先端で応力集中が生じリガメントの応 力分布が変化し,残留応力の再分布が起こる.

Fig.5

段は,初期残留応力場にき裂が形成されることで,リ ガメントの残留応力場が

σ r (x)から σ re (x)に再分布する

様子を示している.上段中央に示される応力分布

σ sol (x)は, Fig.4

に示したき裂面に内圧として

σ r (x)を負

荷したことによるリガメント部の応力分布である.こ のとき再分布した残留応力

σ re (x)は重ね合わせの法則

より次式により求まる

(5)

) ( ) ( )

( x

r

x

sol

x

re

σ σ

σ = +

(2)

3 3

3. . .3 . 3 3. 3 . . .2 2 2 2 残留応力場 残留応力場 残留応力場 残留応力場にき にき にき裂 にき 裂 裂 裂が が が が進展 進展 進展する 進展 する する する場合 場合 場合 場合

Fig.5

下段は再分布した残留応力場中をき裂が進展

する様子を表している.

σ re (x)を初期残留応力の場合

と同様に取り扱うことで,き裂進展後に再分布したリ ガメントの応力分布

σ re ’(x)は次式で求まる.

) ( ' ) ( ) (

' x

re

x

sol

x

re

σ σ

σ = + (3)

このように,リガメントの残留応力が

σ re (x)から σ re ’(x)に逐次変化しつつき裂は進展する.

3 3 3

3. . . .4 4 4 解析方法 4 解析方法 解析方法 解析方法

残留応力下でのき裂進展計算解析には汎用有限要素

法ソフト

ANSYS

を用いた.き裂先端には特異要素を

作成し,変位外挿法によってモードⅠの応力拡大係数

K I

を求めた.

回転曲げ疲労試験を行った

SP

材の解析モデルとパ ラメータを

Fig.6

に示す.モデルは模擬する試験片の 最小断面の直径を幅とした.モデルの上端には試験応 力を負荷し,残留応力分布はFig.2の結果を用いた.また

(1)の材料定数は焼戻しマルテンサイト鋼を想定し

m=2.25,C = 2×10

11 m/cycle

とした

(6)

.厳密にはき裂 先端には塑性域が形成されるが,本研究で対象とした 供試材では降伏強度が高く,塑性域寸法は小さいので,

Residual stress before crack initiation

Crack Initiation

σr

(x )

x

Symmetry r

h σ

a

(x)

σ

r

(x )

d

0

0

r = 2mm h = 4mm

y 2a

0

Center of crack σ

re

(x )

σ

re

' (x ) σ

sol

' (x )

=

+ =

σ

re

(x ) σ

sol

(x )

σr

(x )

+

Residual stress redistribution

Fig.5 Illustration of the procedure for determination of residual stress redistribution.

Fig.4 Crack existing under residual stress distribution.

Fig.6 Model of analysis for SP specimens.

(3)

き裂が表面近傍に近づくまで小規模降伏条件をみたす と考えた.また繰返し応力により残留応力が解放され ることもあるが,試験前後の残留応力分布を測定した 結果,ほとんど変化がなかったことがわかっているの で,疲労試験中の残留応力の解放はないものとした.

解析値

r s /r c

の計算は以下のように行った.

(1)モデルの作成

Fig.6

のような上下面対称

1/2

モデルに,一方の表面か

ら深さd

0

の位置を中央とする片側10μ

m(=a 0 )の初期き

2a 0

を作成する.

(2)計算条件の設定,解析の実行

モデル上端に任意の試験応力

σ a (x)を加える.その後,

1/2

対称モデルとなるように拘束条件を与え,3.3.1 の手順に従ってき裂を作成し,解析を行った.その後,

き裂が存在したときの残留応力分布

σ re (x)を計算した.

また,表面方向と中心方向のき裂先端の応力拡大係数 をそれぞれ

K Is

,K

Ic

として求めた.

