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Ⅱ 小学部の研究

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Academic year: 2021

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(1)

小学部の研究

研究の概要

今 回の研究では,小学部 ・中学部 ・高等部一貫 したアセスメン ト機能 をもった内容表試案 を作成 するために,中核的な教育内容 について発達的な視点か ら検討 し,明 らかにすることを試みた。 ま た,中核 的な内容相互の関係 (順序性) を明 らかに しようとした。

手続 きの概略 としては,まず, 日常私たちが大切 に している指導内容 をピックアップ し,それ ら を 「領域別教育内容表で確認 した。その うえで, ピックア ップ した指導内容 をもとに 「中核的な 教育内容 (仮)を洗い出 し,カテ ゴリーごとに分類 した (仮 の小項 目)。次 に,「中核 的な教育内 容 (仮)を 「育てたい子 ども像 (不易の視点)で検討 し,最後 に,発達的な視点か ら検討 した。

その結果,次のことが示 された。

① 「育てたい子 ども像 (不易の視点)か らの検討 によって,「中核的な教育内容 (仮)の中に中 核的な教育内容が含 まれていることが明 らかになったこと

② 発達的な視点 によって教育内容 を検討 してい くことで,質的に異 なる発達のステージが明 らか になったこと また,各発達のステージにおける教育内容の特徴が明 らかになったこと。

③ 各発達のステージにおける内容の特徴 を検討す ることで,それ らの順序性が明 らかになったこ と。

④ 各発達のステージにおける内容の特徴 をもっともよく表す教育内容 を選択す ることで,中核的 な教育内容が明 らかになったこと

⑤ 内容表試案の中に,順序性 を明 らかに して中核的な教育内容 を位置づけることがで きたこと

⑥ 各発達のステージの投階ごとに,中核 的な教育内容 を指導する際の意図や留意点 を明 らかに し たこと

今後の課題 としては,①発達のステージの とらえ方や中核 的な教育内容の順序性 について,実際 の指導 をとお してより確かなものに してい くこと,②各項 目間の段階の とらえの整合性 について検 討す ること,③ 「子 どもの生活」の視点や 「卒業生 を含めた本人活動の視点 を取 り込んで中核的 な内容 を検討す ること,などが示 された。

また,教育内容の提供の仕方 については,現行の指導形態の とらえ方 を基盤 に してよりよい形態 を志向すればよいのではないか とい うことが示唆 された。

Keyword:教育課程,意欲づ くり,発達的な視点,育てたい子 ども像,不易の視点,教育内容,中 核的内容,順序性,発達のステージ,領域別教育内容表,生 きる力

( 西岡哲男)

1

はじめに

(1) 小 学部教 育 の概況

小 学部教 育 の基本 的 な考 え方

ア 「 意欲づくり」

小 学部教 育 につ い て は,昭和56年 の研 究紀 要 第5集 にその基本 的 な考 え方 が示 され てい る 教 育課 程 を運用 す る過程 で毎 年修正 が加 え られて きたが ,基本 的 な考 え方 その もの は, なお現 在 も変 わ らず 一貫 してお り, この考 え方 の もとに小 学 部教 育 は進 め られてい る

この基 本 的 な考 え方 の根 幹 をなす もの は 「意欲 づ く り1で あ る意欲 は,子 ど もの行 動 の源 とな 1 小学部教育の根幹である 「意欲づくり」は,本校の一貫教育における小学部の役割でもあり,中学部の 「基盤づ

くり」,高等部の 「適応づくり」へと発展 していく。

‑ 31‑

(2)

る ものであ り,子 どもの成長発達 に とって大切 な役 割 を果 たす もので あ る12。 特 に,障害 のあ る子 ど もの発 達 に とっては,意欲 の果 たす役割 は大変重要 であ る と考 え られ る。

小学 部 の子 どもたちは,未分化 な発達 の状 態 か ら,次 第 にい ろい ろな発達 の芽 を芽生 え させ ,6年 の間 に, 自我 を形成 し個性 を伸 張 させ てい く。 ところが,未分化 な発達 の状 態 にあ る子 どもたちが, 成長 を遂 げてい くため には,い くつ もの発達課題 を乗 り越 えて行 かねばな らない。 この発 達課題 に千 どもの気持 ち を向か わせ ,す ぐには乗 り越 え られ ない その課題 を乗 り越 え させ る ものが,意欲 の支 え であ る。研 究紀 要 第5集 には,意欲 を育 て る こ とにつ い て, 「課題 解 決 能力 を支 え る ̀̀意欲''を,何 としてで も育 ててや りたいとその決意が述べ られてお り, この思 い は今 も変 わ らず受 け継 が れてい る

意欲 を育 て るには,子 どもの 目を自身の生 活 に向 け させ , 自分 の もってい る力 を精一杯 発揮 させ る 経験 が必要 であ る 苦労 し精一杯 力 を発揮 す る過程 を大切 に し, その結果 を子 ども自身が達成 感や満 足 感 と して実 感 す る こ とが で きた と き,子 ど もの心 の なか には 「心 のバ ネ3」 と もい える大 きな意欲 が芽生 える。 その意味 で,発達課題 は子 ど もが乗 り越 える こ とので きる もので なければな らず ,教 師 には適切 な課題 設定 を可 能 とす る 「観 の眼4が求 め られ るまた,子 ど もの くじけそ うにな る心 や

「で きる‑で きない」 の間 を行 き来す る心 の揺 らぎを くみ取 り,理解 し,見守 り,優 しく時 には厳 し く励 ます姿勢 が必要 となる

その ような経験 を,活動 の一つ ひ とつ にお いて,繰 り返 してい くこ とが ,い ろい ろな力 を芽生 え さ せ 身 につ け させ てい くこ とになる そ して, その こ とが,発達 の遅 れの程 度 にはかかわ りな く,子 ど

もに応 じた新 たな意欲 を喚起 す る こ とになる

どんなに微 か な もので あ って も,子 どもの抱 く興 味 や好奇心 に働 きか け,子 どもを意欲 的 な生活へ と導 く教 育活動 を,小 学部 で は,今 後 も大切 に してい きたい と考 えてい る。

イ 「意欲 づ くり」 の三つの とらえ

上記 の とお り, 「意欲づ くり」 は,小 学 部教 育 の根 幹 をなす もの と して,昭和56年 よ り受 け継 が れ 今 日に至 ってい る。 そ して,毎年 ,教 育課程 を評価 す る会 議 の なかで, 「意欲 づ く りを よ り確 か な もの にす るための要点 につ いて真 剣 な議論 が な され て きた。現 時点 で は, 「意欲 づ くりの ための要

点 を次 の三つ に とらえ整理 してい る。

( 7)

「発達 し続 け る子 ども」 とい う子 ども観 の重視

子 どもが乗 り越 え られ る適切 な発 達 課題 を提 供 す る こ とが, 「意欲 づ くり」 を よ り確 か な もの にす る。そのため には,障害 や問題行 動 な どを固定 的 ・一面 的 に とらえず , 「発 達 し続 け る子 ど も」 と して,一人 ひ と りの子 どもを発達 の過程 の なかで理解 す る必要 があ る。

( イ)

