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日本人中国語学習者の学習動機の調査と研究

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(1)

日本人中国語学習者の学習動機の調査と研究

Investigation and Research on Learning Motives of Japanese- Chinese Learners

陶 琳 Lin, Tao

Abstract

To let students take a positive attitude toward the context of second language acquisition, it is important to understand their learning motivations. In this study, we investigated the motives, manner, mentality, interest, and difficulties of learning Chinese from university students in Japan. This study makes an attempt to collect data for learning Chinese language at a Japanese university. It discusses cultural and linguistic diversity on second language acquisition. In particular, this study used an opinion poll on learning intent of 165 male students and 163 female students. We gave each student five questions. Based on the results, we tried to clarify the rationale of studying Chinese from Japanese university students. Most of the students showed interest in Chinese culture, lifestyle, economy, economic development, and so on.

Furthermore, the results were analyzed from the standpoint of gender. It examined similarities and differences in learning Chinese s motives between male and female Japanese students. The research of this field will be very important today in order to promote initiative and durability of students in Chinese language education. We believe the findings will help us improve Chinese language education.

1.はじめに

この小論は、主に学習目標の言語に対して学習者はどのような態度をとっているのか、

学習動機の方向づけをどのように評価し記述できるのか、どのような状態――適正、知性、

特に態度や動機づけと関わりのある社会心理学的状態――が第二言語の習得を促進するか、

に関する研究である。

第二言語を教える際に、目標言語に対して学習者はどのような態度を取っているのか、

外国語の学習は学生達に目標言語及びその文化に対してどうすれば興味を持ち続けていけ

るのかを知ることはとても重要である。教師として、自分自身の素質を高めて、適切な教

授法を開発する同時に、生き生きとした勉強し易い目標言語に関する知識を伝授する方法

を見つけるだけではなく、学習者達は自身の色々な要求を了解することが必要であり、学

生達に学習目標の言語及びその文化に関する興味を喚起したり、学生達の主体的学習と積

極性を高めることも認識しなければいけない。日本の大学では、中国語を第二外国語とし

(2)

て受講する学生が少なくない。大学で実施される制約された授業時間の中で、学生達の異 文化能力を育成し、学生達の中国語学習への興味を維持し、学生達の積極的な学習態度を 高めることは、中国語教師にとって重要な課題の1つである。

外国語を学習する目的は、目標言語を用いてコミュニケーションができるようにするこ とにある。これは現代における外国語学習の基本目的である。しかし、学習者によって目 標言語の使用範囲と方式が異なる。これは、目標言語を学習する具体的な目的も同じでな いことを意味する。

日本、中国、アメリカなどの国及び地域では、第2外国語としての中国語の学習目的に ついて調査と研究が行なわれたことがある。例えば、中国の学者 (

1995:12

)は外国 人留学生の中国語の学習目的について、職業目的、職業工具目的、学術目的、教育を受け る目的、そして他の目的、の5種類に分類した。王志剛等(

2004:67-78

)は因子文析法を 採用して 「下から上へ」外国人留学生の中国語学習目的を分析した。アメリカの

JEN

T.C.

2001:89-105

)は東海岸の6つ大学における

185

名の中国系学生の中国語学習目的を

調査した。日本では、鄭麗芸(

1997:107-111

)は日本の5つの大学の学生が中国語を学習 する目的について調査と分析を行った。しかし、これはすでに

16

年前の研究結果である。

現在、中国語の学習者達はどのような学習目的があるか、当時と同じであるのか、それと でも変化があるのだろうか。

これらの問題を解決するために、1年間中国語を学習した日本人学生の一部に対してア ンケート調査を行った。本研究は日本人中国語学習者達の感情、心理、態度、興味等の主 観因子を考察した。特に男女学習者達の学習動機の相異を分析した。

2.研究方法

日本人中国語学習者を対象に、記入式アンケート調査(複数回答)を実施し、中国語学 習意識について回答してもらった。

なお調査項目の比較可能性を確保するために、王志剛等(

2004:67-78

)の研究方法を採 用した。同時に、調査項目にはいくつかの日本人中国語学習者に適切な調査項目も加えた。

調査方法: 記入式アンケート調査 実施時期:

2012

1

月、

2012

10

実施場所:金沢大学、富山大学、神奈川大学、東京理科大学、東京工科大学

回収数:

日本

328

名(男性

165

、女性

163

今回は調査の範囲が比較的広い。国立大学法人(金沢大学、富山大学)もあるし、私立 大学(神奈川大学、東京理科大学、東京工科大学)もある。人文学、教育学、経済、法律、

理科、工学専攻など広範囲の領域の学生を対象にしている。

(3)

て受講する学生が少なくない。大学で実施される制約された授業時間の中で、学生達の異 文化能力を育成し、学生達の中国語学習への興味を維持し、学生達の積極的な学習態度を 高めることは、中国語教師にとって重要な課題の1つである。

外国語を学習する目的は、目標言語を用いてコミュニケーションができるようにするこ とにある。これは現代における外国語学習の基本目的である。しかし、学習者によって目 標言語の使用範囲と方式が異なる。これは、目標言語を学習する具体的な目的も同じでな いことを意味する。

日本、中国、アメリカなどの国及び地域では、第2外国語としての中国語の学習目的に ついて調査と研究が行なわれたことがある。例えば、中国の学者 (

1995:12

)は外国 人留学生の中国語の学習目的について、職業目的、職業工具目的、学術目的、教育を受け る目的、そして他の目的、の5種類に分類した。王志剛等(

2004:67-78

)は因子文析法を 採用して 「下から上へ」外国人留学生の中国語学習目的を分析した。アメリカの

JEN

T.C.

