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迫, 洸佑

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

アフリカツメガエル卵の受精時におけるEmi2による APC/C-Ube2S相互作用の制御

迫, 洸佑

https://doi.org/10.15017/1456000

出版情報:Kyushu University, 2014, 博士(理学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Fulltext available.

(2)

 

洸 佑

論 文 題 名: Regulat10n ofAPC/C‐ Ube2S interactions by Emi2

(アフ リカ ツ メガ エ ル 卵 の受 精 時 にお け る 回

mi2に

upon fertilization of Xe盟 OPus eggs るAPC/C‐

Ube2S相

互 作 用 の 制 御)

:

論 文 内 容 の 要 旨

脊 椎 動 物 の成 熟 卵(未受 精 卵)は 、 二 回 の 連 続 した 分 裂 期

(M期

)を経 て 第 二 減 数 分 裂 の 中期 (Meta‐II)で細胞 周期 を停止 させ 、受精刺激 を待つ。Meta‐II停 止 は未 受精卵 の単為発 生抑制 のため に非常 に重要 な機 構 で あ り、細胞分裂停 止 因子(CSF i cytostatic ttctOr)に よって 引き起 こ され る こ とが 分 か っ て い る。

CSFは

E3ユ

ビキ チ ン リガ ー ゼ で あ る後 期 促 進 因子

(APC/C i anaphase

promoting complex/cyclosOme)の 活性 を阻害 し、サイ ク リン

Bの

分解 を抑制 す る こ とでMeta‐II停 止 を引 き起 こ してい る。

CSFの

構 成 因子 は主 に、卵減数分裂特異 的 に活性化す るMos‐

A/1APK経

路 、 お よび そ の最 下流 に位 置 し

APC/C抑

制 能 を持 つ Emi2(Early mitOtic inhibitOr 2/別 名

Erpl:Em主

1

related protein l)で あ る。 そ して、受精刺激 後 は

Emi2と Mosが

分解 され 、

APC/Cが

活 性 化す る こ とでサイ ク リン

Bの

分解 が起 こ り、結果 と して細胞周期 が進行す る。

Emi2が APC/Cを

抑制す る際 には、自身 の

C末

側 に存在 す るdestructiOn bOx(D‐ box)に よってサ イ ク リン

Bな

どの基 質 の結合 を阻害 し、zinc‐

binding region(ZBR)で APC/Cの

ユ ビキチ ン リガー ゼ活性 を抑制す る こ とが知 られ てい る。 また、それ らの部位 が機能す るためには、

Emi2の C末

端 に存在す るRL―ta主1と い う配列 が直接

APC/Cと

結 合す る こ とが必 要 で あ るこ とも知 られ てい る。

APC/Cは 14個

のサ ブユ ニ ッ トKAPCl―

APC15,APC9は

存在 しない)か らな る巨大 な複合 体 タン パ ク質 で ある。

APC/Cは

、サ イ ク リン

Bや

セ キュ リンの様 な細胞周期制御 因子 のポ リユ ビキチ ン化 を行 い、

26Sプ

ロテ ア ソー ム依存 的 なタンパ ク分解 を促進す る役割 がある。脊椎動物 を含 めた高等 真核 生物 にお い て 、

APC/Cは Kllを

介 したユ ビキチ ン鎖 の伸長 を行 うこ とが知 られ てお り、そ の 伸長 反応 には

E2ユ

ビキチ ン結合酵素で あ る

UbcH10と Ube2Sが

関与 して い る こ とも知 られ てい る。

UbcH 10は

主 に基 質 に対す るモ ノユ ビキチ ン化 (も しくはポ リユ ビキチ ン化 の開始

)に

関与 し てお り、

Ube2Sは

ユ ビキチ ン鎖 の伸長 に関与 してい る。しか しなが ら、過去 の研究 において、

Ube2S

は細胞種 によって必要性が異なること、紡錘体チェ ックポイン トか らの脱出時にのみ重要性がある ことな どが判明 していた。 また最近の研究か ら、ツメガエル卵において、

UbcHloに

よるサイ ク リ ン

Blの

複数力所へのモ ノユ ビキチン化 のみでも、

26Sプ

ロテア ソーム依存のタンパ ク分解が起 こ ることも明 らかになってきてい る。

以 上 の こ とか ら、他 の生物 学 的 に重要 な時期(例えば脊椎動44J卵の受精 時)にお いて も、サイ ク リ ン

Bの

分解 に

Ube2Sが

何 らかの役割 を果 た してい る可能性 が考 え られ たた め、今 回筆者 はMeta‐II

停 止 時 の ツメガエル 卵 の抽 出液(CSF extract)を 用 い てその解析 を行 った。その結果 、受精刺激後 の サイ ク リン

B分

解 時 にお け る

Ube2Sの

役 割 や 、

Emi2と Ube2Sの

相 互排 他 的 な

APC/Cへ

の結合

性(Meta"II停 止 時 において

Emi2は Ube2Sと

競合 し

APC/Cへ

の結合 阻害 を引 き起 こす)、お よび結 合 してい る

APCサ

ブユ ニ ッ トが明 らか になったので報告す る。

(3)

