日機連21先端−11
平成21年度
先端シミュレーション技術による 機械構造設計の精度向上に関する
調査研究報告書
平成22年3月
社団法人 日本機械工業連合会 神 鋼 リ サ ー チ 株式会社
この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。
http://ringring-keirin.jp
序
我 が 国 機 械 工 業 に お け る 技 術 開 発 推 進 は 、も の づ く り の 原 点 、且 つ 、輸 出 立 国 維 持 に は 必 須 条 件 で す 。
し か し な が ら 世 界 的 な 経 済 不 況 脱 出 で 先 進 国 の 回 復 が 遅 れ て い る 中 、中 国 を 始 め と す る ア ジ ア 近 隣 諸 国 の 工 業 化 の 進 展 と 技 術 レ ベ ル の 向 上 は 進 ん で い ま す 。 そ し て 、我 が 国 の 産 業 技 術 力 の 弱 体 化 な ど 将 来 に 対 す る 懸 念 が 台 頭 し て き て お り ま す 。
こ れ ら の 国 内 外 の 動 向 に 起 因 す る 諸 課 題 に 加 え 、環 境 問 題 、少 子 高 齢 化 社 会 対 策 等 、 今 後 解 決 を 迫 ら れ る 課 題 も 山 積 し て お り 、 こ の 課 題 の 解 決 に 向 け て 、 技 術 開 発 推 進 も 一 つ の 解 決 策 と し て 期 待 は 高 ま っ て お り 、機 械 業 界 を あ げ て 取 り 組 む 必 要 に 迫 ら れ て お り ま す 。
こ れ か ら の グ ロ ー バ ル な 技 術 開 発 競 争 の 中 で 、我 が 国 が 勝 ち 残 っ て ゆ く た め に は 、も の づ く り 力 を さ ら に 発 展 さ せ て 、新 し い コ ン セ プ ト の 提 唱 や ブ レ ー ク ス ル ー に つ な が る 独 創 的 な 成 果 を 挙 げ 、世 界 を リ ー ド す る 技 術 大 国 を 目 指 し て ゆ く 必 要 が あ り ま す 。幸 い 機 械 工 業 の 各 企 業 に お け る 研 究 開 発 、技 術 開 発 に か け る 意 気 込 み に か げ り は な く 、方 向 を 見 極 め 、ね ら い を 定 め た 開 発 に よ り 、今 後 大 き な 成 果 に つ な が る も の と 確 信 い た し て お り ま す 。
こ う し た 背 景 に 鑑 み 、当 会 で は 機 械 工 業 に 係 わ る 技 術 開 発 動 向 調 査 等 の 補 助 事 業 の テ ー マ の 一 つ と し て 神 鋼 リ サ ー チ 株 式 会 社 に「 先 端 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 技 術 に よ る 機 械 構 造 設 計 の 精 度 向 上 に 関 す る 調 査 研 究 」を 調 査 委 託 い た し ま し た 。 本 報 告 書 は 、 こ の 研 究 成 果 で あ り 、 関 係 各 位 の ご 参 考 に 寄 与 す れ ば 幸 甚 で す 。
平 成 2 2 年 3 月
社 団 法 人 日 本 機 械 工 業 連 合 会 会 長 伊 藤 源 嗣
はしがき
シミュレーション技術は、スーパーコンピュータを代表とする計算機の計算 能力の増大に牽引され進歩しています。特に、近年のスーパーコンピュータの 能力向上に伴い、シミュレーション技術の進歩は目覚ましく、複雑な現象を、
より正確に取り扱うことが可能になっており、適用範囲が大きく広がっていま す。具体的には、気象、天文、地震などの実験が不可能な自然現象、危険もし くは再現が難しい化学反応、莫大な実験費用が掛かる航空機の風洞実験や車の 衝突実験などまでシミュレーション技術が適用されるようになってきました。
上記のシミュレーション技術と計算機の進歩により、長い計算時間が必要な 現象あるいは計算自体が複雑な現象の検討が、比較的容易かつ短時間で可能に なりつつあります。その結果、これまで不可能であった大規模な計算−例えば、
車丸ごとのシミュレーションや高炉内部の全体シミュレーション−が可能にな るなど高度な解析が実現され始めています。また、電機や機械など様々な業界 の製品開発の場面でも、色々な解析―落下・衝撃・塑性加工などの現象の詳細 解析や振動・熱・流体などとの相互作用の解析―が要求され実施されるように なってきています。
本調査事業はこうした背景の下、装置や製品の複雑化、多様化、開発の迅速 化、安全・信頼性の確保等に対応できるシミュレーション技術について各業界 や識者に対するヒアリング調査や文献調査などを行い、機械産業分野にもたら すと期待される波及効果を明らかにし、今後の我が国のシミュレーション技術 を用いた取り組み方向等についても提言し、我が国の機械産業の国際競争力強 化に貢献することを目的としたものです。
最後になりましたが、本報告書を作成するにあたり、ご指導を賜った社団法 人日本機械工業連合会をはじめ、調査研究を遂行する上で助言・提言を頂いた 関係諸氏ならびにヒアリングに応じて頂いた研究者や企業の方々に厚く御礼を 申し上げます。
平成22年3月
神 鋼 リ サ ー チ 株 式 会 社 代表取締役社長 大友 朗紀
目 次
序
はしがき
1.目的
...1
2.シミュレーション技術の進展
...2
2−1.HPCを用いたシミュレーション技術:国内の取り組み
...3
2−1−1.第5世代コンピュータ
...4
2−1−2.航空宇宙技術研究所の数値シミュレータ計画
...5
2−1−3.Real World Computing ...7
2−1−4.CP−PACS...10
2−1−5.地球シミュレータ
...12
2−1−6.NAREGI1)
...18
2−1−7.TSUBAME1)
...20
2−1−8.T2Kスパコン
...22
2−1−9.長崎大学のGPUクラスタ1)2)
...24
2−1−10.神戸スパコン(次世代スパコン)...25
2−2.スーパーコンピュータを用いたシミュレーション技術:国外の取り組み
...27
2−2−1.TOP500にみる世界のスーパーコンピュータの普及状況
...27
2−2−2.米国におけるスーパーコンピュータの利用状況...32
2−2−3.欧州におけるスーパーコンピュータの利用状況...35
2−2−4.アジア(中国、インド、韓国等)におけるスーパーコンピュータの利用状況
....37
3.CAEおよびその連携技術によるシミュレーション技術の動向
...40
3−1.注目されているシミュレーション方法...45
3−1−1.第一原理計算(分子動力学)
...45
3−1−2.メッシュレス/メッシュフリー有限要素法
...46
3−1−3.粒子法
...48
3−2.シミュレーションに関係する技術
...50
3−2−1.MBD(Model-based Development:モデルベース開発)技術
...50
3−2−2.RP(ラピッドプロトタイピング)...52
3−2−3.3次元測定
...53
3−3.シミュレーションソフトについて
...55
3−3−1.アドバンスソフト(国内)...56
3−3−2.アンシス(国外)
...58
4.シミュレーションの適用分野
...60
4−1.広がるシミュレーション適用分野...60
4−2.学問分野における適用事例...65
4−2−1.東京大学 加藤教授、畑田教授...65
4−2−2.神戸大学 羅教授
...69
4−3.機械産業分野の開発設計におけるシミュレーション適用事例
...72
4−3−1.建設機械関係 コベルコ建機(開発生産本部)...73
4−3−2.建設機械関係 日立建機(実験解析評価センター)...76
4−3−3.電機業界 三菱電機(先端技術総合研究所 機械システム技術部)...79
4−3−4.電機業界
A社(X工場) ...82
4−3−5.電機業界
B社(空調開発部門) ...86
4−3−6.造船業界
C社(技術部門) ...88
4−4.その他の産業分野の開発設計における適用事例...93
4−5.営業分野へのシミュレーションの適用の広がり...95
4−6.シミュレーションの適用への問題(シミュレーション技術者の確保・教育の必要性).96 5.機械産業におけるシミュレーションの有用性...97
5−1.CAEによるシミュレーションの利用...99
5−2.シミュレーションによる設計の役割の変化...102
5−3.シミュレーションにより実現できる事...105
5−4.競争力の確保
...107
6.シミュレーションの将来像
...113
6−1.シミュレーションの位置づけ
...113
6−2.機械産業におけるシミュレーションによる「ものづくり」の変革
...116
7.まとめ...119
添付資料
...120
添付資料1.
