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Pentobarbital の身体依存

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Pentobarbital の身体依存

著者 鈴木 勉

雑誌名 星薬科大学紀要

26

ページ 35‑41

発行年 1984

URL http://id.nii.ac.jp/1240/00000055/

(2)

Proc. Hoshi Pharm. No.26,1984

Pentobarbitalの身体依存

鈴 木

星薬科大学・薬理学教室

Physical I)ependence on Pentobarbita1

TsuToMu SuzuKI

Dθ勿γ物θ嬬〔ゾP加γ〃2αoolo8y,刀6s万砺⑫〃∫鋤

はじめに

 近年,わが国においても抗不安薬,鎮静催眠薬 の使用が激増し,医療外使用から薬物依存の問題 がクローズアップされてきている.1)したがっ て,薬物依存の研究も従来のモルヒネ(morphine)

に代表される鎮痛薬,あるいはコデイン(codeine)

をはじめとした鎮咳薬に加えて,パルビツレート

アルコール(barbiturate−alcohol)型薬物の依存 性の研究が重要となってきている.さらに,今後

も中枢神経系に主作用あるいは副作用をもつ新し い薬物についてはそのほとんどが有害反応として 薬物依存の検討が必要となっている.2)

 バルビツレート型薬物の身体依存の研究には,

イヌ,サルが多く用いられ,長時間作用型のバル ビタール(barbita1)を用いた報告が多い.3・4)した がって,研究の内容も行動異常,脳波の面からの 検討が多い.モルヒネ型の依存形成薬では,比較 的早くから小動物での身体依存モデルが作成され ていたため5・6・7・8・9)行動薬理学的検討のみならず 生理・生化学的面から細胞レベルの機構解明にま で進む原動力となっている.そこで,小動物での バルビッレート型薬物の依存モデルの確立は大き な問題であり,薬物依存研究者にかせられた課題 でもある.したがって,バルビツレート型薬物依 存,特にペントバルビタール(pentobarbital)依

存モデル獲得法の現状について述べる.

動物種と退薬症候

 バルビッレート依存はヒトのみでなく,種々の 動物種で形成できることが報告されている.バル ビツレートは作用時間の長さから,次の4型に分 類されている.フエノバルビタール(phenobar−

bital),バルビタールで代表される長時間作用型,

アモ・ミルビタール(amobarbital)の中等度作用型,

ペソト・ミルビタール,セコバルビタール(secobar−

bital)で代表される短時間作用型,ヘキソバルビ タール(hexobarbital),チオペンタール(thiopel1−

tal)の超短時間作用型である.ヒトではセコバル ビタール,ペントバルビタール,アモバルビター ルなどにより強い身体依存を生ずることが知られ ている.1°)そこで,動物種と退薬症候についてペ ントバルビタールを中心に述べる.

 1) ヒト

 Fraserら1°・11)は,セコバルビタールあるいは ペントバルビタールを32日から144日間にわたり 服用後,休薬することにより痙攣や譜妄などの退 薬症候が観察されたことを報告している.

 2) サル

 YanagitaとTakahashi4)はペントパルビター ルの静脈内自己投与法で著明な耐性と身体依存の 形成を証明した.さらに,退薬症候として軽度

本研究の一部は昭和58年度星薬科大学大谷研究助成の対象となったものである(紀要委員会)

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Pmc. HoShi Phatm. No.26,1984

(過敏表情,被刺激性充進,弱い振戦,食欲不振,

立毛)から中等度(強い振戦,固縮,運動失調,

悪心,嘔吐,体重減少)の症状が観察されること を報告した.また,YanagitaとTakahashi12)は バルビタール75mg/kgを1日1回,その後2回 経口投与し,3力日以内にサルに身体依存を形成

させ,バルビタール依存サルで休薬を行い,中等 度の退薬症候が出現した時点で,数種薬物を投与

し退薬症候の抑制効果を評価した.ペソトパルビ タール,アルコール(alcohol), メプロバメート

(meprobamate),ジァゼパム(diazepam),クロル ジアゼポキシド(Chlordiazepoxide),ナキサゼパ ム(oxazepam)などがバルビタールの退薬症候を 抑制することを証明した、

