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(2) この よ うに,ゲ. ル化 を含 む 高 分 子 物 性 は多 くの 研 究 と報. た め に 次 の よ うな 実 験 を 行 っ た.ま ず,ト. ラ ンス の 鉄 心 を. 告 が な さ れ て き て い る分 野 で あ る.し か し,固 形 ポ リマ ー. 模 擬 す る た め の2つ. の鉄 製 円 筒 を準 備 した.こ. の 粘 弾 性 特 性 の 測 定 に広 く用 い られ て い る動 的 粘 弾 性 測 定. の 高 さ は3o.omm,厚. さ は1.ommで. れ らの 円 筒. う一 つ の 円筒 の 外 径 は12.Ommで. あ っ た.1つ. の円筒. は 複 素 弾 性 率 を求 め る た め に,固 有 値 解 析 や複 素 調 和 振 動. の 外 径 は19.omm,も. 解 析 以 外 の構 造 解 析 に お い て は 複 素 弾 性 率 の ま ま計 算 に 用 い る こ とは で き な い.そ の た め,複 素 弾 性 率 を時 間 に依 存. あ っ た.概 形 図 を 図1に 示 す.硬 化 反 応 前 の エ ポ キ シ樹 脂. す る緩 和 弾 性 率 に 変 換 し な け れ ば な ら な い.前 報4)の計 算 モ デ ル に エ ポ キ シ樹 脂 の 粘 弾 性 挙 動 を 組 み 込 む た め に,本. た さ れ た 鉄 円 筒 は,8o℃. 報 告 で は エ ポ キ シ樹 脂 の 動 的 粘 弾 性 測 定 と緩 和 弾 性 率 へ の. 縮 す る た め に,外 側 鉄 円筒 も収 縮 す る こ とに な る.外 側 鉄. 変 換 を行 っ た. また,絶 縁 用 封 止 材 と して使 用 さ れ るエ ポ キ シ樹 脂 の 硬. 円 筒 の 図1中. 化 収 縮 に伴 い 発 生 す る ひず み は,周. ひ ず み とエ ポ キ シ収 縮 の影 響 の 和 で あ る.そ の た め,鉄. 囲 の 金 属 製 部 品 に応 力. や ひ ず み を 与 え る.ゲ ル 化 前 の エ ポ キ シ樹 脂 は 液 状 で あ る た め に そ の 応 力 とひ ず み はoに 近 い が,ゲ. は 図1に 示 した鉄 円 筒 間 に 満 た さ れ た.エ 15ooosの. ポ キ シ樹 脂 の 満. に設 定 した 恒 温 オ ー ブ ン中 に. 問 置 か れ た.エ. ポ キ シ樹 脂 が 硬 化 反 応 に よ り収. に示 した 部 分 の 円 周 方 向 ひず み を ひず み ゲ ー. ジ で 測 定 した.ひ. ず み ゲ ー ジで 測 定 され た ひ ず み は鉄 の 熱 の. 熱 ひず み分 を補 正 した もの を測 定 値 と した.. ル化 以 後 に発 生. 3.結. す るそ の応 力 と ひず み は非 常 に大 きい と考 え られ る.本 報. 果 と考 察. で は エ ポ キ シ樹 脂 の ゲ ル 化 以 後 の 変 形 に 特 に着 目 して,実. 3.1反. 験 と解 析 の 両 面 か ら電 子 部 品 中 に特 有 な エ ポ キ シ樹 脂 の 粘. 前 報4)に示 した 方 法 で 未 反 応 官 能 基 を定 量 し た.2.1節 に. 弾 性 変 形 メ カ ニ ズ ム を 明 らか に し よ う と し た. 2.実 2.1硬. 示 し た 反 応 条 件A‑Dの 表1に. 験. (2,4,6一 トリ ス フ ェ ノ ー ル,火. 比 例 的 に応 力 が 発 生 す る線 形 ば ね と,ひ ず み 速 度 に対 して. チ ル テ トラ ヒ ド ロ. 立 化 成 工 業 ㈱ 製 造)とEpikote828(油. 化 シ ェ ルエ ポ キ シ㈱ 製 造)を. 反 応 させ た.反 応 を開 始 して. に 反 応 物 の 入 っ た ビー カ ー を放 冷 して 反 応 を停 止. した.こ. れ を 反 応 条 件Aと. を得 る た め に,1oo℃ 応 時 間 を630osと 件Cの. に 設 定 した 定 温 空 気 恒 温 槽 中 で の 反. 実 験 も行 っ た.ま. 反 応 条 件Cの. した 反 応 条. 的 な モ デ ル の 一 つ に マ ッ ク ス ウ ェ ル モ デ ル が あ る. しか し,マ ッ ク ス ウ ェ ル モ デ ル は単 純 す ぎて材 料 の 粘 弾 性 特 性 を十 分 に表 現 す る こ とが 出 来 な い 場 合 が あ る.