...120
添付資料2.
...124
添付資料3.
...126
1.目的
地球物理、原子力、航空宇宙、ナノテクノロジー、バイオテクノロジーなどの科学技術分野を対象 に進化してきた先端シミュレーション技術は、機械産業分野における設計にも大きな波及効果をもた らすものと期待される。
また、自動車、航空機、プラント装置、情報家電機器等の様々な製品の研究、開発、設計、製造に 至るまで幅広いプロセスでシミュレーション、CAE (Computer Aided Engineering) 技術が利用されて おり、工学的アプローチによる問題解決手段として大いに役立っている。
本調査は、機械装置や製品の複雑化、多様化、開発の迅速化、安全・信頼性の確保等に資する先端 シミュレーション技術の現状とそれに対するニーズについて調査研究を行い、機械産業分野にもたら すと期待される波及効果を明らかにし、今後の取り組みの方向性を提示することにより、我が国の機 械産業の国際競争力強化に貢献することを目的とする。
2.シミュレーション技術の進展
本調査では、先端シミュレーションを
① 最先端の
HPC(High Performance Computing)を用いた大規模シミュレーション技術
ベクトル型やスカラ型のスーパーコンピュータなどの超高速コンピュータを用いた大規 模シミュレーション技術
② 研究、開発、設計、製造段階で活用できる
CAE
およびその連携技術最新の汎用
CAE
ツール等によるシミュレーション技術と、シミュレーション技術と高度 に連携したRPT、HILS
や試作レス化技術の大きく2つのカテゴリーに分類した。
HPC : High Performance Computing
ハードウェア部分高速 & 大規模
システム、ミドルウェア、アプリケーション、・・・
ベクトル型 スカラー型
グリッド型 スーパーコンピュータ
図2−1.HPC の定義
本章(2 章)では、シミュレーション技術に関する取り組みを、先端の
HPC
を用いた大規模シミ ュレーション技術の観点から国内・国外に分けて動向を概観し課題や進むべき方向性について調査し た。国内については、特に官の取り組みという観点でまとめた。研究、開発、設計、製造段階で活用 できるCAE
およびその連携技術については、3章で扱う。4
章では、学問及び産業分野におけるシミュレーション技術の適用について、大学の有識者及び企 業へのヒアリング調査結果をまとめた。5
章ではヒアリング結果の分析を行い、そこから導かれるシ ミュレーションの適用と有効性、シミュレーションを利用するための種々の条件について考察した。さらに、6章でシミュレーション技術の将来象を提示し、7章で検討結果をまとめ示す。
2−1.HPCを用いたシミュレーション技術:国内の取り組み
シミュレーション技術は、計算を実行するハードと計算を実現するソフトの両方が無ければ成り立 たない。国内のシミュレーション技術は、ハードとソフトの両方共に官主導のプロジェクトとして取 り組まれ育まれてきた。特に、高度なシミュレーション技術に関する国内の取り組みは、近年まで官 による取り組みが主であった。
国内の取り組みは、経済産業省と文部科学省の取り組みに大別される、経済産業省の取り組みは、
その時点で最先端もしくは最先端を超えた技術に取り組んできていることが特徴と考えられ、海外か らの注目も集めてきた。第五世代コンピュータなどの取り組みが先進的過ぎたためか、所定の成果が 上げられたと評価されているが、その成果が産業界に与えた影響は大きいとは言い難いと言われてい る。このため、外部から厳しい評価が為されることもあったが、「人材育成」と「技術の涵養」の両 面で大きな成果を上げてきた。
文部科学省の取り組みは、大学や研究機関を中心としたもので、現実の用途を決めた上でハード、
ソフト両面から取り組み、世界的かつ具体的な成果を上げている。例えば、シミュレーションを実行 する
HPC
の成功例として、数値風洞(1993年1
月に稼働。1993
年から1995
年の間、世界一を記録、その後も
1997
年11
月まで3
位にとどまる)や地球シミュレータ(2002年6
月〜2004年11
月まで世 界一)がある。HPCが、TOP500 Supercomputer Sites(http://www.top500.org/)において世界最高速を 記録するだけでなく、シミュレーションによる成果でも大きな評価を受けている。さらに、文部科学省に関わる研究機関に導入された
HPC
は、研究や教育のためだけでなく産業用 途にも利用できる体制が整えられ、成果をあげつつある。本項では、国内のシミュレーション技術に関連した取り組みについて、その目的、結果として何を 何が出来るか、どのような成果をあげたかを、機械工業と関わりが深い機械構造設計への影響を踏ま えながら概観する。
2−1−1.第5世代コンピュータ
第
5
世代コンピュータは、通商産業省(現経済産業省)が1982
年に開始し1992
年完了した国家プ ロジェクトの開発目標である。プロジェクトの目的は、① 述語論理による推論を高速実行する並列 推論マシンとそのオペレーティングシステムを構築する、② 自然言語処理と並列推論マシンによっ て高度な人工知能が出来上がり、エキスパートシステムとして人間の手助けとなるようなシステムを 構築することであった1)2)。技術目標は、「知識情報処理を指向した新しいコンピュータ技術の研究開発」であり、技術目標に 含まれる多くの要素技術の実証・評価を行う必要性から、並列推論型コンピュータのプロトタイプ・
システムの試作にその中心を置き、当時の世界最高速かつ最大規模の並列推論型コンピュータを、知 識情報処理指向のコンピュータとして要素技術の実証・評価用に試作した。
推進母体として財団法人新世代コンピュータ技術開発機構 (ICOT)を設立、ICOTは
1998
年解散し たが、研究などは先端情報技術研究所(AITEC)に引き継がれた。さらにAICOT
が2003
年3
月廃止 した後は、財団法人 日本情報処理開発協会 JIPDEC 調査部の先端技術調査・普及グループ(AITRG) に研究が引き継がれ2006
年3
月末で終了した。
外部の否定的な評価2)(一般市場向けの応用がなかったため、プロジェクトの成果が受け入れられ なかったなど)もあるが、21 世紀のコンピュータ技術全般の基礎となりうる並列推論技術を実証的 に確立した1)。また、ICOTは、当時の第
5
世代を含む先端的コンピュータの技術動向、適用分野、波及効果について調査研究を行い、日本機械工業連合会に報告を行っている。現在を予見した
CT
な どの医療分野やCAD
などへのコンピュータの適用についてまで幅広い範囲の調査がなされており、現在に影響する先進的な研究がなされていたことが判る。
現在、並列推論システムの成果を一般のコンピュータに移植して公開している1)2) 。具体例として、
第五世代コンピュータプロジェクトで開発された並列ソフトウェアの記述言語
KLI
を逐次型及び並 列型UNIX
マシン上に移植した、「KLIの汎用マシン用処理系KLIC」がある。KLIC
は、現在、ボラ ンティアの学術目的の任意団体「KLIC協会」により、改良・拡張が継続されている3)。【参考文献】
1) 第五世代コンピュータ プロジェクト アーカイブ:
http://www.jipdec.or.jp/icot/ARCHIVE/HomePage-J.html
無償ソフトウェア、最終評価報告書など多数の資料がある。
2) コンピュータ博物館中の該当記事、個人のBLOGなど http://museum.ipsj.or.jp/computer/other/0002.html
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/1a529720d99d05f354e96d4b82a1b331 3) KLIC 協会 KL1 の処理系 KLIC の普及を目的とした団体
