血 液疾 患 に おけ るア ミノ酸代謝 に関す る研究
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(2) 320. 川. Ⅲ). 実. 験. 成. 西. 泰. 男. 第1表. 績. 教室におけ る再生不 良性貧血患者 の 病型転帰. 1) 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 の病 型 分 類 再 生 不良 性 貧 血 に 対 して は, Ehrlichの. 報 告 以来. 諸 家 に よ り種 々の 名 称 が 使 用 され て い る が,い ずれ に して も本 症 は第1図 の 模 式 図 で よ く理 解 出来 る如 く,赤 ・白 ・栓 三血 球 系 の 造 血 機 能 が 同 時 に 障 碍 され, その 機 能 障 碍 の程 度 に よ つ て 種 々の 病 型 に 分 け る こ とが 出来 る43)‑49).教室50)で も 骨 髄 内 血 球 抑 留,血 球 成 熟 抑 制 及 び血 球 生 成 機 能 障 碍 の3方 面 よ り別 け て 考 え,骨 髄 穿 刺 所 見 を基 礎 と して Ⅰ型; The type of blood cellarrest(骨 髄 内血 球 抑 留 型),Ⅱ type of maturation arrest(成. 第1図. Bockの. 型; The. 熟 抑 制 型),Ⅲ. 第2表. 再生不 良性 貧血 患者. 型;. 模式図. 第3表. 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 末 梢血 液 像.
(3) 血 液 疾 患 に お け る ア ミノ酸 代 謝 に 関 す る研 究 The type of regeneration disturbance(生 Ⅳ型; The. mixed type(混. of panmyelophthisis(汎. 合 型),Ⅴ. 成 障 碍 型),. 型; The type. 骨 髄 癆 型)の5型. に 分類 し. て い る.. 321. い る人 は比 較 的 少 い よ う な感 が あ り,食 餌 と本 症 と の 間 に何 ら かの 関 係 が あ るの で はな い か と も思 え, 緒 言 に於 い て 述 べ た如 く,本 症 を 代 謝 の面 か ら追 究 す る こ とに 非 常 に 意 味 が あ る と考 え た.. こ の分 類 に 従 つ た 教 室 に お け る最 近 の 再 生 不 良 性. 次 に病 型 分 類 の 基 礎 と した 各 患 者 に つ き,そ の 血. 貧血 患者 の 転 帰 は 表1の 如 くで,そ の う ち本 研 究 の. 清 中 の 遊 離 並 び に 結 合 ア ミノ酸 と尿 中 遊 離 ア ミノ酸. 対 称 と した再 生不 良 性 貧 血 患 者 に つ い て は 表2に み. を 測 定 した 時 点 に お け る末 梢 血 液像 及 び骨 髄 像 を 示. られ る通 りで,Ⅰ 型5名,Ⅱ. せ ば,表3・4の. 型3名,Ⅴ. 型1名. 型3名,Ⅲ. 型3名,Ⅳ. で あ り,性 別 で は 男 子10名,女. 子. 2). 通 りで あ る.. 再 生 不良 性 貧血 患 者 の血 清遊 離 ア ミノ酸 分 劃. 5名 となつ て い る.年 令 的 特 色 は 本 症 で は 認 め られ. 健 康 人 の血 清 遊 離 ア ミノ酸分 劃 を対 照 と して,再. な い が,患 者 の職 業 別 よ りみ て,経 済 的 に 恵 ま れ て. 生 不 良性 貧血 患 者 の ア ミノ酸 分 劃 を行 な つ た.各 病. 第4表. 再 生不 良性 貧血 患者 骨 髄 像.
(4) 322. 川. 西. 泰. 男. 型 に 分 類 さ れ た12名 に つ い て 検 索 した 結 果 は表5に. patternを 示 し,一 定 の 傾 向 を 示 して い る と考 え ら. 示 す 通 り で,各 病 型 の 間 に ア ミノ酸 分 劃 の 上 で 特 に. れ る.即. 有 意 な 差 を 認 め な か つ た.即. あ り,全 体 的 に 明 らか に低 ア ミ ノ酸 のpatternを. ち一 般 に 低 ア ミノ酸 の. 第5表. ち12例 の 平 均 を 求 め た も の は 図2の 如 くで. 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 血 清 遊 離. 第2図. Aplastic. Anemia. Free. Amino. Acids. in. ア ミ ノ 酸. Serum. 示.