 3) イヌ

 パルビツレートの身体依存を獲得する動物種と してイヌが最も適していることがWHOの報告

書13)でも述べられている.Seeversら3), Deneau らM)はバルビタールを反復経口投与し,その後バ ルビタールを休薬することにより休重減少,痙 攣,幻覚様行動,体温上昇などの退薬症候が観察

されることを報告した.一方,Jonesら15)は外頸 静脈に慢性カニューレを留置したイヌにペントバ ルピタール200mg/kg/dayの用量で静脈内投与 を続けることで,身体依存形成を証明した.ま た,静脈内投与以外でもセコバルビタール(seco−

barbital),アモバルビタール(amobarbital),ペ ソトパルビタールの長期間連続経口投与により,

休薬時に振戦,体重減少,讃妄などの退薬症候が 現われることが報告されている.16)

 4) ネコ

 JaffeとSharpless17)は1日3〜4回,ペント パルビタールの静脈内投与を続け,休薬時のペソ チレンテトラゾール(pentylenetetrazo1)の痙攣 閾値低下と自発痙攣より退薬症候を評価し,身 体依存の形成を証明した.また,Rosenberg と Okamoto18)は,胃内留置カニコーレを介してペ ントバルビタールを投与することにより身体依存 の形成を証明した.

 5) ラット

 バルビタールについてはCrosslandとLeonard19)

が飲料水にバルビタール・ナトリウムを溶解し,

濃度を漸増する方法で初めて,バルビタール依存 ラットを獲得した.一方,著者らは薬物混入飼料 法9・2°)を開発し,モルヒネ(morphine)型依存形 成薬物をはじめ,バルビツレート型依存形成薬物 の依存ラヅトを獲得できることを報告した.21・22 23)

バルビッレートの退薬症候としては表1に示した ように体重減少,自発的な痙攣などが観察され た.これらの報告はすべてバルビタールおよびフ

ェノバルビタール(phenobarbital)などの長時間 作用型であり,短時間作用型のペントバルビター ルなどの依存形成に関する報告は最近までまった

く見られなかった.

 6) マウス

バルビタールについては,WatersとOkamoto24)

が慢性投与により依存状態とし,ペンチレンテト ラゾールによる痙攣閾値の低下を指標として依存 の強さを評価した.一方,金戸ら25)もバルビター ルを慢性投与し,自然休薬により跳躍(jumping)

表1バルビツレートのラットにおける退薬症候 Mild

Anorexia,

weight loss(5−10%)

Moderate 1・・v・・e Hyperpnea, aggressiveness, vocal−

ization on touching, hyperirritabi−

1ity, mild tremors, rearing, ear・

twitching, muscle rigidity, impaired motor acti▽ity, ataxia, weight loss

(10−15gち)

Aggravated tremors(including head tremors), hyperthermia(1.5−2.0°),

fascicular twitching(nuchal twitch.

ing), convulsions(clonic・tonic, grand mal type convulsions), weakness,

death, weight loss(15−20%)

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Proc. Hoshi Pharm. No.26,1銘4

などの退薬症候を評点化して評価した.さらに,フ ェノバルビタールについても,薬物を飲料水に溶 解して処置し,休薬12時間後にフルロチル(丘uro・

thyl)痙攣に対する感受性の測定によって身体依 存の形成が証明されている.26)著者らはバルピタ

ルおよびフェノバルビタールを薬物混入飼料法 に従って処置し,その後の自然休薬により退薬症 候を観察し,身体依存の形成を証明した.しか し,ペントバルビタールなどの短時間作用型薬物 に関しては,Hoら27・28)が75 mgのペントパルピ タール含有ペレット(pellet)をマウスの背部皮下 に埋め込む方法で容易に耐性を獲得することがで き,さらに,ペレットの徐去後ペンチレンテトラ ゾール誘発痙攣の反応閾値の低下が見られたこと より,このモデルがペントバルビタールの耐性あ るいは身体依存モデルとして有用であることを報 告している.