http://www.klic.org/index.ja.html 注意)最終更新2001年09月15日
2−1−2.航空宇宙技術研究所の数値シミュレータ計画
スパコンを導入して、計算流体力学に代表される数値シミュレーション技術を発展させ、理論、実 験と並ぶ新たな道具を獲得し、航空機、宇宙機の開発に関する国際競争力強化を目指した計画である。
1987
年に実現した第1期数値シミュレータNSI
では、三次元翼の粘性解析や全機形態の非粘性解 析が可能となった。富士通製のVP400
が中核マシンであり、1GFLOPS
(Giga Floating-Point OperationsPer Second)の演算性能を持っていた。第 2
期数値シミュレータNSII
は、1993
年の「数値風洞(NWT:Numerical Wind Tunnel)」の導入により始動し、本格的な並列シミュレーションが可能になった。数
値風洞(NWT)は、実効性能でNSI
のVP400
の100
倍以上というのをターゲットに開発された。こ のためにベクトル型スパコンをクロスバ・スイッチで結合する分散主記憶型並列ベクトル計算機とい うアーキテクチャが採用された。本項では数値風洞(NWT)について概観する。図2-1-1
に航空宇宙 研究所における数値シミュレータの変遷を示す。図 2-1-1.航空宇宙技術研究所 数値シミュレータの変遷
(出典:http://www.isas.ac.jp/docs/PLAINnews/114_contents/114_1.html)
数値風洞(NWT)は、他の実験用の風洞に対して固有名詞として「数値風洞」と呼ばれた。航空 宇宙技術研究所の故三好甫部長がリーダシップをとって富士通と開発した計算機であり、1993年
11
月から1996
年6
月の間(1994年06
月から1994
年11
月の間は世界2
位)、世界1
を記録した。100 万格子点規模の粘性流計算を10
分程度で行うことを可能としていたが、その計算能力も導入後3
年 目以降には稼働率90%という状態が続き、航空宇宙における計算需要を十分に満たせなくなった
1)。 このため、2002年10
月に新たなスパコンに置き換えられ、航空宇宙技術研究所の共用計算機システ ム群は、「数値シミュレータIII」となった
2)。現在では、航空宇宙技術研究所を引き継いだ宇宙航空 研究開発機構(JAXA)で他のスパコンと統合運用3)されている。数値風洞(NWT)は、スーパーコンピュータ・トップ
500
ランキングにおいて日本初の世界一を90
年代中盤から後半にかけての日本における計算流体力学(Computational Fluid Dynamics : CFD)の 研究開発活動をリードし、粘性解析を定着させるなどの様々な成果を上げた。NWTを利用した主な 成果は、数値風洞成果報告書としてまとめられている。数値風洞(NWT)の特徴について、航空宇宙技術研究所の山本稀義氏は、「ながれ
21
(2002)p.429
〜p.436」でまとめている。数値風洞によるシミュレーション(CFD)と風洞実験の違いを下記に引 用する。
5)空気、水等作動流体の変更が容易である。
6)インターネットによる遠方からのアクセスが容易である。したがって、必ずしも数値風洞と距離 的に近くに居る必要がない。
7)数値データに計算誤差を含む。これは方程式の数理モデルや計算の数値誤差等によってもたらさ れるが、その結果、物理の本質と異なる結果を与える場合がある。
4)超高温、超高圧、超高速、超大規模、超真空等風洞実験が不可能な現象についてもシミュレーシ ョンが可能である。
1)流れのグローバルな数値データが得られる。これを用いて、流れの3 次元的な数値解析が可能と
なる。
2)シミュレーションのターンアラウンドが速い。したがって、パラメトリックな試験に適している。
3)省資源、省エネルギー、省労力型の装置である。最も、最近の並列計算機では多数の要素計算機 を並べるので空間的に大型な装置になる場合がある。また、その台数に比例して電力消費量も増 加する。
数値風洞によるシミュレーションを風洞実験と比較した場合に次の様な特徴がある。
上記の特性から、CFD は、航空機・自動車・鉄道車両・船舶等の流体中を移動する機械および建 築物の設計をするにあたって風洞実験に並ぶ重要な存在となっており、機械構造設計の重要な
TOOL
の一つとなっている。数値風洞は、日本におけるCFD
の研究開発をリードすることにより、CFDの 適用範囲を広げ、機械構造設計への適用を牽引したと考えられる。【参考文献】
1) PLAIN Center news:http://www.isas.ac.jp/docs/PLAINnews/114_contents/114_1.html 2) Wikiペディア:http://ja.wikipedia.org/wiki/NSシステム
3) スーパーコンピュータの統合:http://stage.tksc.jaxa.jp/jxithp/infrastructure/02.html 4) 山本稀義:ながれ, Vol.21, p.429〜p.436, (2002)
2−1−3.Real World Computing
RWC(Real World Computing)プロジェクト
は、21
世紀において必要とされる新しい情報処理技術を開発するため、経済産業省によって
1992
年にスタートし2002
年3
月に終了した研究開発プロジ ェクトである。内外の企業・研究機関が組合員として参加する技術研究組合 新情報処理開発機構(RWCP)及び 独立行政法人 産業技術総合研究所 によって実施された1)。
RWC
プロジェクトの研究分野は、(1)
実世界知能技術、(2) 並列分散コンピューティング技術
の 開発であった。(1) 実世界知能技術
実世界知能技術は、実世界の情報をそのままの形で受け取り、環境や状況を認識または推測し、自 律的に応答することができる情報統合・学習型情報処理能力(実世界知能)の基盤技術の開発である。
実世界知能技術分野の概要を図
2-1-2
に示す。図 2-1-2.実世界知能技術分野
(出典:RWCPメモリアム1))
実世界知能技術の具体的な成果として、自律移動ロボット、筋電制御義手、マルチモーダル対話シ ステム(カメラ・マイク・音声合成を利用したエージェント)、ウェアラブルビジョンシステム(見 ている画像を認識して情報を表示する)、オフィス案内ロボットなどが実用化された。
《情報統合》
RWC
プロジェクト研究者が中心となって人工知能学会に「情報統合研究会」が設置され、この 方面の研究者にも大きなインパクトを与えた。情報統合を明白に取り上げた研究会・学会は世界 でも例を見ない。具体的な成果例の一部を下記に記す。① 手指のみならず頭部の動きなども加えて、総合的な判断をする手話認識システムの開発
② 対話・視覚情報などを総合的に扱う事情通ロボットの開発
③ 視覚と聴覚情報を同時処理時に活動する脳部位の解明
(2) 並列分散コンピューティング技術
並列分散コンピューティング技術は、分散システム上に存在する異機種の計算資源を動的に再構成 し、最適な並列処理能力を提供する次世代並列分散処理環境( シームレス並列分散コンピューティ ング環境 )の実現のための技術開発であった。並列分散コンピューティング技術分野の概要を図
2-1-3
に示す。図 2-1-3.並列分散コンピューティング技術分野
(出典:RWCPメモリアム1))
並列分散コンピューティング技術により、 下記の実現を目指した。
① 安価で高性能なパソコンと高速光ネットワークによるスーパーコンピューティング
② 大量情報に対する高性能のネットワークサーバ このために、下記の開発を行い、実証を行った。