「自分 で考 え行動 した結果が達成感 や満足感 ,充実感 に結び つ く体験の重視

1 白石 (1996),子どもが貫わないところに発達の事実は生まれず,子どもの願わない変化を他者が引き起こ すことはできない」として,子どもの意欲が発達に大きな影響を及ぼすことを示唆している。そして教育に求めら れるのは,子どものなかに 「願っても,すぐにはそのとおりにならない矛盾」を呼び起こし,子ども自身がその矛 盾を乗り越えていくのを援助することであるといっている。

2 宮原ら(1996)は,現代社会を生きていくための能力のとらえ方として,Hunt,J.McV.(1961)の新しい能力観 (コンピテンス)を捷喝している。ハン トのいうコンピテンスとは,単なる知的能力だけのことではなく,意欲や 知的好奇心などの動機づけ,社会にとって何が大切であるかという価値観を含めた概念である。特に,コンピテン スとしての意欲の重要性について,宮原らは,何かに向かってやろうとする意欲が,何かができるという能力の 達成へつながっていく。意欲のある子ども,好奇心をもっている子ども,自ら学ぶ気持ちをもつ子どもは,これか

らの長い人生を自分の力で生きていく,人生のパスポー トを手に入れた子どもである

」と述べている。

3 白石 (1996)は,子ども自身が自分の変化に気づくような 「でき方」をしたとき,もっとがんばってみよう」

という 「心のバネ」が生まれるといい,できる‑できない」だけを評価するのではなく,できる」という結果に

結びつくプロセスが大切であることを示唆 している。

4 小学部では,子どもの発達 (発達課題)を見極める教師の力量を 「観の眼」と呼んでいる。ただし,オリジナル の用清ではない。

‑ 32‑

(3)

小学部の子 どもたちは, 自我 を形成 し, 自らの個性 を伸長 させ て発達 を遂 げてい く最初 の段 階 にある「自分 な りに考 え自分 な りに行動 しようとす る意欲」 を育 ててい くため に,「自分で考 え 行動 した結果が達成感や満足感,充実感 に結 びつ く体験を十分 に用意 し与 える

( ウ)

「全人的発達 の ための基礎 的 ・基本 的内容」の重視

子 どもの意欲 は,具体 的 には,基礎 的 ・基本的内容 を身 につ けてい く過程 において育 まれてい く。「全 人的発達 のための基礎 ・基本 『生 きる力 の基礎 ・基本であ る ととらえ,小学 部 の段 階で必要 な基礎 的 ・基本 的内容 を,着実 に身 につ け させ てい く

基礎 的 ・基本 的内容 につ いては,「基本 的生活習慣」,「集 団参加 と対 人関係」,「知識 ・技 能」

とい った三つの側面 (小学部教育 目標 の三つの柱 )か らとらえ,一人 ひ と りの発達 を確 かな もの に してい く

(2) 児童の概況

学校生活の様子 か ら ア 身辺の 自立

子 どもは, 日常生活の様 々な場面で手や体 の動か し方 を経験 し,「自分で したい「で きそ うだ」 と い う気持 ちの高 ま りとともに,身辺 に関す る一つ ひ とつの動作 を身 につ けていっている 着替 えを例 に とる と, シャツのかぶ り方 な ど着替 える ときの体 の動か し方 を教 師 と一緒 に練習 してい る子 どもが いるが,次第 に 「で きそ うだと思 った ところは自分 で したが る ようになってい く 前後 を間違 えて 着 て しまうこともあるが,「自分 で着 た」 とい う気持 ち を尊重 す る段 階 ととらえて,あ えてや り直 し

をさせ ない こともある

高学年 になる と,「確 実 に自分です る」 こ とが課題 となる子 ども, また,「シャツが出ていないか

な どの身だ しなみが課題 となる子 どもが増 えて くる 特 に,身だ しなみ については,「誰 かか ら指摘 を受 けるか ら身だ しなみ を整 えている」 ので はな く, 自分 の意志 でそ うしていることが,その誇 らし げな表情 か らよ くわか る ようになる

イ 社会性

子 どもは遊 びを とお して,た くさんの ことを自然 に身につ けてい ってい る。砂場 では,子 どもの社 会性 の発達 を示す様 々な状況がみ られる 砂 の感覚 を楽 しんでい る子 ども,一人でお団子作 りに夢 中

になってい る子 ども,友 だちの様子 をみて真似 を し出す子 ども,道具 を貸 し借 りしなが ら遊ぶ子 ども, 友 だち と一緒 に山や川 を作 るのが楽 しい子 どもな どである 遊 び をとお して,人 とかかわ り合 う楽 し

さに気づ き,同時 に,人 とかかわ り合 う際のいろいろな約束事 を体験 的 に学 んでいっている

日常生活 の約束事 について も,毎 日の生活の なかで次第 に習慣 となってい っている あい さつの仕 方や,食事 のマナー, トイ レのマナー,乗 り物 の中でのマナーな どである

また, コ ミュニケーシ ョンの面か らは,言葉 に何 らかの問題 を もつ子 どもが多い こともあ り,気持 ちの通 じ合 いその ものが課題 となる子 どもがい る しか し,その ような子 どもたち も,表情 や行動 の 現 れ方 をよ くみ る と,そのなか に何 らかの子 どもの意思が込め られているこ とが わか る。 また,言葉 ははっ き りしないが, 自分で発音 で きる音 を使 いなが ら,身振 り手振 りで,気持 ちを伝 え ようとす る 子 どももい る 低学年の間は,概 して,伝 えることはで きて も,聞 き取 る,あるいは,相手の気持 ち をわかろ うとす ることが難 しい。 しか し,やがて高学年 になるにつれて,少 しずつや りと りがで きる ようになる子 どもが増 えてい き,子 ども同士 の関係 も深 まってい ってい る

集合 の場面 を例 に とって集 団参加 の様子 をみてみ る と,低学年 で は,「集 まるとい うこ と自体 が 難 しく,「集 まる」 とい うことが どの ような こ となのかが理解 で きてい ない。 しか し,子 どもにわか る ようにメ リハ リをつ けなが ら 「集 まる」経験 を繰 り返す うちに,次第 に集団の周 りか ら離 れない よ

‑33‑

(4)

うになってい く 中学年 になる と, 自分 の場所 な どもおお よそわか る ようにな り,互 い に声 を掛 け合 う様子 もみ られる ようになってい る 高学年 では,経験 の積 み重 ね もあ り, 自分 たちで集 ま り並ぶ こ とがで きる ようになっている

り 感覚 ・運動

子 どもの感覚 ・運動 にかかわる能力 は,毎 日,生活課題 に取 り組 んだ り,精一杯 遊 んだ りす る活動 を とお して,次第 に高 まっていってい る 例 えば,食事 や着替 えの場面で手の使 い方 を次第 に覚 えて い く。毎 日の繰 り返 しが,握 った りつ まんだ りす る動作 をよ り器用 な もの に してい っている。

また,遊 びの場面 か らは,三輪車や 自転車 , トランポ リン, ブランコ, ジャングルジムや太鼓橋 な どのいろいろな遊具で遊ぶ ことも次第 に上手 になってい く。高学年 になってい くと,走 る ・跳ぶ ・投 げる ・蹴 る ・打 つ とい った動作 に も徐 々に慣 れ,筋力 もついて くる サ ッカーや ソフ トボール, なわ 跳 びな どに も取 り組 め る ようになっている。 ただ し,平均台渡 りやスケー トな どバ ランス感覚 を必要 とす る運動 の発達 については,個人差が大 きい ように感 じられる。感覚 ・運動 の領域 において も,千 どもの興味や意欲がその発達 を促 していることが わか る