 以上,述べてきたように,バルビツレートの長 時間作用型薬物の身体依存はヒト,サル,イヌ,

ネコ,ラット,マウスなどで証明されているが,

短時間作用型薬物ではヒト,サル,イヌおよびネ コなどで身体依存の形成が証明されているのみ で,ラヅトやマウスでは明らかな身体依存の形成 は最近まで証明されていなかつた,

薬物の適用方法

 薬物依存動物を獲得するために古くから広く用 いられている適用方法は注射による方法である.

しかし,薬物依存動物を獲得するための要因とし て薬物の適用量,適用頻度,適用期間が上げら れ,この中でも薬物の適用頻度が最も重要である

ことがモルヒネ型依存形成薬物で指摘されてい る.さらに,注射法では1日数回の注射を長期間 にわたって行わなければならない,そこで,薬物 依存動物を獲得するための種々の適用方法が小動 物で開発された.すなわち,動物が薬物に対して 常に暴露されるような状態を作りだそうというこ とで,薬物のペレヅトを作成し皮下に植え込む方 法,7)薬物の徐放製剤を作成し皮下に注入する方

法,29)カニューレを外頸静脈より心臓まで慢性的 に植え込み薬物を間欠的3°β1)あるいは持続的8)に 注入する方法,薬物を飲料水に溶解して適用する 方法32)あるいは薬物を飼料に混入して適用する方 法9β3・34・35)などが次々に開発された.しかし,こ れらの方法はモルヒネ型依存形成薬物を中心にし て行われているので,以下にバルビッレート型依 存形成薬物の適用方法について述べる.

 1)注射法

 サル,4)イヌ,15)ネコ18)などの大動物では静脈注 射でバルビッレートの依存動物を獲得している が,ラットやマウスの小動物では身体依存を獲得 することは不可能であるとされていた.

 2)経口法

 CrosslandとLeonardl9)がパルビタールを飲料 水に溶解して適用後,自然休薬により痙攣,体重 減少などの退薬症候が観察されることを報告し た.さらに,Essig36)もバルビタール溶液を飲料 水として適用し,自然休薬により同様の退薬症候 を観察した.一方,著者らは薬物混入飼料法を用 いて,ノミルビタールあるいはフェノバルビタール を処置して,自然休薬による痙攣,体重減少な どの退薬症候を観察し報告した.21)さらに,最近 Martinら37)は著者らが開発した薬物混入飼料法 を用いて,これまで小動物で証明されていなかっ たペントバルビタールの身体依存を証明した.そ の後,著者らもペントバルビタールの身体依存を さらに詳細に検討し,雌雄ラットの身体依存獲得 のためのスケジュールを明確にした.38)退薬症候 としてバルビツレート型依存形成薬物に特長的な 痙攣を観察することがでさた.

 3)ペレット法

 前述のように,Hoら27・28)がペントパルビター ルの75mgのペレットを作成し,マウスの脊部 皮下に植え込み,明確な耐性の獲得を証明した.

さらに,ペンチレンテトラゾールによる痙攣閾値 を測定し,ペントバルビタールのペレット徐去に より痙攣閾値が低下することから,これがペント パルビタールの耐性あるいは依存性のモデルとし

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て使用できることを報告した.

 4)注入(infusion)法

 加藤ら38)はペントバルビタールの持続注入をラ ットで行い,休薬により身振い,落ち着きのな さ,挙尾などの非常に弱い退薬症候が観察される ことを報告した.さらに,柳田らゆはペントバル ビタールの頻回注入を行い,休薬により著明な退 薬症候は観察されなかったことをラットで報告し ている.したがって,本法でバルビツレートの特 長的な退薬症候である痙攣を証明した報告はな

い.