(5) 血 液 疾 患 に お け る ア ミノ酸 代 謝 に関 す る研 究 し て お り,就 isoleucine, mic. acid,. 中taurin,. leucine等 serineの. histidineの. 第6表. alanine,. valine ,. を 認 め る こ とで あ る.未. おgluta. Valineとmethionineと. の間. 後 に 未 同 定 のninhydrin陽. 性 物質. .. 血 小 板 減 少 性 紫 斑病 及 び 顆 粒 球 減 少 症,更 第7表. Aplastic. Anemia. 性物. Conjugated. Amino. に蛋 白代. 再生 不 良性 貧 血 患 者 血 清結 合 ア ミノ酸. 健 康 人 血 清 結 合 ア ミ ノ酸. 第3図. 同 定 のninhydrin陽. 質 は 第1編 で 述 べ た 如 く,本 疾 患 の 類 縁 疾 患 で あ る. み は健 康 人 よ り も増加 を 認 め た. 最 も 特 異 的 な こ と は, と,. glycine,. に 著 減 を 認 め る .な. 323. Acids. in. Serum.
(6) 324. 川. 西. 泰. 男. 謝 異 常 疾 患 で あ る骨 髄 腫 に も認 め られ るが,そ の 他. 殆 ん ど変 る こ とな く,本 疾 患 に 特 有 の も の と考 え ら. の血 液 疾 患 で は 認 め られ な かつ た.以. れ る.な お 本症 の 各 種 治 療 を 行 な つ た後 の ア ミ ノ酸. 後 このninh. ydrin陽 性 物 質 を, X物 質 と 呼 称 す る こ と とす る. か か る特 異 的な ア ミ ノ酸 分劃 のpatternは,副 質 ホ ル モ ン,総 合 ア ミ ノ酸 製 剤, ATP,核. 分 劃 像 につ い て は 第3編 に て 述 べ る こ と とす る.. 腎皮. 3) 再 生 不良 性 貧 血 患 者 の 血 清 結 合 ア ミノ 酸 分劃. 酸 系物 質,. 本症 患 者 の血 清 遊 離 ア ミノ 酸分 劃 で は 前 述 の 如 き. 摘脾 等 の 治 療 に よ つ て 貧血 回 復,病 状 改善 され て も 第8表. 特 有 なpatternを. 健 康 人 尿 中 遊 離 ア ミノ酸. 第4図. Aplastic. 第9表. Anemia. Free. Amino. 認 め た が,結 合 ア ミ ノ酸 分劃 測 定. 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 尿 中遊 離 ア ミノ酸. Acids. in. Urine.
(7) 血液疾患 にお けるア ミノ酸代謝に関す る研究 の 結 果 は 表6・7,図3の はthreonine,. 如 く で あ る.即. serine,. 高 く認 め ら れ る が,本. glycine,. ち健康人で. 症 患 者 で は い ず れ の 患 者 で も,. 遊 離 ア ミノ酸 分 劃 の 場 合 と同 様 に 全 体 的 に は低 ア ミ ノ 酸 のpatternを. 示 し て お り,. 等 は 健 康 人 よ り多 い が,遊 様 にtaurin,. glycine,. 減 少 して い る.ま. glutamic acid,. proline等. ん ら か の障 碍 が あ る こ とを 示. して い る と思 わ れ る.な おX物 質 は認 め られな か つ た.. 5) X物 質 が家兎 の造血 機能 に及ぼす影響 X物 質 を家兎 に皮 下注射す ると表10,図5に. みら. は著 明に. たvalineとmethionineと. X物 質 の 存 在 が 認 め ら れ,結. valine. 離 ア ミ ノ酸 の 場 合 と 同. alanine,. ろ うか と考 え られ る.つ ま り体 内 に於 け る ア ミノ 酸 代 謝 過 程 に於 い て,何. tyrosineのpeakが. 325. の間に. 第5図. X物 質の家兎皮下注射に於け る末梢血液像. 合 ア ミノ酸 分 劃 に 於 い. て も 本 疾 患 は 特 異 的 なpatternを. 示 す こ とが 判 明 し. た. 4). 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 尿 中遊 離 ア ミノ酸 分 劃. 