① ソフトウェア上の核となるグローバル
OS(SCore)
② 並列コンパイラ(Omni OpenMP)
③ 低遅延高速通信機構
RHiNET
並列分散コンピューティング技術の成果として、代表的なものは、Linux用クラスタ計算機用超並 列プログラム実行環境
Score
を開発したことである。その他の成果として、RHiNET(シームレス並 列分散コンピューティング)、長波長半導体レーザ、連成シミュレーション開発支援ツール(大規模 シミュレーションに応用可能)などがある。《プロジェクトの評価》
経済産業省によるプロジェクト最終評価で、「本プロジェクトは、ほぼ適切に実施され、その研究 成果として世界的にも評価される研究成果が得られたことから、研究開発プロジェクトとして、総じ て成功を収めたと総括する。」 という評価を得ている。
《プロジェクト終了後の動き》
Score
は、PCクラスタコンソーシアム(PCCC)2)が活動を引き継いでおり、2009年12
月10
日時 点で、SCore7 Beta4までVersionUP
されている。また、多くのPC-Linux
系のクラスタに使用されて おり、メーカによってはScore
使用のための支援を受けることも可能である4)。また、現在、グリッドコンピューティングを構成するためのミドルウェアとして事実上の標準にな りつつある
Globus
ツールキット2.0
仕様には、RWCPで開発された並列分散コンピューティング技 術からの派生であるシームレス設計技術も盛り込まれている5)。《機械構造設計への影響》
RWC
プロジェクトの機械工業への貢献として情報統合を活かしたロボット技術がある。機械構造 設計については、PC クラスタ用ミドルウェアScore
が非常に役立っている。前述したが、Scoreは、使用するための支援をメーカから受けることが可能であるという他のミドルウェアにない利点があ る。
【参考文献】
1) RWCPメモリアム:http://keima.la.coocan.jp/rwcp/
次世代情報処理基盤技術開発(RWC-RWI/PDC)事業の概要
http://keima.la.coocan.jp/rwcp/10years/10-2/docs/chapter007/3para/09/p02.html 2) PCクラスタコンソーシアム(PCCC):http://www.pccluster.org/
経済産業省リアルワールドコンピューティングプロジェクトを推進した技術研究組合 新情報処理開 発機構(RWPC)が開発したSCoreクラスタシステムソフトウェアおよびOmni OpenMPコンパイラを 中核としたPCクラスタシステムソフトウェアの開発、発展、普及を通して、PCクラスタ市場育成に 貢献することを目的として、2001年10月4日に発足した。
3) コンピュータ博物館 ライブラリ :http://museum.ipsj.or.jp/guide/
学会誌に掲載されたコンピュータシステムの歴史に関する解説記事や論文をまとめたもの 4) NEC PCクラスタの関連ソフトページ:http://www.nec.co.jp/hpc/pccluster/score.html
5) Globus:http://ja.wikipedia.org/wiki/Globus
2−1−4.CP−PACS
1992
年度の文部省の「学術の新たな展開の為のプログラム」の実施テーマの1
つとして採択された
CP−PACS
計画に基づき、文部省科学研究費補助金を受け1995
年度までの5
年間にわたり筑波大学が日立製作所の協力を得て開発した。
CP−PACS
の目的は、計算物理学に適した超並列計算機を開発製作し、それを用いて素粒子物理学、物性物理学、宇宙物理学分野における数値的 研究の推進を図り、またこれら計算物理学分野との学 際的連携を念頭におきつつ、並列計算機工学の一層の発展を目指すことであった。
1996
年9
月にLinpack
ベンチマークで368.2
ギガFLOPS
を記録し、1996 年11
月のTOP500 Supercomputer Sites
において、世界一を記録した。日立製作所は、CP-PACS での共同開発の技術をもとに、分散メモリ型超並列スーパーコンピュー
タ
SR2201
を1996
年に開発し、商用としてRWCP、東京大学等に販売した。CP−PACS
の位置づけと並列計算機の能力の進化を図
2-1-4
に示す。図 2-1-4.並列計算機の発達と CP-PACS(1996 年 10 月)
(出典:CP−PACS
http://www.ccs.tsukuba.ac.jp/cppacs/cppacs-j.html
)CP−PACS
は1996
年10
月より筑波大学計算物理学研究センター(現計算科学研究センター)において運用が開始され、以降
8
年間にわたって稼動し2005
年9
月に運転を終了した。この間、
CP−PACS
を用いて素粒子物理学、物性物理学、宇宙物理学分野における数値的研究などにおいて世界的な業績を上げた3)。
CP-PACS
の開発には、産学連携(スパコンベンダーと研究者)の成功例4)と評価されている。さらに、計算科学研究者のニーズとして
② 計算の質的な向上
を予想4)、商用スパコンの開発に寄与するなど、人材育成を含めて機械構造設計への寄与は非常に大 きかったと考えられる。
【参考文献】
1)CP-PACS計画:http://www.ccs.tsukuba.ac.jp/ccp-j/cp-pacs.html 筑波大学 計算物理学研究センター
2)コンピュータ博物館CP-PACS:http://museum.ipsj.or.jp/computer/super/0021.html
3) CP−PACS 成果例(専用並列計算機による「場の物理」の研究):
http://www.ccs.tsukuba.ac.jp/cppacs/file/report97.pdf
4) CP-PACSとこれからの大規模科学技術計算システムの展望
http://www.rccp.tsukuba.ac.jp/kenkyukai/ccp-sympo02/pdf/taisuke.pdf
2−1−5.地球シミュレータ
地球変動予測研究のために、科学技術庁(現 文部科学省)が
1998
年から600
億円を投じて開発を 開始したHPC
を中心とした取り組みである。2000
年3
月に製作が開始され、2002
年2
月に完成、2002
年3
月15
日に運用を開始した。2007
年からは産業界による成果専有型の有償利用も可能となってい る。2009年3
月に新システムへの更新を完了し、2009年4
月から新システムの本格運用を開始して いる。本項では、主として旧システムについて述べる。(1)地球シミュレータの能力
地球シミュレータは、
2002
年6
月にLINPACK
ベンチマークで実効性能35.86TFLOPS
を記録し、2000
年11
月のTOP500 Supercomputer Sites
で第2
位の IBM ASCI White に5
倍の差をつけてトッ プを獲得した。2004
年11
月に IBM Blue Gene に首位を明け渡すまで、5
期連続でトップを維持し た。さらに、2002年、2003年、2004年にゴードン・ベル賞を受けており、シミュレーションの分 野でも目覚ましい成果を上げた。図2-1-5
に当時の地球シミュレータの性能の位置づけを示す。図 2-1-5.2005 年当時の地球シミュレータの性能の位置づけ
(出典:地球シミュレータセンター1))
地球シミュレータは、当時世界最高速であった米国製スーパーコンピュータの
5
倍近い性能を達 成し、米国に非常に大きな衝撃を与えた。米Tennessee
大のJadkDongarra