2001:89-105

)は東海岸の6つ大学における

185

名の中国系学生の中国語学習目的を

調査した。日本では、鄭麗芸(

1997:107-111

)は日本の5つの大学の学生が中国語を学習 する目的について調査と分析を行った。しかし、これはすでに

16

年前の研究結果である。

現在、中国語の学習者達はどのような学習目的があるか、当時と同じであるのか、それと でも変化があるのだろうか。

これらの問題を解決するために、1年間中国語を学習した日本人学生の一部に対してア ンケート調査を行った。本研究は日本人中国語学習者達の感情、心理、態度、興味等の主 観因子を考察した。特に男女学習者達の学習動機の相異を分析した。

2.研究方法

日本人中国語学習者を対象に、記入式アンケート調査(複数回答)を実施し、中国語学 習意識について回答してもらった。

なお調査項目の比較可能性を確保するために、王志剛等(

2004:67-78

)の研究方法を採 用した。同時に、調査項目にはいくつかの日本人中国語学習者に適切な調査項目も加えた。

調査方法: 記入式アンケート調査 実施時期:

2012

1

月、

2012

10

実施場所:金沢大学、富山大学、神奈川大学、東京理科大学、東京工科大学

回収数:

日本

328

名(男性

165

、女性

163

今回は調査の範囲が比較的広い。国立大学法人(金沢大学、富山大学)もあるし、私立 大学(神奈川大学、東京理科大学、東京工科大学)もある。人文学、教育学、経済、法律、

理科、工学専攻など広範囲の領域の学生を対象にしている。

2.1

アンケート

アンケートの問題Ⅰの回答理由は主に王志剛等(

2004:67-78

)のアンケートの設計方式 を参考にした。彼らの設定した

19

個項目の問いの他に、さらに学生達が中国語を選ぶ理由 を選択肢として提示し、また、日本人中国語学習者に適切な調査項目も加えた。

本アンケートは5つの問いからなる。

(1) なぜ中国語を勉強しますか。以下の中からその理由を選択してください。

(2) あなたは中国語について何を勉強したいですか。

(3) 中国語の学習について、何が一番難しいと思いますか。

(4) あなたは中国に対して、どんな興味がありますか。

(5) 今後又勉強し続けますか。

2.2

.アンケートの配布と回収

調査の際、中国語を学習しているクラスをランダムに選択する。選んだクラスの全員が 調査に参加する。第1回の調査は

2012

1

月に実施された。場所は東京理科大学、金沢大 学、富山大学、神奈川大学である。回収したアンケートの回答数は全部で

160

部、有効な 回答は

155

部であり、有効率は

96.88

%である。第2回は

2012

10

月に行ない、回収した アンケートは全部で

180

部である。有効回答数は

173

部であり、有効率は

96.11

%である。

場所は東京工科大学、金沢大学、富山大学、神奈川大学である。この2回の調査対象者数 は

328

人であり、その内、男子学生

165

人、女子学生

163

人である。学習レベルは、初級 レベル

230

人、中級レベル

62

人、上級

32

人であった。

3.調査結果

日本人中国語学習者の学習目的と学習興味及び中国語学習への要求を調査するために、

いくつかの国立大学と私立大学の中国語を必修にしている学生と選択にしている学生達に アンケート調査を行った。日本人中国語学習者の学習目的についての調査結果は表 1 にま とめた。

表1は、日本人大学生の中国語を選択した目的とその人数と比率である。表の中に「

13.

中国の古典小説・現代小説・雑誌を観賞しやすくするために」、「

14.

中国のニュースや新

聞を読み取れるために」、「

16.

中国の歴史を了解しやすくするために」、「

23

単位を取る

ために」は王志剛等(

2004:67-78

)のアンケート調査における

19

個項目の中に無い項目で

ある。表

1

から見ると、日本人大学生は中国語を選択する目的で一番多いのが「単位を取

るために(

51.5%

)」である。この学生達は、学習目的は明確ではないので、学習内容が難

しくなると、後退して前に進めない。また失望度がとても高い(鄭麗芸,

1997:109

)) 第

二番目は「将来仕事昇進の機会を増やすために(

43.0%

)」、三番目は「中国への旅行をし

や す く す る た め に(

41.8%

)」 で あ る 。 四 番 目 は 「 も っ と 良 い 仕 事 を 見 つ け る た め に

(4)