表8・9,図4の で はglycine, い る が,再. 如 く健 康 人 の 尿 中 遊 離 ア ミ ノ酸 像 leucine等. が か な り多 量 に 認 め られ て. 生 不 良 性 貧 血 患 者 の そ れ で は,. serine, glutamic. threonine,. acid, glycine, alanine, valine, tyrosine. 等 い ず れ も 健 康 人 の そ れ よ り も 多 く排 出 さ れ て い る. こ の こ と はglycine,. alanine,. valine等. 多 くの ア ミ. ノ酸 が 体 内で 充 分 利 用 され な い た めに 排 出 され るの. れ る如 く,注 射 後10日 で 赤 血 球 数,白 血 球 数,栓 球. か,体. 数 共 に減 少 を みた が, 30日 後 に は ほぼ 注 射 前 の値 に. 蛋 白の 消 耗 の程 度 が強 い た め に よ る も ので あ. 回 復 を み た. 第10表. X物 質 の家 兎 皮 下 注射 に 於 け る末 梢血 液像. またX物 質を家兎骨髄培 養に添加実験 を試 みだ と ころ,図6の 如 く高濃度 の時は著 明な造血抑制 作用 第6図. X物 質 の 家兎 骨 髄 培養 へ の 添 加 実 験. を 有 し,低 濃 度 の 場合 は反 対 に 促 進 作 用 を示 した. この促 進 作 用 と見 え る実 験 成 績 はX物. 質 がeryt. hropoietin的 作 用 を 有 す る 物質 で は な い か とい う考 え を 指 向 す るが 如 きで あ るが,濃 度 に よ る作 用 の 相 異,あ. るい は尿 中に 見 出せ ず,末 梢 血 液 像 に殆 ん ど. 影 響 を与 え る と は考 え ら れな い 点 等 か ら,や は りア ミ ノ酸 代 謝 の 中間 代 謝 産 物 と考 え るべ きで あ ろ う と 思 う.. Ⅳ). 考. 按. 特発性再 生不良性貧血 の病因に関 しては,古 来種 々の説が あるが,現 在の ところ決定的な もの はまだ.
(8) 326. 川. 西. 泰. 男. 見 当 らな い. Stodtmeister51),Lawrence52), Hammon53). か し既 に述 べ た通 り,著 者 の実 験 成 績 で は,治 療 に. 等 が 感 染 症 よ り本 症 に移 行 す る とす る感 染 説 を述 べ. よ り本症 の 病 状 が 改 善 され て も,ア. て い るが,再 生 不 良 性 貧 血 の 病 態 生 理 は. ,感 染 症 の. で は殆 ん ど変 化 な く,こ の こ と は本 症 の 完 全 治 癒 が. 貧 血 と種 々の 点 で 異 つ て い るの で,確. かな も の と は. 如 何 に難 しい か を 物 語 つ て い る よ うで あ る.な お 本. い え な い.. ミノ酸 代 謝 の 面. 症 の基 盤 と して,先 天 的 体 質 異 常 が 考 え られ る とす. 前 川54),熊 谷55)等は ア レル ギ ー が 本 症 に 関 与 して い る と し, Evans56), Bingelow57) , Stefanini58)は 本 症 の 類 縁 疾 患で あ る血 小 板 減少 性 紫 斑 病 に,ま. る説 も あ るが,こ れ も確 か で な い. 古 くよ り ナル バ ル サ ン,ア. ミノ ピ リン,ベ ンゾ ー. た. ル 等 の 薬 物 類 や 放 射 線 障 碍 等 に よつ て再 生 不良 性 貧. Moeschlin59)等 は 顆 粒 球 減 少 症 に 抗 体 を 検 出 し, Smith45)は 本 症 に も血 液 型 に も とず く抗 体 を証 明 し. 血 が 発生 す る こ とは よ く知 られ て い るが,特 発 性 再. て い る.教 室 で も本 症 患 者 に 抗 体 を 認 めた 例 が あ る. れ るの で は な か ろ うか と種 々 の 研 究 が 試 み られ て お. 生 不 良 性 貧血 も何 らか の 内 因 性 毒 物 に よつ て 惹 起 さ. が,反 復 輸 血 が 治 療 と して 行 な わ れ て お り,こ の た. り, Rhoads80)は 肝 機 能 障 碍 の 存 在 そ の 他 か ら 環 状. め の抗 体 出 現 と も考 え られ,い. 