令 和 3 年 度
開星高等学校入学試験問題
(第 5 限 14:35~15:25)
理 科
注 意
1 「始め」の合図があるまでは,開いてはいけません。
2 問題は全部で 5 題あり,9 ページまでです。
3 「始め」の合図があったら,まず,解答用紙に受験番号を書きなさい。
4 答えは,すべて解答用紙に書きなさい。
5 「やめ」の合図で,すぐ鉛筆をおき,解答用紙を裏返しにして机の上
におきなさい。
【第 1 問題】
次の⑴~⑻の問いに答えなさい。
⑴ 図 1 のようにアルミニウムの棒に電流を流した結果,
棒は手前に動いた。次に U 字磁石の上下をかえて再 び電流を流すと,アルミニウムの棒はどの向きに力を 受けるか。次の ア~カ から 1 つ 選んで記号で答えな さい。
ア 右 イ 左 ウ 上 エ 下 オ 奥 カ 手前
⑵ 図 2 の回路が完成するように③にあてはまる抵抗器を 次の A ~ F から 1 つ 選びなさい。ただし①は 12V の 電圧がかかっており,②には 1 Ωの抵抗器をつなげて ある。なお矢印は電流の向きを示している。
A : B : C : D : E : F :
⑶ 気孔を取り囲んでいる 2 つの細胞を何というか。その 名称 を答えなさい。
⑷ 5 つのビーカー A ~ E にうすい硫酸を 50 mL ずつはかりとったのち,うすい水酸化バリウム 水溶液を,駒込ピペットで A には 10 mL ,B に は 20 mL ,C に は 30 mL ,D に は 40 mL ,E に は 50 mL ずつそれぞれ加えて混ぜた。十分反応させ た後,いずれのビーカーにおいても白色の硫酸 バリウム沈殿が確認された。
加えた水酸化バリウム水溶液の体積と生じた 硫酸バリウムの質量との関係をグラフにまとめ たものが 図 3 であったとき,反応後のビーカー B,
ビーカー C 及びビーカー D に BTB 溶液をいれたときの色をそれぞれ答えなさい。
8V, 8A 8V, 8A 2A, 4Ω
2A, 4Ω 0.2Ω 0.2Ω
N
S
+
- 図 1
図 2
図 3
①
② 20V, 10A
③
0 1.0 0.9 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0
10 20 30 40 50
硫酸バリウムの質量
(g)
うすい 水 酸 化 バリウムの 体 積(mL)
【第 2 問題】
下の図は,ある地域 A における地層のスケッチである。また,図中の地層①と④に火山灰を 堆積させた火山を「火山 X」とする。次の⑴~⑼の問いに答えなさい。
⑴ 地層③が堆積した当時,この場所はどのような環境 だったと考えられるか。地層にふくまれる化石を参 考にして答えなさい。
⑵ 地層⑤が堆積した当時,この場所はどのような環境 だったと考えられるか。地層にふくまれる化石を参 考にして答えなさい。
⑶ 地層③,⑤ にふくまれる化石のように,堆積した
当時の環境を知る手がかりとなる化石のことを何というか。その 名称 を答えなさい。
⑷ 次の ア~エ の中から,⑶の化石に当てはまるものを 1 つ 選び,記号で答えなさい。
ア フズリナ イ サンゴ ウ ビカリア エ アンモナイト
⑸ 火山灰は広い範囲にわたって短時間に堆積する。そのため,このような地層は,離れた場所 の地層を比較するための目印となる。このような地層のことを何というか。その 名称 を答え なさい。
⑹ 地層①と④はそれぞれ異なる時代の噴火によって出来たものである。地域 A から遠く離れ た地域 B でも火山 X に由来する火山灰層が 1 つみられた。地域 A と B の火山灰層をくわし く調べることで,地域 B の火山灰層が地層①と④どちらの時代と同じものかを知ることが できる。なぜこのようなことが可能なのか答えなさい。
⑺ 火山灰などの堆積物が押し固められてできた岩石を堆積岩という。特に,火山灰などの火山 噴出物からできた堆積岩のことを何というか。
⑻ 堆積岩のうち生物の骨格からできたものを石灰岩という。石灰岩にうすい塩酸をかけると発 生する気体は何か。その 名称 を答えなさい。
⑼ 化石がもとになってできたものには,私たちの生活の中で大変役に立っているものが多い。
私たちの暮らしの中で使われている,化石がもとになっているものの例を 2 つ 答えなさい。
⑸ 恒星とはどのような天体か。説明しなさい。
⑹ 次の ア~オ の動物の中から恒温動物を 2 つ 選び,記号で答えなさい。
ア ヤリイカ イ イモリ ウ ニワトリ エ ワニ オ コウモリ
⑺ 暖気と寒気の勢力がほぼ同じであるとき前線はほとんど動かなくなる。このような前線を何 というか。その 名称 を答えなさい。