34.5%

)」である。五番目は「中国語を話している人と交流し、もっと友達を作りやすく するために(

32.6%

) 」である。二番目から五番目までを選んだ学生達は学習目的が明確で、

一定の理想があり、知識を求める欲求が高い。六番目は「中国の文化・習慣・芸術及び中 国語に対する興味を満たすために(

29.9%

)」であり、七番目は「中国の人々の生活を理解 しやすくするために(

20.7%

)」である� これらを選んだ学生は好奇心が強い学生が多いの で、学習態度と熱情が落ちないと言える。

表1中国語を選択する目的�

学習目的 人数 序列

1�HSK(中国語水準試験)あるいは中国語検定試験に合格するために� 61 18.6% 10

2�中国語の特別訓練の資格証明書を取るために� 20 6.1% 20

3.�中国の大学に留学するための準備として� 21 6.4% 19

4.もっと良い仕事を見つけるために� 113 34.5% 4

5.�将来仕事で昇進の機会を増やすために� 141 43.0% 2

6.�専門知識が理解しやすくなるように� 47 14.3% 13

7.�勤めている会社や企業の要求を満たすために� 52 15.9% 12

8.中国の文化・習慣・芸術及び中国語に対する興味を満足するために� 98 29.9% 6

9. 親や友達の要求を満たすために� 14 4.3% 22

10.中国へ旅行しやすくするために� 137 41.8% 3

11.中国語を話している人と交流し、もっと友達を作りやすくするために� 107 32.6% 5

12.中国のテレビ・映画・劇及び歌を観賞しやすくするために� 62 18.9% 9 13.中国の古典小説・現代小説・雑誌を観賞しやすくするために�� 27 8.2% 18 14.中国のニュースや新聞を読み取れるように� 43 13.1% 14 15.中国の人々の生活を了解しやすくするために� 68 20.7% 7 16.中国の歴史を了解しやすくするために� 42 12.8% 15

17. 中国人になりたいために 11 3.4% 23

18.もっと自分の知識や教養を人に見せるために� 53 16.2% 11 19.自分の自尊心を満足させるため� 31 9.5% 17

20.自分の好奇心を満足させ、新知識を探査する需要のため 65 19.8% 8

21.自我価値を体現するため� 34 10.4% 16 22�中国人達のように考えや行動するために� 16 4.9% 21 23�単位を取るために� 169 51.5% 1

下の表2によると、日本大学の男女学生達の中国語学習目的には微妙な相異がある。例 えば男子学生が選択した中で一番多いのは「単位を取るために(

60.0%

)」であるが、女子 学生が選択した中で一番多いのは「中国への旅行をしやすくするために(

47.2%

) 」である。

男子学生が選択した中で三番目に多いのは「中国への旅行をしやすくするために(

36.4%

) 」 であるが、女子学生が選択した中で三番目に多いのは「中国語を話している人と交流し、

もっと友達を作りやすくするために(

42.9%

) 」と「単位を取るために(

42.9%

) 」である。

しかし二番目と四番目は男女ともに「将来仕事昇進の機会を増やすために(男性

41.2%

、 女性

44.8%

) 」と「もっと良い仕事を見つけるために(男性

33.3%

、女性

35.6%

、 ) 」である。

さらに五番目「中国の文化・習慣・芸術及び中国語に対する興味を満足するために」、八

番目「自分の好奇心を満足させることや新知識を探査する需要」、九番目「

HSK

(中国語

水準試験)あるいは中国語検定試験に合格するために」も男女共に同じである。これは明

らかに男性が中国語を選択した時、盲目的であるということが多いが、女性は実用型のタ

イプが多い。男女の共通点は、中国語を勉強することは将来の就職に対して有利であると

(5)

34.5%

)」である。五番目は「中国語を話している人と交流し、もっと友達を作りやすく するために(

32.6%

) 」である。二番目から五番目までを選んだ学生達は学習目的が明確で、

一定の理想があり、知識を求める欲求が高い。六番目は「中国の文化・習慣・芸術及び中 国語に対する興味を満たすために(

29.9%

)」であり、七番目は「中国の人々の生活を理解 しやすくするために(

20.7%

)」である� これらを選んだ学生は好奇心が強い学生が多いの で、学習態度と熱情が落ちないと言える。

表1中国語を選択する目的�

学習目的 人数 序列

1�HSK(中国語水準試験)あるいは中国語検定試験に合格するために� 61 18.6% 10

2�中国語の特別訓練の資格証明書を取るために� 20 6.1% 20

3.�中国の大学に留学するための準備として� 21 6.4% 19

4.もっと良い仕事を見つけるために� 113 34.5% 4

5.�将来仕事で昇進の機会を増やすために� 141 43.0% 2

6.�専門知識が理解しやすくなるように� 47 14.3% 13

7.�勤めている会社や企業の要求を満たすために� 52 15.9% 12

8.中国の文化・習慣・芸術及び中国語に対する興味を満足するために� 98 29.9% 6

9. 親や友達の要求を満たすために� 14 4.3% 22

10.中国へ旅行しやすくするために� 137 41.8% 3

11.中国語を話している人と交流し、もっと友達を作りやすくするために� 107 32.6% 5

12.中国のテレビ・映画・劇及び歌を観賞しやすくするために� 62 18.9% 9 13.中国の古典小説・現代小説・雑誌を観賞しやすくするために�� 27 8.2% 18 14.中国のニュースや新聞を読み取れるように� 43 13.1% 14 15.中国の人々の生活を了解しやすくするために� 68 20.7% 7 16.中国の歴史を了解しやすくするために� 42 12.8% 15

17. 中国人になりたいために 11 3.4% 23

18.もっと自分の知識や教養を人に見せるために� 53 16.2% 11 19.自分の自尊心を満足させるため� 31 9.5% 17

20.自分の好奇心を満足させ、新知識を探査する需要のため 65 19.8% 8

21.自我価値を体現するため� 34 10.4% 16 22�中国人達のように考えや行動するために� 16 4.9% 21 23�単位を取るために� 169 51.5% 1