バルビツレートの代謝

 バルビツレートの吸収は胃,小腸,直腸および 皮下,筋肉から容易に行なわれ,脳,腎臓,肝臓 に比較的多く分布し,また脳の各部における分布 はほとんど一様であることが知られている.血中 では血漿タンパクと結合するが,その程度は化合 物によって異なり,血漿と脳組織との間で濃度が 平衡に達する時間も化合物によって異なる.これ は各化合物の作用発現の速さに関係すると考えら れる.バルビツレートは主として肝臓において変 化を受けるが,バルビッール酸骨格が破壊される ことは少なく,主として側鎖の酸化,N一アルキル 基の離脱によって不活化され,遊離の形またはグ ルクロン酸と抱合して腎臓より排泄される.

 バルピッレートの作用の持続性を左右する要因 は,化合物によってかなり異なり,次のように分

けられる.

(1)主として腎臓よりの排泄の速度によるもの…

 …バルビタール,フエノバルビタール.

(2)肝臓における代謝と腎臓よりの排泄によるも  の……アロバルビタール(allobarbita1),アプロ

!ミルビターノレ (aprobarbita1).

(3)主として肝臓における代謝によるもの……ア  モバルビタール(amobarbital),ペントバルビ

タール.

(4)脂肪組織への貯蔵とその後の代謝排泄による  もの……ヘキソバルビタール(hexobarbital),

 チオペンタール(thiopelltal).

バルビッレートの中枢抑制作用の強さは依存形成 能と密接に関連しており,上述のように代謝およ び排泄速度は耐性獲得,身体依存形成に大きな要

因となる.

 ラヅトにおけるペントバルビタールの代謝は,

Buttarら41)によって次のように報告されている.

1℃一ペントバルビタールをラヅトに静脈注射し,

胆汁と尿中に4種類の代謝物を見い出し,この中 の1種類はペントバルビタール・アルコールであ ることを証明できたが,残りについては不明であ った.しかし,ラットでの投与6時間後の尿中お よび胆汁中の末変化体は各々投与量の約0.6%に 過ぎず,大部分が代謝されることを示し,また投 与量の1〜2%以下がグルクロナイド(glucro−

nide)として尿あるいは胆汁に排泄されると報告 されている.バルビツレートの代謝部位として肝 臓は重要な役割をはたし,酵素活性があることが 知られている.ヘキソバルビタールを例にとり,

動物種間で酵素活性とヘキソバルビタール血中濃 度半減期の間に,ほぼ逆比例の関係が認められ,

ラットやマウスのような小動物になる程酵素活性 が高いことを示した.また,ラットでは他の動物 に比較し,雄の酵素活性が雌に比べて非常に高 く,性差が見られた.さらに,酵素活性には日内 変動があり夜間高く,昼間低いことも知られてい

る.

新たな身体依存形成法

 ペントバルビタールの身体依存はサル,イヌ,

ネコなどの大動物では証明されていたが,ラット やマウスなどの小動物では証明されていなかっ た.この原因を考察してみると次のようになる.

(1)ペント・ミルビタールの用量:鎮静・催眠用量を できるだけ長く維持することが必要である.②ペ ントパルビタールの適用頻度:摂餌や飲水をさま たげない程度にできるだけ頻回に投与する必要が ある.(3)ペントバルビタールの適用期間:モルヒ ネ型依存形成薬はごく短時間(数日)の適用で依

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存が形成されるのに対して,バルビツレートは長 期間(数週間)の適用が必要である.

 そこで,著者らはこれらの要因を満足するよう な新たな身体依存形成法の開発に着手した.ま ず,原理としてKoga3°)や鈴木ら3Dがモルヒネ型 依存形成薬の評価法として用いている間欠注入法 を用いることにした.しかし,本法ですでにペン トバルビタールの依存を検討した柳田ら4°)は明確 なペントバルビタールの依存は証明できなかった ことを報告している.また,加藤ら39)は持続注入 法で同様の検討を行い,保温をほどこさないと死 亡例が出現し,保温を行って処置を維持したラヅ トでも退薬症候として痙攣は観察することができ なかった.さらに,バルビツレートの代謝(薬物 代謝酵素活性)には日内変動があること,またバ ルビッレートは薬物代謝酵素を誘導することなど

も知られている.