⑻ ⑺の前線の例を 1 つ あげなさい。
シジミの化石
ホタテガイの化石
①
②
③
④
⑤
砂でできた地層 火山灰でできた地層
砂と泥が混ざった 地層
火山灰でできた地層
―
3
――
2
―⑺ 下の 図 2 に示した「四角いスイカ」は,果実のできはじめに強化プラスチックの型
かたわく枠にはめ て育てることでつくられる。この「四角いスイカ」の種子をまいて育てると, 「四角いスイカ」
はできず「丸いスイカ」ができる。 図 3 に示した「日もちのよいトマト」は遺伝子組み換え 技術による品種改良でつくられたものである。この「日もちのよいトマト」の種子をまいて 育てると,いくつかの株からは「日もちのよいトマト」ができる。このようなちがいが出る 理由を, 「形質」 と 「遺伝」 という 2 語を使って説明しなさい。
【第 3 問題】
19 世紀,オーストリアのメンデルは,エンドウの種子の形や色などの形質に注目して,遺伝 の規則性を調べるために交配実験をおこなった。 図 1 は,その実験の結果を表したものである。
なお,図の親世代は,すべて純系を用いたものとする。次の ⑴~⑺ の問いに答えなさい。
⑴ 種子の丸形としわ形のように,対をなす形質のこ とを何というか。その 名称 を答えなさい。
⑵ 図 1 の孫に現れた優性と劣性の個体数は、およそ 何対何か。最も簡単な整数比で答えなさい。なお,
どの形質についても共通の整数比で表すことがで きる。
⑶ 文中の下線部について,「純系」とは何か。説明 しなさい。
⑷ 種子を丸形にする遺伝子を A,しわ形にする遺伝子を a とするとき,孫に現れた遺伝子の 組み合わせを,丸形としわ形に分けて答えなさい。
⑸ ⑷で答えた遺伝子の組み合わせから 2 つを選んで交配したとき,丸形の種子としわ形の種子 が 1:1 で現れる組み合わせは,どれとどれか。
⑹ 次の文は遺伝子について述べたものである。文中の空欄 ア~ウ に,適する語句を入れなさい。
全ての生物は,細胞の中に遺伝子をもっている。遺伝子は ( ア ) の中に存在し,その 本体は ( イ ) という物質である。また,自然界では生物のもつ遺伝子が変化することに より形質が変化することがある。このような遺伝子の変化のことを ( ウ ) という。
形質 種子の形 さやの色 茎くきの長さ
親
優性形質
丸形 緑色 長い
劣性形質
しわ形 黄色 短い
子の形質 全て丸形 全て緑色 全て長い 孫に現れた個
体数
優性 5457 428 787 劣性 1850 152 277
図 1
図 2
四角いスイカ 丸いスイカができる。
種子をまいて 育てる。
図 3
日もちのよいトマト
いくつかの株からは,
日もちのよいトマトが できる。
種子をまいて 育てる。
【第 4 問題】
酸化銅の反応について調べるために,以下の①~④の手順で実験をおこなった。
【実験】
手順① 酸化銅粉末 7.2 g に,乾燥した炭素粉末 0.18 g を加え二つをよく混ぜた後,試験管 A に加 えた。
手順② ①の試験管をスタンドに固定して右図の ような実験装置をつくり,混合物部分をガスバー ナーで十分に加熱して
a気体を発生させた。
手順③ 気体が発生しなくなった後,
b石灰水からガラス管をとり出し熱するのをやめた(発生 した気体により,試験管 B 内の石灰水は白く濁った)。
手順④ ③の後,
cピンチコックでゴム管をとめて試験管 A を室温になるまで冷ましてから,
試験管 A 内に残った物質の質量を測定した。
次の⑴~⑺の問いに答えなさい。
⑴ 試験管 A 内に加えた混合物のうち,実験後に酸化された物質と還元された物質を,それぞ れ答えなさい。
⑵ 酸化銅粉末の量を 7.2 g のままで,炭素粉末の量を 0.36 g ,0.54 g ,0.72 g ,0.90 g に変えて手 順①~④と同じ操作をおこない,その結果を表にまとめた(ただし反応後の試験管 A の中 にある気体の質量は無視できるものとする)。表中の空欄 X に当てはまる数値を小数点以下 第二位まで求めなさい。また,加えた炭素粉末の質量(横軸)と発生した気体の質量(縦軸)
との関係を表したグラフを解答用紙に描きなさい。
⑶ 表とグラフから,試験管 A 内の酸化銅中に含まれていた銅と酸素の質量の比を,最も簡単 な整数比で答えなさい。
⑷ 酸化銅の質量を 21.0 g に,加える炭素粉末の質量を 1.32 g にして 手順①~④までと同じこと をおこなったとき,発生した気体に含まれている酸素の量は何 g になるか。最も適当なも のを次の ア~カ の中から 1 つ 選び記号で答えなさい。