下の表2によると、日本大学の男女学生達の中国語学習目的には微妙な相異がある。例 えば男子学生が選択した中で一番多いのは「単位を取るために(

60.0%

)」であるが、女子 学生が選択した中で一番多いのは「中国への旅行をしやすくするために(

47.2%

) 」である。

男子学生が選択した中で三番目に多いのは「中国への旅行をしやすくするために(

36.4%

) 」 であるが、女子学生が選択した中で三番目に多いのは「中国語を話している人と交流し、

もっと友達を作りやすくするために(

42.9%

) 」と「単位を取るために(

42.9%

) 」である。

しかし二番目と四番目は男女ともに「将来仕事昇進の機会を増やすために(男性

41.2%

、 女性

44.8%

) 」と「もっと良い仕事を見つけるために(男性

33.3%

、女性

35.6%

、 ) 」である。

さらに五番目「中国の文化・習慣・芸術及び中国語に対する興味を満足するために」、八 番目「自分の好奇心を満足させることや新知識を探査する需要」、九番目「

HSK

(中国語 水準試験)あるいは中国語検定試験に合格するために」も男女共に同じである。これは明 らかに男性が中国語を選択した時、盲目的であるということが多いが、女性は実用型のタ イプが多い。男女の共通点は、中国語を勉強することは将来の就職に対して有利であると

いうこと及び好奇心を満足させることができる、という点である。

表2中国語を選択する目的の調査結果の男女の回答率

学習目的 女性

人数

男性 人数

1� HSK(中国語水準試験)あるいは中国語検定試験に合格するために� 31 19.0% 9 30 18.2% 9 2� 中国語の特別訓練の資格証明書を取るために� 17 10.4% 15 3 1.8% 20

3.�中国の大学に留学するための準備として� 10 6.1% 16 11 6.7% 16

4.もっと良い仕事を見つけるために� 58 35.6% 4 55 33.3% 4

5.�将来仕事で昇進の機会を増やすために� 73 44.8% 2 68 41.2% 2

6.�専門知識が理解しやすくなるように� 21 12.9% 11 26 15.8% 11

7.�勤めている会社や企業の要求を満たすために� 25 15.3% 10 27 16.4% 10

8.中国の文化・習慣・芸術及び中国語に対する興味を満足するために� 55 33.7% 5 43 26.1% 5

9. 親や友達の要求を満たすために� 7 4.3% 17 7 4.2% 18

10.中国へ旅行しやすくするために� 77 47.2% 1 60 36.4% 3

11.中国語を話している人と交流し、もっと友達を作りやすくするために� 70 42.9% 3 37 22.4% 6

12.中国のテレビ・映画・劇及び歌を観賞しやすくするために� 38 23.3% 7 24 14.5% 12 13.中国の古典小説・現代小説・雑誌を観賞しやすくするために�� 18 11.0% 14 9 5.5% 17 14.中国のニュースや新聞を読み取れるように� 20 12.3% 12 23 13.9% 13 15.中国の人々の生活を了解しやすくするために� 41 25.2% 6 27 16.4% 10 16.中国の歴史を了解しやすくするために� 19 11.7% 13 23 13.9% 13 17.中国人になりたいために 6 3.7% 18 5 3.0% 19 18.もっと自分の知識や教養を人に見せるために� 21 12.9% 11 32 19.4% 7 19.自分の自尊心を満足させるため� 20 12.3% 12 11 6.7% 16

20.自分の好奇心を満足させ、新知識を探査する需要のため 34 20.9% 8 31 18.8% 8

21.自我価値を体現するため� 21 12.9% 11 13 7.9% 14 22� 中国人達のように考えや行動するために� 4 2.5% 17 12 7.3% 15 23� 単位を取るために� 70 42.9% 3 99 60.0% 1

質問2「あなたは中国語について何を勉強したいですか」への回答は表

3

にまとめてある。

総人数から見ると、日本人大学生は会話を勉強したいという比率が一番高い(

67.7%

)。二 番目は文法(

14.3%

)である。発音と聞く能力は

10.1%

を占める。その他は

8%

に達しない�

表3日本人大学生は学習したい内容

日本人大学生は学習したい内容 女 性 人

男 子 人

総比率 序列 1 日常会話、会話表現、会話能力、各種場面の会話 123 75.5% 99 60.0% 67.7% 1 2 発音、聞く能力 12 7.4% 21 12.7% 10.1% 3

3. 文法 30 18.4% 17 10.3% 14.3% 2

4. 語彙、各種各様な語彙、漢字 4 2.5% 15 9.1% 5.8% 6 5. 中国語の全部、語学、語感、実用な貿易中国語 11 6.7% 15 9.1% 7.9% 4 6. 読、書く、文章の読解能力、翻訳 11 6.7% 12 7.3% 7.0% 5 7. 国際交流能力、実際コミュニケーション能力、

日本語のように自由自在に使う 6 3.7% 12 7.3% 5.5% 7

8. 歴史 1 0.6% 5 3.0% 1.8% 9

9. 文化 5 3.1% 2 1.2% 2.1% 8

10.中国語検定試験 2 1.2% 1 0.6% 0.9% 10 11.人品、礼儀 0.0% 2 1.2% 0.6% 11 12. 特に無い、無回答 9 5.5% 13 7.9% 6.7%

男女差については、日本人女子大学生の学習したい主な内容が会話と文法であるのに対し、

男子大学生は会話、文法、発音とリスニングである。日本人女子大学生(

75.5%

)で会話

を勉強したい人数は男子大学生(

60.0%

)より

15

ポイント以上高い。また文法を勉強した

(6)