化 合 物 の 異 常 産 生 の 仮 説 を, Watson81)は. な い.し. まだ 抗 体 説 も確 か で. か し岩 崎61)62)等は 動 物 に 免 疫 学 的 操 作 を加. ポル フィ. リン代 謝 よ り中 毒 性 物 質 の 存 在 を 報 告 して い る.本. え て,再 生 不 良 性 貧血 を思 わせ る状 態 を 作製 して お. 邦 で も本 症 の血 清 並 び に尿 中 に 菊 池82),長 谷 川83),. り,今 後 の免 疫 学 的解 明 が ま た れ る所 で あ る.. 新84)‑86),説 田87)88),野 々 内89)90),秋 沢91),清 水93),. 他 種 貧 血 よ り本 症 に移 行 す る とす る説 も あ り,教. 安 部92)ら及 び 教 室 の 大 藤95),池 田94),岩 崎8),奥. 室 の 上 原63)は鈎虫 症 よ り本 症 に移 行 した と考 え られ. 橋96)が催 貧 血 性 物 質 が 存 す る こ とを 報告 して い る.. る症 例 を 報 告 して い る.特 に 白血 病 との 関 連 に つ い. 大 藤95)らは家 兎 骨 髄 の体 外 組 織 培 養 に 本症 患 者血 清. て はMills64),. Block67),. を 添 加 す る こ とに よ り赤 血 球,白 血 球 の両 系 の増 生. たSchulten69) , 野71),渡 辺72)等 は 両 者 の 鑑 別 が病. を 抑 制 す るを み,ま た この 物 質 は100℃ 30分 で破 壊. Jackson65),. Henning66),. Stodtmeister68)等 の 報 告 が あ り,ま Thompson70),天. され ず,ア ル コー ル 及 び エー テル に 易 溶 性 を 有 し,. 理 解 剖 上 困難 で あ つ た症 例 を報 告 して お り,平 福73). 酸 性 物 質 で あ る こ とを 明 らか に して い る.池 田94)は. ら も数 多 くの症 例 を検 討 して,白 血 病 に 於 け る前 白. 再 生 不良 性 貧血 患者 の血 清 を家 兎 に 注 射 す る と著 明. 血 病 期 即 ちrefractory. anemia,再. 生不 良 性 貧 血,無. な貧 血 を認 め てい る.ま た河 北97)‑99)らは 摘 脾 が 本. 顆 粒 球 症,脾 機 能 亢 進 症 等 を 考 え させ る如 き時 期 の. 症 に有 効 で あ る と述 べ て い る が,こ の こ とよ り脾 臓. 白血 病 と再 生 不 良 性 貧 血 との 鑑 別 に困 難 が 多 い と と. も本 症 発 生 に 関 して 何 らか の役 割 を演 じて い るの か. を 認 め て い る.教 室 で も メ チル コ ラ ン トレン塗 布 に. も判 らな い.. よ るDBAマ. ウ ス74)と, X線 照 射 に よ るRF系. マ. 造 血 促進 因子 と して 中 尾100)ら は 腎組 織 のJG細. ウ ス75)の白血 病 発生 実 験 に お い て,そ の 前 白血 病 期. 胞 にACTH等. に 骨 髄 機 能 低 下 の状 態 を呈 す る こ とを認 め て い る.. せ しめ赤 血 球 の増 生 を促 す 可 能 性 を示 し,清 水101)102). が直 接 作 用 してerythropoietinを 産 生. これ らの こ と か ら 白血 病 と再 生 不 良 性 貧 血 の問 に は,. らは これ を 銅 蛋 白Coeruloplasminと. 解 明 され ね ば な らぬ 幾 多 の 問 題 点 が,数 多 く存 在 す. い るが,教 室103)の実 験 で はweruloplasmin単. る もの と考 え る.. は あ ま り効 果 な く, ATPやACTH,. Summers76),. Bloom77)等. は下 垂体 機 能 不 全 に よ る. 本 症 の 発 生 を 報 告 し,内 分 泌 異 常 説 を とな えて お り, ま たACTH,副. 腎 皮 質 ホル モ ンの 使 用78)に よ り本. して 抽 出 し て 独で. prednisoloneの. 