教授は、NewYorkTimes 誌において、かつて世界初の人工衛星打ち上げをソ連のスプートニクに先んじられたことになぞら え、地球シミュレータの出現を「コンビュートニク」と呼んだと言われている。地球シミュレータの大きな目的は地球変動予測研究であるが、身近な目的の一つとして、天気予報
の状態を物理法則の方程式に入れて、将来の大気の状態を計算するものである。気象庁が現在用いて いる数値予報モデルでは、大気の状態は
3
次元の格子網における気温、気圧、風、水蒸気圧で表現される2)。表
2-1-1
に示すように、地球シミュレータにより、前述した3
次元格子網の格子間隔を一気に1/10以下にした計算が可能になった。
表 2-1-1.地球シミュレータにより可能になった格子間隔
(出典:地球シミュレータセンター1))
地球シミュレータ用に開発された全球大気大循環モデル
AFES(AGCM For Earth Simulator)を用いて
可能となったT1279L96(赤道上格子点間隔 10.4km、鉛直 96
層)の超高解像度全球大気シミュレーシ ョンにより、かなり細部まで表現された高低気圧や前線、台風といった個々のメソスケールの現象を 全球シミュレーションの中で見られるようになったと言われている。図2-1-6
に、地球シミュレータ による格子間隔T1279L24(赤道上格子点間隔 10.4km、鉛直 24
層)での大気シミュレーションの結果(冬の降水量分布のシミュレーション)を示す。
従来の格子間隔
T42L24(赤道上格子点間隔 312km、鉛直 96
層)のシミュレーション結果を図2-1-7
に示す。格子点間隔10.4km
のほうが、かなり細部までシミュレートできていることは明らかである。図 2-1-7.格子間隔 T42L24 での大気シミュレーションの結果
(出典:地球シミュレータセンター3))
(2)地球シミュレータによる他の成果と産業利用の取り組み
地球シミュレータは、先進分野の数々のプロジェクトで使用されており、その成果を研究成果リ ポジトリ4)で公開している。産業界利用5)についても、
2004
年度に自動車産業、航空宇宙産業等との 共同研究が開始され成果公開を前提とした利用が行われてきた。さらに、2007年6
月より以下のサ ービスを開始している。① 地球シミュレータ用ソフトウェアの利用
地球シミュレータ向けにチューニングされているシミュレーションソフトウェアのうち、既に 成果専有型有償利用の実績があり、今後も利用が見込まれる FrontFlow/red(次世代流体解析ソ フトウェア)と
PHASE(第一原理シミュレータ)の2本が利用できる。他にも有用なソフトウ
ェアがあれば利用者のニーズに応じて検討する。→PHASEは物質中の電子状態を密度汎関数理論に基づいて計算するソフトで、半導体や金属材
② 地球シミュレータ有償利用の常時受付
成果専有と利用資源に応じた費用負担を前提とする利用申し込みを常時受け付ける。費用負担 金は利用したノード数と利用時間の積で決まり、原則1ノード・時間当たり
3,947
円である。※ ノード・時間: ノード時間積(ノード数 × 経過時間)
③ 事前評価(Trial Use)制度の新設
プログラムを地球シミュレータで動作させる移植作業や、効率的に動作させるチューニング作 業のために「事前評価(Trial Use)」制度を新設している。この事前評価で利用できる計算資源(ノ ード・時間)は、原則として予定している利用ノード・時間の10%を限度とし、その間の利用 経費は無償としている。ただし、事前評価は独立行政法人海洋研究開発機構の技術支援の下で、
共同で実施することになっている。
(3)HPC によるシミュレーションに伴う問題
計算機の大型化、数値シミュレーションの大規模化に伴い、出力される数値データもまたそ のデータサイズ、ファイル数ともに桁外れに大きくなってきている。さらに、解像度の飛躍的 な向上によって数値データから抽出される現象、特徴の情報もまた複雑化の一途を辿っている。
そのため、いかに高速にデータを処理し、かつ効率的に解析作業を実施できるかは、現在危急 の課題である。
来るべきペタスケールコンピューティングの時代にはますますその重要性に注目が集まると 地球シミュレータセンターは高度計算表現法研究グループの研究員を募集要項の中で説明して いる。
地球シミュレータでは、現実に下記の問題が顕在化し対応を行っている。
① 大規模データ処理の問題7)
地球シミュレータによる大気大循環モデル (AFES)を利用し格子間隔
T1279L96(水平解像度
が赤道上で 10 km、鉛直は96
層で地表付近は約 20 m 間隔、対流圏中層から成層圏下層まで は約 500 m 間隔)の超高解像度シミュレーションを行った場合、3 次元変数の1
スナップシ ョットは格子点数にして約7
億点ある。このため、データ量は単精度でも2.63GB
になる。あ る台風が、発生してから発達し日本列島に上陸して衰退するまでの期間について解析のために 必要なデータを全球でとると、データ量は総数19
個の変数を3
時間毎または6
時間毎の出力 で1
日あたり201GB、積分期間 16
日間では3TB
を越える。② 計算結果の可視化
①のようなシミュレーションでは、さらに、出力データの処理、データの移動や可視化も問 題となる。データの移動が困難である上、
2GB
を越えるファイルサイズに対応する可視化ソフ トがある環境以外での可視化は不可能である。また、出力ファイルから領域切り出しや座標系(4)現在の地球シミュレータ
本項の最初に述べたが、地球シミュレータは
2009
年4
月から新システムに切り替えられている。新システムは、旧システムと同じベクトル型
HPC
であり、表2-1-2
に示すように、2009年11
月時点で
TOP500
位内唯一のベクトル型HPC
である。
表 2-1-2.Top 500 スーパーコンピュータ (2009.11)
(出所:TOP500 Supercomputer Sites)
表
2-1-3
に旧システムと現在の新システム(新地球シミュレータ)との比較を示す。演算性能は3.2
倍に向上しているが、
Top500
における順位は下がっており2009
年11
月段階のTOP500 Supercomputer Sites
において世界31
位であった。表 2-1-3.新旧地球シミュレータの比較
(出所:地球シミュレーションセンター6))
(5)新地球シミュレータ(最新の受賞)
新地球シミュレータは、
2009
年のHPC
チャレンジアワード クラス1
の性能測定4
指標のうち2
指標−EP STREAM(Triad) per system(多重負荷時のメモリアクセス速度)で173TB/s
を記録し第3
位を受賞、Global FFT(高速フーリエ変換の総合性能)で 6.942TFLOPS
を記録し第3
位を受賞し た。HPC
チャレンジアワードは、科学技術計算で多用される計算パターンから抽出した4
つの重要 な指標を対象としている。このため、本受賞は、応用シミュレーションに対する地球シミュレータ(6)機械構造計算での活用
表
2-1-4
に、地球シミュレータの産業利用実績例を示す(詳細は添付資料1参照)。スパコンの産業利用という形で色々なシミュレーションが活用されつつある。すなわち、スパコンの波及効果 として機械構造設計で評価する領域が広がり、複雑な現象に対応できるようになり、評価精度が向 上している。
表 2-1-4.地球シミュレータの産業利用実績例
(出所:地球シミュレーションセンター6))
表中にある文部科学省関連の「先端大型研究施設戦略活用プログラム」の中には、下記の機械工 業に関係のある下記の取り組みが含まれている。
・新幹線車両の空力騒音シミュレーション(JR東日本)
・
CO2
排出ミニマムを目指した実高炉内の四相(固気液粉)流れの大規模シミュレーション(新 日本製鉄)【参考文献】