い女子大学生人数(

18.4%

)も男子大学生(

10.3%

)よりやや多い。日本人男子大学生は発 音、聞く能力や語彙、各種各様な語彙、漢字を勉強したい人数は女子大学生よりやや高い。

90%

以上の学生達はそれぞれの学習目標があると言える。

質問3「中国語の学習について、何が一番難しいと思いますか」への回答結果は表

4

に まとめてある。

表4日本人大学生の学習上の困難な点

日本人大学生の学習上の困難な 女 性 人

男 子 人

総比率 序列 1 発音、声調、音節のリズム、イントネー

ション、読み方 131 80.4% 135 81.8% 81.1% 1 2 漢字、単語、暗唱、語彙 17 10.4% 31 18.8% 14.6% 2 3. 文法、語順 21 12.9% 20 12.1% 12.5% 3 4. リスニング、聞き取り練習 25 15.3% 16 9.7% 12.5% 3 5. 会話、実際の会話能力 7 4.3% 9 5.5% 4.9% 4 6. 読写、文章の読解能力、翻訳 2 1.2% 4 2.4% 1.8% 5 7. 中国語全部 2 1.2% 3 1.8% 1.5% 6 8. 特に無い、無回答 2 1.2% 4 2.4% 1.8%

4

を見ると、日本人大学生が中国語の学習について一番難しいと思ったのは主に発音、

声調、音節のリズム、イントネーション、読み方であることがわかる。男女ともに

80%

以 上である。中国語の学習について日本人大学生にとって発音が一番大きな障壁となってい ることが明らかになった。性別における差については、漢字、単語、暗唱、語彙が一番難 しいと思ったと回答した学生のうち、男子大学生(

18.8%

)が女子大学生(

10.4%

)よりや や多い。また、リスニングや聞き取り練習が一番難しいと回答した女子大学生(

15.3%

) が男子大学生(

9.7

%)よりやや多い。しかし文法、語順が一番難しいと回答した男子大学 生と女子大学生の比率はあまり変わらない。

質問4「あなたは中国に対して、どんな興味がありますか」の調査結果は表

5

に示した。

調査結果を見ると、中国文化、茶文化、伝統文化、生活習慣、生活習慣の違いと仕方、

日常生活、日本との文化の違い、人々の生活に興味がある日本人女子大学生は日本人男子 大学生より

20

ポイント高い。また中国社会、政治、人の考え方と思考方、思想、身近な問 題、価値観、人間関係、国情、国民性、中国人が他国に進出していること、今後も社会主 義のままなのか、全て、これからの中国について、社会マナー、人と人の交流に興味があ る日本人女子大学生は日本人男子大学生より

10

ポイント高い。しかし経済発展・動き、今 後の経済成長等、中国の企業情報、経済や産業の情況、企業の進出、物価に興味がある日 本人男子大学生は日本人女子大学生よりやや多い。また無回答、特に無いに関して日本人 男子大学生は日本人女子大学生よりやや多い。その他に男女差は微妙に異なる。例えば、

建造物、建物、歴史建造物、広大な風景に興味があるのは日本人男子大学生しかいない。

微博イントネット(ネット絡)、 パンダ、中国人は英語の勉強にどれぐらい力を入れてい

るかに興味があるのは日本人女子大学生しかいない。

(7)

い女子大学生人数(

18.4%

)も男子大学生(

10.3%

)よりやや多い。日本人男子大学生は発 音、聞く能力や語彙、各種各様な語彙、漢字を勉強したい人数は女子大学生よりやや高い。

90%

以上の学生達はそれぞれの学習目標があると言える。

質問3「中国語の学習について、何が一番難しいと思いますか」への回答結果は表

4

に まとめてある。

表4日本人大学生の学習上の困難な点

日本人大学生の学習上の困難な 女 性 人

男 子 人

総比率 序列 1 発音、声調、音節のリズム、イントネー

ション、読み方 131 80.4% 135 81.8% 81.1% 1 2 漢字、単語、暗唱、語彙 17 10.4% 31 18.8% 14.6% 2 3. 文法、語順 21 12.9% 20 12.1% 12.5% 3 4. リスニング、聞き取り練習 25 15.3% 16 9.7% 12.5% 3 5. 会話、実際の会話能力 7 4.3% 9 5.5% 4.9% 4 6. 読写、文章の読解能力、翻訳 2 1.2% 4 2.4% 1.8% 5 7. 中国語全部 2 1.2% 3 1.8% 1.5% 6 8. 特に無い、無回答 2 1.2% 4 2.4% 1.8%

4

を見ると、日本人大学生が中国語の学習について一番難しいと思ったのは主に発音、

声調、音節のリズム、イントネーション、読み方であることがわかる。男女ともに

80%

以 上である。中国語の学習について日本人大学生にとって発音が一番大きな障壁となってい ることが明らかになった。性別における差については、漢字、単語、暗唱、語彙が一番難 しいと思ったと回答した学生のうち、男子大学生(

18.8%

)が女子大学生(

10.4%

)よりや や多い。また、リスニングや聞き取り練習が一番難しいと回答した女子大学生(

15.3%

) が男子大学生(

9.7

%)よりやや多い。しかし文法、語順が一番難しいと回答した男子大学 生と女子大学生の比率はあまり変わらない。

質問4「あなたは中国に対して、どんな興味がありますか」の調査結果は表

5

に示した。

調査結果を見ると、中国文化、茶文化、伝統文化、生活習慣、生活習慣の違いと仕方、

日常生活、日本との文化の違い、人々の生活に興味がある日本人女子大学生は日本人男子 大学生より

20

ポイント高い。また中国社会、政治、人の考え方と思考方、思想、身近な問 題、価値観、人間関係、国情、国民性、中国人が他国に進出していること、今後も社会主 義のままなのか、全て、これからの中国について、社会マナー、人と人の交流に興味があ る日本人女子大学生は日本人男子大学生より