エ 知的能力

知的 な発達 については,遅 れの程度 によ り様 々な状況 にある。 しか し,小学部 の時期 には,緩 やか ではあって も,一人 ひ と り,確 実 に,理解面や技能面での変容がみ られ る。 また,中学年 (3年生 ・

4年生)頃になる と,教科 的な学習 に対 す る憧 れや知 的好奇心 もみ られ る ようにな り,「わか る よう になる ・で きる ようになる」 ことの嬉 しさを実感 してい る様子がみ られる。

また,知 的な発達 とい う点では質的 な変容が なか なかみ られない子 どもも,実際場面での体験 を繰 り返す過程 で,いろいろな知恵 をた くさん身 につ けてい くこ とがで きる。例 えば,数の概念が十分 に 獲得 で きていな くて も自動販売機 で飲 み物 を買 うことがで きる ようになった り,文字 は読 めな くて も その形 でバスの行 き先 の見分 けがで きる ようになった りと,子 どもな りの識別の仕方 を身 につ けてい

く。

オ 情操

歌 や音楽 の楽 しさを感 じ取 る心 は,低学年 の子 どもも大変豊 かな ように感 じられる 音楽が流 れて くる とそれ に聴 き入 った り, リズ ミカルな曲では 自然 に体が動 いて しまった りす る子 どもも多 い。 中 学年以降 になる と,楽器へ の興 味 も出て きて,次第 に リズム楽器での合奏 に も取 り組 め るようになる。

措 いた り作 った りす る活動 では,初 めは感覚 的 な活動 の段 階 にあった子 どもも,知 的 な発達 と呼応 しなが ら,表現す ることに楽 しさを感 じる ようになってい く。高学年 になる と 「工夫す ること」 自体 が楽 しくな り創造的 な活動‑ の関心 も次第 に高 まってい く。

また,高学年の子 どもは, ウサギや野菜 な どの動植物 の世話 をす る係活動 に取 り組 んでい るが,始 めは, ウサギ を怖 が っていた子 どもも世話 を続 ける うちに語 りかけなが ら餌 をや るようになった り, 野菜 には無 関心 だった子 どもが野菜 の成長 を楽 しみ に しなが ら毎 日の水 や りを続 ける ようになった り す る。

力 態度的能力

「着替 え一つ を例 に取 って も,子 どもの発達 に応 じて,課題 の レベ ルや取 り組 ませ方が異 なる。

しか し, どの段 階の子 どもも,程度 の差 はあるが,課題設定 をうま く調整す るこ とがで きれば,期待 感や関心 を示 し意欲 的 に取 り組 もうとす る

また,生活 のなかの約束事 に も次第 に気づ くようにな り,お もちゃを一緒 に使 った り,ブランコを 交替 した り, したい遊 び を我慢 して後 回 しに した りす るな ど,協調性 や我慢す る心 (欲求不満耐性)

も育 って くる

さらに,高学年 になる と,失敗 して もあ きらめ ない心 や最後 までや り遂 げ ようとす る心 も育 ってい

‑34‑

(5)

き,「よいこと‑わるい こと」 などの価値基準がわかるようになるにつれて,「 みんなのために

行動 した り,責任感 を感 じて行動 した りと, 自分の意志 による主体的な行動 もみ られるようになる

( 彰 家庭生活 ・地域生活の様子 から 表‑

1

田中ビネ‑知能検査 による

MA

IQ

MA IQ

〜 0 :l l 0

0‑ 9 0

1 :0 0‑ 1:ll 6

1 0‑1 9 3

2 :0 0‑ 2 :ll

7

20‑29 4

3 :0 0‑ 3 :ll 2

30‑39 5

4 :0 0‑ 4 :l l 1

40‑49 4

5 :0 0‑ 5 :l l 2

5 0‑5 9 1

6 :0 0‑

0人

6 0‑69 1

子 どもの生活 の様子 をみ るため に簡単 な調査1 を 行 ってみた ところ,低学年は 「 家族 との買い物

程 度の外出であったが,高学年 になるにつれて 「 サー クル的な活動への参加

「ボランテ ィア との外 出

などがみ られるようになっている

また,公共の交 通機関や施設の利用 な ども増 えてい く

これ らの ことを考 える と,「 子 どもに必要 な社会 的経験 をどの ようにとらえ具体的な課題 として経験 させてい くか 」 などについては,今以上 に,家庭 と ともに考え合 ってい く必要性がでて くる もの と思わ れる

※平成13331日現在

MA

1歳代の

6

名の内

3

名は参考数値

IQ10

台の3 名と

,20

台の4 名の内1名は 参考数値

MA ・lQ

と症状等の傾向から

平成1 3年 3月31日現在 の

MA

IQ

の状況 を,秦‑ 1に示 した。 これを見 る と,小学部の子 どもた ちの知的発達の遅れの程度は,中皮 ・重度の子 どもたちがほ とん どである。研究紀要第

5

集当時 ( 昭 和5 6年)にならい, ピアジェの発達段階で とらえると,小学部の子 どもたちの知的発達 は,感覚運動 期か ら,表象的思考が可能になって くる前操作期あるいは具体的操作期の初期 までの範囲にあるとい

える

2。

したが って,その ような発達のなかにいる子 どもたちであることを認識 し ( 子 どもの発達 を知的な 領域 だけで とらえることはで きないが),子 どもが育 ちゆ く過程で乗 り越 えるべ き発達課題 を,いろ いろな発達領域で,適切 に用意 してお くことが必要であると考 えられる。

また,症状等の傾向について,平成1 3年度 に在籍す る1 8名 をみると,ダウン症児 3名, 自閉的傾向 の子 ども7名,言葉 に問題のある子 ども1 3名 (ダウン症児や 自閉症児,口唇 口蓋裂児 を含 む), また, てんかんを合 わせ有する子 ども

3

名,肥満 ・肥満傾向の子 ども

4

名 となっている。言葉 に課題のある 子 ども, 自閉的傾向の子 どもが多 く, この ような子 どもに対する教育内容や指導方法 を,適切 に準備

してお くことも大切であると考 えられる

(3)

現行の教育課程の運用状況

① 領域別教育内容表 と指導内容

現行の教育課程の教育内容 は,大 まかにい うと,次の ような二つの方法で選定 されている

まず,学校教育 目標か らの内容の選定である。三つの学校教育 目標 について,小学部段 階では,そ の中の 「 生 きる力」の育成が他の二つの 目標

(

生 きる喜 び

働 く力」の育成) を包含す るものであ ると考 え,「 生 きる力

の とらえを明確 に した。「 生 きる力」 とは,「 現在の課題 に向か って精一杯努

1 東京学芸大学附属養護学校 (2000)

の 「 生活地図」による調査を参考にした.

