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劉辰翁研究 : 宋元交替期の活動を中心に

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

劉辰翁研究 : 宋元交替期の活動を中心に

奥野, 新太郎

https://doi.org/10.15017/1455991

出版情報:Kyushu University, 2014, 博士(文学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

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奥野新太郎(中国文学)

劉炭翁研究ー宋元交替期の活動を中心にー

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

本論文は、十三世紀の中園、すなわち南宋王朝の末期から元朝前期に在野の詩人と して生きた劉辰翁の生涯とその文学評論活動を考察し、その分析結果を通じて中国元 時 代 の 社 会 と 文 学 の 実 像 を 明 ら か に し よ う と し た も の で あ る 。 序 章 ・ 終 章 を 含 め 全 体 で七章の構成で展開される本論文は、罫1]1畏翁と彼の生きた南宋末から元代前期の社会 情勢をさまざまな角度から実証的に追究し、従来の元代文学研究では十分には指摘さ れて来なかった幾つかの点を鮮やかに喝破している。

そもそも中国元時代の文学についての研究は、現地中国においても、また我が固に おいても少なく、またその成果の蓄積も十分とは言えない。通俗文芸および言語学の 分野としては戯曲(元曲・元雑劇)や『中原音韻』などの成果がやや先行しているが、

知識人の正統文芸たる詩歌や散文の研究となるとまことに家々たるものでしかない。

加えて本論文の提出者がその研究対象の中心に選んだ劉辰翁については、近年漸く中 国で専著『jlj辰翁文学研究』(焦印亭著、 20日 年 ) が 出 さ れ た の み で 、 い ま だ 学 界 に おいても十分な認識が定まっていないのが現状である。 jlj辰 翁 自 身 が 南 宋 の 科 挙 及 第 者 で あ り 、 元 朝 に 入 っ て 以 降 は 、 官 職 に 就 く こ と な く 、 一 介 の 在 野 の 知 識 人 と し て 生 涯を終え、その著作のほとんどが散逸してしまったことが大きな原因と考えられる。

まず本論文の提出者は、

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畏翁の著述活動の多くが元朝に入って以降であり、その 家 塾 で の 教 学 を 通 じ て 、 元 朝 の 官 僚 や 文 化 人 た ち と も 広 く 交 流 し て い た こ と を 明 ら か にし、これまで劉辰翁について一般的であった「南宋に忠節を貫いた隠逸文人」とし ての理解が、全く根拠の無い誤認であったことを証明した。特に圧巻というべきは、

近代十九世紀末以降今日までに日本および中国・台湾で出版された『中国文学史』を

標携する著作七

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数 種 を 博 覧 し 、 劉 辰 翁 の 記 述 の 有 無 、 そ し て そ の 紹 介 の あ り 方 を ー

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つ一つ克明に調査した功績である。元朝(モンゴ、ル)時代を単純に「被征服時代」と して捉え、またその当初の「科挙の廃止」を漢文化(民族)への抑圧政策として安易 に説明してきた過去の文学史の偏見を見事に覆した考察だと評価できるものである。

また本論文では、現在は散逸した劉辰翁の著作の幾っかについて、その収侠と復元 も試みられている。

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ち、『文選』についての批評や、南宋・朱蒸『詩集伝』を底本 とした注釈、また劉jl.J畏翁が活動を展開した中国江西省の文人たちの詩歌を集めた『興 観 集 』 と 、 古 今 の 名 詩 を 選 録 し た 『 古 今 詩 統 』 の 四 種 で あ る 。 そ し て 、 以 上 の 考 察 の 結果、お

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辰 翁 独 自 の 詩 文 注 釈 活 動 で あ る 「 評 点 」 に は 、 そ の 「 情

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を重視する彼の文 学観が濃厚に反映されており、密ijj畏翁がまさしく同時代としての「元代文学

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のある べき方向を指し示した開拓者として位置づけられることを見事に論証している。

以上のことから、本調査委員会は本論文の提出者が博士(文学)の学位を授与され るに十分な能力を持づものであると認める。

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