1) 地球シミュレータ:http://www.ccs.tsukuba.ac.jp/kenkyukai/ccp-sympo02/pdf/yokokawa.pdf 2) 「高度化する気象予測シミュレーション」, 竹内義明, システム/制御/情報, Vol.48, No.7, pp.261
3) JEITA 教材 究極の技術への挑戦スーパーコンピュータNEC:
http://www.mtl.t.u-tokyo.ac.jp/~sakai/toku1/JEITA020610.pdf 4) 地球シミュレータ 研究成果リポジトリ:
https://www.jamstec.go.jp/es-repository/portal/jp/index.html
5) 地球シミュレータ 有償利用:http://www.jamstec.go.jp/es/jp/senyu/index.html 6) 8年目を迎えた地球シミュレータ:http://www.itbl.jp/rikatsu/file/event03_03.pdf 7) 大規模データ入出力機能:http://geofem.tokyo.rist.or.jp/FinalReport/2-III.pdf
8) 大気大循環モデル(AFES)を用いた地球シミュレータ上での全球大気高解像度実験における大規模データの処理:
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jepsjmo/cd-rom/2003cd-rom/pdf/j031/j031-002.pdf
9) 新地球シミュレータ 受賞:http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/award/20091201.html
参考 地球シミュレータの利用状況と実効性能 (情報管理. Vol. 48, No. 5, (2005), 268−275 .):
2−1−6.NAREGI
1)
NAREGI(ナレギ:National Research Grid Initiative)とは、NII(国立情報学研究所)が推進する最先
端学術情報基盤(CSI:Cyber Science Infrastructure)整備の一つとして、文部科学省の委託研究とし て2003
年度に開始され2008
年3
月に終了した産官学の連携プロジェクトである。大学・研究機関のスーパーコンピュータを連携させた最先端研究教育用大規模計算環境(サイエン スグリッド)を実現することを目的として、グリッド技術を使ったグリッドミドルウェアを研究開発 するプロジェクト「超高速コンピュータ網形成プロジェクト」としてスタートした。現在、NII は
NAREGI
ミドルウェアの学術コミュニティへの展開を進めている。研究開発成果を表
2-1-5
に示す。国内の研究機関を中心に実用されている。表 2-1-5.研究開発成果
(出典:文部科学省資料2))
成果の一つであるグリッドミドルウェア
NAREGI(NAREGI
ミドルウェア)は、 2006年5
月にβ 版が公開され、2008年5
月には Ver.1.0、同10
月にはVer.1.1
が公開され、同9
月にVer.1.1.4
となっ ている。2010年2
月12
日段階でVer.1.1.4
用のPatch_013
が公開されている。また、
2008
年3
月には、100Tflops
級のグリッド環境を構築できることをNAREGI
ミドルウェアの実証実験により確認している。なお、この実証実験は、
NAREGI
プロジェクトを共に推進してきた分 子科学研究所や、複数の大学・研究機関と共同で行われた。表
2-1-6
にNAREGI
ミドルウェア1.0
の機能 2)3)を記す。NAREGIミドルウェアは前述の様に機能 向上が続けられているだけでなく、導入・展開に当たって、NIIによる様々な支援(利用支援、ヘル プデスクなど)4)が行われている。表 2-1-6.NAREGI ミドルウェア Ver.1.0 の機能
(出典:文部科学省資料2))
このように、NIIでは、ソフトウェアメンテナンスやユーザサポートを継続し、グリッド基盤の構 築に努めている。
NAREGI
は、世界標準による実運用に耐えうるグリッドシステムの構築を目指して 進められているプロジェクトであり、「Super SINET」を活用したプロジェクトである。《機械構造設計への影響》
将来的な意味は大きい。大学や研究機関の連携によるシミュレーションに関する研究や教育への 寄与により、機械構造設計の進歩を目指すという位置付けになる。
【参考文献】
1) NAREGI
サイト:http://www.naregi.org/ヘルプデスク等のコンテンツや
NAREGI
ミドルウェア公開サイトへのリンクがある。2)
事後評価資料 情報科学技術委員会事後評価委員会(文部科学省資料)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu2/006/shiryo/08052111/005.pdf 3) NAREGI
ミドルウェアの機能国立情報学研究所報道発表
08_03-1:http://www.nii.ac.jp/kouhou/NIIPress08_03-1.pdf
改訂情報など:http://middleware.naregi.org/Download/Docs/ReleaseNotes-j.txt4) NAREGI
ミドルウェアの展開http://www.naregi.org/papers/data/symp08_slide_06.pdf
2−1−7.TSUBAME
1)東京工業大学の
TSUBAME
は、「みんなのスパコン」として、既存のスーパーコンピュータシステ ムでは実施不可能な規模の計算を可能とするとともに、学内外のすそ野の広いユーザ層をとりこみ、将来のシミュレーション科学に携わる人間を養成するため、多くのユーザにとって簡便なスパコン環 境や他のサービスを提供することを目標として導入された。
東京工業大学・学術国際情報センターにおける
2002
年からのTitech Campus Grid
2)のクラスタ・グ リッドに関する研究開発及び運用経験をふまえ、いかにコストパフォーマンスを革新的に上げるか、全学のメンバーに対して情報システムとしての利得をもたらして幅広い学内支持を得るか、外部連携 との礎となって社会貢献するとともに東工大に外部資金などをもたらすか、などの従来にない複数の 目標を掲げ、それを満たすマシンとしての姿が仕様が決定され、2005年
10
月にNEC、サン・マイク
ロシステムズなどによる企業連合が落札し、2006年3
月から4
年の運用契約で導入された。HPC
としての性能は、Linpack ベンチマークで38.18TFLOPS
を達成し、2006 年6
月のTOP500 Supercomputer Sites
において、7位にランクインした。以降2008
年11
月まで日本国内のシステムに おいて最上位を占めた。2009年6
月現在87.01TFLOPS
を記録し、全体では41
位、日本国内では新 システムに更新した地球シミュレータらに次いで4
番手のスーパーコンピュータである。主たる用途として、電磁流体ダイナモの計算による地磁気変動の将来予測、計算化学による生体物 質の構造機能予測解析、タンパク質の折り畳み問題へのバイオインフォマティクス手法の応用、災 害・防災・安全シミュレーション、ナノサイエンス分野におけるカーボンナノチューブのシミュレー ション、といったさまざまな分野の研究プロジェクトにおける複雑な問題の解決への活用である。ま た、NAREGIミドルウェアを通じた活用3)の一環として、
・TSUBAMEをサポートする
GridVM
・VO課金システムの開発
・NAREGIミドルウェアを利用する