2

この傾向は当時と同様のものである。

‑ 3 5‑

(6)

力 し解決 してい くため に必要 な力」,「将来 に向か って よ りよ く生 きてい くため に,今 ,身 につ けてお か な くてはな らない力」,「全人的発達 のため に必要 な力」 の三つであ る この ような 「生 きる力の 育成 とい う視点か ら,六つの領域1を設定 し,その内容 を具体 的 に求めてい った とい うことになる

次 に,子 どもの実態 か らの内容 の選定であ る。 これは,発達 の遅れが重 鹿の子 どもに も対応 で きる ような配慮 を しなが ら,実際の子 どもを 目の当た りに した指導実践 の積 み重 ねのなかか ら教育内容 を 導 き出 した とい うこ とである

この ように して選定 され た教 育 内容 を一覧 に した ものが,「領域 別教 育 内容表」 であ り,現行 の教 育課程 の指導 内容 も全 て, この 「領域別教育内容表」 の教育 内容 が基準 となってい る

実際の指導では,子 どもの実態 に即 して 「領域別教 育内容表」 か ら教 育内容 を選択 し,それ らを組 織 して,指導 に当たることになる。子 どもの実態 によって選択 された教 育内容が,小学部でい う指導 内容 であ る 指導 内容 は,教 育 内容 と全 く同 じ場合 もあ るが, よ り実態 や指導形態2に適 した形 に修 正 され ることが多 い。 また,過去 の記録 を振 り返 ってみ る と,い くつかの教育内容 を合 わせ て一つの 指導 内容 としてい る場合 もある 指導形態 ご とに,指導 内容 の まとま りを作 った ものが,単元 となる。

ただ し,「あそび」 と 「生活単元学習」,つ ま り教科等 に分 けない指導形態 においては,ス トレー ト に教育内容 か ら指導 内容 を求め る とい う手順 は踏 まない。 これ は,遊 びや生活課題 その ものが指導 の 対象 (す なわち指導 内容) となるためであ り,遊 びの ま とま りや生活課題 としての行動 の まとま りが 単元 となるか らである3。

私 たちは,指導形態 にお ける単元 ご とに,指導 内容 を配列 して単元 の指導計画 を作成 し授業 に臨ん でいる。 この単元 の指導計画 を,「単元別指導 内容計画表と呼 んでいる。

( 多

指等形態 (図‑ 1参照)

小学部の指導形態 は,子 どもたちの発達の特徴 か らみて, 「どの ような形態 をとれば先 に述べ た『生 きる力』が身 につ くかとい う考 え方 によって設定 されてい る。

す なわち,行動 させ ることで教育 内容 を総合 的 に身につ け させ る指導形態 (中心 にす える形態) と, それ を支 え補 う指導形態である。総合 的な形態 を中心 にす えるのは,発達の未分化 な子 どもほ ど,行 動 の まとま りとして課題 を与 えた方が, よ り効果的 に学習で きるか らであるが,総合 的な形態 のなか で求め られ る課題解決の能力 は,それ を支 える知的 な能力 や感覚 ・運動能力,態度的能力 な どの支 え が どう して も必要であ り, この支 え となる能力 を育 てるため に,補 う指導形態 を設定 した とい うこと である

現在 は,総合 的 な指導形態 を 「領域 ・教科 を合 わせ た指導」,補 う形態 を 「教科 別 の指導領域

別の指導

と呼 んでい るが,形態設定の考 え方 としては,昭和

5 6

年当時 と現在 も基本 的 には変 わって いない。

1 六つの領域とは,身辺の自立,社会性,感覚 ・運動,知的能力,情操,および,感度的能力を指す.態度的能力 の内容については,他の領域に含めたかたちで示されている。これは,態度的能力は行動の基盤となるものであり,

「それだけを取り出して指導するものではなく,全ての学習の喝で取り扱われる必要がある」との考え方によるも のである。

2 指導形態については,次項参照。

3 基本的には,実態に即して選択され,指導形態において実際に指導される教育内容を,小学部では指導内容と呼 んでいる。ただし,「あそび「生活単元学習」では,実態に適した遊びや生活課麓そのものが指導内容となり,指 導内容を選択した後に,教育内容と関連づけられることになる。両者を関連づける方法は異なるが,いずれにして も,指導内容は,指導形態において実際に指導される内容のことであり,教育内容と関連づけちれたものであると いえる。

‑ 36‑

(7)

③ 教育課程の運用 と評価

教育課程の運用 と評価 については,具体的には,単元別指導内容計画表 によって行 われている

単 元別指導内容計画表は,計画 と評価の機能 を併せ もつ ものであ り, これによって,「

Plan‑Do‑See

の サイクルが徹底 されているといえる

単元の始 まる前 には単元全体の計画 を立案 し,単元終了後だけ でな く,単元の継続 中 も時期 を定めて形成的な評価 を行 うように している。 この評価 は,指導内容お よび指導方法 について行 われるもので,授業改善の手がか りとなるだけでな く,次年度の同単元の計 画立案のための指針 を伴 っている。

また,学期末や学年末 には,単元別指導内容計画表 に記 された評価内容 をもとに して,部の全教官 で,指導内容や指導方法 についての協議 を行い,指導内容の最適化 と指導方法の改善 を図っている

小学部の教育課程 は,この ような

plan‑Do‑See」が繰 り返 されなが ら,昭和56

年 よ り現在 に至 っ た ものであるといえる

④ 単元別指導内容計画表 と個別の指導計画

平成1

2

年度 より,個別の指導計画 を作成 し子 どもの指導 に当たっている

これは,子 ども一人ひと りに焦点 を当てて課題 を設定 し, 目標 ( 長期 目標お よび短期 目標) と指導内容 を明 らかに した もので, 自立活動の個別の指導計画 を兼ねている

評価 については,学期 ごとに子 どもの変容 をとらえて,指 導内容や指導方法の修正 ・改善 を行 うように している

今年度 より,個別の指導計画 における個の課題 と単元別指導内容計画表 とを関連づ ける試みを始め ているが,様式 も含めて,単元別指導内容計画表のあ り方 を検討す る必要があるように思われる。 ま た,本研究の成果 をどの ような形で,単元別指導内容計画表 に関連づけるかについて も,検討する必 要があると思われる

(4)

小学部研究の意義

( D 発達的な視点 と本研究の意義

小学部の子 どもたちは,未分化 な発達の状態か ら,い くつ もの発達課題 を乗 り越 えなが ら成長 して い く

この発達の未分化 な子 どもたちが,発達 し続ける存在であるためには,子 どもの発達の状態 を 的確 に見抜 き,適切 に発達課題 を提供 してい く必要がある。

子 どもの発達は,緩やかにその高みにのぼってい くものではない。質的な発達の節 目を乗 り越 えな が ら,飛躍 を繰 り返 してい く過程である。 どの ように して飛躍のための準備 を整 え, どの ように して その飛躍 を遂げてい くのか。そ して,節 目を乗 り越 えてい く過程ではどの ような姿がみ られ,心の揺 れがみ られるのか。 またさらに,障害のある子 どもには,通常の発達過程でみ られる節 目だけでな く, 障害があるがゆえの節 目もあるのではないか。いずれに して も,適切 な発達課題 を提供す るためには,

この ようなことを明 らかに してお くことが望 まれる

今 回の研究 に取 り組 む過程 において,中核的な教育内容 とは,質的な発達の特徴 ( す なわち発達の ステージの質的な特徴) をもっともよ く表す ものではないか と考えるようになった。 なぜ なら,質的 な発達の中核的な特徴 をとらえ,その順序性 を明 らかにすることで,飛躍の ときを迎 えようとしてい る子 どもの言動 に気づ き,飛躍 しつつあるさまを見取 ることが可能 となるか らである