併 用 に よつ て の み 良 い 成 績 を 得 て い る. 次 に 造 血 に 必 要 な 粗 材 の 欠 乏 が,本 症 の発 生 に 関 与 して い るの で は な い か との 考 え の も と に,多. くの. 症 の 病 状 が 軽 減 す る との報 告 もみ られ,事 実 教 室62). 研 究 が な され て い る.即 ち 菊池104)はVB12,葉. 酸が. に お い て も副 腎 皮 質 ホル モ ン あ る い はACTHの. 奏 効 した と報 告 して い る. VB12の. 長. 欠 乏 は著 者 が 第. 期 投 与 に よ つ て,良 好 な 経 過を とつ て い る再 生 不 良. 1編 で述 べ た如 く,貧 血 の 発 生 と平 行 して ア ミノ酸. 性 貧 血 患 者 が 多 く,内 分 泌 異 常 と本 症 発 生 との 間 に. の利 用 障 碍 を惹 起 し,血 清 中 の ア ミノ酸 の 値 を 増 高. 何 ら か の 関 係 が あ る とす る考 え も,あ な が ち否定 は. せ し め るが,既. 出 来 な い よ う に思 わ れ る.教 室 の 木 畑79)らの 研究 に. ミノ酸 が 高 値 を 示 す こ と は な い の で,こ の こ とか ら. よ る と本 症 で は 脂 質 代 謝 に も異 常 が み られ,し か も. もVB12の. 副 腎 皮 質 ホ ル モ ン投 与 に 影響 され るよ うで あ る,し. 考 え られ ない,葉 酸 は核 酸 あ る い は 蛋 白質 代謝 に 関. に述 べ た如 く再 生 不良 性 貧 血 で は ア. 欠 乏 即 ち再 生 不 良 性 貧血 の 発生 原 因 とは.
(9) 血 液疾 患におけ るア ミノ酸 代謝に関す る研究 係 して,こ れ が 欠 乏 す る と骨 髄 に 巨 赤芽 球 増 殖 を 併. い か と思 わ れ る.ま たtryptophanの. う大 赤 血 球 性 貧 血 の 出現 を認 め る もの で あ るが,再. hem合. 生 不 良 性 貧 血 で は か か る こ と は認 め られ な い.. ographyに. VB6. 327 減 少 は円 滑 な. 成 を 妨 げ る こ とを 意 味 す る. paper chromat よ る 中村40),日 野39)の本症 患者 の尿 中 ア. 成 に 関与 し,こ れ の欠 乏 は 小 赤 血 球 性 低. ミ ノ酸 の検 索 に よ る と,中 村 は健 康 人 に 比 して や や. 色 素 性 貧 血 を 来 た す が,一 般 に再 生 不 良 性 貧 血 患 者. 特 異 的 で あ る と し,日 野 も ア ミノ酸 代 謝 が本 症 発生. で はVB2,. に 何 か 関 係 が あ るの で は な か ろ うか と述 べ て い る.. はhem合. B6, B12の 欠 乏 は認 め うれ ず,こ. れ らの. ビ タ ミン の欠 乏 が再 生 不良 性 貧血 の直 接 原 因 とは 考. い ず れ に して も本 症 にお い て,そ の 造 血 機 能 の 障 碍. え られ な い.教 室 の 岡 本105)らの報 告 で も葉 酸, VB12. と並 ん で ア ミノ酸 代 謝 の 異 常 が 認 め られ る こ と は,. の 本症 に 対 す る効 果 は著 明で な く,こ の 点 か ら も こ. 本 症 の病 因 を考 え る に際 して 非 常 に重 要 な 意 味 を も. れ らの 欠 乏 が 本 症 発 現 の 直 接原 因 とは 考 え ら れ な. つ もの で あ る.. い.. こ こで 注 目す べ き こ とは,本 研 究 に 於 い て血 清遊. あ る 種 の ア ミ ノ酸 に造 血 促 進 作 用 の あ る こ とは 古 武 教 授 一 門 の 業 績 に み られ る他, Hays1),小 森 田7),広 井106),教 室 の 岩 崎8),李9),平. 池5),. 木107)等 と. な よ うに,本 症 患 者 の多 くは あ ま り経 済 的 に恵 まれ ア ミノ酸摂 取 者 が 多 い よ うで あ り,. この こ とか ら栄 養 条 件 が 本 症 発 現 に 関 係 して い る の で はな い か と考 え させ られ る.