特 に マ ッ クス ウ ェ ル モ デ ル で は ダ ッ シ ュ ポ ッ トに 由 来 の 流 動 変 形 な どが 許 され る た め に,ゲ ル 化 した エ ポ キ シ樹 脂 ま で 表. た 十 分 に 完 全 硬 化 さ せ る た め に,. 後 に さ ら に15o℃. 物 も作 成 した.こ. の反 応率 のサ ンプル. し た 反 応 条 件B,1o8oosと. 比 例 的 に応 力 が 発 生 す る ダ ッ シ ュ ポ ッ トを組 み合 わ せ て粘 弾 性 モ デ ル を表 現 す る 方 法 が あ る.こ の 方 法 を用 い た代 表. 420os後. す る.別. い る粘 弾 性 構 成 則 の 検 討. 高 分 子 の粘 弾 性 挙 動 を表 現 す る た め に,ひ ず み に対 して. 薬 ア ク ゾ㈱ 製 造)をo.6wt. む 酸 無 水 物 系 硬 化 剤HN‑22oo(メ. 無 水 フ タ ル 酸,日. 弾性測 定パ ラーメ ータの決定. 3.2.1用. 化 反応 実験. 実 験 か ら得 られ た 試 料 の 反 応 率 を. 示 した.. 3.2粘. 前 報4)に示 し た 方 法 で 硬 化 促 進 剤 の 第 三 ア ミ ンDMP‑30 %含. 応率 の決定. で1o8oos反. れ を 反 応 条 件Dと. 応 させ た 硬 化. す る.前 報 告4)に示 し. た 方 法 で 反 応 率 を決 定 し た.反 応 が 進 む とゲ ル化 し,反 応 率 が 約25%に. 達 す る とほ ぼ 固 体 と な る.し. か し,固 体 と. な っ た 直 後 で は 次 項 の 実 験 に 適 さ な い た め に,反 応 率 が 約 50%以. 上 の 試 料 を サ ン プ ル と し た.. 2.2動. 的粘弾性 測定. 2.1節 で 得 ら れ た 硬 化 物 を,幅5.omm,厚 長 さ3o.Ommの. さ1.omm,. 短 冊 状 に加 工 して 動 的 粘 弾 性 測 定 試 料 と. した.粘 弾 性 測 定 装 置DVE‑V4(レ. オ ロ ジ㈱ 製 造)に. て. 引 張 りに よ る 動 的 粘 弾 性 測 定 を行 っ た.測 定 温 度 は0℃. か. ら16o℃. ま で で,5℃ お きに 測 定 した.昇 温 速 度 は5℃/min. と し た.測. 定 周 波 数 は1,2,4,8,16,32,64,128Hz. と し,合 成 波 を 用 い て異 な る測 定 周 波 数 を一 度 に 測 定 した. 2.3有. 限要素解析. Fig.. 1. 硬 化 反 応 を含 む 系 を解 析 す る た め に,有 限 要 素 解 析 に よ. Cross-sectional view of test pieces ments. (unit : mm). in experi-. る エ ポ キ シ硬 化 反 応 解 析 モ デ ル を作 成 した.解 析 プ ロ グ ラ ム と して 非 線 形 汎 用 有 限 要 素 解 析 プ ロ グ ラ ムMARCK6.2. Table!. Rate. of reaction. for various. curing. conditions. を用 い,増 分 解 析 に よ る 熱 一応 力 連 成 解 析 を 行 っ た.4節 点4辺 形 平 面 ひ ず み 要 素 を用 い,一 要 素 あ た りの 数値 積 分 点 数 を4と して 完 全 積 分 を行 っ た. 2.4硬 化 収 縮 に伴 うひ ず み の 測 定 エ ポ キ シ樹 脂 を用 い た樹 脂 モ ー ル ド トラ ンス を模 擬 す る Seikei-Kakou. Vol. 14. No. 8. 2002. ( * Reaction was continued to cure completely) 513.