10

ポイント高い。しかし経済発展・動き、今 後の経済成長等、中国の企業情報、経済や産業の情況、企業の進出、物価に興味がある日 本人男子大学生は日本人女子大学生よりやや多い。また無回答、特に無いに関して日本人 男子大学生は日本人女子大学生よりやや多い。その他に男女差は微妙に異なる。例えば、

建造物、建物、歴史建造物、広大な風景に興味があるのは日本人男子大学生しかいない。

微博イントネット(ネット絡)、 パンダ、中国人は英語の勉強にどれぐらい力を入れてい るかに興味があるのは日本人女子大学生しかいない。

5日本人大学生は中国に対して持つ興味

日本人大学生は中国に対して持つ興味 女性人数 男子人数 総比率 序列 1 中国文化、茶文化、伝統文化、生活習慣、生活習慣

の違いと仕方、日常生活、日本との文化の違い、人々の 生活

64 39.3% 31 18.8% 29.0% 1 2 中国歴史、特に三国史、古代中国の歴史と現代中国

の行動、歴史関係 29 17.8% 30 18.2% 18.0% 2 3. 経済発展・動き、今後の経済成長等、中国の企業情

報、経済や産業の情況、企業の進出、物価 23 14.1% 31 18.8% 16.5% 3 4. 中国社会、政治、人の考え方と思考方、思想、身近な

問題、価値観、人間関係、国情、国民性、中国人が他国 に進出していること、今後も社会主義のままなのか、全 て、これからの中国について、社会マナー、人と人の交

32 19.6% 15 9.1% 14.3% 4

5.食文化、食べ物、料理 12 7.4% 17 10.3% 8.8% 5 6.語学、会話、発音、言葉、日本語との違い、文法、メ

ディアの発展、同じ国の中での言葉や文化の違い、発音 との違い、地方によってどれぐらい発音が違うのか

10 6.1% 8 4.8% 5.5% 6

7.人口、民族、日本との関係 6 3.7% 5 3.0% 3.4% 9 8.文学、古典文学、漢詩、漢字 4 2.5% 5 3.0% 2.7% 10 9. 観光地、特に東北部のあたりの歴史旅順、奉天、新京

のあたり、旅行、世界遺産 10 6.1% 5 3.0% 4.6% 7 10. 建造物、建物、歴史建造物、広大な風景 0.0% 5 3.0% 1.5% 11 11. 武術、中国将棋、音楽、伝統芸能、映画、テレビ 9 5.5% 3 1.8% 3.7% 8 12. 微博イントネット(ネット絡)パンダー、中国人は

英語の勉強にどれぐらい力を入れているか 3 1.8% 0.0% 0.9% 12 13 無回答、特に無い 18 11.0% 32 19.4% 15.2%

質問5「今後さらに勉強し続けますか」の調査結果は表

6

に示す。調査結果から見ると、

全体で

76.8%

の日本人大学生は勉強し続けると回答している。まだ決めてない学生は

9.5%

であり、勉強し続けない学生と無回答の学生が

9.7%

である

表6今後さらに勉強し続けるかの調査結果

今後勉強し続けるか 男性人数 女性人数 総比率

し続ける 116 70.3% 136 83.4% 76.8%

機会があれば 7 4.2% 6 3.7% 4.0%

分からない 23 13.9% 8 4.9% 9.5%

しない 18 10.9% 12 7.4% 9.1%

無回答 1 0.6% 1 0.6% 0.6%

6

の結果から

70.3%

の日本人男子大学生と

83.4%

の女子大学生は今後中国語を勉強し 続けると回答していることがわかる。つまり今後中国語を勉強し続ける日本人女子大学生 は日本人男子大学生より

13.1

ポイント高いことが明らかになった。しかし分からない、つ まり決めていない日本人男子大学生は女子大学生より多い

4.考察

外国語教育において、学習者の学習動機、需要と興味を了解しておくことは教授を適切

に行なうための重要なことの一つである 学習目的の内容について多くの研究者達は詳細

に分析と考察をしてきた。外国語教育において、学習目的と学生の需要、興味と動機は非

(8)

常に密接に関係している。心理学と生理学の視点から見ると、需要は動機の基礎であり、

目的を形成する根本の原因である。もし需要がなければ、それに応ずる目的を反映するこ とができない。需要にはさまざまな程度があるが、個々の目的の欠如は重大である。程度 の弱い需要(心理学上で低階層の需要)があればあるほど、それに引き出すための強い動 機付けが必要となり、目的も明確にしなければならない。したがって、目的が明確であれ ばあるほど、また具体的であればあるほど、主体的学習が容易になる。このためには、需 要の増進、効果的な指導がより重要である。そして動機と興味がさらに必要となる(王志 剛等、