HPC
以外のアプリケーションの開発 等が試みられた。TSUBAME
は、進化するHPC
と言う側面を持つ。図2-1-8
にTSUBAME
のペタフロップ以上の演算能力を目指している方向を示す。2008 年に
NVIDIA Tesla S1070
を170
台(680 カード)導入し、TSUBAME1.2
(GPUスパコン)へとバージョンアップが図られ、2010
年3
月導入予定のTSUBAME2.0
へと研究開発が進行中である。TSUBAME 2.0は、TSUBAME1.2のような拡張ではなく、設計の初期 段階よりGPU
の使用を想定しているため、よりGPU
を活用したシステムとなるとしている4)。具体 的なバージョンアップの内容は下記のとおりである5)。① GPU型アクセラレータによる
1
ペタフロップ以上の演算性能の確保と、TSUBAME1
からのコ モディティHPC
環境との連続性の確保②「グリーンスパコン」として、冷却系を含む数々の省エネ設計および運用による
TSUBAME1
と同レベルのエネルギー消費量の維持③「クラウド型スパコン」として、Linux および
Windows HPC
という二つ以上のOS
の選択肢を想化機構
図 2-1-8.TSUBAME Upgrades Towards Petaflops
(出典:TSUBAMEへ至るクラスタコンピューティングの道4))
《機械構造設計への影響》
産業利用6)(詳細は添付資料2参照)を通じて、機械構造設計に寄与している。例として、平成
21
年度の「NuFD/FrontFlow Redの評価」(株式会社数値フローデザイン)は、機器の開発・設計に おける複雑系の問題(燃焼流、混相流および車両、ターボ機械・建築構造など)の数値予測の実用 化を目指している。【参考文献】
1) スーパーコンピューティングキャンパスグリッド基盤システムについて:
http://www.gsic.titech.ac.jp/~ccwww/Announce/TSUBAME.html 2) 東工大キャンパスグリッドプロジェクト:
2003年 http://www.gsic.titech.ac.jp/TITechGrid/titech-grid-030613.pdf
3) TSUBAME Grid Cluster とNAREGIミドルウェア(NAREGIシンポジウム2007資料):
http://www.naregi.org/papers/data/07_symp_06.pdf
4) TSUBAMEへ至るクラスタコンピューティングの道:
http://matsu-www.is.titech.ac.jp/matsulab-blog/stuff/TSUBAME307881f3308b30af30e930b930bf30b330f330e530fc 30c630a330f3306e9053-77ed7e2e.pdf
5) GPUアクセラレートされたTSUBAME1.2の概要:
http://www.gsic.titech.ac.jp/~ccwww/tebiki/misc/TSUBAME1.2-center-seminar-20081224-1.pdf 6) TSUBAME共同利用:http://www.gsic.titech.ac.jp/kyodou/kyodou_saitaku.html
2−1−8.T2Kスパコン
T2K
は筑波大学、東京大学、京都大学と北から所在地順に頭文字を取ったもので、この3
大学が 共同で、調達すべきスパコンの仕様を決定したのでこのような命名になっている。相互接続されてい るような印象を与えるが、実際には各大学内のキャンパスネットワーク上に構築されているため、別々のコンピュータとして稼動している。
これは、3 大学共通仕様という購買パワーを活かすため、専用部品を用いた
HPC
ではなく、出来 るだけ汎用の部品を用いたHPC
を調達しようとする取り組みである。ハードウェアは市販品のCPU、
市販品のネットワーク、OSや通信ライブラリも標準品を使い、浮動小数点演算だけでなく、大規模 整数問題を実行するユーザも含めてオープンに広い範囲のユーザに使ってもらうというオープンポ リシーのもとに、以下に示す仕様を策定した。
・計算ノードあたりの性能が
145GFlops
以上のマルチソケットx86
アーキテクチャ・計算ノードあたり
5GB/s
以上のマルチリンクネットワーク・計算ノードあたり
32GB
以上のメインメモリ・計算ノードあたり
130GB
以上のローカルディスク・計算ノードあたり
40GB/s
以上のメモリバンド幅・OSは
Linux、コンパイラは Fortran、C、C++、通信は MPI
3
大学のT2K
システムの諸元を表2-1-7
に示す。基本仕様は同じであるが、大学毎に要求される仕 様が異なるため、諸元に違いがある。
表 2-1-7.T2K システムの諸元
筑波大学 東京大学 京都大学
ノードマシン Appro XtreamServer-X3 日立 HA8000-tc/RS425 富士通 HX600
ノード CPU 2.3GHz 4 コア Opteron ×4 個
ノード数 648 952 416
ピーク Flops 95.4TFlops 140TFlops 61.2TFlops LINPACK 性能 ? 82.9842TFlops
(768 ノードで測定) 50.5TFlops
総メモリ量 20TB 31TB 13TB
インタコネクト IB 8GB/s ×2 Myri 10G 5GB/s×2 (A 群)
2.5GB/s×2 (B 群) IB 8GB/s×2 BiSection BW 5.2TB/s 2.5TB/s(512 A 群) 3.3TB/s
ファイル 800TB 1PB 883TB
その他 5.7TFlops SE M9000
3
大学が共通仕様で調達したシステムであるので、ソフトウェアの動作互換性は非常に高いことが 特色である。このため、3 大学のT2K
スパコンをグリッドで接続して連係動作を行わせること試みやプログラム高度化支援などを
3
大学が共同で推進していくことになっている1)。グリッド基盤シス テムの基本仕様としてGlobus2.0
が策定されたこともT2K
が構築された要因の一つと言われている1)。
《機械構造設計への影響》
T2K
スパコンが機械構造設計に関係している取り組みとして、「先端的大規模計算シミュレーショ ンプログラム利用サービス(現在は、先端的大規模計算機利用サービス)」2)や「HPC 産業利用スク ール」3)がある。前者は、スーパーコンピュータを有する7
大学が、社会貢献の一環として、大学で 開発された応用ソフトウェアとスーパーコンピュータの民間企業への提供を行ってきたプログラム(利用詳細は、添付資料
3
参照)である。後者は、産業の現場において先端の
HPC
技術は、手の届きにくい高度な技術と考えられてい ることから、スーパーコンピューティング技術産業応用協議会(ICSCP)、東京大学生産技術研究所 革新的シミュレーション研究センター、東京大学情報基盤センター、海洋研究開発機構の四者が、産 業界において次のイノベーションの担い手となる人材を育成するために開講したものである。企業の 人間を対象としてHPC
産業利用スクールを開催し、HPC
による先端シミュレーションを用いる解析 技術者の育成を試み始めている。コースは、流体と構造からなり、どちらのコースも最も重視する事は、解析デザインである。解 析デザインとは、環境(①解析ターゲット、②ソフトウェア、③ハードウエア、④実施期間)に応じ て、解析をデザインすることで、HPC分野の解析技術者にもっとも求められる能力とされている。
現在、10 年経てばスパコンがパソコンになると予想されている。機械構造設計への直接的影響は 少ないが、将来を担う設計者の育成という面で非常に重要だと考えられる。