(3) 現 す る に は不 十 分 で あ る.そ. こ で,図2に. 示 した よ う な 一. 般 化 マ ッ ク ス ウ ェ ル モ デ ル を 使 う こ と に した.図2中. (5). o*(ω)≡o'(ω)+iO"(ω)=o(s). の. んeのた め に こ の 一・ 般 化 マ ックス ウェ ルモ デ ルは先 の マ ッ. ま た,線 形 弾 性 論 で は ラ プ ラ ス 変 換 面 で も対 応 の 原 理 が 成. ク ス ウ ェ ル モ デ ル の 欠 点 を持 た な い. 一 方 で 図2に 示 し た モ デ ル は‑・軸 変 形 問 題 に は そ の ま ま. り立 っ て い る の で,次 の 関係 が 成 立 す る.. 適 用 で き るが,多. 軸 応 力 下 の 変 形 が 一 般 的 で あ る 有 限要 素. 法 に は 適 さ な い.つ. (6). ま り,せ ん 断 応 力 緩 和 と静 水 圧 応 力 緩. 和 は 一 般 に 異 な る か ら で あ る.そ. こ で,図2をProny級. 数 展 開 で 表 現 し,偏 差 変 形 と体 積 変 形 の そ れ ぞ れ につ い て. (3),(4),(6)式 を(5)式 に代 入 す る と複 素 体 積 弾 性 係 数 K*と 複 素 引 張 弾 性 係 数E*か ら複 素 せ ん 断 弾 性 係 数0*. 時 間 依 存 の 弾 性 率 と して 表 現 した.こ の 一 般 化 マ ッ ク ス ウ ェ ル モ デ ル に よ る 緩 和 せ ん 断 弾 性 係 数Orと 緩 和 せ ん 断. を 求 め る こ とが 可 能 で あ る.E*は. 弾 性 率 瀞 は,そ. 定 す る と,体 積 緩 和 減 少 が な く 、K*は 一 定 値 と な る た め. れ ぞ れ(1),(2)式. の級 数 で 表 現 さ れ る.. られ る.こ. こ でK*が. に 実 数 部 が 定 数,虚. (1). 周波 数 お よび温 度 に よ らな い と仮 数 部 が0と. 仮 定 さ れ た 実 数 部 をKと 部0'(ω),虚. 動 的 粘 弾 性 測 定 か ら得. な る.こ. す る と,せ. の1ぐ. の定 数 と. ん断弾性 係 数 の実 数. 数 部0"(ω)は 次 の式 で 表 さ れ る.. (7). (2) こ こ で,0。 。お よびK。 。は そ れ ぞ れ せ ん 断 弾 性 係 数 お よ び 体 積 弾 性 率 の 長 時 間項,λ は緩 和 時 間 で あ る. 0。。お よ び1(o。が 図2の. 生 じな い よ う に な っ て い る.(1),(2)式 と 抽 か ら応 カ‑ひ. (8). んeに当 た り,流 動 変 形 な ど が で 求 め られ たOr. ず み マ トリ ク ス が 作 ら れ る こ とで,粘. 素 弾 性 率 か ら緩 和 弾 性 率 へ の 変 換. (1),(2)式. 周 波 数 と0'(ω),0"(ω)の. の緩 和 せ ん 断 弾 性 係 数 を直 接 求 め る こ と は 容. 易 で は な い.一. 方 で,高. で 示 した 方 法 で 測 定 さ れ た 貯 蔵 弾 性 ら,(7),(8)式. せ ん 断 複 素 弾 性 率 の 実 数 部0'(ω),虚. 弾 性 挙 動 を含 ん だ 構 成 則 を表 現 で き る. 3.2.2複. 体 積 弾 性 率 と2.4節. 率E'(ω)と 損 失 弾 性 率E"(ω)か. を用 い て. 数 部0"(ω)を 求 め た.. 関係 を 図3,4に. 示 した.反. 応率. が 大 き くな る につ れ て,低 周 波 振 動 にお け る 貯 蔵 弾 性 率 は. 分 子 の 粘 弾 性 特 性 を測 定 す る の に. 上 昇 す る.こ れ は 無 限 時 間 緩 和 した 時 の 弾 性 係 数0。 。(弾. 動 的粘 弾 性 測 定 が 一 般 に 行 わ れ て い る.こ の 動 的 粘 弾 性 測. 性 係 数 の 長 時 間項)が,三 次 元 架 橋 が 進 む に つ れ 上 昇 して い くか らだ と考 え られ る.一 一方 で,高 周 波 振 動 にお け る貯. 定 で得 られ る の は 複 素 弾 性 係 数 で あ る が,こ. の複 素 弾 性 係. 数 は 以 下 に よ う に緩 和 弾 性 率 へ の 変 換 が 可 能 で あ る8).. 蔵 弾 性 率 と損 失 弾 性 率 に は,反 応 率 に よ る 影 響 が ほ とん ど. まず,引. 張 モ ー ドの 動 的 粘 弾 性 測 定 で得 られ る複 素 弾 性 率. 見 られ な い.こ. はs=iω. と す る と ラ プ ラ ス 変 換 面 で の 引 張 弾 性 率 と次 の. 3.2.3緩. 関係 に あ る. E*(ω)≡E'(ω)+iE"(ω)=E(s). 体 積 弾 性 係 数K,せ. ん 断 弾 性 係 数0に. (3). れ は,短 時 間 の 応 力 緩 和 に ゲ ル 化 以 後 の 反. 応 の 進 行 が 及 ぼす 影 響 は ほ とん どな い こ とを 示 唆 して い る. 