ま た 教 室 に お い て 輸 血 並 びに ポ リタ ミン大 量 投 与11)によ り本 症 患 者 を 治 癒 せ しめ得 た症 例 を経 験 した こ と は,本 症 と ア ミノ 酸 代謝 障 碍 との 間 に密 接 な 関 係 が あ る とい う考 え を, 一 層 強 調 す るか の 如 く思 わ れ る .更 に 蛋 白質 代謝 の 異 常 か ら再 生 不 良 性 貧血 が 惹 起 され る こ とは,ク. 間 にX. 物 質 が2箇 所, histidineの 後 で1箇 所 検 出 され た こ. 多 くの報 告 に み られ るが,前 述 の統 計 か ら も 明 らか. ず,低 栄養,低. 離 ア ミノ酸 分 劃 で, valineとmethionineの. ロ. ラ ム フ ェ ニ コー ル 等 の 薬 剤 に よ る貧 血 発 生 が,一 部 は ア レル ギ ー現 象 に よ る も の と考 え られ るが,大 部. とで あ る.こ のX物 質 はfractionよ. り み て 異常中. 間 代謝 産 物 と考 え られ,現 在 の所 不 明で あ るが,再 生 不 良性 貧 血 患者 血 清 中 に特 異 的 に認 め られ る も の で あ る.な お尿 中遊 離 ア ミノ酸 分劃 に於 い て はX物 質 を 証 明 す る こ とが 出 来 な か つ た. 前 述 の 実 験 成 績5)に み られ る如 く,こ のX物 質 を 家 兎 に皮 下 注 射 す る と一 時 的 な 造 血 機 能 低 下 を 認 め た.骨 髄 添 加 実 験 で は高 濃 度 で は抑 制 作 用 を 示 し, 低 濃 度 で は反 対 に促 進 作 用 を認 め た が,こ のX物 質 は,前 述 の 造血 因 子100)101)108)109)と 何 ん らか の 関係 が あ るの か,あ. るい は 逆 に 催 貧 血 性 物 質82)‑96)の一. 種 で あ るの か は,今 後 の 研 究 を ま た ね ば な らな い.. 分 は 蛋 白質 代謝 過 程 の進 行 阻 止 に よ る もの で あ る と. しかし現在までの段階で は,著 者 は本物質 は本症の. い うこ と が,岩 崎61)らの動 物 実 験 に よ つ て 明 ら か に. 発 生 原 因 とな るべ き も の とい うよ りは代 謝 異 常 に よ. され て い る こ とか ら もい え る.. る 副産 物 と考 えて い る.. 著 者 の 検 索 成 績 で は,前 述 の如 く再 生不 良 性 貧血. 以 上,諸 説 の検 討 と著者 の 実験 成 績 よ り,再 生 不. 患 者 の 血 清 遊 離 並 び に 結 合 ア ミノ酸 は,全 般 的 に 低. 良 性 貧 血 の 成 因 の一 つ に,造 血 粗 材 で あ るア ミノ酸. ア ミ ノ酸 のpatternを. の 代 謝 障 碍 が 大 き く関 係 して い る も の と考 え ら れ. 除 し,特 にalanine,. 示 し,あ る種 の ア ミノ酸 は 欠 glycineは 血 清 中 で は 著 減 し,. る.. 反 対 に尿 中 に多 量 排 出 さ れ て い る.こ の こ と は,本. Ⅴ). 結. 論. 症 に お い て は これ等 ア ミノ酸 が体 内 で充 分 利 用 され な い ま ま に体 外 に 排 出 され て い る もの と考 え られ,. 1). 血 球造 成 に 関 連 して ア ミノ酸 代 謝 に 何 ん らか の障 碍. は,低. が あ るの で あ ろ う と推 察 され る.特 にglycineは. alanineが 著 明 に 減 少 し, ninhydTin陽. 蛋. 白の 合 成,核 酸, purin体 の 合 成 に 関 与 して い る 重 要 な ア ミノ酸 で あ り,ま と共 に細 胞 中 のSH基 細 胞 の代 謝(解. たglutamic. acid, cystine. を 有 す る酵 素 系 と 関 連 し て. 毒作 用)に 重 要 な 役 割 を はた すtri. peptideで あ るglutathioneを 構成 して い る か ら,こ のglycineの. 血 中 か らの 減 少 と尿 中 へ の 多 量 の 排 出. は,本 症 の 貧 血 発 生 に 大 い に 関 係 して い るの で は な. 