1 大腸ポリープ・大腸がんと検査
化学法は非常に鋭敏で,口から肛門までの全消化管からの出血で陽性を示すという利点がある反面,
食物の肉汁中の血液や鉄剤にも反応するため,正確に検査するためには2~3日間そのようなもの を摂取しないことが必要。オルトトリジン法とグアヤック法のがある。キットの感度はオルトトリ ジン法が5.0μg/ml、グアヤック法が25.0μg/mlで発色する。化学法は便中にペルオキシダーゼが ある場合に過酸化水素存在下で基質であるグアヤックのフェノールが酸化されてキノンになり青 い発色を呈する反応を利用している。ヘモグロビンはペルオキシダーゼ活性を持っているので便中 にヘモグロビンが存在する場合は発色する。
免疫法は,感度では化学法に劣るが,ヒトのヘモグロビンのみに反応するので,消化管出血以外で
デー タ
便潜血検査の偽陰性率(見逃してしまう可能性)
進行癌 10%
早期癌 50%
便潜血検査の癌的中率(陽性の人が癌である確率)
約 3%
大腸進行癌の手術による救命率
全体で 約 6~7割 リンパ節転移の無い進行癌 約 8~9割
2
陽性に出ることは少なく,検査前の食事制限も必要ない。ただし,口から胃,十二指腸までの出血 に対しては,大量でない限りヘモグロビンが消化液によって変性を受けるため陽性にはならない。
陽性の人の約3%にがんが発見。
進行がんの人の約80%が陽性。
大腸ポリープの内視鏡像
早期がんの約50%が陽性。
大腸ポリープの85%は腫瘍性で、
5 mm 以上であれば癌化していること可能性がある。
3 大腸がん発生部位
直腸が 37.9 %、 S 状結腸が 34.3 %、上行結腸が 10.4 %、横行結腸が 7.0 %、盲腸が 5.9 %、下行 結腸が 4.5 %
壁深達度:大腸の断面をみると、内面から粘 膜層(m) 、粘膜下層( s m) 、固有筋層( mp ) 、 漿膜下層( ss )、漿膜層 (se) に分かれる。壁深 達が粘膜層までのものを m がん、粘膜下層ま でのものを sm がんといい、mがんと sm がん は早期がんに分類される。
大腸癌研究会取り扱い規約による病期分類
病期 壁深達度 リンパ節転移 遠隔転移
Stage0 mがん なし なし
StageI sm、mpがん なし なし
StageII ss、seがん なし なし
StageIIIa 他臓器浸潤 あり(n1) なし
StageIIIb あり(n2,n3) なし
StageIV あり(n4) あり
鋭敏度 ( 感度 ) ・特異度の求め方
4 感度(鋭敏度)と特異度について
1) まず下記のような 2 X 2 分割表を書く 2) 問題に書かれている数値をワクに入れ計算する
3) 上段横軸に疾患あり・なし、左側縦軸に検査陽性・陰性を決めておく
疾患あり 疾患なし 合計
検査陽性 真陽性(a) 偽陽性(b) a+b
検査陰性 偽陰性(c) 真陰性(d) c+d
合計 a+c b+d a+b+c+d
・ 鋭敏度(感度) =検査陽性/本当に病気=a/a+c ・ 特異度 =検査陰性/本当に健常=d/b+d
・ 有病率 =a+c/a+b+c+d・ 偽陰性率=c/a+c
・ 偽陽性率=b/b+d・ 陽性予測値=a/a+b
・ 陰性予測値=d/c+d
・ 陽性尤度比=鋭敏度(感度)/1-特異度=鋭敏度(感度)/偽陽性率