発達的な視点か ら中核 的な教育内容 をとらえる試みは,「 観の眼」 を肥やす ことにな り,その まま 指導場面 にも直結す る。特 に,発達の節 目を迎 えようとしている子 どもに対 しては,「 で きるかな一 自信 ないな‑で もしたいな 」 といった子 どもの内面 に生 じる心の葛藤 を十分 に受け止めなが ら節 目を 乗 り越 えさせてい く必要があるが,発達の節 目の前後 を的確 にとらえてお くことで,私 たちの援助 も

よ り自然で的確 なものになってい くもの と思われる

‑37‑

(8)

ところで,発達的な視点か ら中核的な教育内容 をどの ように求めてい くか。 この ことについては, 実は,領域別教育内容表のなかにた くさんの ヒン トがあった。そ こで,中核 的な教育内容 を選択す る 際 には,現在私たちが必要 と感 じて取 り扱 っている教育内容の中か ら厳選 してい くだけではな く,こ の領域別教育内容表 を十分 に生か しなが ら検討 してい きたい と考 える

発達的な視点か ら中核的な教育内容 を明 らかにす ることによって,子 どもに与 えられる課題 はより 発達 に応 じた適切 な もの となる

適切 な発達課題 は,それに取 り組 もうとする意欲 を子 どもか ら引 き 出す ことがで きる。今 回の研究は,小学部教育の根幹である 「 意欲づ くり

をさらに一歩進めること にもなるもの と思われる。

この ようなことか ら,小学部の研究では,中核的な教育内容 を発達的な視点か ら検討 し明 らかに し ようと考 えた。

( 彰 教育課程運用上の課題 と本研究の意義〜領域別教育内容表の充実改善に向けて‑

研究紀要第

5

集では,課題 としてい くつかの指摘がなされていた。その中で,領域別教育内容表 に ついて,「 子 どもの発達 をみつめた ものであ り,将来的 に見通 した生活 に も耐 え られるよう,実践 を フィー ドバ ックさせ なが ら,領域別教育内容表 を充実 させてい きたい」 とい うことが述べ られている

他の課題 については, これ までの教育課程の連用過程でほぼクリアされた と考 えられるが,領域別教 育内容表の充実改善 とい う課題 については,十分 に取 り扱 うことがで きなかった とい うのが実状であ

る。

領域別教育内容表は,教育内容 を,領域別 ・項 目別 に 「 低 ・中 ・高」 の三段階で示 した ものであ り, 私たちの指導の根拠 となるものである

そこには,子 どもの発達の状態や今必要 な指導課題 をとらえ

る際の数々の視点が盛 り込 まれてお り,指導内容 を吟味 した り指導計画 を立案 した りする際 には,大 変有用 な ものである

ところが, この領域別教育内容表は,領域 によっては内容の整備が不十分であ るようにみえた り,教育内容相互の関係が よ く理解で きない もの も含 まれていた りと,確 かに改善の 余地は残 されているように思われる。三段階の区分 について も,再度内容 をとらえ直 し,発達的な視 点 を明確 に して再配列することで,内容相互の関係や順序性が より明確 になるようにも感 じられる

また,子 どもの生活の有 り様 に応 じて,新たに加 えるべ き内容 もあるのではないか とも思われる

この ような教育課程運用の過程で残 されて きた課題,す なわち領域別教育内容表の充実改善がなさ れれば,私たちの指導の根拠 はさらに確かな ものにな り,教育課程 を連用 ・改善するうえでの重要 な バ ックボーンを得 ることになる。特 に,中核 的な内容 を明 らかにす ることで,他の内容 との関係 をと らえることが可能 とな り,順序性 もつけやす くなる。 さらに,教育内容が修正 されれば,指導形態 な ど教育内容の提供のあ り方 について も,再度確認 し, よりよい もの を志向す るきっかけが得 られるの ではないか と思われる。

今回の研究では, どの子 どもにも必要 な厳選 された中核的な内容か らなる内容表の試案 を作成する ことが,ね らいにある

この内容表試案のなかで,小学部の懸案 となっていた領域別教育内容表の充 実改善 を図ることがで きないか と考 えている。 これが実現すれば,今回の研究成果 は,今ある教育課 程 をさらに充実 させ, よりよい もの‑ と改善 してい くための重要 な資産 になるもの と思われる。

( 彰 教育界の動向 と本研究の意義

完全学校週五 日制の実施 に伴 い,子 どもの生活 をとらえ直 し,「 学校 ・家庭 ・地域社会で ともに子 どもを育てる

とい う認識が必要 になって きた。 これに伴 い,「 子 どもの生活」その ものの有 り様や 子 どもの生 きる時代の移 り変わ りに応 じて,新 たに教育内容 を検討 してお く必要性 も出て くるのでは ないか と思われる

家庭や地域社会 と指導領域 を分担 し合 って子 どもを育ててい くためには,学校が

‑ 38

(9)

イニシアテ ィブをとる指導領域 を明 らかに してお く必要があろう

また,学習指導要領 の改訂 によ り 「 生 きる力

の育成が強調 されている 。 「 生 きる力

についての 小学部の とらえ1 は文部科学省 のい う 「 生 きる力」 を包み込 む ものである と考 えてい るが,いわゆ る

「 方法知 にかかわる教育内容 として どの ような もの を用意 した らよいか

な どについては,改 めて確 認 してお くことが望 ま しい。

この ような教育界 の動向か ら本研究 にリンクす る もの も多分 にある と考 え られるが, この ことにつ いては,小学部の研究では十分 に取 り扱 うことがで きていない。 しか し,小学部が厳選 した中核 的な 内容 を眺めてみる と,関連す る内容が浮かび上が って きたことも事実で,少 な くとも,本研究 は,上 記の ような教育界の動向か らみた中核 的内容 を検討す る際の足がか りにはなる ものである と考 える

( 西 岡哲男)

2

日的

小学部 中学部高等部一貫 したアセスメン ト機能 をもった内容表試案 を作成す るため に,中核 的な教 育内容 について,発達的な視点か ら検討 し,明 らか にす る

また,中核 的な教育内容相互の関係 ( 脂 序性) を明 らかにす る

( 西 岡哲男)

1 「は じめに(3)現行の教育課程の連用状況 ①領域別教育内容表 と指導内容」参照。

‑ 39‑

(10)

一1

教育課程の構造

(11)

3

研究の方法

( 1 ) 全体研究手続 きにおける小学部研究の位置づけについて

p.