再 生不 良 性 貧 血 患者 の血 清 遊 離 ア ミ ノ酸 分 劃 ア ミ ノ酸 のpatteTnを. 呈 し,特. にglycine, 性 のX物 質. の 存 在 が 証 明 され る. 2). 再 生 不 良 性 貧 血 患 者 の 血 清 結 合 ア ミノ酸 分 劃. も 低 ア ミ ノ酸 のpatternを. 呈 し, glycine, alanine. が減 少 して お り,同 じ くX物 質 が証 明 され る. 3). 再 生 不 良性 貧血 患 者 の尿 中遊 離 ア ミノ酸 は健. 康 人 の そ れ に 比 して概 して 多 く排 出 さ れ,特 にgly cineの 排 出が 著 明 で あ る.な おX物 質 は証 明 され な.
(10) 328. 川. 西. か つ た. 4). 泰. 酸 代 謝 異 常 が 重 大 な 関係 を 有 す る.もの と推 定 した.. 以 上 よ り再 生 不 良 性 貧 血 患 者 の ア ミ ノ酸 代 謝. は特 異 的 で あ る とい つ て よい . 5). 摘 筆 す るに 当 り,終 始 ご懇 篤 な る ご教 示,ご 指 導. X物 質 を家 兎 に 注 射 す る こ とに よ り,一 時 的. を 戴 い た 恩 師 平 木 潔 教 授,岩 崎 一 郎 助 教 授 に深 甚 な. に も軽 度 の 貧 血 を 起 さ しめ る こ とが 出来 た . 6). 男. る謝 意 を 表 す る.. 以 上 よ り再 生 不 良 性 貧血 の 成 因 と して ア ミノ. Studies. on. Amino. Acid. (引 用 文 献 は 巻 尾 に 一 括 掲 載). Metabolism Part. Amino. Acid. Metabolism. in Blood. Diseases. Ⅱ. in Hypoplastic. Anemia. By Yasuo. KAWANISHI. Department of Internal Medicine, Okayama University Medical School (Director: Prof. Kiyoshi Hiraki). 1) The free amino acids in the serum of patients with hypoplastic anemia showed a low amino acid fractionation pattern with a marked decrease of glycine and alanine and the prese nce of unidentified X substances. 2) The conjugated amino acids from the same source demonstrated a similar fractionation pattern with reduction of glycine and alanine and accompanying X substances. 3) The free amino acids in the urine of patients with hypoplastic anemia were generally increased in comparison to those of normal individuals. The urinary excretion of glycine was particularly prominent. 4) From these finding it is concluded that amino acid metabolism in hypoplastic anemia is unique. 5) Injection of X substances into rabbits induced a temporary, slight anemia. 6) The author believes that derangement of amino acid metabolism has something to do with the development of hypoplastic anemia..
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