和 せん断弾性 率の決 定. 複 素 せ ん 断 弾 性 係 数 か ら緩 和 弾 性 係 数Orを に,Prony級. 求 め るため. 数 展 開 され た(1)式 を ラ プ ラ ス 変 換 す る.. も同様 の 関係 が. あ る.. (9) κ*(ω)≡≡」 κ'(ω)+iK"(ω)=κ(s). Fig.. 514. 2. (4). Generalized Maxwell model by liner springs and dashpots. (k = Stiffness of the springs and 1= Viscosity of the dashpots). Fig. 3. Variations of G' (A) and G" (•) with frequency by dynamic mechanical analyzer. (degree of reaction is 0.56) 成形 加工. 第14巻. 第8号2002.
(4) 次 に,s‑iω. を(9)式 に代 入 し て,分 母 の 有 理 化 を行 う. と複 素 せ ん 断 弾 性 率 の 実 数 部C'(ω),虚. 数 部C"(ω 〉は 次 の. 式 で 表 さ れ る.. し た.応. 力 を σ,ひ ず み を ε,時 間 をt,温. 温 度 を 易,緩 和 弾 性 係 数 をCrと. 度 をT,基. 準. す る と時 間 一温 度 換 算 則. は次 の 式 で 表 現 され る.. (10). (12). (11) (12)式 の シ フ ト関 数a頭. 動 的 粘 弾 性 測 定 結 果 と(7),(8)式 ん 断 弾 性 率 の 実 数 部0'(ω),虚. 数 部G"(ω)に. す る0。 。,0。,λ.を,(10),(11)式 用 い て 求 め た.3.2.2項. か ら求 め られ る複 素 せ 最 も よ く合 致. か ら最 小 二 乗 近 似 を. で 示 した 結 果(図3,4)か. ら,周. 波 数 が 高 い領 域 で の0'(ω)は 反 応 率 に よ っ て ほ と ん ど変 化 しな い.そ る.そ. の た め,0.と. こ で,異. 丁)に は,ガ. ラス転移 温 度 媒 付. 近 で よ く 適 合 す る と い う 理 由 でWilliams‑Landel‑Ferry 式10)(以 下,単 G,α. にWLF式. と称 す る)を. を 温 度 に よ ら な い 定 数,Tを. と す る とWLF式. 用 い る こ と と し た.. 温 度,蜀. を基 準 温 度. に よ る シ フ ト関 数 は 次 の よ う に 表 現 さ. れ る.. λ。へ の 反 応 率 の 影 響 は無 視 で き. な る 反 応 条 件 に よ る0。.を 表2に,反. 応. 率 に 依 存 しな い0.と λ,を表3に 示 した. 3.2.4シ フ ト関 数 パ ラ メ ー タ ー の 決 定 緩 和 弾 性 係 数 は温 度 の 影 響 も受 け る.そ. (13) (13)式 の 定 数G,Ω. こ で,高 分 子 の. 緩 和 現 象 の温 度 依 存 性 を取 り扱 う一 般 的 な 方 法 の 一 つ で あ る シ フ ト関 数 を用 い た 時 間 一温 度 換 算 則9)を用 い る こ と に. が で き る.媒 たGと. は 最 小 二 乗 近 似 に よ り求 め る こ と. を 境 に して 緩 和 挙 動 は 大 き く異 な る.求. α を表4に. 3.3有. め. 示 した.. 限要素解 析. 3.3.1解. 析 モデル. エ ポ キ シ樹 脂 が 絶 縁 用 封 止 材 と して使 わ れ る場 合,エ. ポ. キ シ樹 脂 は 電 子 部 品 中 の 金 属 の 間 に充 て ん さ れ る こ と に な る.そ の た め,矩 形 の 剛 体 で あ る金 属 の 箱 の 中 に 同 じ く剛 体 で あ る金 属 筒 が あ り,そ の 間 にエ ポ キ シ樹 脂 が 満 た さ れ て い る と仮 定 し た系(図5)に. つ い て 数 値 解 析 を行 っ た.. 金 属 箱 とエ ポ キ シ の 間 に は接 着 力 を想 定 し な い.エ ポ キ シ 樹 脂 は 硬 化 反 応 に よ り収 縮 を生 じ るが,内. 側 に 剛体 が あ る. た め に エ ポ キ シ樹 脂 に応 力 が 発 生 す る こ と に な る.解 析 は 対 称 性 を考 慮 した1/4モ. デ ル と した.. 