(3)き裂進展後のき裂長さ 2a 1

,き裂中央位置

d 1

の計算

まず式(1)と

K Is

を用いて,き裂の表面方向へのき裂 進展量が

Δ a s1

となるのに要する繰返し数

Δ N 1

を求め る.次に

Δ N 1

K Ic

を式(1)に代入し,き裂の中心方向 へのき裂進展量

Δ a c1

を求める.この

Δ a c1

Δ a s1

を用 いて,Fig.7のように,それぞれの進展量分だけ大きく したき裂長さ

2a 1

とその中心

d 1

を求める.

(4)き裂進展後のモデルについての解析手順

以上の作業により求められた

2a 1

d 1

から,初期き裂 の場合と同様に,上下面対称

1/2

モデルを作成し,深

d 1

の箇所に,き裂長さ

2a 1

のき裂を作成する.その

Fig.5

下段のように,新たに作成したモデルに

2a 0

から

2a 1

に進展した箇所にのみ,その箇所に再分布し ていた残留応力

σ re (x)をき裂面に内圧として負荷する.

その後解析を行い,初期き裂時と同様の手順で,き裂 進展後に再分布したリガメントの応力分布

σ re ’ (x)と,

進展後のき裂長さ

2a 2

,その中心

d 2

,を求め,新たに き裂が進展したモデルを作成する.以上の解析をき裂 が表面に達するまで繰返し,

r s /r c

を算出する.このと き表面方向へのき裂進展量

Δ a si

は,初期き裂中央の表 面からの距離

d 0

1/20

の値とした.切削加工材につい ても以上の手順に従って解析を行った.

4 4 4

4. . . 解析結果 . 解析結果 解析結果と 解析結果 と と考察 と 考察 考察 考察 4

4 4

4. . .1 . 1 1 実験結果 1 実験結果 実験結果 実験結果と と と と解析結果 解析結果 解析結果の 解析結果 の の比較 の 比較 比較 比較

得られた解析結果のうち,

SP

材の条件

A, C

の解 析結果と実験結果を合わせて

Fig.8

に示す.なお,実 線は解析結果を適宜補間したものである.

回転曲げ疲労試験では,試験片内部で負荷応力が低

(d)Uniaxial loading (SP condition C) 0.0

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6

0 200 400 600 800 1000 1200

rs/rc

Calculated data Experimented data

Depth of the origin of the fish-eye from surface d0, µm d1

2a1

∆a

c1

d0

∆a

s1

2a

0

crack growth

Fig.8 Results of analysis for shot-peenined specimens.

(a)Rotating bending (SP condition A) 0.0

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6

0 50 100 150 200 250 300 350

Depth of the origin of the fish-eye from surface d0, µm rs/rc

Calculated data Experimented data

(b)Uniaxial loading (SP condition A) 0.0

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6

0 200 400 600 800 1000

rs/rc

Calculated data Experimented data

Depth of the origin of the fish-eye from surface d0, µm

(c)Rotating bending (SP condition C) 0.0

0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6

0 100 200 300 400 500 600

Depth of the origin of the fish-eye from surface d0, µm rs/rc

Calculated data Experimented data

Fig.7 Method of calculation of crack parameters 2a and d.

(4)

下するため,r

s /r c

の値は

d 0

が大きくなるにつれ増加す る傾向にある.また

SP

条件

C

A

に比べ残留応力が 広い範囲に及んでいるため,広い範囲で

r s /r c <1の関係

となっている.これら実験結果の特徴と解析結果は,

よく一致している.

次に切削加工材の解析結果と実験結果を

Fig.9

に示 す.実験結果にばらつきが見られるが,実験結果の特 徴をよく捉えていることがわかり,本研究で比較対象 とした試験片においては,小規模降伏を満たすと仮定 した解析結果とよく一致した.

実験結果と解析結果の

r s /r c

を比較すると,解析結果 がやや高めになっていることがわかる.この要因とし て,2次元板貫通き裂で模擬していることが挙げられ る.き裂が表面から十分深い位置にある場合において は,き裂は無限体中に存在しているとみなせ,3次元 円形き裂と2次元貫通き裂の

r s /r c

の差は,さほど大き くないと考えられる.しかしき裂が表面に近づくにつ れ,応力拡大係数に与える表面の影響が大きくなる.