5‑6 に示 した全体研究の手続 きに従 って小学部研究 を進めた。具体的には,全体研究計画の手 続 きに示 した 「 各部において中核的な内容の厳選の手立ての検討 ・決定 と内容の厳選」,「 各部等で修 正 ・調整」,「 学部による内容表試案の検討

を小学部の立場から検討 した。

( 2 ) 小学部研究の手続きについて 小学部の研究手続 きを以下に示す。

小学部における中核的な教育内容の厳選

リーごとに分類 ( 仮の小項 目を作 る)

̲ 二

② 厳選の視点 による教育 内容 の厳選

「 不易の視点」 に基づ く厳選

「 発達的な視点 」

÷

に基づ く厳選

‥ 二

小学部における中核的な教育内容の決定

小 . 中. 高の一貫した内容表試案への位置づけ

③ 縦割 り研究会 における中核 的な教育 内容の調整

廿 凸

廿

( 彰 小学部の立場 か らの内容表試案の検討

小 .中 .高一貫 した内容表試案の完成 小 .中 .高一貫 した内容表試案の完成

‑2

小学部研究の手続 き

‑41‑

(12)

( 3)

具体的 な手続 きについて

以下 の番号 は(2)の小学部研 究の手続 きの番号 と対応 してい る。

① 小学部の教育内容 の中核探 し

小学部では,教育内容 を厳選す るにあた り,各指導形態 における全 ての指導 内容 を教育内容 に変換 させ た。その中で も 「絶対 にはずせ ない」 と考 える もの を,「中核 的 な教育内容 (仮)とした。

厳選の視点 による教育 内容の厳選 ア 「不易の視点に基づ く厳選

「不易 の視 点」 は,小学部 の子 ども一人 ひ と りについて,「どの ような子 どもに育 てたいかについ て フ リー トーキ ングを行 い,その結果 について KJ法 を用 いて整理 し,「小学部で育 てたい子 ども像」

を階層 的 に構造化 した ものである 「不易 の視 点に 「中核 的 な教育内容 (仮)を当てはめてい くこ とで厳選 を試 みた。

イ 「発達的 な視点」 に基 づ く厳 選

発達検査 や発達 にかかわる文献 な どか ら通常 の発達 を参考 に して,発達 のステージを明 らか に した

また,ステージにおける内容 の特徴 とそれ らの順序性 を明 らか に した そ して,各発達ステージにお ける内容 の特徴 をもっ ともよ く表す教育 内容 を選択す ることで,小学部 における中核 的 な教育内容 を 決定 した。

③ 縦割 り研 究会 における中核的 な教育 内容 の調整

縦割 り研 究会 の四つの グループ (「情報処理 ・知 的内容 グルー プ」,「日常生活 グループ」,「仕事 グ ループ」,「身体 ・情操 グループ」)に小学部 の教 官がそれぞれ入 り,教 育 内容 を検討 す る中で小学部 の立場 か ら意見 を述べ,中学部 ・高等部 との調整 を図 った。

④ 小学部の立場 か らの内容表試案の検討

縦割 り研 究会 において出 された意見 を小学部 に持 ち帰 り,再度小学部の 中核 的な教 育内容 の修正 ・ 段 階の調整 な どを行 った。 なお,③ と④ を交互 に行 うことで,縦割 り研 究会 の意見 を取 り入 れなが ら, 小学部の立場 か ら中核 的 な教育内容 を見直 した。

(青木真理)

4 結果 と考察

(1)内容厳選の基本的 な考 え方

① 小学部 における 「中核的 な内容」 とは

小学部 の現行 の教育課程 は,「領域 別教 育 内容表が大 きな基盤 にあ り, これが指導 内容 の基礎 に なっている 各指導形態 の単元の 目標 を達成 させ るため に, この 「領域別教 育内容表か ら必要 な内 容 を選択 し,指導形態 における単元 の なかで うま く指導 で きる ように, よ り実際的 な形 にかえた もの が 「指導 内容」 であ る。例 えば,教育内容がその まま指導 内容 の形 を取 っていた り,教育内容 と同 じ 意味 を示 しなが らも,指導形態や 目標 に沿 った表現 に変換 されていた り,二つの教育 内容が合 わせ ら れて一つの指導 内容 に変換 されていた りす る この ように,小学部 においては,指導 内容 はあ くまで 指導形態 に限定 された ものであ り, この指導 内容 の厳 選 を行 って も,「指導形態 に とらわれ ない内容 の厳選●●●●にはな らない。つ ま り,小学部 にお け る 「中核 的 な内容 を厳選す るこ ととは,「中核 的 な 教育 内容 を厳選す る」 ことを指す。

‑42‑

(13)

② 厳選の視点による教育内容の厳選

小学部では,図

‑3

に示す手順で中核 的な教育内容 を明 らかに していった。

中核的な教育内容 ( 仮)を明 らかに し, カテゴリーごとに分類 ( 仮の小項 目を作 る)

く コ‑

l イ 厳選の視点による教育内容の厳選 1

<不易の視点 による教育内容の厳選 >

王 ユ

<発達的 な視点 による教育内容の厳選 >

中核的な教育内容の決定 ∴

‑3

小学部 における中核的な教育内容 を探 る手順 ア 中核的な教育内容 ( 仮)を明 らかにする

現行の指導形態で取 り扱 っている指導内容 は全て 「 領域別教育内容表 」 の中にある教育内容 に位置 づけられるとい う考 えに立ち,各指導形態 における指導内容 を 「 領域別教育内容表」の教育内容 に変 換 し,それ らの教育内容の重みづけを行 ってい くことに した。その中で も絶対 にはずせ ない と考 えら れるものを 「中核的な教育内容 ( 仮) 」 とすることに した。 この 「中核的な教育内容 ( 仮) 」 を 「 厳選 の視点

によって, さらに厳選 してい くことに した。

厳選の視点による教育内容の厳選

「中核的な教育内容 ( 仮

)

を厳選 してい くうえで,小学部では 「 育てたい子 ども像

がそれに深 く 関係 しているととらえ,教育内容 を厳選するための視点の一つ と考えた。

また,小学部段階では人間の発達の基礎 をつ くるとい う考 え方の もと,そのために不可欠な 「 発達 的な視点

に着 目す ることにより,教育内容 を厳選 してい くことに した。実際の教育内容の厳選 にお いては, この二つの厳選の視点の フィルターに通 した教育内容 を,最終的な 「中核 的な教育内容」 と 考えるように した。

a

不易の視点

(

「 小学部で育てたい子 ども像 」 ) による教育内容の厳選

(a)

「 小学部で育てたい子 ども像」 を不易の視点 とした理由

「中核的な教育内容 ( 仮

)

を導 き出すために, まず,教育内容の重みづけを行 った。その際, 暗黙の うちに 「こんなふ うになってほ しい

「〜ような力 を育みたい

な どの ように基準 に して いるものがあ り,それが重みづけの根拠 になっていたことがわかった。 しか し,その基準 はあ く

まで教師の経験か らの判断基準であ り,教師間で微妙 なズ レがあった。 このズ レを調整 した もの が今 回明 らかに した 「 小学部で育てたい子 ども像」である

この 「 小学部で育てたい子 ども像」

を明 らかにするにあたっては,現在,小学部 に在籍 している

18

名の児童一人 ひとりについて今の 姿 を客観的にとらえ,一人ひとりの よさを伸 ばす とい う考 え方 に立って 「どう育ててい くとよい か」 をフリー トーキング して,その結果 を

K

J法 を用いてまとめた ( 図‑

4,p.45‑46)

さて,小学部では, この子 ども像 を 「 不易の視点

とした。その理由を次の ように考 える

小学部では,現行の教育課程の編成時か ら大切 に して きた子 ども像がある。それは①現在の課

‑ 43‑

(14)