ア 1.32 g イ 1.76 g ウ 3.08 g エ 3.52 g オ 4.40 g カ 4.84 g
⑸ 下線部 a について,この気体を収集するには下方置換法と水上置換法が用いられる。これ は発生した気体のどのような性質に基づいているか,それぞれ答えなさい。
⑹ 下線部 b について,このような操作をしなければならない理由を説明しなさい。
⑺ 下線部 c について,このような操作をしなかった場合,どのようなことが起こると考えら れるか。次の ア~ウ から 1 つ 選び記号で答えなさい。
ア 試験管 A 内の銅が蒸発して,空気中に出て行ってしまう。
イ 空気が試験管 A の中に入り銅が酸化されてしまう。
ウ 試験管 A の中で加熱された炭素が出ていき燃え上がる。
試験管B 試験管A
せっかいすい石灰水 ピンチコック 酸化銅(黒色)と
炭(炭素)の粉
酸化銅の質量(g) 7.2 7.2 7.2 7.2 7.2
加えた炭素粉末の質量(g) 0.18 0.36 0.54 0.72 0.90 反応後の試験管 A の中にある物質の質量(g) 6.72 6.24 5.76 X 6.12
表
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 2.0
1.0
発生した気体の質量
(g)
加えた炭 素 粉 末の質 量(g)
(下書き用)
―
7
――
6
―図 3 は,摩擦のない,なめらかな斜面に 600 g の物体 X をおいたときの様子を示している。
次の⑸~⑻の問いに答えなさい。ただし 100 g にかかる重力を 1 N とする。
⑸ 物体 X が斜面から受ける力を,解答用紙に作図しなさい。ただし,重力の斜面に平行な分 力ならびに垂直な分力も作図することとする。
⑹ ⑸の状態から斜面の角度を小さくした場合,①斜面から受ける力がどう変化するか,②重力 がどう変化するか, ア~ウ の中からそれぞれ 1 つずつ 選び記号で答えなさい。
ア 大きくなる イ 小さくなる ウ 変化しない
⑺ 物体 X が斜面に沿って進行方向 A へ動いた時の速さの変化を 図 4 に,
動いた距離を 表 に示した。物体 X が 5 秒後に地面に到達したとする と,物体 X は動き出す直前, 地上 から何 m の高さ にあったと考えら れるか,小数点以下第一位まで求め なさい。
⑻ 物体 X を斜面に沿って進行方向 B へ 2.5 m 動かしたときの仕事を求めなさい。
【第 5 問題】
図 1 は,長さ 160 cm の棒 XY ,おもり,滑車,輪軸を組み立て,つり合わせたものを示している。
これについて,後の⑴~⑷の問いに答えなさい。ただし,棒・滑車(2 種類)・輪軸・ひもの重 さは考えないこととする。また輪軸の小径と大径の比は 1:2 とする。
⑴ おもり ア の質量を答えなさい。
⑵ 図 1 中の長さ 160 cm の棒 XY を水平に保ったまま,480 g のおもりを 10 cm 引き上げるため には, ア・イ をそれぞれ何 cm 引き下げればよいか,それぞれ答えなさい。
⑶ 図 1 中の輪軸の小径と大径の比を 1:3 に変えてつり合わせるとき,おもり ア の質量を何 g にすればよいか,答えなさい。
⑷ 図 2 は,おもり,滑車を組み立てなおし,再びつり合わせたものを示している。おもり ウ の 質量を答えなさい。
図 1
おもり ア おもり イ
80 cm 160 cm
X Y
おもり:480 g
図 2
おもり ウ
おもり:480 g
図 3
重力 物体X
進行方向A
進行方向B
6 m 10 m
8 m
0 秒後 1 秒後 2 秒後 3 秒後 4 秒後 動いた距離(m) 0 0.3 1.2 2.7 4.8
表
4.2 3.6 3.0 2.4 1.8 1.2 0.6 0
0 1 2 3 4
時間(s)
5 6 7 8
速さ
(m/s)
図 4
【第 1 問 題】
⑴ ⑵ ⑶
⑷ B C D ⑸
⑹ ⑺ ⑻
【第 2 問 題】
⑴ ⑵ ⑶
⑷ ⑸ ⑹
⑺ ⑻ ⑼
【第 3 問 題】
⑴ ⑵ 優性:劣性= : ⑶
⑷ 丸形 しわ形 ⑸ と
⑹ ア イ ウ
⑺
受 験 番 号
得 点
【第 5 問 題】
⑴ ア g ⑵ ア cm イ cm ⑶ g ⑷ g
⑸
⑹ ① ②
⑺ m ⑻ J
重力 物体X
【第 4 問 題】
⑴ 酸化された物質 還元された物質
⑵
X の数値 g
グラフ ⑶ 銅:酸素 = :
⑷
⑸
下方置換法
水上置換法
⑹
⑺
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 2.0
1.0
発生した気体の質量
(g)
加えた炭 素 粉 末の質 量(g)