この際,貫通き裂は円形き裂よりも顕著に影響を受け るため,表面へのき裂進展が早くなる.その結果とし て解析結果の

r s /r c

が大きくなったものと考えた.

以上より,本研究で比較対象にしたフィッシュアイ 形状はパリス則に従って形成されたと確認できた.ま た本研究の手法は残留応力分布の違いや,試験応力形 式によらないことが確認できた.

4 4 4

4. . . .2 2 2 2 フィッシュアイ フィッシュアイ フィッシュアイ フィッシュアイ形状 形状 形状 形状の の の の推定 推定 推定 推定

r s /r c

d 0

の関係はフィッシュアイ形状と起点位置の 関係性を表しており,破壊解析に適応できる可能性が 示唆される.例えば

Fig.8(a),(c)

のように回転曲げ疲 労試験によってr

s /r c

が0.5程度の非常に小さな値が得られ た場合では,起点は圧縮残留応力場中から生じたと予想で きる.しかし,回転曲げ疲労試験で観察されるフィッ シュアイの起点は残留応力が負から正へと転じるクロ ッシングポイントよりやや深い領域で生じることが多 いことを考えると,こうしたフィッシュアイが観察さ

れた場合では,起点に比較的大きな介在物が存在した のではないかと推測できる.

このようにr

s /r c

とd

0

の関係から読み取れることは決 して少なくないが,時間とコストなどの問題から,実 験結果のみでr

s /r c

d 0

の関係性を明らかにするのが困 難な場合がある.このときに,本研究の手法により,

r s /r c

の傾向を予測し,破壊解析に利用できる.

5 5

5 5. . . 結言 . 結言 結言 結言

破壊解析への応用を視野に入れ,残留応力場下にお けるフィッシュアイ形状の解析を行った.解析は,残 留応力分布がき裂の発生と進展によって再分布するこ とを考慮し,リガメントの残留応力分布をき裂進展の たびに逐次変化させて行った.またき裂の進展過程は パリス則に従うものとして解析した.得られた解析結 果を,これまでに得られているフィッシュアイの観察 結果

(2)

と比較し,解析結果の有効性を示した.

(1)フィッシュアイ形状を模擬するため2次元貫通き

裂をもつモデルを用いてき裂進展の解析を行ったとこ ろ,解析結果は実験結果とよく一致した.

(2)

一部解析結果が高めとなった.これは2次元貫通き 裂でモデル化しているため,実際のフィッシュアイが 形成される3次元の内部き裂と比較すると拘束が小さ くなり,表面方向へのき裂進展が大きくなってしまっ たためと考えられる.

(3)時間とコストなどの問題から,実験結果のみで r s

/r

c

d

の関係性を明らかにするのが困難な場合がある.

このときに,本研究の手法により,r

s

/r

c

の傾向を予測 し破壊解析に利用することが期待できる.

参考文献

(1) Naito. T, Ueda. H and Kikuchi. M, Met trans, A15 ,(1984),pp.1431-1436.

(2)

杉本,池田,佐藤,金澤,ショットピーニング処理さ れたばね鋼

SUP12

相当材に形成される疲労フィッシ ュアイの形態,日本材料学会論文集,

Vol.56

No.12,

2007)

pp.1118-1125.

(3)

小瀬村,高強度鋼の長寿命疲労条件下における変 形挙動とき裂進展に及ぼす表面層の影響,(2003) 中央大学大学院修士論文.

(4)

小林,破壊力学,共立出版,(1993).

(5)

豊貞,丹羽,鋼構造物の疲労寿命予測,共立出版,

(2001),pp47-52.

(6)

砂田,材料強度学入門,大河出版,(1990)

p123.

0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0

0 20 40 60 80 100 120 140 160

Depth of the origin of the fish-eye from surface d0,µm

rs/rc

Calculated data Experimented data

Fig.9 Results of analysis for as machined specimens.

参照

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