2004:75-76

) 。

日本で は、第二外国語として中国語の学習目的の調査研究が非常に少ない。鄭麗芸

1997

107-111

)の研究によると、日本人大学生は中国語学習の目的を四種類に分ける

(鄭麗芸,

1997

108-109

)。一つは好奇型である。中国小説、映画を見た後、また中国料 理や漢方薬を食べた後、中国文化に対して興味がわいた。二つ目は盲目型である(

29.8%

) 。 中国語は漢字を使用するので、多少わかると思った。その上、選択している人が多いので、

単位を取りやすいと思った。三つ目は実用型である(

21.6%

) 旅行や留学の際、便利であ り、中国語を学んで身につけたら、特に口語は役に立つ。四つ目は理想型である(

7.4%

) 日中経済貿易は発展しているので、中国語を勉強したら、将来の仕事の役に立つと思った。

この研究によると、最も多い比率は第一種である(

36.8%

)。次は第二、第三、第四種類で ある。しかしながら、本研究が明らかにしたのは、現在の大学生で中国語を選択した比率 の最も高い目的は「単位を取る」(

51.5%

)であり、つまり盲目型と言える なお、中国語 の学習と将来の仕事を結びつけている学生も多い。例えば「将来仕事昇進の機会を増やす ために」については

43.0%

の日本人大学生が選んだ。 「もっと良い仕事を見つけるために」

34.5%

を占めた。 「勤めている会社や企業の要求を満たすために」は

15.9%

を占めた 注

目に値するのは今回の研究は鄭麗芸(

1997

)の研究結果と異なっている点である。鄭麗芸

1997

)の研究では

7.4%

しか占めていない。これは日本人大学生の中に中国語の学習と将 来の仕事を結びつけている学生が増えていることを示唆するものであう。「中国への旅行 をしやすくするた めに(

41.8%

)」の学生も増えた しかし「中国の大学に留学するために 準備する」のは

6.4%

しか占めていない 「中国の文化・習慣・芸術及び中国語に対する興味 を満足するために(

29.9%

)」を選んだ学生が少し減少した。これは現在中国語を勉強する ことが単位を取りやすいと思った及び将来の仕事や旅行の為に中国語を勉強する盲目型、

理想型、そして実用型の学生は増えたことを示している。しかし文化に興味がある好奇型 の学生は多少減少した。

同時 に注目に値するのは日本人大学生が中国 に最も興味がある対象である。鄭麗芸

1997

)の研究結果の表7と対比する。本研究の調査結果は中国文化や習慣、日常生活、

経済発展、今後の経済成長等、中国の企業情報等に興味がある学生及び中国社会全体、政 治、人々の思考方法、価値観、国情などに興味がある学生は増加したことを明らかにした。

しかし、歴史、名所古跡と中国料理に興味がある男女大学生が減少していることも判明し

(9)

常に密接に関係している。心理学と生理学の視点から見ると、需要は動機の基礎であり、

目的を形成する根本の原因である。もし需要がなければ、それに応ずる目的を反映するこ とができない。需要にはさまざまな程度があるが、個々の目的の欠如は重大である。程度 の弱い需要(心理学上で低階層の需要)があればあるほど、それに引き出すための強い動 機付けが必要となり、目的も明確にしなければならない。したがって、目的が明確であれ ばあるほど、また具体的であればあるほど、主体的学習が容易になる。このためには、需 要の増進、効果的な指導がより重要である。そして動機と興味がさらに必要となる(王志 剛等、

2004:75-76

) 。

日本で は、第二外国語として中国語の学習目的の調査研究が非常に少ない。鄭麗芸

1997

107-111

)の研究によると、日本人大学生は中国語学習の目的を四種類に分ける

(鄭麗芸,

1997

108-109

)。一つは好奇型である。中国小説、映画を見た後、また中国料 理や漢方薬を食べた後、中国文化に対して興味がわいた。二つ目は盲目型である(

29.8%

) 。 中国語は漢字を使用するので、多少わかると思った。その上、選択している人が多いので、

単位を取りやすいと思った。三つ目は実用型である(

21.6%

) 旅行や留学の際、便利であ り、中国語を学んで身につけたら、特に口語は役に立つ。四つ目は理想型である(

7.4%

) 日中経済貿易は発展しているので、中国語を勉強したら、将来の仕事の役に立つと思った。

この研究によると、最も多い比率は第一種である(

36.8%

)。次は第二、第三、第四種類で ある。しかしながら、本研究が明らかにしたのは、現在の大学生で中国語を選択した比率 の最も高い目的は「単位を取る」(

51.5%

)であり、つまり盲目型と言える なお、中国語 の学習と将来の仕事を結びつけている学生も多い。例えば「将来仕事昇進の機会を増やす ために」については

43.0%

の日本人大学生が選んだ。 「もっと良い仕事を見つけるために」

34.5%

を占めた。 「勤めている会社や企業の要求を満たすために」は

15.9%

を占めた 注

目に値するのは今回の研究は鄭麗芸(

1997

)の研究結果と異なっている点である。鄭麗芸

1997

)の研究では

7.4%

しか占めていない。これは日本人大学生の中に中国語の学習と将 来の仕事を結びつけている学生が増えていることを示唆するものであう。「中国への旅行 をしやすくするために(