題 に向かって精一杯努力 し,解決 しようとする子 どもであ り,②将来 に向かって よりよく生 きて い くために,今,必要 な力 を身につけようとする子 どもであ り,③全人的発達 をす る子 どもであ る。小学部ではこれ らを 「 生 きる力 をもった子 ども」 ととらえている

この子 ども像 は,本校 の 学校教育 目標 か ら導 き出 した,いわゆる トップダウン的な子 ども像である。この「 生 きる力 をもっ た子 ども」 と今 回明 らかに した 「 小学部で育てたい子 ども」が どうい う関係 にあるのかを照 らし 合わせてみた結果,両者の子 ども像 は合致することがわかった。

合致 した とい うことは,すなわち,今 回明 らかに した 「 小学部で育てたい子 ども像」が,表現 こそ違 うが,現行の教育課程編成時以来大切 に していた姿であった とい うことになる

この 「 小 学部で育てたい子 ども像」 を明 らかに したことで,小学部教育で これ まで大切 に して きた, また,

これか らも大切 に したい不易の考 え方が明確 になった といえる。

以上のことか ら小学部では,「 育てたい子 ども像」 を教育内容 を厳選す るための不易 の視点 と して考 えた。

(b)

不易の視点によ り,教育内容の厳選 を行 った結果の考察

指導内容 を教育内容 に変換 し,重みづ け を した結果導 き出 された 「中核 的な教育内容 ( 仮

)

を,「 小学部で育てたい子 ども像 」 とい うフィル ターにかけることによって,教育内容の厳選 を 試みた。

この厳選 においては,次の二つのことが明 らかになった。

第一 には,「中核 的な教育内容 ( 仮

)」

を明 らかに した時点で,すでに不要 な内容 はふるい落 と されていたことが,不易の視点 による厳選 を通 してわかった とい うことである。 これは 「中核 的 な教育内容 ( 仮

)」

の中に,中核 的な教育内容 に値するものが きちん とあることを示 しお り,「中 核的な教育内容 ( 仮

)」

か ら, より中核 的な教育内容 を探 ってい く必要性が示 された といえる。

第二 に,「 小学部で育てたい子 ども像

が明 らかになったことで,厳選 され る教育内容の幅だ けでな く,範囲 ( ス コープ)も規定 された と考 えて よいだろう。図

‑4

か らも分かるように, 「 小 学部で育てたい子 ども像」 は三つの軸で階層的に構造化 されているが,それぞれの階層 における 子 どもの姿 こそが,厳選 される教育内容の範囲 とい うことになる。 これは,内容表試案 に,厳選

された中核 的な教育内容 を位置づけるときに大 きな役割 を果た した。

一方,「 不易の視点による厳選」の課題 として,他部の 「 育てたい子 ども像 ( 生徒像

)」

との関 係 を明確 にす ることがあげ られる。小学部では,「 育てたい子 ども像」 を明 らか にす るうえで, 中学部 ・高等部での発達 ・成長 を見越 した もの ともなるように検討 を行 った

中学部 と高等部 も それぞれで 「 育てたい生徒像

をもとに指導内容 ( 小学部でい う教育内容 にあたるもの)の厳選 を行 っているが,「 育てたい生徒像

は,まだ各部の独 自性が色濃い といえる。今後,全校 的な 視野 に立ち,小 中高の子 ども像 ( 生徒像)の関係 を明 らか に してい くことで, より一貫 した内容 表 になってい くもの と考 える

‑ 44‑

(15)

生きる力をもった子ども (不易の視点)

○現在の課悪 に向かって精一杯努力 し,解決 しようとす る子 ども

○将来 に向かって よりよ く生 きてい くため に,今,必要 な力 を身につけようとす る子 ども

○全人的発達 をす る子 ども

※下図の 「フリー トーキ ング&XJ法 による小学部が大切 に している子 ども像」 は,上記 の 「不易の視点」 との合致す る ものである と考 えられる. (ローマ字は,階層 を表す)

自分で考 えて動 く子 ども (自分 な りに考 え自分から行動 しよう とす る子 ども)

個性 を発揮 しようとす る子 ども (のびのび と自分 らしさを発揮 す る子 ども)

自分の力を発揮 しようとす る子 ども (今何 をすべ きか理解 して 頑張 る子 ども)

課題 (興味あるもの) に確 り組 .む子 ども

感情豊 かな子 ども

自分の ことは自分です る子 ども (けじめのある子 ども)

知識や技能を身 につけようとす る子ど も

課題 を理 解 しよ うとす る子 ども (期待感や関心 ,意欲 をもって取 り組 もうとする子 ども)

や ってみようと (挑戦)す る子ど ち (精一杯やってみようとす る子 ども,今何 をすべ きか理解 して頑 張 る子 ども)

課唐 を意識 して粘 り強 く取 り組む 子 ども

自分な りの発想 を して楽 しもうと す る子 ども

自分 を

振 り

返 る子ども (自分の軽 族や反省を生か して取 り組 もうと

充 実感 ・満足感 を味 わ う子 ど も (満足感 ・達成感 を実感す る子 ど ち)

辺生に必要な知識・技能 (

動能力)を身につ けようとす る子 ども

よく見 よう,よく聞 こうとす る 子 ども (注 目する子 ども,目を 輝かせ る子 ども,若 をじっ と聞 く子 ど も,身 を乗 り出す子 ど ち)

(集 中 して取 り組 もうとす る子 ど も ,自分 か ら取 り組 む子 ど ち) ,好 きなことに没頭す る子 ども

我憤 (待つ)ので きる子 ども, 最後 まで諦めない子 ども (最後

までやめないでする子 ども) , 失 敗 して も く じけ な い子 ど も (失敗 しても繰 り返 しする子 ど も)

自分の好 きなこと (遊び) をす る (ある)子 ども

自分の したことに気づ く子 ど も (失敗 を繰 り返 さない子ども)

で きるようになったこと」 や 自分の成長 を嬉 しい と感 じる子 ども (楽 しい こと ・で きた こ と を言葉 にす る子 ども,笑顔 を見 せ る子 ども、共感 を求める子 ど ち,自信 をもった仕事 をす る子 ども,ガ ッツポーズ をする子 ど ち,賞賛 を求める子 ども,繰 り 返 し取 り組 もうとす る子 ども)

に気つ けうとする子

健康につ け よ う と す る

(16)

4546

‑4 小学部で育てたい子 ども像

(17)

b 発達的な視点による教育内容の厳選

(a)

発達的な視点 を厳選の視点 とした理由

不易の視点による内容の厳選では,「中核的な教育内容 ( 仮) 」 はすでに不要 な内容がふるい落 とされた ものであ り,そのなかか ら,より中核的な教育内容 を厳選 していけばよい とい うことが 確認 された。そ こで,小学部では次の段階 として,発達的な視点 を厳選の視点 として厳選 を進め てい くことに した。

発達的な視点 を厳選の視点 とした理由を次の ように考えた

小学部には,未分化 な発達の状態である子 どもたちの発達 を促すために,子 どもが乗 り越 えら れる適切 な発達課題 を捷供 しようとい う考 え方がある

この考 え方が,小学部教育の根幹 になる

「 意欲づ くり

をより確 かなものに している。すなわち,子 ども一人ひとりに応 じた適切 な発達 課題 を探 るためには,発達的な特徴 をお さえて, どのような内容が必要かを検討することが大切