温 度 と時 間 に よ っ て 変 化 す る 反 応 率 を 計 算 す る た め に, 前 報4)に示 した よ う に ガ ウ ス積 分 点 ご と に反 応 率 を定 義 ・ Fig.. 4. Variations of G' (A) and G" (+) with frequency by dynamic mechanical analyzer. (degree of reaction is 1, 00). 更 新 した. モ デ ル の 左 端 と下 端 に,対 称 性 を考 慮 す る た め に 変 位 拘 束 条 件 を 設 定 し た.初 期 温 度 を8o℃ 上 端 と右 端 に は1oo℃. Table. 2. G °° and. To for. various. rates. 3. Gn and. L in Prony. Vol. 14. No. 8. 2002. 4. Cl and. C2 in the WLF. equation. series. Fig. 5. Seikei-Kakou. の 温 度 固 定 条 件 を設 定 した.こ の 温. of reaction. Table. Table. と し,外 周 に 当 た る. Scheme of numerical analysis model A : Epoxy resin, B : Metal (rigid bodies) 515.
(5) 度 固 定 境 界 条 件 に よ り,要 素 の 温 度 は 次 第 に 上 昇 し,27ooos. 27ooos後(反. 後 に 反 応 率 が10o%に 達 した た め に,計 算 を終 了 させ た. 一 計 算 ス テ ップ あ た りの 時 間増 分 は1oosと した .. ス の 相 当応 力 の 分 布 を図8に. 3.2節 で 示 した 方 法 で 求 め られ たProny級. 数 と シ フ ト関. 数 の パ ラ メ ー ター を用 い て粘 弾性 特 性 を 定 義 した.表4に 示 した 項 の 中 で,時 るn≧5の. 間増 分 の1/1ooよ. り も小 さ な λ。と な. 項 の 緩 和 時 間 は 用 い た 時 間 ス テ ップ よ り も 十 分. に 小 さ い.そ. こで,n≧5の. 項 の 緩 和 は 同 一 計 算 ス テ ップ. 内 で 十 分 に進 ん で い る と考 え,n≦4の. 項 だけ を考慮 す る. こ とに した.. 達 時)の. 硬 化 収 縮 に よ る ミゼ. 示 した.比 較 の た め に,粘 弾. 性 を考 慮 に 入 れ な い解 析 モ デ ル の 反 応 開 始 か ら27ooos後 (反 応 率1oO%到 に 示 した.図8と あ るが,最. 達 時)の ミゼ ス の 相 当 応 力 の 分 布 を 図9 図9の 応 力 分 布 は全 く同一 の パ タ ー ンで. 大 応 力 値 に差 が あ る た め に 等 高 バ ン ドの 範 囲 が. 全 く異 な っ て い る.図9か. ら粘 弾 性 を考 慮 に 入 れ な い場 合. の 最 大 応 力 値 は5.7oMPaで. あ っ た.こ. の応 力値 は界面 に. き裂 を生 じ させ て 電 機 部 品 に ダ メ ー ジ を与 え る ほ ど大 き く, 筆 者 らの経 験 か ら大 きす ぎる 値 で あ り,内 部 応 力 を正 し く. 粘 弾 性 の影 響 を評 価 す る た め に 粘 弾 性 を考 慮 に入 れ た モ デ ル と入 れ な い モ デ ル の 二 つ の系 につ い て 計 算 を行 っ た. 3.3.2計. 応 率1oo%到. 算結 果および考 察. え て い る.粘 弾 性 構 成 則 を 考 慮 しな い 場 合 に 比 べ て,そ れ を 考 慮 した 場 合 に は 応 力 緩 和 に よ り最 大 の ミゼ ス 応 力 値 が. 粘 弾 性 を 考 慮 に 入 れ た 解 析 モ デ ル の,反 応 開 始 か ら 17ooos後 の 反 応 率 分 布 を 図6に 示 した.比 較 の た め に,粘 弾 性 を 考 慮 に 入 れ な い解 析 モ デ ル の 反 応 開 始 か ら17ooos 後 の 反 応 率 分 布 を 図7に 示 した.こ. 評 価 す る た め に は 粘 弾 性 構 成 則 の考 慮 は不 可 欠 で あ る と考. の二つの解析 モ デルに. は 材 料 構 成 則 の 違 い しか な い た め に,図6,7の. 反応 率 分. 1/5oと な る こ とが わ か っ た. 3.4外. 