41.8%

)」の学生も増えた しかし「中国の大学に留学するために 準備する」のは

6.4%

しか占めていない 「中国の文化・習慣・芸術及び中国語に対する興味 を満足するために(

29.9%

)」を選んだ学生が少し減少した。これは現在中国語を勉強する ことが単位を取りやすいと思った及び将来の仕事や旅行の為に中国語を勉強する盲目型、

理想型、そして実用型の学生は増えたことを示している。しかし文化に興味がある好奇型 の学生は多少減少した。

同時 に注目に値するのは日本人大学生が中国 に最も興味がある対象である。鄭麗芸

1997

)の研究結果の表7と対比する。本研究の調査結果は中国文化や習慣、日常生活、

経済発展、今後の経済成長等、中国の企業情報等に興味がある学生及び中国社会全体、政 治、人々の思考方法、価値観、国情などに興味がある学生は増加したことを明らかにした。

しかし、歴史、名所古跡と中国料理に興味がある男女大学生が減少していることも判明し

た。

表7中国に最も興味があるもの(鄭麗芸1997110

類別 人数 比例 類別 人数 比例

歴史 149 27.1% 経済 36 6.5%

文化習俗 110 20.0% 社会 30 5.5%

名所古跡 93 16.9% 芸術 26 4.7%

中国料理 83 15.1% 其の他 23 4.2%

中国語学習について日本人大学生は何を勉強したいかに関する調査結果は、会話を勉強

したいと回答した学生が最も多く、

67.7%

、次は文法

14.3%

、発音とリスニングは

10.1%

で あることに明らかにした この結果は鄭麗芸(

1997

110

)の中国語に対する要求調査結 果:情景会話

34.3%

より

33.4

ポイント高い これは日本人大学生が口語を重視し、コミュ ニケーション能力を重視している学生がかなり増加したことも明確にしている。「彼らは 中国語授業を文化授業だと考えて無かった。単純な言語授業とも考えなかった。彼らが最 もしたいのは文化環境の中で会話を学習すること」 (鄭麗芸,

1997

110

) 。

5.結論

本研究の調査結果から、以下の結論を得ることができる。

(1) 日本の大学では中国語を選択する学生が少なくない、また、継続して勉強する 学生もいる これは中国語教師が日本人学生の目的、興味、要求を十分に了解 した上に、それに応じたひとまとまりの教授方法を研究する必要がある。(鄭 麗芸,

1997

110

本研究の調査結果は、鄭麗芸による 16 年前の調査結果と異なる。特に 16 年前

の研究と違うのは、男女大学生の回答を対比して分析した結果、男女の相異点 を明らかにした点だ。例えば目的を選択した回答について、男子学生が選択し た回答の中で一番多いのは「単位を取るために」であるが、女子学生が選択し た回答の中で一番多いのは「中国への旅行しやすいために」である。男子学生 が選択した三番目に多い回答は「中国への旅行しやすいために」であるが、女 子学生が選択した三番目に多い回答は「中国を話している人と交流やもっと友 達を作ることをしやすいために」と「単位を取るために」である。しかし二番 目と四番目は男女ともに「将来仕事昇進の機会を増やすために」と「もっと良 い仕事を見つけるために」である。さらに五番目「中国の文化・習慣・芸術及 び中国語に対する興味を満足するために」、八番目「自分の好奇心を満足する ことや新知識を探査する需要」も男女共に同じである。これは明らかに男性が 中国語を選択した時、盲目型が多いが、女性は実用型が多いことを示している。

なお、男女大学生は理想型がどちらにも多い

(10)

� � �

学生の学習願望から見ると、多くの大学生は会話を勉強したいことがわかる。

つまりコミュニケーション能力を重視している。�

(4) 本研究の結果にも表れているが、中国に対して、どんな興味があるかについて 日本の大学生に尋ねたところ、日本人女子大学生は中国文化習慣、日常生活、

中国社会、政治、人の考え方と思考方、思想、身近な問題、価値観、人間関係、

国情、国民性に関する答えが多かった反面、日本人男子大学生は経済発展・動 き、今後の経済成長等、中国の企業情報、経済や産業の情況、企業の進出、物 価に関する答えがもっとも多かった。

� � �

日本人大学生は中国語の学習について一番難しいと思ったのは主に発音、声調、

音節のリズム、イントネーション、読み方である。つまり発音問題が一番大き な難点だということを明らかにした。これはもともと日本語自体に音節数が少 ないことが原因だと考えられる。そのため、中国語のような多音節の言語を勉 強すると、発音問題が障壁となる。�

以上の結果から、日本人大学生の中国語における学習目的、態度、認知が多種多様 であることがわかる。これは中国語の教授することに一定の困難をもたらしている。つ まり、日本の大学において中国語を教える方法にはいくつか問題がある。特に、ある理 工科大学では、1週間1コマの中国語授業がしかないために、学生達の願望を十分に満 足さえることが非常に難しい。しかし私達は中国語を教授する際、学習動機が強い学生

は目標が明確であるだけでなく、学習の熱情も非常に高くて、成績もとてもよいことに

気づく。これはもっと学生の学習願望と要求を了解しておく必要があること意味する。

また、学生達の積極的な学習を増強し、色々な会話場面を設定し、彼らにもっと会話実 践の機会を与えることが必要である。今後、日本の大学の中国語教育における教授法の 研究は一つの重要な研究課題となる。

参考文献�

馮恵敏 黄明東 楊旭生(1994)大学生学習目的の調査、統計と層次分析『電力高等教育』

� �

期。�

呂必松(1995)言語教学的若干問題『言語教学と研究』第四期�

鄭麗芸(1997)日本大学中国語教学一瞥『世界中国語教学』第一期�

王志剛�倪伝斌�王際平 姜孟(2004)外国留学生中国語学習目的研究『世界中国語教学』�

第三期�

参照

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