【参考文献】
1) マイコミジャーナル記事:
http://journal.mycom.co.jp/articles/2008/06/15/t2k/index.html 2) 先端的大規模計算シミュレーションプログラム利用サービス:
http://kyoyo.itc.u-tokyo.ac.jp/index_2008.html 先端的大規模計算機利用サービス
http://kyoyo.itc.u-tokyo.ac.jp/schedule.html
3) HPC産業利用スクール:
http://www.icscp.jp/pdf/top/top114.pdf
http://www.cc.u-tokyo.ac.jp/publication/news/VOL12/No1/201001hpc_school.pdf
2−1−9.長崎大学のGPUクラスタ
1)2)2009
年11
月にゴードン・ベル賞を受賞した長崎大学の開発したスーパーコンピュータは、大規模 なグラフィックプロセッサ(GPU )クラスタを利用している。天文学向けにはツリー法、流体計算では 高速多重極法と呼ばれる手法を実装した。これらは実用的に用いられている高速な計算手法であるが、複雑で並列化がしにくく、GPU による並列化が難しい手法であると言われていた。しかし、新しく 開発した「マルチウォーク法」により効率の良い並列化を可能とし、高い効率を得ることに成功した。
近年、GPU の
HPC
への適用が広まり、その結果としてGPU
の科学技術計算などへの応用が盛ん に行われるようになっている。しかし、GPU を大規模に並列化しても、実用的な計算手法に対して 高い実効性能が得られた例はほとんどない。今回の成果は、GPU 並列化による計算において、これ までで最速の計算性能であるとともに、GPU
を100
台規模で組み合わせることで、スーパーコンピ ュータを構築することができることを実証した。長崎大学のHPC
は、3800
万円で開発されたと言わ れている。GPU
の特徴は、安価でしかも性能あたりの消費電力が低いことである。これにより低消費電力で 安価なスーパーコンピュータの構築が可能になる3)と言われている。また、HPC
においては、GPU
の ような加速装置(アクセラレータ)の利用、メニーコアプロセッサ(大量のコアを並列にしたプロセ ッサ)の利用が、性能面ならびに消費電力面から必須になると考えられる。《機械構造設計への影響》
GPU
は、安価にスパコンを作る方法として着目されている。長崎大学の取り組みは、限定された 用途における成功例であり一般的なものではない。しかし、GPU スパコンで機械構造設計のソフト が動くようになれば、中小企業でもGPU
スパコンを導入できるだけでなく使いこなせる可能性が高 くなるので、機械の構造設計に普通にスパコンを用いるようになるかもしれない。【参考文献】
1) 理研発表:http://www.riken.go.jp/r-world/research/results/2009/090807/image/090807.pdf 2) 長崎大学工学部:http://www.nagasaki-u.ac.jp/info/news/pdf/2009/2009-11/n2009-1126-12.pdf 3) NVIDIA:http://www.nvidia.co.jp/object/personal_supercomputing_jp.html
http://www.nvi
dia.co.jp/object/tesla_bio_workbench_jp.html
2−1−10.神戸スパコン(次世代スパコン)
世界最先端・最高性能の計算機システムを目指した国家プロジェクトとして、2007 年
3
月神戸ポ ートアイランド第2
期に立地が決定し、2012
年の完成を目指して、(独)理化学研究所によって整備が
進められている。稼働後は、国内外の産学官の研究者等に幅広く開かれた共用施設として利用される 予定となっている1)。国家プロジェクトの目的は、ナショナル・リーダーシップ・スーパーコンピュータの構築、および プロジェクトを通じた計算科学・計算機科学分野の人材育成であるが、本スパコンの開発利用を通し
て、図
2-1-9
に示す広範囲な分野への貢献も期待されている。図 2-1-9.次世代スパコンの開発利用
(出典:次世代コンピュータプロジェクトとその技術課題2))
《開発目標と用途》
人体シミュレータ、人体丸ごとのシミュレーション解析といったグランドチャレンジに挑むことを 目標として、作られつつある。具体的には、OSや、グリッドミドルウェア、異機種統合ソフトとい ったベース部分に加え、ライフサイエンスとナノテクノロジーの
2
分野を設定している。ライフサイエンス分野の「次世代生命体統合シミュレーション」では、遺伝子レベルから細胞、器 官、骨格、血流など人体を丸ごとシミュレートして解析可能な基盤ソフトの開発を目指しており、テ ーラーメード医療の実現や新規創薬などを目的とし、ナノ分野の「次世代ナノ統合シミュレーション」
では、 電子・原子・分子から分子複合デバイスに至るまで、ナノ材料を丸ごと解析できる環境を実
《性能目標など》
下記の目標が挙げられている。
① LINPACK性能
10
ペタフロップスの達成のみならず、アプリケーションの実行においても世 界最高性能② 先端技術(45nm 半導体プロセス、光インターコネクトなど)により画期的な省電力、省ス ペースを実現
③ 複雑系問題、多階層問題などシミュレーションの革新を先導する計算環境を提供
④ 次々世代以降の開発と利用を見据え、我が国の国際競争力を牽引
《産業利用の取り組み》
次世代スパコンを活用した研究開発や産業利用を促進するために、財団法人計算科学振興財団が
2008
年1
月に設立された。財団では、「高度計算科学研究支援センター(仮称)」を整備し、このセ ンターを拠点に、産業利用促進に積極的に取り組むとしている3)。下記に事業内容を記す4)。機械工業各社では、次世代スパコンの利用だけでなく人材育成などにも、財団事業が利用できると 考えられる。
① 研究支援事業
支援センターにおいて貸研究室や小型スパコンを設置し、次世代スーパーコンピュータを活 用した研究へのステップアップを支援するとともに、産学官が一体となって次世代スーパー コンピュータの利活用を推進するためのネットワークを形成し、産業利用についての国等へ の提案や、研究会活動を実施する。
② 産業利用支援事業
スーパーコンピュータの利用支援を行う専門の技術支援スタッフを配置し、企業の研究者等 に対する技術相談・利用相談を実施するとともに、技術研修会等を実施する。
③ 普及啓発事業
次世代スーパーコンピュータの産業利用ニーズの掘り起こしを図るため、企業の経営者・研 究者・技術者等を対象としてセミナーを開催する。また、シミュレーションの成果や意義を 発信する展示コーナーを設け、青少年・一般を対象とする普及啓発を通して、計算科学に対 する理解増進を図る。
④ 情報収集・調査事業
次世代スーパーコンピュータの産業利用促進のための利用ニーズ及びスーパーコンピュー タを設置している大学、研究施設における産学連携事業などに関して調査研究を行う。
【参考文献】
1) 神戸市ホームページ:http://www.city.kobe.lg.jp/information/project/supercomputer/
2) 科学技術振興機構資料(次世代コンピュータプロジェクトとその技術課題): http://www.ulp.jst.go.jp/topics/pdf/Keynote.pdf
3) ひょうご経済98号:http://www.heri.or.jp/hyokei/hyokei98/98supacon.htm 4) 計算科学振興財団ホームページ:http://www.j-focus.or.jp/