周 を 拘 束 さ れ る 場 合 の エ ポ キ シ樹 脂 粘 弾 性 挙 動. 3.4.1実. 験結 果. 3.3節 の計 算 モ デ ル と異 な り,電 子 部 品 内 に絶 縁 材 と し て 用 い られ るエ ポ キ シ樹 脂 は 一 般 に 金 属 部 品 に 周 囲 を 囲 ま. 布 は 全 く同 一 と な る.反 応 開始 か らい ず れ の 時 点 に お い て. れ て は く離 し な い.そ. も,粘 弾 性 構成 則 考 慮 の 有 無 は 反 応 率 に 全 く影 響 しな い こ. 外 側 鉄 円 筒 の 円 周 方 向 ひず み を測 定 し た.そ. とを確 認 した.. 1o(図. 次 に,粘 弾 性 を考 慮 に入 れ た 解 析 モ デ ル の 反 応 開始 か ら. 6. Contour bands for rate of reaction with viscoelastic constitutive law. (Curing time 17000 s). Fig. 7. Contour bands for rate of reaction with elastic constitutive law. (curing time=17000 s). Fig.. 516. 中Experimentで. こで,2.4項. に示 した 実 験 を行 い,. 示 さ れ る 変 化)に. の 結果 を図. 示 した.. 円 周 方 向 ひず み は 初 め ほ とん どoに な っ て い る.こ れ は. Fig. 8. Contour bands for von Mises equivalent stress with viscoelastic constitutive law. (curing time 27000s). Fig.. Contour bands for von Mises equivalent stress with elastic constitutive law. (curing time = 27000s). 9. 成形 加工. 第14巻. 第8号2002.
(6) ゲ ル 化 ま で はエ ポ キ シ樹 脂 と鉄 円 筒 の 界 面 に接 着 力 が 働 か. あ る.つ. な い こ と とエ ポ キ シ樹 脂 の流 動 変 形 が 原 因 と考 え て い る.. 形 に対 す る粘 性 せ ん 断 変 形 と体 積 変 形 に対 す る粘 性 体 積 変. ゲ ル 化 以 後,円 周 方 向 ひず み は急 速 に増 加 し,ひ ず み の 増. 形(Swelling)の. 加 が 速 度 に 対 して ほ ぼ 比 例 す る よ う に な る.こ れ は エ ポ キ. な金 属(ま. シ樹 脂 と外 側 鉄 円 筒 の 界 面 の 接 着 に よ り,エ ポ キ シ樹 脂 の. ま れ て い る場 合,エ. 硬 化 収 縮 が 鉄 円筒 の 収 縮 を 引 き起 こ して い る た め と考 え ら. 体 積 変 形 が 支 配 的 に な り,静 水 圧 応 力 が 非 常 に高 くな る.. れ る.さ. そ の た め,エ. らに,ほ. ぼ1550osの. と こ ろ で ひず み の 変 化 は 不. ま り,(1),(2)式. を 同 時 に 使 用 し た場 合,偏. 差変. 両 方 を 考 慮 す る こ とに な る.図1の. よう. た は エ ポ キ シ樹 脂 よ りも剛 性 の 高 い 材 料)に. 囲. ポ キ シ樹 脂 が 硬 化 収 縮 す る時 の 変 形 は. ポ キ シ樹 脂 の 静 水 圧 に対 す る応 力 緩 和 挙 動 ば. 連 続 に な り,そ の 後 の ひず み の 増 加 は そ の前 よ り も小 さ く. か りが 生 じ,結 果 と して外 側 鉄 円 筒 は ほ とん ど変 形 し ない. な る.こ の 不 連 続 点 で は エ ポ キ シ樹 脂 の 界 面 で 破 壊 が 生 じ. こ と に な る.. た の で は な い か と考 え て い る.界 面 で 破 壊 が 生 じる こ とで エ ポ キ シ樹 脂 の硬 化 収 縮 が 鉄 円 筒 に 完 全 に伝 達 され ず,測. をせ ん 断 変 形(偏. で 求 め た粘 弾性 パ ラメ ー ター. 差 変 形)の. み に 適 用 し,静 水 圧 応 力 に 対. し て は応 力 緩 和 し な い と仮 定 した 解 析 を行 っ た.反. 