受 精 刺 激 後 の サ イ ク リン

B分

解 に は

Ube2Sが

必 要 で あ る

今 回 の研 究 を行 う上 で

Ube2Sと UbcHloに

対 す る特異 的 な抗体 を外注 し、その抗 体 を用 いて解 析 を行 った。幸い な こ とに、外 と した抗体 は

CSF extract中

にお け る内在性

Ube2Sお

よび

UbcH lo

の免疫沈 降(IP)が可能 で あ り、 なお かつ 中和抗体 として も使用 で きるもので あった。

まず 、

Ube2Sお

よび

UbcH10そ

れ ぞれ の depletiOnと addし

back実

験 を行 い 、受精刺激 後 のサイ ク リン

Bの

急 速 な分解 に

Ube2S(お

よび

UbcH10)が

必 要 で あ るこ とが分 か つた。また、抗体 を中和 抗 体 と して使 用 し、受 精 後 にお け る精 子 核 膜 形 成 の遅延 が確 認 で きた こ とか ら、

Ube2S(お

よび

UbcH10)の

生理 的意義 について も確認 す ることがで きた。

受 精 刺 激 後 に お い て

APC/C‐ Ube2Sの

結 合 が 増 加 す る

      │

APC/Cの IPを

行 う際 には、 コアサ ブユ ニ ッ トで あ る

Cdc27の

抗 体 を用 い るのが一般 的 であ るも そ こで、受精刺激 前後 にお け る

Ube2Sお

よび

UbcHloの APC/Cに

対 す る結 合 を、Cdc27‐

IPに

よ つて確認 した ところ、

Ube2Sの

結合 が受精 後 に約

5倍

も増加 す るこ とが判 明 した

(UbcH10の

結 合 は検 出で きず 、これ は過去 の知 見 と一致 していた)。 また 、この結合上昇 は

Emi2の

分解 に同調 して 起 こって い た。

Emi2は C末

端 の RLtttailを 介 して

APC/CttUbe2Sの

結 合 を 阻 害 して い る

Emi2の

分解 に伴 って APC/C‐

Ube2Sの

結合 が増加 していた こ とか ら、筆者 は APC/C‐

Emi2の

結 合 と何 らかの相互 関係 が あ るので はないか と仮説 をたて解析 を行 った。Emi2 depletiO五 、お ょび結 合 阻害剤 に よって APC/C‐

Emi2の

結 合解 離状態 を擬似 的 に作 り出 した ところ、受精刺激 が無 い に も 関 わ らず APC/C‐

Ube2Sの

結 合 上昇 が見 られ た。 また、

Emi2の C末

を含 んだ組換 えタンパ クを大 腸 菌 に よって作製 し、Cdc27‐

IP時

に過宋Jに加 え る と、受精刺激後 の APC/C‐

Ube2Sの

結合 増加 が抑

え られ た。 さらに、化学合成 したRL白tailペプチ ドを用 いて も同様 の結果 が得 られ た。

過 剰 な

Ube2Sの

発 現 は

APC/C‐ Emi2の

結 合 を 阻 害 す る

過 去 の知 見 にお いて、

Ube2Sの C末

端 が APC/C‐

Ube2Sの

結合 に必 要 で あ る こ とが分 か っていた。

そ こで、

Emi2と Ube2Sの C末

端 を比較す る と、

Ube2Sが Emi2の

RL‐tailに 酷似 した配列 を持 つてい る ことが判 明 した。 さらに、

Ube2S C末

の組 換 えタンパ クを大腸 菌 で作製 し、Cdc27‐

IPの

際 に濃 度 を振 って加 える と、その濃度依存 的 に APC/C‐

Emi2の

結 合 が減少す るこ とが分 か つた。ま た 、

Ube2S C末

タ ンパ クを

CSF extractに

直接 添加 す る と、

CSFリ

リー スが 引 き起 こ され る こ と、

さ らには

C末

端 を欠 損 させ た場合 には

CSFリ

リー スが起 こ らない こ とが判 明 した。 また、

Emi2

Ube2Sの APC/Cへ

の結合力 を比較 した場合 、

Emi2の

結合 力 が

10倍

以 上 強 い こ とも分 かった。

Emi2と Ube2Sは

そ れ ぞ れ

APC10に

対 して 結 合 、 お よび 競 合 す る

最後 に、

Emi2と Ube2Sが APC/Cの

どのサ ブユ ニ ッ トに対 して結合 してい るか を、in vitroの

mRNA翻

訳 シ ステ ム で あ る ツサ ギ網 状 赤 血 球 の無 細胞 抽 出液

(RRL)を

用 い て解 析 した。

14個

APC/Cサ

ブ ユ ニ ッ ト全 て の

mRNAを

そ れ ぞ れ 発 現 させ 、

Emi2お

よび

Ube2Sの

組 換 え タ ンパ クで

Pull‐

dOwnし

た と こ ろ 、

APCloの

み が結 合 す る こ とが 分 か っ た

(APC10は APC/Cの

コア クチベ ー ター で あ る

Cdc20と

協 調 して基 質認 識 を行 うこ とが 知 られ て い るサ ブユ ニ ッ トで あ る)。

以 上 の結 果 か ら、回

m12は

受 精 刺 激 前 にお い て 、 自身 の

C末

端 配 列(RL‐ tail)を介 して

APC10ヘ

結 合 し、

Ube2Sと

競 合 して い る こ とが判 明 し、これ に よ り Meta‐II停止 が維 持 され て い る こ とが 明 らか とな っ た。

参照

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