になるとい うことである。

また,人間の発達は,で きることの積み重ねだけでな く,その時期 ごとに質その ものが変わっ てい く道筋で もある と考えられる

これを発達の質的変化,質的転換 と呼ぶ ことがある

この発 達の質的変化の特徴 をおさえることで, よ り中核的な内容 も見えて くると考 えた。

(b)

内容表の段階の とらえについて

研究紀要第

5

集 においては,教育内容 を選定する際に小学部の子 どもの発達や特性 などの実態 を考慮 し,

1

歳前後か ら

6

歳 までの発達段階を想定 して内容 を取 りあげている

今回の研究 にお いて も,小学部では,基本的に子 どもの発達の積み重ねであるボ トムア ップの考 え方か ら内容の 順序性 を探 ってい くことにかわ りはない。そこで,本研究 において も,小学部で取 り扱 う内容 に ついては,お よそ 1段階

(0

歳台)か ら

6

段階 (

5・6

歳台) までに位置づけられると考えた。

(C)

発達的な視点による教育内容の厳選

○ 発達のステージを探 る

小学部では,「 中核 的な教育内容 ( 仮

)

を厳選 してい くうえで,まず 「 発達のステージ」 を 探 る作業 を行 った

「 発達のステージ」 とは,中項 目ごと (もしくは小項 目ごと) に発達的な 質的特徴 を明 らかに して,その質的な違いを大 きく区分 した ものである

項 目ごとの発達的な 質的特徴 を明 らかにするためには,当然のことではあるが,通常の発達の有 り様 をベースに し ている

しか し,通常の発達段階 をその まま本校の子 どもたちに当てはめて教育内容 を段階づ けることには,無理があると思われた。そのため,通常の発達の過程 は,発達のステージや教 育内容の順序性 を明 らかにするために参照するとい うかたちをとった。

発達のステージにおける内容の特徴 を探る

通常の発達 を生か しなが ら 「 発達のステージ

を探 り,発達の質的特徴 を明 らかに した。教 育内容の厳選 とい う意味では, この投階では, まだ,「中核的な教育内容 ( 仮

)」

が,発達のス テージのいずれかに振 り分 けられることが明 らかになっただけである

そこで,これ らの発達 のステージを代表する教育内容 を探 ることが,中核的な教育内容 を厳選 してい くことにつなが ると考え,各発達のステージに振 り分け られた 「中核的な教育内容 ( 仮

)」

を概観 してみた。

その結果,各発達のステージのなかで,さらに,い くつかの特徴 に「中核 的な教育内容 ( 仮) 」 が分類 されることがわかった。 また, これ らの特徴 をもった 「中核的な教育内容 ( 仮) 」の ま とま りが,発達的な順序性 において整理で きないか を検討 してみた。具体的には,再度,通常 の発達や本校の子 どもたちの発達 と照 らし合 わせてみた り,指導者 としての経験知 を加味 した りしなが ら,それぞれの特徴 同士の関連性 を明 らかに していったとい うことになる

この よう な作業 を行 うことで,発達のステージにおける内容の特徴 とその順序性が明 らかになった。

‑47‑

(18)

中核的な教育内容の厳選

発達のステージごとの内容の特徴お よびその順序性が明 らかになったことか ら,ステージご との特徴 を内容表試案の各段 階 と関連づ けて配列 し,各段 階の 「中核 的な教育内容 ( 仮)

」か

ら中核 的な教育内容 を厳選することに した。 この とき,中核的な教育内容 は,各段階の特徴 を もっともよ く表す ものを選択 した。 この ように厳選 した内容 を,発達的な視点か ら検討 した中 核的な教育内容 として,内容表試案の中に盛 り込むことに した。

(d)

教育内容の レベル と段階 との関係

先 にも述べ た とお り,小学部では中核 的な教育内容 を探 るうえで,通常の発達 を基盤 に考 えて いる。 しか し,通常の発達では 「 〇 〇歳で〜がで きるようになる」か らといって,私たちはそれ に関連 した教育内容 を同 じ年齢段階に位置づけるとい うことは していない。小学部では,通常の 発達 を目安 に しなが ら発達のステージを明 らかに し,そのステージごとの特徴お よび順序性 を明 らかに していった。 さらに,各段階の特徴 ごとに厳選 された中核的な教育内容 は,内容表試案 に 関連づけて配列 したが,その教育内容が何段階か とい うことはあ ま り問題ではな く,む しろ,中 核 的な教育内容が示す,発達的な順序性が大切であると考 えた。 したがって,内容表試案の同 じ 段階同士の教育内容 を照 らし合 わせてみる と,教育内容の レベルが一貫 していなかった り,通常 の発達年齢 とは明 らかにズ レがあった りする

しか し,その ような内容表ではあるが,それぞれ の小項 目ごとではあって も,その順序性がはっきりした ものであれば,子 どもたちの育ちを見据 えた 「 旬」の発達課題 を与 えることは可能であると考 える。

(e)

教育内容の範囲について

教育内容の範囲 ( ス コープ)は,中核的な教育内容のまとま りを項 目とい うかたちで表 してお り,その範囲は小項 目の数 とい うことになる

例 えば,中項 目「 話す」の小項 目は 「 話 し方」, 「内 容の伝達」,「自己紹介」,「 台詞」の四つである

しか し,「 話す

の範囲が この四つの小項 目だ けであることには,一見,疑問が生 じるか もしれない。 ところが,小項 目は,実際 に指導 してい る指導内容か ら中核 的な内容 を探 った結果導 き出された ものであ り,小項 目によって示 される範 囲は,現時点 においては, どの子 どもにも, もっとも必要 な教育内容の範囲である と考 えている

(f)

発達的な視点 から教育内容の厳選 を行 った結果からの考察

現行の教育課程の基盤 ともい うべ き 「 発達」 とい う視点で教育内容の厳選 を試みた結果 として, 次の ような成果があげ られた。

小学部の時期 は発達的な視点か らの課題設定が必要だが,発達のステージとい う考 え方 をベー スに検言 寸した結果,中核的な教育内容が厳選 されたことがあげ られる。本研究の 目的は,子 ども の今の状態 を正 しくとらえ,適切 な発達課題 を設定することにつながるようなアセスメン ト機能 をもった内容表試案の作成であった。小学部では,一つひとつの中項 日ごと (もしくは小項 目ご と) において発達のステージを明 らかに して,その発達のステージごとの特徴お よび順序性 をと らえていった。発達のステージ とい う考 え方 をベースに中核 的な教育内容が厳選 された とい うこ とは,発達が大 きく変化する時期 ,つ ま り発達の質的転換期 を大切 に して,子 どもの発達課題 を 提供することが これ まで以上 に可能 になった とい うことになる。

り 生活地図の視点 から

今 回の内容表試案 には 「 サークル的な活動への参加

買い物

公共の交通機関や施設の利用

な どの教育内容が含 まれているが,これは小学部の子 どもたちに対 して実施 した 「 生活地図」 の調査 の 結果 と関連 してお り,それ らの教育内容が小学部の子 どもたちの生活 とい う視点か らも明 らかに中核 であるとい うことがいえる

また, この調査の結果か ら 「 子 どもに必要 な社会的な経験 をどの ようにとらえ,具体的にどう経験

‑48

図 一1 教育課程の構造

参照

Outline

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