定 さ れ た ひ ず み の 増 加 が 小 さ くな っ た と考 え て い る. 3.4.2有. そ こ で,3.2.3,3.2.4項. 25%で. 限要素解析. 次 に 図11に 示 した軸 対 称 有 限 要 素 モ デ ル を作 成 し,2.4. 応率. ゲ ル 化 す る と仮 定 し,鉄 円 筒 に ひず み が 発 生 す る. と考 え られ る ゲ ル化 以 後 の 数 値 解 析 の み を行 っ た.そ. 項 の 実 験 と同 条 件 と な る よ う な解 析 を試 み た.左 端 が 床 面. 果 を 図1o(図. で あ る と仮 定 して,半 径 方 向 の 変 位 を拘 束 し,節 点 温 度 を. 示 した.結 果 と して,エ ポ キ シ樹 脂 と鉄 円筒 の 界 面 が 完 全 に接 着 して い る 区 間 で は 実験 結 果 と計 算 結 果 は 非 常 に よ く 一 致 す る .こ の解 析 結 果 は エ ポ キ シ樹 脂 が 金 属 ま た は エ ポ. 恒 温 オ ー ブ ン の 設 定 温 度 で あ る8o℃. に 固 定 し た.そ. の他. の 外 表 面 は 雰 囲気 温 度8o℃ の 熱 伝 達 境 界 条 件 を 設 定 した. エ ポ キ シ と鉄 円筒 の 界 面 は完 全 接 着 を仮 定 して い る.. 中ViscoelasticAnalysisHで. の結. 示 され る線)に. キ シ樹 脂 よ り も剛性 の 高 い材 料 に 囲 まれ て い る 場 合 に,エ. 筆 者 ら は 始 め に3.2.3,3.2.4項 で求 めた粘弾性 パ ラ メ ー タ ー をそ の ま ま用 い た解 析 を行 っ た.実 験 の 測 定 点 と. ポ キ シ樹 脂 に大 き な静 水 圧 応 力 が は た ら き,そ れ が 緩 和 し. 同 じ位 置(図11の. 「体 積 弾 性 率 が 一 定 で あ る 」 と い う仮 定 と一 致 す る.樹 脂 モ ー ル ド トラ ンス に 限 らず エ ポ キ シ樹 脂 が 絶 縁 用 途 に使 用. 点A)で. の 円周 方 向 ひず み 変 化 を 図1o. (図 中ViscoelasticAnalysisIで. 示 さ れ る線)に. 示 した.. 結 果 は ほ とん どひ ず み が 変 化 しな い もの で あ っ た.こ れ は 3.2.3項 で 求 め た 粘 弾 性 パ ラ メ ー タ ー をせ ん 断 変 形(偏 差 変 形)と 体 積 変 形 の 両 方 に 適 用 して し ま っ た こ とが 原 因 で. な い とい う こ とを示 唆 して い る.こ れ は3.2.2項. で立 てた. され る場 合 に は,エ ポ キ シ樹 脂 が こ の よ う な環 境 下 に あ る 場 合 が 多 い と考 え られ,粘 弾 性 構 成 則 を数 値 解 析 に導 入 す る 際 に注 意 す るべ き点 で あ る.ま た,反 応 発 熱 の た め に 図 11のB点 方 で,ミ 点Cで. で 最 高 温 度 を示 し,最 ゼ ス の 応 力 は 図11の. も早 く反 応 が 進 行 した 一. 点Cに. お い て 最 大 で あ っ た.. ミゼ ス の 応 力 が 最 大 と な っ た の は エ ポ キ シ樹 脂 の. 硬 化 収 縮 に よ る もの で あ る.前 報4)に も示 した 温 度 や 反 応 率 の 最 大 点 と応 力 の 最 大 点 は 同 じ点 とは 限 らず,応. 力解析. を含 む連 成 解 析 で な け れ ば残 留 応 力 や 界 面 の は く離 を見 積 もれ な い. 一 方 で ,図10の は 反 応 後75oos付. 実 験:結果(Experimentで. 示 さ れ る 線). 近 か ら徐 々 に ひ ず み が 発 生 して い る.. これ はエ ポ キ シ樹脂 と鉄 円筒 界 面 の接 着 が 段 階 的 に進 ん で い る こ とを 示 して い る.こ の 部 分 を 数値 解 析 で 表 現 す る た め に は,エ ポ キ シ樹 脂 と鉄 の 界 面 に お け るす べ りと接 着 は 別 に モ デ ル を 仮 定 し な け れ ば な らず,今. 後 の課 題 と して. 残 っ て い る. Fig.. Circumferential strains on outer iron cylinder with time. 10. the. surface. of. 4.結. 