 これらのことより,著者らは薬物の効果を指標 として薬物を注入することにした.その装置を図 1に示した.この装置の特長はシーベルの下に取 り付けたマイクロスイッチにより,動物の運動量 を測定し,この運動量をコンピューターに入力し て,コンピューターが薬物注入ポンプの作動を制 御する点である.このようにすることにより,動 物は薬物(ペントバルピタール)が注入されると,

運動量が著明に抑制され,この抑制期間は薬物が

注入されない.動物の運動量が設定された値に到 達すると再び薬物が注入され,同様のことが繰り 返される.したがって,これまで報告されている ような過用量による死亡,薬物代謝酵素活性の日 内変動,耐性獲得による用量増加などの問題点が すべて解消されたことになる.

 それでは,本法によるペントバルビタールの身 体依存形成について述べる.まず,Weeks42)の方 法に従いラットの外頸静脈から心臓までカニュー レを慢性的に植え込み図1のように設置する.ベ ントバルビタールの単位用量,すなわち1回注入 量は20mg/kgとし,マイクロスウィッチのカウ ント数,すなわち動物の運動量は30〜40カウント に設定した.動物は図2に示したように,初日の

_320

iiii

   0    4    8   12   16   20(days)

図2.ラットの体重,摂取量および薬液   の注入回数の変化

表2 ペントバルビタールの注入回数と退薬症候 Duration

     Withdrawal signs(days) Body weight loss    (%)

図1.新たに開発した薬液注入装置

  0 ﹇01 一 一

U

16

10<

Vocalization, Irritability Vocalization, Irritability,

Aggression

Vocalization, Irritability,

Aggression, Straub ta輌1,

Tremor, Convulsion

0−3 3_5 5−10

10<

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 Time after withdrawal

O   24   48   72   96   120〈hr)

 け b

15

 UV n

 O C

0    5    0    5      一      1      1       ︵      一三亘ρタ言8S・nΦ22︒︒︑°

図3.ペントバルビタール休薬後の体重減少   と痙轡の発現

薬物注入回数は10〜20回であり,数日後には1日 当り40回以上の値を多くのラットが示すようにな る.ラットの体重は初期減少するが,その後は順 調に増加する.さて,次にこのような処置を行っ た動物で休薬を行った時の退薬症候について述べ る.表2に示したように,1日当りのペントバル

ビタールの注入回数が40回以上を10日間以上維持 した動物では,退薬症候として痙攣,体重減少

(図3)などが観察された.しかし,この基準に達 しなかったラットでは,バルビッレートの典型的 な退薬症候である痙攣は観察できず,体重減少な どの軽度の退薬症候しか観察されなかった.すな わち,ペントバルビタールの強度の身体依存を形 成するためには1日当り40回以上の注入回数を10

日以上維持する必要があることが示唆できる.こ れらの結果から,新たに開発した身体依存形成法 を用いることにより,ペントパルビタールの明確 な身体依存の形成を証明することができた.さら に,本法は薬効として自発運動量を抑制するよう な薬物,すなわち鎮静,催眠,抗不安薬などの身 体依存の評価法として広く応用可能であると考え られる.また,これまで小動物で証明されなかっ たペントバルビタールの身体依存を証明したこと により,薬物依存の評価における動物種としてラ ットなどの小動物の重要性がさらに強調できる.

おわりに

 薬物依存の前臨床的評価は非常に重要な意義が ある.しかし,これまでの評価はサル,イヌなど の大動物を中心にして行われてきたように思われ る.しかし,小動物使用上大きな問題であったバ ルビツレートの依存形成も証明され,さらに短時 間型作用薬のペソトバルビタールの依存形成も証 明できたことで,薬物依存の前臨床的評価で少な くとも身体依存の評価は小動物で充分に行えるこ とが主張できる.

 謝辞

 本研究を進めるにあたり,第二回大谷研究助成金を賜 り研究の進展が得られましたことを謹んで感謝申し上

げます.

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123456789012          111

中原雄二, 薬物乱用の本一覚せい剤からシンナー大麻まで一 ,研成社,東京,1983,pp,111−121.

柳田知司,臨床薬理

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3㎡4567n6 111111

19)

20)

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22)

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