言. エ ポ キ シ樹 脂 の 動 的 粘 弾 性 測 定 に よる 複 素 弾 性 率 を ラ プ ラ ス 変 換 して,一 般 化 マ ッ ク ス ウ ェ ル モ デ ル をProny級 数展 開 した 時 の 緩 和 弾 性 係 数 パ ラ メ ー ター を求 め る こ とが で き た.つ. ま り高 分 子 粘 弾 性 測 定 の 一 般 的 方 法 の 一 つ で あ. る 動 的 粘 弾 性 測 定 結 果 か ら,数 値 解 析 上 で 取 扱 い の 容 易 な 緩 和 弾 性 係 数 に変 換 す る こ とが 可 能 で あ る.さ. ら に緩 和 弾. 性 係 数 の シ フ ト関 数 パ ラ メ ー タ ー も求 め る こ とで,エ ポ キ シ硬 化 を有 限 要 素 法 で 取 り扱 う上 で の パ ラ メ ー ター を そ ろ Fig. l l. Initial meshing of finite element analysis. ( Circumferential strain was compared at node A, node B had the highest temperature, and node C had the greatest von Mises stress). Seikei-Kakou. Vol. 14. No. 8. 2002. え る こ とが で き た. 内 部 応 力 を正 し く評 価 す る た め に は 粘 弾 性 構城 則 の 考 慮 は不 可 欠 で あ る.ま た こ の系 にお い て は,発 生 す る最 大 応 力 値 が 粘 弾 性 の 効 果 を考 慮 した 時 は粘 弾 性 の 影 響 を考 慮 し 517.
(7) な い 場 合 に比 べ て ミゼ ス の 相 当 応 力 の1/50に. な る ことが. M.: Proceedings of 1998 International Symposium on Electrical Insulating Materials, Toyohashi, Japan, 277. わ か った. さ ら に,エ ポ キ シ樹 脂 が よ り剛 性 の 高 い 鉄 に 囲 まれ て い る系 につ い て 実 験 を行 い,そ. の 実 験 結 果 と対 応 す る数 値 解. (1998) 4)福. 析 の 結 果 の比 較 か ら,エ ポ キ シ樹 脂 硬 化 反 応 中 の 体 積 応 力 緩 和 の 影 響 が ほ ぼoで. あ る こ とが わ か っ た.ま. た,エ. ポキ. 5)柴. シ樹 脂 と鉄 円筒 の 界 面 を完 全 接 着 し た と仮 定 した 場 合 に 反 応 率 の進展 に伴 って発 生 す る ひず み を見積 もる こ とが で. 6)高. 参 井 広 明,池. 考. 文. 山 充 弘,早. 恭 忠 義,陳. 景 輝,野. 岸 正 也,柴 山 充 弘,野 村 春 治:繊. 2 ) Koo, H. S., Park, S. J., Kim, W. B., Kim, C. M., Ha, Y. K. and Kim, Y. S.: Presented USA (2000). at ANTEC 2000, Orland,. 橋 啓 司,櫻 橋 本. 献. 上 皓 三 『:日本 機i械 学 会 論 文 集(A編),62. (596),993(1996). 518. 納 重 義,蒲. 生 正 浩:成. 形加. 村 春 治,藤. 原 弘 史:. 維 学 会 誌,51(1),9. (1995) 7)高. 3). 田 敏 郎,加. 繊 維 学 会 誌,46(1),15(1990). きた.. 1)松. 永 守 高,山. 工,14(6),371(2oO2). 井 伸 一,中. 保,野 村 春 治:高. 8)国. 尾. 武:固. 9)高. 分 子 学 会 編:新. 山 美 矢,乾. 洋 治,柴. 山 充 弘,. 分 子 学 会,49(11),907(1992). 体 力 学,253(1977),培. 風館. 高 分 子 化 学 序 論(第2版),東. 京化. 学 同 人,117(1994). 10) Williams, M. L., Landel, R. F. and Ferry, J. D.: J. Am. Chem. Soc., 77, 3701 (1955). Kaindl, A., Roeckelein, R., Grindling, J. and Gehrig,. 成形 加工. 第14巻. 第8号2002.
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